JP5038771B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設けたことを特徴とする。
例えば、高日射状況の下に駐停車している車両に乗り込み冷房を行う時、太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口を選択すると、吸入開始時に高温外気になるばかりでなく、吸入開始後も吸入経路が保有する熱により高温外気が継続する。
これに対し、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を選択すると、日射の影響を受けないため、吸入開始時に第1外気吸入口からの外気温度に比べ遙かに温度が低い低温外気になるし、吸入開始後も日射の影響により空気温度が上昇することがないため、低温外気が継続する。
したがって、太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口を選択する場合に比べ、吸入した外気温度から車室内の設定温度までの低下させるべき温度幅が狭くなり、冷房開始直後から応答良く車室内温度を低下させて快適性を向上させることができる。さらに、低下させる温度幅が狭い分、冷房負荷も低減される。
この結果、外気導入モードでの冷房効率アップと暖房効率アップとの両立を図ることができると共に、高日射状況での冷房開始時に初期冷房性能の向上と消費エネルギーの低減を達成することができる。
図1は実施例1の車両用空調装置が適用された自動車を示す概略平面図である。図2は実施例1の車両用空調装置が適用された自動車を示す概略側面図である。
このステップS1において、内気循環モード(REC)であると判断されたときは、リターンへ移行し、外気導入モード(FRESH)であると判断されたときは、ステップS2へ移行する。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度より高い冬場の暖房時には、第2切替えドア16を、図5の実線位置(1)のままとし、第1切替えドア11を、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とすることで、第1カウル外気吸入口14を外気吸入口として選択する(HOT)。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度より高くカウルダクト4の温度上昇がみられる夏場の冷房時には、第1切替えドア11を、図5の実線位置(1)のままとし、第2切替えドア16を、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とすることで、フェンダー外気吸入口17を外気吸入口として選択する(FENDER)。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度以下でカウルダクト4の温度上昇がない夏場の冷房時には、第1切替えドア11と第2切替えドア16を、共に図5の実線位置(1)のままとすることで、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する(COWL TOP)。
図7はエアコンシステムの性能評価に使用する試験装置であり、(a)は車両の熱試験状態を示し、(b)は車室内状態を示す。
この理由は、熱の流れとして、車両上端部では日射の影響により入熱し、この熱が車両の熱伝達性の高い金属製のパネルを伝わって車両下方へ向かう。そして、日射の影響を受けない車両下端部では、路面に向かって放熱されることになる。つまり、車両上端部では、日射入熱により高温となるものの、車両下端部のパネル温度は、前記放熱作用により低温(ほぼ外気温レベル)となる。
以下、実施例1の車両用空調装置における「冬場の暖房作用」、「夏場1の冷房作用」、「夏場2の冷房作用」に分けて説明する。
冬場の外気導入モードでの暖房時には、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→リターンという流れが繰り返される。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度より高い冬場の暖房時には、ステップS3において、第2切替えドア16が図5の実線位置(1)のままとされ、第1切替えドア11が第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とされることで、第1カウル外気吸入口14が外気吸入口として選択されることになる。
夏場の外気導入モードでの冷房時であるが、日射の影響を受けない雨天走行時等では、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS7→リターンという流れが繰り返される。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度以下でカウルダクト4の温度上昇がない夏場の冷房時には、第1切替えドア11と第2切替えドア16が、共に図5の実線位置(1)のままとされることで、第2カウル外気吸入口13が外気吸入口として選択されることになる。
夏場の外気導入モードでの冷房時であり、かつ、日射の影響を大きく受ける炎天下駐車時等では、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS4→ステップS5→ステップS6→リターンという流れが繰り返される。
すなわち、エアコン設定温度が外気温度以下で、かつ、第2カウル外気吸入口13の温度がフェンダー外気吸入口17の温度より高くカウルダクト4の温度上昇がみられる夏場の冷房時には、第1切替えドア11が、図5の実線位置(1)のままとされ、第2切替えドア16が、第2カウル外気吸入口13を塞ぐ位置(2)とされることで、フェンダー外気吸入口17が外気吸入口として選択されることになる。
