次に、本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の実施例の概略を説明する。本実施例では、観光客の移動情報、滞留情報を時間的かつ場所的に連続捕捉することで、観光客に向けた動的な進路情報再構成を自動実行し、観光客の最適な地域内再配置を地域運営主体の強制的な意図も含めて実現する。
このことを通して従来の課題を解決し、観光情報サービスの生産性を向上させるために大きく貢献する。
まず観光客の各地点における現時点の人および車両の移動情報、滞留情報を自動検出器で連続的に取得し、時刻情報、観光客情報などの付帯情報と共にネットワークで中央システムに即時的に転送する。ここで、自動検出器を赤外線方式のものでなく画像認識機能を備える自動検出器とすることが考えられる。画像認識機能を備える自動検出器とすることにより、単に人数を測定するだけでなく、性別や年齢層ごとに判別された人数といった情報も収集することが可能となる。
さらに、地域内に設置される手動検出器が観光客の持つICタグを読み取り中央システムに来訪情報を送信することによって、その地域の人数推移を測定できる。
一方、中央システムには、あらかじめ地域運営主体が設定する判断基準情報をもとにした判断参照情報が蓄積されている。
中央システムはこの情報を参照しながら複数の滞留情報を動的に認識し、個々の観光客に対して地域運営主体が期待する一連の地点群に誘導していく変動情報を動的に生成する。
この誘導情報は再びネットワークを介して観光客の所有する携帯電話機または携帯端末に向けて配信される。観光客は自分の携帯電話から事前に希望する訪問地点やその地点の許容混雑度などの要望情報を事前に中央のコンピュータに登録しておく。そして、地域運営主体は、観光客の要望と現状を照らし合わせて最適な誘導案内や付帯情報の提供を実行できる。
更に、観光客がこれからの移動方向を決断するための動機付けを行い、この誘導をさらに実効あるものとするために、回遊行程に沿ってあらかじめ定義された娯楽特典の情報も地域運営主体から提供される。
娯楽特典は具体的には、各地点に到達したことでポイント得点が蓄積されることや、ある時間内に複数地点に到達することによってポイント得点がさらに増加するなどの販促サービスである。
当該ポイントは、観光客の意図を恣意的に変更するものではなく、観光客の総合的な顧客満足度の向上に寄与するものである。観光地の選択はあくまで観光客の意図に沿って、観光客自身が選択をすることにより行われるという点が本発明の主眼である。
本発明の中心となる基本的な動作は、各地点の現在の混雑度を常時認識することで、あらかじめ設定されている地域運営主体のその季節、その時間帯の意図に従った観光客誘導を自動的に行うことである。
一般的には、高い混雑度を示す地点から低い混雑度を示す地点へと観光客を誘導するが、高い混雑度が今示されていたとしてもまだ最大収容人数を下回っていて余裕があるとされる場合はさらに追加誘導をしてその地点の人気度を意図的に訴求するという集客方法も採用できる。
例えば、今博物館の恐竜展示は子供たちで大変混雑しているが、それを「混雑しているから今は別の美術館に行ったほうがいい」と案内せずに「大変子供たちに人気があるから子供連れの方はぜひ今見ておくべき」と案内するということがある。
地域運営主体の意図情報を参照しながら地域内の観光客数分布の平準化と最適化を常時自動的に行える本発明によって、地域運営主体は観光客に対してその地域、その地点への高い顧客満足度を提供し、さらに観光客動態情報を定常的かつ容易に把握してより優れた観光誘導施策の企画立案を推進できる。
換言すれば、本発明は地域における観光情報サービスの生産性を向上させることに貢献する。
次に、本発明の実施例の構成について、図1、及び図4乃至10を参照して説明する。
本発明の新規実施例はコンピュータ系、ネットワーク系、検出器系、端末系、コンピュータに格納される情報系から構成される。
まず図1を参照すると、コンピュータ系はプログラム制御により動作するコンピュータ100を備える。コンピュータ100は中央処理装置、データ記憶装置、データ入出力装置及びデータ表示装置として動作する。
ネットワーク系はインターネットや携帯電話回線を含むネットワーク110を備える。
検出器系は観光客を測定対象にした自動検出器200、201・・・、乗用車、バスを測定対象にした車両自動検出器210、211・・・、ICタグを持つ観光客を対象にした手動検出器220、221・・・、ICタグを持たない観光客を対象にして地域運営主体側の担当者が操作する固定情報入力機230、231・・・を備える。
端末系は観光客が所持する携帯電話機300、301・・・、携帯端末機310、311・・・を備える。
中央コンピュータに格納される情報系は事前登録情報400、会員登録情報401、集客状況情報500、最大収容数501/502、観光地情報600、コース情報610、観光素材情報620、判断情報700/701、誘導参照情報710、変動誘導情報720、観光客分散表示情報801などを備える。
各情報の具体的内容については、図11乃至18に示す。
自動検出器200、201・・・は画像センサーまたは赤外線センサーを利用した人数計測を行う装置である。
車両自動検出器210、211・・・は画像センサーまたは赤外線センサーを利用した車両計測を行う装置である。
手動検出器220、221・・・はICタグを読取る装置である。ICタグは地域運営主体が発行するもので、観光客はこれを購入または貸与されることにより所持しているものとする。
固定情報入力機230、231・・・はパーソナルコンピュータなどの情報入力装置であり、地域運営主体側の担当者が操作する。
これらのすべての装置は、ネットワーク接続機能、情報制御機能、情報一時蓄積機能を備えており、ADSLや光ファイバなどによりインターネットに常時接続しておりコンピュータ100と相互に接続されている。
自動検出器200、201・・・は観光施設や街路の主要分岐点などに設置され、観光客の移動人数を自動的に計測して付帯情報と共にネットワーク110を経由して計測情報をコンピュータ100に転送する。
車両自動検出器210、211・・・は大型駐車場や引き込み道路に設置され、車両の移動台数を自動的に計測して付帯情報と共にネットワーク110を経由して計測情報をコンピュータ100に転送する。
手動検出器220、221・・・は主要な観光施設や小売店に設置され、観光客の立ち寄り人数を自動的に計測して付帯情報と共にネットワーク110を経由して計測情報をコンピュータ100に転送する。
手動検出器を地域内に多数設置すれば特定観光客の動線軌跡を認識できるから、地域運営主体は推薦誘導の参照情報として活用できる。
固定情報入力機230、231・・・は、自動検出器200、201・・・、車両自動検出器210、211・・・、手動検出器220、221・・・が設置できないかあるいは困難な観光施設や小売店のうち主要な地点に設置され、観光客の立ち寄り人数を付帯情報と共に地域運営主体側の担当者が手動で入力して、ネットワーク110を経由して入力情報をコンピュータ100に転送する。
本実施例では観光客の誘導は携帯電話へのメール配信によって実現される。
従って、このサービスを地域運営主体から受けようとする観光客は、あらかじめ自分の携帯電話のメールアドレスを地域運営主体に登録して、会員としての資格を得ておく必要がある。なお、観光客に配信される誘導情報の例を図4に示す。
観光客は地域運営主体が定める形式に従って自分の携帯電話のメールアドレスなどの個人情報をあらかじめ携帯電話機300、301・・・または携帯端末機310、311・・・から事前に登録して、コンピュータ100に格納される会員登録情報400を生成しておく(図6及び図10参照)。会員番号は地域運営主体からあらかじめ提供されるものとするが、コンピュータ100から自動生成することもできる。
さらに、観光客は地域運営主体が定める形式に従って参加を希望する観光コースや各地点の誘導を受ける前提となる要望をあらかじめ携帯電話機300、301・・・または携帯端末機310、311・・・から事前に登録して、コンピュータ100に格納される事前登録情報401を生成しておく(図6及び図10参照)。
地域運営主体は事前に観光地とコースの情報をコンピュータ100に入力して観光地情報600とコース情報610を生成しておく。
コンピュータ100は観光地情報600とコース情報610から観光素材情報620を生成する(図8及び図10参照)。
