JP5037898B2 - 低温焼成磁器およびこれを用いた多層回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、配線導体として銅、銀などの低抵抗金属との同時焼成が可能な多層回路基板の絶縁基体として好適に使用される低温焼成磁器およびこれを用いた多層回路基板に関する。
近年、高度情報化時代を迎え、情報伝達はより高速化、高周波化が進み、光通信や高速インターフェースといったGHzレベル以上の高周波信号を処理する電子機器として携帯電話やPDAなどモバイル機器が急速に発達している。
このような電子機器などに使用される配線基板としては、多層回路基板が用いられている。具体的には、ガラスセラミックスからなる絶縁基体(磁器)と、銅や銀からなる低抵抗の配線導体とを含む構成の多層回路基板である。
ここで、多層回路基板においては、高熱膨張の外部回路基板(プリント配線基板)との接続信頼性を高めるために、絶縁基体(磁器)の高熱膨張化が求められている。さらに、製造工程におけるめっき処理の際に、絶縁基体(磁器)がめっき液によって侵食され、侵食された部分にめっき液が残留し、磁器表面に黒い残痕が残るという問題があることから、絶縁基体(磁器)にはめっき液による侵食が抑制されるように耐薬品性を備えることが求められている。
従来より、高熱膨張率と耐薬品性とを同時に満足する多層回路基板の開発が進められているが、熱膨張率を高くしようとすると耐薬品性が低下し、耐薬品性を向上させようとすると熱膨張率が低下するというように、熱膨張率と耐薬品性とは所謂トレードオフの関係にあり、高熱膨張率と耐薬品性とを同時に満足することは困難であった。
例えば、BaOを含有するガラスと、金属酸化物およびコージェライトを含有する無機フィラーとからなる高熱膨張磁器組成物を焼成することで、コージェライトがガラスのBaO成分と反応してセルジアンを析出させ、耐薬品性を向上させた高熱膨張磁器が提案されている(特許文献1を参照。)。また、この特許文献1には、セルジアンが平均アスペクト比3以上の六方晶セルジアンとして析出することによって、破壊靱性が向上し、磁器強度が高くなることも示されている。
特開2003−40670号公報
しかしながら、特許文献1に記載された高熱膨張磁器においては、六方晶セルジアンを析出させるためにコージェライトのフィラー比率を多くしているが、これにより熱膨張率が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高熱膨張率および耐薬品性をともに満足する低温焼成磁器およびこれを用いた多層回路基板を提供することを目的とする。
本発明は、40〜50モル%のSiO と、5〜10モル%のAl と、24〜30モル%のMgOと、7〜10モル%のB と、7〜15モル%のBaOと、1〜3モル%のCaOとを含むガラス粉末55〜65質量%と、シリカ粉末35〜45質量%と、前記ガラス粉末と前記シリカ粉末の合計100質量%に対して0.1〜0.7質量%の四三酸化コバルト粉末が混合されている低温焼成磁器組成物を焼成して得られ、クォーツ、セルジアンの単斜晶およびセルジアンの六方晶を結晶相として含み、X線回折による前記クォーツの(101)面のX線強度をA、前記セルジアンの単斜晶の(112)面のX線強度をB、前記セルジアンの六方晶の(101)面のX線強度をCとしたとき、X線強度比B/Aが0.2以下であり、X線強度比C/Aが0.6以上であることを特徴とする低温焼成磁器である。
さらに本発明は、上記低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層を積層してなる絶縁基体と、該絶縁基体の表面または内部に形成された配線導体とを含むことを特徴とする多層回路基板である。
本発明によれば、低温焼成磁器組成物として40〜50モル%のSiO と、5〜10モル%のAl と、24〜30モル%のMgOと、7〜10モル%のB と、7〜15モル%のBaOと、1〜3モル%のCaOとを含むガラス粉末55〜65質量%と、シリカ粉末35〜45質量%と、前記ガラス粉末と前記シリカ粉末の合計100質量%に対して0.1〜0.7質量%の四三酸化コバルト粉末を混合していることで、単斜晶セルジアンを六方晶セルジアンに相転移させて多くの六方晶セルジアンを析出させることができ、高熱膨張率および耐薬品性をともに満足する低温焼成磁器および多層回路基板を得ることができる。
