JP5035791B2 - ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法、および窒化ガリウム単結晶の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法、および窒化ガリウム単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートとその製造方法に関する。また、本発明は、ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートを用いた窒化ガリウム単結晶の製造方法にも関する。
本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートは、アンモニアとハロゲンを含むガリウム錯体である。
例えば、本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエートは、アンモニアと塩素を含むガリウム錯体である。アンモニアと塩素を含む金属錯体に関する研究として、これまでに金属元素がアルミニウムである錯体(非特許文献1参照)、金属元素がコバルトである錯体(非特許文献2および非特許文献3参照)、金属元素がクロム、コバルト、イリジウム、ルテニウム、オスミウムである錯体(非特許文献4参照)が報告されている。しかしながら、アンモニアと塩素を含むガリウム錯体については、これまでに報告例がない。また、アンモニアと塩素を含む金属錯体を、窒化ガリウムの合成原料として使用することについても、これらの文献には何も記載されていない。同様に、アンモニアと臭素を含むガリウム錯体やアンモニアと沃素を含むガリウム錯体についてもこれまでに報告例はなく、またこれらの金属錯体を窒化ガリウムの合成原料として使用することについても検討例はない。
一方、窒化物半導体の一種である窒化ガリウム(GaN)は、発光ダイオード及びレーザーダイオード等の発光デバイスやHEMT及びHBT等の高周波及び高出力の電子デバイスに適用される物質として有用である。このため、窒化ガリウムを簡便に効率よく製造することが必要とされている。
窒化ガリウム結晶は、現在サファイア又は炭化ケイ素等のような基板上にMOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)法など方法により気相エピタキシャル成長させることにより製造している。窒化ガリウム結晶成長のためのガリウム源としては、一般に酸化ガリウムや金属ガリウムが用いられている。ガリウム源としてハロゲン化ガリウムを用いることも考えられるが、塩化ガリウム、臭化ガリウム、沃化ガリウムは揮発性や吸湿性が高いという問題があり、フッ化ガリウムは合成条件が厳しいという問題があるため、工業用原料とはなり得ない。
MOCVD法による窒化ガリウム薄膜や微粒子の製造において、ガリウムを含む有機金属化合物が前駆体として有効であることが知られている。このため、近年になって様々な化合物を前駆体として使用することが検討されている。例えば、そのような前駆体として、これまでにガリウムイミドの重合物{GaNH3/2n(非特許文献5参照)、シクロトリガラザン(H2GaNH23(非特許文献6参照)、トリメチルガリウム(非特許文献7および非特許文献8参照)、アンモニウムへキサフルオロガレート(NH43GaF6のようにガリウムにフッ素、アンミン基、アミド基などが配位した錯体化合物(非特許文献9および非特許文献10参照)が報告されている。非特許文献9には、(NH43GaF6を400℃でアンモニアと反応させることにより窒化ガリウムが得られたことが報告されているが、温度以外の反応条件や合成された窒化ガリウムの詳細についての記述は見られない。また、フッ素を含む錯体を用いた窒化ガリウムの合成においては1モルの窒化ガリウムを得るのに3モルのフッ酸が副生するため、エ業的合成法を考えた場合には容器材質が制限などの問題が発生する。
窒化ガリウム結晶を製造する方法として、上記のMOCVD法以外に、超臨界アンモニア中で窒化ガリウム結晶を育成するアモノサーマル法が知られている。アモノサーマル法のガリウム源としては、金属ガリウムと窒化ガリウム多結晶がもっぱら用いられているだけで、それ以外のガリウム化合物はこれまで利用されていない。例えば、アモノサーマル法において、上記の(NH43GaF6を代表されるようなフッ素を含むガリウム錯体を原料として使用することは不可能である。このようにアモノサーマル法の原料として有効に用いられる前駆体はいまだ開発されるに至っていない。
Jacobsら, ZAAC., 628, 951 (2002) Messmerら, Acta.Crystallogr., B24, 417 (1968) Shigetaら, Bull.Chem.Soc.Jp., 36, 1159 (1963) Hambleyら, Inorg.Chem. 25, 4553 (1986) J.J.Janikら, Chem.Mater., 8, 2708-2711 (1996) J.W.Hwangら, Chem. Mater., 2.342 (1990) M.Mizutaら, Jpn.J.Appl.Phys., 25, L945 (1986) M.J.Paisleyら, J.Vac.Sci.Technol., A7, 701 (1989) M.Roosら, Z.Anorg.Allg.Chem., 626, 1179 (2000) H. Hahnら, A. Anorg. Allg. Chem., 244, 111 (1940)
そこで本発明者らは、このような従来技術の問題を解決することを課題とし、新しいガリウム錯体とその簡便な製造方法を提供することを本発明の目的として設定した。また、新しいガリウム錯体を原料としてアモノサーマル的に効率よく窒化ガリウムを結晶成長させる方法を提供することも目的として設定した。
本発明者らは、窒化ガリウムを製造する際には採用されない条件下で様々な検討を行っていたところ、特定の条件下でアンモニアとハロゲンを含む新規なガリウム錯体が得られることを見出した。さらに、得られたガリウム錯体を用いれば窒化ガリウム単結晶を効率よく製造しうることを見出して、従来技術の課題を解決するに至った。すなわち、課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
[1] ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)。
[2] 塩化ガリウムペンタアンモニエート。
[3] ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート単結晶(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)。
[4] 塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶。
[5] ハロゲン化ガリウムとイオン性液体との反応生成物にハロゲン化アンモニウムを反応させる工程を含むことを特徴とするハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)。
[6] 塩化ガリウムとイオン性液体との反応生成物に塩化アンモニウムを反応させる工程を含むことを特徴とする塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
