以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、病院内システムの一部を抜き出した構成図である。図1に示すように、病院内システムにおいては、ネットワークNに、画像管理装置1と複数の画像記憶装置3,3・・・とが画像管理システムとして接続されている。画像管理装置100と複数の画像記憶装置3,3・・・は、通信機能を有するコンピュータを備え、ネットワークを介してデータ通信可能となっている。画像管理装置1は、医用画像の登録処理や医用画像の記憶先を通知する管理機能を有しており、医用画像を複数の画像記憶装置3,3・・・に記憶させて医用画像を管理している。
管理する医用画像は、ネットワークNに接続したモダリティ2,2・・・及び3Dワークステーション5が画像作成装置として作成し、画像管理装置1に送信している。モダリティ2,2・・・は、通信機能を有するコンピュータを備え、医用画像を発生させる医用画像作成装置である。被検体内を観察して被検体内を画像化することで医用画像を発生させる。例えば、超音波により被検体内を観察する超音波診断装置、X線により被検体内を観察するX線装置、磁場を発生させて被検体内の例えば水素原子核から発生する電波を受信するMRI装置である。3Dワークステーション5は、3次元ボリューム画像をレンダリング処理して表示し、又レンダリング処理して表示された3次元ボリューム画像をキャプチャして2次元画像を発生させる。
また、ネットワークNには、画像管理蓄積装置8が接続されている。この画像管理蓄積装置8は、図示しない医用画像を管理する管理装置と、図示しない医用画像を蓄積しておく蓄積装置を内部若しくは外部に備えており、画像管理装置1及び画像記憶装置3,3・・・と同様に医用画像を記憶し管理する画像管理システムである。
本実施形態において、この画像管理蓄積装置8は、画像管理システムが記憶する医用画像より過去の医用画像及び当該過去の医用画像の画像データベースを保持しているが、例えば古く性能が劣る等の理由で、画像管理装置1及び画像記憶装置3,3・・・に置き換えられる対象である。従って、モダリティ2,2・・・や3Dワークステーション5から医用画像を受信するために必要なIPアドレス、ポート番号、ホスト名、ドメイン名、AEタイトル等の情報とは異なる設定がされており、新たな医用画像を受信しない。
その他、ネットワークNには、画像管理装置1や画像記憶装置3,3・・・とデータ通信を行い、医用画像を取得する装置として、2次元画像を表示する2Dワークステーション4、医用画像を表示し読影等を支援するクライアント端末6,6・・・、ネットワークNの統合管理を行う統合管理サーバ7が接続され、これら各装置が通信機能を有するコンピュータを備えることにより、それぞれがデータ通信可能となっている。
本実施形態では、画像管理装置1は、新しい医用画像をモダリティ2,2・・・や3Dワークステーション5等の画像作成装置から受信すると、当該新しい医用画像に関連する過去の医用画像を画像管理蓄積装置8から取得して管理する。これにより画像管理蓄積装置8から徐々に必要な医用画像から順に移され、画像管理システムに負荷を与えることなく、自動でかつ穏やかに置き換え作業が行われるものである。
この画像管理装置1について詳細に説明する。図2は、画像管理装置1の構成図である。画像管理装置1は、処理部1a、主記憶部1b、外部記憶部1c、送受信部1dを備えるコンピュータであり、マンマシンインターフェース部1eが接続される。
処理部1aは、いわゆるCPUであり、プログラムに従った演算を行い、各周辺部を制御する。主記憶部1bは、例えば半導体メモリ等のRAMであり、処理部1aの作業領域として、プログラム、若しくは処理部1bの演算による演算結果、又はデータが展開される。送受信部1dは、例えばLANやモデム等のネットワークアダプタであり、ネットワークNに接続するデバイスにデータを送受信する。マンマシンインターフェース部1eは、キーボードやマウス、及びモニタで構成され、装置操作者とコンピュータとが対話を行うための装置である。
外部記憶部1cは、コンピュータを画像管理装置1として動作させるためのプログラム、画像作成装置や画像管理蓄積装置8から受信した医用画像、及び画像データベースを記憶している。
画像管理装置1は、外部記憶部1cに記憶されたプログラムに従って処理部1aが演算を行い、各周辺部を制御することによって、図3に示すように、送受信手段100と医用画像保管手段200と画像データベース300と画像管理手段500とを備える。画像管理手段500は、画像移行手段400を備える。
