JP5034103B2 - アルミニウム回収用ペレット又は粒状材料、同ペレット又は粒状材料の製造方法及びアルミニウムの回収方法 - Google Patents

アルミニウム回収用ペレット又は粒状材料、同ペレット又は粒状材料の製造方法及びアルミニウムの回収方法 Download PDF

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Description

この発明は、省力化、省エネルギー化、低コスト化ができ、かつ環境に配慮したアルミニウムのリサイクルが可能であるアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料、同ペレット又は粒状材料の製造方法及びアルミニウムの回収方法に関する。
アルミニウムは、スクラップを再溶解して再生地金を製造する際に要するエネルギーが、新地金を電解精錬により製造するに比べ約3%ですむことから、「リサイクルの優等生」と呼ばれ、リサイクルのメリットが大きい材料である。しかし、スクラップを再溶解したアルミニウム溶湯中には、多くの非金属介在物や合金元素が不純物として混入していることから、通常、新地金に比べて品質が著しく劣っている。
このようなアルミニウムのリサイクル方法として、アルミニウム又はアルミニウム合金スクラップ溶湯から、合金元素又は不純物を除去することが行われているが、それらは有害な塩素ガスの使用や高価なフラックスの使用又は複雑な装置および工程を必要とするなど、環境面、コスト面の問題があり、実用化の障害となっている。
従来、この非金属介在物や合金元素の除去のために沈降法、溶湯ろ過法、活性ガス法などの方法が行われている。沈降法は非金属介在物と溶湯の比重差を利用して、非金属介在物を沈降または表面に浮かせるものであるが、非金属介在物と溶湯の比重差はそれほど大きくなく、また、沈降に時間がかかるために、溶湯中に多くの非金属介在物が残存するという欠点を有している。例えば特許文献1に示されている回転冷却体浸漬法では、精製室で溶湯中に回転する冷却体を挿入し、初晶がある程度に成長した時点で初晶を回収するものであるが、初晶の成長に長時間を必要としていることに加えて装置設備が大型になるという大きな欠点を有する。
溶湯ろ過法は、耐火物製のフィルタに溶湯を通過させる方法であり、通常は孔径が100ミクロン程度のフィルタを用いて非金属介在物を除去している。しかし、アルミニウムスクラップ溶湯中には25ミクロン程度の非金属介在物が最も多いことが知られている。
これについて、特許文献2に記載されているAl溶湯用フィルタでは、微少な非金属介在物が除去できるとしているが、溶湯が自重で通過できるフィルタの粗さには限界があるために、この方法では10〜25ミクロンの非金属介在物除去が限界であり、これ以下の微細な非金属介在物はフィルタを通過し溶湯中に残存したままであるという問題がある。
活性ガス法は、不活性ガスまたはハロゲンガスを溶湯中に導入し、生じた気泡に非金属介在物を吸着させて浮上させたものを取り除くものである。この方法は、塩素ガス吹き込みによるマグネシウム除去法としても応用されているが、塩素ガス使用による環境への影響、さらには環境省ダイオキシン排出抑制対策検討会 第二次報告(平成11年6月 ダイオキシン排出抑制対策検討会)に報告されているように、ダイオキシン類発生が懸念される。
本発明者らは、アルミニウムスクラップ溶湯から合金元素、特にMgを除去するために、セラミックス繊維で作成したフィルタを用いたろ過法を研究し、検討を行ってきた(下記特許文献3参照)。この技術は合金元素を除去するには有効であったが、大型かつ高強度なフィルタが必要となるという欠点があり、実用化の点ではやや問題があることが分った。
特許3331490号公報 特開平9-235629号公報 特開2005-256157号公報
本発明は、上記課題の鑑みてなされたもので、アルミニウム溶湯中にセラミックス粒状材料を添加し、攪拌及び保持後にセラミックス粒状材料を除去するだけで、アルミニウム溶湯中の不純物又は合金元素の除去が図られ、複雑な装置が不要な上に、工程が簡便で短時間に作業することが可能であり、さらには環境への影響が低い、アルミニウムリサイクル技術を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を達成するため、次の方法を提供するものである。