[7] 前記イオン性液体が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液であることを特徴とする[6]に記載の塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
[8] 前記反応生成物が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラクロロガレートであることを特徴とする[6]または[7]に記載の塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
[9] 前記反応生成物と前記塩化アンモニウムとの反応を密閉容器中で加熱することにより行うことを特徴とする[6]〜[8]のいずれか一項に記載の塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
[10] 前記密閉容器の上部と下部の間に10〜300℃の温度差を持たせて加熱することを特徴とする[9]に記載の塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
[11] 前記密閉容器の上部を400〜600℃に加熱し、前記密閉容器の下部を300〜390℃に加熱することを特徴とする[9]または[10]に記載の塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
[12] ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)の窒化ガリウム合成原料としての使用。
[13] 塩化ガリウムペンタアンモニエートの窒化ガリウム合成原料としての使用。
[14] 少なくとも、シード、窒素元素を含有する溶媒、およびハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)を入れたオートクレーブ内の温度および圧力を、前記溶媒が超臨界状態及び/又は亜臨界状態となるように制御して前記シードの表面にアモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させる工程を含むことを特徴とする、窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[15] 少なくとも、シード、窒素元素を含有する溶媒、および塩化ガリウムペンタアンモニエートを入れたオートクレーブ内の温度および圧力を、前記溶媒が超臨界状態及び/又は亜臨界状態となるように制御して前記シードの表面にアモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させる工程を含むことを特徴とする、窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[16] 前記オートクレーブ内にさらに鉱化剤を入れることを特徴とする[15]に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[17] 前記鉱化剤が酸性鉱化剤であることを特徴とする[16]に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[18] 前記酸性鉱化剤がアンモニウム塩を含むことを特徴とする[17]に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[19] 前記酸性鉱化剤がハロゲン化アンモニウムを含むことを特徴とする[17]に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[20] 前記鉱化剤として複数の化学種を混在させることを特徴とする[16]〜[19]のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[21] 前記オートクレーブ内に前記塩化ガリウムペンタアンモニエートの他にさらにガリウム源となる原料を入れることを特徴とする[15]〜[20]のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[22] 前記オートクレーブ内に窒化ガリウム多結晶および/または金属ガリウムを入れることを特徴とする[21]に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[23] 前記結晶成長の際に温度を300〜600℃に設定することを特徴とする[15]〜[22]のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[24] 前記結晶成長の際に圧力を80〜200MPaに設定することを特徴とする[15]〜[23]のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
[25] 前記オートクレーブの内壁の少なくとも一部が貴金属からなることを特徴とする[15]〜[24]のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートは、アモノサーマル法で窒化ガリウムを合成する際の原料として極めて有用である。また、本発明の製造方法によれば、水分の管理に特段の注意を払うことなくハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートを簡便に効率よく製造することができる。さらに、ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートを用いることを特徴とする本発明の窒化ガリウム単結晶の製造方法によれば、窒化ガリウム単結晶を簡単な操作で迅速に製造することができる。
発明の実施するための最良の形態
以下において、本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートとその製造方法等について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート)
本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートは、GaX3・5NH3(ここでXは塩素、臭素および沃素からなる群より選択されるハロゲンである)の組成を有する化合物である。すなわち、本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートは、Ga:X:NH3のモル比が1:3:5である化合物である。本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの形状や状態は特に制限されず、単結晶、多結晶、溶融物などが含まれる。
以下の説明では、本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの代表例として、塩化ガリウムペンタアンモニエートについて詳しく説明するが、本発明は塩化ガリウムペンタアンモニエートに限定されるものではなく、臭化ガリウムペンタアンモニエートと沃化ガリウムペンタアンモニエートについても同様の説明を行うことができる。すなわち、以下の説明における塩素は、臭素または沃素に置き換えて説明することができる。
(塩化ガリウムペンタアンモニエート)