地域運営主体は自らが企図する各地点の誘導方針を係数形式で表現する設定基準として、判断情報700をコンピュータ100に入力して判断情報701を生成し、さらにコンピュータ100は判断情報701からコース情報にもとづいた地点ごとの誘導参照情報710を生成する(図9及び図10参照)。
自動検出器200、201・・・からの情報、車両自動検出器210、211・・・からの情報、手動検出器220、221・・・からの情報、固定情報入力機230、231・・・からの情報はすべてネットワーク110を経由して、あらかじめ定められた一定の時間間隔(例えば10分)でコンピュータ100に転送され、集客状況情報500が動的に生成される。
あらかじめ地域運営主体は各地点(取り付け道路を含む)の人および車両の最大収容数501をコンピュータ100に入力して最大収容数502を生成しておく。
コンピュータ100は集客状況情報500、観光素材情報620、誘導参照情報710、会員登録情報400、事前登録情報401から変動誘導情報720を生成する(図10参照)。
コンピュータ100は変動誘導情報720を観光客の所持する携帯電話機300、301・・・または携帯端末機310、311・・・に配信して誘導案内を実現する(図6参照)。
変動誘導情報を取得した観光客が推薦される訪問地に到達すると自動検出器200、201・・・、車両自動検出器210、211・・・、手動検出器220、221・・・、固定情報入力機230、231・・・は新しい状態情報を検出してコンピュータ100に転送する(図7参照)。
この動作が繰り返されることでコンピュータ100は地域運営主体の意向のもとで各地点の現状に従った推薦誘導案内を実行する。
誘導情報の組み立て手法例について図5を用いて説明する。
観光客はあらかじめ事前登録情報によって自分がコースXに参加することを地域運営主体に伝えてある。
コースXには地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eが含まれるが、観光客は地点B、地点D、地点Eの三ヶ所について要望プロファイルを登録している。
具体的な要望プロファイルの登録内容としては、地点Bでは混雑度が50%まではかまわないがそれ以上であれば訪問は望まない、地点Dでは駐車場の混雑度が70%まではかまわないがそれ以上であれば訪問は望まない、地点Eでは男性比率が30%まではかまわないがそれ以上であれば訪問は望まない、と登録されている。
コンピュータ100が現状と当日の傾向をもとに判断した結果、地点Bだけは要望に合わないので、この観光客が予備コースとして登録したコースYに含まれる地点の中から要望条件に合致する代替地点として地点Gを選び出し、それを地点Bの代わりに組み入れたコースX´を提案する。
提案にあたっては、代替地点とされた地点GからXコースの次の訪問地地点Cへの接続性も考慮されている。もしも要望に合う代替地点が予備コース内に見当たらない場合は地点Bの除外提案をすることで誘導は終了する。
さらに、地域運営主体側で予備地点の別管理を行い、その観光客に対して最善ではなくても次善代替提案をするというように本手法を拡張することもできる。
コンピュータ100は集客状況情報500から観光客分散表示情報801を生成し、コンピュータ100の表示装置に各地点の集客情報を視覚的に見やすく表示する。表示画面の例を図57に示す。
地域運営主体は、画面で各地点の状況を見ながらマウスによって意図的な誘導などをコンピュータ100に容易に指示することができるなど、この表示装置を観光客誘導のための操作盤として使用できる。
地域運営主体が判断情報701を調整し、観光客分散表示情報801を確認し、観光客分散表示画面で推薦地点を指定することによって、現在または近い将来またはある特定の期間に最も期待される観光客の分散状態を作り出すこと、またはそれを企図することができる。
また、経験値やアンケート情報をもとにした人気度も加味して判断情報701を調整することもできる。まったく特異な地点を意識的に演出して誘導を行うことも考えられる。
さらに、誘導参照情報710はコンピュータ100内において唯一のものではない。季節や地点グループや参加小売店の特徴など多様な特性を包含した誘導参照情報710Xを複数個実装して地域サブグループという誘導概念を運用系として定義する。そして、定義した地域サブグループ内での誘導や、グループ間をまたがった誘導を行うために変動誘導情報720Xを生成して、広域の地域活性化を狙った回遊型推薦誘導も実現できる。
誘導方式としては二つが考えられる。一つは、混雑情報などの現在情報をもとにして企図される訪問地点をそのまま提示して推薦する直接的な誘導方式である。
もう一つは、観光客を誘導するための特典を提示して間接的に他の地点への誘導を促進する間接的な誘導方式である。
ここで、誘導特典は地域運営主体が地域訴求の視点で独自に定義するものである。具体的には、規定時刻までに特定小売店で特定商品の購入をする観光客により高い特典を付けることや、提示する指定順路を規定時間内に完走する観光客に当該地域通貨による特典額を付与することなどが例として挙げられる。
これらの特典サービスを付与するという手段はすでに多くの地域で考案されているが、本実施例における自動的な誘導方式と組み合わせることにより地域運営主体の企図する役割効果が飛躍的に高まるものと考えられる。
本発明の構成上の特徴は、観光客数の自動測定によって観光誘導情報の即時最適制御を行える点にあり、同時に、観光客の動態情報など地域の観光活性化に貢献する付加価値情報を地域運営主体のために日々生成される仕組みとなっていることである。
変動誘導情報という概念を新たに定義して、従来紙媒体やホームページの情報発信では困難であった地域運営主体の地域マーケティング方針に従った半自動的な観光客誘導を実現することである。
変動誘導情報720の核となる情報は、現時点の滞留数から算出される混雑度およびその傾向値をもとにした誘導案内情報であり、観光客にこれから訪問する地点の今の状況を具体的に知らせ、必要ならば別の地点を推薦提案することが可能である。
一方、従来の技術は図2及び図3に示すように、基本的にあらかじめある時点で生成された観光地情報やコース情報という固定案内情報を継続的に提供する仕組みである。そして、観光客の現在地情報を動的に活用する場合でも、現在地の手動入力を省略してあらかじめ生成されたその地点またはコースの観光情報の検索を支援する“観光客にとって少し便利な支援機能”の範囲にとどまっている。
[実施例の動作の説明]
次に、本発明の実施例の動作の説明について詳細に説明する。
関連する図は、図1の主要機能構成図、図6乃至10の機能構成図、図11乃至18の情報の構成、図19乃至48のデータ構造を表す図、図49乃至52の動作遷移図、図53乃至57の画面表示例を表す図、図61乃至64の施設での数字の推移を表す図である。
まず、会員登録情報400と事前登録情報401の構成データについて説明する。本実施例における会員登録情報400は、会員番号、電話・端末アドレス、性別、年齢層、近地/遠隔地から成る。事前登録情報401の内容を図20に示す。なお、「近地/遠隔地」とは、観光客が遠隔地から来訪したか否かを判断するための符号である。
本実施例では、会員番号は地域運営主体から別途通知されている観光客αに固有の番号であるとする。この点、コンピュータ100がこの登録時点で自動的に発行する番号を会員番号としてもよい。
年齢層は地域運営主体が定義する区分番号であるが通常短期間で変更されるものではないのでコンピュータ100内に定数として管理される。
ここでは具体的な区分番号として、1男性Y(Youth)(40歳以下)、2男性A(Age)(41歳以上)、3女性Y(40歳以下)、4女性A(41歳以上)、5遠隔来訪と定義する。
ここで、5遠隔来訪は1〜4に対して最上位条件として動作させる地域運営主体の意図があるとする。
次に、本実施例における事前登録情報401について図19を用いて説明する。事前登録情報401は希望コース、要望プロファイルを登録する個別地点、要望プロファイル情報から成る。
登録主体は観光客であり、観光客α、観光客β、観光客γ・・・がそれぞれ登録するがここでは観光客αに着目して説明するものとする。
希望コースは地域運営主体が定義するコース群の中から選択するが、本実施例ではコースXが選択されたものとする。コースXは地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eを順に回遊するコースとして定義されている。
