JP2009154576A - 車両用車室内冷却補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、熱交換パネルに蓄えられた冷熱エネルギを有効に使って車室内温度を低下させることで、乗員の車室内再乗り込み容易性を達成することができる車両用車室内冷却補助装置を提供すること。
【解決手段】炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助する車両用車室内冷却補助装置において、車室内のうち座席より下部位置に設置し、冷房運転時に車載冷媒を用いて蓄冷する熱交換パネル14と、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、熱交換パネル14との熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気を攪拌する補助冷却制御装置15と、を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助する車両用車室内冷却補助装置に関する。
従来、夏期などの炎天下に長時間車両を放置した場合の過熱した箇所の熱を有効に奪うことを目的とし、走行中にエバポレータで凝縮したドレン水を蓄え、停車時に蓄えたドレン水を車体のルーフに吸い上げ、車室内を冷却する車両用車室内冷却補助装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−298004号公報
しかしながら、従来の車両用車室内冷却補助装置にあっては、停車時に蓄えたドレン水を車体のルーフに吸い上げる構成となっていたため、ドレン水をルーフに吸い上げる段階で、ドレン水が温められてしまい、所望の車室内冷却効果を見込めないという問題があった。
すなわち、炎天下で長時間駐車する場合、ルーフ付近の車室内上部の雰囲気温度は、例えば、70℃以上の高温となってしまう。したがって、低温のドレン水をルーフに吸い上げると、吸い上げる途中段階で、70℃以上の高温雰囲気によりドレン水の温度が上昇し、ドレン水の冷熱エネルギの大半を、ルーフへの到達前に消耗してしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、熱交換パネルに蓄えられた冷熱エネルギを有効に使って車室内温度を低下させることで、乗員の車室内再乗り込み容易性を達成することができる車両用車室内冷却補助装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助する車両用車室内冷却補助装置において、
前記車室内のうち座席より下部位置に設置し、冷房運転時に車載冷媒を用いて蓄冷する熱交換パネルと、
炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、前記熱交換パネルとの熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気を攪拌する補助冷却制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の車両用車室内冷却補助装置にあっては、冷房運転時において、車室内のうち座席より下部位置に設置した熱交換パネルに、車載冷媒を用いて蓄冷される。そして、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、補助冷却制御手段において、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、熱交換パネルとの熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気が攪拌される。
すなわち、駐車時の車室内空気は、高温であるほど軽く、天井に近いほど日射熱の影響を受け易いことから、車室内上部に高温空気層が形成され、車室内下部に低温空気層が形成されるというように、温度レベルにより空気層が分離し、対流を生じることがない。このため、低温空気層に設置された熱交換パネルに蓄えられている冷熱エネルギは、車室内下部の低温空気層を長時間維持するために消費される。したがって、車室内上部の高温空気と車室内下部の低温空気を攪拌混合することにより、車室内温度を平均温度まで低下させることができる。
この結果、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、熱交換パネルに蓄えられた冷熱エネルギを有効に使って車室内温度を低下させることで、乗員の車室内再乗り込み容易性を達成することができる。
