JP2016011164A - 深絞り容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、光沢性及び低温耐衝撃性に優れた深絞り容器を提供する。【解決手段】MFR(230℃)が0.4〜6.0g/10分、融点が150〜170℃のプロピレン系樹脂(A)70〜99重量%と、MFR(200℃)が0.5〜20.0g/10分、スチレン量が5〜35重量%のスチレン系エラストマー樹脂(B)1〜30重量%を含む表層用材料(X)からなるシートを、内外表層の少なくとも一方に用いて、熱成形してなり、容器側面のヘーズ値が7%以下、グロス値が120%以上および低温耐衝撃性に優れる深さ/口径比が0.5以上の深絞り容器など。【選択図】なし

Description

本発明は、深絞り容器に関し、詳しくは、透明性、光沢性および低温耐衝撃性に優れた、口径に対する深さの比(深さ/口径)が0.5以上の深絞り容器に関する。
ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂は、各種容器の材料として用いられている。このような容器は、熱可塑性樹脂をシート状に押出成形した後、再加熱して、真空成形、真空圧空成形等の熱成形方法を用いて、二次加工することによって得ることができる。このような熱成形方法は、生産性が高く、多層化等も容易なことから、大量生産向きの成形方法として、広く普及している。
熱可塑性樹脂の中でも、プロピレン系重合体は、耐熱性、剛性、耐衝撃性、あるいは、衛生面に優れていることから、食品等の容器として、好適に用いられており、特に、高い耐熱性を必要とする電子レンジでのレンジアップ容器、高温充填が必要な容器等に使用範囲が広がってきている。
一方、近年、ワンハンドカップ等のような深絞り容器(深さ/口径比の大きな容器)が、前記熱成形方法により、製造されるようになってきている。また、このような容器には、内容物が視認し易い透明性や高級感のある光沢が求められており、そのような特性を有する容器に成形可能なシートの開発が求められている。
しかし、深絞り成形を行うには、通常行われている成形温度よりも、高い成形温度が必要となるが、従来の熱成形方法に用いられているプロピレン系樹脂を使用すると、成形性が著しく低下し、透明性や光沢が低下するという問題を有していた。
そこで、透明性、光沢を向上させるために、核剤を添加したプロピレン系重合体をその融点以上でエンドレスベルトを用いる方法(例えば、特許文献1参照。)や、ホモポリプロピレンにランダムポリプロピレンと核剤をブレンドしたシートを用いる方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されているが、これらの方法においては、シートの透明性、光沢は良いものの、得られたシートを深絞り成形によって二次加工をすると、その間に透明性や光沢が損なわれ、期待する程度の効果は、得られないという問題がある。
また、表層にシンジオタクチックポリプロピレンを用いる方法(例えば、特許文献3参照。)や、環状ポリオレフィンを用いる方法(例えば、特許文献4参照。)も提案されているが、これらは、材料コストが高くなるという欠点がある。
さらに、メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いる方法(例えば、特許文献5)も提案されているが、容器の透明性、光沢性は良いものの、低温での耐衝撃性が不足するという問題がある。
特開平10−1548号公報 特開平7−148853号公報 特開平7−32557号公報 特開平9−1750号公報 特開2008−133020号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、透明性および光沢性に優れ、且つ、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の原材料を特定比率で組み合わせたものからなる特定のシートを用いることにより、深さ/口径比が0.5以上の深絞り成形しても、透明性、光沢性および低温耐衝撃性に優れた容器が得られることを見出し、これらの知見に基き、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(A1)〜(A2)を満たすプロピレン系樹脂(A)70〜99重量%と下記(B1)〜(B2)を満たすスチレン系エラストマー樹脂(B)1〜30重量%を含む表層用材料(X)からなるシートを、内外表層の少なくとも一方に用いて、熱成形してなる深さ/口径比が0.5以上の深絞り容器が提供される。
(A1)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.4〜6.0g/10分である。
(A2)融点が150〜170℃である。
(B1)JIS K7210(200℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜20.0g/10分である。