その1)として、アルミニウム又はアルミニウム合金に含有する合金元素又は不純物を除去してアルミニウムの純度を高めアルミニウムを回収するペレット又は粒状材料であって、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金と反応しないセラミックスからなる骨材Aと該溶融アルミニウム又はアルミニウム合金とは反応しないが、それに含まれる合金元素又は不純物と反応する物質B(以下「反応性物質B」という)との混合焼成体からなることを特徴とするアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料を提供する。
ペレット又は粒状材料は、その平均粒径が2.8mm〜4mmであることが望ましい。このペレット又は粒状材料のサイズは、合金元素又は不純物の吸着除去及びアルミニウムの溶湯からの取り出しが容易となるように設計される。しかし、このサイズ以外を採用することを制限するものではない。
骨材Aとしては、MnO2、ZnO、Fe2O3、Fe3O4、K2O、SiO2、Al2O3、CaO、Ca(OH)2、Cr2O3、ZnMn2O4、ZnMnO3から選択した1成分以上の酸化物を使用することができるが、他のセラミックス材料の使用を妨げるものではない。反応性物質Bとしてホウ酸アルミニウムを使用すると、アルミニウム中に含有するマグネシウムを効果的に除去することが可能である。
アルミニウム又はアルミニウム合金よりも大きい比重を備えていることが望ましい。比重が小さい場合には、溶湯表面に浮上して、アルミニウム中に含有する合金元素又は不純物との接触の機会が減少し、除去効果が低下するからである。
アルミニウム回収用ペレット又は粒状材料の空孔率が30〜80%であることが、ペレット又は粒状材料に添加した反応性物質Bとアルミニウム中に含有する合金元素又は不純物との接触の機会を増加させ、除去効果を高める上で有効である。
アルミニウム回収用ペレット又は粒状材料の製造方法においては、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金と反応しない粉末状のセラミックスを骨材Aとし、この粉末状骨材Aに、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金とは反応しないが、これに含まれる合金元素又は不純物と反応する物質Bの粉末を混合してペレット又は粒状に形成し、さらに骨材Aと反応性物質Bの混合ペレット又は粒状物を焼成することにより製造することができる。焼成温度は骨材Aと反応性物質Bの材料の選択により任意に変更できる。通常、800°C〜1200°Cの温度で焼成する。
純度の高いアルミニウムの回収に際しては、アルミニウム又はアルミニウム合金スクラップを溶融し、この溶湯と反応しないセラミックスからなる骨材Aと該溶湯とは反応しないがアルミニウム又はアルミニウム合金に含まれる合金元素又は不純物と反応する物質Bとの混合焼成体からなるアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料を該溶湯に添加し、アルミニウム回収用ペレット又は粒状材料に合金元素又は不純物を反応又は吸着させ、アルミニウムに含まれる合金元素又は不純物を除去してアルミニウムの純度を高めることができる。
上記にも述べたように、反応性物質Bとしてホウ酸アルミニウムを使用する場合には、マグネシウムを効果的に吸着除去することができる。
さらに、ペレット又は粒状材料を添加及び攪拌すると共に、アルミニウムの溶湯温度を低下させ、このときに晶出する鉄、シリコン等の不純物をペレット又は粒状材料の表面で捕着させ、ペレット又は粒状材料と共に、アルミニウムの溶湯から分離除去するも可能である。これによって、さらにアルミニウムの純度を上げることができる。