送受信手段100は、例えば送受信部1dと処理部1aを含み構成され、通信制御と通信制御に従ったデータの送受信を行う。医用画像保管手段200は、例えば外部記憶部1cを含み構成され、登録待ちの医用画像を含んだ受信データを一時的に保管する。
画像データベース300は、医用画像を特定する各種情報と医用画像の画像記憶装置3,3,・・・への記憶先を特定する記憶位置情報とを対にして格納する。また、画像データベース300は、SQL等のリレーショナルデータベース操作言語に対応したデータベース管理システムを備えており、医用画像を特定する各種情報を含むリレーショナルデータベース操作言語による医用画像の検索要求をクライアント端末6より受信すると、医用画像を特定する各種情報と対になった記憶位置情報を抽出してクライアント端末6に返信する。
画像移行手段400は、登録処理の前段として、モダリティ2や3Dワークステーション5等の画像作成装置から受信した医用画像と関連し、かつ画像管理装置1で管理していない過去の医用画像を、画像管理装置1で登録して管理するために登録処理の一部として画像管理蓄積装置8より取得し、医用画像保管手段200に保管する。また、登録処理の一部として、夜間等の画像管理装置1の負荷が少ない時間帯を利用して画像管理蓄積装置8から無作為に医用画像を取得して医用画像保管手段200に保管している。
画像移行手段400は、画像管理蓄積装置8のAEタイトルやステーション名や装置名を予め保持しており、この情報に対応する相手先を過去の医用画像取得先として定める。この情報は、マンマシンインターフェース部1eを用いて装置操作者により設定変更できる。尚、マンマシンインターフェース部1eを用いて装置操作者により画像移行手段400の機能の開始又は停止を設定することもできる。
画像管理手段500は、医用画像保管手段200に保管された医用画像の登録処理を行う。登録処理では、各医用画像の登録処理に優先度を設定し、優先度が高い順に登録処理を行う。
この画像管理装置1の全体動作を図4に基づき説明する。図4は、画像管理装置1の全体動作を示すフローチャート図である。まず、モダリティ2又は3Dワークステーション5等の画像作成装置から医用画像を受信すると(S101)、受信した医用画像を記憶する(S102)。
画像作成装置から受信した医用画像を読み出し、読み出した医用画像に関連し、かつ画像管理装置1が管理していない医用画像を画像管理蓄積装置8から取得する処理を行い(S103)、画像管理蓄積装置8から取得した医用画像を記憶する(S104)。
記憶した医用画像の登録処理に優先度を設定し(S105)、優先度が高い順に医用画像を読み出して(S106)、登録処理を行う(S107)。
画像移行手段400についてさらに詳細に説明する。図5は、画像移行手段400を更に詳細にした機能ブロック図である。図5に示すように、画像移行手段400は、付帯情報取得手段410と関連画像リスト取得手段420とリスト比較手段430と関連画像取得手段440を備える。
付帯情報取得手段410は、モダリティ2及び3Dワークステーション5等の画像作成装置から受信した受信データに含まれる医用画像に付帯する各種付帯情報のうち所定の付帯情報を取得する。取得する付帯情報は、患者ID、若しくは患者ID及び検査ID、又は患者IDと検査IDとシリーズIDである。
尚、取得する付帯情報は、モダリティ2及び3Dワークステーション5等の画像作成装置から受信した受信データに含まれる医用画像と関連する医用画像を取得するためであり、関連する医用画像を取得するために、患者ID、若しくは患者ID及び検査ID、又は患者IDと検査IDとシリーズID以外の他の各種付帯情報を取得してもよい。また、他の各種付帯情報と患者IDとを取得してもよい。
患者ID、検査ID、シリーズIDは、DICOM規格によって規格化され、患者IDは、撮影された患者を特定する情報であり、検査IDは、検査内容を特定する情報であり、シリーズIDは、撮影した部位毎、画像発生時刻、スライス厚、造影剤の有無、X線CT装置の場合の再構成関数、所定の付帯情報が同一であるもの、X線CT装置の場合の同一寝台移動方向で撮影されたもの、医用画像IDの偶数奇数、又は画像のヒストグラムによる部位判定を特定する情報である。