(B2)スチレン量が5〜35重量%である。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記シートは、内外両表層に用いられることを特徴とする深絞り容器が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、コア層材料(Y)は、プロピレン系樹脂(A)50〜99重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)1〜50重量%からなることを特徴とする深絞り容器が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、表層用材料(X)100重量部に対して、下記化学式(2)で表される結晶化核剤(D)0.01〜1重量部を含有することを特徴とする深絞り容器が提供される。
Figure 2016011164
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、表層用材料(X)は、プロピレン系樹脂(A)72〜98重量%と、スチレン系エラストマー樹脂(B)1〜20重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)1〜8重量%とを、含むことを特徴とする深絞り容器が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、深絞り容器側面の容器外面側表層もしくは容器内面側表層、またはその両方それぞれの層厚さは、2.5〜500μmであることを特徴とする深絞り容器が提供される。
本発明は、上記した如く、特定の原材料からなる特定のシートを用いることを特徴とする深絞り容器などに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)前記熱成形は、真空成形又は圧空成形であること、特に、プラグアシスト圧空成形であることを特徴とする上記の深絞り容器。
(2)プロピレン系樹脂(A)は、塩化マグネシウム担持チーグラーナッタ触媒を用いて重合されたものであることを特徴とする上記の深絞り容器。
(3)スチレン系エラストマー樹脂(B)は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、いわゆるSEBSを用いたものであることを特徴とする上記の深絞り容器。
(4)表層用材料(X)には、さらに、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、無機顔料、有機顔料、金属不活性剤、過酸化物又は充填剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤が配合されることを特徴とする上記の深絞り容器。
(5)前記シートは、多層シートであることを特徴とする上記の深絞り容器。
(6)前記深さ/口径比が1.0以上であることを特徴とする上記の深絞り容器。
本発明の深絞り容器は、深さ/口径比が0.5以上の容器であっても、透明性、光沢性、及び低温耐衝撃性に優れたものである。そのため、深絞りの形状を要求され、内容物を確認でき、低温で使用する飲料食品容器分野において、特に有用なものである。
本発明の深絞り容器は、特定のプロピレン系樹脂(A)70〜99重量%と特定のスチレン系エラストマー樹脂(B)1〜30重量%、又はプロピレン系樹脂(A)72〜98重量%とスチレン系エラストマー樹脂(B)1〜20重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)1〜8重量%、を含む表層用材料(X)からなるシートを、内外表層の少なくとも一方に用いて、熱成形することにより得られ、特定の物性を有することを特徴とするものである。
以下、項目毎に、順次説明する。
1.プロピレン系樹脂(A)
(1)プロピレン系樹脂(A)について
本発明で用いられる特定のプロピレン系樹脂(A)の重合方法としては、スラリー法、バルク法、溶液法、気相法等の汎用プロセスが適用できる。これら重合反応は、単独反応器だけでなく、複数用いることができ、重合方法も、複数組み合わせて用いることもできる。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂(A)としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合ゴム成分を含むブロック共重合体等が挙げられ、一種類でも、二種類以上の混合物としても、用いることができる。
これら共重合体に用いるα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン等が挙げられ、このα−オレフィンは、一種類でなく、二種類以上でもよい。
また、本発明で用いられるプロピレン系樹脂(B)は、融点の高いプロピレン単独重合体が好ましく、例えば、日本ポリプロ社製「ノバテックPP」が挙げられる。
また、本発明に用いられるプロピレン系樹脂(A)には、本発明の効果を損なわない範囲で、他のα−オレフィンを併用することも可能である。α−オレフィンとしては、例えば、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を例示でき、これらは、一種類でも二種類以上併用して用いてもよい。
(2)プロピレン系樹脂(A)の物性
本発明の深絞り容器に用いられるプロピレン系樹脂(A)は、次の物性を有している。
(i)メルトフローレート(MFR)(A1)