本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶は、[Ga(NH35Cl]Cl2の構造を有するアンミン錯体である。図1および図2は、このような本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の構造を模式的に示した斜視図である。図1に示すように、1個のGa原子に5個のNH3分子と1個のCl原子が正八面体構造をとるように配置している。NH3分子のN原子とGa原子の間の距離は2.055〜2.076Å程度であり、Cl原子とGa原子の間の距離は2.3840Å程度であり、NH3分子のN原子とH原子の間の距離は0.74〜0.85Å程度である。正八面体構造をとる[Ga(NH35Cl]2+は、その8つの面がそれぞれ図2で「Cl2」と表示されるCl原子によってキャップされている。「Cl2」と表示されるCl原子は、立方格子を形成している。ただし、この立方格子を構成する6つの面のうちの1つは、Ga原子と結合している「Cl1」と表示されるCl原子が面のほぼ中央に存在するため、他の面よりも面積が大きくなっている。このため、立方格子はその分だけ歪んでいる。「Cl2」と表示されるCl原子とNH3分子のN原子の間の距離は3.353〜3.683Å程度である。また、結晶全体のCl原子とN原子の間の平均距離は3.433〜3.457Å程度である。
(塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造)
本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法は、最終的に塩化ガリウムペンタアンモニエートが得られる方法であれば特に制限なく採用することができる。好ましい製造方法として、塩化ガリウムとイオン性液体との反応生成物に塩化アンモニウムを反応させる工程を含むことを特徴とする本発明の製造方法を挙げることができる。
イオン性液体とは、イオンのみから構成される塩であって、常温(25℃)において液体であるものを意味する。代表的なイオン性液体として、イミダゾリウム系イオン性液体とピリジニウム系イオン性液体がある。イオン性液体の具体例として、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムクロライドなどの1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムクロライド;1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライドなどの1−アルキル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロライド;1−エチルピリジニウムクロライド、1−ブチルピリジニウムクロライド、1−ヘキシルピリジニウムクロライドなどの1−アルキルピリジニウムクロライドを挙げることができる。中でも、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムクロライドが好ましく、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドがさらに好ましい。これらの例示列挙したイオン性液体は、関東化学株式会社から入手することができる。本発明の製造方法で用いるイオン性液体は、水を含むものであることが好ましい。以下において、イオン性液体として1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液を用いた場合を例にとって本発明の製造方法を詳しく説明する。
本発明の製造方法では、まず1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液に塩化ガリウム結晶を添加して反応させることが好ましい。ここで用いる1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液の濃度は2〜98重量%であることが好ましく、50〜98重量%であることがより好ましく、90〜98重量%であることがさらに好ましい。また、塩化ガリウム結晶は、吸湿性が高い結晶であるが、本発明では吸湿したものを用いることができる。1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液100重量部に対する塩化ガリウム結晶の添加量は、98重量部以上であることが好ましく、98〜150重量部であることがより好ましく、100〜115重量部であることがさらに好ましい。
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液に塩化ガリウム結晶を添加すると、塩化ガリウム結晶は沈降し、結晶と溶液が反応する。反応の進行により、結晶は完全に溶解し、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム溶液相の下に新たな液相が出現する。この新たな溶液相は1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロガレートを含んでいる。ここまでの反応は、撹拌せずに行うことができる。塩化ガリウム結晶を添加する操作を複数回繰り返すことによって、下相の溶液相の量が所望の量になるまで増やすことができる。最終的には、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム水溶液中のイオン液体がすべてガレートのイオン液体になるまで塩化ガリウムを加える。
このようにして得られた二相溶液を激しく攪拌することによって、攪拌前に下相の溶液に存在していた成分が上相の透明相に移動する。それに伴って上相の比重が大きくなって下相の比重を超え、上相と下相が逆転する。その結果、上相が透明な水相となり、下相が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラクロロガレートを含む1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液相となる。
上記の激しい攪拌は、例えば密閉容器中にて行うことができる。攪拌時間は特に制限されないが、通常10〜120秒であり、好ましくは30〜100秒であり、より好ましくは40〜50秒である。また、攪拌時の温度は常温(25℃)で構わないが、必要に応じて加熱してもよい。激しい攪拌によって得られた二相溶液から水相を傾斜法などによって除去することにより、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液相のみを回収することができる。
本発明の製造方法によれば、上記のような相間移動をさせることができるため、分解性や吸湿性が高い塩化ガリウムを用いているにもかかわらず、水分量の調整に特段の注意を払う必要がない。市販の塩化ガリウムは、空気中の水分と反応して白煙を生じ、時間の経過に伴って水分との反応により赤色を呈する濡れた状態になってしまう。しかしながら、本発明の製造方法で得られた溶液は、空気に接しても反応は起こらない。また、真空乾燥することにより容易に脱水操作を行うこともできる。したがって、本発明の製造方法で得られた溶液は、安定で取扱い易いという点で極めて有用である。