関連画像リスト取得手段420は、モダリティ2及び3Dワークステーション5等の画像作成装置から受信した医用画像と関連する医用画像の情報リストを画像管理蓄積装置8から取得する。SQL等のリレーショナルデータベース操作言語によりネットワークNを介して画像管理蓄積装置8が備える図示しない画像データベースを制御し、画像作成装置から受信した医用画像から取得した付帯情報と同一の付帯情報を有する医用画の情報リストを取得する。情報リストは、医用画像の各種付帯情報を対にした一覧である。各種付帯情報は、少なくとも患者ID、検査ID、シリーズID、イメージIDである。
リスト比較手段430は、画像管理蓄積装置8から取得した情報リストと画像管理装置1が備える画像データベース300とを比較し、取得した付帯情報と同一であるが、画像データベース300に登録されていない医用画像を特定する情報を情報リストからピックアップする。ピックアップした医用画像は、クエリーリトリーブキューに積む。画像移行手段400が画像管理装置1の負荷が少ない時間帯を使って既に移行させた医用画像との重複を避けるためである。
取得した付帯情報が患者IDであれば、同一患者IDが格納され、情報リストには記述されているが画像データベース300には登録されていない検査IDを有する医用画像の患者ID及び検査IDを情報リストからピックアップする。また、画像データベース300には、同一検査IDを有する医用画像が登録されているが、登録されていないシリーズIDやイメージIDがあれば、そのシリーズIDやイメージIDを有する医用画像の患者IDと検査IDとシリーズID、若しくは患者IDと検査IDとシリーズIDをピックアップする。取得した付帯情報が患者ID及び検査IDであれば同様に、情報リストに記述されている検査ID、シリーズID、イメージIDで登録されていない医用画像を特定する情報をピックアップし、取得した付帯情報が患者IDと検査IDとシリーズIDであれば同様に、情報リストに記述されているイメージIDで登録されていない医用画像を特定する情報をピックアップする。
尚、重複した医用画像を上書きによって登録及び送信する場合は、医用画像の重複を問わず医用画像を取得することもでき、その場合リスト比較手段430を排除することもできる。
関連画像取得手段440は、クエリーリトリーブキューに積まれた医用画像の取得を行う。クエリーリトリーブキューに積まれた医用画像を特定する情報、例えば画像番号をデータ要求命令と共に画像管理蓄積装置8にネットワークを介して送出して取得する。この通信はDICOM規格に沿って行われる。DICOM規格に沿った通信を行うことにより、医用画像がDICOM規格のフォーマットではない場合は、医用画像のDICOM規格化のフォーマット変換と画像管理蓄積装置8に別途記憶されている付帯情報を医用画像に付加する処理がなされて画像保管手段200に記憶される。
尚、クエリーリトリーブキューに積まれたジョブを処理することにより取得された医用画像については関連する医用画像の取得処理を行わない。
画像管理装置1による画像移行処理を図6に示す。まず、画像作成装置から医用画像を受信すると(S201)、受信した医用画像を記憶する(S202)。次に画像作成装置から受信した医用画像を読み出し、付帯情報を取得する(S203)。
付帯情報を取得すると、取得した付帯情報を検索キーとして画像管理蓄積装置8の画像データベースを検索して、取得した付帯情報と同一の付帯情報を有する医用画像の各種付帯情報を対にした情報リストを取得する(S204)。
情報リストを取得すると、画像管理装置1が備える画像データベース300と情報リストとを比較し(S205)、画像データベース300に登録されていない医用画像の情報をピックアップしクエリーリトリーブキューに積む(S206)。
クエリーリトリーブキューに積まれた医用画像を特定する情報を順次取得し、画像要求命令と共に画像管理蓄積装置8に送出して医用画像を取得し(S207)、一連の処理を終了する。
図7は、受信データのデータ構造例を示す。図7に示すように、画像作成装置から受信した受信データ10は、医用画像11と属性情報12とから構成される。属性情報12は、送信元情報13、及び送信日時情報14等の医用画像の送信時に受信データに付加される情報と、付帯情報15で構成される。付帯情報15は、DICOM規格に沿って、検査日時情報16、患者ID17、検査ID18、シリーズID19、医用画像固有の番号であるイメージID20、及び医用画像が3次元ボリューム画像である場合のスライス厚情報21で構成される。
画像管理装置1は、画像作成装置から受信データ10を受信すると、一度受信データ10を記憶して付帯情報15の例えば患者ID17及び検査ID18を取得する。図7では、患者ID17として「00004001」を、検査IDとして「003」を取得する。