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、0.4〜6.0g/10分、好ましくは1〜4g/10分、さらに好ましくは1.5〜3g/10分である。MFRが6.0g/10分を超えると、シートのドローダウン性が悪化し、シート成形が困難になり、一方、MFRが0.4g/10分未満では、装置の負荷が大きくなりシートの成形が困難になる。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件M:230℃、2.16kg荷重で測定される値である。
(ii)融点(A2)
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(A)は、示差走査熱量計(DSC:DifferentialScanning Calorimeter)により、測定された融解ピーク温度である融点が150〜170℃、好ましくは157〜167℃のものである。融点が150℃未満の場合は、容器の剛性および耐熱性が低下する。一方、融点が170℃を超えるものは、製造が困難である。
なお、融点の具体的測定は、TAインスツルメンツ社製示差走査熱量計(DSC)「Q2000」を用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点(Tm)とした(単位:℃)。
2.スチレン系エラストマー樹脂(B)
(1)スチレン系エラストマー樹脂(B)について
本発明で用いられるスチレン系エラストマー樹脂(B)は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、いわゆるSEBSが好ましい。例えば、クレイトンポリマー社が製造・販売するクレイトンGポリマー(商標名)、旭化成ケミカルズ株式会社が製造・販売するタフテック(商標名)、JSR株式会社が製造・販売するダイナロン(商標名)、株式会社クラレが製造・販売するセプトン(商標名)などが挙げられる。
(2)スチレン系エラストマー樹脂(B)の物性
(i)メルトフローレート(MFR)(B1)
本発明で用いられるスチレン系エラストマー樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜20.0g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは1〜5g/10分である。
MFRが0.5g/10分未満、または、20.0g/10分を超えると、容器の光沢性や透明性が悪化する。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件M:200℃、2.16kg荷重で測定される値である。
(ii)スチレン量(B2)
本発明で用いられるスチレン系エラストマー樹脂(B)のスチレン量は、5〜35重量%であることが重要である。5〜25重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがさらに好ましい。スチレン量が35重量%を超えると、容器の光沢性が悪化し、一方、5重量%を下まわると、容器の低温耐衝撃性が低下する。
3.エチレン−α−オレフィン共重合体(C)
(1)エチレン−α−オレフィン共重合体(C)について
本発明でコア層材料(Y)又は表層用材料(X)に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)としては、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体であり、エチレンの共重合割合は、50〜99重量%である。エチレンの共重合割合は、好ましくは60〜99重量%であり、より好ましくは75〜90重量%である。
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物等が挙げられる。中でも、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、特に好ましくは1−ヘキセンである。α−オレフィンは、二種以上共重合されていてもよい。
市販品としては、例えば、日本ポリエチレン株式会社製「カーネル」(商標名)がある。
(2)エチレン−α−オレフィン共重合体(C)の物性
本発明で用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜20g/10分、好ましくは1〜10g/10分、さらに好ましくは1〜5g/10分である。
MFRが0.5g/10分未満、または、20g/10分を超えると、容器の透明性が悪化する。
ここで、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠し、試験条件M:190℃、2.16kg荷重で測定される値である。
4.結晶化核剤(D)
本発明で用いられる結晶化核剤(D)は、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、タルク、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトール系化合物、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸アルミニウム塩と炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩混合物(旭電化(株)製、商品名NA21)、下記式(1)で示される化合物、好ましくは下記式(2)で示される化合物などを挙げることができる。
Figure 2016011164