本発明は、アルミニウム溶湯中に添加して攪拌・保持するだけでアルミニウム溶湯中の合金元素および介在物の除去ができ、複雑な装置が不要であり、工程が簡便となり、短時間で作業を行うことができ、さらには環境負荷の小さいアルミニウムリサイクル技術を提供できるという著しい効果を有する。特に、ペレット又は粒状材料にほう酸アルミニウムを用いることにより、溶湯中のマグネシウムを効果的に除去できる。さらに、溶湯温度をコントロールすることにより、鉄、シリコン等の不純物をペレット又は粒状材料に付着させて除去できるという付随的な効果を有する。本技術により、アルミニウムスクラップリサイクルの品質を大幅に向上できることが可能となり、アルミニウム材料のリサイクル性向上が可能となるという優れた効果を有する。
本発明のアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料、同ペレット又は粒状材料の製造方法及びアルミニウムの回収方法を具体的に説明する。
ペレット又は粒状材料をアルミニウム又はその合金添加し、合金元素又は不純物を除去する模式図を図1に示す。ペレット又は粒状材料を図1(a)に示すようにアルミニウム溶湯に添加し、図1(b)のように、グラファイト製インペラー等で攪拌しながら所定温度で所定時間保持する。図1では反応性物質として、ホウ酸アルミニウムを使用した例を示す。
この間にアルミニウム溶湯中のマグネシウム等の合金元素又は不純物は、ペレット又は粒状材料中の、例えばホウ酸アルミニウムと反応・吸着する。
その後、粒状材料を含んだ溶湯を図1(c)に示すような簡単なろか装置に添加すると、溶湯は粒状材料の間隙を伝って自重で落下するか、または必要に応じて加圧することによりマグネシウム等が除去された溶湯が金型下部に排出される。
ここで用いる粒状材料構造の断面模式図を図2に示す。ペレット又は粒状材料は骨材Aと合金元素と反応する物質(成分)Bから構成される。アルミニウム又はアルミニウム合金に添加して合金元素又は不純物と反応させるためには、アルミニウムの比重2.7よりも大きい必要がある。これより小さい場合に粒状材料は溶湯の表面に浮かび、溶湯との接触が十分に得らなく反応性に劣るからである。また、多孔質の場合は、空孔率を考慮してペレット又は粒状材料を設計する必要がある。
これらの点を踏まえて、以下の方法で粒状材料の作製(造粒)を行う。なお、以下に説明する具体例はあくまで、発明の理解を容易にするためであり、これらの例の条件に制限されない。すなわち、本願発明の技術思想に基づく変形、他の態様、他の実施条件は、本願発明に全て含まれるものである。
(皿形造粒機による粒状材料の作製の具体例)
粒径約50μmの粉体状の骨材Aと反応性物質Bであるホウ酸アルミニウムを重量比8:2、7:3、6:4、5:5、3:7になるように秤量し、V型混合機で30分間均一になるようにそれぞれ混合した。骨材Aは酸化物の単独又は組み合わせからなるもので、酸化物は例えばMnO2、ZnO、Fe2O3、Fe3O4、K2O、SiO2、Al2O3、CaO、Ca(OH)2、Cr2O3、ZnMn2O4、ZnMnO3から選択した1成分以上の酸化物を使用することができる。この骨材Aは、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金と反応しない材料であれば良く、廃材等を利用した安価なセラミックスから選択するのが望ましいと言える。
本例では、前述のようにアルミニウムとの比重の関係から、MnO2:45wt%、ZnO:40wt%、 Fe2O3:15wt%の骨材Aを使用した。骨材Aと反応性物質Bの混合粉を、市販の皿形造粒機をもちいて造粒を行った。アルミニウム溶湯とホウ酸アルミニウムの反応を促進するためには接触面積をできるだけ大きくした方が望ましいので、粒状材料を多孔質にするために造孔剤を添加した。この造孔剤にはコーンスターチやポテトスターチ、米粉等を使用することができるが、本例では低コストで最も入手しやすいこと、焼成後にできる孔の大きさの観点から小麦粉の精製時に生じるカス(小麦ふすま)を用いた。この他、メチルセルロースなども使用できる。
造粒の際には、皿形造粒機を毎秒0.5回転で回転させながら水分(増粘剤として約0.5%水溶性メチルセルロースを添加した水溶液)を適宜加えると粉体の凝集が生じ、混合粉末約5kgに対して水分を最大約0.5リットル添加し、約15分で造粒した。この皿形造粒機は簡易な造粒方法であるが、やや粒状材料径のばらつきが大きいという欠点がある。しかし、アルミニウム回収用粒状材料としての使用上、特に問題はない。