図8は、画像管理蓄積装置8から取得した情報リスト例を示す図である。尚、情報リストのデータ構造は、記述の羅列であり、図8は、情報リストの構成を説明している。図8では、情報リスト22は、医用画像の各種付帯情報22〜26と記憶位置情報27を対にした一覧である。各種付帯情報は、少なくとも患者ID23、検査ID24、シリーズID25、イメージID26である。図8に示す情報リスト22は、図7に示す患者ID17と同一の患者ID23を有する医用画像の一覧となっている。
図9は、画像管理蓄積装置1が備える画像データベース300の一例を示す図である。画像データベース300は、図9に示すように、医用画像を特定する情報として医用画像に付帯する付帯情報である患者ID28と検査ID29とシリーズID30とイメージID31と記憶位置情報32とを対にして格納している。
画像管理装置1は、情報リスト22と画像データベース300とを比較し、情報リスト22には記述されているが画像データベース300には登録されていない医用画像の情報をピックアップしクエリーリトリーブキューに積む。例えば、情報リスト22と画像データベース300とを比較すると、情報リスト22に記述されているシリーズID25「002」及びイメージID26「005」を付帯情報として有する医用画像と、シリーズID25「003」を付帯情報として有する医用画像とが画像データベース300に登録されておらず、これら医用画像がピックアップされてクエリーリトリーブキューに積まれる。
画像管理装置1は、シリーズID25「002」及びイメージID26「005」を付帯情報として有する医用画像と、シリーズID25「003」を付帯情報として有する医用画像の情報がピックアップされると、これら医用画像を特定する情報、すなわち患者ID「00004001」と検査ID「005」とシリーズID「002」及びイメージID「005」、そして患者ID「00004001」と検査ID「005」とシリーズID「003」を画像要求命令と共に画像管理蓄積装置8に送出し、画像管理蓄積装置8からこれら医用画像を取得する。
この画像管理装置1によって、画像作成装置によって新たに発生した医用画像に関連する医用画像から順に、画像管理蓄積装置8による管理から画像管理装置1への管理に移行する。従って、穏やかに画像管理蓄積装置8の管理から画像管理装置1の管理に医用画像を移行させることができると共に、必要な医用画像から効率よく移行させることができる。
次に、画像管理手段500をさらに詳細に説明する。画像管理手段500は、医用画像の登録処理を行う。登録は、クライアント端末6,6・・・による医用画像の利用を可能にする処理である。図10は、画像管理手段500による登録処理の流れの概略説明である。図2に示すように、登録処理は、まず画像作成装置及び画像管理蓄積装置8から医用画像を受信(S1)する。受信した医用画像をデータ圧縮して(S2)、画像記憶装置3,3・・・へ保管し(S3)、画像データベース300に受信した医用画像のレコードを新規作成して画像データベース300を更新する(S4)。
登録処理には、モダリティ2がX線CT装置であり3次元ボリュームの医用画像を受信した場合、医用画像のデータ圧縮(S2)の前に、当該3次元ボリュームの医用画像を3Dワークステーション5に送信して、レンダリング処理及びキャプチャ処理を行わせる処理(S5)が含まれる。3Dワークステーション5が3次元ボリューム画像をレンダリング処理してキャプチャし作成した2次元の医用画像は、再度画像管理装置1で受信し、画像管理装置1にて、2次元の医用画像に対するデータ圧縮(S2)、画像記憶装置310,320・・・への保管(S3)、及び画像データベースの更新(S4)を行う。
また登録処理には、医用画像の転送(S6)が含まれる。所定の送信元から所定の検査日時に撮影された医用画像や所定の送信日時に送信された医用画像を受信すると、所定のクライアント端末6へ転送(S6)する。この転送(S6)とは別個に転送した医用画像のデータ圧縮(S2)、画像記憶装置への保管(S3)、及び画像データベース300の更新(S4)を行う。転送の条件は、予め画像管理装置100に設定されている。転送の条件は、受信した医用画像の送信元、及び検査日時又は送信日時が、設定と合致し、現在日時が指定時間に一致することである。この転送の条件に合致すると、読影医の読影スケジュールに合わせて、参照される医用画像を読影医が使用するクライアント端末6に転送することになる。
図11は、画像管理手段500を更に詳細にした機能ブロック図である。図11に示すように、登録処理管理手段510と登録処理手段520とを備える。