本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の低温焼成磁器の結晶状態を示す概略図であって、Qはクォーツ(SiO)、CHはセルジアン(BaAlSi)の六方晶(Hexagonal)、CMはセルジアン(BaAlSi)の単斜晶(Monoclinic)、Eはエンスタタイト(MgSiO)、aはガラスの非晶質の部分を示している。
図1に示すように本発明の低温焼成磁器は、クォーツ、エンスタタイト、セルジアンの六方晶(六方晶セルジアン)およびセルジアンの単斜晶(単斜晶セルジアン)を結晶相として含んでいる。
ここで、XRD(X-ray diffraction、X線回折)によるクォーツ結晶の(101)面のX線強度Aに対する単斜晶セルジアンの(112)面のX線強度Bの比、すなわちX線強度比B/Aが0.2以下になっている。また、XRD(X-ray diffraction、X線回折)によるクォーツ結晶の(101)面のX線強度Aに対する六方晶セルジアンの(101)面のX線強度Cの比、すなわちX線強度比C/Aが0.6以上になっている。
クォーツは高熱膨張結晶相であることから、熱膨張率の観点からはクォーツがより多く析出しているのが好ましいが、磁器組成物としてクォーツを多く添加することで、熱処理後の磁器の緻密度が低下する恐れがある。また、低温焼成磁器中に結晶化していない非晶質のガラス部分が多いと、この非晶質のガラス部分がめっき液により侵食されやすい。したがって、クォーツの代替結晶相として高熱膨張結晶相を多く析出させる必要がある。
ここで、クォーツの代替結晶相として六方晶セルジアンおよび単斜晶セルジアンが挙げられるが、単斜晶セルジアンよりも六方晶セルジアンのほうが高熱膨張であり、また酸およびアルカリに強い(耐薬品性に優れる)ことから、単斜晶セルジアンより六方晶セルジアンを多く、具体的には上記X線強度比を満足するように析出させているのが重要である。
さらなる高熱膨張率化と耐薬品性の向上を図るためには、X線強度比B/Aが0.1以下であり、X線強度比C/Aが0.7以上であることが好ましい。
図2においては、それぞれの結晶における複数あるピークとして、クォーツは丸、六方晶セルジアンは三角、単斜晶セルジアンは四角で表している。そして、X線強度比を求めるにあたり、クォーツについては(101)面のX線強度を選択し、六方晶セルジアンについては(101)面のX線強度を選択し、単斜晶セルジアンについては(112)面のX線強度を選択したのは、この部分に最大ピークが存在するからである。図2にはそれぞれの最大のピークとして、クォーツの(101)面のX線強度Aは黒丸、六方晶セルジアンの(101)面のX線強度Cは黒塗り三角、単斜晶セルジアンの(112)面のX線強度Bは黒塗り四角で表している。なお、比較例として図3には低温焼成磁器組成物に四三酸化コバルトを添加していないもののデータを点線で示しており、六方晶セルジアンの析出が少ないことがわかる。
なお、本発明の低温焼成磁器では、クォーツ、六方晶セルジアンおよび単斜晶セルジアンの他に、エンスタタイト等も析出している。また、化学分析によりコバルトが含まれていることも確認される。
そして、上述の低温焼成磁器を得るために、40〜50モル%のSiOと、5〜10モル%のAlと、24〜30モル%のMgOと、7〜10モル%のBと、7〜15モル%のBaOと、1〜3モル%のCaOとを含むガラス粉末に、フィラーとしてシリカおよび酸化コバルトが混合されている低温焼成磁器組成物を焼成することが重要である。
ここで、低温焼成磁器組成物におけるガラス成分として、SiO、Al、MgO、B、BaO、CaOの各含有割合(モル%)を上記の範囲としたのは、以下の理由による。
