JP5038268B2 - スイッチ装置 - Google Patents

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本発明は、操作部材に透光標示部を有するスイッチ装置に関する。
従来より、スイッチ装置、中でも自動車用など車両用のスイッチ装置にあっては、例えば図3に示す如く構成されたものが供されている。このスイッチ装置の操作部材1は、その前面側下部(図3で左側下部)に下側へ張り出す張出部2を一体に有すると共に、操作部材1の上寄りに位置に支点部3を有する。即ち、操作部材1は、当該支点部3を揺動中心とし、張出部2において手前側に引き上げる引上げ操作(矢印A1参照)と奥方へ押圧する押圧操作(矢印A2参照)とが行われる、所謂引上げスイッチとして構成されている。
操作部材1の表面部(図3中、左面部)に透光部4が設けられており、当該透光部4から離間して図で右方には、例えば回路基板5に実装したLED等の発光体5a,5bが設けられている。また、操作部材1の図で右端部には、上下に当接部1a,1bが形成されている。操作部材1の張出部2を引上げ操作或は押圧操作すると、操作部材1が揺動変位することに伴い当接部1a,1b等を介して、図示しない接点を有するスイッチ本体がオンし、所定の入力をする。この入力によって、例えば図示しないオープンカーのルーフがクローズド状態或いはオープン状態に切換わる。
また、図示は省略するが、透光部4は、例えば正面側から見て「CLOSE」「OPEN」の文字や、オープンカーとルーフを示す絵などを示す標示部として観察される。そして、発光体5a,5bは例えば常時点灯し、その光が透光部4に達することによって当該透光部4が照明されることにより、標示部における視認性を向上させている。
尚、車両用のスイッチとしては特許文献1に示すものがある。特許文献1のスイッチ装置では、透光ガイド(ライトガイド)を利用した照明機能を有する。
特開2008−27704号公報
上述した引上げスイッチは張出部2で直接操作されることから、張出部2の形状は指のかかり具合や強度の確保等を考慮して、比較的厚肉で隆起する形態をなす。このため、操作部材1を射出成形により製造する際、張出部2部分にヒケが生じ易く外観不良を来す要因となっていた。また、この操作部材1における照明範囲の下限は、張出部2が邪魔になるため、照明が可能な透光部4の範囲(照明範囲の下限)が図3中、矢印Eの位置に制約されることとなる。即ち、張出部2をその内部を窪ませて薄肉(空洞)にすることは成形型の構造上、困難な要求であるため、やはり張出部2の厚肉部で透光部4の範囲が狭められることとなるのである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外観表面のヒケを防止することができると共に、照明範囲を拡大することができるスイッチ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、支点部と、張り出す形状に形成された張出部とを有し、前記張出部の操作によって前記支点部を中心に揺動する操作部材と、前記操作部材に設けられた透光標示部と、前記透光標示部から離間して設けられた発光体とを備え、前記操作部材は、前記透光標示部を有する第1材と、この第1材により表(おもて)面側を覆われる第2材とからなり、前記第1材及び第2材は、前記張出部において相互に入り込む櫛歯状をなすことを特徴とする。
上記構成によれば、張出部おいて第1材と第2材とが櫛歯状をなすことで、材料の成形収縮によって生じるヒケを防止することができ、外観不良を解消することができる。また、透光標示部を有する第1材は、張出部おいて表面側に位置し且つ第2材に入り込むため、透光標示部の範囲を張出部まで拡大することが可能となる。従って、第1材において投光標示部を比較的広範囲に表示することができ、投光標示部の視認性をより向上させることができる。
以下、本発明の一実施例につき図1、図2を参照しながら説明する。ここで、図1(a)はスイッチ装置全体の正面図を示しており、図1(b)は図1(a)中X−X線に沿う縦断側面図を示している。尚、本実施例のスイッチ装置は、例えば自動車用など車両用であって、オープンカーのルーフをオープン状態とクローズド状態とに切換えるためのスイッチ(以下、スイッチ装置10と称す)に適用されるものとする。
スイッチ装置10は、例えばインストルメントパネル(図示せず)の適宜部位に取り付け固定される装置本体11と、この装置本体11に設けられユーザ(操作者)により操作される操作部材12とを備えている。装置本体11は例えば合成樹脂材料からなり、正面視(図1(a)参照)にて略矩形状をなす本体部11aと、その前側(図1(b)で左側)へ突出する突出部11bとを一体に有する。突出部11bの前端部には、操作ノブたる操作部材12を揺動可能に支持する支承部13が設けられている。
