JP5039366B2 - フィンアンドチューブ型熱交換器 - Google Patents

フィンアンドチューブ型熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP5039366B2
JP5039366B2 JP2006314729A JP2006314729A JP5039366B2 JP 5039366 B2 JP5039366 B2 JP 5039366B2 JP 2006314729 A JP2006314729 A JP 2006314729A JP 2006314729 A JP2006314729 A JP 2006314729A JP 5039366 B2 JP5039366 B2 JP 5039366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fin
tube
heat transfer
row
ridges
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006314729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008128569A (ja
Inventor
明 吉越
賢一 宮澤
有二 岡田
吉典 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2006314729A priority Critical patent/JP5039366B2/ja
Publication of JP2008128569A publication Critical patent/JP2008128569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5039366B2 publication Critical patent/JP5039366B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

本発明は、伝熱チューブ内を流通する流体(冷媒)と、その外部に設けられる多数のプレートフィン間を流通する気流(空気)との間で熱交換を行う熱交換器に関し、特に空気調和機や冷凍機の空気熱交換器に用いて好適なフィンアンドチューブ型熱交換器に関するものである。
空気調和機や冷凍機の空気熱交換器に用いるフィンアンドチューブ型熱交換器では、フィン側に種々の工夫を施し、その伝熱面積を増大させることにより、フィン側(空気側)の熱伝達率を向上させ、高性能化を図っている。一方、熱交換器に空気を流通させる送風ファンへの入力を低減し、省エネルギー化を図るためには、フィン側の流通抵抗(空気側圧力損失)をできる限り低減することが望ましい。しかし、このフィン側の流通抵抗の低減と熱伝達率の向上との間には、相反する面がある。
また、空気熱交換器においては、フィンへの着霜により空気の流通路が閉塞され、交換熱量の低下が懸念されることから、フィンの設計に際しては、着霜の抑制を考慮する必要がある。
こうした中にあって、プレートフィンの前縁部に波状成形部を設けるとともに、フィンの伝熱チューブ後流部(フィンの後縁部)にディンプルを設けたものが、特許文献1により提案されている。
また、プレートフィンに設けられるチューブ孔の各列に対して、空気の流通方向に沿って各々3個の山部を設けたものが、特許文献2により提案されている。
また、プレートフィンに設けられるチューブ孔の各列に対して、空気の流通方向に沿って各々複数の山部を設けるとともに、該チューブ孔の回りに同心円状に山部を設けたものが、特許文献3により提案されている。
特開平7−63490号公報 特開平9−79695号公報 特許第2661356号公報
しかしながら、特許文献1のものは、波状成形部およびディンプルが、プレートフィンの前縁部および後縁部にしか設けられていないため、前縁部と後縁部での部分的な熱伝達率向上効果が期待されるにすぎない。従って、このような構成では、高性能化を図るために、フィンピッチを詰めて伝熱面積を増加させる等の対応が必要となる。
また、特許文献2のものは、プレートフィン全体に山部を設けているため、フィン全域において、空気の温度境界層を破壊する乱流を生じさせ、熱伝達率を向上させることができる一方、空気の流通抵抗が過大となることがなく、熱交換器全体として伝熱性能の向上が期待される。しかし、構造的には、同一形状山部の単調な繰り返し構成のため、一定の限られた熱伝達率向上効果しか期待できない。また、伝熱チューブの後流領域がいわゆる死水域(非有効伝熱領域)となっており、この点にも改良の余地が残されている。