SiOはガラスの網目構造をつくる成分であるため、SiOの含有量が40モル%未満であると各ガラス特性が劣化する可能性がある。特に、焼結性が著しく低下して磁器表面が緻密化されないため、耐薬品性が低下するおそれがある。一方、SiOの含有量が50モル%より多いと、焼成後の結晶の析出量が少なくなり、これに伴って高熱膨張結晶相である六方晶セルジアンの析出量も少なくなることから、低温焼成磁器の熱膨張率が低下する。
Alの含有量が5モル%より少ないと、ガラスの化学的な耐久性が低下する(網目構造を切断してしまう)とともに、焼成後の結晶相としてセルジアンを析出させるのが難しくなることから、高熱膨張および耐薬品性を満足できなくなるおそれがある。Alの含有量が10モル%よりも多いと、ガラス粘度を下げて焼結性が悪くなり、磁器の開気孔率が低下する。
MgOの含有量が24モル%未満であると、エンスタタイトの析出量が少なくなり低温焼成磁器の熱膨張率が低下する。また、ガラスを作製する際、ガラスを過熱溶融した後、融液を冷却する過程で結晶が析出(失透)、ガラスが分相しやすくなる。一方、MgOの含有量が30モル%より多いと、ガラスの粘度傾斜が緩くなることによって結晶化開始温度が高くなる点で有利であるが、低熱膨張結晶相であるコージェライトが析出する等により、磁器の熱膨張率が低下してしまう。
の含有量が7モル%より少ないと、ガラスの粘度が上昇して転移点、屈伏点が高くなる。ガラスの転移点、屈伏点が上昇することにより、低温焼成が困難となるおそれがある。一方、Bの含有量が10モル%より多いと、ガラスの粘性が下がることにより低温焼成は可能になるが、ガラスの結晶化が阻害されて磁器中の非晶質が増加し、それにより必然的に結晶相が少ないことで磁器の熱膨張率が低下するおそれがある。
BaOの含有量が7モル%よりも少ないと、焼成後の結晶相としてセルジアンを析出させるのが難しく、高熱膨張、耐薬品性の良好な磁器を得ることができない。一方、BaOの含有量が15モル%よりも多いと、ガラスの化学的な耐久性が低下し(網目構造を切断し)、磁器の耐薬品性が低下するとともに誘電率が高くなることによる電気信号の遅延が懸念される。
CaOの含有量が1モル%より少ないと、ガラス粘度が高温域で高くなりフィラーとの濡れ性を低下させる可能性がある。一方、CaOの含有量が3モル%より多いと、高温のガラス粘度を小さくすることが出来、フィラーとの濡れ性を向上させ、磁器の緻密化の効果が期待できるが、多量のCaOはコージェライトの析出原因となり、磁器の熱膨張係数が極端に低下するおそれがある。
そして、上述のガラス粉末には、SiO(シリカ)粉末および四三酸化コバルト粉末が混合されているのが重要である。これらの含まれる量としては、ガラス55〜65質量%に対し、フィラーであるSiO(シリカ)を45〜35質量%、四三酸化コバルト(Co)を外添で0.1〜0.7質量%の割合とする。SiO(シリカ)粉末の量がこの範囲であれば、焼成後の低温焼成磁器の緻密度が適度であり、熱膨張率および誘電率も好ましい値を得ることができる。また、四三酸化コバルト(Co)の量がこの範囲であれば、X線強度比B/Aが0.2以下であり、X線強度比C/Aが0.6以上となるように六方晶セルジアンを多く析出させることができ、結晶化温度が低温になることもない。より好ましくは、ガラス58〜62質量%に対し、フィラーであるSiO(シリカ)を42〜38質量%、四三酸化コバルト(Co)を外添で0.1〜0.7質量%の割合とするのがよい。
フィラーとしてSiO(シリカ)粉末が混合されることにより、この低温焼成磁器組成物を焼成して得られる焼成低温焼成磁器がクォーツを含むこととなり、熱膨張率をあげることができる。ここで、SiO(シリカ)の平均粒径が1.0〜6.0μmであるのが好ましく、より好適には1.0〜4.0μmである。これにより、低温焼成磁器がより緻密化してボイド径およびボイド率を小さくすることができる。さらに、SiO(シリカ)の比表面積が5m/g以下であるのが好ましく、より好適には3m/g以下である。これにより、原料粉体をスラリー化した際に、粉体表面積に対する有機分の不足を緩和することができ、スラリー粘度を低くして成形性を向上させることができる。