[式(1)中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基もしくはフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
Figure 2016011164
本発明で用いられる結晶化核剤(D)の含有量は、表層用材料(X)やコア層用材料(Y)100重量部に対して、0.01〜1重量部である。0.1〜0.5重量部が好ましく、0.2〜0.4重量部がより好ましい。
5.シート(E)
(1)シート(E)の構成
本発明で用いられるシート(E)は、少なくとも内外層の一方が特定のプロピレン系樹脂(A)を70〜99重量%と特定のスチレン系エラストマー樹脂(B)を1〜30重量%の表層用材料(X)、又はプロピレン系樹脂(A)72〜98重量%とスチレン系エラストマー樹脂(B)1〜20重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)1〜8重量%を含む表層用材料(X)からなるシートである。
スチレン系エラストマー樹脂(B)は、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは10〜20重量%であり、1重量%を下回ると、耐衝撃性が著しく低下し、30重量%を超えると、経済性が特に悪くなる。
表層用材料(X)に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(C)は、好ましくは3〜6重量%である。8重量%以下であると、容器側面の透明性(Haze)や容器外表面の光沢性(Gloss)が優れる。
(2)付加的成分
本発明で用いられるシート(E)には、上記プロピレン系樹脂(A)、スチレン系エラストマー樹脂(B)及びエチレン−α−オレフィン共重合体(C)に加えて、他の付加的成分(任意成分)を、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、配合することもできる。
この付加的成分としては、通常のポリオレフィン樹脂用配合剤として使用される、上記の結晶化核剤(D)、フェノール系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、無機顔料、有機顔料、金属不活性剤、過酸化物、充填剤、及び、本発明に使用する以外の樹脂、エチレン・プロピレン系ゴム、エチレン・ブテン系ゴム、エチレン・ヘキセン系ゴム、エチレン・オクテン系ゴム等を挙げることができるが、これら添加剤において、本発明の主用途である飲料食品容器分野における要求を満足させるものを選択することが好ましい。
(i)添加剤の具体例
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などを挙げることができる。
また、燐系酸化防止剤の具体例としては、トリス(ミックスド、モノ及びジノニルフェニルホスファイト)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、4,4´−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトなどを挙げることができる。
さらに、硫黄系酸化防止剤の具体例としては、ジ−ステアリル−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−チオ−ジ−プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリル−チオ−プロピオネート)などを挙げることができる。
中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイト、ミズカラック(水沢化学(株)製)などを挙げることができる。
ヒンダードアミン系の安定剤の具体例としては、琥珀酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ]、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などを挙げることができる。
アンチブロッキング剤の具体例としては、例えば、無機系としては、合成または天然のシリカ(二酸化珪素)、ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、タルク、ゼオライト、硼酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム等が使用される。
滑剤の具体例としては、飽和脂肪酸モノアマイドとして、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド等が挙げられる。
また、不飽和脂肪酸モノアマイドとして、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、リシノール酸アマイド等が挙げられる。
置換アマイドの具体例としては、N−ステアリルステアリン酸アマイド、N−オレイルオレイン酸アマイド、N−ステアリルオレイン酸アマイド、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド、N−オレイルパルミチン酸アマイド等が挙げられる。