また、特許文献3のものは、列方向に設けられた山部により、特許文献2のものと同等の熱伝達率向上効果が得られる。加えて、チューブ孔回りに設けられている同心円状の山部により、伝熱チューブ後流領域に空気流を導くことができるため、死水域を減少させて伝熱性能を向上させることができる。しかし、その反面において、チューブ孔回りのフィン側流通抵抗が増大(圧力損失の増大)することは避け難く、送風ファンへの入力増加が懸念される。
上記したように、従来のフィンアンドチューブ型熱交換器には、フィン側の熱伝達率および流通抵抗(圧力損失)に関して、まだまだ改善すべき課題が存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィン側熱伝達率の一層の向上を図るとともに、空気側の流通抵抗(圧力損失)を低減することにより、より高性能化されたフィンアンドチューブ型熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のフィンアンドチューブ型熱交換器は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるフィンアンドチューブ型熱交換器は、所定ピッチで平行に多数配設され、その間を気流が流通されるプレートフィンと、該プレートフィンに所定の列ピッチおよび段ピッチで設けられるチューブ孔に密着して挿入され、内部を流体が流通される伝熱チューブと、を有するフィンアンドチューブ型熱交換器において、前記プレートフィンには、前記チューブ孔の各列に対し、列方向に沿って少なくとも3つ以上の列方向山部が設けられ、該列方向山部は、列方向の両端に形成される両端山部の高さがその間に形成される中央山部の高さよりも低くされているとともに、段方向に隣接する前記チューブ孔間に、段方向に沿う段方向山部が設けられることにより、該段方向に隣接する前記チューブ孔間には、列方向および段方向の双方に突設される三次元山部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、プレートフィンには、チューブ孔の各列に対し、列方向に沿って少なくとも3つ以上の列方向山部が設けられ、この列方向山部の列方向の両端に形成される両端山部の高さがその間に形成される中央山部の高さよりも低くされているので、これら列方向山部により、プレートフィン間を流通する気流に対して温度境界層を破壊できるだけの十分な乱流を生じさせることができる。従って、熱伝達率を向上させることができる。
また、チューブ孔の列方向に沿って山部を設けた場合、気流が山部で交互に衝突、剥離を繰り返し、衝突面では熱伝達率が高く、剥離面では熱伝達率が低くなるので、熱伝達率が高い領域を多くすることにより、平均値として熱伝達率を向上させることができる。このため、もともと熱伝達率の高い両端山部の高さを低く、それよりも中央山部の高さを高くすることにより、山部における局所熱伝達率を平均して一定の高い値とすることができる。これによって、気流側の流通抵抗(気流側圧力損失)を増大させることなく、伝熱性能を一定の高い値まで向上させることができる。
また、プレートフィンにおける気流流通方向後端側の山部を低くしているため、伝熱チューブの後流側にも気流を回り込ませることができ、そこでのフィンと気流との熱交換が促進される。従って、伝熱チューブ後流の気流出口側での熱伝達率が回復され、これによっても伝熱性能を向上させることができる。
また、プレートフィンにおける気流流通方向前端側の山部を低くしているため、フィンに対する着霜を抑制することができる。一般に霜は、熱伝達率の高いフィン前端に着霜し易く、フィン前端側の山部の高さが高いと、プレートフィン間の隙間が狭くなり、着霜による抵抗増大に伴って気流量が低下する。これにより、交換熱量が低下し、さらに着霜し易くなる。従って、気流の流通方向前端側の山部を低くしておくことにより、着霜を抑制することができる。
さらに、段方向に隣接するチューブ孔間には、列方向および段方向の双方に突設される三次元山部が設けられるので、この三次元方向に突設される山部のチューブ孔に向かう下向きの傾斜面により、プレートフィン間を流通する気流を伝熱チューブの直後流側に回り込ませることができる。これによって、プレートフィンの非有効伝熱領域、いわゆる死水域を減少させ、有効伝熱面積を増大させることができる。従って、その伝熱面積増大分に相応して伝熱性能を向上させることができる。
さらに、本発明のフィンアンドチューブ型熱交換器は、上述のいずれかのフィンアンドチューブ型熱交換器において、列方向山部が4山形成され、該列方向山部は、列方向の両端に形成される両端山部の高さよりもその間に形成される2つの中央山部の高さが高くされていることを特徴とする。
