JP5035948B2 - 増粘組成物及び化粧料 - Google Patents

増粘組成物及び化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP5035948B2
JP5035948B2 JP2006122029A JP2006122029A JP5035948B2 JP 5035948 B2 JP5035948 B2 JP 5035948B2 JP 2006122029 A JP2006122029 A JP 2006122029A JP 2006122029 A JP2006122029 A JP 2006122029A JP 5035948 B2 JP5035948 B2 JP 5035948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
group
thickener
thickening
thickening composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006122029A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007291026A (ja
Inventor
綾野 松尾
勇 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP2006122029A priority Critical patent/JP5035948B2/ja
Publication of JP2007291026A publication Critical patent/JP2007291026A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5035948B2 publication Critical patent/JP5035948B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は増粘組成物及び化粧料に関するものである。さらに詳しくは、ミクロゲルによる増粘効果と会合性ポリマーによる増粘効果とが相乗的に増大し、かつ新規な感触を有する増粘組成物及びこれを含有する化粧料に関する。
医薬品、化粧品等の技術分野においては、その剤型保持のために種々の水性増粘剤が配合されている。例えば、有機増粘剤としては、多糖類、カゼイン、キサンタンガム等の天然高分子;アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子やポリエチレンオキサイド等が、また、無機増粘剤としては、モンモリロナイトをはじめとする各種粘土鉱物やシリカ等が、その目的効果に応じて適宜選択され使用されている。
これらの増粘剤の中では、カルボキシビニルポリマーが、安価で増粘効果が高く、少量でゲル化するため、多用されている。しかしながら、カルボキシビニルポリマーは、増粘可能なpH範囲が限られること、塩型の有効性薬剤を配合した際に増粘効果が顕著に低下すること、増粘効果を得るためにポリマーの配合量を増量すると、肌への塗布時にべたつきを感じやすいといった問題点があった。
一方、優れた増粘効果を有する水溶性増粘剤として、本発明の(A)成分である水膨潤性高分子のミクロゲルが本発明者らによって開発され、化粧料に利用されている(特許文献1)。また、本発明の(B)成分である会合性高分子として疎水性ポリエーテルウレタンからなる増粘剤が開発され(特許文献2)、化粧料(特許文献3)、毛髪化粧料及び洗浄料(特許文献4)に利用されている。
これらの増粘剤は、単独で優れた増粘剤として機能するため、両者を混合して使用する必要はなく、互いに別個の増粘剤として別々に化粧料に配合される増粘剤である。
特開2004−43785 特開平9−71766 特開2000−239120 WO02/00179
本発明者らは、各種増粘剤について鋭意研究を重ねた結果、上記ミクロゲルと会合性高分子とを組み合わせて水に配合すると、驚くべきことに、相乗的な増粘効果の飛躍的増大が得られることを見出した。また、広いpH範囲や塩型化合物を配合した際にも安定した増粘効果を示し、さらには、新規な感触(弾力性)を有し、塗布時の感触に優れた化粧料組成物を調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、増粘剤の配合量を少なくしても極めて高い増粘効果を発揮できる増粘組成物を提供することである。また、広いpH範囲において、さらに塩型化合物を含有する水系組成物においても、増粘効果を維持できる増粘組成物を提供することである。さらには、新規な感触を有し、塗布時の使用感に優れ、化粧料に特に好ましく利用できる増粘組成物を提供することである。
すなわち、本発明は、(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤0.01〜10質量%と、(B)会合性高分子からなる増粘剤0.1〜10質量%と、(C)水0.1〜99.89質量%とを含有することを特徴とする増粘組成物であって、前記(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーがジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、前記会合性高分子が、下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンであって、前記成分(A)と前記成分(B)との配合比が質量比で(A):(B)=2:8〜8:2であることを特徴とする増粘組成物を提供するものである。
[化1]
R 1 −{(O−R 2 k −OCONH−R 3 [−NHCOO−(R 4 −O) n −R 5 h m (1)
[式中、R 1 、R 2 、及びR 4 は、互いに同一でも異なってもよい炭化水素基を表し、R 3 はウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、R 5 は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基及び/又は芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である]
また、本発明は、前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R2及び/又はR4が互いに同一でも異なっても良い炭素原子数2〜4のアルキレン基、又は、フェニルエチレン基である上記の増粘組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R3がR3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート残基であることを特徴とする上記の増粘組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート残基が、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるポリイソシアネートの残基であることを特徴とする上記の増粘組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R1がR1−(OH)mで表されるポリオールの残基であることを特徴とする上記の増粘組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R5が炭素数8〜36の直鎖、分岐または2級の炭化水素基または炭素原子数4〜24の直鎖、分岐または2級のフッ化炭素である上記の増粘組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、前記一般式(1)の疎水性ポリエーテルウレタンにおいて、R5の炭素原子数10以上の芳香族炭素基である上記の増粘組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記一般式(1)の疎水性ポリエーテルウレタンにおいて、R5が分子量200以上のアルキルシリコーンである上記の増粘組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、前記一般式(1)に記載のポリエーテルウレタンが、R1−[(O−R2kOH]mで表されるポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートと、HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコールとの反応物であることを特徴とする上記の増粘組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤0.01〜10質量%と、(B)会合性高分子からなる増粘剤0.1〜10質量%と、(C)水0.1〜99.89質量%とを含有することを特徴とする化粧料であって、前記(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーがジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、前記会合性高分子が、下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンであって、前記成分(A)と前記成分(B)との配合比が質量比で(A):(B)=2:8〜8:2であることを特徴とする化粧料を提供するものである。
[化2]
R 1 −{(O−R 2 k −OCONH−R 3 [−NHCOO−(R 4 −O) n −R 5 h m (1)
[式中、R 1 、R 2 、及びR 4 は、互いに同一でも異なってもよい炭化水素基を表し、R 3 はウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、R 5 は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基及び/又は芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である]