また、酸化コバルトが混合されることにより、焼成後に結晶相として析出する単斜晶セルジアンを六方晶セルジアンに相転移させることができる。この相転移により六方晶セルジアンが多く析出しているのは、酸化コバルトを添加することによって不均一核生成がより多く発生しやすくなるためであると考えられる。六方晶セルジアンを析出させることによって、磁器の高熱膨張化及び耐薬品性の向上が図れる。ここで、酸化コバルトとしては、特に四三酸化コバルト(Co)が好適である。四三酸化コバルト(Co)は、酸化還元や熱処理の影響をあまり受けないために、例えば核形成剤として機能するTiO、ZrO等よりも適している。
このように、所謂核形成剤として機能する酸化コバルトを添加することにより、単斜晶セルジアンの析出が少なく、六方晶セルジアンの析出を多くすることができ、高熱膨張率および耐薬品性に優れた低温焼成磁器を得ることができる。
次に、本発明の低温焼成磁器の製造方法について説明する。
まず、出発原料として、前記組成を有するガラス粉末と、SiO(シリカ)粉末および酸化コバルト粉末とを、焼成温度や熱膨張係数、析出する結晶相の量に応じて、所定の比率で混合する。即ち、SiOを40〜50モル%と、Alを5〜10モル%、MgOを24〜30モル%、Bを7〜10モル%、BaOを7〜15モル%、CaOを1
〜3モル%含むガラス粉末に、SiO(シリカ)粉末および酸化コバルト粉末を混合す
る。ここで、ガラス粉末を55〜65質量%、フィラーであるSiO(シリカ)を45〜35質量%、四三酸化コバルト(Co)を外添で0.1〜0.7質量%の割合とする。より好ましくは、ガラス粉末を58〜62質量%、フィラーであるSiO(シリカ)を42〜38質量%、四三酸化コバルト(Co)を外添で0.1〜0.7質量%の割合とするのがよい。
このように配合されたガラス粉末とSiO(シリカ)粉末と酸化コバルト粉末との混合物に適当な有機バインダーを添加した後、所望の成型手段、例えば、ドクターブレード、圧延法、金型プレス等により所定の形状に成型後、焼成する。焼成にあたっては、まず、成型のために配合した有機バインダー成分を除去する。有機バインダーの除去は、大気雰囲気中または窒素雰囲中500〜750℃前後で約3時間行われる。このとき、成型体の収縮開始温度は700〜850℃程度であることが望ましく、かかる収縮開始温度がこれより低いと有機バインダーの除去が困難になるため、成形体中のガラス粉末の特性、特に転移点、屈伏点を制御することが望ましい。その後、850℃〜1050℃の温度範囲で約1時間焼成して得られることを特徴とし、特に、900〜950℃が好ましい。この時の焼成温度が850℃より低いと緻密化することが難しく、さらに1050℃を越えると後述する配線基板を作成する場合に、銅や銀などのメタライズ配線層との同時焼成が困難となる。なお、この場合の焼成雰囲気は用いるメタライズ配線層の金属種によって適宜選択され、例えば銅を用いる場合は非酸化性雰囲気が好適であり、銀を用いる場合は酸化性雰囲気が好適である。
そして、このように製造された低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層からなる絶縁基体と、絶縁基体の表面または内部に形成された配線導体とを含む構成により、長期信頼性に優れる多層回路基板が得られる。
以下、本発明の低温焼成磁器について実施例に基づき具体的に説明する。
まず、ガラス粉末として、表1に示すガラス組成のガラス粉末と、SiO(シリカ)粉末と、四三酸化コバルト(Co)粉末とを、ガラス粉末60質量%、SiO粉末を40質量%、Co粉末を0.5質量%の割合となるように秤量混合した。ここで、ガラス粉末の平均粒径は2.0μm、SiO(シリカ)の平均粒径は1.5μm、Coの平均粒径は3.7μmとした。
次に、この混合物を粉砕後、有機バインダー、有機溶剤を添加し十分混合してスラリーを作製しドクターブレード法により厚み100μmのグリーンシートを作製した。得られたグリーンシートを積層した後、725℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中にて3時間かけて脱バインダー処理を施した後、900℃の温度で1時間かけて本焼成を行なった。なお、昇温速度は300℃/Hrとした。