登録処理管理手段510は、登録処理手段520が行う登録処理を管理する。具体的には、登録処理を待つ医用画像の圧縮、送信、及び登録を行うキュー(以下、「登録キュー」という)、クエリーリトリーブキュー、転送キューを管理し、登録処理手段520が次に行う登録処理の対象を指示する。
登録処理手段520は、登録処理管理手段510から指示された登録処理の対象となる医用画像を医用画像保管手段200から取得して、登録処理を行う。この登録処理手段520は、登録処理を行うための圧縮手段521、書込手段522、データベース更新手段523、処理依頼手段524、及び画像移行手段400を備える。
圧縮手段521は、医用画像の登録処理の段階が圧縮である場合、登録処理を行う医用画像を医用画像保管手段200から取得してJPEG圧縮等の画像圧縮を行う。
書込手段522は、医用画像の登録処理の段階が送信である場合、登録処理を行う医用画像を医用画像保管手段200から取得して、送受信手段100を介して画像記憶装置3,3・・・へ送信する。医用画像の登録処理の段階が転送を示す場合、登録処理を行う医用画像を医用画像保管手段200から取得して、送受信手段100を介して転送先へ送信する。
データベース更新手段523は、書込手段522が医用画像を画像記憶装置3へ書き込むと、画像データベース300に新規レコードを作成し、医用画像の付帯情報と記憶位置情報を対にして登録する。
処理依頼手段524は、医用画像の登録処理の段階が3Dレンダリング処理及びキャプチャ処理である場合、登録処理を行う医用画像を医用画像保管手段200から取得し、同時にこれら処理の依頼を作成して送受信手段100を介して3Dワークステーション144へ送信する。
画像移行手段400は、リトリーブキューの作成までは自立しておこない、登録処理管理手段の指示に従ってリトリーブキューに積まれた医用画像の取得を行う。
本実施形態における登録処理管理手段510について更に詳細に説明する。登録処理管理手段510は、登録処理手段520が次に行う登録処理の対象を指示するために、対応テーブル513と優先度取得手段512と処理順決定手段511とを備える。優先度取得手段512により対応テーブル513を参照して医用画像の登録処理に優先度を設定し、処理順決定手段511により優先度が最も高くかつ処理待ち順が早い医用画像の登録処理待ちを探索して、該当する医用画像の登録処理を登録処理手段520に指示する。
対応テーブル513は、各種の条件に対応した優先度を格納するテーブルである。図12は、対応テーブルを説明する図である。
図12の(a)は、医用画像の属性情報として各種送信元情報と優先度とを対応させた送信元属性の対応テーブルである。このテーブルは、医用画像の登録処理の優先度を、医用画像の送信元属性の観点から設定するためのものである。例えば、図12の(a)では、医用画像の送信元情報33が「3DWS」であった場合に対応して優先度34に「3」が格納される。
図12の(b)は、医用画像の各種送信日時情報と優先度とを対応させた送信日時属性の対応テーブルである。このテーブルは、医用画像の登録処理の優先度を、医用画像の送信日時属性の観点から設定するためのものである。例えば、図12の(b)では、医用画像の送信日時情報35が「当日」であった場合に対応して優先度36に「4」が格納される。
図12の(c)は、医用画像の各種検査日時情報と優先度を対応させた検査日時属性の対応テーブルである。このテーブルは、医用画像の登録処理の優先度を、医用画像の検査日時属性の観点から設定するためのものである。例えば、図12の(c)では、医用画像の検査日時情報37が「当日」であった場合に対応して優先度38に「3」が格納される。
図12の(d)は、医用画像の各種患者IDと優先度とを対応させた患者属性の対応テーブルである。このテーブルは、医用画像の登録処理の優先度を、医用画像の患者属性の観点から設定するためのものである。例えば、図12の(d)では、医用画像の患者ID39が当該テーブルの次段に示す「0000401」に対応して優先度40に「5」が格納される。
図12の(e)は、医用画像の各種スライス厚情報と優先度とを対応させたスライス厚属性の対応テーブルである。このテーブルは、医用画像の登録処理の優先度を、医用画像のスライス厚属性の観点から設定するためのものである。例えば、図12の(e)では、医用画像のスライス厚情報41が「0.5mm以下」であった場合に対応して優先度42に「5」が格納される。