1.本発明の増粘組成物は、(A)成分のミクロゲルの増粘効果と、(B)成分の会合性高分子の増粘効果とによる相加的な増粘効果の増大ではなく、相乗的に飛躍的に増大した増粘効果を発揮する。したがって、増粘剤を多量に配合しなくても少ない配合量により目的粘度の増粘組成物を提供することが可能となる。
2.本発明の増粘組成物は、広いpH範囲で安定した増粘効果を示し、また、塩型薬剤配合時における増粘効果の耐塩性に優れている。
3.新規な感触を有する。新規な感触とは増粘組成物の弾力感である。すなわち、本発明の増粘組成物は指で押して負荷をかけると弾力感を感じる。そして、一定の負荷に達するまでは崩れないが、一定の限界負荷を超えると一気に崩れるような感触を有する。その結果、容器から一定量を皮膚に取り出し易く、それを皮膚上に伸ばすときに(指で負荷がかかる)、増粘組成物が崩れて伸ばし易く、しかも崩れた際に水が弾き出るようなみずみずしい塗布感を与える。
4.上述した顕著な効果の作用機構は必ずしも明らかではないが、(A)成分のミクロゲルと(B)成分の会合性高分子とが、水溶液中にて、増粘効果に好ましい巨大なネットワーク構造を形成し、その結果、増粘効果が飛躍的に増大し、かつ増粘組成物のゲルの弾力性が増大するものと考えられる。そして、このネットワーク構造は動的なため、負荷(衝撃)を与えると一時的に一気に破壊されるが、直ちに再構成する性質を有していると考えられる。
5.本発明の増粘増粘剤は、上記の優れた効果を有するので特に化粧料に好ましく利用できる。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
「(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤」
本発明に用いるミクロゲルからなる増粘剤とは、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られる合成高分子のミクロゲルからなる増粘剤であり、前記特許文献1(特開2004−43785)に記載されている増粘剤である。
すなわち、一般に逆相乳化重合法と称される重合法により製造される高分子ミクロゲルを増粘剤の用途に使用するものであり、特開平2001−114641号公報に開示されているような均一重合系により得られる合成高分子からなる増粘剤とは、その重合方法及び力学物性が異なる。ミクロゲルとは逆相マイクロエマルション重合法などにより製造された合成高分子電解質の微粒子である。このミクロゲルは、水、エタノールあるいは水−エタノール混合溶液中で膨潤し、外観上肉眼的に均一な高粘度溶液を提供できる。これに対して、特開平2001−114641号公報に開示されている均一重合系による合成高分子はミクロゲルではなく、合成高分子を重合後、化粧料に配合するためには粉末状態に粉砕しなければならない。また、合成高分子のゲルが目立ち、外観上問題を生じる場合がある。本発明に用いるミクロゲルは不均一重合系で重合される。得られる合成高分子は微細な高分子ゲル、すなわちミクロゲルとなり、化粧料に配合する際に新たに粉砕して粉末状態にする必要がなく、優れた増粘効果と優れた使用感を発揮し、さらに化粧料の外観上も好ましい。
本発明に用いるミクロゲルからなる増粘剤は逆相乳化重合法において製造されることが好ましい。すなわち、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して製造される。重合されたミクロゲルは洗浄、乾燥されるが、粉砕する必要はない。
特に適宜選択された親水疎水バランス(HLB)に調節された界面活性剤を使用することにより、逆相乳化重合における重合系が一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、ミクロゲルからなる増粘剤が製造されることが好ましい。
一相マイクロエマルションとは熱力学的に安定に油相と水相が共存している状態で油・水間の界面張力は極小になっている状態である。また、微細W/Oエマルションは熱力学的には不安定であるが速度論的に安定に油と水が微細なW/Oエマルションとして存在している状態である。一般的に微細W/Oエマルションの内水相の粒子径は数10〜100nm程度である。これらの状態は系の組成と温度のみで決定され、機械的な攪拌条件などには左右されない。
重合系を構成する組成物は、水とは混合しない有機溶媒若しくは油分からなる分散媒(外相を構成する)、水からなる分散相(内相を構成する)とからなる。
好ましい有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ナフタレンなどの芳香族および環状炭化水素が挙げられる。
好ましい油分としてはパラフィン油などの非極性油分が挙げられる。
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、分散相である水に溶解し次いで分散媒である有機溶媒あるいは油分と混合され、所望の温度に加熱した後、重合開始剤を水相に添加し重合を行う。
一般的に不均一重合法では重合中の攪拌条件により製造される高分子の物性が異なることが知られている。その理由は乳化系が熱力学的に安定な状態ではない為に攪拌条件による乳化粒子の形状、サイズに変化が生じる為である。本発明においては、熱力学的に安定な一相マイクロエマルション領域あるいは準安定的である一相領域の近傍に存在する微細W/Oエマルション領域で重合を行うことでこれらの問題を回避できることを見出した。具体的には、通常の熱重合あるいはレドックス重合用の重合開始剤の最適重合温度近傍に上記一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルション領域が出現するように重合系の組成(有機溶媒の種類、界面活性剤のHLB)を調節することで微細な水相(水滴)内で高分子を重合することで増粘効果が高いミクロゲルを得ることが可能になった。
相図による例を図1に示す。図1は、有機溶媒にヘキサンを使用した場合の、ヘキサン(Oで示す)/界面活性剤/水溶性エチレンモノマー水溶液(Wで示す)の3成分系の相図である。図中に示したA領域が一相マイクロエマルション領域〜微細W/Oエマルション領域であり、この領域で重合を行うことにより、好ましいミクロゲルの重合が可能である。
これに対して、従来の懸濁重合による高分子の増粘剤(例えば、特開平2001−114641号公報記載の方法)では重合時の水滴の粒子径コントロールが困難であり、良質なミクロゲルを得ることは困難である。
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、非イオン性モノマーとイオン性モノマー(アニオン性モノマー若しくはカチオン性モノマー)とを併用することが好ましい。
非イオン性モノマーは一般式(2)に示すジアルキルアクリルアミドが好ましい。
一般式(2)
Figure 0005035948
(R6はHまたはメチル基、R7及びR8はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
イオン性モノマーは、一般式(3)に示すアニオン性アクリルアミド誘導体または一般式(4)に示すカチオン性アクリルアミド誘導体が好ましい。
一般式(3)
Figure 0005035948
(R9及びR10はそれぞれ独立にH又はメチル基、R11は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)

一般式(4)
Figure 0005035948
(R12はH又はメチル基、R13はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R14は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R15、R16、R17はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)
特に好ましいジアルキルアクリルアミドは、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドである。
特に好ましいイオン性アクリルアミド誘導体は、2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。
特に好ましいカチオン性アクリルアミド誘導体は、N,N,-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライドである。
非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系におけるモノマー組成比(重合系の仕込み比)は、目的とするミクロゲルのモノマー構成比に応じて適宜任意に決定される。ミクロゲルのモノマー構成比と重合系への仕込み比はほぼ同一となる。非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系の仕込み比(モル比)は、通常、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1、さらに好ましくは7:3〜9:1の範囲で共重合に供される。最適比率は、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=8:2である。
上記の水溶性エチレン性不飽和モノマーを任意に選択して、本発明に用いる(A)成分の増粘剤が重合される。好ましい増粘剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーにジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用い、これらのモノマーから共重合される2元共重合体のミクロゲルである。この場合に、架橋モノマーは必要がなく、自己架橋により優れた増粘効果と使用感が発揮される増粘剤が得られる。 なお、架橋モノマーを用いることもでき、その場合には一般式(5)で示される架橋モノマーが好ましい。特にメチレンビスアクリルアミドが好ましく、ジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とメチレンビスアクリルアミドからなる共重合体のミクロゲルも、本発明に好ましく使用される。
