JP5033975B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技盤に区画形成されて遊技者の操作によって遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に入賞した遊技球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段による遊技球の検出に応じて所定の開閉動作が可能な開閉部材、該開閉部材が開くことで遊技球が入賞可能となる球受入口、該球受入口から入った遊技球を転動させる転動部、該転動部を転動した遊技球の受け入れを可能として遊技者に利益を付与する利益付与状態が発生する特定受入領域及び前記利益付与状態が発生しない普通受入領域を有し、前記遊技領域内の前記始動入賞口とは異なる位置に配置された入賞装置と、を備えた遊技機に関するものである。
従来、一般に、遊技機の一例としてのパチンコ機には、始動入賞口への入賞に基づいて入賞装置の開閉部材を開放し、該入賞装置内に入った遊技球が転動部を転動した後、特定受入領域に入賞すると、遊技特典として利益付与状態を発生する(例えば、入賞装置の開閉部材を特別態様で開放する)ことで遊技者に多量の賞球を付与するものがある。また、このようなパチンコ機には、特定受入領域(大当り入賞口)に遊技球が送り込まれる割合が異なって設定された2つの転動部(回転体を備えた第三転動演出装置からなる転動部と、第二及び第四の転動演出装置からなる転動部)を入賞装置(役物)内に設け、入賞装置に入った遊技球を球振分手段(揺動可能な第一転動演出装置)によっていずれか一方の転動部に振り分けることで、入賞装置内での遊技球の球流れに対する興趣を低下しないようにしたもの(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
特開2006−247170号公報(図3)
ところで、上記特許文献1の構成では、特定受入領域に遊技球が送り込まれる割合、言い換えれば利益付与状態を発生させる割合が異なって設定された2つの転動部を設けたにも拘わらず、球振分手段による単調な揺動動作によってあっさりと遊技球の振り分けが行われてしまい、利益付与状態を発生させる割合が高い転動部に遊技球が振り分けられた場合でも、その旨を強調することがなく、遊技球の振り分けに対する興趣が低下していた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、特定受入領域に遊技球が送り込まれる割合が異なって設定された2つの転動部を備えた構成において、転動部への遊技球の振り分けに対する興趣の低下を抑制することができる遊技機を提供することにある。
(解決手段1)
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技盤に区画形成されて遊技者の操作によって遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に入賞した遊技球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段による遊技球の検出に応じて所定の開閉動作が可能な開閉部材、該開閉部材が開くことで遊技球が入賞可能となる球受入口、該球受入口から入った遊技球を転動させる転動部、該転動部を転動した遊技球の受け入れを可能として遊技者に利益を付与する利益付与状態が発生する特定受入領域及び前記利益付与状態が発生しない普通受入領域を有し、前記遊技領域内の前記始動入賞口とは異なる位置に配置された入賞装置と、を備えた遊技機であって、前記転動部は、前記特定受入領域又は前記普通受入領域への遊技球の送り込みを個々に行う第1及び第2の転動部から構成され、前記第2の転動部は、前記第1の転動部に比べて前記特定受入領域に遊技球を送り込む割合が高く設定され、前記入賞装置は、前記球受入口に入った遊技球を前記第1の転動部又は前記第2の転動部のいずれかに振り分ける球振分手段と、該球振分手段によって遊技球が前記第2の転動部に振り分けられたことを検出する第2転動検出手段と、電気的駆動源の駆動に基づいて、前記第2の転動部を遊技者側から視認困難に被覆する閉塞位置と、前記第2の転動部を遊技者側から視認できるように開放する開放位置と、の間で移行可能に設けられた第2転動開閉部材と、前記電気的駆動源の駆動を制御することで、前記第2転動開閉部材の前記閉塞位置と前記開放位置との間の移行動作を制御する移行制御手段と、を備え、前記移行制御手段は、前記第2転動検出手段の検出がないときは、前記第2転動開閉部材を前記閉塞位置に移行させ、前記第2転動検出手段の検出があると、前記第2転動開閉部材を前記閉塞位置から前記開放位置に所定期間移行させることで、前記第2の転動部での遊技球の転動を遊技者側から視認可能にすることを特徴とする。
この場合、入賞装置に入った遊技球が球振分手段によって第2の転動部に振り分けられると、第2転動検出手段の検出に基づいて、第2転動開閉部材が閉塞位置から開放位置に所定期間移行され、第2の転動部での遊技球の転動が遊技者側から視認可能になる。即ち、第2の転動部に遊技球が振り分けられないとき、言い換えれば入賞装置に遊技球が入賞しないとき又は第1の転動部に遊技球が振り分けられるときには、第2転動開閉部材は、第2の転動部を遊技者側から視認困難に被覆する閉塞位置にある。そして、特定受入領域に遊技球が送り込まれる割合、言い換えれば利益付与状態を発生させる割合が高い第2の転動部に遊技球が振り分けられると、第2転動開閉部材を開放位置に移行することで第2の転動部を視認可能にし、当該第2の転動部での遊技球の転動演出を遊技者に楽しませる。これにより、第2の転動部に遊技球が振り分けられた場合にのみ、第2の転動部を視認可能にできるので、第2の転動部に遊技球が振り分けられたことに対する価値観を高めることができ、ひいては転動部への遊技球の振り分けに対する興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段2)
解決手段1において、前記第2転動開閉部材は、遊技に応じた演出表示を行う演出表示装置から構成される。
この場合、演出表示装置の演出表示によって視覚的な興趣の低下を抑制することができ、然も当該演出表示装置で第2転動開閉部材を構成することにより、部品点数の削減と共に構成部材の配置スペースを有効に活用することができる。
(解決手段3)
解決手段2において、前記演出表示装置による演出表示を制御する演出表示制御手段を備え、該演出表示制御手段は、前記第2転動検出手段の検出があると、これに基づいて前記第2の転動部での遊技球の転動動作を演出する表示制御を行う。