これに対し、実施例1では、フェンダー外気吸入口17から外気吸入により、吸入空気温度を外気温に近い温度に調整することができる。このため、冷房時にエバポレータ直後の温度を6℃にする場合、フェンダー外気吸入口17から外気吸入により、吸入空気温度を外気温である41.4℃に等しくできれば、カウルダクトからの外気吸入の場合(吸入空気温度が58.4℃)に比べ、冷却に使用するエネルギーの削減量が約32%程度となり、冷却に使用するエネルギーを大幅に節約することができる。
実施例1の車両用空調装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
図9は実施例2の車両用空調装置における冬場の外気導入モードでの暖房時の外気導入作用を説明するためのカウルダクト及びフェンダーダクトを示す斜視図である。
実施例2の車両用空調装置にあっては、実施例1の(1)〜(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
図10は実施例3の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(吸入空気温度制御手段)。
なお、ステップS31〜ステップS34,ステップS36,ステップS37は、図6のステップS1〜ステップS4,ステップS6,ステップS7と同様の処理を行うステップであるので、説明を省略する。
このステップS38にて、Qs>規定値と判断されたときはステップS36へ移行し、フェンダー外気吸入口17を外気吸入口として選択し、Qs≦規定値と判断されたときはステップS37へ移行し、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する。
また、夏場の外気導入モードでの冷房時であり、かつ、日射の影響を大きく受ける炎天下駐車時等では、A/C用日射量センサ値Qsが規定値より大きな値となるため、図10のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS38→ステップS36→リターンという流れが繰り返される。
このように、実施例3では、車載の空調システムに既存の日射量センサ31を用いて、外気吸入口の選択制御を行うことができる。
実施例3の車両用空調装置にあっては、実施例1の(1)〜(4),(6)の効果、および、実施例2の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
図11は実施例4の空調コントローラ32にて実行される外気吸入口選択制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(吸入空気温度制御手段)。
なお、ステップS41〜ステップS44,ステップS46,ステップS47は、図6のステップS1〜ステップS4,ステップS6,ステップS7と同様の処理を行うステップであるので、説明を省略する。
このステップS45でT’≦0と判断されたときは、ステップS47へ移行し、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する。なお、設定温度を0℃とする例を示したが、適宜の温度に設定しても良い。
このステップS48にて、Qs>規定値と判断されたときはステップS46へ移行し、フェンダー外気吸入口17を外気吸入口として選択し、Qs≦規定値と判断されたときはステップS47へ移行し、第2カウル外気吸入口13を外気吸入口として選択する。
また、夏場の外気導入モードでの冷房時であるが、日射の影響を受けない雨天走行時等では、第1外気吸入口温度T1が第2外気吸入口温度T2より高くても、A/C用日射量センサ値Qsが規定値以下の値となるため、図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45→ステップS48→ステップS47→リターンという流れが繰り返される。
一方、夏場の外気導入モードでの冷房時であり、かつ、日射の影響を大きく受ける炎天下駐車時等では、第1外気吸入口温度T1が第2外気吸入口温度T2より高く、かつ、A/C用日射量センサ値Qsが規定値より大きな値となるため、図11のフローチャートにおいて、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45→ステップS48→ステップS46→リターンという流れが繰り返される。
このように、実施例4では、外気吸入口温度と日射量との併用により、精度の良い第2カウル外気吸入口13とフェンダー外気吸入口17の選択制御を行うことができる。
実施例4の車両用空調装置にあっては、実施例1の(1)〜(4),(6)の効果、および、実施例2の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
2 ボンネット
3 エンジンルーム(パワーユニットルーム)
4 カウルダクト
5 ダッシュパネル
6 エンジン
7 仕切り板
8 ブロワユニット
9 カウルトップ
10 空調ユニット
11 第1切替えドア(吸入口切替え構造)
12 断熱材
13 第2カウル外気吸入口(第1外気吸入口)
14 第1カウル外気吸入口(第1外気吸入口)
15 フィン
16 第2切替えドア(吸入口切替え構造)
17 フェンダー外気吸入口(第2外気吸入口)
24 フェンダーダクト
25 外気導入口
26 吸込口スイッチ
27 温度調節ダイアル(空調温度設定手段)
28 外気温センサ(外気温度検出手段)
29 第1外気吸入口温度センサ(第1外気吸入口温度検出手段)
30 第2外気吸入口温度センサ(第2外気吸入口温度検出手段)
31 日射量センサ(日射量検出手段)
32 空調コントローラ
33 第1切替えドアアクチュエータ(吸入口切替え構造)
34 第2切替えドアアクチュエータ(吸入口切替え構造)
Claims (7)
- 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造を設け、