水溶性エチレン性不飽和モノマーを、分散相に溶解して本発明に好ましいミクロゲルを重合するためには、最適な外相油分あるいは有機溶媒と、界面活性剤とをそれぞれを選択することが必要である。すなわち、特許文献1に記載されているように、非イオン界面活性剤の親水性疎水性バランス(HLB)を重合系の組成において相図を作成することにより、熱ラジカル重合に適する温度において曇点を示すように調製することで、通常の熱ラジカル重合温度において一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する状態を作り、増粘剤として好ましいレオロジー特性を持つミクロゲルが得られる。
好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ソルビタン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸グリセリン、トリ脂肪酸グリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
これらの界面活性剤を適宜組み合わせて所望のHLBに調整して重合系に添加することが出来る。
上述したように、ジアルキルアクリルアミドとアクリルアミド系イオン性モノマーを共重合したミクロゲルにおいては、自発的な架橋反応が進行し、特に第三成分として多官能性架橋モノマーを共重合しなくても、化学的に自己架橋されたミクロゲルが得られ、好ましい増粘剤となる。そして、第三成分の多官能性架橋モノマーは必要ではないが、これを添加し共重合しても本発明に好ましく使用されるミクロゲルが合成可能である。
多官能性架橋モノマーは、一般式(5)に示されるモノマーが好ましく、一般式(5)で示される架橋モノマーの一種類あるいは二種類以上を使用して架橋することが出来る。これらの架橋性モノマーはジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体との重合系において効率よく架橋構造を取り得ることが必須である。



一般式(5)
Figure 0005035948
好ましい架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトールジメタクリレート等が挙げられ、この中から選ばれた一種または二種以上を用いることが出来る。本発明においては、特に、N,N’−メチレンビスアクリルアミドが好ましく使用される。
共重合体中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位とジアルキルアクリルアミド単位の含有量のモル比は、通常、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1であり、さらに好ましくは=3:7〜1:9である。最適比は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=2:8である。
増粘剤の粘性は強解離基であるスルホニル基に基づく静電反発による分子鎖の伸展およびジアルキルアクリルアミドの自発架橋反応あるいは架橋性単量体による架橋構造に起因しているが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位またはその塩の含有量が、ジアルキルアクリルアミド単位に対して5モル%未満では十分に分子鎖の伸展が起こらないため十分な粘度が得られないことがある。
架橋性モノマーの使用量は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩とジアルキルアクリルアミドの全モル数に対し0.0001〜2.0モル%の範囲で添加されることが好ましい。0.0001モル%未満で調製された増粘剤は架橋の効果が見られない場合がある。また、2モル%を超えて調製された場合、架橋密度が高すぎてミクロゲルが充分に膨潤出来ないために充分な増粘効果を発揮しない場合がある。
本発明に用いるミクロゲルである増粘剤の分子量は、重量平均分子量10万〜500万(PEG換算:GPCによる測定)程度であり、増粘剤として求められる粘度により調節される。
上記の重合法によって得られるミクロゲルは、下記(1)〜(3)のすべてのレオロジー的性質を有する。このミクロゲルからなる増粘剤は上記の重合法による製造方法により得られ、増粘剤として好ましく使用される。
(1)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s-1において10000mPa・s以上である。
(2)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0 s-1において5000mPa・s以上である。
(3)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液若しくはエタノール分散液における動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲でG'>G"である。
なお、ミクロゲルの水若しくはエタノール分散液の見かけ粘度とは、コーンプレート型レオメータ(Paar Rhysica製 MCR-300)を用い、測定温度25℃、ずり速度1s-1における粘度である。
また、動的弾性率は、同上の測定装置を用いて測定温度25℃、歪み1%以下で周波数範囲0.1〜10Hzで測定した貯蔵弾性率(G')および損失弾性率(G" )の値を意味する。
本発明に増粘剤として用いるミクロゲルは重合後簡単な沈殿精製工程を経て粉末状態で分離することが可能である。粉末状に分離されたミクロゲルは、水あるいはエタノールまたは水/エタノールの混合溶剤に容易に分散して速やかに膨潤し増粘剤として機能する。
また、ミクロゲルに共重合されるイオン性モノマーを、強酸性のモノマー(例えばスルホン酸残基を含むモノマー)を選択することで、従来のカルボキシビニルポリマーでは増粘が不可能であった酸性製剤の増粘も可能である。
「(B)会合性高分子からなる増粘剤」
一方、本発明に用いる会合性高分子からなる増粘剤は、親水性連鎖部分によって分離された、少なくとも2つの直鎖又は分岐アルキル、芳香族、フッ化炭素、アルキルシリコーン基からなる疎水基を含むグラフト又はシーケンシャルポリマーであることが好ましい。
そして、下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンからなる増粘剤が好ましい。この疎水変性ポリエーテルウレタンからなる増粘剤は前記特許文献2〜4に記載されているものである。
一般式(1)
[化6]
R1−{(O−R2k−OCONH−R3[−NHCOO−(R4−O)n−R5hm (1)
[式中、R1 、R2 、及びR4は、互いに同一でも異なってもよい炭化水素基を表し、R3はウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、R5は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基及び/又は芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である]
本発明においては、R2及び/又はR4が互いに同一でも異なっても良い炭素原子数2〜4のアルキレン基、又は、フェニルエチレン基であることが好ましい。
また、R3がR3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートの残基であることが好ましく、さらに、R3-(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートの残基が、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるポリイソシアネートの残基であることが好ましい。
また、R1がR1-(OH)mで表されるポリオールの残基であることが好ましい。
さらに、R5が炭素原子数8〜36の直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基または炭素原子数4〜24の直鎖、分枝鎖又は2級のフッ化炭素基であることが好ましい。
また、R5が炭素原子数10以上の芳香族炭素基であることも好ましい。
さらに、R5が分子量200以上のアルキルシリコーンであることも好ましい。
また、一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンは、R1-[(O-R2)k-OH]mで表されるポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートと、HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコールとの反応物であることが好ましい。
一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンは、好ましくは、R1−[(O−R2)k−OH]mで表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R4−O)n−R5で表される1種または2種以上のポリモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
この場合、一般式(1)中のR1〜R5は、用いるR1−[(O−R2)k−OH]m、R3−(NCO)h+1、HO−(R4−O)n−R5により決定される。3者の仕込み比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。
一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンを得るのに好ましく用いられるR1−[(O−R2)k−OH]mで表されるポリエーテルポリオールは、m価のポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することによりできる。
ここでm価のポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等により、R2が決定され、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイドあるいはスチレンオキサイドが好ましい。付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイドは、単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であって良い。付加の方法は通常の方法であって良い。