要望プロファイルは混雑度、渋滞度、集団属性度(男性比率)、集団属性度(Y年齢層比率)から成り、地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eごとに0から1までの値として管理される。
混雑度が0の時はその地点にまったく人がいない状態を希望し、1の時は定員に対して満員である状態でも構わないという要望を示す。渋滞度が0の時はその地点(地域運営主体が対象として定める駐車場または取り付け道路)にまったく車両がない状態を希望し、1の時は満車である状態でも構わないという要望を示す。
集団属性度(男性比率)が0の時はその地点にまったく男性がいない状態を希望し、1の時は滞留者がすべて男性である状態でも構わないという要望を示す。
集団属性度(Y年齢層比率)が0の時はその地点にまったくY年齢層(ここでは40歳以下)の人がいない状態を希望し、1の時は滞留者がすべてY年齢層(ここでは40歳以下)である状態でも構わないという要望を示す。
希望コースの他に地域運営主体が定義する予備コース群の中から希望する予備コースを選択して登録する。
本実施例ではコースYが選択されているものとする。そして、コースYは地点F、地点G、地点H、地点I、地点Jを順に回遊するコースとして定義されている。観光客αは予備コースYを登録することによって、そこに含まれる地点F、地点G、地点H、地点I、地点Jを代替地点候補群としたコースXに対する変動誘導情報を受け取ることができる。
この候補数を更に増やすために複数の予備コースを選択することもできるが、ここではコースYのみが予備コースとして選択されているものとする。
次に図6及び図10を参照する。観光客が所持する携帯電話機30Xから会員登録情報をコンピュータ100に転送する。
まず表示部30X2に示される入力画面に従って会員番号、電話のアドレス、性別、年齢層、近地/遠隔地を入力する。表示部30X2に示される表示例を図53に記載する。
会員番号はあらかじめ地域運営主体から提供されているものとする。
これらの情報は記憶部30X1に送られ表示部30X2に表示される。また同時に送信手段30X3、ネットワーク110、コンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送され、会員登録情報400がコンピュータ100内に生成される。
次に観光客が所持する携帯電話機30Xから事前登録情報をコンピュータ100に転送する。まず表示部30X2に示される入力画面に従って希望コース、予備コース、個別地点、要望プロファイルを入力する。入力画面の表示例を図54に示す。
希望コースはあらかじめ地域運営主体が定めるコース群が表示され、その中から選択する。
個別地点は希望コースを構成する地点群から一部または全部を選択する。さらに変動誘導情報を受け取るために予備コースも同様に入力する。
これらの情報は記憶部30X1に送られ表示部30X2に表示される。また同時に送信手段30X3、ネットワーク110、コンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送され、事前登録情報401がコンピュータ100内に生成される。
次に観光客が所持する携帯端末機31Xから会員登録情報をコンピュータ100に転送する。
まず表示部31X2に示される入力画面に従って会員番号、端末アドレス、性別、年齢層、近地/遠隔地を入力する。
会員番号はあらかじめ地域運営主体から提供されているものとする。
これらの情報は記憶部31X1に送られ表示部31X2に表示される。また同時に送信手段31X3、ネットワーク110、コンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送され、会員登録情報400がコンピュータ100内に生成される。
次に観光客が所持する携帯端末機31Xから事前登録情報をコンピュータ100に転送する。
まず表示部31X2に示される入力画面に従って希望コース、予備コース、個別地点、要望プロファイルを入力する。希望コースはあらかじめ地域運営主体が定めるコース群が表示され、その中から選択する。
個別地点は希望コースを構成する地点群から一部または全部を選択する。さらに変動誘導情報を受け取るために予備コースも同様に入力する。これらの情報は記憶部31X1に送られ表示部31X2に表示される。また同時に送信手段31X3とネットワーク110とコンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送され、事前登録情報401がコンピュータ100内に生成される。
次に図7を参照する。地域運営主体がコンピュータ100の操作部1000を用いて入力した自動検出器20Xおよび車両自動検出器21Xの測定時間間隔の情報は、情報送信手段1001とネットワーク110を経由して自動検出器20Xおよび車両自動検出器21Xに転送される。
自動検出器20Xの受信手段20X2はその情報を検出部20X0に転送して測定時間間隔の制御情報として設定する。
車両自動検出器21Xの受信手段21X2はその情報を検出部21X0に転送して測定時間間隔の制御情報として設定する。
自動検出器20Xは検出部20X0内に設定された測定時間間隔で検出時刻、性別、年齢層、入場方向数、退場方向数を測定してその積算値を記憶部20X1に転送する。
混雑度は(入場方向数−退場方向数)のその時点までの総和値/(その地点の最大収容数MaxP)とする。
最大収容数MaxPは地域運営主体が現場の状況に合わせて定めるものでコンピュータ100の操作部1000から入力する。
自動検出器20Xの送信手段20X3は、記憶部20X1の測定情報をネットワーク110とコンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送し、集客状況情報500を構築する(図9及び図10参照)。
車両自動検出器21Xは検出部21X0内に設定された時間間隔で検出時刻、車種区分乗数、順方向数、逆方向数を測定してその積算値を記憶部21X1に転送する。
渋滞度は(順方向数−逆方向数)その時点までの総和値/(駐車場または取り付け道路の最大収容数MaxV)とする。
最大収容数MaxVは地域運営主体が現場の状況に合わせて定めるものでコンピュータ100の操作部1000から入力する。
車両自動検出器21Xの送信手段21X3は記憶部21X1の測定情報をネットワーク110とコンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送し、集客状況情報500を構築する(図9及び図10参照)。
手動検出器22Xは検出部22X0で観光客が地域運営主体から提供を受けたICタグの情報を読取って検出時刻と会員番号を記憶部22X1に転送する。
手動検出器22Xの送信手段22X2は記憶部22X1の読取り情報をネットワーク110とコンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送し、集客状況情報500を構築する(図7及び図10参照)。
固定情報入力機23Xは地域運営主体の担当者が情報入力部23X0で入力時刻、会員番号、目視混雑度状況、アンケート回答を入力して記憶部23X1に転送する。
固定情報入力機23Xの送信手段23X2は記憶部23X1の入力情報をネットワーク110とコンピュータ100の情報受信手段1002を経由してコンピュータ100に転送し、集客状況情報500を構築する(図7及び図10参照)。
ここで、目視混雑度情報とアンケート回答は地域運営主体が定める基準に従って入力される情報である。目視混雑度情報は0から1の間でその地点の固定情報入力機を操作する地域運営主体の担当者が入力する。
0の場合は感覚的には極めて閑散としていてその地点の訪問環境は良好であること、1の場合は感覚的には極めて混雑していてその地点の訪問環境は不良であるということを集積客の特徴として表現する。
この情報は自動検出器20Xと車両自動検出器21Xからの情報を補完するものとして観光客αに伝える。
アンケート回答は来訪したこれまでの観光客からヒアリングした顧客満足度を数値表現したものとして入力する。ここでは、1大変満足、2おおむね満足、3普通、4やや不満足、5不満として顧客満足度を数値化する。1は今その地点の人気度は高く、5は今その地点の人気度は低いという集積客の評価情報として観光客αに伝える。