次いで、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラクロロガレートを含む1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液に塩化アンモニウムを添加する。このとき、塩化アンモニウムは溶液中に完全に溶解していなくてもよい。本発明の製造方法によれば、塩化アンモニウムが溶液中に完全に溶解していなくても、次の段階でイオン性液体が熱分解を起こす温度まで加熱することにより、ガリウムと塩素とアンモニアの反応を溶液中で進行させることができる。
塩化アンモニウムを添加した混合物は、高圧容器に入れて加熱する。加熱は400℃以上の箇所が存在するように行うことが好ましい。加熱に際しては、容器全体をほぼ等しい温度に加熱してもよいし、容器の部位によって温度差をもたせて加熱してもよい。例えば、容器下部を比較的高温に維持し、容器上部を比較的低温に維持することができる。具体的には、容器上部を400〜600℃に設定し、容器下部を300〜390℃に設定することが好ましく、容器上部を425〜575℃に設定し、容器下部を320〜385℃に設定することがより好ましく、容器上部を450〜550℃に設定し、容器下部を340〜380℃に設定することがさらに好ましい。容器上部と容器下部の温度差は、10〜300℃であることが好ましく、40〜255℃であることがより好ましく、70〜210℃であることがさらに好ましい。加熱時間は、通常0.5〜50時間であり、好ましくは1〜30時間であり、より好ましくは2〜10時間である。
加熱後に室温まで放冷することにより、容器中に析出した塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶を得ることができる。塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶は、透明な6角板状結晶である。本発明の製造方法では、このような塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶とともに黄色の針状結晶も形成されることがあるが、簡単に本発明の単結晶を単離することができる。
以上の本発明の製造方法には、当業者に自明な改変を適宜加えることができる。例えば、イオン液体と塩化ガリウムの反応時には、適宜加熱を行ってもよい。このときに用いる加熱方法として、例えばマイクロ波加熱やオイルバスによる加熱を挙げることができる。加熱温度としては、例えば30〜90℃、好ましくは40〜85℃、さらに好ましくは50〜80℃とすることができる。このような加熱を行うことによって、反応速度を速めることができる。
(塩化ガリウムペンタアンモニエートの利用)
本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエートは、様々な用途に用いることができる。例えば、本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエートは、炭素原子や酸素原子をまったく含まないことから、窒化ガリウムの熱分解合成の有用な無機前駆体となりうるものである。
特に、本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエートは、アモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させる際の原料として極めて有用である。具体的には、シード、窒素元素を含有する溶媒、および塩化ガリウムペンタアンモニエートを入れたオートクレーブ内の温度および圧力を、溶媒が超臨界状態及び/又は亜臨界状態となるように制御してシードの表面にアモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させることを特徴とする本発明の製造方法に、好ましく使用することができる。そこで以下において、このような本発明の窒化ガリウムの製造方法について詳しく説明する。
(使用材料)
本発明の窒化ガリウムの製造方法では、溶媒として窒素元素を含有する溶媒を用いる。窒素元素を含有する溶媒としては、成長させる窒化ガリウム単結晶の安定性を損なうことのない溶媒を挙げることができ、具体的には、アンモニア、ヒドラジン、尿素、アミン類(例えば、メチルアミンのような第1級アミン、ジメチルアミンのような第二級アミン、トリメチルアミンのような第三級アミン、エチレンジアミンのようなジアミン)、メラミン等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
本発明で用いる溶媒に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、0.1ppm以下であることがさらに好ましい。アンモニアを溶媒として用いる場合、その純度は通常99.9%以上であり、好ましくは99.99%以上であり、さらに好ましくは99.999%以上であり、特に好ましくは99.9999%以上である。
本発明の製造方法には鉱化剤を用いることができる。用いる鉱化剤は、溶媒に対する原料の溶解度を高める化合物である。成長させる結晶が酸素元素を含まないようにするために、アンモニウムイオン(アンモニウム塩)やアミドなどの形で窒素元素を含む化合物を使用することが好ましく、アンモニウムイオン(アンモニウム塩)の形で窒素元素を含む化合物を使用することがより好ましい。本発明では、鉱化剤として1種類の化学種のみを選択して使用してもよいし、2種類以上の化学種を組み合わせて使用してもよい。結晶成長速度を速めることが必要とされている場合には、2種類以上の化学種を組み合わせて使用する。
本発明で成長させる窒化ガリウム単結晶に不純物が混入するのを防ぐために、必要に応じて鉱化剤は精製、乾燥してから使用する。本発明で用いる鉱化剤の純度は、通常は95%以上、好ましくは99%以上、さらに好ましくは99.99%以上である。鉱化剤に含まれる水や酸素の量はできるだけ少ないことが望ましく、これらの含有量は1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1.0ppm以下であることがさらに好ましい。
本発明では、酸性鉱化剤を用いることが好ましい。酸性鉱化剤は超臨界状態のアンモニア溶媒への塩化ガリウムペンタアンモニエートやその他のガリウム源の溶解性を上げ、好適な反応圧力を下げる効果がある。さらにオートクレーブの内壁を構成するようなPt等の貴金属に対する反応性が小さいという有利な特性を有する。酸性鉱化剤としては、ハロゲン元素を含む化合物で、ハロゲン化アンモニウム等が挙げられる。具体的には、塩化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、臭化アンモニウムが挙げられ、中でも塩化アンモニウムが好ましい。
本発明では、複数の化学種を組み合わせた酸性鉱化剤を用いることが好ましい。複数の化学種を組み合わせた酸性鉱化剤を用いれば、溶媒に対する原料の溶解度を高めて結晶成長速度を一段と速めることができる。特に、ハロゲン化アンモニウム鉱化剤(NH4X)においては、例えば、NH4Clにさらに反応性の高いハロゲンであるBr,Iを含むハロゲン化アンモニウム鉱化剤(NH4Br,NH4I)を混合することにより、超臨界アンモニア溶媒に対する窒化ガリウムの溶解度を向上させることができる。
鉱化剤と塩化ガリウムペンタアンモニエートを含むガリウム源との使用割合は、鉱化剤/ガリウム元素(モル比)が0.001〜20となる範囲内が好ましい。使用割合は、原料や鉱化剤などの種類や目的とする結晶の大きさなどを考慮して適宜決定することができる。
