JP5039464B2 - ポリプロピレン樹脂組成物および成形体 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる成形体に関するものである。さらに詳細には、面衝撃性、透明性に優れ、さらに、成形体にしたときに、結晶化速度が速く成形サイクルを短縮でき生産性を向上させることができるポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる成形体に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂組成物は、これを薄肉で透明な射出成形品にできることから、従来から、食品容器等に用いられている。そのような用途に用いられるポリプロピレン系樹脂組成物として、例えば、特開2004−176061号公報(特許文献1)に、特定のプロピレン・エチレンランダム共重合体と特定のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン・α−オレフィン共重合体、及び特定のプロピレン単独重合体とを含有する混合物に、有機過酸化物を添加し、溶融混練してなるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
また、特開平10−77373号公報(特許文献2)には、剛性と耐衝撃性のバランスに優れたまま、透明を改良する目的で、特定のポリプロピレン系樹脂に、ポリプロピレン系樹脂と屈折率の差が特定の範囲であるエチレン・αオレフィン共重合体を特定の割合で配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
また、特開平10−45970号公報(特許文献3)には、優れた透明性を維持しながら耐衝撃性を改良する目的で、ポリプロピレン系樹脂に、特定の屈折率をもつポリオレフィン系ゴムおよび、特定の透明核剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
また、特開平9−20840号公報(特許文献4)には、光沢、耐熱性、剛性、耐衝撃性のバランスを改良する目的で、特定のポリプロピレン系樹脂に、特定のエチレン系共重合体および、ソルビトール系造核剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
また、特開平9−32164号公報(特許文献5)には、耐熱性、溶出成分が少ないまま、透明性と耐衝撃性を改良する目的で、プロピレン系重合体に特定のエチレン(共)重合体、他のエチレン系重合体からなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
特開2004−176061号公報 特開平10−77373号公報 特開平10−45970号公報 特開平9−20840号公報 特開平9−32164号公報
しかし、上記公報に記載されているポリプロピレン樹脂組成物においても、耐衝撃性、透明性に優れたものであって、さらに、成形体にするとき、結晶化速度が速く成形サイクルを短縮でき生産性を向上させることが望まれていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、耐衝撃性、および透明性に優れ、さらに、成形体にしたときに、結晶化速度が速く成形サイクルを短縮でき生産性を向上させることができるポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる射出成形体を提供することにある。
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、
下記プロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))50〜91重量%と、下記プロピレン単独重合体(成分(B))7〜30重量%、下記エチレン系共重合体(成分(C))2〜20重量%とを、含有する樹脂混合物(成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計を100重量%とする)、および、前記樹脂混合物100重量部に対して、
下記一般式(I)
Figure 0005039464
(式(I)中、R1〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8個のアルキル基又は炭素原子数1〜4個のアルコキシ基を表す。)で示される少なくとも一種のジベンジリデンソルビトール類(D)0.05〜2重量部と、
下記一般式(II)
Figure 0005039464
(式(II)中、M1およびM2は、それぞれナトリウム原子および水素原子よりなる群から選ばれ、ここでM1およびM2のうち少なくとも一つはナトリウム原子であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20は、それぞれ水素、炭素原子数1〜9個のアルキル基、水酸基、炭素原子数1〜9個のアルコキシ基、炭素原子数1〜9個のアルキレンオキシ基、アミノ基、炭素原子数1〜9個のアルキルアミン基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子)、およびフェニル基よりなる群から選択される。ここで、これらの基がアルキル基である場合、アルキル基が結合して炭素原子数6個までの炭素環を形成してよい。この化合物はトランスまたはシス配置のいずれであってもよく、好ましくはシス配置である。)で示される少なくとも一種の金属塩類(E)0.001〜0.5重量部と、
下記一般式(III)
Figure 0005039464
(式(III)中、R21は炭素原子数10〜30個の脂肪族有機酸から導入される基を表し、M3はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子を表し、nは1又は2を表す。)で示される少なくとも一種の脂肪族有機酸金属塩類(E)0〜1重量部
を含むことを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物に係るものである。
成分(A):
エチレン由来の構造単位の含有量が2〜5重量%であり、
測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(JIS−K6758)が2〜90g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体の全量を100重量%とする)。
成分(B):
測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(JIS−K6758)が2〜150g/10分であるプロピレン単独重合体。
成分(C):
密度が0.86〜0.91g/cmであり、測定温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトルフローレート(JIS−K7210)が2〜100g/10分であるプロピレンおよび炭素数4〜18のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとエチレンと共重合させて得られる共重合体。
本発明によれば、面衝撃性、透明性に優れ、さらに、成形体にしたときに、結晶化速度が速く成形サイクルを短縮でき生産性を向上させることができるポリプロピレン樹脂組成物およびそれからなる成形体を得ることができる。