このようにして得られた低温焼成磁器に対して、まず、乳鉢でこの磁器を粉砕し、X線回折装置(XRD)により析出結晶のX線強度(ピーク)を求めた。測定条件は、2θを10°〜60°の範囲で、Kα1を解析した。
図2に示すように、本発明におけるクォーツのX線強度Aは(101)面のピーク(2θ=26.639)、単斜晶セルジアンのX線強度Bは(112)面のピーク(2θ=25.644)、六方晶セルジアンのX線強度Cは(101)面のピーク(2θ=22.487)であり、これらのX線強度に基づいてX線強度比B/AおよびX線強度比C/Aを求めた。
また、熱膨張係数は熱機械分析装置を用いて室温から400℃における熱膨張曲線をとり求めた。また、耐薬品性を確認するために、焼成後の磁器をめっき液に浸透させ、めっき前後の重量差から重量減少率(めっき前の重量からめっき後の重量を減じ、得られた値をめっき前の重量で割った値)を求めた後、レッドチェック探傷液で表面の染色度合いを観察した。その結果を表1に示す。
Figure 0005037898
表1に示す結果によれば、試料No3、5、8、10、12、14、16で熱膨張率及び耐薬品性を満足することができなかった。
具体的には、試料No.3は、ガラス中のSiOが40モル%未満で、X線強度比B/Aが0.2を超えていることから、耐薬品性が低下している。また、試料No.5は、ガラス中のSiOが50モル%を超え、X線強度比C/Aが0.6未満であることから、熱膨張率が低下している。試料No.8は、ガラス中のAlが5モル%未満で、X線強度比C/Aが0.6未満であることから、熱膨張率が低下している。試料No.10は、ガラス中のAlが10モル%を超え、X線強度比B/Aが0.2を超えていることから、耐薬品性が低下している。試料No.12は、ガラス中のMgOが30モル%を超え、X線強度比C/Aが0.6未満であることから、熱膨張率が低下している。試料No.14は、ガラス中のMgOが24モル%未満で、X線強度比B/Aが0.2を超えていることから、熱膨張率が低下している。試料No.16は、ガラス中のBが10モル%を超え、X線強度比C/Aが0.6未満であることから、熱膨張率が低下している。
また、比較例として示した図3によれば、低温焼成磁器組成物に四三酸化コバルトを添加しないと六方晶セルジアンの析出が少ない。
これに対し、本発明は高熱膨張率および耐薬品性をともに満足していることがわかる。
本発明の低温焼成磁器の一例を示す説明図である。 X線回折による測定結果を示すグラフである。 比較例としての、四三酸化コバルトを添加していない状態のX線回折による測定結果を示すグラフである。
符号の説明
Si:クォーツ結晶相
CH:六方晶セルジアン
CM:単斜晶セルジアン
E:エンスタタイト
a:ガラスの非晶質の部分

Claims (2)

  1. 40〜50モル%のSiO と、5〜10モル%のAl と、24〜30モル%のMgOと、7〜10モル%のB と、7〜15モル%のBaOと、1〜3モル%のCaOとを含むガラス粉末55〜65質量%と、シリカ粉末35〜45質量%と、前記ガラス粉末と前記シリカ粉末の合計100質量%に対して0.1〜0.7質量%の四三酸化コバルト粉末が混合されている低温焼成磁器組成物を焼成して得られ、
    クォーツ、セルジアンの単斜晶およびセルジアンの六方晶を結晶相として含み、
    X線回折による前記クォーツの(101)面のX線強度をA、前記セルジアンの単斜晶の(112)面のX線強度をB、前記セルジアンの六方晶の(101)面のX線強度をCとしたとき、X線強度比B/Aが0.2以下であり、X線強度比C/Aが0.6以上であることを特徴とする低温焼成磁器。
  2. 請求項1に記載の低温焼成磁器で形成された複数の絶縁層を積層してなる絶縁基体と、該絶縁基体の表面または内部に形成された配線導体とを含むことを特徴とする多層回路基板。
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