作製した造粒粉は室温で一晩乾燥させた後に大気中800°C、1000°C、1200°Cの各温度で4時間焼結した。これらを直径約2.8mm以下、2.8mmから4mm、4mm以上の3種類にふるいで分けた。焼成温度と粒状材料の構造の関係については後述する。
(焼成温度と粒状材料の構造の関係)
前記皿形造粒機で作製した粒状材料表面にホウ酸アルミニウムを付着させて1000°C及び1200°Cで焼成した。焼成前の粒状材料は白色であり、黒色の骨材の表面が白色のホウ酸アルミニウムで包みこまれた外観であるが、1200°Cでは表面の白色のホウ酸アルミニウムは認められない。1000°Cでは表面の白色のホウ酸アルミニウムは十分に付着しており、これから焼成温度は1000°C近傍が有効であることが分る。
図3、図4及び図5に、皿形造粒機で作製した粒状材料を800°C、1000°C、1200°Cの各温度で2時間焼成した粒状材料の断面をそれぞれ示す。800°Cでは多孔質の骨材に丸く見えるものが点在しており、これはホウ酸アルミニウムであることを確認した。
1000°Cでも、800°Cの場合と同様の形態となっているが、1200°Cでは多孔質に見えた骨材は観察されなく緻密な組織を示しており、明らかに溶融したことを示している。この状態では、ホウ酸アルミニウムとして機能が低下するので、1200°C以下とすること、すなわち粒状材料の焼成温度を800〜1200°Cとするのが良いことが分った。
図6に各条件で製造した粒状材料の焼結温度1000°Cにおける比重を示す。前述のように、粒状材料は溶融アルミニウムの表面に浮かばないようにアルミニウムの比重より大きくなることが必要である。最も比重が大きくなるのは、骨材:ホウ酸アルミニウム=6:4で粒子径が2.8mm以下の場合であり、この前後では比重は小さくなる傾向を示した。
この理由はまだ不明だが、皿形造粒機による製造特性と推定される。この結果を基に、粒状材料径によらずほぼ一致した比重を示した骨材:ホウ酸アルミニウム=7:3の粒状材料を用いるのが有効である。
(アルミニウム合金溶湯への添加)
アルミニウムスクラップ塊150gをグラファイト製るつぼに入れ800°Cで溶解した。これに所定量の粒状材料を添加し、30分ごとに攪拌を行いながら大気中800°Cで2時間保持した。その後、50メッシュの金網(ステンレス製)にあけて粒状材料とアルミニウムを分離した。800°C焼成の粒状材料を溶湯へ添加及び保持した場合、一部攪拌の際に崩壊していくことが観察された。これは焼成温度が低く、粒状材料強度が不十分と考えられる。
一方、1000°C焼成した場合、焼結粒状材料には実験前後の粒状材料の崩壊は見られない。このことから、本実験における最適な粒状材料焼結温度は800°C以上が必要であり、好適には1000°Cであることが分った。
次に1000°Cで焼結した粒状材料の最適粒径について検討した。前述のように、粒状材料は直径約2.8mm以下、2.8mm〜4mm、4mm以上の3つに分けてそれぞれ溶湯に添加した。
今回の実験では、2.8mm〜4mmの場合が最も作業性が良かった。2.8mm以下では粒状材料の部分的な凝集及び溶湯表面近傍での粒状材料の浮遊が生じた。密度測定結果ではアルミニウムの比重よりも高い値を示したが、アルミニウム溶湯の表面張力や表面の酸化皮膜の影響を受けために浮遊が生じたと考えられる。
一方、4mm以上では、溶湯内部に確実に沈降する点では優位と思われたが、表面積が小さいために、反応の点では不十分と考えられる。これらのことから、確実に溶湯中に沈降し、粒状材料の凝集もなかった2.8mm〜4mmの場合が最適粒径であることが分った。
なお、この例は、骨材Aの種類と反応性物質Bの組合せがこのような結果になったのであって、他の組合せにおいては、類似の試験を実施することにより、最適な粒径とすることが可能であることが容易に理解できる。したがって、好適な粒径であるけれども、この数値限定に制限される必要がないことを理解すべきである。
(Mg除去の効果)