操作部材12は、全体として後方が開放された浅底な矩形容器状をなし、後述する表(おもて)面側の第1材14とその裏面側に位置する第2材15とから構成されている。図1(b)に示すように、操作部材12の上寄りの部位には、前記支承部13に支持される支点部16が形成されている。また、操作部材12の前側下部には、下方に張り出す形状に一体形成された喉状の張出部17が設けられており、その後方には、張出部17の基端部から下方に緩やかに傾斜した円弧部18が形成されている。即ち、操作部材12は、張出部17の裏面側に指など掛けて手前側に引き上げる引上げ操作(矢印D1参照)と、張出部17の表面側から後方へ押圧する押圧操作(矢印D2参照)とが行われることにより、支点部16を中心に揺動する所謂引上げスイッチとして構成されている。
図1(a)及び(b)は操作部材12において上記の操作がなされていない中立位置の状態を示しており、操作部材12は図示しない付勢部材(例えばゴムやばね等の弾性体)により当該中立位置へ付勢されている。また、操作部材12の後端部には、支点部16の上側に位置する当接部12aと下側に位置する当接部12bとが形成されている。
第1材14は、透光性を有する合成樹脂材料(例えば透明のアクリル樹脂)からなり、第2材15は合成樹脂材料(例えば黒色のABS樹脂)からなる。操作部材12の表面側において、少なくとも第1材14の表面側には、塗装膜19が形成されると共に当該塗装膜19をレーザで抜くことにより、「CLOSE」「OPEN」の文字や、オープンカーとルーフを示す絵などによる透光標示部20が形成されている。また、透光標示部20には、引上げ操作及び押圧操作における操作方向を示す三角記号20a及び20bが含まれ、これらの記号20a及び20bは、夫々「CLOSE」及び「OPEN」の文字の横に付されている。この透光標示部20は、第1材14の表面側において張出部17側にかかるように比較的広範囲に形成されており、後述するように張出部17の基端部の下寄りの位置(矢印E1参照)まで照明範囲(透光標示部20の範囲)を拡張することができる。
図1(b)に示すように、装置本体11には回路基板21が取り付けられており、この回路基板21に発光体(例えば複数のLED22a,22b)が実装されている。これらLED22a,22bは、透光標示部20から離間してこれに対向している。
さて、操作部材12の第1材14及び第2材15について図2も参照しながら説明する。これら第1材14及び第2材15は、二色成形により互いに一体に接合するものであるが、図2では説明の便宜上、両者14,15を分けて示している。
第2材15は、前後に貫通するように大きく開口した中空部15aを有する。この中空部15aは、前方側において張出部17に設けられた第2櫛歯部23により矢印E1の位置まで拡開している。即ち、第2材15には、張出部17の上端部を斜め前下方に三角形状に切欠いた多数の切欠部23aが左右に所定間隔で形成されることにより、櫛歯状をなす第2櫛歯部23が形成されている。
他方、第1材14は、第2材15の前面側を略全域にわたって覆い、この第1材14の裏面に、第2櫛歯部23に入り込む第1櫛歯部24を一体に有する。第1櫛歯部24を構成する多数の凸部24aは、夫々切欠部23aの後端Pを頂部として前方へ「>」状に拡がっており、その下半部が切欠部23aに接合し、上半部が上方ほど第1材14の裏面に接近する三角形状をなしている。かようにして、第1材14及び第2材15は、張出部17において互いに対向する接合部が櫛歯状をなしている。
操作部材12は、上記した第1材14を構成するアクリル樹脂と第2材15を構成するABS樹脂の二色成形により一体に成形されている。本実施例では、例えば図示しない金型内において先ず前記ABS樹脂を注入して固化させることにより第2材15を成形し、同じ金型内に当該第2材15を配置した状態でアクリル樹脂を注入して固化させることにより第2材15と一体化した第1材14を成形する。尚、射出する順序は上記の逆(つまりアクリル樹脂、ABS樹脂の順)であってもよい。本発明の二色成形とは、同じ金型内に二種の合成樹脂材料を順次射出する成形方法であるが、換言すれば第1材14及び第2材15のうち一方を金型内に配置して他方の樹脂材料を射出する所謂インサート成形の側面も有する。
次に、上記構成の作用について説明する。
操作部材12は、操作されていない状態では図1(b)に示す中立位置に位置している。ここで、操作部材12は、張出部17の表面側から後方へ押圧する押圧操作が行われることにより、支点部16を中心に矢印D2方向へ揺動する。この揺動変位に伴い操作部材12の当接部12b等を介して、図示しない接点を有するスイッチ部がオンし、所定の入力をする。この入力によって、オープンカーのルーフ(何れも図示せず)がオープン状態に切換わる。
他方、操作部材12は、張出部17の裏面側に指など掛けて手前側に引き上げられることにより支点部16を中心に矢印D1方向へ揺動する。この揺動変位に伴い操作部材12の当接部12a等を介して、他のスイッチ部(図示せず)がオンし、所定の入力をする。この入力によって、オープンカーのルーフが今度はクローズド状態に切換わる。