本発明で用いられるプロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))は、エチレン由来の構造単位の含有量が2〜5重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体である(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体の全量を100重量%とする)。エチレン由来の構造単位の含有量として、好ましくは2〜4重量%である。
エチレン由来の構造単位の含有量が2重量%未満の場合、面衝撃性が不十分なことがあり、5重量%を超えた場合、結晶化速度、剛性が不十分なことがある。
成分(A)の測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(以下、MFRと称する)(JIS−K6758)は2〜90g/10分であり、好ましくは10〜90g/10分であり、さらに好ましくは、20〜50g/10分である。成分(A)のMFRが2g/10分未満の場合、成形性が不十分なことがあり、90g/10分を超えた場合、衝撃強度や面衝撃性が不十分なことがある。
本発明のポリプロピレン樹脂混合物に含有される成分(A)の含有量は50〜91重量%(成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計を100重量%とする)であり、好ましくは70〜91重量%である。成分(A)の含有量が50重量%未満の場合、十分な透明性、面衝撃性が得られないことがあり、91重量%を超えた場合、十分な結晶化速度が得られず、成形サイクル性が十分に短縮できないことがある。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体(成分(B))の測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(以下、MFRと称する)(JIS−K6758)は2〜150g/10分であり、好ましくは15〜70g/10分である。成分(C)のMFRが0.5g/10分未満の場合、成形性が不十分なことがあり、150g/10分を超えた場合、面衝撃性が不十分なことがある。
成分(B)の13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は、剛性、耐熱性または結晶化時間を早くするという観点から、好ましくは0.95以上であり、更に好ましくは、0.97以上である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に発表されている方法、すなわち13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー由来の単位の分率である(ただし、NMR吸収ピークの帰属は、その後発刊されたMacromolecules,8,687(1975)に基づいて行う)。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定する。この方法によって英国 NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL標準物質 CRM No.M19-14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
成分(B)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量分布(Q値、Mw/Mn)として、好ましくは3以上7以下であり、より好ましくは3〜5である。
また、成分(B)の含有量は7〜30重量%(成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計を100重量%とする)であり、好ましくは10〜20重量%である。成分(B)の含有量が7重量%未満の場合、十分な結晶化速度が得られないことがあり、30重量%を超えた場合、十分な透明性、耐衝撃性が得られないことがある。
本発明で用いられるポリエチレン系共重合体(成分(C))は、プロピレンおよび炭素数4〜18のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとエチレンとを共重合させて得られる共重合体である。
α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチル−ペンテン−1等が挙げられる。これらを単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
成分(C)の密度は、透明性や面衝撃性の観点から、0.86〜0.91g/cm3であり、好ましくは0.88〜0.91g/cm3である。密度が0.86g/cm3以下の場合は透明性が不十分なことがあり、0.91g/cm3を超えた場合、透明性や面衝撃性が不十分なことがある。
成分(C)の測定温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(以下、MFRと称する)(JIS−K7210)は2〜100g/10分であり、好ましくは5〜50g/10分である。成分(B)のMFRが2g/10分未満の場合、透明性や成形性が不十分なことがあり、100g/10分を超えた場合、面衝撃性が不十分なことがある。
また、(C)の含有量は2〜20重量%(成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計を100重量%とする)であり、好ましくは4〜10重量%である。成分(C)の含有量が2重量%未満の場合、十分な耐衝撃性が得られないことがあり、20重量%を超えた場合、十分な結晶化速度が得られず、成形サイクル性が十分に短縮できないことがある。
本発明で用いられるジベンジリデンソルビトール類(D)は、下記一般式(I)
Figure 0005039464
(式(I)中、R1〜R10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8個のアルキル基又は炭素原子数1〜4個のアルコキシ基を表す。)で示される少なくとも一種のジベンジリデンソルビトール類である。
ここで、ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素原子数1〜8個のアルキル基としては、例えば前記と同様のアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。炭素原子数1〜4個のアルコキシ基としては、例えばアルキル部分が前記の炭素原子数1〜8個のアルキルに含まれる炭素原子数1〜4個のアルキルと同様のアルキルであるアルコキシ基が挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基である。
本発明で用いられるジベンジリデンソルビトール類(D)としては、例えば、1,3:2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−o−メチルベンジリデン2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3:2,4−ジ−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられ、好ましくは、臭気の観点から1,3,2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