本発明では、ガリウム源として塩化ガリウムペンタアンモニエートを用いる。用いる塩化ガリウムペンタアンモニエートは単結晶であることが好ましい。本発明では、塩化ガリウムペンタアンモニエートの他に、窒化ガリウム多結晶および/または金属ガリウムを用いてもよい。窒化ガリウム多結晶原料は、完全な窒化物である必要はなく、条件によっては13族元素がメタルの状態(ゼロ価)である金属成分、すなわち金属ガリウムを含有していてもよい。
本発明において原料として用いる窒化ガリウム多結晶の製造方法は、特に制限されない。例えば、アンモニアガスを流通させた反応容器内で、金属ガリウムまたはその酸化物もしくは水酸化物をアンモニアと反応させることにより生成した窒化ガリウム多結晶を用いることができる。また、より反応性の高い原料として、ハロゲン化物、アミド化合物、イミド化合物、ガラザンなどの共有結合性M−N結合を有する化合物などを用いることができる。さらに、金属ガリウムを高温高圧で窒素と反応させて作製した窒化ガリウム多結晶を用いることもできる。
本発明において原料として用いる窒化ガリウム多結晶に含まれる水や酸素の量は、少ないことが好ましい。窒化ガリウム多結晶中の酸素含有量は、通常1.0質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0.0001質量%以下である。窒化ガリウム多結晶への酸素の混入のしやすさは、水分との反応性または吸収能と関係がある。窒化ガリウム多結晶の結晶性が悪いほど表面にNH基などの活性基が多く存在し、それが水と反応して一部酸化物や水酸化物が生成する可能性がある。このため、窒化ガリウム多結晶としては、通常、できるだけ結晶性が高い物を使用することが好ましい。結晶性は粉末X線回折の半値幅で見積もることができ、(100)の回折線(ヘキサゴナル型窒化ガリウムでは2θ=約32.5°)の半値幅が、通常0.25°以下、好ましくは0.20°以下、さらに好ましくは0.17°以下である。
本発明の製造方法では、シードを用いる。シードとしては、本発明の製造方法により成長させる窒化ガリウム単結晶を用いることが望ましいが、必ずしも窒化ガリウムでなくてもよい。ただし、その場合には、成長させる窒化ガリウムと一致し、もしくは適合した格子定数、結晶格子のサイズパラメータを有するシードであるか、またはヘテロエピタキシー(すなわち若干の原子の結晶学的位置の一致)を保証するよう配位した単結晶材料片もしくは多結晶材料片から構成されているシードを用いる必要がある。シードの具体例としては、窒化ガリウム単結晶の他、窒化アルミニウム(AlN)の単結晶、酸化亜鉛(ZnO)の単結晶、炭化ケイ素(SiC)の単結晶等が挙げられる。
シードは、溶媒への溶解度および鉱化剤との反応性を考慮して決定することができる。例えば、窒化ガリウムのシードとしては、MOCVD法やHVPE法でサファイア等の異種基板上にエピタキシャル成長させた後に剥離させて得た単結晶、金属GaからNaやLi、Biをフラックスとして結晶成長させて得た単結晶、LPE法を用いて得たホモ/ヘテロエピタキシャル成長させた単結晶、本発明の製造方法を含む溶液成長法に基づき作製された単結晶およびそれらを切断した結晶などを用いることができる。
本発明では、劈開して生成した面を有するシードを用いて結晶成長させることも好ましい。劈開して生成した面を有するシードを用いれば、未研磨の面を有するシードや精密研磨した面を有するシードを用いて結晶成長させた場合に比べて、高品質の窒化ガリウム単結晶をより速い成長速度で製造することができる。
(オートクレーブ)
本発明の製造方法は、オートクレーブ中で実施する。
本発明に用いるオートクレーブは、窒化ガリウム単結晶を成長させるときの高温高圧条件に耐え得るもの中から選択する。本発明に用いるオートクレーブは、耐圧性と耐浸食性を有する材料で構成されているものが好ましく、特にアンモニア等の溶媒に対する耐浸食性に優れたNi系の合金、ステライト(デロロ・ステライト・カンパニー・インコーポレーテッドの登録商標)等のCo系合金を用いることが好ましい。より好ましくはNi系の合金であり、具体的には、Inconel625(Inconelはハンティントン アロイズ カナダ リミテッドの登録商標、以下同じ)、Nimonic90(Nimonicはスペシャル メタルズ ウィギン リミテッドの登録商標、以下同じ)、RENE41が挙げられる。
これらの合金の組成比率は、系内の溶媒の温度や圧力条件、および系内に含まれる鉱化剤およびそれらの反応物との反応性および/または酸化力・還元力、pHの条件に従い、適宜選択すればよい。これらをオートクレーブの内面を構成する材料として用いるには、オートクレーブ自体をこれらの合金を用いて製造してもよく、内筒として薄膜を形成してオートクレーブ内に設置してもよく、任意のオートクレーブの材料の内面にメッキ処理を施してもよい。
オートクレーブの耐浸食性をより向上させるために、貴金属の優れた耐浸食性を利用して、貴金属をオートクレーブの内表面をライニングまたはコーティングしてもよい。また、オートクレーブの材質を貴金属とすることもできる。ここでいう貴金属としては、Pt、Au、Ir、Ru、Rh、Pd、Ag、およびこれらの貴金属を主成分とする合金が挙げられ、中でも優れた耐浸食性を有するPtを用いることが好ましい。
本発明の製造方法に用いることができるオートクレーブを含む結晶製造装置の具体例を図3に示す。図中、1はバルブ、2は圧力計、3はオートクレーブ、4は結晶成長部、5は原料充填部、6はバッフル板、7は電気炉、8は熱電対、9は原料、10はシード、11は導管を示す。
バッフル板6は、結晶成長部4と原料充填部5を区画するものであり、開孔率が2〜20%であるものが好ましく、3〜10%であるものがより好ましい。バッフル板の表面の材質は、前記の反応容器の材料と同一であることが好ましい。また、より耐浸食性を持たせ、成長させる結晶を高純度化するために、バッフル板の表面は、Ni、Ta、Ti、Nb、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることが好ましく、Pd、Pt、Au、Ir、pBNであることがより好ましく、Ptであることが特に好ましい。
バルブ1、圧力計2、導管11についても、少なくとも表面が耐浸食性の材質で構成されるものを用いることが好ましい。例えば、SUS316(JIS規格)であり、Inconel625を使用することがより好ましい。なお、本発明の製造方法を実施する際に用いる結晶製造装置には、バルブ、圧力計、導管は必ずしも設置されていなくてもよい。
(製造工程)
本発明の製造方法を実施する際には、まず、オートクレーブ内に、シード、窒素元素を含有する溶媒、塩化ガリウムペンタアンモニエートを含む原料物質、および必要に応じて鉱化剤を入れて封止する。これらの材料をオートクレーブ内に導入するのに先だって、オートクレーブ内は脱気しておいてもよい。また、材料の導入時には、窒素ガスなどの不活性ガスを流通させてもよい。
オートクレーブ内へのシードの装填は、通常は、ガリウム源となる原料物質および鉱化剤を充填する際に同時または充填後に装填する。シードは、オートクレーブ内表面を構成する貴金属と同様の貴金属製の治具に固定することが好ましい。装填後には、必要に応じて加熱脱気をしてもよい。