以下、本発明の車両用車室内冷却補助装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用車室内冷却補助装置が適用された乗用車(車両の一例)を示す全体図である。図2は、実施例1の車両用車室内冷却補助装置を示すシステム図である。図3は、実施例1の車両用車室内冷却補助装置における熱交換パネルの一例を示す斜視図である。図4は、実施例1の車両用車室内冷却補助装置における熱交換パネルの一例を示す図3のA−A線断面図である。
実施例1の車両用車室内冷却補助装置が適用された乗用車は、図1に示すように、フロントウィンドウ1と、ルーフパネル2と、リアウィンドウ3と、リアパネル4と、フロアパネル5と、ダッシュパネル6と、カウルボックス7と、インストルメントパネル8と、車室9と、フロントシート10と、リアシート11と、エアコンユニット12と、ドレンホース13と、熱交換パネル14と、を備えている。
実施例1の車両用車室内冷却補助装置は、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助するもので、図2に示すように、熱交換パネル14と、補助冷却制御装置15(補助冷却制御手段)と、を備えている。
前記熱交換パネル14は、車室9内のうちフロントシート10およびリアシート11より下部位置に設置し、冷房運転時に車載冷媒を用いて蓄冷する。この熱交換パネル14は、車載のエアコンユニット12に内蔵されたエバポレータ16の表面に凝縮した水滴を集め、ドレンホース13を介してユニットケース17の外部に排出するドレン水を車載冷媒とする。
前記エアコンユニット12は、図1及び図2に示すように、インストルメントパネル8の内部に設定される。そして、前記熱交換パネル14は、前記インストルメントパネル8に形成されたブロワ吸い込み口18に近い前席乗員足元位置のフロアパネル5上に設置している。
前記熱交換パネル14は、図3及び図4に示すように、上部パネル部14aと下部パネル部14bからなる2段パネル構造である。そして、前記上部パネル部14aの内部空間層を、前記ドレンホース13を介して排出されるドレン水を貯留するドレン水貯留部14cとし、前記下部パネル部14bの内部空間層を、前記ドレンホース13を介してドレン水と共に排出されるドレン風を通過させるドレン風通路14dとしている。
前記ドレン水貯留部14cは、図4に示すように、ドレンホース13が連結されるドレン水・ドレン風供給部14eから流入するドレン水を、上部パネル部14aの内部空間層に貯留し、ドレン水・ドレン風排出部14fからドレン水の溢流分を外部に排出する。
前記ドレン風通路14dは、図4に示すように、ドレンホース13が連結されるドレン水・ドレン風供給部14eから流入するドレン風を、ドレン風バイパス部14gを経過して下部パネル部14bの内部空間層を通過させ、ドレン水・ドレン風排出部14fからドレン風を外部に排出する。
前記補助冷却制御装置15は、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、前記熱交換パネル14との熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気を攪拌する手段である。
前記補助冷却制御装置15は、図2に示すように、リクエストスイッチ19と、イグニッションスイッチ20と、車室内上部温度センサ21と、車室内下部温度センサ22と、外気温度センサ23と、他のセンサ・スイッチ類24と、空調コントローラ25と、ブロワファン26と、ドアアクチュエータ27と、を備えている。つまり、補助冷却時、エアコンユニット12の各ドアを内気循環で、デフルーバ28やベントルーバ29の少なくとも一方から風を吹き出す状態とし、かつ、内蔵されたブロワファン26を空気攪拌手段として利用する。
前記補助冷却制御装置15の空調コントローラ25は、ドアロック解除条件と、エンジン停止条件と、車室内温度条件が共に成立したとき、通常のエアコン制御モードから補助冷却モードへの切り替えを決定し、前記エアコンユニット12のブロワファン26をタイマーによる設定時間だけ作動させる。
ここで、インテリジェントキーのリクエストスイッチ19への操作によりドアロックが解除されたとき、ドアロック解除条件が成立と判断する。また、イグニッションスイッチ20からの信号がOFF信号であるとき、エンジン停止条件が成立と判断する。さらに、車室内上部温度情報と車室内下部温度情報により室内平均温度を算出し、室内平均温度が外気温度を超えていて、かつ、車室内上部温度が外気温度を超えているとき、車室内温度条件が成立と判断する。
図5は、実施例1の空調コントローラ25にて実行される補助冷却制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、インテリジェントキーのリクエストスイッチ19への操作によりドアロックが解除されたか否かを判断する。YESの場合(ドアロック解除)、ステップS2へ移行する。NOの場合(ドアロック)、ステップS8へ移行する。