地域運営主体がコンピュータ100の操作部1000を用いて入力したコースXの地点A、地点B、地点C、地点D、地点E、予備コースとして入力したコースYの地点F、地点G、地点H、地点I、地点Jの人(Person)および車両(Vehicle)の最大収容数501はコンピュータ100内に最大収容数502として格納される。
例えば、地点Aの人の最大収容数をA−Max P、駐車場または取り付け道路の車両の最大収容数をA−Max Vと表現する。
なお、上記で説明した集客状況情報500のデータ構造を図20及び21に示す。
地域運営主体がコンピュータ100の操作部1000を用いて入力した観光地情報600(地図、歴史解説、見所説明、名産品説明、写真・動画)とコース情報610(訪問地点、訪問順路、重点見所、標準移動時間)をもとにして観光素材情報620が生成される。データ構造を図22に示す。
観光地情報600は地点ごとの観光情報であり、観光用ホームページに掲載されているデジタル素材データを編集加工して流用できるが、移動する観光客を誘導するという本事例にふさわしいコンテンツを新たに企画開発して登録しておくことが望ましい。
コース情報610では各コースにおいてどういう地点がどういう順序で組み立てられるかが管理される。
コースXは地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eの5ヶ所の観光地点から構成される。
さらに各地点が重点見所かどうかという情報、次の地点に移動する場合の標準移動時間も地点ごとに格納される。
図22を参照しながらコースXで例示すると、地点Aは重点見所ではないが地点Bは重点見所の指定を受けており、例えば地点Aから地点Bへの標準移動時間は30分であるという情報が地点Bに登録される。これらの情報は地域としての意図と現場の状況を加味して地域運営主体が定義する。
次に判断情報701の生成について説明する。
この情報は観光客に対して提供する変動誘導情報を常時自動的に生成するための参照情報として地域運営主体が設定しておく情報である。
設定変更は任意に行えるが、変更した場合以降の変動誘導情報の生成は新しい情報に基づいて実行される。
地域運営主体がコンピュータ100の操作部1000を用いて入力した適用対象観光客、混雑度係数、渋滞度係数、集団属性度係数(男性比率)、集団属性度係数(Y年齢層比率)、意図的誘導数は判断情報700として判断情報701に転送される。入力画面の例を図55に示す。更に図24、図25及び図26に判断情報701のデータ構造を示す。
適用対象観光客は会員登録情報400を用いて入力された年齢層、近地/遠隔地区分情報と関連付けられる。
1男性Y(Youth)(40歳以下)、2男性A(Age)(41歳以上)、3女性Y(40歳以下)、4女性A(41歳以上)、5遠隔来訪のどの区分の観光客に対して混雑度、渋滞度、集団属性度(男性比率)、集団属性度(Y年齢層比率)、意図的誘導の判断を実行するかを指定する。
混雑度係数はその地点の混雑度をどの程度の倍率で影響させるかを地域運営主体が規定する係数である。
渋滞度係数はその地点の渋滞度をどの程度の倍率で影響させるかを地域運営主体が規定する係数である。
集団属性度係数(男性比率)はその地点の集団属性度(男性比率)をどの程度の倍率で影響させるかを地域運営主体が規定する係数である。
集団属性度係数(Y年齢層比率)はその地点の集団属性度(Y年齢層比率)をどの程度の倍率で影響させるかを地域運営主体が規定する係数である。
意図的誘導数はその地点の意図的誘導をどの程度の強さで行うかを地域運営主体が規定する数値である。
これらの係数の使い方について例示的に説明する。
0の場合はまったく影響させないことを、1の場合は検出値をそのままの値で最大限影響させることを意味する係数として登録する。
例えば混雑度係数においては、その地点は若者に人気があるから若年層の観光客に対しては例え混雑していてもそれをあえて無視または過少評価して誘導したいという場合は0に近い値を意図的に指定する。
一方、その地点の混雑は施設の性質上特に高齢者には嫌われるから高年層の観光客に対しては現状をできるだけそのまま示して誘導したいという場合は1に近い値を指定する。
渋滞度係数、集団属性度係数(男性比率)、集団属性度係数(Y年齢層比率)についても同様に地域運営主体の運営方針に従って入力する。
地点ごとに入力された判断情報701は誘導参照情報生成手段702によってコース情報と組み合わされ、例えば、地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eが含まれるコースXの判断情報として誘導参照情報710が生成され、他のコースについても同様である。
次に変動誘導情報720の生成をするための変動誘導情報生成手段711の動作について説明する。データの流れについては図23に示す。
変動誘導情報生成手段711は誘導参照情報710、会員登録情報400、事前登録情報401、集客状況情報500、観光素材情報620から変動誘導情報720を生成するが、この動作を図34乃至46のフローチャートを参照して例示的に説明する。
まず、変動誘導情報生成手段711は観光客αの会員登録情報400(会員番号、アドレス、性別、年齢層、近地/遠隔地)を読み込み(ステップS101)、観光客αの性別、年齢層、近地/遠隔地の情報を参照して今回のどの誘導が必要な観光客であるかを判断する(ステップS102)。
地域運営主体が定義する対象区分は1:男性Y、2:男性A、3:女性Y、4:女性A、5:遠隔来訪であり、変動誘導情報生成手段711は最上位に位置付けられる近地/遠隔地の別から年齢層を順次判断して、当該観光客の区分を認識する(ステップS103〜S107)。
ここでは4:女性Aであると認識する(ステップS108)。
なお、近地/遠隔地が最上位とされている理由は、遠隔地からはるばる来訪してくれた観光客には男女や年齢層を問わず定型誘導をしたいという地域運営主体の意図があるためである。
次に変動誘導情報生成手段711は観光客αの事前登録情報401から希望コースを読み込む(ステップS109)。ここで、観光客αはコースXを希望しているから、変動誘導情報生成手段711は地点A、地点B、地点C、地点D、地点Eを認識して、これらの地点についての変動誘導情報の生成を、地点Eに折り返すまで実行していく(ステップS110)。まず地点Aから順次実行していく。
以降地点Aについて処理を進める。
変動誘導情報生成手段711は誘導参照情報710のコースXから対象観光客種別4の観光客αに適用される地点Aの係数を読み込む(ステップS111)。
ここでは、例示値として地点別対象観光客4、地点別混雑度係数0.4、地点別渋滞度係数0.8、地点別集団属性度係数(男性比率)0.5、地点別集団属性度係数(Y年齢層比率)0.6、地点別意図的誘導数0.9であるとする。
次に観光客αの事前登録情報401から地点Aの要望プロファイル情報を読み込む(ステップS112)。
ここでは例示値として混雑度0.3、渋滞度0.1、集団属性度(男性比率)0.2、集団属性度(Y年齢層比率)0.3と登録されているとする。
次に変動誘導情報生成手段711は集客状況情報500からコースXの地点Aの現在の情報を読み込む(ステップS113)。
ここでは、例示値として、現在混雑度0.6.現在渋滞度0.1、現在集団属性度(男性比率)0.3、現在集団属性度(Y年齢層比率)0.7、目視混雑状況0.5、顧客満足度5であるとする。
変動誘導情報生成手段711はまず要望混雑度の判定を行う。以下、図38を用いて説明する。
判定混雑度と要望混雑度を比較するが、ここでは判定混雑度=現在混雑度0.6×地点別混雑度係数0.4=0.24となり(ステップS501)、判定混雑度は要望混雑度0.3以下で要望の範囲に収まっているので、次の要望渋滞度の判定に移行する(ステップS502)。なお、判定混雑度と要望混雑度の関係を図61に示す。
一方、もしも要望混雑度0.3以上である場合は1時間後の予想混雑度との比較判定を行い(ステップS503)、それでも要望の範囲に入らない場合は代替地点の選択に移行する(ステップS504)。
1時間後の予想混雑度はここでは現在混雑度×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。
すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の混雑度予想値は現在混雑度×1.1となる。