本発明によれば、列方向に沿う列方向山部が4山形成され、この列方向山部は、列方向の両端に形成される両端山部の高さよりもその間に形成される2つの中央山部の高さが高くされているので、各山部による乱流促進効果および衝突面の増大による局所熱伝達率の向上効果をもたらすことができると同時に、列方向の気流に対する抵抗バランスを良好とすることができる。これにより、気流がチューブ孔間の中央領域を流れるだけでなく、伝熱チューブ周囲に沿って多くの流れが形成されることとなる。従って、伝熱チューブの直後流領域での有効伝熱面積を増大させることができ、熱伝達率向上効果をより大きくすることができる。
さらに、本発明のフィンアンドチューブ型熱交換器は、上述のいずれかのフィンアンドチューブ型熱交換器において、列方向に沿う両端山部の幅よりもその間に形成される中央山部の列方向に沿う幅が広くされていることを特徴とする。
本発明によれば、列方向に沿う両端山部の幅よりもその間に形成される中央山部の列方向に沿う幅が広くされているので、高さが異なる両端山部と中央山部の勾配を略同一にすることができる。これにより、気流に対する流通抵抗(気流側圧力損失)の増大を抑制して送風ファンへの入力を低減しつつ、山部の高さを高くし、山部における局所熱伝達率をより高くすることができる。
さらに、本発明のフィンアンドチューブ型熱交換器は、上述のいずれかのフィンアンドチューブ型熱交換器において、前記プレートフィンには、少なくとも気流の流入側端面に、平坦部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、プレートフィンには、少なくとも気流の流入側端面に、平坦部が設けられるので、この平坦部により列方向に気流の流入を案内することができるともに、気流の流入抵抗(気流側の圧力損失)を低減することができる。従って、送風ファンへの入力を低減し、省エネルギー化を図ることができる。また、この平坦部をプレートフィンのプレス製造時の把持部として利用することができるため、フィンの製造を容易化することができる。
さらに、本発明のフィンアンドチューブ型熱交換器は、上述のいずれかのフィンアンドチューブ型熱交換器において、前記各山部は、前記プレートフィンのベース面から一方向に突設されていることを特徴とする。
本発明によれば、各山部は、プレートフィンのベース面から一方向に突設されているので、プレートフィンの製造を容易化することができる。つまり、通常この種プレートフィンは、プレス成形により製造されるが、各山部がベース面から一方向に突設されているため、プレス面をベース面の一方向に形成すればよい。従って、成形されたプレートフィンの取り出しやフィン素材の搬送等を容易化することができ、フィンの生産性を向上させることができる。
本発明のフィンアンドチューブ型熱交換器によると、列方向山部により、プレートフィン間を流通する気流に対して温度境界層を破壊できるだけの十分な乱流を生じさせることができるため、その分熱伝達率を向上させることができる。また、列方向山部のうち、もともと熱伝達率の高い両端山部の高さを低く、それよりも中央山部の高さを高くすることにより、山部における局所熱伝達率を平均して一定の高い値とすることができる。このため、フィン側通風抵抗(空気側圧力損失)を増大させることなく、伝熱性能を一段と向上させることができる。また、気流の流通方向前端側の山部を低くしているため、気流の流通方向前端でのフィン隙間を確保して気流量の低下を防止することができる。従って、フィンへの着霜を抑制することができる。更に、段方向に隣接するチューブ孔間に設けられる三次元方向に突設される山部のチューブ孔に向かう下向きの傾斜面により、プレートフィン間を流通する気流を伝熱チューブの直後流側に回り込ませることができるため、プレートフィンの非有効伝熱領域、いわゆる死水域を減少させ、有効伝熱面積を増大させることができ、その伝熱面積増大分に相応して伝熱性能を向上させることができる。
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図9を参照して説明する。
図1には、本実施形態にかかるフィンアンドチューブ型熱交換器1の斜視図が示されている。フィンアンドチューブ型熱交換器1は、所定ピッチで平行に多数配設され、その間を気流(空気)が流通されるプレートフィン2と、これらプレートフィン2に所定の列ピッチおよび段ピッチで設けられるチューブ孔3に密着して挿入され、内部を流体(冷媒)が流通される伝熱チューブ4と、を有する。
伝熱チューブ4は、プレートフィン2のチューブ孔3に密着して挿入される多数のヘアピンチューブ4Aと、このヘアピンチューブ4Aの隣接するチューブの端部同士を繋ぐUベンド4Bと、から構成され、熱交換器1のコア部分において、少なくとも1パス以上の冷媒流通経路を形成している。なお、伝熱チューブ4としては、一般に銅チューブが使用される。
図2に、上記プレートフィン2の側面図が示されている。プレートフィン2は、一般にアルミニウム合金製の薄板(例えば、厚さ0.1mm)をプレスにより長方形状に打ち抜き成形して製造される。