ステップS2では、ステップS1でのドアロック解除条件が成立との判断に続き、イグニッションスイッチ20からの信号に基づき、エンジン停止か否かを判断する。YESの場合(エンジン停止)、ステップS3へ移行する。NOの場合(エンジン駆動)、ステップS8へ移行する。
ステップS3では、ステップS2でのエンジン停止条件が成立との判断に続き、車室内上部温度センサ21からの車室内上部温度情報と車室内下部温度センサ22からの車室内下部温度情報により室内平均温度を算出し、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、ステップS3での室内平均温度の算出に続き、室内平均温度が外気温度センサ23からの外気温度を超えているか否かを判断する。YESの場合(室内平均温度>外気温度)、ステップS5へ移行する。NOの場合(室内平均温度≦外気温度)、ステップS8へ移行する。
ステップS5では、ステップS4での室内平均温度が外気温度を超えているとの判断に続き、車室内上部温度センサ21からの車室内上部温度が外気温度センサ23からの外気温度を超えているか否かを判断する。YESの場合(車室内上部温度>外気温度)、ステップS6へ移行する。NOの場合(車室内上部温度≦外気温度)、ステップS8へ移行する。
ステップS6では、ステップS5での車室内上部温度が外気温度を超えているとの判断に続き、通常のエアコン制御モードから補助冷却モードへの切り替えを決定し、タイマー時間を設定し、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、ステップS6でのモード決定とタイマー設定に続き、エアコンユニット12のブロワファン26をタイマーによる設定時間だけ作動させると共に、デフドアとベントドアの少なくとも一方のドアをタイマーによる設定時間だけ開き、リターンへ移行する。
ステップS8では、ステップS1,ステップS2,ステップS4,ステップS5の何れかでNOと判断されたとき、吹出口モードの選択や温度設定等に応じた通常のエアコン制御を実行し、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例1の車両用車室内冷却補助装置における作用を、「冷房運転時の蓄冷作用」、「駐車時の温度変化作用」、「乗り込み時の補助冷却作用」に分けて説明する。
[冷房運転時の蓄冷作用]
夏期等の冷房運転時には、エアコンユニット12のエバポレータ16に、冷凍サイクルからの冷媒が循環供給される。このとき、エバポレータ16の直後位置での温度は、3〜4℃であり、エバポレータ16の熱交換フィン等に水滴が凝縮し、多数の水滴が集まってドレン水となり、エバポレータ16の下部に設けられたドレンホース13から4〜5℃のドレン水がドレン風と共に排出される。
上記ドレンホース13は、熱交換パネル14のドレン水・ドレン風供給部14eに連結されている。このため、ドレンホース13からのドレン水は、上部パネル部14aの内部空間層であるドレン水貯留部14cに貯留され、ドレン水の溢流分のみがドレン水・ドレン風排出部14fから外部に排出される。一方、ドレンホース13からのドレン風は、下部パネル部14bの内部空間層であるドレン風通路14dを通過し、ドレン水・ドレン風排出部14fから外部に排出される。
このように、冷房運転時には、車室9のうちフロントシート10の乗員足元位置に設置した熱交換パネル14に対し、図6(a)に示すように、低温(5℃より少し高い温度レベル)のドレン水を貯留することで、蓄冷される。
この蓄冷時、ドレン水貯留部14cの下部に形成されたドレン風通路14dをドレン風が流れることで、ドレン水貯留部14cに貯留されているドレン水の車両外側からの影響による温度上昇を和らげる。加えて、ドレン風通路14d自体が空気層を構成するので、車室9の内外断熱効果も発揮する。
したがって、例えば、冷房運転による走行時には、図6(a)に示すように、外気温度が35℃のとき、車室9の頭部温度も足元温度も25℃を保つというように、車室9内を全体的に均一温度状態とすることができる。
[駐車時の温度変化作用]
駐車時の車室内空気は、高温であるほど軽く、天井に近いほど日射熱の影響を受け易いことから、車室内上部に高温空気層が形成され、車室内下部に低温空気層が形成されるというように、温度レベルにより空気層が分離し、対流を生じることがない。このため、低温空気層に設置された熱交換パネル14に蓄えられている冷熱エネルギは、車室内下部の低温空気層を長時間維持するために消費される。
例えば、炎天下での2時間駐車した場合、図6(b)に示すように、車室内上部に70℃程度の高温空気層が形成されるのに対し、車室内下部には、熱交換パネル14による吸熱作用により30℃程度の低温空気層が維持される(図7参照)。