この予想混雑度が要望混雑度以下である場合は、当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値を観光客αへの変動誘導情報720の混雑度推移傾向として、次の要望渋滞度の判定に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は要望渋滞度の判定を行う。
判定渋滞度と要望渋滞度を比較するが、ここでは判定渋滞度=現在渋滞度0.1×地点別渋滞度係数0.8=0.08となり(ステップS505)、判定渋滞度は要望渋滞度0.1以下で要望の範囲に収まっているので、次の要望集団属性度(男性比率)の判定に移行する(ステップS506)。
一方、もしも要望渋滞度0.1以上である場合は1時間後の予想渋滞度との比較判定を行い(ステップS507)、それでも要望の範囲に入らない場合は代替地点の選択に移行する(ステップS508)。なお、判定渋滞度と要望渋滞度の関係を図62に示す。
1時間後の予想渋滞度はここでは現在渋滞度×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。
すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の渋滞度予想値は現在渋滞度×1.1となる。
この予想渋滞度が要望渋滞度以下である場合は、当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値を観光客αへの変動誘導情報720の渋滞度推移傾向として、次の要望集団属性度(男性比率)の判定に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は要望集団属性度(男性比率)の判定を行う。以下、図39を用いて説明する。
判定集団属性度(男性比率)と要望集団属性度(男性比率)を比較するが、ここでは判定集団属性度(男性比率)=現在集団属性度(男性比率)0.3×地点別集団属性度係数(男性比率)0.5=0.15となり(ステップS509)、判定集団属性度(男性比率)は要望集団属性度(男性比率)0.2以下で要望の範囲に収まっているので、次の要望集団属性度(Y年齢層比率)の判定に移行する(ステップS510)。なお、判定集団属性度(男性比率)と要望集団属性度(男性比率)の関係を図63に示す。
もし要望集団属性度(男性比率)0.2以上である場合は1時間後の予想集団属性度(男性比率)との比較判定を行い(ステップS511)、それでも要望の範囲に入らない場合は代替地点の選択に移行する(ステップS512)。
1時間後の予想集団属性度(男性比率)はここでは現在集団属性度(男性比率)×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。
すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の集団属性度(男性比率)予想値は現在集団属性度(男性比率)×1.1となる。
この予想集団属性度(男性比率)が要望集団属性度(男性比率)以下である場合は、当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値を観光客αへの変動誘導情報720の集団属性度(男性比率)推移傾向として次の要望集団属性度(Y年齢層比率)の判定に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は集団属性度(Y年齢層比率)の判定を行う。
判定集団属性度(Y年齢層比率)と要望集団属性度(Y年齢層比率)を比較するが、ここでは判定集団属性度(Y年齢層比率)=現在集団属性度(Y年齢層比率)0.7×地点別集団属性度(Y年齢層比率)0.6=0.42となり(ステップS513)、判定集団属性度(Y年齢層比率)は要望集団属性度(Y年齢層比率)0.3以上で要望の範囲に収まっていないので(ステップS514)、1時間後の予想集団属性度(Y年齢層比率)(ステップS515)との比較判定を行い(ステップS516)、それでも要望の範囲に入らない場合は代替地点の選択に移行する。なお、判定集団属性度(Y年齢層比率)と要望集団属性度(Y年齢層比率)の関係を図64に示す。
もし要望集団属性度(男性比率)0.3以下である場合は次の混雑基準値判定に移行する。
1時間後の予想集団属性度(Y年齢層比率)はここでは現在集団属性度(Y年齢層比率)×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。
すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の集団属性度(Y年齢層比率)予想値は現在集団属性度(Y年齢層比率)×1.1となる。
この予想集団属性度(Y年齢層比率)が要望集団属性度(Y年齢層比率)以下である場合は、当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値を観光客αへの変動誘導情報720の集団属性度(Y年齢層比率)推移傾向として次の混雑基準値判定に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は混雑基準値と目視混雑状況とを比較する。以下、図40を用いて説明する。
ここでは混雑基準値は0.6と定義されているものとする(ステップS601)。一方、目視混雑状況は0.5であるから目視混雑状況は混雑基準値以下となり(ステップS602)、変動誘導情報720の集積客の特徴(環境良好)として次の顧客満足度判定に移行する(ステップS603)。
目視混雑状況が混雑基準値以上の場合は変動誘導情報720の集積客の特徴(環境不良)として次の顧客満足度判定に移行する(ステップS604)。
次に変動誘導情報生成手段711は顧客満足度を判定する。ここでは顧客満足度は5であるから(ステップS613)変動誘導情報720の集積客の特徴(人気度5)として次の地点解説情報(地点A)の配信に移行する(ステップS614)。
顧客満足度が1の場合は変動誘導情報720の集積客の特徴(人気度1)(ステップS605、ステップS606)、顧客満足度が2の場合は変動誘導情報720の集積客の特徴(人気度2)(ステップS607、ステップS608)、顧客満足度が3の場合は変動誘導情報720の集積客の特徴(人気度3)(ステップS609、ステップS610)、顧客満足度が4の場合は変動誘導情報720の集積客の特徴(人気度4)(ステップS611、ステップS612)として、次の地点解説情報(地点A)の配信に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は変動誘導情報720の地点解説情報(地点A)を生成するために観光素材情報620の地点Aの情報を参照する。以下、図45を用いて説明する。
まず、地図を地点解説情報(A地図)とする(ステップS701)。次に短縮配信の混雑度判定を行う。これは地点Aがある基準値より混雑している場合に説明文の要約部のみを配信して、混雑していても情報を読みやすくするための判定である。
ここでは短縮配信の規定混雑度を0.4とする(ステップS702)が、現在混雑度は0.6であるから現在混雑度は短縮配信の規定混雑度以上となる(ステップS703)
従って、歴史解説を地点解説情報(A歴史解説、要約部のみ)(ステップS708)、見所説明を地点解説情報(A見所説明、要約部のみ)(ステップS709)、名産品説明を地点解説情報(A名産品説明、要約部のみ)(ステップS710)、写真・動画を地点解説情報(A写真・動画)(ステップS707)として地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
もし現在混雑度が短縮配信の規定混雑度以下であれば歴史解説を地点解説情報(A歴史解説(ステップS704))、見所説明を地点解説情報(A見所説明)(ステップS705)、名産品説明を地点解説情報(A名産品説明(ステップS706))、写真・動画を地点解説情報(A写真・動画)(ステップS707)として地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
次に変動誘導情報生成手段711における代替地点の選択について図41乃至44を用いて説明する。
要望混雑度判定および要望渋滞度判定および要望集団属性度(男性比率)判定および要望集団属性度(Y年齢層比率)判定で地点Aが観光客αの要望に合わなかった場合は、代替地点の選択の前に地点Aが重点見所に指定されているかを判断する(ステップS201)。