この場合、第2の転動部での遊技球の転動動作を演出表示装置の演出表示によって盛り上げることができ、視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段4)
解決手段3において、前記入賞装置への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段を備え、前記演出表示制御手段は、前記入賞検出手段による遊技球の検出があり且つ当該遊技球の検出から所定期間が経過しても前記第2転動検出手段の検出がないと、これに基づいて前記第1の転動部での遊技球の転動動作を演出する表示制御を行う。
この場合、第1の転動部での遊技球の転動動作を演出表示装置の演出表示によって盛り上げることができ、視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段5)
解決手段1乃至解決手段4において、前記球振分手段は、上面が遊技球の転動面となる横長の棒形状をなし、電気的駆動源の駆動に基づいて支軸を中心に回動自在に設けられた振分転動部材から構成され、該振分転動部材は、前記支軸を中心とした一方向への回動により二方向(例えば、左右方向)における一方に下り傾斜した第1の転動位置と、前記支軸を中心とした他方向への回動により二方向における他方に下り傾斜した第2の転動位置との間で移行可能であり、前記第1の転動位置に移行した状態で前記入賞装置に入った遊技球を前記第1の転動部側に振り分ける一方、前記第2の転動位置に移行した状態で前記入賞装置に入った遊技球を前記第2の転動部側に振り分けることを特徴とする請求項1記載の遊技機
この場合、振分転動部材の二方向への傾斜によって遊技球を振り分けるというシーソー式の振分転動部材によって球振分手段を構成することで、単純明快な遊技球の振り分け構造とした上で、遊技球の振り分け動作に対する視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段6)
解決手段5において、電気的駆動源の駆動を制御することで前記振分転動部材の転動位置を前記第1の転動位置と前記第2の転動位置との間で一定の周期をもって交互に切り替える振分制御手段を備え、該振分制御手段は、前記振分転動部材を前記第2の転動位置に切り替える時間を前記第1の転動位置に切り替える時間に比べて短く設定していることを特徴とする請求項2記載の遊技機
この場合、特定受入領域に遊技球を送り込む割合が高く設定された第2の転動部への遊技球の振り分け比率を低く設定することで、より一層第2の転動部に遊技球が振り分けられることに対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技球の振り分けに対する興趣の低下を抑制することができる。
(解決手段7)
解決手段1乃至解決手段6において、前記入賞装置は、前記球振分手段によって振り分けられた遊技球を前記第1の転動部に誘導する第1の誘導通路と、前記球振分手段によって振り分けられた遊技球を前記第2の転動部に誘導する第2の誘導通路と、を備え、前記第2転動検出手段は、前記第2の誘導通路に設けられて当該誘導通路に送り込まれた遊技球を検出する通過検出スイッチから構成される。
この場合、球振分手段によって振り分けられた遊技球が第2の誘導通路を通過すると、これを通過検出スイッチが検出することで、球振分手段によって遊技球が第2の転動部側に振り分けられたことを判定し、第2転動開閉部材を閉塞位置から開放位置に所定期間移行させて第2の転動部での遊技球の転動を遊技者側から視認可能にするので、球振分手段によって遊技球が第2の転動部側に振り分けられたときには、確実に第2転動開閉部材を開放位置に移行させることができる。
(解決手段8)
解決手段1乃至解決手段7において、前記第2の転動部は、前記球振分手段によって振り分けられた遊技球を前記第2転動開閉部材の下側に誘導する第2の溝状通路と、該第2の溝状通路の下流端から排出される遊技球を前記第2転動開閉部材の下側部分で螺旋方向に転動するクルーン転動面と、を備え、前記第2の溝状通路は、遊技球の直径寸法よりも若干小さい溝幅寸法に形成された溝からなり、その溝の条設方向に沿って遊技球を誘導し、前記クルーン転動面には、遊技球よりも若干大きめの2つの開口が穿設されており、その一方の開口が前記特定受入領域をなし、他方の開口が前記普通受入領域をなす。
この場合、第2の溝状通路から排出される遊技球は、クルーン転動面に送り込まれ、クルーン転動面内を螺旋方向に転動した後、特定受入領域をなす開口又は普通受入領域をなす開口のいずれかに入り込む。これにより、単純な遊技球の転動動作で明確に遊技球を特定受入領域又は普通受入領域に振り分けることができる。
(解決手段9)
解決手段1乃至解決手段8において、前記第1の転動部は、前記球振分手段によって振り分けられた遊技球を前記第2転動開閉部材下方の前側に誘導する第1の溝状通路と、該第1の溝状通路の下流端から排出される遊技球を遊技者側となる前方に向って転動する傾斜転動面と、を備え、前記第1の溝状通路は、遊技球の直径寸法よりも若干小さい溝幅寸法に形成された溝からなり、その溝の条設方向に沿って遊技球を誘導し、前記第1の溝状通路の下流端は、溝幅寸法が扇状に徐々に拡大された球排出部として形成され、前記傾斜転動面上には、遊技球との衝突によって流下方向を変える障害突起が突設され、前記傾斜転動面の下流端側には、遊技球1個分の開口幅を有する前記特定受入領域が設けられる。
この場合、第1の溝状通路の下流端(球排出部)から排出される遊技球は、必ずしも傾斜転動面に向って真直ぐ排出されるのではなく、第1の溝状通路上を転動した遊技球の勢いに応じて、様々な方向で傾斜転動面に排出され、然も傾斜転動面上を転動する遊技球は、必ずしも球排出部からの排出方向によって一義的に傾斜転動面の下流端で排出される位置が決定されるのではなく、転動途中で障害突起と衝突するような場合には、これによって転動方向が変わるので、遊技球の転動動作、言い換えれば遊技球が特定受入領域に入るか否かに対する興趣の低下を抑制することができる。