図12の(f)は、各種転送先と指定日時の組み合わせと優先度とを対応させたテーブルである。このテーブルは、転送の条件と合致する属性情報を有する医用画像を所定の転送先に転送する処理に対して、現在日時が指定日時と合致した場合に優先度を設定するテーブルである。所定の送信元の属性情報と所定の検査日時の属性情報を有する医用画像は、転送キューに積まれ、このテーブルにより、当該医用画像の転送先に応じて処理に優先度が設定される。例えば、図12の(f)では、転送先情報43が「3DWS」であり、かつ指定日時情報44の「火曜日、13:00〜20:00」に現在日時が到達した場合に対応して優先度45に「8」が格納される。
図12の(g)では、処理の種類と優先度とを対応させた対応テーブルである。このテーブルは、登録処理における処理内容に応じて優先度を設定するものである。例えば、図12の(g)では、処理内容46が処理情報が画像作成装置から受信した医用画像に関連する過去の医用画像を画像管理蓄積装置8から取得する処理である「関連画像取得処理」であった場合に対応して優先度47に「2」が格納される。
対応テーブル513を複数用意した場合は、各対応テーブル513に重み付けを行ってもよく、図12の(a)〜(f)では、各対応テーブル513に重み48,49,・・・を格納する。この場合、後述するように、優先度に重みを乗じて得られる値が最終的な優先度となり、各種対応テーブル513に優劣を付けることができる。
また、本実施形態において、図12(d)に示す患者属性の対応テーブル513には、緊急患者IDに対応する優先度が格納されており、この優先度を他より格段に高く設定している。例えば、図12(d)に示すテーブル最上段の患者ID55である「99999999」と次段の値のない患者ID56は、緊急患者IDであり、対応する優先度57,58を「100」に設定している。緊急の患者に対して緊急患者IDを付すことで緊急フラグとして機能する。緊急フラグを属性情報として医用画像に付す場合には、緊急属性の対応テーブル513を備えるようにしてもよい。
優先度取得手段512は、対応テーブル513を用いて、各医用画像の登録処理に優先度を設定する。受信データを医用画像保管手段200から読み出して、属性情報を取得し、さらに現在日時を取得する。また、各種キューや各種キューのキューステータスにより医用画像の処理内容を取得する。尚、画像移行手段500によって取得された医用画像を含む受信データについては属性情報や現在日時の取得を行わない。
取得した属性情報、又は現在日時、若しくは処理内容に対応する対応テーブル513を読み込み、一致する項目を検索して、該当する項目に記憶された優先度を取得する。対応テーブル513に重みが設定されている場合は、重みを取得して、優先度に重みを乗じた重み付けを行う。
対応テーブル513を複数用意した場合は、複数の対応テーブル513,513・・・を参照して、優先度を取得する。さらに取得した複数の優先度を比較して、最も高い優先度を採用する。
処理順決定手段511は、医用画像毎に設定された登録処理の優先度から次に行う登録処理を決定し登録処理手段520に次に行う登録処理を指示する。処理順決定手段511は、各種キューに積まれた医用画像の登録処理に設定された優先度を比較し、最も優先度が高い登録処理を次に行う登録処理として決定する。同一優先度が複数存在する場合には、待ち順の早いジョブを次に行う登録処理として決定する。尚、処理順決定手段511は、転送キューと登録キューとクエリーリトリーブキューを区別することなく優先度の比較を行い、最も優先度が高いキューを次に行う登録処理として決定する。
このような画像管理装置1の優先度設定動作について図13に基づき説明する。まず、受信データを読み込み(S10)、受信データから優先度を決定する情報として属性情報を取得し、かつ現在日時を取得する(S11)。また、受信データに含まれる医用画像の処理内容を取得する(S12)。
取得した属性情報、現在日時、及び処理内容から各種対応テーブル513,513・・・を検索し(S13)、対応テーブルの各項目のうち、取得した属性情報、若しくは現在日時、又は処理内容に一致する検索し、該当した項目に対応する優先度を取得する(S14)。
複数の優先度を比較し、最も高い優先度を受信データに含まれた医用画像の登録処理に設定し(S15)、優先度設定処理を終了する。
この動作により、医用画像の性質に基づいて医用画像の登録処理に優先度が付与され、重要性や即用性が高い性質の医用画像は、登録処理が優先される。