飽和脂肪酸ビスアマイドとして、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アマイド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アマイド等が挙げられる。
不飽和脂肪酸ビスアマイドとして、エチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アマイド等が挙げられる。
芳香族系ビスアマイドとして、m−キシリレンビスステアリン酸アマイド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アマイド等が挙げられる。
(ii)添加剤配合方法
上記添加剤成分の配合方法としては、重合で得られたプロピレン系樹脂(A)およびスチレン系エラストマー樹脂(B)、或いは、さらにエチレン−α−オレフィン共重合体(C)のパウダーに、直接添加剤を予備混合して溶融混練混合する方法、また予め添加剤を高濃度にしたマスターバッチをブレンドする方法等で、配合物を得ることができる。
上記混合或いは溶融混練に用いられる混合機或いは混練機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、ロール、一軸スクリュー押出造粒機、二軸スクリュー押出造粒機等を挙げることができる。また、溶融混練温度は、一般に160〜300℃で行われる。
(3)シート(E)の成形方法
本発明で用いられるシート(E)は、前述の添加剤配合方法により得られた配合物を用いて、公知の成形方法、例えば、押出成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、注型成形法等により製造することができる。
中でも押出成形法が好ましく、具体的にはTダイ法、インフレーション法等を用いた押出法が挙げられる。
押出されたシート(E)は、ポリッシング法、エアーナイフ法、金属鏡面ベルト法、等の公知の方法で冷却固化される。
本発明で用いられるシート(E)は、単層であっても多層シートであってもよい。多層シ−トの場合は、プロピレン系樹脂(A)、スチレン系エラストマー樹脂(B)、或いは、さらにエチレン−α−オレフィン共重合体(C)、および必要に応じて配合される結晶化核剤(D)や添加剤からなる表層用材料(X)を表層に用いた構成が挙げられ、そして、プロピレン系樹脂(A)、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)、および必要に応じて配合される結晶化核剤(D)や添加剤からなるコア層用材料(Y)をコア層に用いた構成が挙げられ、具体的には、表層用材料(X)層/コア層材料(Y)層の2種2層構成や、表層用材料(X)層/コア層材料(Y)層/表層用材料(X)層の2種3層構成等が好適な層構成として挙げられる。
表層用材料(X)層の厚さは、シート厚さを100としたとき、0.1〜30が好ましく、0.1〜10がさらに好ましく、0.1〜5がもっとも好ましい。
また、ガスバリア性を付加すべく、ガスバリアー樹脂層を配した積層シ−トも挙げることができる。ガスバリアー樹脂は、例えば、エチレン−ビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業社製「ソアノール」(商標名)、株式会社クラレ社製「エバール」(商標名)など)、メタキシリレンアジパミド樹脂(三菱ガス化学社製)などがある。
また、これらのガスバリアー樹脂を配するには、接着樹脂を配する必要があり、例えば、三菱化学株式会社製の「モディック」(商標名)などがある。
層構成として、例えば、表層用材料(X)層/コア層材料(Y)層/接着樹脂層/ガスバリアー樹脂層/接着樹脂層/コア層材料(Y)層の4種6層構成や、表層用材料(X)層/コア層材料(Y)層/接着樹脂層/ガスバリアー樹脂層/接着樹脂層/コア層材料(Y)層/表層用材料(X)層の4種7層構成が、好適な層構成として挙げられる。
ガスバリアー樹脂層の厚さは、シート厚さを100としたとき、0.1〜20であり、1〜10が好ましい。接着樹脂層の厚さは、シート厚さを100としたとき、0.1〜20であり、1〜10が好ましい。
多層シートの場合、各層を積層する方法は、前記した各層を形成する樹脂材料を溶融状態で積層する方法が、層間接着性の点で好ましい。一般的には、各材料をそれぞれの押出機で溶融混練した後に、ダイス内で積層するマルチマニホールド方式や、ダイスに流入させる前に積層するフィードブロック方式(コンバイニングアダプター方式)等が好ましい。
また、本発明で用いられるシート(E)は、深さ/口径比が0.5倍以上の深絞り成形できることが重要である。
6.深絞り容器
(1)深絞り容器の成形方法
本発明の深絞り容器は、上記シート(E)を熱成形することにより得られる深さ/口径比が0.5以上の深絞り容器である。好ましくは深さ/口径比が1.0以上、さらに好ましくは深さ/口径比が1.2以上の深絞り容器であることが望ましい。一方、深さ/口径比の好ましい上限値は3であり、3を超える場合は、容器の側面の厚みが低下し、商品価値が下がることがある。
具体的には、シート(E)を熱成形することにより、各種容器、カップ等に賦形される。
熱成形は、一般に、プラスチックシートを加熱軟化して、所望の型に押し当て、型と材料の間隙にある空気を排除し大気圧により型に密着させて成形する真空成形、及び、大気圧以上の圧縮エアーか、あるいは真空を併用して成形する圧空成形等が用いられ、その方法としては、真空あるいは圧空を用い、必要により、更にプラグを併せて用いて金型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法、プラグアシストリバースドロー成形法、マッチモールド成形法など)があり、また、固相プレス成形、スタンピング成形が挙げられる。