本発明の構成によれば、入賞装置に入った遊技球が球振分手段によって第2の転動部に振り分けられると、第2転動検出手段の検出に基づいて、第2転動開閉部材が閉塞位置から開放位置に所定期間移行され、第2の転動部での遊技球の転動が遊技者側から視認可能になる。即ち、第2の転動部に遊技球が振り分けられないとき、言い換えれば入賞装置に遊技球が入賞しないとき又は第1の転動部に遊技球が振り分けられるときには、第2転動開閉部材は、第2の転動部を遊技者側から視認困難に被覆する閉塞位置にある。そして、特定受入領域に遊技球が送り込まれる割合、言い換えれば利益付与状態を発生させる割合が高い第2の転動部に遊技球が振り分けられると、第2転動開閉部材を開放位置に移行することで第2の転動部を視認可能にし、当該第2の転動部での遊技球の転動演出を遊技者に楽しませる。これにより、第2の転動部に遊技球が振り分けられた場合にのみ、第2の転動部を視認可能にできるので、第2の転動部に遊技球が振り分けられたことに対する価値観を高めることができ、ひいては転動部への遊技球の振り分けに対する興趣の低下を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、パチンコ機を示す正面図である。図2は、本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、遊技盤4、前面枠5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面一側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。また、本体枠3は、前枠体8、遊技盤装着枠9、及び機構装着枠10を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前側に形成された前枠体8は、外枠2前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。
前枠体8の後部に一体的に形成された遊技盤装着枠9には、遊技盤4が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤4の盤面(前面)には、外レールと内レールとを備えた案内レール11が設けられ、該案内レール11の内側には、遊技領域12が区画形成されている。遊技盤装着枠9よりも下方に位置する前枠体8の前側下部の一側寄りには、スピーカ装着板13を介して低音用スピーカ14が装着されている。また、前枠体8前面の下部領域内の上側部分には、遊技盤4の発射通路に向けて遊技球を導く発射レール15が傾斜状に装着されている。一方、前枠体8前面の下部領域内の下側部分には、下前面部材16が装着されている。下前面部材16前面のほぼ中央には、下皿17が設けられ、片側寄りには操作ハンドル18が設けられている。
本体枠3(前枠体8)のヒンジ機構7が設けられる側とは反対側となる開放側の後面には、外枠2に対して本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対して前面枠5を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置19が装着されている。施錠装置19は、外枠2に設けられた閉止具20に係脱可能に係合して本体枠3を閉鎖状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック21と、前面枠5の開放側の後面に設けられた閉止具22に係脱可能に係合して前面枠5を閉鎖状態に施錠する上下複数の扉施錠フック23とを備えている。そして、シリンダー錠24の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで、本体枠施錠フック21と外枠2の閉止具20との係合が解除されて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に鍵が回動操作されることで、扉施錠フック23と前面枠5の閉止具22との係合が解除されて前面枠5が解錠されるようになっている。なお、シリンダー錠24の前端部は、パチンコ機1の前方から鍵を挿入して解錠操作が行えるように、前枠体8及び下前面部材16を貫通して下前面部材16の前面に露出して配置されている。
本体枠3前面の一側には、ヒンジ機構25によって前面枠5が前方に開閉可能に装着されている。前面枠5は、扉本体フレーム26、サイド装飾装置27、上皿28、音響電飾装置29を備えて構成されている。扉本体フレーム26は、プレス加工された金属製フレーム部材によって構成され、前枠体8の上端から下前面部材16の上縁に亘る部分を覆う大きさに形成されている。扉本体フレーム26のほぼ中央には、遊技盤4の遊技領域12を前方から透視可能なほぼ円形状の開口窓30が形成されている。また、扉本体フレーム26の後側には、開口窓30よりも大きい矩形枠状をなす窓枠31が設けられ、該窓枠31には、透明板32が装着されている。
扉本体フレーム26の前側には、開口窓30の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置27が、下部に上皿28が、上部に音響電飾装置29が装着されている。サイド装飾装置27は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体33を主体として構成されている。サイド装飾体33には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ34が組み込まれている。音響電飾装置29は、透明カバー体35、スピーカ36、スピーカカバー37、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
次に、遊技盤4に区画形成された遊技領域12内に設けられる各種構成部材について図3を参照して説明する。図3は、遊技盤を示す正面図である。
遊技領域12のほぼ中央には、本実施形態の要部をなす入賞装置としての中央入賞装置40が配設されている。中央入賞装置40の下方には、それぞれ始動検出手段としての始動口スイッチ41a,42a(図7参照)を内蔵した左右の始動入賞口41,42が配置されている。始動入賞口41,42に打球が入賞すると、これを始動口スイッチ41a,42aが検出することで、中央入賞装置40を所定期間開放するようになっている。
始動入賞口41,42の下方には、横長長方形状の大入賞口61を開閉する開閉板62を有する大入賞口装置60が配設されている。大入賞口装置60は、大入賞口61(開閉板62)の開閉用駆動源となる大入賞口ソレノイド63と、大入賞口カウントスイッチ64と(共に図7参照)を備えている。大入賞口装置60の下方となる遊技領域12の最下部には、遊技領域12を流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球が取り込まれるアウト口65が設けられている。また、遊技領域12には、上記した構成以外にも、風車ランプ66aを内蔵した風車66、サイドランプ67aを内蔵したサイドランプ飾り67、等が設けられている。
遊技盤4に設けられる各種の入賞装置等によって実現される遊技について説明すると、パチンコ機1の裏面側に設けられる発射装置(図示しない)によって打ち出されて発射レール15及び案内レール11を通って遊技領域12に放出された遊技球は、遊技領域12を障害釘等に衝突しながらアウト口65に向かって流下する。遊技領域12を流下する遊技球が始動入賞口41,42に入賞して始動口スイッチ41a,42aによって検出されると、中央入賞装置40の後述する開閉片46が所定期間(例えば、0.3秒)開放され、中央入賞装置40に遊技球が入賞し得るようになっている。