前記LED22a,22bは例えば常時点灯し、その光が透光標示部20に達することによって当該透光標示部20が照明され、視認性を向上させている。このため、上記した操作部材12の操作の際、操作者は、操作部材12の位置や機能、操作方向等を直ぐに把握することができる。尚、LED22a,22bの個数や位置、発光パターン(点灯及び消灯のタイミング)等は、透光標示部20の形状や用途に応じて適宜変更してもよい。
また、透光標示部20の範囲は、張出部17側まで拡大されているが、前記の照明の際、第1櫛歯部24が透光ガイド(ライトガイド)として機能するため張出部17側の領域も充分に照明される。また、押圧操作や引上げ操作の際、操作部材12は、張出部17で直接操作されるため張出部17近傍部の応力集中は不可避となるが、第1材14と第2材15が二色成形により結合しているため、第2材15に対する第1材14の剥離を防止することができる。
上記実施例によれば、次のような効果を奏する。
操作部材12を、透光標示部20を有する第1材14と、この第1材14により表面側が覆われる第2材15とから構成し、第1材14及び第2材15を張出部17において相互に入り込む櫛歯状をなすように形成したので、材料の成形収縮によって生じるヒケを防止することができる。即ち、張出部17は全体として比較的肉厚で隆起する形態を有するが、第1材14の第1櫛歯部24と第2材15の第2櫛歯部23とで夫々の薄肉化を図ることができ、成形時のヒケの発生をなくし製品外観(見栄え)を向上させることができるのである。透光標示部20を有する第1材14は、張出部17おいて第2材15に入り込む形状をなすため、透光標示部20の範囲を張出部17側まで拡大することができる。従って、第1材14において投光標示部20(文字や絵など)を比較的広範囲に表示することができ、投光標示部20の視認性をより向上させることができる。
第1材14及び第2材15は何れも合成樹脂材料からなり、操作部材12は、これら合成樹脂材料の二色成形により一体に成形されている。従って、第1材14と第2材15とを確実に接合させることができ、第1材14の剥離を防止することができる。また、操作部材12の製造の際、1つの金型を用いて第1材14及び第2材15を成形することができると共に、両者14,15を互いに固定するための接着剤ないし接着工程を省くことができるので、安価な構成とすることができる。
また、第1櫛歯部24は透光性を有する合成樹脂材料からなり、その下半部が第2櫛歯部23に接合し、上半部が上方ほど第1材14の裏面に接近する三角形状をなしている。よって、第1櫛歯部24は透光ガイドとして機能するため張出部17側の領域も充分に照明することができる。
尚、図3に示す従来のスイッチ装置において、張出部2まで照明範囲を拡大するには、発光体5a,5bの発する光を張出部側に透過させる透光ガイド(図示せず)を延設することも考えられる。しかし、このものでは、操作部材とは別個の透光ガイドが必要となるだけでなく、構造の複雑化を招くことになる。これに対し、本実施例では、透光ガイドを用いることなく矢印E1(図1参照)の位置まで透光標示部20を充分に照明することができ、簡単且つ安価な構成で照明範囲を拡大することができる。
本発明は、上述の自動車用のスイッチ装置10に限定されず、構成的に同様の事情を有するスイッチ装置一般に適用できるものである。操作部材12は、支点から離間した一端部(張出部)において揺動操作されるものであればよく、支点部16の位置を操作部材の中心に配置する等、適宜変更してもよい。また、張出部17の形状は図示したものに限定するものではなく、操作部材において隆起する等して張り出す形状であればよい。
本発明の一実施例を示すスイッチ装置であって、(a)及び(b)はその正面図及び縦断側面図 説明の便宜上、第1材と第2材とに分けて示した操作部材の斜視図 従来例を示す図1(b)相当図
符号の説明
図面中、10はスイッチ装置、14は第1材、15は第2材、16は支点部、17は張出部、20は透光標示部、22a,22bはLED(発光体)、23は第2櫛歯部、24は第1櫛歯部を示す。

Claims (2)

  1. 支点部と、張り出す形状に形成された張出部とを有し、前記張出部の操作によって前記支点部を中心に揺動する操作部材と、
    前記操作部材に設けられた透光標示部と、
    前記透光標示部から離間して設けられた発光体とを備え、
    前記操作部材は、前記透光標示部を有する第1材と、この第1材により表(おもて)面側を覆われる第2材とからなり、
    前記第1材及び第2材は、前記張出部において相互に入り込む櫛歯状をなすことを特徴とするスイッチ装置。
  2. 前記第1材及び第2材は何れも合成樹脂材料からなり、前記操作部材は、これら合成樹脂材料の二色成形により一体に成形されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
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