本発明で用いられるジベンジリデンソルビトール類(D)の配合量は、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対して、0.05〜2重量部であり、好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.15〜0.5重量部である。ジベンジリデンソルビトール類(C)の配合量が、0.05重量部未満の場合、透明性、機械的強度、成形加工性の改良効果が不充分であり、2重量部を超えた場合、前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))に対する分散性が悪化して耐衝撃性等の機械的特性が低下することがあり、また、透明性改良効果が飽和してしまい、不経済になるだけである。
また、ジベンジリデンソルビトール類(D)は粉体としての使用が好ましい。ジベンジリデンソルビトール類(D)の粉体特性は、好ましくは、見掛け嵩比重が0.1〜0.5g/ccの範囲であり、より好ましくは、0.2〜0.4g/ccである。尚、見掛け嵩比重とは、一定容積のメスシリンダー内にジベンジリデンソルビトール類(D)粉体を自然落下で一定容積だけ積層させた際のジベンジリデンソルビトール類(D)粉体の重量を測定して、算出により得られるものである。上記範囲より小さい場合、配合時に流動性が無く生産性が悪化することがあり、また、大きい場合は、前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))に対する分散性が悪化して耐衝撃性等の機械的特性が低下したり、透明性改良効果が十分でないことや、白班状の点が成形体に確認され外観不良を起こすことがある。
ジベンジリデンソルビトール類(D)の製造方法としては、公知の製造方法が挙げられる。ジベンジリデンソルビトール類(D)の粉体を製造する方法としては、粉砕法、粒子製造工程時の析出条件を変更することによって製造する方法が挙げられ、製造時に粒子同士の凝集を防止するために、表面処理剤、界面活性剤等を接触させた状態で製造してもよい。
また、本発明で用いられる金属塩類(E)は、下記一般式(II)
Figure 0005039464
(式(II)中、M1およびM2は、それぞれナトリウム原子および水素原子よりなる群から選ばれ、ここでM1およびM2のうち少なくとも一つはナトリウム原子であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20は、それぞれ水素、炭素原子数1〜9個のアルキル基、水酸基、炭素原子数1〜9個のアルコキシ基、炭素原子数1〜9個のアルキレンオキシ基、アミノ基、炭素原子数1〜9個のアルキルアミン基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子)、およびフェニル基よりなる群から選択される。ここで、これらの基がアルキル基である場合、アルキル基が結合して炭素原子数6個までの炭素環を形成してよい。この化合物はトランスまたはシス配置のいずれであってもよく、好ましくはシス配置である。)で示される少なくとも一種の金属塩類である。
また、上記一般式(II)で表される金属塩類としては、例えば、特表2004−524417号公報、特表2004−530006号公報に記載の化合物である。
一般式(II)で表される金属塩類(E)として、より好ましくは、ヘキサヒドロフタル酸基の金属塩類であり、さらに好ましくは、下記の構造式で表されるジナトリウム−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン−2,3−ジカルボキシラートである。
本発明で用いられる金属塩類(E)の含有量は、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対して、0.001〜0.5重量部であり、好ましくは、0.005〜0.04重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.03重量部である。0.001重量部未満の場合、透明性、結晶化速度の改良が不十分なことがあり、0.04重量部を超えた場合、透明性、面衝撃性の改良効果が充分でないことがあり、また、過剰になり、不経済なだけである。
また、本発明で用いられる成分(D)と成分(E)の配合比率は、透明性、成形加工性、機械的特性の観点から好ましくは(D)/(E)が3〜300の範囲であり、より好ましくは(D)/(E)が5〜100の範囲であり、特に好ましくは5〜50の範囲である。この配合比率は、本発明の目的を損なわない範囲で任意に選択することができる。
また、本発明で用いられる脂肪族有機酸金属塩類(F)は、一般式(III)
Figure 0005039464
(式(III)中、R21は炭素原子数10〜30個の脂肪族有機酸から導入される基を表し、M3はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子を表し、nは1又は2を表す。)で示される少なくとも一種の脂肪族有機酸金属亜塩類である。
脂肪族有機酸金属塩(III)においては、R21基は、炭素数10〜30の脂肪族有機酸由来の基であり、該有機酸としてはヒドロキシル基を有するものでもよく、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、γ−リノレン酸、リノレン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ナフテン酸、アビエチン酸等が挙げられる。中でも、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸が低コストで使用効果が顕著であるので好ましい。また、M3で表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。
中でも、前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))に対するジベンジリデンソルビトール類(D)、一般式(II)で示される金属塩類(E)の分散性を向上させる観点から、好ましくは、アルカリ金属であるリチウム、ナトリウムである。
また、脂肪族有機酸金属塩(F)は、本発明に用いられる前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対して、0〜1重量部の範囲で任意に選択し配合される。配合する場合は、透明性、機械的特性、成形加工性をより改良する観点から、好ましくは0.001〜0.5重量部の範囲であり、さらに好ましくは0.01〜0.01重量部の範囲である。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、成形性、延性、耐衝撃性を高めるという観点から、好ましくは、10〜100g/10分であり、より好ましくは20〜50g/10分である。なお、ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(JIS−K6758)である。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造において、230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)を10〜100g/10分の範囲に調整する方法として、プロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))とプロピレン単独重合体(成分(B))とエチレン系共重合体(成分(C))と成分(D)と成分(E)、必要に応じて(F)を配合し、さらに、有機過酸化物(G)の存在下、溶融混合により変性することにより調整することができる。
本発明で用いられる有機過酸化物(G)は、過酸化アルキル類、過酸化ジアシル類、過酸化エステル類および過酸化カーボネート類である。