プレートフィン2は、図2に示すように、幅方向寸法がM、上下方向寸法がNの長方形状であり、本実施形態では、幅方向に所定の列ピッチm(例えば、19mm)で、チューブ孔3が4列設けられている。なお、幅方向両側のチューブ孔3列のプレートフィン左右端面からの寸法は、1/2m(mは列ピッチ)とされている。また、上下方向において、寸法N1の間に所定の段ピッチn(例えば、25mm)で、チューブ孔3が適宜段数設けられる。なお、各列の最上段および最下段に位置するチューブ孔3のプレートフィン上端および下端からの寸法は、3/4n(nは段ピッチ)または1/4nとされている。これにより、隣り合う列のチューブ孔3は、互いに千鳥配設されることとなる。
図3には、図2のA−A断面図が示されている。チューブ孔3は、孔周りにバーリング加工によってカラー3Aが設けられている。このチューブ孔3は、伝熱チューブ4の径より若干大きめに穿設されており、伝熱チューブ4を挿入後に拡管することにより、カラー3Aと伝熱チューブ4とが密着されるようになっている。カラー3Aは、高さがh1(例えば、1.2mm)であり、この高さh1により、多数積層されて配設されるプレートフィン2のフィンピッチPfが決まる。
プレートフィン2には、図3に示されているように、チューブ孔3の各列に対して、各々列方向(幅方向)に沿って少なくとも3つ(本実施形態では、4つの場合が例示されている。)の列方向山部5が設けられている。この列方向山部5は、列方向の両端部に設けられる2つの両端山部5A,5Dの高さh2(例えば、0.4mm)よりも、列方向の中央部に設けられる中央山部5B,5Cの高さh3(例えば、0.7mm)の方が高くされている。
また、列方向山部5の列方向の幅は、両端山部5A,5Dの最低高さ位置から最高高さ位置までの幅方向寸法pが、例えば1.5mmであるのに対して、中央山部5B,5Cの最低高さ位置から最高高さ位置までの幅方向寸法qは、例えば3mmである。従って、列方向山部5の各山の勾配は略同一とされている。
また、プレートフィン2の幅方向の両端には、幅方向寸法がr(例えば、0.5mm)の平坦部5E,5Fが設けられている。
なお、各山部5Aないし5Dの頂部および谷部には、適宜寸法の円弧が設けられているものとする。
図4には、図2のB−B断面図が示されている。プレートフィン2には、図4に示されているように、段方向に隣接するチューブ孔3間に、列方向の中央山部5B,5Cに対応して段方向に沿う2つの段方向山部6が設けられている。この段方向山部6の高さは、中央山部5B,5Cの高さh3(例えば、0.7mm)と同じである。
このように、段方向に隣接するチューブ孔3間に、段方向山部6が設けられることによって、段方向に隣接するチューブ孔3間には、列方向および段方向の双方(三次元方向)に突設される三次元山部が形成されることとなる。なお、本実施形態では、段方向に隣接するチューブ孔3間に列方向の2つの中央山部5B,5Cが配置されているため、段方向山部6もこれに対応して2つ設けられているが、列方向の中央山部が1つの場合(列方向山部5が3つのケース)は、段方向山部6もこれに対応して1つ設けられることとなる。
また、プレートフィン2は、ロール素材から、上記したようにプレスにより打ち抜き成形されるが、プレス成形に際して、チューブ孔3のカラー3A、列方向山部5および段方向山部6は、図3に示すプレートフィン2のベース面2Aから一方向に突設されて成形されるようになっている。
以下に、本実施形態にかかるフィンアンドチューブ型熱交換器1の作用を説明する。
フィンアンドチューブ型熱交換器1には、図示省略の送風ファンにより、図1に矢印Iで示すように、プレートフィン2の幅方向に沿って空気が送風される。この空気が多数のプレートフィン2間を流通することにより、伝熱チューブ4内を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。
プレートフィン2間に流入する空気は、まず幅方向の前端に設けられている幅寸法rの平坦部5Eに案内されて抵抗なくプレートフィン2間に流入される。そして、プレートフィン2間を流通される過程で、列方向山部5および段方向山部6により案内され、山面で衝突、剥離を繰り返し、温度境界層を破壊するだけの十分な乱流を生じさせながら、あるいは伝熱チューブ4の直後流領域へと向きを変えられながら、プレートフィン2間を流動し、その後端から流出される。
ここで、図5ないし図9を参照して、上記プレートフィン2の熱流動解析結果の概略を説明する。