アルミニウムスクラップ塊150gをグラファイト製るつぼに入れ800°Cで溶解した。これに所定量の粒状材料を添加し、30分ごとに攪拌を行いながら大気中800°Cで2時間保持した。その後、50メッシュの金網(ステンレス製)にあけて粒状材料とアルミニウムを分離した。得られたアルミニウムは蛍光X線分析装置を用いてMg量の測定を行った。残った粒状材料はアルミニウム/粒状材料界面における反応についてEPMAを用いて測定した。
図7に、添加粒状材料量と粒状材料を添加及び保持後に粒状材料を取り除いた後の溶湯中Mg量の比較を示す。粒状材料は骨材:ホウ酸アルミニウム=7:3の粒状材料を1000°Cで2時間焼結、粒径2.8〜4mmのものを用い、150gの溶湯に対して最大80g添加した。元の溶湯のMg濃度は0.6%である。これに20g添加するとMg濃度は約0.35%に減少し、同様に50gでは約0.3%、80gでは約0.2%となり、明らかに粒状材料添加により溶湯中のMgは減少することが明らかとなった。
以上に示すように、ホウ酸アルミニウムを含有した粒状材料をアルミニウム溶湯に添加、保持することにより、溶湯中のMgは粒状材料に吸着される。これにより、溶湯中のMg量を低減できることが明らかとなった。ここでは、ホウ酸アルミニウムを例に説明した。ホウ酸アルミニウム(9Al2O3・2B2O3)はマグネシウムと反応して、その表面に反応生成物(MgAl2O4)を作る。この性質を利用してアルミニウム溶湯からのマグネシウムの除去するものである。
この例は、骨材Aとして、MnO2:45wt%、ZnO:40wt%、 Fe2O3:15wt%を使用し、反応性材料Bとして、ホウ酸アルミニウムを使用した場合について説明したが、採用する骨材Aの種類及び反応性物質Bを任意に組み合わせて、同様の結果を得ることができる。その時の最適条件は、類似の試験を実施することにより、容易に得ることができることは理解されるべきである。
(ディスクペレッターによるペレットの作製)
上記については、皿形造粒機による粒状材料の作製の具体例を説明したが、以下にペレットの製造例を示す。市販のディスクペレッターを用いてペレット(円柱)状試料の作製を行った。そこで、粒状材料形状の均一性を高めるためにペレット形状とした。
また、アルミニウム溶湯とホウ酸アルミニウムの反応を促進するためには接触面積をできるだけ大きくした方が望ましいので、粒状材料を多孔質にするために造孔剤を添加した。この造孔剤には、コーンスターチやポテトスターチ、米粉等を使用することができる。本例では低コストで最も入手しやすいこと、焼成後にできる孔の大きさの観点から、前記皿形造粒機の場合と同様に、小麦粉の精製時に生じるカス(小麦ふすま)を用いた。この他、メチルセルロースなども使用できる。
上記と同様の混合比、すなわち粒径約50μmの粉体状の骨材Aと反応性物質Bであるホウ酸アルミニウムを重量比8:2、7:3、6:4、5:5、3:7になるように秤量し、これに造孔剤として小麦ふすまを20%添加して合計2kgとしたものに約20%の水分を加え、V型混合機で30分間均一になるように混合した。この十分に混合した混合粉を、直径3mmの細孔から押しだし、直径約3mm長さ3mmのペレットを作製した。これを同様に、室温で一晩乾燥させた後に大気中800°C、1000°C、1200°Cの各温度で4時間焼結した。
このようにして得たペレットを用いて、アルミニウム溶湯のマグネシウムの除去を行ったが、上記と同様の結果となった。したがって、ペレットにおいても、皿形造粒機による粒状材料の製造と同一の効果を得ることができることが確認できた。
(アルミニウム溶湯中の鉄及びシリコンの除去効果)
溶湯中の鉄およびシリコンを除去する場合には、溶湯中に析出物として晶出させるために溶湯温度を720〜580°Cまで下げた。これによって、粒状材料の表面に鉄及びシリコンを多く含んだ析出物が補着されているのが確認できた。
本発明は、アルミニウムリサイクルの一手法として、アルミニウムスクラップ溶湯の高純度化を達成できる発明を提供するが、合金元素を吸着する性質を持つセラミックスの利用として、北海道で廃棄物化しているホタテ貝殻から精製した炭酸カルシウムを適用することも可能である。このように、従来法に比べて省力化、省エネルギー化、低コスト化かつ環境に配慮したアルミニウムリサイクル手法の技術確立を行うことが可能となる。