過酸化アルキル類としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t―ブチルパーオキサイド、ジ−t―ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルクミル、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン等が挙げられる。
過酸化ジアシル類としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド等が挙げられる。
過酸化エステル類としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t―ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルーパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−アミルパーオキシ3,5,5―トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5―トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−ブチルパーオキシトリメチルアディペート等が挙げられる。
過酸化カーボネート類としては、例えば、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジセチル パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物(G)として、好ましくは過酸化アルキル類であり、特に好ましくは2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナンである。
有機過酸化物(G)の配合量は、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対して0〜0.5重量部である。好ましくは0.0005〜0.3重量部であり、より好ましくは0.001〜0.1重量部である。
有機過酸化物(G)の配合量が0.5重量部を超えた場合、ポリプロピレン系樹脂組成物の成形加工性、機械的特性が不十分であったり、ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて成形加工して得られる製品の透明性や色相が悪化したりすることがある。
また、有機過酸化物(G)は、そのまま用いても良く、プロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))やプロピレン単独重合体(成分(B))のパウダーに含浸させた含浸パウダー(マスターバッチ)として用いても良い。プロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))やプロピレン単独重合体(成分(B))のパウダーとは、粉末状のプロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))やプロピレン単独重合体(成分(B))のパウダーである。パウダーの平均粒子径は特に限定されるものではないが、分散性の観点から、好ましくは、100μm〜1000μmである。有機過酸化物(G)の含浸量は特に限定されるものではないが、1〜20重量%の範囲が取り扱い上の点で好ましい。
有機過酸化物(G)を配合して、本発明のポリプロピレン樹脂組成物の230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)を10〜100g/10分の範囲に調整する製造における温度(ポリプロピレン系樹脂組成物を溶融混練する温度)は、180℃以上である。好ましくは200〜300℃、さらに好ましくは200〜260℃の範囲である。180℃未満では、目的するメルトフローレート(MFR)の調整できないことがあり、300℃を超える場合には、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の諸特性が悪化することがある。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、透明性、機械的特性、外観、結晶化速度の観点から、ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて得られる成形体(フィルム、シート、射出成形体等)の表面に発生する白班点の個数が少ない方が好ましい。尚、白班点の個数の算出方法としては、射出成形法により成型加工した試験片について、その試験片両面を偏光板で挟み、蛍光灯の光を偏光板および試験片に透過させて、試験片に存在する白班点を目視で観察することによって求められる。例えば、試験片の中央部の一定面積内(50×50mm)に観察される白班点が、5個未満の場合を○、5〜10個の場合を△、10個以上の場合を×、50個以上を××として、これを指標とする場合、白班点の数が少ないほど、外観に優れた成形体であると判定することができる。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、公知の添加剤を配合してもよい。例えば、中和剤(ハイドロタルサイト類、アルキル土類の酸化物や水酸化物)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、着色剤、発泡剤、抗菌剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、高輝度化剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。中でも、中和剤、酸化防止剤、着色剤がよく用いられる。
中和剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物等が挙げられる。これらの中和剤は、ポリプロピレン系樹脂製造時の触媒残渣である塩素化合物の中和を目的に配合されることがあり、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
前記ハイドロタルサイトとは、アニオン交換性の層状化合物である。ハイドロタルサイトは、天然鉱物であっても、合成品であっても良く、またその結晶構造、結晶粒子径、含水率等は、適宜、決定すればよい。また、必要に応じて、上記ハイドロタルサイトには表面処理を行ってもよい。
上記一般式で表されるハイドロタルサイトの中で、好ましくは下記式(IV)で表されるハイドロタルサイトである。
MgYAl2(OH)2Y+4CO3・mH2O 式(IV)
(式中、Yは、Y≧4であり、mは正の数である。)
より好ましくは、一般式(IV)のM2+が、Mg2+、Zn2+の何れか1種、または2種の2価金属カチオンから構成されるものであり、さらに好ましくは、下記のハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2
Mg4.5Al2(OH)13(CO30.8・O0.2
Mg4Al2(OH)12CO3・3H2
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O(天然鉱物)
Zn4Al2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物とは、周期表第2族の金属原子の酸化物または水酸化物であり、例えば酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。好ましくは水酸化カルシウムである。