図5は、プレートフィン2の一部を示し、矢印Xは空気流れ方向を示している。空気流れ方向Xに直交する矢印方向は局所熱伝達率の測定位置を示している。図6には、空気流れ方向X(mm)の図5に示す矢視測定位置におけるフィンの表面および裏面の局所熱伝達率[αa.local(W/mK)]の分布が示され、また、図7には、その局所平均熱伝達率比率[αa.local/αam(−)]の分布が示されている。なお、フィンピッチPfは、上記の通り1.2mmであり、正面平均風速Fvは、1.0m/sである。なお、図5と図6および図7の空気流入方向は、逆方向に図示されている。
前述した図3および図4に示されるように、プレートフィン2に列方向山部5を4山設け、その両端山部5A,5Dの高さを低くし、中央山部5B,5Cの高さを両端山部5A,5Dの高さよりも高くしており、更に中央山部5B,5Cに対応して段方向山部6が設けられているので、空気流入部における局所熱伝達率を、平均して略一定の高い値とすることができる。
上記のように、列方向山部5を設けたタイプのプレートフィン2では、衝突面での熱伝達率が高く、剥離面での熱伝達率が低くなることから、衝突面での熱伝達率が高い領域を多くすることによって、平均値として熱伝達率を向上させることができる。また、山部5により伝熱面積を増大させることができるため、これによっても伝熱性能を向上させることができる。なお、フィン側の熱伝達率向上だけを考えれば、列方向山部5の高さを全て高くすればよいが、そうすると、フィン側の流通抵抗増大(空気側圧力損失の増大)によって、送風ファンへの入力が増加するため、省エネルギー化に反することとなる。
従って、フィン端面側の両端山部5A,5Dの高さを低くし、中央山部5B,5Cの高さを両端山部5A,5Dよりも高くすることにより、流通抵抗を増大させることなく、局所熱伝達率を平均して高い値とすることができる。
また、図6および図7に示すように、チューブ孔3’に嵌合されている伝熱チューブ4後方の気流出口領域で熱伝達率を回復させることができる。これは、プレートフィン2の後端側の山部5Dを低くしているためであり、この山部5Dによって伝熱チューブ4の後流領域に回り込む空気流が形成され、そこでのフィンと空気流との熱交換が促進されるためと考えられる。
また、プレートフィン2の列方向山部5は、その両端山部5A,5Dの幅方向寸法pよりも、中央山部5B,5Cの列方向に沿う幅方向寸法qの方が大きく(2倍)されているので、両端山部5A,5Dと中央山部5B,5Cの勾配を略同一にすることができる。これによって、空気流に対する流通抵抗(気流側圧力損失)の増大を抑制して送風ファンへの入力を低減しつつ、列方向山部5の高さを高くし、列方向山部5における局所熱伝達率をより高い値とすることができる。
また、プレートフィン2の前端側の山部5Aを低くするもう1つの理由は、フィンに対する着霜を抑制することである。例えば、空気調和機の室外熱交換器に上記のフィンアンドチューブ型熱交換器1を用いた場合、暖房運転時に、熱伝達率の高いプレートフィン2の前端縁に霜が着霜され易くなる。ここで、プレートフィン2の前端山部5Aの高さを高くしておくと、フィン隙間が小さくなって、着霜により空気の流通路が閉塞されたり、あるいは着霜による流路抵抗の増大に伴い風量が低下し、交換熱量の低下が速くなり、さらに着霜し易くなる。従って、プレートフィン2前端の山部5Aの高さを低くしておくことにより、フィンに対する着霜を抑制し、これらの問題を解消することができる。
一方、プレートフィン2には、段方向に隣接するチューブ孔3間に、段方向に沿う段方向山部6が設けられているため、この段方向山部6による乱流促進効果によっても熱伝達率を向上させることができる。
また、この段方向山部6により、段方向に隣接するチューブ孔3間には、チューブ孔3方向に向かう下向きの傾斜面が形成されることとなるため、この傾斜面によりプレートフィン2間を流通する空気流をチューブ孔3’に嵌合されている伝熱チューブ4の直後流域へと回り込ませることができる。
図8には、フィン上面0.2mm位置における速度ベクトル分布図が示されている。この速度ベクトル分布図からも、伝熱チューブ4(チューブ孔3)の直後流域において、空気流が十分確保されていることが判る。
上記により、図9に示すように、プレートフィン2における伝熱チューブ4(チューブ孔3)の直後流領域での非有効伝熱領域(死水域)2Sを減少させることができる。このため、フィンの有効伝熱面積を増大させることができ、その分熱伝達率を向上させることができる。
特に、本実施形態では、列方向山部5を4山設け、そのうちの高さを高くしている2つの中央山部5B,5Cに対応させて、2つの段方向山部6を設けている。これにより、段方向に隣接するチューブ孔3間に、列方向および段方向の双方(三次元方向)に突設される三次元山部を形成した構成としているため、空気流に対する抵抗バランスを良好とすることができる。このため、空気流がプレートフィン2の段方向に隣接する伝熱チューブ4間の中央領域を流れるだけでなく、伝熱チューブ4の周囲に沿って十分な空気流が形成されることとなる。従って、伝熱チューブ4の直後流域での有効伝熱面積をより増大させ、熱伝達率を一段と向上させることができる。