前記第1外気吸入口は、パワーユニットルームの後部に配置された車幅方向に延びるカウルダクトの上端部に設定されたカウル外気吸入口であり、
前記第2外気吸入口は、駐車時に日射の影響により空気温度が上昇しないサイドフェンダーの下部位置に設定されたフェンダー外気吸入口であり、
前記カウル外気吸入口が設定されたカウルダクトと、前記フェンダー外気吸入口が設定されたフェンダーダクトとの連結位置に外気導入口を設け、
前記吸入口切替え構造は、前記外気導入口の位置に設け、外気導入モードの選択時、カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口のうち、何れかを選択する切替えドアを有し、
前記カウル外気吸入口は、車幅方向に延びるカウルダクトの前記外気導入口から離れたカウルトップ位置に設定した第1カウル外気吸入口と、車幅方向に延びるカウルダクトの前記外気導入口に近接するカウルトップ位置に設定した第2カウル外気吸入口とを有し、
前記切替えドアは、外気導入モードの選択時、第1カウル外気吸入口と第2カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口のうち、何れかを選択可能な第1切替えドアと第2切替えドアを有することを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1に記載された車両用空調装置において、
前記カウルダクトと前記フェンダーダクトのうち、フェンダー外気吸入口から外気導入口に至るフェンダーダクトの内面と第2カウル外気吸入口のみに断熱材を設定したことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1または請求項2に記載された車両用空調装置において、
前記カウルダクトと前記フェンダーダクトのうち、第1カウル外気吸入口から外気導入口に至るカウルダクトの外面に熱吸収を促進するフィンを設定したことを特徴とする車両
用空調装置。 - 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造と、
前記第1外気吸入口の温度を検出する第1外気吸入口温度検出手段と、
前記第2外気吸入口の温度を検出する第2外気吸入口温度検出手段と、
前記外気導入モードの選択時、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度より高いとき、第2外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度以下のとき、第1外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力する吸入空気温度制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造と、
日射量を検出する日射量検出手段と、
前記外気導入モードの選択時、日射量検出値が規定値より高いとき、第2外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、日射量検出値が規定値以下のとき、第1外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力する吸入空気温度制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 外気導入モードの選択時、車両に設定された外気吸入口から外気を取り入れる車両用空調装置において、
前記外気吸入口は、少なくとも太陽光の照射域に設定された第1外気吸入口と、太陽光の非照射域に設定された第2外気吸入口を有し、
外気導入モードの選択時、第1外気吸入口と第2外気吸入口のうち、何れかを選択可能な吸入口切替え構造と、
前記第1外気吸入口の温度を検出する第1外気吸入口温度検出手段と、
前記第2外気吸入口の温度を検出する第2外気吸入口温度検出手段と、
日射量を検出する日射量検出手段と、
前記外気導入モードの選択時、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度より高く、かつ、日射量検出値が規定値より高いとき、第2外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度以下のとき、あるいは、第1外気吸入口温度検出値と第2外気吸入口温度検出値の差が設定温度より高いが日射量検出値が規定値以下のとき、第1外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力する吸入空気温度制御手段を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項4乃至請求項6の何れか1項に記載された車両用空調装置において、
空調温度を設定する空調温度設定手段と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、を設け、
前記第1外気吸入口は、パワーユニットルームの後部に配置された車幅方向に延びるカウルダクトの上端部に設定され、外気導入口から離れたカウルトップ位置に設定した第1カウル外気吸入口と、外気導入口に近接するカウルトップ位置に設定した第2カウル外気吸入口とを有し、
前記第2外気吸入口は、サイドフェンダーの下部位置に設定されたフェンダー外気吸入口であり、
前記吸入空気温度制御手段は、空調設定温度と外気温度の差が設定温度より高いとき、第1カウル外気吸入口を選択する制御指令を吸入口切替え構造に出力し、空調設定温度と外気温度の差が設定温度以下のとき、吸入口温度条件と日射量条件の少なくとも一方の条件により、第2カウル外気吸入口とフェンダー外気吸入口の選択制御を行うことを特徴とする車両用空調装置。
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