また、重合度kは、0〜1000であり、好ましくは1〜500、更に好ましくは10〜250が良い。
さらに、R2に占めるエチレン基の割合が、好ましくは全R2の50〜100質量%であると、本発明に好ましい会合性増粘剤が得られる。
さらに、R1−[(O−R2)k−OH]mの分子量は、500〜100,000のものが好ましく、1,000〜50,000のものが特に好ましい。
一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンを得るのに好ましく用いられるR3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5,2',5'−テトラメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジメトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、4,4'−ジエトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチル−5,5'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3'−ジイソシアネート等が挙げられる。
トリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4'−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4'−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4'−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられても良く、また、アミンと反応させてビウレットとして用いても良い。さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R3−(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
一般式(1)の疎水性変性ポリエーテルウレタンを得るのに好ましく用いられるHO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコールは、最終的に会合性ポリマー構造中の親水性連鎖部分によって分離された少なくとも2つの疎水基にあたり、直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。
このような化合物は、例えば直鎖および分岐鎖または2級の1価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイドを付加重合することにより得ることができる。ここでいう直鎖アルコールとは、下記の一般式(6)で表される。
一般式(6)
[化7]
23−OH
また、分岐鎖アルコールとは、下記の一般式(7)で表される。
一般式(7)
Figure 0005035948
また、2級アルコールとは、下記一般式(8)で表される。
一般式(8)
Figure 0005035948
したがって、R23は、上記の一般式(6)〜(8)において水酸基を除いた基である。上記の一般式(6)〜(8)においてR23、R24、R25、R27およびR28は炭化水素基またはフッ素炭素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
上記一般式(7)において、R26は炭化水素基またはフッ化炭素基である。例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等であり、特にアルキレン基が好ましい。また、R7、R8はメチル基が好ましい。
上記一般式(6)、(7)、(8)においては、それぞれ化学式中の合計の炭素原子数が8〜36の場合が好ましく、さらに好ましくは12〜30、最も好ましくは18〜24の場合である。すなわち、R5の合計炭素原子数である。
また、R5は、最終的な会合性ポリマー構造中で疎水基としてはたらく基であれば特に限定されず、炭化水素、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
好ましいアルキルシリコーン基は下記の一般式(9)で表される。
一般式(9)
Figure 0005035948
ここで、R29は互いに同一でも異なっても良い直鎖、分岐鎖及び芳香族炭化水素又はフッ化炭素基を、R30は酸素、窒素原子を含んでも良い炭化水素又はフッ化炭素の残基を表す。上記一般式(9)では、末端に水酸基を有する構造を示したが、水酸基の位置はアルキルシロキサン構造中のいずれの位置にあっても構わない。このような構造を有する化合物として、チッソ社製サイラプレーンFM0411、FM0421、FM0425などが挙げられる。アルキルシリコーンとして好ましくは分子量が200以上、より好ましくは分子量500以上のものが好適である。
芳香族炭化水素は、水溶媒中では疎水性相互作用のみならずπ−π相互作用により、非常に強く会合する性質を有するため会合性ポリマーの材料として好適である。水酸基を有する芳香族炭化水素としては、コレステロール、コレスタノール、フィトステロール、フィトスタノールとこれらの誘導体が好ましい。
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイドは、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であって良い。付加の方法は通常の方法であって良い。重合度nは0〜1000であり、好ましくは1〜200、更に好ましくは10〜50が良い。また、R4に占めるエチレン基の割合が、好ましくは全R4の50〜100質量%、さらに好ましくは、65〜100質量%であると、本発明の目的に好ましい会合性増粘剤が得られる。
上記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
また、R1−[(O−R2)k−OH]mで表されるポリエーテルポリオール(a)と、R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(b)と、HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコール(c)とを反応させる場合には、一般式(1)の構造の化合物以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては一般式(1)で表されるc−b−a−b−c型の化合物が生成するが、その他、c−b−c型、c−b−(a−b)x−a−b−c型等の化合物が副生することがある。この場合、特に一般式(1)の化合物を分離することなく、一般式(1)の化合物を含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
本発明に用いる会合性高分子は、好ましくは疎水変性ポリエーテルウレタンであるが、その本質は水中での疎水会合性にあるため、ポリマー中の親水性連鎖と疎水性連鎖との結合はウレタンに限られず、使用する出発原料によって、尿素、エーテル、エステル、アミド結合などがポリマー中に形成されても一向に差し支えない。
「本発明の増粘増粘剤」
本発明の増粘組成物は、上記成分(A)のミクロゲルを0.01〜10質量%と、(B)会合性高分子を0.1〜10質量%を、(C)成分として水に混合して製造される。増粘組成物中の(A)成分と(B)成分の含有量は、それぞれ上記範囲内で任意であるが、配合量が、それぞれ0.01質量%、0.1質量%よりも少ない場合は、増粘の相乗効果が認められない場合がある。また、10質量%より多い場合には、粘度が高くなりすぎて、製造時の取り扱いに不都合を生じるようになり、作業効率が低下したり、実使用時に容器からの取り出しに不都合を生じたり、肌へ塗布時の伸びが悪くなる場合がある。
なお、本発明の最大の効果は、混合によりそれぞれの増粘効果が相乗的に増大することであるので、目的の粘度を得るために、従来のように、成分(A)又は(B)を単独配合する場合に比べ、各増粘剤を多量に配合する必要がない。それぞれの配合量を合わせた上限は10質量%で十分であり、その上限が1質量%さらには0.5質量%であっても十分な相乗増粘効果が発揮され、本発明の技術的意義がさらに大きいものとなる。
(C)成分の水は、増粘組成物中に0.1〜99.89質量%含有される。本発明の増粘組成物には、上記必須成分以外に本発明の効果を損なわない範囲で任意の成分を配合することが出来る。その場合の水の含有量は、上記必須成分(A)及び(B)と任意配合成分との残余となる。なお、本発明においては、増粘組成物中に塩型の化合物(有効性薬剤など)を含有する場合も増粘効果が顕著に低下することがないので、水には、目的により、任意配合成分として有効性薬剤等の塩型化合物を含有することも好ましい。
「本発明の化粧料」
本発明の化粧料は、上記増粘組成物に本発明の効果を損なわない範囲で任意の化粧料成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料を必要に応じて適宜配合し、目的とする製品に応じて常法により製造することが出来る。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されない。なお、配合量については、他に断りのない限り質量%を示す。
「(A)ミクロゲルからなる増粘剤の製造」
合成例1
ジメチルアクリルアミド(興人製)を40gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)9gを250gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン250gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.2gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)16.4gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例2