超臨界状態では一般的には、粘度が低く、液体よりも容易に拡散されるが、液体と同様の溶媒和力を有する。亜臨界状態とは、臨界温度近傍で臨界密度とほぼ等しい密度を有する液体の状態を意味する。例えば、原料充填部では、超臨界状態として原料を溶解し、結晶成長部では亜臨界状態となるように温度を変化させて超臨界状態と亜臨界状態の原料の溶解度差を利用した結晶成長も可能である。
超臨界状態にする場合、反応混合物は、一般に溶媒の臨界点よりも高い温度に保持する。アンモニア溶媒を用いた場合、臨界点は臨界温度132℃、臨界圧力11.35MPaであるが、オートクレーブの容積に対する充填率が高ければ、臨界温度以下の温度でも圧力は臨界圧力を遥かに越える。本発明において「超臨界状態」とは、このような臨界圧力を越えた状態を含む。反応混合物は、一定の容積のオートクレーブ内に封入されているので、温度上昇は流体の圧力を増大させる。一般に、T>Tc(1つの溶媒の臨界温度)およびP>Pc(1つの溶媒の臨界圧力)であれば、流体は超臨界状態にある。
超臨界条件では、窒化ガリウム単結晶の十分な成長速度が得られる。反応時間は、特に鉱化剤の反応性および熱力学的パラメータ、すなわち温度および圧力の数値に依存する。窒化ガリウム単結晶の合成中あるいは成長中、オートクレーブ内は10MPa〜500MPa程度の圧力で保持することが好ましい。圧力は、温度およびオートクレーブの容積に対する溶媒体積の充填率によって適宜決定される。本来、オートクレーブ内の圧力は、温度と充填率によって一義的に決まるものではあるが、実際には、原料、鉱化剤などの添加物、オートクレーブ内の温度の不均一性、および死容積の存在によって多少異なる。
オートクレーブ内の温度範囲は、下限値が通常150℃以上、好ましくは200℃以上、特に好ましくは300℃以上であり、上限値が通常800℃以下、好ましくは700℃以下、特に好ましくは600℃以下である。好ましい温度範囲は150〜800℃、より好ましくは200〜700℃、さらに好ましくは300〜600℃である。また、オートクレーブ内の圧力範囲は、下限値が通常10MPa以上、好ましくは20MPa以上、より好ましくは30MPa以上、さらに好ましくは50MPa以上、特に好ましくは80MPa以上であり、上限値が通常500MPa以下、好ましくは400MPa以下、さらに好ましくは300MPa以下、特に好ましくは200MPa以下である。好ましい圧力範囲は、20〜500MPa、より好ましくは50〜300MPa、さらに好ましくは80〜200MPaである。
上記のオートクレーブの温度範囲、圧力範囲を達成するためのオートクレーブへの溶媒の注入割合、すなわち充填率は、オートクレーブのフリー容積、すなわち、オートクレーブに多結晶原料、およびシードを用いる場合には、シードとそれを設置する構造物の体積をオートクレーブの容積から差し引いて残存する容積、またバッフル板を設置する場合には、さらにそのバッフル板の体積をオートクレーブの容積から差し引いて残存する容積の溶媒の沸点における液体密度を基準として、通常20〜95%、好ましくは30〜80%、さらに好ましくは40〜70%とする。
オートクレーブ内での窒化ガリウム単結晶の成長は、熱電対を有する電気炉などを用いてオートクレーブを加熱昇温することにより、オートクレーブ内をアンモニア等の溶媒の亜臨界状態または超臨界状態に保持することにより行われる。加熱の方法、所定の反応温度への昇温速度に付いては特に限定されないが、通常、数時間から数日かけて行われる。必要に応じて、多段の昇温を行ったり、温度域において昇温スピードを変えたりすることもできる。また、部分的に冷却しながら加熱したりすることもできる。
なお、上記の「反応温度」は、オートクレーブの外面に接するように設けられた熱電対によって測定されるものであり、オートクレーブの内部温度と近似することができる。
所定の温度に達した後の反応時間については、窒化ガリウム単結晶の種類、用いる原料、鉱化剤の種類、製造する結晶の大きさや量によっても異なるが、通常、数時間から数百日とすることができる。反応中、反応温度は一定にしてもよいし、徐々に昇温または降温させることもできる。所望の結晶を生成させるための反応時間を経た後、降温させる。降温方法は特に限定されないが、ヒーターの加熱を停止してそのまま炉内にオートクレーブを設置したまま放冷してもかまわないし、オートクレーブを電気炉から取り外して空冷してもかまわない。必要であれば、冷媒を用いて急冷することも好適に用いられる。
オートクレーブ外面の温度、あるいは推定されるオートクレーブ内部の温度が所定温度以下になった後、オートクレーブを開栓する。このときの所定温度は特に限定はなく、通常、−80℃〜200℃、好ましくは−33℃〜100℃である。ここで、オートクレーブに付属したバルブの配管接続口に配管を接続し、水などを満たした容器に通じておき、バルブを開けてもよい。
さらに必要に応じて、真空状態にするなどしてオートクレーブ内のアンモニア溶媒を十分に除去した後、乾燥し、オートクレーブの蓋等を開けて生成した窒化物結晶および未反応の原料や鉱化剤等の添加物を取り出すことができる。
このようにして、本発明の製造方法により窒化ガリウム単結晶を製造することができる。所望の結晶構造を有する窒化ガリウム単結晶を製造するためには、製造条件を適宜調整することが必要である。
本発明の製造方法を実施する際に用いるシードの形状を適宜選択することにより、所望の形状を有する窒化ガリウム単結晶を得ることができる。本発明の製造方法により製造した窒化ガリウム単結晶は、そのまま使用してもよいし、加工してから使用してもよい。
(窒化ガリウム単結晶の利用)
本発明の製造方法により製造された窒化ガリウム単結晶を所望の方向に切り出すことにより、任意の結晶方位を有するウエハ(半導体基板)を得ることができる。これによって、C面などの極性面や、M面などの非極性面を有するウエハを得ることができる。このようにして得られたウエハを基板として所望のエピタキシャル成長を行うことにより、さらにエピタキシャルウエハを得ることができる。
本発明の製造方法により製造された窒化ガリウム単結晶やウエハは、デバイス、即ち発光素子や電子デバイスなどの用途に好適に用いられる。本発明の製造方法により製造された窒化ガリウム単結晶やウエハが用いられる発光素子としては、発光ダイオード、レーザーダイオード、それらと蛍光体を組み合わせた発光素子などを挙げることができる。また、本発明の製造方法により製造された窒化ガリウム単結晶やウエハが用いられる電子デバイスとしては、高周波素子、高耐圧高出力素子などを挙げることができる。高周波素子の例としては、トランジスター(HEMT、HBT)があり、高耐圧高出力素子の例としては、サイリスター(IGBT)がある。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1) 塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の製造
80重量%濃度の1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液10gに、塩化ガリウム結晶500mgを添加した。塩化ガリウム結晶は溶液中に沈降し、結晶と溶液が激しく反応して発熱した。反応の進行とともに塩化ガリウム結晶の表面が赤色になり、同時に結晶表面の温度上昇により白煙が発生した。さらなる反応の進行により、塩化ガリウム結晶は完全に溶解し、透明な1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液相の下に赤色の溶液相が出現した。温度が低下して白煙の発生が収まった後に、さらに塩化ガリウム500mgを添加して反応させる工程を複数回繰り返すことによって、赤色の液相(下相)が透明な1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液相(上相)の約半分の容量となるようにした。なお、上記の工程では溶液は攪拌せずに操作した。