そして、中央入賞装置40に遊技球が入賞して、その入賞球が中央入賞装置40内の後述する特定受入領域スイッチ76,83によって検出されると、利益付与状態としての「大当り遊技状態」となって、大入賞口装置60の開閉板62が手前側に倒れて大入賞口61を開放し、所定時間(例えば、30秒)、あるいは所定個数(例えば、9個)の入賞があるまで大入賞口61を開放した状態に維持する。その後、開閉板62の起立により大入賞口61が一旦閉じられ、再度、開閉板62が手前側に倒れることにより、大入賞口61が開放される開閉サイクル(ラウンド)を15回繰り返すようになっている。なお、実施形態中では、大当り遊技状態の発生に伴う開閉サイクルを一義的に15ラウンドに設定しているが、これに限定しない。例えば、ラウンド回数決定用の乱数を設けると共に、特定受入領域スイッチ76,83による遊技球の検出に基づいて乱数を抽出して、複数種類(例えば、3ラウンド、8ラウンド、15ラウンドの3種類)のラウンド回数のうちいずれかに決定するようにしてもよい。また、実施形態中では、中央入賞装置40以外に大入賞口装置60を設け、大当り遊技状態が発生すると、これに基づいて大入賞口装置60(大入賞口61)を開放して、遊技者に多量の賞球を付与し得る構成としているが、この構成に限定するものではない。例えば、大入賞口装置60を設けることなく、大当り遊技状態が発生すると、これに基づいて中央入賞装置40(開閉片46)を開放して、遊技者に多量の賞球を付与し得るようにしてもよい。
次に、本実施形態の要部をなす中央入賞装置40について、図4乃至図6を参照して説明する。図4は、中央入賞装置40を示す正面図である。図5は、中央入賞装置40を構成する液晶表示器55がクルーン転動面79を被覆した状態を示す斜視図である。図6は、中央入賞装置40を構成する液晶表示器55がクルーン転動面79を開放した状態を示す斜視図である。
中央入賞装置40は、図4に示すように、当該中央入賞装置40を遊技盤4の表面(遊技領域12)に取り付けるための取付基板43を有し、該取付基板43には、上部入賞空間44と下部入賞空間45が形成されている。上部入賞空間44には、左右一対の開閉片46(開閉部材)が回転可能に設けられている。開閉片46は、それぞれ周知のリンク機構を介して開閉片ソレノイド47(図7参照)が連結され、該開閉片ソレノイド47がONしたときに、球受入口としての上部入賞空間44を開放する方向に回転する一方、開閉片ソレノイド47がOFFしたときに、上部入賞空間44を閉鎖する方向に回転するようになっている。上部入賞空間44の底壁部分には、上部入賞空間44に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段としての開閉片カウントスイッチ48(図7参照)と、入賞球を後方に向かって転動させる上部転動板49とが設けられている。なお、開閉片カウントスイッチ48で検出された入賞球は、上部転動板49を流下した後に下部入賞空間45に送り込まれるようになっている。また、開閉片カウントスイッチ48による遊技球の検出に基づいて、払出装置103(図7参照)から所定数の賞球が払い出される。
一方、下部入賞空間45には、上部転動板49から送り込まれた遊技球を左右いずれかの方向に振り分ける球振分手段としての振分転動部材50と、該振分転動部材50によって左方向に振り分けられた遊技球を下方に誘導する第1の誘導通路としての左誘導通路51と、振分転動部材50によって右方向に振り分けられた遊技球を下方に誘導する第2の誘導通路としての右誘導通路52と、左誘導通路51を流下した遊技球を転動する第1の転動部53と、右誘導通路52を流下した遊技球を転動する第2の転動部54と、演出表示用の液晶表示器55(第2転動開閉部材、演出表示装置)と、が設けられている。
振分転動部材50は、上面が遊技球の転動面となる横長の棒形状をなし、上部転動板49の真下位置に配置されると共に、振分用モータ70(図7参照)の駆動に基づいて支軸50aを中心に回動自在に設けられている。そして、振分転動部材50は、支軸50aを中心とした反時計方向への回動により左方向に下り傾斜した第1の転動位置(図4に示す振分転動部材50の位置)と、支軸50aを中心とした時計方向への回動により右方向に下り傾斜した第2の転動位置との間で移行可能となっており、第1の転動位置に移行した状態で上部転動板49から送り込まれた遊技球を左誘導通路51に振り分ける一方、第2の転動位置に移行した状態で上部転動板49から送り込まれた遊技球を右誘導通路52に振り分けるようになっている。また、右誘導通路52の上側部分には、当該誘導通路に送り込まれた遊技球を検出するための第2転動検出手段としての通過検出スイッチ56が設けられている。
第1の転動部53は、図5に示すように、左誘導通路51を流下した遊技球を液晶表示器55下方の前側に誘導する第1の溝状通路としての左溝状通路71と、該左溝状通路71の下流端から排出される遊技球を遊技者側となる前方に向って転動する傾斜転動面72と、を備えている。左溝状通路71は、遊技球の直径寸法よりも若干小さい溝幅寸法に形成された溝からなり、その溝の条設方向に沿って遊技球を誘導するようになっている。また、左溝状通路71の下流端は、溝幅寸法が扇状に徐々に拡大された球排出部73として形成されている。これにより、左溝状通路71の下流端(球排出部73)から排出される遊技球は、必ずしも傾斜転動面72に向って真直ぐ排出されるのではなく、左溝状通路71上を転動した遊技球の勢いに応じて、様々な方向で傾斜転動面72に排出されるようになっている。
傾斜転動面72は、当該転動面の途中で前方への傾斜角度が緩やかになり、その緩やかな傾斜転動面上の左右2箇所には、障害突起74が突設されている。これにより、傾斜転動面72上を転動する遊技球は、必ずしも球排出部73からの排出方向によって一義的に傾斜転動面72の下流端で排出される位置が決定されるのではなく、転動途中で障害突起74と衝突するような場合には、これによって転動方向が変わるようになっている。
また、傾斜転動面72の下流端側の中央部分には、遊技球1個分の開口幅を有する特定受入口75(特定受入領域)が設けられており、該特定受入口75に入った遊技球は、特定受入領域スイッチ76(図7参照)によって検出される。また、特定受入口75に入ることなく傾斜転動面72の下流端から排出された遊技球、言い換えれば特定受入領域以外となる普通受入領域に送り込まれた遊技球は、普通受入領域スイッチ77(図7参照)によって検出される。