ここでは地点Aは重点見所ではないから次の意図的誘導の判定に移行する。地点Aが重点見所であった場合は観光客αの要望に合わなくてもそのまま地点Aの地点解説情報の配信に移行する。
次に意図的誘導の判定では、地点別意図的誘導数と地域運営主体が定義する意図的誘導基準値との比較を行う。
ここでは意図的誘導基準値を0.7とする(ステップS202)。この点、地点別意図的誘導数は0.9であるから地点別意図的誘導数は意図的誘導基準値以上であると判断される(ステップS203)。
この場合地点Aは観光客αの要望に合わずかつ重点見所でもないが、地域運営主体が意図的に案内したい地点であることから地点Aの地点解説情報の配信に移行する。
地点別意図的誘導数が地点別意図的誘導数以下である場合は、代替地点の選択に移行する。
まず変動誘導情報生成手段711は観光客αの事前登録情報401から予備コースを読み込む(ステップS204)。
観光客αはコースYを希望しているから、変動誘導情報生成手段711は地点F、地点G、地点H、地点I、地点Jを認識して、これらの地点の中から変動誘導情報のコース組み換え情報を生成する。
地点Bへの標準移動時間を代替地点探索の最上位情報として判断するものとする。
コースXの地点Aから地点Bへの標準移動時間は30分であるが、ここではその標準移動時間±10分間の幅に入る地点をコースYの地点F、地点G、地点H、地点I、地点Jで判定して代替提案地点を探索する(ステップS205)。
ここでは地点Gを代替提案地点として誘導参照情報の読み込みに移行する(ステップS206)。
もし代替提案地点が探索できなかった場合は変動誘導情報720のコース組み換え情報をコースXの地点Aを除外、代替地点なしとして地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
以降地点Gについて処理を進める。
変動誘導情報生成手段711は誘導参照情報710のコースYから対象観光客種別4の観光客αに適用される地点Gの係数を読み込む(ステップS207)。
ここでは、地点別対象観光客4、地点別混雑度係数0.4、地点別渋滞度係数0.8、地点別集団属性度係数(男性比率)0.5、地点別集団属性度係数(Y年齢層比率)0.6、地点別意図的誘導数0.9である。
次に観光客αの事前登録情報401から地点Gの要望プロファイル情報を読み込む(ステップS208)。
ここでは例示値として、混雑度0.3、渋滞度0.1、集団属性度(男性比率)0.2、集団属性度(Y年齢層比率)0.3と登録されている。
次に変動誘導情報生成手段711は集客状況情報500からコースYの地点Gの現在の情報を読み込む(ステップS209)。
ここでは例示値として、現在混雑度0.6.現在渋滞度0.1、現在集団属性度(男性比率)0.3、現在集団属性度(Y年齢層比率)0.4、目視混雑状況0.5、顧客満足度5である。
変動誘導情報生成手段711はまず要望混雑度の判定を行う。
判定混雑度と要望混雑度を比較するが、ここでは判定混雑度=現在混雑度0.6×地点別混雑度係数0.4=0.24となり(ステップS210)、判定混雑度は要望混雑度0.3以下で要望の範囲に収まっているので、次の要望渋滞度の判定に移行する(ステップS211)。
もし要望混雑度0.3以上である場合は1時間後の予想混雑度を算出する(ステップS212)。1時間後の予想混雑度はここでは現在混雑度×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の混雑度予想値は現在混雑度×1.1となる。
そして、要望混雑度と、算出した1時間後の予想混雑度との比較判定を行い(ステップS213)、それでも要望の範囲に入らない場合は変動誘導情報720のコース組み換え情報をコースXの地点Aを除外、代替地点なしとして地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
この予想混雑度が要望混雑度以下である場合は、次の要望渋滞度の判定に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は要望渋滞度の判定を行う。
判定渋滞度と要望渋滞度を比較するが、ここでは判定渋滞度=現在渋滞度0.1×地点別渋滞度係数0.8=0.08となる(ステップS214)。判定渋滞度は要望渋滞度0.1以下で要望の範囲に収まっているので、次の要望集団属性度(男性比率)の判定に移行する(ステップS215)。
もし要望渋滞度0.1以上である場合は1時間後の予想渋滞度との比較判定を行い、それでも要望の範囲に入らない場合は変動誘導情報720のコース組み換え情報をコースXの地点Aを除外、代替地点なしとして地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
1時間後の予想渋滞度はここでは現在渋滞度×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。
即ち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の渋滞度予想値は現在渋滞度×1.1となる(ステップS216)。
この予想渋滞度が要望渋滞度以下である場合は、次の要望集団属性度(男性比率)の判定に移行する(ステップS217)。
次に変動誘導情報生成手段711は要望集団属性度(男性比率)の判定を行う。
判定集団属性度(男性比率)と要望集団属性度(男性比率)を比較するが、ここでは判定集団属性度(男性比率)=現在集団属性度(男性比率)0.3×地点別集団属性度係数(男性比率)0.5=0.15となる(ステップS218)。判定集団属性度(男性比率)は要望集団属性度(男性比率)0.2以下で要望の範囲に収まっているので、次の要望集団属性度(Y年齢層比率)の判定に移行する(ステップS219)。
もし要望集団属性度(男性比率)0.2以上である場合は1時間後の予想集団属性度(男性比率)との比較判定を行い、それでも要望の範囲に入らない場合は変動誘導情報720のコース組み換え情報をコースXの地点Aを除外、代替地点なしとして地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
1時間後の予想集団属性度(男性比率)はここでは現在集団属性度(男性比率)×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする。
すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の集団属性度(男性比率)予想値は現在集団属性度(男性比率)×1.1となる(ステップS220)。
この予想集団属性度(男性比率)が要望集団属性度(男性比率)以下である場合は、次の要望集団属性度(Y年齢層比率)の判定に移行する(ステップS221)。
次に変動誘導情報生成手段711は集団属性度(Y年齢層比率)の判定を行う。
判定集団属性度(Y年齢層比率)と要望集団属性度(Y年齢層比率)を比較するが、ここでは判定集団属性度(Y年齢層比率)=現在集団属性度(Y年齢層比率)0.4×地点別集団属性度(Y年齢層比率)0.6=0.24となる(ステップS222)。判定集団属性度(Y年齢層比率)は要望集団属性度(Y年齢層比率)0.3以下であるから(ステップS223)変動誘導情報720のコース組み換え情報を地点Aの代わりに地点Gを組み込み提案として次の推薦理由に移行する(ステップS224、S225)。
判定集団属性度(Y年齢層比率)が要望集団属性度(Y年齢層比率)以上の場合は、1時間後の予想集団属性度(Y年齢層比率)との比較判定を行う。
1時間後の予想集団属性度(Y年齢層比率)はここでは現在集団属性度(Y年齢層比率)×(1+当日検出実績の平均時間変化率)と地域運営主体が定義しているものとする(ステップS226)。
すなわち当日の観光が開始されて以来の時間当たり変化率の平均値が+10%とすると1時間後の集団属性度(Y年齢層比率)予想値は現在集団属性度(Y年齢層比率)×1.1となる。
次に、予想集団属性度と要望集団属性度を比較する(ステップS227)。予想集団属性度(Y年齢層比率)が要望集団属性度(Y年齢層比率)以下である場合は、変動誘導情報720のコース組み換え情報を地点Aの代わりに地点Gを組み込み提案として次の推薦理由に移行する。
それでも要望の範囲に入らない場合は変動誘導情報720のコース組み換え情報をコースXの地点Aを除外、代替地点なしとして地点Aの変動誘導情報生成は終了する(ステップS228)。