得られた二相溶液を液温が室温になるまで静置した後、二相溶液が入った容器を密閉して激しく攪拌した。これによって、攪拌前に下相の溶液に存在していた赤色成分は、上相の透明相に移動し、同時に下相と上相が逆転した。この相の逆転は、液量の違いによって判定した。攪拌後に得られた二相溶液は、上相が透明な水相であり、下相が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラクロロガレートを含む1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液相(赤色)であった。この二相溶液から水相を除去することにより、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド溶液相のみを回収した。
得られた溶液10gに塩化アンモニウム10gを添加することにより、塩化アンモニウムが部分的に溶解した溶液を得た。これをステンレス製の高圧容器に入れ、容器下部を約570℃、容器上部を約370℃に設定して、6時間加熱した。その後、容器が室温になるまで放置し、容器を開放したところ、容器上部に0.1〜1.0mm径の透明な6角板状結晶と黄色の針状結晶の形成が確認された。
回収した透明な6角板状結晶に対してX線回折を行った。このとき、H.Jacobs, F.O.Schroder, Z.Anorg.Allg.Chem.,628,951(2002) に記載されているAlX3・5NH3(X=Cl,Br,I)の結晶構造データを出発値として解析した。その結果、得られた結晶はGaCl3・5NH3の組成を有しており、下記データで特徴づけられる構造を有する単結晶であることが確認された(原子に付された番号は図1および図2の原子に付された番号に対応している)。
原子間距離(単位Å)
Cl1−Ga1 2.3840 Cl2−N1 3.385
Ga1−N4 2.055 Cl2−N3 3.398
Ga1−N4 2.055 Cl2−N4 3.405
Ga1−N2 2.072 Cl2−N3 3.486
Ga1−N1 2.073 Cl2−N1 3.561
Ga1−N3 2.076 Cl2−N4 3.575
N1−H1 0.79 Cl2−N4 3.578
N1−H2 0.77 Cl2−N2 3.683
N2−H3 0.85 Cl1−N4 3.119
N2−H4 0.74 Cl1−N4 3.119
N3−H5 0.81 Cl1−N1 3.157
N3−H6 0.85 Cl1−N2 3.181
N4−H7 0.83 Cl1−N4 3.465
N4−H8 0.77 Cl1−N4 3.465
N4−H9 0.81 Cl1−N3 3.559
角度(単位 °)
Cl2−N2 3.353 Cl1−N2 3.625
Cl2−N4 3.383
N1−Ga1−N3 89.73 N4−Ga1−Cl1 88.96
N1−Ga1−Cl1 89.89 H1−N1−H2 111
N2−Ga1−N3 89.57 H2i−N1−H2 99
N2−Ga1−N1 179.30 H3−N2−H4 109
N2−Ga1−Cl1 90.80 H4i−N2−H4 110
N3−Ga1−Cl1 179.63 H5−N3−H6 109
N4−Ga1−N4 177.91 H6i−N3−H6 98
N4−Ga1−N2 90.10 H7−N4−H8 103
N4−Ga1−N1 89.91 H7−N4−H9 109
N4−Ga1−N3 91.04 H8−N4−H9 105
上記の塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の製造工程において、塩化ガリウム結晶の代わりに臭化ガリウム結晶を用い、塩化アンモニウムの代わりに臭化アンモニウムを用いることにより、同じ手順でGaBr3・5NH3の組成を有する臭化ガリウムペンタアンモニエート単結晶を製造することができる。
同様に、上記の塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の製造工程において、塩化ガリウム結晶の代わりに沃化ガリウム結晶を用い、塩化アンモニウムの代わりに沃化アンモニウムを用いることにより、同じ手順でGaI3・5NH3の組成を有する沃化ガリウムペンタアンモニエート単結晶を製造することができる。
(実施例2) 窒化ガリウム単結晶の製造
実施例1で得られた塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶を原料として用いて、以下の手順によって、図3に示す装置内でアモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させることができる。
内寸が直径16mm、長さ160mmで白金を内張りしたオートクレーブ3(Inconel625製、約30ml)を用い、原料9として実施例1で得られた塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶をオートクレーブの原料充填部5に入れ、次いで鉱化剤として十分に乾燥した粉体のNH4Cl(純度99.99%)をさらにその上から充填する。
次いで、底から80mmの位置にバッフル板6をセットし、その上の結晶成長部4に窒化ガリウムのシードを設置した後、素早く、バルブが装着されたオートクレーブの蓋を閉じてオートクレーブ3の計量を行う。次いでオートクレーブに付属したバルブ1を介して導管11を真空ポンプに通じるように操作し、バルブ1を開けてオートクレーブ3内を真空脱気する。その後、真空状態を維持しながらオートクレーブ3をドライアイスメタノール溶媒によって冷却し、一旦バルブ1を閉じる。次いで、導管をNH3ボンベに通じるように操作した後、再びバルブ1を開け、外気に触れることなく連続してNH3をオートクレーブ3内に充填する。流量制御に基づき、NH3をオートクレーブの空洞部の約65%に相当する液体として充填(−33℃のNH3密度で換算)した後、再びバルブ1を閉じる。オートクレーブ3の温度を室温に戻し、外表面を十分に乾燥させて充填したNH3の増加分の計量を行う。
続いて、オートクレーブ3を上下に2分割されたヒーターで構成された電気炉7内に収納する。オートクレーブの下部外面の温度が550℃に、上部外面の温度が500℃になるように温度差をつけながら6時間かけて昇温し、オートクレーブの下部外面の温度が550℃に、上部外面の温度が500℃に達した後、その温度でさらに96時間保持する。その後、オートクレーブ3の下部外面の温度が50℃になるまでおよそ9時間かけて降温したのちヒーターによる加熱を止め、電気炉7内で自然放冷する。オートクレーブ3の下部外面の温度がほぼ室温まで降下したことを確認した後、まずオートクレーブに付属したバルブ1を開放し、オートクレーブ3内のNH3を取り除く。その後オートクレーブ3を計量しNH3の排出を確認する。その後、一旦バルブ1を閉じ、真空ポンプに通ずるように操作し、バルブ1を再び開放し、オートクレーブ3のNH3をほぼ完全に除去する。これによって、オートクレーム3内に窒化ガリウム単結晶の成長が確認される。