第2の転動部53は、図6に示すように、右誘導通路52を流下した遊技球を液晶表示器55の下側に誘導する第2の溝状通路としての右溝状通路78と、該右溝状通路78の下流端から排出される遊技球を液晶表示器55の下側部分で螺旋方向に転動するクルーン転動面79と、を備えている。但し、通常状態において、液晶表示器55は、図5に示すようなクルーン転動面79を上方から被覆した位置にあり、振分転動部材50によって中央入賞装置40に入賞した遊技球が右誘導通路52に振り分けられる(通過検出スイッチ56によって遊技球が検出される)ことで、図6に示すようなクルーン転動面79を遊技者側から視認可能にする位置に移動される。即ち、液晶表示器55は、電気的駆動源としてのスライド用モータ80(図7参照)の駆動に基づいて上下方向にスライド移動可能に設けられ、下方向にスライド移動した状態(以下、これを閉塞位置ともいう)ではクルーン転動面79を上方から被覆する一方、上方向にスライド移動した状態(以下、これを開放位置ともいう)ではクルーン転動面79を遊技者側から視認可能にする。具体的には、スライド用モータ80の回転駆動により、液晶表示器55の裏面部分と係合して設けられた搬送ベルトが正逆方向に回転することで、液晶表示器55の上下方向へのスライド移動が行われるようになっている。但し、液晶表示器55が閉塞位置に移動した状態は、クルーン転動面79を遊技者側から視認不可能にした状態であり、このような状態でも液晶表示器55と右溝状通路78との間には遊技球1個分程度の隙間が設けられている。即ち、液晶表示器55が閉塞位置にあっても、右溝状通路78の下流端から排出される遊技球をクルーン転動面79に送り込むことができる位置が液晶表示器55の閉塞位置となっている。
右溝状通路78は、左溝状通路71と同様に、遊技球の直径寸法よりも若干小さい溝幅寸法に形成された溝からなり、その溝の条設方向に沿って遊技球を誘導するようになっている。クルーン転動面79には、遊技球よりも若干大きめの2つの開口が穿設されており、その一方の開口が特定受入領域としての特定受入口81をなし、他方の開口が普通受入領域としての普通受入口82となっている。特定受入口81に入った遊技球は、特定受入領域スイッチ83(図7参照)によって検出され、普通受入口82に入った遊技球は、普通受入領域スイッチ84(図7参照)によって検出される。
次に、パチンコ機1の裏面側に設けられる主制御基板101及び周辺制御基板111(移行制御手段、演出表示制御手段)について図7を参照して説明する。図7は、主制御基板101及び周辺制御基板111を示すブロック図である。
図7に示すように、主制御基板101は、中央演算装置としてのCPU101a、読み出し専用メモリとしてのROM101b、読み書き可能メモリとしてのRAM101cを備えている。CPU101aは、ROM101bに格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺制御基板111や払出制御基板102に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM101cには、主制御基板101で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板101には、各カウントスイッチ48,64、始動口スイッチ41a,42a、特定受入領域スイッチ76,83、及び普通受入領域スイッチ77,84からの検出信号が入力される。一方、主制御基板101は、各ソレノイド47,63及び振分用モータ70,80へ駆動信号を出力する。また、主制御基板101は、払出制御基板102にコマンド信号を出力する。そして、払出制御基板102は、主制御基板101から入力したコマンド信号を処理して、払出装置103(払出モータ)に駆動信号を出力する。これにより、払出装置103は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
周辺制御基板111は、CPU111a、ROM111b、RAM111cを備えている。CPU111aは、ROM111bに格納されている制御プログラムに従ってコマンド信号を処理する。RAM111cには、周辺制御基板111で実行される種々の処理において生成される各種データや入出力信号等の情報が一時的に記憶される。周辺制御基板111は、主制御基板101からのコマンド信号に基づいてスピーカ36、風車ランプ66a、及びサイドランプ67aを制御する。また、周辺制御基板111は、液晶制御基板104にコマンド信号を出力する。そして、液晶制御基板104は、周辺制御基板111から入力したコマンド信号を処理して、液晶表示器55に駆動信号を出力する。また、周辺制御基板111には、通過検出スイッチ56からの検出信号が入力され、該検出信号の入力に基づいてスライド用モータ80へ駆動信号を出力する。
次に、中央入賞装置40に入賞した遊技球の流れについて図8及び図9を参照して説明する。図8は、中央入賞装置40に入賞した遊技球が第1の転動部53を転動する場合の各種構成部材の動作を示すタイムチャートである。図9は、中央入賞装置40に入賞した遊技球が第2の転動部54を転動する場合の各種構成部材の動作を示すタイムチャートである。
先ず、振分転動部材50の第1の転動位置への移行に伴って遊技球が左誘導通路51を通って第1の転動部53に送り込まれる場合について図8を参照して説明する。図8において、始動入賞口41,42への遊技球の入賞に基づいて始動口スイッチ41a,42aがONすると、その0.2秒後に中央入賞装置40の開閉片46が0.3秒間開放される。そして、当該開閉片46の開放に伴って上部入賞空間44内に遊技球が入賞すると、該遊技球は、開閉片カウントスイッチ48によって検出される。なお、このとき、開閉片46の開放開始時点から0.5秒が経過するまでの期間内で、開閉片カウントスイッチ48による遊技球の検出がない場合、即ち、開閉片46が開放されたにも拘わらず上部入賞空間44内に遊技球が入賞しなかった場合、この時点までに次位の始動入賞口41,42への入賞(始動口スイッチ41a,42aのON)が検出されていると、最初の開閉片46の開放開始から0.5秒が経過した時点で、次位の始動口スイッチ41,42のONに基づく開閉片46の開放が開始される。
一方、開閉片46の開放開始時点から0.5秒が経過するまでの期間内で、開閉片カウントスイッチ48による遊技球の検出があると(開閉片46の開放に伴って上部入賞空間44内に遊技球が入賞すると)、当該遊技球は、上部転動板49を流下して下部入賞空間45に送り込まれ、下部入賞空間45の振分転動部材50によって流下方向が左誘導通路51に振り分けられる。なお、このような振分転動部材50による遊技球の振り分けは、遊技球が振分転動部材50上に送り込まれたタイミングで振分転動部材50が第1の転動位置にあるか又は第2の転動位置にあるかで決定される。即ち、遊技球が振分転動部材50上に送り込まれたタイミングで振分転動部材50が左方向に下り傾斜した第1の転動位置にある場合、遊技球は左誘導通路51に振り分けられる一方、遊技球が振分転動部材50上に送り込まれたタイミングで振分転動部材50が右方向に下り傾斜した第2の転動位置にある場合、遊技球は右誘導通路52に振り分けられる。