これらの熱成形法の組み合わせ等による成形法であれば、特に限定されないが、本発明の深絞り容器には、プラグアシスト圧空成形が好適である。熱成形温度や真空度、圧空の圧力または成形速度等の各種条件は、プラグ形状や金型形状またはシート(E)の性質等により、適宜設定される。
(2)深絞り容器の層構成
本発明の深絞り容器は、多層であることが好ましい。容器側面1/2深さより切り出した切片を分析することで確認できる表層厚さであって、容器内面側表層又は容器外面側表層、或いはその両方の層厚さは、それぞれ2.5〜500μmであることが好ましく、2.5〜300μmであることがより好ましく、2.5〜200μmであることがさらに好ましく、2.5〜100μmであることが最も好ましい。500μm以下であると、経済的に好ましい。
(3)深絞り容器の物性
本発明の深絞り容器は、ヘーズ値が7%以下、グロス値は120%以上、低温衝撃強度が0.2J以上、深さ/口径比が0.5以上の深絞り容器である。ヘーズ値は、4%以下が好ましく、グロス値は、130%以上が好ましく、135%以上がより好ましい。
一方、ヘーズ値が7%を超えると、内容物の視認性が低下する。また、グロス値が120%未満では、光沢感に欠けるため、商品価値が低下する。さらに、低温衝撃強度が0.2Jを下まわると、使用中に割れるため、商品価値が低下する。
(4)深絞り容器の用途
本発明の深絞り容器は、上記のように、深さ/口径比が0.5以上の容器であっても、透明性、光沢性、及び低温耐衝撃性に優れたものである。そのため、食品容器、洗剤容器、医療用容器等の各種分野の容器に用いることができ、特に、内容物を確認でき、低温で使用する飲料食品分野などにおいて、特に、有用なものであり、好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例、比較例で用いた物性測定法などは、以下の通りである。
1.物性測定、評価方法
(1)プロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)
JIS K7210(ISO 1133)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法の試験条件Mに従い、以下の条件で測定した。
・試験温度:230℃
・公称荷重:2.16kg
・ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mm
(2)スチレン系エラストマー(B)のメルトフローレート(MFR)
JIS K7210(ISO 1133)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法の試験条件Mに従い、以下の条件で測定した。
・試験温度:200℃
・公称荷重:2.16kg
・ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mm
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(C)のメルトフローレート(MFR)
JIS K7210(ISO 1133)「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法の試験条件Mに従い、以下の条件で測定した。
・試験温度:190℃
・公称荷重:2.16kg
・ダイ形状:直径2.095mm、長さ8.00mm
(4)融点(Tm)
TAインスツルメンツ社製示差走査熱量計(DSC)「Q2000」を用い、試料5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させたときの融解ピーク温度を融点(Tm)とした(単位:℃)。
(5)容器の透明性(ヘーズ値)
容器の透明性を、以下の条件により評価した。
・規格番号:JIS K7136(ISO 14782)「プラスチック―透明材料のヘーズの求め方」に準拠
・測定機:曇り度計NDH2000(日本電色工業株式会社製)
・試験片の作成方法:容器側面の1/2深さを中心として50×50mmに切り出し
・状態の調節:成形後に室温23℃、相対湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置
・試験片の数:5
・評価項目:曇り度(Haze)
(6)容器の光沢性(グロス値)
容器の光沢性を、以下の条件により評価した。
・規格番号:JIS K7105「プラスチックの光学的特性試験方法」
・測定機:スガ試験機製デジタル変角光沢性計 UGV−5K
・試験片の作成方法:容器側面の1/2深さを中心として50×50mmに切り出し
・状態の調節:成形後に室温23℃、相対湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置
・試験片の数:5
・評価項目:60度鏡面光沢度
(7)容器の低温衝撃強度
・容器の低温衝撃強度を、以下の条件により評価した。
・測定装置:(株)東洋精機製作所製シートインパクトテスターH−100(撃芯径:1.58cm、撃芯受け台:1.62、重錘:300g)
・規格番号:ASTM D2794