中和剤の配合量は、例えば、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対して、0.001〜0.5重量部である。好ましくは0.005〜0.2重量部であり、より好ましくは0.01〜0.2重量部である。
また、酸化防止剤は、公知のものを使用することができ、酸化防止剤とは、前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))の熱、光、酸素、等による分解を防止する作用を有する化合物である。例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤等が挙げられ、中でも、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤が単独または併用して、よく用いられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート、トコフェロール類等が挙げられる。トコフェロール類としては、α−トコフェロールであるビタミンEが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、好ましくは、テトラキス[メチレン−3(3’,5’ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であり、さらに好ましくは、色相安定性に優れる樹脂組成物を得ることができるということから、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンである。
フェノール系酸化防止剤の配合量は、一般には、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対し、0.01〜2重量部である。好ましくは0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
また、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) 2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
好ましくは、ポリプロピレン系樹脂組成物の加工安定性を良好にできるということから、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンである。
リン系酸化防止剤の配合量は、一般には、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対し、0.01〜2重量部である。好ましくは0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
これらの添加剤の配合方法は、例えば、予め溶融混練された前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))のペレットに配合する方法や、ポリプロピレン系樹脂組成物をペレット化する段階で各成分((D)、(E)、(F)、(G))と一緒に配合する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、本発明に用いられる前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))以外の他の樹脂やゴムなどを配合してもよい。
例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン/α−オレフィン系共重合体(L−LDPEやエラストマー)、ポリスチレン類(例えばポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、天然ゴム、ポリ乳酸等が挙げられ、これらの他の樹脂は、単独で用いても良く、少なくとも2種を併用しても良い。
前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))以外の他の樹脂やゴムなどを配合する方法は、例えば、予め溶融混練されたポリプロピレン系樹脂組成物のペレットに配合する方法や、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造する段階でポリプロピレン樹脂(A)と各成分((D)、(E)、(F)、(G))と必要に応じて添加される前記添加剤と一緒に配合する方法等が挙げられる。
また、前記他の樹脂やゴムは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物と張り合わせて多層化して使用することもできる。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、充填剤を配合してもよい。
充填剤としては、例えば、タルク、クレイ、ガラスビーズ、珪酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、合成有機繊維、天然繊維、木粉等が挙げられる。
前記の充填剤を配合する方法としては、例えば、予め溶融混練されたポリプロピレン樹脂組成物のペレットに配合する方法や、ポリプロピレン樹脂組成物を製造する段階でポリプロピレン樹脂成分と各成分((D)、(E)、(F)、(G))と必要に応じて添加される前記添加剤と一緒に配合する方法等が挙げられる。
前記の充填材として、タルク、クレイまたは炭酸カルシウムを配合する場合であって、前記樹脂混合物(成分(A)、成分(B)および成分(C))100重量部に対して、0.001〜1重量部のタルク、クレイまたは炭酸カルシウムを配合する場合は、タルク、クレイまたは炭酸カルシウムが造核剤として機能するため、ポリプロピレン樹脂組成物を製造する段階で配合することがある。
また、着色剤としては、一般に使用されている公知の着色剤が挙げられ、無機顔料や有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、前記充填材としても用いられるカーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛や、弁柄、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、群青、コバルトブルー、チタンイエロー、鉛白、鉛丹、鉛黄、紺青等が挙げられ、有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ポリアゾイエロー、アンスラキノンイエロー、ポリアゾレッド、アゾレーキイエロー、ペリレン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。これらの着色剤は単独で用いても良く、少なくとも2種類を併用しても良い。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に、必要に応じて添加される添加剤、他の樹脂やゴムや充填材等を配合して、180℃以上で溶融混合する方法としては、例えば、公知の溶融混合する方法が挙げられ、溶融押出機やバンバリーミキサー等によって溶融混合する方法が挙げられる。