但し、振分転動部材50の転動位置は、第1の転動位置と第2の転動位置との間で一定の周期をもって交互に切り替えられるようになっている。具体的には、主制御基板101のCPU101a(振分制御手段)によって振分用モータ70の駆動を制御することで、4.0秒間の第1の転動位置の状態と、0.8秒間の第2の転動位置の状態とを交互に繰り返すようになっている。このため、振分転動部材50による遊技球の振り分け比率(左誘導通路51への振り分けと右誘導通路52への振り分け)は、3:1に設定されている。
左誘導通路51に振り分けられた遊技球は、左誘導通路51を流下した後、左溝状通路71を通って液晶表示器55下方の前側に誘導され、左溝状通路71の球排出部73から傾斜転動面72に排出される。このとき、遊技球は、右誘導通路52を流下することがない、言い換えれば通過検出スイッチ56がONしないので、主制御基板101のCPU101aによるスライド用モータ80の駆動制御に基づき、液晶表示器55は、第2の転動部54のクルーン転動面79を上方から被覆した閉塞位置が継続される。
その後、傾斜転動面72に排出される遊技球は、前述したように溝幅寸法が扇状に徐々に拡大された球排出部73から排出されるため、必ずしも傾斜転動面72に向って真直ぐ排出されるのではなく、左溝状通路71上を転動した遊技球の勢いに応じて様々な方向で傾斜転動面72に排出される。そして、障害突起74との衝突の有無に関わらず、傾斜転動面72上を転動した遊技球が、傾斜転動面72の下流端側の中央部分に設けられた特定受入口75に入ると、特定受入領域スイッチ76がONすることで、大当り遊技状態が発生される。一方、傾斜転動面72上を転動した遊技球が、特定受入口75に入ることなく傾斜転動面72の下流端から排出された場合には、普通受入領域スイッチ77がONすることで、大当り遊技状態は発生されない。
ところで、本実施形態では、球排出部73、傾斜転動面72、障害突起74等の形状設定により、傾斜転動面72に排出された遊技球、言い換えれば第1の転動部53を転動する遊技球が特定受入口75に入る割合をほぼ10%に設定している。具体的には、中央入賞装置40に入賞した遊技球が左誘導通路51に振り分けられた場合、10回のうち1回の割合で遊技球が特定受入口75に入って大当り遊技状態が発生するようになっている。
また、左誘導通路51に遊技球が振り分けられる場合の液晶表示器55の演出表示は、開閉片カウントスイッチ48が遊技球を検出するまでは、通常時の演出画像(図示しない)が表示され、開閉片カウントスイッチ48がONすると同時に、中央入賞装置40への入賞時の演出画像(図示しないが、例えば、中央入賞装置40に遊技球が入賞した旨を遊技者に認識させる演出用の画像)に切り替えられる。そして、開閉片カウントスイッチ48のON時点から1.0秒が経過するまでの期間内で通過検出スイッチ56がONしないことで、周辺制御基板111のCPU111aは、遊技球が左誘導通路51に振り分けられたことを判別し、これと同時に、液晶表示器55の演出表示は、第1の転動部53上での遊技球の転動動作を盛り上げる第1転動時演出用の画像に切り替えられる。その後、第1の転動部53を転動した遊技球が特定受入領域スイッチ76によって検出されると、これと同時に、液晶表示器55の演出表示は、大当り遊技状態の発生を遊技者に認識させる大当り表示に切り替えられる。一方、第1の転動部53を転動した遊技球が普通受入領域スイッチ77によって検出されると、これと同時に、液晶表示器55の演出表示は、大当り遊技状態の発生がないことを遊技者に認識させるハズレ表示に切り替えられ、その後、通常時の演出画像に戻る。
次に、振分転動部材50の第2の転動位置への移行に伴って遊技球が右誘導通路52を通って第2の転動部54に送り込まれる場合について図9を参照して説明する。図9において、始動入賞口41,42への遊技球の入賞に基づいて始動口スイッチ41a,42aがONすると、前述した遊技球が第1の転動部53に送り込まれる場合と同様に、その0.2秒後に中央入賞装置40の開閉片46が0.3秒間開放される。そして、当該開閉片46の開放に伴って上部入賞空間44内に遊技球が入賞すると、該遊技球は、開閉片カウントスイッチ48によって検出される。その後、遊技球は、上部転動板49を流下して下部入賞空間45に送り込まれ、下部入賞空間45の振分転動部材50によって流下方向が右誘導通路52に振り分けられる。即ち、この場合には、右方向に下り傾斜した第2の転動位置のタイミングで遊技球が振分転動部材50上に送り込まれる。
右誘導通路52に振り分けられた遊技球は、先ず、通過検出スイッチ56によって検出され、右誘導通路52を流下した後に右溝状通路78を通って液晶表示器55下方のクルーン転動面79に送り込まれる。なお、液晶表示器55は、通過検出スイッチ56がONする(通過検出スイッチ56によって遊技球が検出される)前は図5に示す閉塞位置にあり、通過検出スイッチ56がONすると、これと同時にスライド用モータ80の駆動が制御されて所定期間(10.0秒)だけ開放位置に移行される。即ち、振分転動部材50によって遊技球が右誘導通路52に振り分けられた場合、通常状態では液晶表示器55で被覆されて視認できないクルーン転動面79が視認可能になり、該視認可能となったクルーン転動面79で遊技球の転動が行われるようになっている。
そして、クルーン転動面79に送り込まれた遊技球は、クルーン転動面79内を螺旋方向に転動し、最終的には、クルーン転動面79に穿設された特定受入口81又は普通受入口82のいずれかに入る。特定受入口81に遊技球が入ると、特定受入領域スイッチ83がONすることで、大当り遊技状態が発生される。一方、普通受入口82に遊技球が入ると、普通受入領域スイッチ84がONすることで、大当り遊技状態は発生されない。
ところで、本実施形態では、特定受入口81及び普通受入口82の形状設定や穿設位置等により、クルーン転動面79に送り込まれた遊技球、言い換えれば第2の転動部54を転動する遊技球が特定受入口81に入る割合をほぼ50%に設定している。具体的には、中央入賞装置40に入賞した遊技球が右誘導通路52に振り分けられた場合、2回のうち1回の割合で遊技球が特定受入口81に入って大当り遊技状態が発生するようになっている。