変動誘導情報720のコース組み換え情報において地点Aの代わりに地点Gを組み込み提案とした後、推薦理由を現在および1時間後の混雑度、渋滞度、集団属性度(男性比率)、集団属性度(Y年齢層比率)として次の地点解説情報(地点G)の配信に移行する。
次に変動誘導情報生成手段711は変動誘導情報720の地点解説情報(地点G)を生成するために観光素材情報620の地点Gの情報を参照する。この点を図46を用いて説明する。
まず、地図を地点解説情報(G地図)とする(ステップS301)。次に短縮配信の混雑度判定を行う。
これは地点Gがある基準値より混雑している場合には、説明文の要約部のみを配信して、混雑していても情報を読みやすくするための判定である。
ここでは短縮配信の規定混雑度を0.5とする(ステップS302)。現在混雑度は0.6であるから現在混雑度は短縮配信の規定混雑度以上となる(ステップS303)。
従って、歴史解説を地点解説情報(G歴史解説、要約部のみ)(ステップS304)、見所説明を地点解説情報(G見所説明、要約部のみ)(ステップS305)、名産品説明を地点解説情報(G名産品説明、要約部のみ)(ステップS306)、写真・動画を地点解説情報(G写真・動画)(ステップS307)として地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
もし現在混雑度が短縮配信の規定混雑度以下であれば歴史解説を地点解説情報(G歴史解説)(ステップS308)、見所説明を地点解説情報(G見所説明)(ステップS309)、名産品説明を地点解説情報(G名産品説明)(ステップS310)、写真・動画を地点解説情報(G写真・動画)(ステップS307)として地点Aの変動誘導情報生成は終了する。
コースXの地点Aについての変動誘導情報生成が終了した後、続けて地点B、地点C、地点D、地点Eについてのすべての地点の変動誘導情報の生成が終了した後特典情報の生成に移行する。図36及び図37を用いて説明する。
ここでは、重点見所として指定されているすべての地点を観光客αが訪問したことが特典情報の生成条件となる。
地点Aが重点見所である場合に(ステップS401)観光客αの会員番号が地点Aの手動検出器で検出されているか、固定情報入力機で入力されていて(ステップS402)、さらに地点Bが重点見所である場合に(ステップS403)観光客αの会員番号が地点Bの手動検出器で検出されているか、固定情報入力機で入力されていて(ステップS404)、さらに地点Cが重点見所である場合に(ステップS405)観光客αの会員番号が地点Cの手動検出器で検出されているか、固定情報入力機で入力されていて(ステップS406)、さらに地点Dが重点見所である場合に(ステップS407)観光客αの会員番号が地点Dの手動検出器で検出されているか、固定情報入力機で入力されていて(ステップS408)、さらに地点Eが重点見所である場合に(ステップS409)観光客αの会員番号が地点Eの手動検出器で検出されているか、固定情報入力機で入力されている(ステップS410)場合に変動誘導情報720の特典情報を定義して(ステップS411)変動誘導情報生成手段711の動作は終了する。
特典情報の生成条件がいずれかでも満たされない場合は特典情報を定義することなく変動誘導情報生成手段711の動作は終了する。
変動誘導情報生成手段711はコース組み換え情報、推薦理由、地点解説情報、特典情報、混雑度推移傾向、渋滞度推移傾向、集団属性度(男性比率)推移傾向、集団属性度(Y年齢層比率)推移傾向、集積客の特徴から構成される変動誘導情報720を生成する。
この変動誘導情報720はコンピュータ100の情報送信手段1001とネットワーク110を経由して携帯電話機30Xの受信手段30X4に配信される(図6参照)。
受信手段30X4は表示部30X2に変動誘導情報720を表示する。
また、変動誘導情報720はコンピュータ100の情報送信手段1001とネットワーク110を経由して携帯端末機31Xの受信手段31X4に配信される(図6参照)。
受信手段31X4は表示部31X2に変動誘導情報720を表示する。表示例を図56に示す。
観光客分散表示情報生成手段800は地図情報およびコース情報と共に観光客分散表示情報801を生成する。この点、図47及び図48を用いて説明する。
観光客分散表示情報801は集客状況情報500を構成する地点別の現在混雑度、現在渋滞度、現在集団属性度(男性比率)、現在集団属性度(Y年齢層比率)と地点別の現在の会員比率である。
会員比率は手動検出器220および固定情報入力機230で検出または入力される当日の基準時刻から現在時刻までの総入場者数に対する検出された全会員番号数の比率である。
観光客分散表示情報801は現在の各コース、各地点の観光状況として地図情報に重畳されて視覚的に分かりやすくコンピュータ100の表示装置または別の大型表示装置に表示され、地域観光モニターとして活用できる。なお、表示例を図57に示す。
さらに、任意の地点を画面上でクリックするだけで、その地点の地点別対象観光客、地点別混雑度係数、地点別渋滞度係数、地点別集団属性度係数(男性比率)、地点別集団属性度係数(Y年齢層比率)、地点別意図的誘導数を指定して誘導参照情報710を任意にかつ容易に調整することができる。
なお、上記説明した各情報のデータ構造については、図27乃至33に示す。
次に図49乃至52を用いて、各検出器、コンピュータ100、携帯端末、の間での情報の流れについて説明する。
まず、携帯電話機30X又は携帯端末機31Xからコンピュータ100に会員登録情報が送信される(A1)。コンピュータ100は会員登録情報を受信し会員登録情報400として保持する(A2)。
また、携帯電話機30X又は携帯端末機31Xからコンピュータ100に事前登録情報が送信される(A3)。コンピュータ100は事前登録情報を受信し事前登録情報401として保持する(A4)。
次に、コンピュータ100は自動検出器20Xに、測定を行う間隔についての情報を送信する(A5)。自動検出器20Xは送信されてきた情報に基づいて測定間隔を設定し、設定した間隔に基づいて測定を行う。そして測定により検出した情報を蓄積する(A6)。
蓄積された検出情報はコンピュータ100に送信され(A7)、コンピュータ100は検出情報を受信し、集客状況情報500として保持する(A8)。
次に、車両自動検出器21Xからの情報送信について説明する。まずコンピュータ100から車両自動検出器21Xに測定を行う間隔についての情報を送信する(A9)。車両自動検出器21Xは送信されてきた情報に基づいて測定間隔を設定し、設定した間隔に基づいて測定を行う。そして測定により検出した情報を蓄積する(A10)。
蓄積された検出情報はコンピュータ100に送信され(A11)、コンピュータ100は検出情報を受信し、集客状況情報500として保持する(A12)。
次に、手動検出器22Xからの情報送信について説明する。手動検出器22XはICタグの情報を読み込み、読み込んだ情報を蓄積する(A13)。
蓄積された読み込み情報はコンピュータ100に検出情報として送信され(A14)、コンピュータ100は読み込み情報を受信し、集客状況情報500として保持する(A15)。
次に、固定情報入力機23Xからの情報送信について説明する。固定情報入力機23Xに検出情報の入力があると、固定情報入力機23Xは入力された情報を検出情報として蓄積する(A16)。
蓄積された検出情報はコンピュータ100に送信され(A17)、コンピュータ100は検出情報を受信し、集客状況情報500として保持する(A18)。
次に、コンピュータ100には地点別の、人又は車両の最大収容数について入力があり最大収容数502として保持する(A19)。
また、前記A8乃至A18で受信した情報を集客状況情報500として保持する(A20)。更に、観光地情報600(A21)、コース情報610(A22)の入力を受け付け、
受け付けた情報に基づいて、観光素材情報620を生成し、保持する(A23)。
次に、コンピュータ100に対して判断情報701の入力があり、判断情報701を保持する(A24)。
そして、誘導参照情報生成手段702が、誘導参照情報710を生成し(A25)、誘導参照情報710を保持する(A26)。
また、変動誘導情報生成手段711は、変動誘導情報720を生成し(A27)、変動誘導情報720を保持する(A28)。そして、保持する変動誘導情報720を携帯電話機30X又は携帯端末機31Xに送信する。そして、携帯電話機30X又は携帯端末機31Xは変動誘導情報720を受信する(A29)。