このことは、図7に示すように、乗員の頭部温度特性が、駐車開始のt0の時点からドアロックを解除するt1の時点まで、高い温度上昇勾配により25℃程度から70℃程度まで上昇する特性を示す。これに対し、乗員の蓄冷時足元温度特性が、駐車開始のt0の時点からドアロックを解除するt1の時点まで、僅かな温度上昇勾配により25℃程度から30℃程度まで緩やかに上昇する特性を示すことからも明らかである。
[乗り込み時の補助冷却作用]
駐車車両へ乗員が再び乗り込むとき、電波が届く範囲内に車両へ近づいた時点でインテリジェントキーのリクエストスイッチ19を押す操作によりドアロックを解除する。このとき、外気温度が35℃、室内上部温度(=頭部温度)が70℃、室内平均温度が50℃であるとすると、室内平均温度>外気温度、かつ、車室内上部温度>外気温度という温度条件が成立する。
したがって、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進み、ステップS6では、通常のエアコン制御モードから補助冷却モードへの切り替えが決定され、タイマー時間が設定される。そして、次のステップS7では、エアコンユニット12のブロワファン26をタイマーによる設定時間だけ作動させると共に、デフドアとベントドアの少なくとも一方のドアをタイマーによる設定時間だけ開く制御が行われる。
このため、図2の矢印に示すように、インストルメントパネル8のブロワ吸い込み口18から低温空気を吸い込み、デフルーバ28やベントルーバ29から低温空気をフロントウィンドウ1の内面からルーフパネル2の内面に沿って吹き出す。これにより、図6(c)に示すように、車室内上部の高温空気が車室内下部に移動し、再びブロワ吸い込み口18から吸い込まれるというように、車室内空気が強制的に攪拌混合される。この車室内上部の高温空気と車室内下部の低温空気の強制的な攪拌混合により、短時間にて車室内温度を平均温度まで低下させることができる。
例えば、図7に示すように、ドアロックを解除した時点t1で、頭部温度が70℃で、蓄冷時足元温度が30℃である場合、短時間Δtにて車室内温度を平均温度である50℃まで低下させることができる。ちなみに、再乗り込み時、熱交換パネル14を設定していないと車室内平均温度が60℃程度となり、直ちに車室内へ乗り込むことができず、車室内温度が低下するまで外でしばらく待機することになる。これに対し、実施例1のように熱交換パネル14を設定した車両では、車室内平均温度が60℃より低い温度になるため、ドアを開いて直ちに乗り込むことができる。なお、車室内温度が50℃以下であれば、乗員が何とか乗り込むことができる体感温度といわれている。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用車室内冷却補助装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助する車両用車室内冷却補助装置において、前記車室内のうち座席より下部位置に設置し、冷房運転時に車載冷媒を用いて蓄冷する熱交換パネル14と、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、前記熱交換パネルとの熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気を攪拌する補助冷却制御装置15と、を備えたため、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、熱交換パネル14に蓄えられた冷熱エネルギを有効に使って車室内温度を低下させることで、乗員の車室内再乗り込み容易性を達成することができる。
(2) 前記熱交換パネル14は、車載のエアコンユニット12に内蔵されたエバポレータ16の表面に凝縮した水滴を集め、ドレンホース13を介してユニットケース17の外部に排出するドレン水を車載冷媒とするため、車載のエアコンユニット12の性能や効率に影響を与えることなく、本来、外部に捨てられていたドレン水を活用し、熱交換パネル14に冷熱エネルギを蓄えることができる。
(3) 前記エアコンユニット12は、インストルメントパネル8の内部に設定され、前記熱交換パネル14は、前記インストルメントパネル8に形成されたブロワ吸い込み口18に近い乗員足元位置に設置し、前記補助冷却制御装置15は、車載のエアコンユニット12に内蔵されたブロワファン26を空気攪拌手段として利用するため、車室内空気を攪拌するために新たな部品追加を要することなく、低温空気を吸い込み、これを高温空気層に向かって吹き出すことで、短時間にて効果的に車室内空気の攪拌を行うことができる。
(4) 前記熱交換パネル14は、上部パネル部14aと下部パネル部14bからなる2段パネル構造であり、前記上部パネル部14aの内部空間層を、前記ドレンホース13を介して排出されるドレン水を貯留するドレン水貯留部14cとし、前記下部パネル部14bの内部空間層を、前記ドレンホース13を介してドレン水と共に排出されるドレン風を通過させるドレン風通路14dとしたため、冷房運転時、ドレン風通路14dによる車室内外の断熱作用により、熱交換パネル14にドレン水が持つ冷熱エネルギを高効率にて蓄冷することができる。