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例3
ジメチルアクリルアミド(興人製)を30gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)26.7gを280gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン280gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)9.4gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)19gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例4
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド7mgを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびエポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例5
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド70mgを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例6
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gとN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド(興人製)17.5gを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
合成例7
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gとN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド(興人製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド7mgを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65℃〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
「(B)会合性高分子からなる増粘剤の製造」
合成例8
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(分子量約11000)(R1−[(O−R2)k−OH]mに相当)を550部、下記一般式(10)
[化11]
1225−CH(C1021)−CH2−O−(CH2CH2O)20−H (10)
の分岐アルコールのエチレンオキサイド(EO)20モル付加物(HO−(R4−O)n−R5に相当)を、198部仕込み、次いで、80℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)(R3−(NCO)h+1に相当)29.6部を加え、窒素気流下80〜100℃に2時間反応させ、イソシアネートが0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
合成例8と同様にして、種々の疎水変性ポリエーテルウレタンを調製することができる。例えば、「表1」に示される合成例8〜14による疎水変性ポリエーテルウレタンは、本発明に好ましく用いることができる。
Figure 0005035948
*1:サイラプレーンFM0411(チッソ社)
*2:サイラプレーンFM0421(チッソ社)
上記合成例の他、市販の会合性ポリマー、例えば、疎水変性ポリエーテルウレタンとしては、旭電化工業製アデカノールUH140S、UH−420、UH−438、UH−750、GT−700、HULS社製Serad−FX1100、FX1010、1035、Rheox社製Rheolate205、208、204、225、278、244、Rohm&Haas社製DW1206F、1206J、1206G、Akzo社製Dapral−T212、Borchers社製Borchigel−LW44、L75N、ISP社製Acylin44、46などが挙げられる。また、その他の会合性ポリマーとして、Croda社製Crothix、Kessco社製PEG−4000、Witco社製Witconal L32、Aqualon社製Natrosol Plus Grade 330 CS、Natorosol Plus Grade 430 CSも、本発明における使用に適している。
「実施例1:ミクロゲルからなる増粘剤と、会合性高分子からなる増粘剤による相乗増粘効果」
以下に、(A)及び(B)成分の増粘剤を混合配合した増粘組成物の粘度挙動に関するデータを示す。
なお、表中に示される増粘組成物中、増粘剤以外の残余は水である。また、増粘組成物の粘度は、コーンプレート型粘度計(Parr Physica社製MCR300)を用い、測定温度25℃、ずり速度10s-1において測定した粘度である。
Figure 0005035948
Figure 0005035948
Figure 0005035948
「表2」の結果を図2に示す。図2のグラフの横軸は合成例8の配合比を表している。
すなわち、組成物2、3、4は、組成物1及び5の粘度と比較して、飛躍的に増大していることが分かる(組成物1の粘度に対して、組成物2は約1.5倍、組成物3は約2.5倍、組成物3は約1.7倍にも増大している)。
以上の結果より、本発明の増粘組成物においては、ミクロゲルからなる増粘剤と会合性高分子からなる増粘剤との混合による粘度が、それぞれの粘度の相加ではなく、相乗的に増大し、飛躍的な増大効果を発揮する。
「実施例2:増粘組成物の耐塩性」
以下に塩を配合した増粘組成物の粘度挙動に関するデータを示す。
なお、表中に示される成分以外の残余は水である。また、増粘組成物の粘度は、コーンプレート型粘度計(Parr Physica社製MCR300)を用い、測定温度25℃、ずり速度10s-1において測定した粘度である。


Figure 0005035948
以上の結果より、本発明の増粘組成物は、塩化ナトリウムの添加により減粘するものの、減粘後も増粘効果は十分残っており、一般的なイオン性増粘剤と比較して耐塩性が高い。また、少ない配合量で高い増粘効果を発揮するので、予め減粘分を考慮して適量の増粘剤を配合することにより、目的の粘度を安定に維持することが可能である。
「実施例3:新規な感触(新規な弾力感)」
専門パネラー10名により、「表6」の増粘組成物について(水溶液)、肌に塗布する際に、新規な弾力感を感じるかどうか評価を行なった。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:パネラー8名以上が、新規な弾力感を感じることができると認めた。
○:パネラー6名以上8名未満が、新規な弾力感を感じることができると認めた。
△:パネラー3名以上6名未満が、新規な弾力感を感じることができると認めた。
×:パネラー3名未満が、新規な弾力感を感じることができると認めた。
Figure 0005035948
*ブルックスフィールド(BL)がた粘度計(DIGITAL VISMETRON VDH:芝浦システム社製)により4番のスピンドルを用い、回転数12rpmの条件で、30℃において測定した
上記結果から、従来の一般的な増粘剤成分であるカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロースを配合した増粘組成物、成分(A)及び(B)の増粘剤単独配合の増粘組成物は、使用者に新規な弾力感を感じさせることができなかった。
これに対して、本発明の増粘組成物の場合には、使用者に新規な弾力感を感じさせることができ、新たな使用感を有する基剤が得られることが明らかとなった。したがって、本発明の増粘組成物を化粧料に利用した場合には、新規な使用感を発揮する化粧料を提供できる。すなわち、本発明の化粧料は弾力感を感じるように調製可能である。そして、一定の負荷に達するまでは崩れないが、一定の限界負荷を超えると一気に崩れるような感触を発揮する。その結果、容器から一定量を皮膚に取り出して、それを皮膚上に伸ばすときに(指で負荷がかかる)、増粘組成物が崩れて伸ばし易くなり、しかも崩れて伸ばす際には水が弾き出るようなみずみずしい塗布感を与える。
以下に、本発明の増粘組成物を使用する化粧料の配合例を示す。いずれも優れた増粘効果を発揮する増粘組成物である
実施例4 乳液
(1)ジメチルポリシロキサン 2
(2)ベヘニルアルコール 1
(3)バチルアルコール 0.5
(4)グリセリン 5
(5)1,3−ブチレングリコール 7
(6)エリスリトール 2
(7)硬化油 3
(8)スクワラン 6
(9)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
(10)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1
(11)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(12)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(13)フェノキシエタノール 適量
(14)合成例1で得られる増粘剤 0.5
(15)合成例8で得られる増粘剤 0.5
(16)精製水 残余
実施例5 プロテクター
(1)セタノール 1
(2)グリセリン 5
(3)1,3−ブチレングリコール 5
(4)ポリエチレングリコール20000 2
(5)テトラ(2−エチルヘキサン酸・パラメトキシ桂皮酸)ペンタエリスリット
3
(6)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 3
(7)水酸化カリウム 適量
(8)エデト酸3ナトリウム 0.1
(9)トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル
2