また、本発明で用いられる前記各成分((D)、(E)、(F)、(G))を配合する方法としては、本発明に用いられる前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))と各成分((D)、(E)、(F)、(G))を溶融混合して製造され、各成分((D)、(E)、(F)、(G))の濃度が1〜90重量%である高濃度マスターバッチや、各成分((D)、(E)、(F)、(G))の何れか1種と少なくとも1種の他の添加剤とを混合し、顆粒状に固形化し、各成分((D)、(E)、(F)、(G))の濃度が10〜90重量%である高濃度顆粒物をあらかじめ用意し、本発明で用いられる前記樹脂成分(成分(A)、成分(B)および成分(C))に、希釈配合する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法で用いられる溶融混練装置としては、公知の溶融混練装置が挙げられる。例えば、単軸押出機、二軸同方向回転押出機(Wernw Pfleideren製 ZSK[登録商標]や東芝機械(株)製 TEM[登録商標]、日本製鋼所(株)製 TEX[登録商標]等)、二軸異方向回転押出機(日本製鋼所(株)製 CMP[登録商標]、TEX[登録商標]、神戸製鋼所(株)製 FCM[登録商標]、NCM[登録商標]、LCM[登録商標]等)が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の形状としては、例えば、ストランド状、シート状、平板状、ストランドを適当な長さに裁断したペレット状等が挙げられる。本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を成形加工へ適用するためには、得られる成形体の生産安定性の観点から、形状として好ましくは、長さが1〜50mmのペレット状である。
本発明の成形体は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を各種成形方法によって、成形して得られる成形体であり、成形体の形状やサイズ等は、適宜、決定すればよい。
本発明の成形体の製造方法としては、例えば、通常工業的に用いられている射出成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法、押出成形法等が挙げられ、また、目的に応じて、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物と同種のポリオレフィン系樹脂や他の樹脂と貼合する成形方法、共押出成形する方法等も挙げられる。
本発明の成形体として、好ましくは、射出成形体であり、その成形方法は射出成形法である。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等の方法が挙げられる。
本発明の成形体の用途としては、例えば、雑貨、家電材料、OA機器材料、医療用材料、排水パン、トイレタリー材料、各種ボトル、コンテナー、カップ、シート、フィルム等が挙げられる。中でも食品容器、食品包装用成形体として用いられる各種ボトル、カップ、シート、フィルムに成形加工するのが好ましい。ボトルとしては飲料水等のボルト、カップとしてはプリン、ヨーグルト、果物ゼリーなどの保存カップが挙げられる。シートとしては真空成形加工等により各種容器等に二次加工し、カップと同様な用途に使用することができる。フィルムとしては、各種包装用の延伸フィルム、未延伸フィルム、インフレーションフィルム等が挙げられ、食品の包装用材料に用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明する。実施例および比較例で用いた重合体及び組成物の物性の測定方法を以下に示した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
(1−1)プロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))およびプロピレン単独重合体(成分(B))のMFRの測定方法
測定温度230℃、荷重2.16kgfで、JIS−K6758に従って測定した。
(1−2)エチレン系共重合体(成分(C))のMFRの測定
測定温度190℃、荷重2.16kgfで、JIS−K7210に従って測定した。
(2)曲げ弾性率(単位:MPa)
JIS−K−7203に規定された方法に従って測定した。後述する射出成形により成形された厚みが6.4mmであり、スパン長さが100mmである試験片を用いて、荷重速度は2.5mm/分で、測定温度は23℃で行った。曲げ弾性率は剛性の指標であり、曲げ弾性率の値が大きいほど、剛性に優れることを示す。
(3)エチレン含有量(単位:重量%)
高分子分析ハンドブック(1985年、朝倉書店発行)の第256頁「(i)ランダム共重合体」の項に記載の方法に従ってIRスペクトルを用いて、エチレン由来の構造単位の含有量を測定した。
(4)結晶化速度(結晶化時間、単位:秒)
株式会社パーキンエルマージャパン製「Diamond DSC」(示差走査熱量測定装置)を用いて測定した。具体的には、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットを圧縮成形加工機によりフィルム(100μ)化して測定用試料を作製した。DSCに作製した試料を約10mgセットして、一旦、220℃へ昇温して220℃の状態で5分間放置することにより試料を完全に溶解させた。その後、速度:300℃/分の条件で所定温度に急冷して所定温度で熱量カーブが終了する相当時間までその温度を保持した。結晶化時間は、得られた熱量カーブの最大値(ピークトップ)に至るまでの所要時間(秒)として求めた。尚、所要時間が小さいほど結晶化に至る時間が短い。この結晶化時間が短いほど成形加工時の冷却時間が短く成形加工性が優れているとした。
(5)耐衝撃性(落錘衝撃強度(FWI)、単位:J)
測定に用いる重錘の形状を図1に示した。図1に示した形状の鉄製の重錘を用いた以外は、JIS K7211の測定方法に従い、試験片の数の50%が破壊するときの衝撃エネルギーを求めた。測定温度は23℃で実施した。
尚、試験片は後述する射出成形体の製造方法によって得られたものを用いた。具体的には、尚、試験片は後述する射出成形により得られたものを使用した。具体的には、MD×TD×厚み=150×90×2mmの長平板状試験片を使用した。
(6)透明性(ヘイズ、単位:%)
JIS K7150に従って測定した。試験片は後述する射出成形により得られたもの(MD×TD×厚み=150×90×2mmの長平板状試験片の中央部を50×50mmの正方形に切削したもの)を使用した。ヘイズの測定はヘイズメータを用いた。ヘイズ値は透明性の指標であり、ヘイズ値が小さいほど、目視における試験片の透明感が良好であり、透明性が高いことを示す。
(7)白班点(目視)
前記射出成形法により成型加工した試験片(MD×TD×厚み=150×90×2mm)について、偏光板を両面から挟み、蛍光灯の光を透過させて、試験片に存在する白班点を目視で観察した。判定は、白班点が5個未満の場合を○、5〜10個未満の場合を△、10個以上の場合を×とした。白班点は造核剤成分を含む添加剤成分の分散性を示す指標であり、白班点の数が少ないほど、外観に優れた成形体であることを示す。
(8)臭気
後述する射出成形法により成型加工した試験片(MD×TD×厚み=150×90×2mm)について、ヒトによる臭いの官能検査を行い、その不快臭の有無を判定した。判定は不快臭無しを○、有りを×とした。
(9)射出成形体の作製
前記の機械的特性評価用、落錘衝撃強度評価用および透明性評価用の試験片(射出成形体)は下記の方法に従い作製した。
(1)機械的特性評価用試験片の作製
住友重機械製NEOMAT350/120型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型冷却温度50℃で射出成形を行い、機械的特性評価用試験片を得た。
(2)落錘衝撃強度評価用試験片の作製
住友重機械製NEOMAT350/120型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型冷却温度50℃で射出成形を行い、MD×TD×厚み=150×90×2mmの寸法の落錘衝撃強度評価用及び透明性評価用の試験片を得た。