(5) 前記補助冷却制御装置15は、ドアロック解除条件と、エンジン停止条件と、車室内温度条件が共に成立したとき、通常のエアコン制御モードから補助冷却モードへの切り替えを決定し、前記エアコンユニット12のブロワファン26をタイマーによる設定時間だけ作動させるため、既存のエアコンシステムの制御系に対し、補助冷却制御プログラムを追加するだけで、補助冷却制御を行うことができる。
(6) 前記補助冷却制御装置15は、インテリジェントキーのリクエストスイッチ19への操作によりドアロックが解除されたとき、ドアロック解除条件が成立と判断するため、キー差し込みによりドアロックを解除する場合に比べ、乗員が車両に近づいた早期の時点にてドアロックを解除することができる。言い換えると、乗員が車両のドアを開く時点で車室内空気の低下作用を既に終了させておくことができる。
(7) 車室内上部温度センサ21と、車室内下部温度センサ22と、外気温度センサ23を設け、前記補助冷却制御装置15は、車室内上部温度情報と車室内下部温度情報により室内平均温度を算出し、室内平均温度が外気温度を超えていて、かつ、車室内上部温度が外気温度を超えているとき、車室内温度条件が成立と判断するため、炎天下での長時間駐車後の再乗り込み時であることを温度条件により精度良く確認することができる。言い換えると、補助冷却制御不要時に制御を回避し、補助冷却制御必要時にのみ制御を開始することができる。
以上、本発明の車両用車室内冷却補助装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、熱交換パネルに蓄冷する車載冷媒として、車載のエアコンユニットに内蔵されたエバポレータからのドレン水を用いる例を示した。しかし、車載冷媒であれば、冷凍サイクルを循環する冷媒の一部を利用するもの等であっても良い。
実施例1では、車載のエアコンユニットに内蔵されたブロワファンを空気攪拌手段として利用する例を示した。しかし、車室内空気清浄装置の内蔵ファンを利用しても良いし、また、新たに空気攪拌のための専用ファンを設定しても良い。
実施例1では、熱交換パネルとして、2段パネル構造とし、上部にドレン水貯留部を設定し、下部にドレン風通路を設定する例を示した。しかし、上部にドレン水貯留部のみを設定し、下部が断熱層となっている構成としても良いし、車体の断熱構造部に熱交換パネルを設定しても良い。
実施例1では、補助冷却制御装置として、既存の空調制御系を利用する例を示した。しかし、補助冷却制御系を、既存の空調制御系とは独立に設定しても良い。
実施例1では、補助冷却制御装置として、補助冷却制御の開始条件として、ドアロック解除条件を用いる例を示した。しかし、例えば、乗員の位置情報を車両が認識できる場合には、乗員が設定距離以内まで駐車車両に近づいているという条件を、補助冷却制御の開始条件とするような例としても良い。
実施例1では、補助冷却制御装置として、補助冷却制御の開始条件として、炎天下での長時間駐車後の再乗り込み時であることを確認できる温度条件を用いる例を示した。しかし、例えば、車室内温度条件のみ、あるいは、車室内温度と外気温度条件のみを温度条件を用いるような例としても良い。
要するに、車室内のうち座席より下部位置に設置し、冷房運転時に車載冷媒を用いて蓄冷する熱交換パネルと、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、熱交換パネルとの熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気を攪拌する補助冷却制御手段と、を備えたものであれば、実施例1に限られることはない。
実施例1では、セダンタイプの乗用車に車両用車室内冷却補助装置を適用する例を示したが、他の様々な車両に対しても適用することができる。要するに、炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助する車両用車室内冷却補助装置であれば適用できる。
実施例1の車両用車室内冷却補助装置が適用された乗用車(車両の一例)を示す全体図である。 実施例1の車両用車室内冷却補助装置を示すシステム図である。 実施例1の車両用車室内冷却補助装置における熱交換パネルの一例を示す斜視図である。 実施例1の車両用車室内冷却補助装置における熱交換パネルの一例を示す図3のA−A線断面図である。 実施例1の空調コントローラ25にて実行される補助冷却制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の車両用車室内冷却補助装置における補助冷却作用説明図であり、(a)は冷房運転時の蓄冷作用を示し、(b)は駐車時の温度変化作用を示し、(c)は乗り込み時の補助冷却作用を示す。 実施例1の車両用車室内冷却補助装置における放熱量コントロールを説明する頭部温度特性・蓄冷時足元温度特性・室内平均温度特性を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 フロントウィンドウ