(10)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 2
(11)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 2
(12)ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル
2
(13)合成例1で得られる増粘剤 0.1
(14)合成例8で得られる増粘剤 0.1
(15)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−1)
0.1
(16)パラベン 適量
(17)フェノキシエタノール 適量
(18)精製水 残余
(19)香料 適量
実施例6 乳液
(1)ワセリン 5
(2)ベヘニルアルコール 0.5
(3)バチルアルコール 0.5
(4)グリセリン 7
(5)1,3−ブチレングリコール 7
(6)1,2−ペンタンジオール 1
(7)キシリット 3
(8)ポリエチレングリコール20000 2
(9)硬化油 2
(10)ホホバ油 2
(11)スクワラン 5
(12)イソステアリン酸 0.5
(13)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
(14)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(15)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.4
(16)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
(17)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(18)グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
(19)トリメチルグリシン 3
(20)アルブチン 3
(21)酵母エキス 0.1
(22)酢酸トコフェロール 0.1
(23)チオタウリン 0.1
(24)クララエキス 0.1
(25)ベンガラ 適量
(26)クインスシードエキス 0.1
(27)合成例3で得られる増粘剤 0.2
(28)合成例11で得られる増粘剤 0.3
(29)フェノキシエタノール 適量
(30)精製水 残余
実施例7 アクネ用ジェル
(1)エタノール 50
(2)乳酸 0.3
(3)β−グリチルレチン酸 0.05
(4)アルギニン塩酸塩 0.1
(5)シャクヤクエキス 0.1
(6)硫黄 0.2
(7)POE(20)ソルビタンモノオレート 1
(8)合成例2で得られる増粘剤 0.8
(9)合成例8で得られる増粘剤 0.2
(10)精製水 残余
実施例8 美白乳液
(1)ワセリン 5
(2)ベヘニルアルコール 0.5
(3)バチルアルコール 0.5
(4)グリセリン 7
(5)1,3−ブチレングリコール 7
(6)1,2−ペンタンジオール 1
(7)キシリット 3
(8)ポリエチレングリコール20000 2
(9)硬化油 2
(10)ホホバ油 2
(11)スクワラン 5
(12)イソステアリン酸 0.5
(13)テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
(14)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(15)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.4
(16)ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
(17)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(18)グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
(19)トリメチルグリシン 3
(20)アルブチン 3
(21)酢酸トコフェロール 0.1
(22)チオタウリン 0.1
(23)ベンガラ 適量
(24)クインスシードエキス 0.1
(25)合成例3で得られる増粘剤 0.25
(26)合成例9で得られる増粘剤 0.25
(27)フェノキシエタノール 適量
(28)精製水 残余
実施例9 プロテクター
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 3
(2)メチルフェニルポリシロキサン 3
(3)ベヘニルアルコール 1
(4)1,3−ブチレングリコール 5
(5)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1.5
(6)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1
(7)グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
(8)トリメチルグリシン 1
(9)L−アスコルビン酸2−グルコシド 2
(10)エデト酸3ナトリウム 0.1
(11)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7
(12)キサンタンガム 0.1
(13)合成例4で得られる増粘剤 0.1
(14)合成例8で得られる増粘剤 0.4
(15)フェノキシエタノール 適量
(16)精製水 残余
(17)香料 適量
実施例10 クリーム
(1)流動パラフィン 3
(2)ワセリン 1
(3)ジメチルポリシロキサン 1
(4)ステアリルアルコール 1.8
(5)ベヘニルアルコール 1.6
(6)グリセリン 8
(7)ジプロピレングリコール 5
(8)マカデミアナッツ油 2
(9)硬化油 3
(10)スクワラン 6
(11)ステアリン酸 2
(12)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
(13)2−エチルヘキサン酸セチル 4
(14)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(15)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3
(16)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(17)トリメチルグリシン 2
(18)α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム
1
(19)酢酸トコフェロール 0.1
(20)甜茶エキス 0.1
(21)パラベン 適量
(22)エデト酸3ナトリウム 0.05
(23)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.05
(24)ジパラメトキシ桂皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル
0.05
(25)色剤 適量
(26)合成例3で得られる増粘剤 0.4
(27)合成例9で得られる増粘剤 0.4
(28)精製水 残余
実施例11 保湿パック
(1)エタノール 3
(2)グリセリン 5
(3)1,3−ブチレングリコール 6
(4)ポリエチレングリコール1500 5
(5)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 2
(6)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
(7)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(8)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
(9)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(10)ビワ葉エキス 0.1
(11)L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
(12)ウイキョウエキス 0.1
(13)ハマメリスエキス 0.1
(14)オウバクエキス 0.1
(15)ジオウエキス 0.1
(16)ユーカリ油 0.05
(17)ジモルホリノピリダジノン 0.1
(18)キサンタンガム 0.05
(19)合成例5で得られる増粘剤 0.5
(20)合成例12で得られる増粘剤 0.5
(21)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−1)
0.05
(22)水酸化カリウム 適量
(23)フェノキシエタノール 適量
(24)精製水 残余
実施例12 ヘアミスト
(1)ジメチルポリシロキサン 1
(2)エタノール 5
(3)ステアリルアルコール 0.1
(4)ベヘニルアルコール 0.2
(5)グリセリン 2
(6)ジプロピレングリコール 1
(7)1,3−ブチレングリコール 1
(8)塩化アルキルトリメチルアンモニウム(77%) 0.5
(9)合成例6で得られる増粘剤 0.1
(10)合成例10で得られる増粘剤 0.1
(11)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(12)精製水 残余
(13)香料 適量
実施例13 ヘアトリートメント
(1)ジメチルポリシロキサン 0.5
(2)ベンジルアルコール 5
(3)セトステアリルアルコール 7
(4)ベヘニルアルコール 3
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(6)N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 1
(7)合成例2で得られる増粘剤 0.5
(8)合成例10で得られる増粘剤 0.5
(9)クエン酸 0.2
(10)フェノキシエタノール 適量
(11)精製水 残余
(12)香料 適量
実施例14 シャンプー
(1)ジメチルポリシロキサン 1.5
(2)ジプロピレングリコール 3
(3)ジステアリン酸エチレングリコール 2
(4)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2