また、プレートフィン2の幅方向の両端部には、平坦部5E,5Fが設けられ、この平坦部5E,5Fにより列方向に気流の流入を案内することができるため、気流の流入抵抗(気流側の圧力損失)を低減することができる。また、この平坦部5E,5Fをプレートフィンのプレス製造時の把持部として有効に利用することができる。
さらに、プレートフィン2に設けられるチューブ孔3のカラー3A、列方向山部5および段方向山部6をプレートフィン2のベース面2Aから一方向に突設させているため、プレス面をベース面2Aの一方向に形成すればよく、成形されたプレートフィン2の取り出しやフィン素材の搬送等を容易化し、プレートフィン2を製造し易くすることができる。
しかして、本実施形態によると、以下の効果を奏する。
プレートフィン2に設けられている列方向山部5および段方向山部6により、空気流の温度境界層を破壊できるだけの十分な乱流を生じさせることができるため、熱伝達率を向上させることができる。
また、列方向山部5を4山形成し、その両端の山部5A,5Dの高さを低く、その間に形成される2つの中央山部5B,5Cの高さを高くして、熱伝達率が高い空気流の衝突面領域を多くすることにより、列方向山部5の局所熱伝達率を平均して一定の高い値とすることができるため、伝熱性能を一定の高い値まで向上させることができる。
また、列方向山部5の後端側の山部5Dを低くし、この山部5Dにより伝熱チューブ4の後流領域に回り込む空気流が形成されるようにしているため、そこでのフィンと空気流との熱交換を促進させて、伝熱チューブ4の後流領域での熱伝達率を向上させることができる。
また、列方向山部5の前端側の山部5Aを低くし、熱伝達率の高いフィン前端でのフィン隙間を大きくしているため、フィンに対する着霜を抑制することができる。
また、列方向山部5の高さの低い両端山部5A,5Dの幅を小さく、その間に形成されている高さの高い2つの中央山部5B,5Cの幅を大きくして、その勾配を略同一としているため、空気流に対する流通抵抗(気流側圧力損失)の増大を抑制して送風ファンへの入力を低減しつつ、列方向山部5の高さを高くして、列方向山部5の局所熱伝達率を平均して一定の高い値とすることができる。
また、段方向に隣接するチューブ孔3間に設けられる列方向および段方向の双方に突設される三次元山部のチューブ孔3に向かう下向きの傾斜面により、プレートフィン2間を流通する気流を伝熱チューブ4の直後流側に回り込ませ、プレートフィン2の死水域を減少させることにより、有効伝熱面積を増大させることができるため、その分伝熱性能を向上させることができる。
特に、列方向山部5の高い2つの中央山部5B,5Cに対応させて2つの段方向山部6を設け、三次元方向に突設される山部を形成することにより、空気流に対する抵抗バランスを良くし、段方向に隣接する伝熱チューブ4間の中央領域だけでなく、伝熱チューブ4の周囲に沿って十分な空気流を形成することができるため、伝熱チューブ4の直後流域での有効伝熱面積をより増大させ、熱伝達率を一段と向上させることができる。
また、プレートフィン2の幅方向の両端に平坦部5E,5Fを設けて空気の流入を案内し、流入抵抗(気流側の圧力損失)を低減するようにしているため、送風ファンへの入力を低減し、省エネルギー化を図ることができる。また、この平坦部5E,5Fをプレートフィン2のプレス製造時の把持部として利用することができるため、フィンの製造を容易化することができる。
また、伝熱チューブ4を通すチューブ孔3のカラー3Aおよび列方向山部5、段方向山部6をプレートフィン2のベース面から一方向に突設されているため、プレス面をベースの一方向に形成すればよく、成形されたプレートフィン2の取り出しやフィン素材の搬送等、プレートフィン2の製造を容易化し、フィンの生産性を向上させることができる。
なお、上記の実施形態において、プレートフィン各部の寸法を具体的数値で示しているが、これはあくまでも一例にすぎず、本発明は、これに限定されるものではない。
また、チューブ孔3の列数、段数は、熱交換器の能力に合わせて適宜変更されるものであることはもちろんである。
本発明の一実施形態に係るフィンアンドチューブ型熱交換器の斜視図である。 図1に示すフィンアンドチューブ型熱交換器のプレートフィンの側面図である。 図2に示すプレートフィンのA−A断面相当図である。 図2に示すプレートフィンのB−B断面相当図である。 図2に示すプレートフィンの熱流動解析のための空気流れ方向Xとその断面位置の説明図である。 図5に示す空気流れ方向X(mm)の断面1位置におけるフィンの表面および裏面の局所熱伝達率の分布図である。 図5に示す空気流れ方向X(mm)の断面1位置におけるフィンの表面および裏面の局所/平均熱伝達率比率の分布図である。 図2に示すプレートフィンのフィン上面0.2mm位置における速度ベクトル分布図である。 図2に示すプレートフィンの伝熱チューブ直後方での非有効伝熱領域を表す説明図である。