アルミニウム溶湯中に添加して攪拌・保持するだけでアルミニウム溶湯中の合金元素および介在物の除去ができ、複雑な装置が不要であり、工程が簡便となり、短時間で作業を行うことができ、さらには環境負荷の小さいという著しい効果を有するので、アルミニウム材料のリサイクル法として有用である。
ペレット又は粒状材料をアルミニウム又はその合金添加し、合金元素又は不純物を除去する模式図である。 粒状材料構造の断面模式図である。 800°C焼成後の粒状材料の断面組織を示す図である。 1000°C焼成後の粒状材料の断面組織を示す図である。 1200°C焼成後の粒状材料の断面組織を示す図である。 ホウ酸アルミニウムの添加量と比重の関係を示す図である。 添加粒状材料量と粒状材料を添加及び保持後に粒状材料を取り除いた後の溶湯中Mg量の比較を示す図である。
符号の説明
1:粒子
2:アルミニウム溶湯
3:インペラー
4:型(グラファイト)
5:パンチ
6:マグネシウムが除去されたアルミニウム溶湯
7:骨材
8:ほう酸アルミニウム

Claims (7)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金に含有するマグネシウムを除去してアルミニウムの純度を高めアルミニウムを回収する平均粒径が2.8mm〜4mmのペレット又は粒状材料であって、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金との撹拌・保持時に、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金と反応しないセラミックスからなる骨材Aと、該溶融アルミニウム又はアルミニウム合金に含有するマグネシウムと反応するホウ酸アルミニウム(物質B)との混合焼成体からなることを特徴とするアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料。
  2. 骨材Aが、MnO2、ZnO、Fe2O3、Fe3O4、K2O、SiO2、Al2O3、CaO、Ca(OH)2、Cr2O3、ZnMn2O4、ZnMnO3から選択した1成分以上の酸化物であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料。
  3. アルミニウム又はアルミニウム合金よりも大きい比重を備えていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料。
  4. 空孔率が30〜80%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料。
  5. 溶融アルミニウム又はアルミニウム合金及びマグネシウムと反応しない粉末状のセラミックスを骨材Aとし、この粉末状骨材Aに、溶融アルミニウム又はアルミニウム合金とは反応しないが、これに含まれるマグネシウムと反応するホウ酸アルミニウム(物質B)の粉末を混合してペレット又は粒状に形成し、さらに骨材Aと物質Bの混合ペレット又は粒状物を焼成することを特徴とするアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料の製造方法。
  6. アルミニウム又はアルミニウム合金スクラップを溶融し、この溶湯と反応しないセラミックスからなる骨材Aと該溶湯とは反応しないがアルミニウム又はアルミニウム合金に含まれるマグネシウムと反応するホウ酸アルミニウム(物質B)との混合焼成体からなるアルミニウム回収用ペレット又は粒状材料を該溶湯に添加及び撹拌し、アルミニウム回収用ペレット又は粒状材料にマグネシウムを反応又は吸着させ、アルミニウムに含まれるマグネシウムを除去してアルミニウムの純度を高めることを特徴とする純度の高いアルミニウムの回収方法。
  7. ペレット又は粒状材料を添加及び攪拌すると共に、アルミニウムの溶湯温度を低下させ、このときに晶出する鉄、シリコン等の不純物をペレット又は粒状材料の表面で捕着させ、ペレット又は粒状材料と共に、アルミニウムの溶湯から分離除去することを特徴とする請求項6記載のアルミニウムの回収方法。
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