また、右誘導通路52に遊技球が振り分けられる場合の液晶表示器55の演出表示は、左誘導通路51に遊技球が振り分けられる場合と同様に、開閉片カウントスイッチ48が遊技球を検出するまでは、通常時の演出画像(図示しない)が表示され、開閉片カウントスイッチ48がONすると同時に、中央入賞装置40への入賞時の演出画像に切り替えられる。そして、開閉片カウントスイッチ48のON時点から1.0秒が経過するまでの期間内で通過検出スイッチ56がONすることで、周辺制御基板111のCPU111aは、遊技球が右誘導通路52に振り分けられたことを判別し、通過検出スイッチ56のONと同時に、液晶表示器55の演出表示は、第2の転動部54上での遊技球の転動動作を盛り上げる第2転動時演出用の画像に切り替えられる。その後、第2の転動部54を転動した遊技球が特定受入領域スイッチ83によって検出されると、これと同時に、液晶表示器55の演出表示は、大当り遊技状態の発生を遊技者に認識させる大当り表示に切り替えられる。一方、第2の転動部54を転動した遊技球が普通受入領域スイッチ84によって検出されると、これと同時に、液晶表示器55の演出表示は、大当り遊技状態の発生がないことを遊技者に認識させるハズレ表示に切り替えられ、その後、通常時の演出画像に戻る。
以上のように、本実施形態の構成によれば、中央入賞装置40に入った遊技球が球振分手段(振分転動部材50)によって第2の転動部54に振り分けられると、通過検出スイッチ56の検出に基づいて、液晶表示器55が閉塞位置から開放位置に所定期間移行され、第2の転動部54での遊技球の転動が遊技者側から視認可能になる。即ち、第2の転動部54に遊技球が振り分けられないとき、言い換えれば中央入賞装置40に遊技球が入賞しないとき又は第1の転動部53に遊技球が振り分けられるときには、液晶表示器55は、第2の転動部54を遊技者側から視認困難に被覆する閉塞位置にある。そして、特定受入口81に遊技球が送り込まれる割合、言い換えれば大当り遊技状態を発生させる割合が高い第2の転動部54に遊技球が振り分けられると、液晶表示器55を開放位置に移行することで第2の転動部54を視認可能にし、当該第2の転動部54での遊技球の転動演出を遊技者に楽しませる。これにより、第2の転動部54に遊技球が振り分けられた場合にのみ、第2の転動部54を視認可能にできるので、第2の転動部54に遊技球が振り分けられたことに対する価値観を高めることができ、ひいては転動部への遊技球の振り分けに対する興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る第2転動開閉部材は、遊技に応じた演出表示を行う液晶表示器55から構成される。これにより、液晶表示器55の演出表示によって視覚的な興趣の低下を抑制することができ、然も当該液晶表示器55で第2転動開閉部材を構成することにより、部品点数の削減と共に構成部材の配置スペースを有効に活用することができる。
また、通過検出スイッチ56の検出があると、これに基づいて第2の転動部54での遊技球の転動動作を液晶表示器55で演出する表示制御を行うので、第2の転動部54での遊技球の転動動作を液晶表示器55の演出表示によって盛り上げることができ、視覚的な興趣の低下を抑制することができる。また、開閉片カウントスイッチ48による遊技球の検出があり且つ当該遊技球の検出から所定期間が経過しても通過検出スイッチ56の検出がないと、これに基づいて第1の転動部53での遊技球の転動動作を液晶表示器55で演出する表示制御を行うので、第1の転動部53での遊技球の転動動作を液晶表示器55の演出表示によって盛り上げることができ、視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る球振分手段は、上面が遊技球の転動面となる横長の棒形状をなし、振分用モータ70の駆動に基づいて支軸50aを中心に回動自在に設けられた振分転動部材50から構成され、該振分転動部材50は、支軸50aを中心とした一方向(反時計方向)への回動により左右方向における一方(左方向)に下り傾斜した第1の転動位置と、支軸50aを中心とした他方向(時計方向)への回動により左右方向における他方(右方向)に下り傾斜した第2の転動位置との間で移行可能であり、第1の転動位置に移行した状態で中央入賞装置40に入った遊技球を第1の転動部53側に振り分ける一方、第2の転動位置に移行した状態で中央入賞装置40に入った遊技球を第2の転動部54側に振り分ける。これにより、の左右方向への傾斜によって遊技球を振り分けるというシーソー式の振分転動部材50によって球振分手段を構成することで、単純明快な遊技球の振り分け構造とした上で、遊技球の振り分け動作に対する視覚的な興趣の低下を抑制することができる。
また、振分用モータ70の駆動を制御することで振分転動部材50の転動位置を第1の転動位置と第2の転動位置との間で一定の周期をもって交互に切り替え、振分転動部材50を第2の転動位置に切り替える時間を第1の転動位置に切り替える時間に比べて短く設定している。これにより、特定受入口81に遊技球を送り込む割合が高く設定された第2の転動部54への遊技球の振り分け比率を低く設定することで、より一層第2の転動部54に遊技球が振り分けられることに対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技球の振り分けに対する興趣の低下を抑制することができる。
また、中央入賞装置40は、振分転動部材50によって振り分けられた遊技球を第1の転動部53に誘導する左誘導通路51と、振分転動部材50によって振り分けられた遊技球を第2の転動部54に誘導する右誘導通路52と、を備え、本発明に係る第2転動検出手段は、右誘導通路52に設けられて当該誘導通路52に送り込まれた遊技球を検出する通過検出スイッチ56から構成される。これにより、振分転動部材50によって振り分けられた遊技球が右誘導通路52を通過すると、これを通過検出スイッチ56が検出することで、振分転動部材50によって遊技球が第2の転動部54側に振り分けられたことを判定し、液晶表示器55を閉塞位置から開放位置に所定期間移行させて第2の転動部54での遊技球の転動を遊技者側から視認可能にするので、振分転動部材50によって遊技球が第2の転動部54側に振り分けられたときには、確実に液晶表示器55を開放位置に移行させることができる。
また、第2の転動部54は、振分転動部材50によって振り分けられた遊技球を液晶表示器55の下側に誘導する右溝状通路78と、該右溝状通路78の下流端から排出される遊技球を液晶表示器55の下側部分で螺旋方向に転動するクルーン転動面79と、を備え、右溝状通路78は、遊技球の直径寸法よりも若干小さい溝幅寸法に形成された溝からなり、その溝の条設方向に沿って遊技球を誘導し、クルーン転動面79には、遊技球よりも若干大きめの2つの開口が穿設されており、その一方の開口が特定受入口81をなし、他方の開口が普通受入口82をなす。これにより、右溝状通路78から排出される遊技球は、クルーン転動面79に送り込まれ、クルーン転動面79内を螺旋方向に転動した後、特定受入口81又は普通受入口82のいずれかに入り込む。これにより、単純な遊技球の転動動作で明確に遊技球を特定受入口81又は普通受入口82に振り分けることができる。