・試験片の作成方法:容器側面の1/2深さを中心として50×50mmに切り出し
・状態の調節:成形後に室温23℃、相対湿度50%に調節された恒温室内に24時間放置、その後、ドライアイスを投入し0℃としたエチルアルコールに切り出したサンプルを30枚投入し、5分間放置。
・試験:前記の状態調節した試験片を取り出し、すぐさま前記装置にセットし、試験を実施した。
・試験値:次式により50%破壊エネルギー(E)を求め、デュポン衝撃試験値とした。
E={H−S(T/100−1/2)}×W
E:デュポン衝撃試験値(単位:J)
H:全破壊時の高さ(単位:cm)
S:重錘を落とす高さの間隔(単位:cm)
T:破壊%(無破壊〜全破壊)の和(単位:%)
W:重錘の重量(単位:kg)
・評価項目:デュポン衝撃試験値
(8)容器側面の層厚さの測定または算出方法
容器内面側表層または容器外面側表層の層厚さの測定方法は、特に限定はしないが、次の2つの方法により、求めることができる。本実施例では、(ii)の方法により求めた。
(i)容器側面の1/2深さより切り出した試験片をミクロトームで切削して、偏光光学顕微鏡により観察して、層厚さを測定することにより求める方法。
(ii)シート(E)をミクロトームで切削し、厚さ方向断面を偏光顕微鏡で観察して、各層厚さを測定して得られた層厚さ比に、容器側面の1/2深さの肉厚を、掛けることにより容器側面の表層厚さを求める方法。
2.使用材料
(1)プロピレン系樹脂(A)
プロピレン系樹脂(A)として、以下のプロピレン系樹脂を使用した。
・「FY6」(グレード名、商品名:ノバテックPP、日本ポリプロ社製、プロピレン単独重合体)、MFR=2.4g/10分、Tm=160℃
・「FY6H」(グレード名、商品名:ノバテックPP、日本ポリプロ社製、プロピレン単独重合体)、MFR=1.9g/10分、Tm=165℃
(2)スチレン系エラストマー樹脂(B1)
スチレン系エラストマー(B)として、以下の樹脂を使用した。
・「G1645M」(グレード名、クレイトンポリマー社製SEBS)、MFR=3.25g/10分、スチレン量:12.5wt%
(3)エチレン−α−オレフィン共重合体(C)
エチレン−α−オレフィン共重合体(C)として、以下の樹脂を使用した。
・「KS260」(グレード名、商品名:カーネル、日本ポリエチレン社製、エチレン−ヘキセンランダム共重合体、エチレン含有量:82重量%)、MFR=2.2g/10分)
(4)結晶化核剤(D)
結晶化核剤(D)として、以下の化合物を使用した。
・「NX8000J」(商品名、ミリケン社製)、構造:前記化学式(2)のもの。
[実施例1]
1.シートの作製
前記の「FY6」9kgと「G1645M」1kgと「NX8000J」30gをタンブラーミキサーで5min混合した。
得られた混合物(表層用材料)をスクリュー口径40mmの押出機に投入し、樹脂温度230℃にて加熱溶融可塑化して、多層化フィードブロックを経て、T型ダイスより押出した。
次に「FY6」9kgと「KS260」1kgと「NX8000J」30gをタンブラーミキサーで5min混合した。
得られた混合物(コア層用材料)をスクリュー口径50mmの押出機に投入し、樹脂温度230℃にて加熱溶融可塑化し、多層化フィードブロックを経て、T型ダイスより押出した。多層化フィードブロックで、表層/コア層/表層の順に積層してT型ダイスより押し出して得たポリプロピレン系シートを、表面温度が80℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み冷却固化させながら1m/minの速度で連続的に引き取り、幅500mm、両表層厚さ0.05mm、コア層厚さ1.5mm、全体厚み1.6mmの2種3層シートを得た。
2.深絞り容器の成形
次いで、この積層樹脂シートを用いて、固相圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)で口径95mmφ、深さが120mmの熱成形容器(深絞り容器)を成形した。
この多層熱成形容器について、前述の各種評価を行った。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例2]
コア層用材料を「FY6」8kgと「KS260」2kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に、実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例3]
「FY6」の代わりに「FY6H」を使用した以外は、実施例1と同様に、実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例4]
多層化フィードブロックを組み替えて、表層を容器外面側のみとし、コア層厚さ1.55mmの2種2層にした以外は、実施例1と同様に、実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例5]
表層用材料を「FY6」9.5kgと「G1645M」0.5kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例6]
表層用材料を「FY6」8.5kgと「G1645M」1.5kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例7]