参考例1
(1−1)固体触媒成分の製造
特開2004−067850号公報の実施例1記載の方法と同様に調製した。
(1−2)ポリプロピレン樹脂(A−1)の製造
(a)予備重合
充分に精製したヘキサンを攪拌機付反応器に添加し、系内を充分に窒素で置換したのち、トリエチルアルミニウム(以下TEAと略す)、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン(以下CHEDMSと略す)および前記固体触媒成分を添加し、25℃を維持しながらプロピレンを1時間にわたって連続的に添加して、予備重合体スラリーを得た。
(b)本重合
攪拌機付き気相流動層重合槽を用いて、重合温度83℃、重合圧力21kg/cm2G、気相部のエチレン濃度1.35vol.%、水素濃度を4.0vol.%に保持できるように、プロピレン、エチレンおよび水素を供給する条件下で、前記予備重合体スラリー、TEA(TEA/プロピレンポリマー=200wtppm)、CHEDMS(CHEDMS/TEA=0.15(モル/モル))を供給しながら連続気相重合を行い、プロピレン−エチレン共重合体のパウダー(A−1)を得た。得られたプロピレン−エチレン共重合体(A−1)は、融点(Tm)が148℃、エチレン含有量が2.5重量%、CXSが2.5重量%、MFRが25g/10分であった。
参考例2
ポリプロピレン樹脂(A−2)の製造
参考例1の(1−2)ポリプロピレン樹脂(A−1)の製造の(b)本重合において、重合温度、重合圧力、気相部のエチレン濃度、水素濃度を変更して製造した以外は、参考例1の(1−2)ポリプロピレン樹脂(A−1)の製造方法と同様にしてプロピレン−エチレンランダム共重合体のパウダー(A−2)を得た。得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体は、融点(Tm)が141℃、エチレン含有量が3.6重量%、CXSが3.0重量%、MFRが25g/10分であった。
参考例3
プロピレン単独重合体(B−1)の重合
参考例1の(1−2)(b)本重合において、気相部のエチレン濃度をゼロに変更し、重合温度86℃、水素濃度を2.2vol.%に変更した以外は、参考例1と同様にして樹脂粉であるプロピレン単独重合体(B−1)を得た。得られたプロピレン単独重合体は、融点(Tm)が163℃、CXSが0.25重量%、MFRが20g/10分であった。
実施例1
(1−1)ポリプロピレン樹脂組成物の製造
[造粒(溶融混練、濾過)]
前記参考例1で得られた(A−1)プロピレン−エチレンランダム共重合体のパウダー79重量部と参考例3で得られた(B−1)プロピレン単独重合体のパウダー13重量部と(C−1)ポリエチレン系重合体(住友化学(株)製エクセレンVL400、190℃のメルトフローレート:5g/10分、密度:0.900g/cm)のペレット8重量部を混合した。この混合物100重量部に対して、(D−1)1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(商品名:ゲルオールD、新日本理化(株)製)0.35重量部と(E−1)ジナトリウム=(1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシラートを主成分とする混合物(主成分:80重量%含有、商品名:Hyperform HPN−68L、ミリケン・ジャパン(株)製)0.01重量部と(F−1)ステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレートS、日本油脂(株)製)0.05重量部と(F−2)ステアリン酸ナトリウム(ノンサール SN−1パウダー、日本油脂(株)製)0.042重量部と(G−1)2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの10重量%含有ポリプロピレンパウダー(商品名:パーヘキサ25B−10、10重量%品(日本油脂(株)製)0.05重量部(有機過酸化物として、0.005重量部)、および酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(商品名:イルガノックス1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.01重量部を一括配合して、その配合物をタンブラーミキサーで混合した。得られた混合物を内径40mmの単軸押出機(田辺プラスチックス(株)製)を用いて、溶融混練部のシリンダー設定温度200℃、スクリュー回転数100rpm、押出量:16kg/時間の条件で溶融混練して、これを金網フィルター(50メッシュ)で濾過した後にダイ部(設定:200℃)より押出し、この押出物(ストランド状)を冷水により冷却固化、切断してポリプロピレン樹脂組成物からなるペレット(直径:2〜3mm)にした。得られたポリプロピレン樹脂組成物の各成分の配合量を表1に示した。
(1−2)ポリプロピレン樹脂組成物の製造
前記(1−1)の方法で製造したポリプロピレン樹脂組成物からなるペレットを用いて、前記の射出成形体の作製方法に従って射出成形によって物性評価用の試験片を作製し、所定の状態調整後、試験片の物性を測定した。評価結果を表1に示した。
実施例2
前記参考例2で得られた(A−2)プロピレン−エチレンランダム共重合体のパウダー79重量部と参考例3で得られた(B−1)プロピレン単独重合体のパウダー13重量部と(C−1)ポリエチレン系重合体のペレット8重量部を混合した。この混合物100重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示した。
実施例3
(F−2)を配合しなかった以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示した。
実施例4
(D−1)を0.30重量部、(E−1)を0.02重量部、(F−2)を0.036重量部へ変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
実施例5
(D−1)を0.30重量部、(F−2)を0.009重量部へ変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
実施例6
(D−1)を0.30重量部、(E−1)を0.02重量部に変更し、(F−2)を配合せず、(G−1)を配合しなかった以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
実施例7
(A−1)を86重量部、(B−1)を10重量部、(C−1)を4重量部、(G−1)を0.03重量部へ変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
実施例8
(A−1)を(A−2)88重量部、(B−1)を10重量部、(C−1)を2重量部、(G−1)を0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示した。
実施例9
(A−1)を67重量部、(B−1)を25重量部、(D−1)を0.30重量部、(E−1)を0.02重量部、(F−2)を配合せず、(G−1)を0.04重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表1に示した。
比較例1
(E−1)、(F−2)を配合しなかった以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示した。
比較例2