2 ルーフパネル
3 リアウィンドウ
4 リアパネル
5 フロアパネル
6 ダッシュパネル
7 カウルボックス
8 インストルメントパネル
9 車室
10 フロントシート
11 リアシート
12 エアコンユニット
13 ドレンホース
14 熱交換パネル
14a 上部パネル部
14b 下部パネル部
14c ドレン水貯留部
14d ドレン風通路
15 補助冷却制御装置(補助冷却制御手段)
16 エバポレータ
17 ユニットケース
18 ブロワ吸い込み口
19 リクエストスイッチ
20 イグニッションスイッチ
21 車室内上部温度センサ
22 車室内下部温度センサ
23 外気温度センサ
24 他のセンサ・スイッチ類
25 空調コントローラ
26 ブロワファン
27 ドアアクチュエータ
28 デフルーバ
29 ベントルーバ

Claims (7)

  1. 炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むときに車室内の冷却を補助する車両用車室内冷却補助装置において、
    前記車室内のうち座席より下部位置に設置し、冷房運転時に車載冷媒を用いて蓄冷する熱交換パネルと、
    炎天下状態での駐車後、車両へ乗員が乗り込むとき、天井からの日射熱で高温となっている車室内上部層の空気と、前記熱交換パネルとの熱交換により低温を維持している車室内下部層の空気を攪拌する補助冷却制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
  2. 請求項1に記載された車両用車室内冷却補助装置において、
    前記熱交換パネルは、車載のエアコンユニットに内蔵されたエバポレータの表面に凝縮した水滴を集め、ドレンホースを介してユニットケースの外部に排出するドレン水を車載冷媒とすることを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
  3. 請求項2に記載された車両用車室内冷却補助装置において、
    前記エアコンユニットは、インストルメントパネルの内部に設定され、
    前記熱交換パネルは、前記インストルメントパネルに形成されたブロワ吸い込み口に近い乗員足元位置に設置し、
    前記補助冷却制御手段は、車載のエアコンユニットに内蔵されたブロワファンを空気攪拌手段として利用することを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載された車両用車室内冷却補助装置において、
    前記熱交換パネルは、上部パネル部と下部パネル部からなる2段パネル構造であり、前記上部パネル部の内部空間層を、前記ドレンホースを介して排出されるドレン水を貯留するドレン水貯留部とし、前記下部パネル部の内部空間層を、前記ドレンホースを介してドレン水と共に排出されるドレン風を通過させるドレン風通路としたことを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された車両用車室内冷却補助装置において、
    前記補助冷却制御手段は、ドアロック解除条件と、エンジン停止条件と、車室内温度条件が共に成立したとき、通常のエアコン制御モードから補助冷却モードへの切り替えを決定し、前記エアコンユニットのブロワファンをタイマーによる設定時間だけ作動させることを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
  6. 請求項5に記載された車両用車室内冷却補助装置において、
    前記補助冷却制御手段は、インテリジェントキーのリクエストスイッチへの操作によりドアロックが解除されたとき、ドアロック解除条件が成立と判断することを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載された車両用車室内冷却補助装置において、
    車室内上部温度センサと、車室内下部温度センサと、外気温度センサを設け、
    前記補助冷却制御手段は、車室内上部温度情報と車室内下部温度情報により室内平均温度を算出し、室内平均温度が外気温度を超えていて、かつ、車室内上部温度が外気温度を超えているとき、車室内温度条件が成立と判断することを特徴とする車両用車室内冷却補助装置。
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