上記の窒化ガリウム単結晶の製造工程において、原料として用いた塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の代わりに臭化ガリウムペンタアンモニエート単結晶や沃化ガリウムペンタアンモニエート単結晶を用いた場合も、同じ手順で窒化ガリウム単結晶を製造することができる。
本発明のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートは、アモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させる際の原料として極めて有用である。ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートを用いることを特徴とする本発明の窒化ガリウム単結晶の製造方法によれば、窒化ガリウム単結晶を簡単な操作で迅速に製造することができるため、産業上の利用可能性が高い。
また、本発明の製造方法によれば、吸湿性が高いハロゲン化ガリウムを使用するにもかかわらず水分の管理に特段の注意を払うことなく簡便かつ効率的にハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート単結晶を製造することができる。したがって、本発明の製造方法は工業的な大量生産に適している。
本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の3次元構造をGa原子を中心にして表示した斜視図である。 本発明の塩化ガリウムペンタアンモニエート単結晶の3次元構造を示す斜視図である。 本発明の窒化ガリウム単結晶の製造方法に用いることができる結晶製造装置の概略断面図である。
符号の説明
1 バルブ
2 圧力計
3 オートクレーブ
4 結晶成長部
5 原料充填部
6 バッフル板
7 電気炉
8 熱電対
9 原料
10 シード
11 導管

Claims (20)

  1. ハロゲン化ガリウムとイオン性液体との反応生成物にハロゲン化アンモニウムを反応させる工程を含むことを特徴とするハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)。
  2. 前記ハロゲン化ガリウムが塩化ガリウムであり、かつ、前記ハロゲン化アンモニウムが塩化アンモニウムであることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
  3. 前記イオン性液体が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド水溶液であることを特徴とする請求項に記載のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
  4. 前記反応生成物が1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロガレートであることを特徴とする請求項2または3に記載のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
  5. 前記反応生成物と前記塩化アンモニウムとの反応を密閉容器中で加熱することにより行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
  6. 前記密閉容器の上部と下部の間に10〜300℃の温度差を持たせて加熱することを特徴とする請求項に記載のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
  7. 前記密閉容器の上部を400〜600℃に加熱し、前記密閉容器の下部を300〜390℃に加熱することを特徴とする請求項5または6に記載のハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの製造方法。
  8. ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)を原料として用いることを特徴とする窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  9. 前記ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートが塩化ガリウムペンタアンモニエートである請求項8に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  10. 少なくとも、シード、窒素元素を含有する溶媒、およびハロゲン化ガリウムペンタアンモニエート(ここでいうハロゲンは塩素、臭素または沃素である)を入れたオートクレーブ内の温度および圧力を、前記溶媒が超臨界状態及び/又は亜臨界状態となるように制御して前記シードの表面にアモノサーマル的に窒化ガリウムを結晶成長させる工程を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  11. 前記オートクレーブ内にさらに鉱化剤を入れることを特徴とする請求項10に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  12. 前記鉱化剤が酸性鉱化剤であることを特徴とする請求項11に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  13. 前記酸性鉱化剤がアンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項12に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  14. 前記酸性鉱化剤がハロゲン化アンモニウムを含むことを特徴とする請求項12に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  15. 前記鉱化剤として複数の化学種を混在させることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  16. 前記オートクレーブ内に前記ハロゲン化ガリウムペンタアンモニエートの他にさらにガリウム源となる原料を入れることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  17. 前記オートクレーブ内に窒化ガリウム多結晶および/または金属ガリウムを入れることを特徴とする請求項16に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  18. 前記結晶成長の際に温度を300〜600℃に設定することを特徴とする請求項10〜17のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  19. 前記結晶成長の際に圧力を80〜200MPaに設定することを特徴とする請求項10〜18のいずれか1項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
  20. 前記オートクレーブの内壁の少なくとも一部が貴金属からなることを特徴とする請求項10〜19のいずれか一項に記載の窒化ガリウム単結晶の製造方法。
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