1 フィンアンドチューブ型熱交換器
2 プレートフィン
3 チューブ孔
4 伝熱チューブ
5 列方向山部
5A,5D 両端山部
5B,5C 中央山部
5E,5F 平坦部
6 段方向山部

Claims (5)

  1. 所定ピッチで平行に多数配設され、その間を気流が流通されるプレートフィンと、
    該プレートフィンに所定の列ピッチおよび段ピッチで設けられるチューブ孔に密着して挿入され、内部を流体が流通される伝熱チューブと、を有するフィンアンドチューブ型熱交換器において、
    前記プレートフィンには、前記チューブ孔の各列に対し、列方向に沿って少なくとも3つ以上の列方向山部が設けられ、
    該列方向山部は、列方向の両端に形成される両端山部の高さがその間に形成される中央山部の高さよりも低くされているとともに、
    段方向に隣接する前記チューブ孔間に、段方向に沿う段方向山部が設けられることにより、該段方向に隣接する前記チューブ孔間には、列方向および段方向の双方に突設される三次元山部が設けられていることを特徴とするフィンアンドチューブ型熱交換器。
  2. 前記列方向山部が4山形成され、
    該列方向山部は、列方向の両端に形成される両端山部の高さよりもその間に形成される2つの中央山部の高さが高くされていることを特徴とする請求項に記載のフィンアンドチューブ型熱交換器。
  3. 列方向に沿う両端山部の幅よりも、その間に形成される中央山部の列方向に沿う幅が広くされていることを特徴とする請求項1または2に記載のフィンアンドチューブ型熱交換器。
  4. 前記プレートフィンには、少なくとも気流の流入側端面に、平坦部が設けられることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のフィンアンドチューブ型熱交換器。
  5. 前記各山部は、前記プレートフィンのベース面から一方向に突設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のフィンアンドチューブ型熱交換器。
JP2006314729A 2006-11-21 2006-11-21 フィンアンドチューブ型熱交換器 Active JP5039366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314729A JP5039366B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 フィンアンドチューブ型熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314729A JP5039366B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 フィンアンドチューブ型熱交換器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008128569A JP2008128569A (ja) 2008-06-05
JP5039366B2 true JP5039366B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=39554576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006314729A Active JP5039366B2 (ja) 2006-11-21 2006-11-21 フィンアンドチューブ型熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5039366B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010112667A (ja) 2008-11-10 2010-05-20 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP2014214894A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 株式会社ティラド 熱交換器のプレートフィン
JP2019215118A (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 ダイキン工業株式会社 熱交換器及び空気調和装置