(5)ラウロイルメチルタウリンナトリウム 0.1
(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 7.5
(7)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン
3.5
(8)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.5
(9)合成例1で得られる増粘剤 0.3
(10)合成例8で得られる増粘剤 0.3
(11)クエン酸 0.01
(12)L−グルタミン酸 0.2
(13)塩化ナトリウム 1
(14)安息香酸ナトリウム 適量
(15)エデト酸2ナトリウム 適量
(16)水酸化ナトリウム 0.01
(17)精製水 残余
(18)香料 適量
実施例15 ボディソープ
(1)プロピレングリコール 5
(2)ポリオキシプロピレングリセリルエーテル 0.5
(3)イソステアリン酸 1
(4)ラウリン酸 10
(5)パーム脂肪酸 9
(6)ミリスチン酸 1
(7)ジステアリン酸エチレングリコール 2
(8)ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1
(9)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 1.5
(10)ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 0.3
(11)ラウリン酸タウリンナトリウム 0.3
(12)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウベタイン 2
(13)合成例1で得られる増粘剤 0.4
(14)合成例8で得られる増粘剤 0.1
(15)水酸化カリウム 5
(16)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.4
(17)ビワ葉エキス 適量
(18)エデト酸2ナトリウム 適量
(19)精製水 残余
(20)香料 適量
実施例16 洗顔料
(1)グリセリン 6
(2)1,3−ブチレングリコール 4
(3)ポリエチレングリコール400 13
(4)サラシミツロウ 0.5
(5)ステアリン酸 20
(6)ラウリン酸 5
(7)ミリスチン酸 10
(8)ポリオキシエチレン(25)ポリオキシプロピレングリコール(30)
0.5
(9)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2
(10)酸化チタン 0.2
(11)クエン酸ナトリウム 0.05
(12)水酸化カリウム 6.5
(13)合成例3で得られる増粘剤 0.3
(14)合成例10で得られる増粘剤 0.2
(15)カモミラエキス 0.1
(16)エデト酸3ナトリウム 適量
(17)精製水 残余
(18)香料 適量
実施例17 アイシャドー
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 16
(2)メチルフェニルポリシロキサン 1
(3)バチルアルコール 1
(4)1,3−ブチレングリコール 5
(5)マカデミアナッツ油 0.1
(6)ステアリン酸 1
(7)パルミチン酸 1
(8)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(9)自己乳化型ステアリン酸プロピレングリコール 1
(10)ベンガラ被覆雲母チタン(パール剤) 13
(11)合成金雲母 0.1
(12)無水ケイ酸 2
(13)トリエタノールアミン 1
(14)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
(15)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(16)フェノキシエタノール 適量
(17)合成例7で得られる増粘剤 0.1
(18)合成例13で得られる増粘剤 0.2
(19)ベントナイト 1
(20)トリメチルシロキシケイ酸 5
(21)精製水 残余
(22)ステアリルアルコール 0.5
(23)ベヘニルアルコール 0.5
実施例18 ファンデーション
(1)ベヘニルアルコール 0.5
(2)ジプロピレングリコール 6
(3)ステアリン酸 1
(4)モノステアリン酸グリセリン 1
(5)水酸化カリウム 0.2
(6)トリエタノールアミン 0.8
(7)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
(8)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(9)黄酸化鉄 1
(10)α−オレフィンオリゴマー 3
(11)ジメチルポリシロキサン(6mPa.s) 2
(12)ジメチルポリシロキサン(100mPa.s) 5
(13)バチルアルコール 0.5
(14)イソステアリン酸 1
(15)ベヘニン酸 0.5
(16)2−エチルヘキサン酸セチル 10
(17)モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
(18)酸化チタン 3
(19)雲母チタン・ポリアクリル酸アルキル複合粉末 0.5
(20)表面処理酸化チタン(MT−062) 10
(21)ポリアクリル酸アルキル被覆雲母チタン 0.5
(22)黒酸化鉄被覆雲母チタン 0.5
(23)無水ケイ酸 6
(24)パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 2
(25)ベンガラ 適量
(26)群青 適量
(27)黒酸化鉄 適量
(28)法定色素 適量
(29)合成例3で得られる増粘剤 0.1
(30)合成例14で得られる増粘剤 0.1
(31)ベントナイト 1
(32)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
(33)精製水 残余
(34)香料 適量
実施例19 化粧下地
(1)メチルポリシロキサン 2
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 5
(3)エタノール 3
(4)ベヘニルアルコール 0.1
(5)バチルアルコール 0.1
(6)ジプロピレングリコール 5
(7)1,3−ブチレングリコール 3
(8)ポリエチレングリコール1500 4
(9)植物性スクワラン 0.1
(10)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 0.3
(11)酸化チタン・ベンガラ被覆雲母 0.3
(12)雲母チタン 0.3
(13)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(14)酢酸トコフェロール 0.1
(15)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(16)チタン酸リチウムコバルト 適量
(17)多孔性球状セルロース末 0.5
(18)ポリエチレングリコール(MW=100万) 0.2
(19)合成例1で得られる増粘剤 0.5
(20)合成例8で得られる増粘剤 0.5
(21)精製水 残余
本発明によれば、増粘剤の配合量を少なくしても極めて高い増粘効果を発揮する増粘組成物を提供出来る。本発明の増粘組成物は広いpH範囲及び塩型薬剤配合時においても安定した増粘効果を示し、さらには、新規な感触を有するので、化粧料に特に好ましく利用出来る。
(A)成分のミクロゲルを重合する際のヘキサン/界面活性剤/水溶性エチレンモノマー水溶液の相図の例である。 (A)及び(B)成分を混合した場合に増粘効果が相乗的に増大することを示すグラフである。

Claims (10)

  1. (A)水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤0.01〜10質量%と、(B)会合性高分子からなる増粘剤0.1〜10質量%と、(C)水0.1〜99.89質量%とを含有することを特徴とする増粘組成物であって、前記(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーがジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、前記会合性高分子が、下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンであって、前記成分(A)と前記成分(B)との配合比が質量比で(A):(B)=2:8〜8:2であることを特徴とする増粘組成物。
    [化1]
    R 1 −{(O−R 2 k −OCONH−R 3 [−NHCOO−(R 4 −O) n −R 5 h m (1)
    [式中、R 1 、R 2 、及びR 4 は、互いに同一でも異なってもよい炭化水素基を表し、R 3 はウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、R 5 は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基及び/又は芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である]
  2. 前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R 2 及び/又はR 4 が互いに同一でも異なっても良い炭素原子数2〜4のアルキレン基、又は、フェニルエチレン基である請求項1記載の増粘組成物。
  3. 前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R 3 がR 3 −(NCO) h+1 で表されるポリイソシアネート残基であることを特徴とする請求項1又は2記載の増粘組成物。
  4. 前記R 3 −(NCO) h+1 で表されるポリイソシアネート残基が、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるポリイソシアネートの残基であることを特徴とする請求項3記載の増粘組成物。