その後も、集客状況情報500を受信し(A30)、観光客分散表示情報生成手段800が、観光客分散表示情報801を生成する(A31)。
そして、観光客分散表示情報801を保持する(A32)。
[発明の他の実施例]
図58、図59及び図60を用いて他の実施例について説明する。
[観光客向け携帯端末の多様化]
変動誘導情報720は観光客の所持する携帯電話機30Xまたは携帯端末機31Xに配信されるが、配信端末機を多様化することでさらに広い範囲の移動状況の中で変動誘導情報720を取得できる方法について説明する。説明には図58を用いる。
街中に設置されている道路や駐車場などの状況表示板910にも変動誘導情報720の個別推薦情報と混雑度推移傾向を状況表示板への転送730を経由して配信表示する。
地点Aの近傍の状況表示板910には地点Aに関わる変動誘導情報721を表示する。
地点Bの近傍の状況表示板910には地点Bに関わる変動誘導情報722を表示する。
さらに、カーナビゲーション装置920にもカーナビゲーションへの転送740を経由して地点Aに関わる変動誘導情報721および地点Bに関わる変動誘導情報722を表示する。
本実施例では地点Aと地点Bから収集された集客状況情報などから生成される変動誘導情報720を運転者および同乗者に対して携帯電話機30Xまたは携帯端末機31Xとは別の手段で提供するものであり、端末機、表示装置が補完しながら車両で移動する観光客に情報を提供する。
変動誘導情報720は同時に携帯電話機30Xまたは携帯端末機31Xへも配信することで、車両で移動中から歩行中へと継ぎ目なく連携した誘導を実現できる。これにより、地域運営主体の意図をよりきめ細かく誘導施策に反映することができる。
[遊戯施設への適用]
限定した敷地内の遊戯施設についての実施例について説明する。説明には図59を用いる。
観光地点を遊戯施設に置き換え、各遊戯施設の集客状況情報などから変動誘導情報720を生成する。
遊戯施設A、遊戯施設B、遊戯施設Cがある場合、変動誘導情報720から遊戯施設Aに関わる変動誘導情報723と遊戯施設Bに関わる変動誘導情報724と遊戯施設Cに関わる変動誘導情報725を生成して入場者の携帯電話機30Xまたは携帯端末機31Xに配信する。
前記した観光での実施例と同様、入場者の要望や各遊戯施設の混雑度などに対応して最適な推薦情報の提供を行う。
待ち時間の短縮にも貢献して入場者の顧客満足度を上げると同時に、主催者が期待する各施設の稼働率の平準化、最適化に貢献する。
[商店街への適用]
限定した地域内に位置する商店街での実施例について説明する。説明には図60を用いる。
観光地点を各商店に置き換え、各商店の集客状況情報などから変動誘導情報720を生成する。
商店A、商店B、商店Cがある場合、変動誘導情報720から商店Aに関わる変動誘導情報726と商店Bに関わる変動誘導情報727と商店Cに関わる変動誘導情報728を生成して消費者の携帯電話機30Xまたは携帯端末機31Xに配信する。
観光での実施例と同様、消費者の要望や各商店の混雑度などに対応して最適な推薦情報の提供を行う。
商店街として実施する特典付与情報や各商店の人気度も販売促進のために配信する。
消費者の顧客満足度を上げると同時に商店街が期待する各商店の売り上げ向上に貢献する。
[効果の説明]
本発明の実施例では、観光客の地域における集積滞留情報を集約管理して、そこに地域運営主体があらかじめ規定しておいた判断情報を自動的に参照しながら観光客への動的な誘導案内を継続して実行できる情報システムを実現する。
このことによって、観光客側では、地点ごとに最新の行程推薦情報が提供されて満足感の向上を実現し、地域運営主体側では、その意図を参照した自動回遊誘導による地点間の観光客集積の平準化と個々の地点での滞留時間の総和増大によって、地域観光における経済貢献効果の持続的拡大と観光サービス事業の生産性向上に貢献する。
以下、観光客に対する効果、地域運営主体に対する効果、の2つの観点から本発明の実施例の効果を列挙する。
〔観光客に対する効果〕
1.これから訪問を予定している地点の中で、標準収容人数に対して訪問者数が多く、自分の要望より混雑している地点が分かること。
その理由は、携帯電話などで現在の混雑度情報を取得できるためである。
2.これから訪問を予定している地点の中で、自分の要望の範囲内に混雑度が緩和されそうな地点が分かること。
その理由は、携帯電話などで混雑度の推移傾向情報を取得できるためである。
3.これから訪問を予定している地点の中で、標準収容車両数に対して車両が多く、自分の要望より渋滞している地点が分かること。
その理由は、携帯電話などで現在の渋滞度情報を取得できるためである。
4.これから訪問を予定している地点の中で、自分の要望の範囲内に渋滞度が緩和されそうな地点が分かること。
その理由は、携帯電話などで現在の渋滞度情報を取得できるためである。
5.これから訪問を予定している地点の中で、ある地点にどんな年齢層の観光客が多いか、男女比はどうかという点で自分の要望に合った観光客が集積しているかが分かること。
その理由は、携帯電話などで集積客の集団属性を取得できるためである。
6.これから訪問を予定している地点の中で、感覚的な混雑状況が分かること。
その理由は、携帯電話などで現在の目視混雑状況を取得できるためである。
7.これから訪問を予定している地点の中で、人気度が高い地点が分かること。
その理由は、携帯電話などで現在の人気情報を取得できるためである。
8.これから訪問を予定している地点には含まれないが、現在コースの次の地点にも行きやすく、さらに現在の混雑度、渋滞度、集団属性度(男女比率)、集団属性度(若年層/高年層比率)が時間的変化傾向も含めて自分の要望に合致する訪問地点が分かること。
その理由は、携帯電話などでコース組み換え情報を推薦理由と共に取得できるためである。
9.これから訪問を予定している地点が混雑している場合は短い要約版の観光情報を読めること。
その理由は、携帯電話などで現在の混雑状況に合わせた観光情報を取得できるためである。
10.順路に沿った各地点の訪問実績による特典を地域運営主体から受けられること。
その理由は、携帯電話などで特典情報を取得できるためである。
〔地域運営主体に対する効果〕
11.地域運用主体が各地点に観光客がどれくらい集まっているかの動態実績が分かること。
その理由は、常時各地点の状況が表示されるためである。
12.地域運用主体が各地点に観光客がどれくらい集まっているかの傾向実績が分かること。
その理由は、常時各地点の状況が記録され対比されるためである。
13.地域運用主体が意図的に誘導したい地点に観光客がどれくらい集まっているかの動態実績が分かること。
その理由は、常時当該地点の状況が表示されるためである
14.地域運用主体が各地点の動態実績、傾向実績、意図的誘導地点の動態実績が分かりやすい形式で視認できること。
その理由は、常時各地点の状況が表示板に視覚的に分かりやすく表示されるためである。
15.地域運用主体が対象観光客を指定して誘導できること。
その理由は、対象観光客を指定して参照情報を設定できるためである。
16.地域運用主体が混雑度の関係度合いを調整して誘導できること。
その理由は、混雑度係数を指定して参照情報を設定できるためである。
17.地域運用主体が渋滞度の関係度合いを調整して誘導できること。
その理由は、渋滞度係数を指定して参照情報を設定できるためである。
18.地域運用主体が集団属性度(男性比率)の関係度合いを調整して誘導できること。
その理由は、集団属性度係数(男性比率)を指定して参照情報を設定できるためである。
19.地域運用主体が集団属性度(年齢層比率)の関係度合いを調整して誘導できること。
その理由は、集団属性度(年齢層比率)を指定して参照情報を設定できるためである。
20.地域運用主体がある地点に意図的に観光客を誘導できること。
その理由は、意図的誘導数を指定して参照情報を設定できるためである。
21.地域運用主体が場所的(地理的)、時期的(春夏秋冬)、時間的(時刻)に訪問客の平準化と分散化を任意に制御できること。
その理由は、画面上のクリックという使いやすい手段で、対象層別に各地点の混雑度、渋滞度、集団属性度、意図的誘導数を調節して関係度合いの拡大または縮小を容易に行えることと重点見所指定を随時行えるためである。
なお、誘導情報生成装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。