WO2021020592A1 (ja) * 2019-07-26 2021-02-04 株式会社アタゴ製作所 熱交換促進部材および熱交換器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3645330A (en) * 1970-02-05 1972-02-29 Mcquay Inc Fin for a reversible heat exchanger
JPS6027916B2 (ja) * 1978-04-24 1985-07-02 ダイキン工業株式会社 熱交換器
JPS604072B2 (ja) * 1980-09-18 1985-02-01 東洋食品機械株式会社 シ−リング装置における容器の空送り装置
JPS61153498A (ja) * 1984-12-27 1986-07-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd フイン付熱交換器
JPH01179894A (ja) * 1987-12-29 1989-07-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd フィン付熱交換器
JPH0626778A (ja) * 1992-07-07 1994-02-04 Fujitsu General Ltd 熱交換器
JPH08303979A (ja) * 1995-04-28 1996-11-22 Daikin Ind Ltd クロスフィン型熱交換器
JPH0979695A (ja) * 1995-09-14 1997-03-28 Sanyo Electric Co Ltd 熱交換器及びその熱交換器を備えた空気調和機
JP3864916B2 (ja) * 2002-08-29 2007-01-10 株式会社デンソー 熱交換器
US7261147B2 (en) * 2003-05-28 2007-08-28 Lg Electronics Inc. Heat exchanger

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008128569A (ja) 2008-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090199585A1 (en) Fin-tube heat exchanger, fin for heat exchanger, and heat pump apparatus
US10422588B2 (en) Heat exchanger coil with offset fins
JP5039366B2 (ja) フィンアンドチューブ型熱交換器
JP2017166757A (ja) 熱交換器及び空気調和装置
JP2009204279A (ja) 熱交換器
JP2006078035A (ja) 熱交換装置
WO2005024309A1 (ja) フィン付き熱交換器およびその製造方法
JP4876660B2 (ja) フィン付き熱交換器及び空気調和機
JP2008215670A (ja) 伝熱フィン、フィンチューブ型熱交換器および冷凍サイクル装置
JP5138408B2 (ja) フィン・アンド・チューブ式熱交換器
JP5185611B2 (ja) フィンアンドチューブ型熱交換器
JP2009204277A (ja) 熱交換器
JP2017161186A (ja) フィンチューブ熱交換器
JP4196857B2 (ja) 熱交換器および伝熱部材
JP2010107130A (ja) 熱交換器ユニット及びこれを使用する空気調和機の室内機
JP2009162433A (ja) 伝熱部材
JP2008215737A (ja) フィンチューブ型熱交換器及び冷凍サイクル
JP2006097953A (ja) フィン付き熱交換器
JP2002235993A (ja) スパイラルフィンチューブ及び冷凍空調装置
JP2006162183A (ja) フィン付き熱交換器
JP6194471B2 (ja) フィンチューブ熱交換器
JP3898205B2 (ja) 空気調和機
JPH10185359A (ja) フィン付き熱交換器
JP6509593B2 (ja) フィンチューブ熱交換器
JP2015001307A (ja) フィンチューブ熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120619

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120709

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5039366

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350