  5. 前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R 1 がR 1 −(OH) m で表されるポリオールの残基であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の増粘組成物。
  6. 前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R 5 が炭素数8〜36の直鎖、分岐または2級の炭化水素基または炭素原子数4〜24の直鎖、分岐または2級のフッ化炭素である請求項1、2、3、4又は5記載の増粘組成物。
  7. 前記一般式(1)の疎水性ポリエーテルウレタンにおいて、R 5 が炭素原子数10以上の芳香族炭素基である請求項1、2、3、4又は5記載の増粘組成物。
  8. 前記一般式(1)の疎水性ポリエーテルウレタンにおいて、R 5 が分子量200以上のアルキルシリコーンである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の増粘組成物。
  9. 前記一般式(1)に記載のポリエーテルウレタンが、R 1 −[(O−R 2 k OH] m で表されるポリエーテルポリオールと、R 3 −(NCO) h+1 で表されるポリイソシアネートと、HO−(R 4 −O) n −R 5 で表されるポリエーテルモノアルコールとの反応物であることを特徴とする請求項1記載の増粘組成物。
  10. (A)水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤0.01〜10質量%と、(B)会合性高分子からなる増粘剤0.1〜10質量%と、(C)水0.1〜99.89質量%とを含有することを特徴とする化粧料であって、前記(A)水溶性エチレン性不飽和モノマーがジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり、前記会合性高分子が、下記一般式(1)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンであって、前記成分(A)と前記成分(B)との配合比が質量比で(A):(B)=2:8〜8:2であることを特徴とする化粧料。
    [化2]
    R 1 −{(O−R 2 k −OCONH−R 3 [−NHCOO−(R 4 −O) n −R 5 h m (1)
    [式中、R 1 、R 2 、及びR 4 は、互いに同一でも異なってもよい炭化水素基を表し、R 3 はウレタン結合を有しても良い炭化水素基を表し、R 5 は直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基及び/又は芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の数であり、hは1以上の数であり、k及びnは独立に0〜1000の範囲の数である]
JP2006122029A 2006-04-26 2006-04-26 増粘組成物及び化粧料 Active JP5035948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006122029A JP5035948B2 (ja) 2006-04-26 2006-04-26 増粘組成物及び化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006122029A JP5035948B2 (ja) 2006-04-26 2006-04-26 増粘組成物及び化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007291026A JP2007291026A (ja) 2007-11-08
JP5035948B2 true JP5035948B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=38762016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006122029A Active JP5035948B2 (ja) 2006-04-26 2006-04-26 増粘組成物及び化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5035948B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10500150B2 (en) 2014-10-31 2019-12-10 Shiseido Company, Ltd. Elastic jelly-like composition

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5421554B2 (ja) * 2008-06-24 2014-02-19 株式会社ファンケル αゲルを含む組成物
JP4979095B2 (ja) 2010-04-28 2012-07-18 株式会社 資生堂 増粘性組成物およびそれを含む化粧料
JP6609437B2 (ja) * 2014-08-19 2019-11-20 株式会社コーセー 水中油乳化型組成物
US9896528B2 (en) 2014-10-10 2018-02-20 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Carboxyl-group-containing polymer composition
JP2016222611A (ja) * 2015-06-01 2016-12-28 大同化成工業株式会社 外用剤用組成物
EP3449896B1 (en) * 2016-04-28 2021-03-17 Shiseido Company, Ltd. Oil-in-water solid cosmetic
CN109689019B (zh) * 2016-09-16 2022-02-22 株式会社资生堂 组合物和产品
JP7219044B2 (ja) * 2018-10-12 2023-02-07 株式会社 資生堂 水中油型乳化化粧料
WO2020162248A1 (ja) * 2019-02-07 2020-08-13 株式会社Adeka ウレタン変性シリコーン及びそれを含有する油類組成物並びに化粧料組成物
JP7220682B2 (ja) * 2020-01-27 2023-02-10 富士フイルム株式会社 透明ゲル状組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4290932A (en) * 1979-11-27 1981-09-22 Cook Paint And Varnish Company Acrylic resin-acrylic microgel compositions
JP3581452B2 (ja) * 1995-09-06 2004-10-27 旭電化工業株式会社 粘性調整剤
JP2002284664A (ja) * 2001-03-29 2002-10-03 Shiseido Co Ltd 美白用皮膚外用剤
JP3708531B2 (ja) * 2002-05-14 2005-10-19 株式会社資生堂 増粘剤及びこれを配合した化粧料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10500150B2 (en) 2014-10-31 2019-12-10 Shiseido Company, Ltd. Elastic jelly-like composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007291026A (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5035948B2 (ja) 増粘組成物及び化粧料
JP4979095B2 (ja) 増粘性組成物およびそれを含む化粧料
JP3828700B2 (ja) 化粧料組成物
JP5571913B2 (ja) 水中油型乳化皮膚化粧料
RU2696488C2 (ru) Упругая желеобразная композиция
US7927615B2 (en) Thickener, cosmetic preparation containing the same, and process for producing the same
JP4567585B2 (ja) 化粧料
JP2006016406A (ja) トリブロックポリマーを含む化粧または皮膚科学的使用のための組成物
BR112013009597B1 (pt) poliuretano espessante
WO2006075679A1 (ja) 化粧料
JP5242243B2 (ja) 水中油型乳化化粧料
TW201601766A (zh) 水性皮膚化妝料
KR20030016223A (ko) 겔형상 조성물
JP4442883B2 (ja) 粉体分散安定剤及びこれを配合した化粧料
JP2007308399A (ja) ジェル状化粧料
CN113518615B (zh) 化妆料、加温使用化妆料及美容方法
TW201708278A (zh) 共聚物
JP2006045432A (ja) 新規共重合体及びこれを配合する化粧料
JP4297273B2 (ja) 化粧料
JP2006096670A (ja) 透明毛髪化粧料
JP7429221B2 (ja) 水中油型乳化化粧料
JP7436389B2 (ja) ウレタンポリマー及びこれを含む油類組成物
JP2013053090A (ja) 水中油型乳化皮膚化粧料
JP7306802B2 (ja) 水中油型乳化化粧料
CN116635001A (zh) 用于护理和/或化妆角蛋白材料的组合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120629

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5035948

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250