(D−1)を0.5重量部へ変更し、(E−1)、(F−2)を配合しなかった以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示した。
比較例3
(D−1)0.35重量部を(D−2)(Millad3988、ミリケン・ジャパン(株)製、化学名:1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、 見掛け嵩比重:0.20g/cc;比較品)0.35重量部へ変更し、(E−1)、(F−2)を配合しなかった以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示した。
比較例4
(D−1)と(F−2)を配合せず、(E−1)0.01重量部を0.35重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示した。
比較例5
(D−1)と(F−2)を配合せず、(E−1)0.01重量部を0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示した。
比較例6
(A−1)を87重量部、(C−1)、(F−2)を配合せず、(D−1)を0.3重量部、(E−1)を0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。評価結果を表2に示した。
比較例7
(A−1)を92重量部、(B−1)、(F−2)を配合せず、(D−1)を0.3重量部、(E−1)を0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。評価結果を表2に示した。
比較例8
(A−1)を87重量部、(B−1)を5重量部、(F−2)を配合せず、(D−1)を0.3重量部、(E−1)を0.02重量部、(G−1)を0.04重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。評価結果を表2に示した。
比較例9
(A−1)を85重量部、(B−1)を10重量部、(C−1)を5重量部、(D−1)に代えて(D−3)芳香族リン酸エステル系金属塩を主成分とする造核剤(アデカスタブNA−21、株式会社ADEKA製);比較品)0.2重量部、(E−1)および(F−2)を配合せず、(G−1)を0.08重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。評価結果を表2に示した。
比較例10
(D−1)を0.3重量部、(F−2)を配合せず、(E−1)0.01重量部を(E−2)安息香酸ナトリウム0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示した。
比較例11
(C−1)を(C−2)スミカセンG701(住友化学製、MFR(190℃)=7g/10分、密度=0.918g/cm;比較品)8重量部、(D−1)を0.3重量部、(E−1)を0.02重量部、(F−2)を配合せず、(G−1)を0.04重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。評価結果を表2に示した。
比較例12
(C−1)を(C−3)エクセレンVL100(住友化学製、MFR(190℃)=0.8g/10分、密度=0.900g/cm;比較品)8重量%、(D−1)を0.3重量部、(E−1)を0.02重量部、(F−2)を配合せずに変更した以外は、実施例1と同様に行なった。評価結果を表2に示した。
Figure 0005039464
Figure 0005039464
耐衝撃性(落錘衝撃強度)の測定に用いる重錘の形状を示す図である。

Claims (4)

  1. 下記プロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(A))50〜91重量%と、
    下記プロピレン単独重合体(成分(B))7〜30重量%と、
    下記エチレン系共重合体(成分(C))2〜20重量%とを含有する樹脂混合物(成分(A)と成分(B)と成分(C)の合計を100重量%とする)、および、
    前記樹脂混合物100重量部に対して、
    1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(D)0.05〜2重量部と、
    下記一般式(II)
    Figure 0005039464
    (式(II)中、M1およびM2は、それぞれナトリウム原子および水素原子よりなる群から選ばれ、ここでM1およびM2のうち少なくとも一つはナトリウム原子であり、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20は、それぞれ水素、炭素原子数1〜9個のアルキル基、水酸基、炭素原子数1〜9個のアルコキシ基、炭素原子数1〜9個のアルキレンオキシ基、アミノ基、炭素原子数1〜9個のアルキルアミン基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子)、およびフェニル基よりなる群から選択される。ここで、これらの基がアルキル基である場合、アルキル基が結合して炭素原子数6個までの炭素環を形成してよい。この化合物はトランスまたはシス配置のいずれであってもよい。)で示される少なくとも一種の金属塩類(E)0.001〜0.5重量部と、
    下記一般式(III)
    Figure 0005039464
    (式(III)中、R21は炭素原子数10〜30個の脂肪族有機酸から導入される基を表し、M3はアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又は亜鉛原子を表し、nは1又は2を表す。)で示される少なくとも一種の脂肪族有機酸金属塩類(F)0〜1重量部を含むことを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
    成分(A):
    エチレン由来の構造単位の含有量が2〜5重量%であり、
    測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(JIS−K6758)が2〜90g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(ただし、プロピレン−エチレンランダム共重合体の全量を100重量%とする)。
    成分(B):
    測定温度230℃、荷重2.16kgfで測定したメルトフローレート(JIS−K6758)が2〜150g/10分であるプロピレン単独重合体。
    成分(C):
    1−ブテンとエチレンと共重合させて得られる、密度が0.86〜0.91g/cm3であり、測定温度190℃、荷重2.16kgfで測定したメルトルフローレート(JIS−K7210)が2〜100g/10分である共重合体。
  2. 有機過酸化物(G)の存在下、溶融混合により変性してなる230℃で測定されるメルトフローレート(MFR)が10〜100g/10分であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2の何れかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形体。
  4. 請求項1〜2の何れかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を用いてなることを特徴とする食品充填容器または食品包装用成形体。
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