また、第1の転動部53は、振分転動部材50によって振り分けられた遊技球を液晶表示器55下方の前側に誘導する左溝状通路71と、該左溝状通路71の下流端から排出される遊技球を遊技者側となる前方に向って転動する傾斜転動面と、を備え、左溝状通路71は、遊技球の直径寸法よりも若干小さい溝幅寸法に形成された溝からなり、その溝の条設方向に沿って遊技球を誘導し、左溝状通路71の下流端は、溝幅寸法が扇状に徐々に拡大された球排出部として形成され、傾斜転動面72上には、遊技球との衝突によって流下方向を変える障害突起74が突設され、傾斜転動面72の下流端側には、遊技球1個分の開口幅を有する特定受入口75が設けられる。これにより、左溝状通路71の下流端(球排出部73)から排出される遊技球は、必ずしも傾斜転動面72に向って真直ぐ排出されるのではなく、左溝状通路71上を転動した遊技球の勢いに応じて、様々な方向で傾斜転動面72に排出され、然も傾斜転動面72上を転動する遊技球は、必ずしも球排出部73からの排出方向によって一義的に傾斜転動面72の下流端で排出される位置が決定されるのではなく、転動途中で障害突起74と衝突するような場合には、これによって転動方向が変わるので、遊技球の転動動作、言い換えれば遊技球が特定受入口75に入るか否かに対する興趣の低下を抑制することができる。
パチンコ機を示す正面図である。 本体枠及び前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。 遊技盤を示す正面図である。 中央入賞装置を示す正面図である。 中央入賞装置を構成する液晶表示器がクルーン転動面を被覆した状態を示す斜視図である。 中央入賞装置を構成する液晶表示器がクルーン転動面を開放した状態を示す斜視図である。 主制御基板及び周辺制御基板を示すブロック図である。 中央入賞装置に入賞した遊技球が第1の転動部を転動する場合の各種構成部材の動作を示すタイムチャートである。 中央入賞装置に入賞した遊技球が第2の転動部を転動する場合の各種構成部材の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 パチンコ機(遊技機)
4 遊技盤
12 遊技領域
40 中央入賞装置(入賞装置)
41,42 始動入賞口
41a,42a 始動口スイッチ(始動検出手段)
44 上部入賞空間(球受入口)
46 開閉片(開閉部材)
48 開閉片カウントスイッチ(入賞検出手段)
50 振分転動部材(球振分手段)
51 左誘導通路(第1の誘導通路)
52 右誘導通路(第2の誘導通路)
53 第1の転動部
54 第2の転動部
55 液晶表示器(第2転動開閉部材、演出表示装置)
56 通過検出スイッチ(第2転動検出手段)
60 大入賞口装置
61 大入賞口
71 左溝状通路(第1の溝状通路)
72 傾斜転動面
73 球排出部
74 障害突起
78 右溝状通路(第2の溝状通路)
75,81 特定受入口(特定受入領域)
76,83 特定受入領域スイッチ
77,83 普通受入領域スイッチ
79 クルーン転動面
80 スライド用モータ(電気的駆動源)
82 普通受入口(普通受入領域)
101 主制御基板(振分制御手段)
111 周辺制御基板(移行制御手段、演出表示制御手段)

Claims (3)

  1. 遊技盤に区画形成されて遊技者の操作によって遊技球が打ち込まれる遊技領域と、該遊技領域内に配置されて遊技球の入賞が可能な始動入賞口と、該始動入賞口に入賞した遊技球を検出する始動検出手段と、該始動検出手段による遊技球の検出に応じて所定の開閉動作が可能な開閉部材、該開閉部材が開くことで遊技球が入賞可能となる球受入口、該球受入口から入った遊技球を転動させる転動部、該転動部を転動した遊技球の受け入れを可能として遊技者に利益を付与する利益付与状態が発生する特定受入領域及び前記利益付与状態が発生しない普通受入領域を有し、前記遊技領域内の前記始動入賞口とは異なる位置に配置された入賞装置と、を備えた遊技機であって、
    前記転動部は、前記特定受入領域又は前記普通受入領域への遊技球の送り込みを個々に行う第1及び第2の転動部から構成され、前記第2の転動部は、前記第1の転動部に比べて前記特定受入領域に遊技球を送り込む割合が高く設定され、
    前記入賞装置は、
    前記球受入口に入った遊技球を前記第1の転動部又は前記第2の転動部のいずれかに振り分ける球振分手段と、
    該球振分手段によって遊技球が前記第2の転動部に振り分けられたことを検出する第2転動検出手段と、
    電気的駆動源の駆動に基づいて、前記第2の転動部を遊技者側から視認困難に被覆する閉塞位置と、前記第2の転動部を遊技者側から視認できるように開放する開放位置と、の間で移行可能に設けられた第2転動開閉部材と、
    前記電気的駆動源の駆動を制御することで、前記第2転動開閉部材の前記閉塞位置と前記開放位置との間の移行動作を制御する移行制御手段と、を備え、
    前記移行制御手段は、前記第2転動検出手段の検出がないときは、前記第2転動開閉部材を前記閉塞位置に移行させ、前記第2転動検出手段の検出があると、前記第2転動開閉部材を前記閉塞位置から前記開放位置に所定期間移行させることで、前記第2の転動部での遊技球の転動を遊技者側から視認可能にすることを特徴とする遊技機。
  2. 前記球振分手段は、上面が遊技球の転動面となる横長の棒形状をなし、電気的駆動源の駆動に基づいて支軸を中心に回動自在に設けられた振分転動部材から構成され、
    該振分転動部材は、前記支軸を中心とした一方向への回動により二方向における一方に下り傾斜した第1の転動位置と、前記支軸を中心とした他方向への回動により二方向における他方に下り傾斜した第2の転動位置との間で移行可能であり、前記第1の転動位置に移行した状態で前記入賞装置に入った遊技球を前記第1の転動部側に振り分ける一方、前記第2の転動位置に移行した状態で前記入賞装置に入った遊技球を前記第2の転動部側に振り分けることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記遊技機は、電気的駆動源の駆動を制御することで前記振分転動部材の転動位置を前記第1の転動位置と前記第2の転動位置との間で一定の周期をもって交互に切り替える振分制御手段を備え、
    該振分制御手段は、前記振分転動部材を前記第2の転動位置に切り替える時間を前記第1の転動位置に切り替える時間に比べて短く設定していることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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