次に、画像管理装置1における次に登録処理する医用画像の決定動作について図14に基づき説明する。まず、登録キュー、転送キュー、クエリーリトリーブキューに積まれた医用画像の登録処理のうち、優先度が最も高く、かつ待ち順が早い登録処理を検索する(S21)。
該当した医用画像の登録処理が登録キューに積まれキューステータスが3Dワークステーション5に3Dレンダリング処理及びキャプチャ処理をして2次元画像の作成を依頼する段階である場合(S22,Yes)、3Dレンダリング処理命令及びキャプチャ処理命令及び作成した2次元画像を画像管理装置1へ送信する命令を作成し、当処理を行う医用画像を外部記憶部1cから読み出し、これら命令と医用画像とを3Dワークステーション5に送信する(S23)。
該当した医用画像の登録処理が登録キューに積まれキューステータスが医用画像の圧縮処理段階である場合(S24,Yes)、圧縮処理を行う医用画像を外部記憶部1cから読み出し、読み出した医用画像にデータ圧縮加工を行う(S25)。そして、画像保管命令を作成し、データ圧縮加工された医用画像を画像保管命令とともに画像記憶装置3,3・・・のいずれかに送信し、医用画像を書き込む(S26)。書き込みと同時に、書き込んだ医用画像の各付帯情報と記憶位置情報を対にしたレコードを新規に作成し、画像データベース300を更新する(S27)。
該当した医用画像の登録処理が登録キューに積まれキューステータスが医用画像の書込段階である場合(S28,Yes)、書込処理を行う医用画像を外部記憶部1cから読み出し、画像保管命令を作成し、データ圧縮加工により作成した圧縮後の医用画像を画像保管命令とともに画像記憶装置3,3・・・のいずれかに送信し、医用画像を書き込む(S26)。書き込みと同時に、書き込んだ医用画像の付帯情報と記憶位置情報を対にしたレコードを新規に作成し、画像データベース300を更新する(S27)。
該当した医用画像の登録処理が転送キューに積まれ医用画像の転送段階である場合(S29,Yes)、転送処理を行う医用画像を外部記憶部1cから読み出し、転送先に転送する(S30)。
検索によって該当した医用画像の登録処理がクエリーリトリーブキューに積まれて関連画像取得処理段階であった場合(S31,Yes)、取得する医用画像の記憶位置情報を情報リストから取得して(S32)、記憶位置情報に対応する記憶位置に記憶された医用画像を画像管理蓄積装置8から取得する(S33)このS21〜S34の動作を全登登録処理が完了するまで行い(S34,No)、一連の処理を終了する。
このように、画像管理装置1は、医用画像の登録処理に付与された優先度に基づいて登録処理を行うことで、重要性や即用性のある医用画像を優先的に登録処理して利用可能にする。
医用画像は、送信元に応じて即用性に違いがある場合が多い。例えば、3Dワークステーション500から送信された2次元の医用画像は、読影の準備として作成されるものであり、近日中に読影されることが決まっている場合が多い。本実施形態の画像管理装置100のように、送信元情報に対応して優先度を設定すると、医用画像の即用性に応じて登録処理を行うことができる。
また、送信日時や検査日時が古く放っておかれている医用画像よりも新しい医用画像のほうが即用性が高い場合が多く、読影医の読影スケジュールの観点からも医用画像の登録処理タイミングと合致させることができる。
また、患者によっても医用画像の即用性に差があり、特に緊急患者の場合は即時医用画像を利用可能にする必要であり、患者の観点からも医用画像の即用性に応じて登録処理できる。
また、スライス厚に応じた医用画像の登録処理に優先度を設けた場合、スライス厚の薄い医用画像は、先に2次元の医用画像を作成したほうが登録処理が効率的である場合が多く、有効である。
また、特定の医用画像を特定の日時に特定の転送先に転送する処理に優先度を設けた場合、読影医の読影スケジュールの観点からも医用画像の登録処理タイミングと合致させることができる。
また、医用画像の登録処理の種類に応じて優先度を設けた場合、特に置き換えた衣装となっている画像管理蓄積装置8からの医用画像取得に優先度を設けた場合、画像管理装置1に負荷をかけることなく穏やかに画像管理装置8から画像管理装置1へ医用画像を移して再登録することができる。
尚、本実施形態においては、画像管理装置1で全ての登録処理過程を処理するようにしたが、例えばデータ圧縮については他のサーバで行わせることもでき、この場合、サーバ同士で優先度に基づいた登録処理スケジュールの同期を図るようにすればよい。また、受信データの受信について、送信元ごとに受信を分け、処理部1aの利用率を高めるようにしてもよい。