表層用材料を「FY6」8.0kgと「G1645M」2.0kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例8]
表層用材料を「FY6」8.5kgと「G1645M」1.0kgと「KS260」0.5kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例9]
表層用材料を「FY6」8.2kgと「G1645M」1.0kgと「KS260」0.8kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例10]
コア層用材料を「FY6」7kgと「KS260」3kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例11]
「FY6」7.5kgと「WFW4」2.5kgをタンブラーミキサーで5min混合し、「PP1」とした。表層用材料を「PP1」9kgと「G1645M」1kgと「NX8000J」30gとし、また、コア層用材料を「FY6」7kgと「KS260」3kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例12]
表層用材料を、上記「PP1」8.5kgと「G1645M」1kgと「KS260」0.5kgと「NX8000J」30gとして、また、コア層用材料を「FY6」7kgと「KS260」3kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[実施例13]
表層用材料を「FY6」9kgと「G1643M」1kgと「NX8000J」30gとし、また、コア層用材料を「FY6」8kgと「KS260」2kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
本発明の構成を有する深絞り容器は、透明性、光沢、低温耐衝撃性に優れた深絞り容器であることが判る。
[比較例1]
両表層厚さを0mmとし、コア層厚さを1.6mmとした以外は、実施例1と同様に、実施した。結果を表1に示す。
得られた深絞り容器は、グロスが不足、若しくはヘーズが高いものとなっている。
[比較例2]
表層用材料を「FY6」8kgと「G1645M」1kgと「KS260」1kgと「NX8000J」30gとした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
得られた深絞り容器は、グロスが不足、若しくはヘーズが高いものとなっている。
[比較例3]
両表層厚さを15μmとし、コア層厚さを1.57mmとした以外は、実施例2と同様に、実施した。結果を表1に示す。
得られた深絞り容器は、グロスが不足している。
Figure 2016011164
本発明の深絞り容器は、透明性、光沢性及び低温耐衝撃性に優れたものであるため、食品容器、洗剤容器、医療用容器等の各種分野の容器に用いることができ、特に、内容物を確認でき、低温で使用する飲料食品分野などにおいて、広く用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記(A1)〜(A2)を満たすプロピレン系樹脂(A)70〜99重量%と下記(B1)〜(B2)を満たすスチレン系エラストマー樹脂(B)1〜30重量%を含む表層用材料(X)からなるシートを、内外表層の少なくとも一方に用いて、熱成形してなる深さ/口径比が0.5以上の深絞り容器。
    (A1)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.4〜6.0g/10分である。
    (A2)融点が150〜170℃である。
    (B1)JIS K7210(200℃、2.16kg荷重)に準拠して測定されたメルトフローレート(MFR)が0.5〜20.0g/10分である。
    (B2)スチレン量が5〜35重量%である。
  2. 前記シートは、内外両表層に用いられることを特徴とする請求項1に記載の深絞り容器。
  3. コア層材料(Y)は、プロピレン系樹脂(A)50〜99重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)1〜50重量%からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の深絞り容器。
  4. 表層用材料(X)100重量部に対して、下記化学式(2)で表される結晶化核剤(D)0.01〜1重量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の深絞り容器。
    Figure 2016011164
  5. 表層用材料(X)は、プロピレン系樹脂(A)72〜98重量%と、スチレン系エラストマー樹脂(B)1〜20重量%と、エチレン−α−オレフィン共重合体(C)1〜8重量%とを、含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の深絞り容器。
  6. 深絞り容器側面の容器外面側表層もしくは容器内面側表層、またはその両方それぞれの層厚さは、2.5〜500μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の深絞り容器。
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