以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の概略正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図である。図3は、本実施例のパチンコ機10の電気的接続を例示するブロック図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(図2を用いて後述する遊技領域30aと同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
図2に示すように、遊技盤30は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図3参照)などで構成されている。音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカ48(図3参照)からの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部102(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部103(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部104(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部102および第2電飾部103には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙S1(図2参照)などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略縦長楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図1参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部55(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30の右側が仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長楕円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
また、遊技盤30は、図2に示すように、盤面下方の左側および右側の2箇所にそれぞれ配置された第1始動口31と、盤面下方左側の第1始動口31の下方に配置された第2始動口33とを備えている。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で遊技領域30aの中央箇所に縦長の遊技ユニット200が配設されている。
この遊技ユニット200は、図2に示すように、上から順に表示装置60と入賞装置40とを縦方向に並べて一体化したユニットである。表示装置60は、表示画面61を備え、この表示画面61に所定の演出表示(例えば、入賞装置40の状態に応じた所定の演出表示など)をするものである。入賞装置40は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて、遊技領域30aを流下する遊技球Bの入球が可能となるものである。
さらに、この遊技ユニット200は、図2に示すように、その正面視で、表示装置60の表示画面61の外周全体に配置され、且つ、表示画面61の角部を隠した状態で配置されるセンターフレーム90を備えている。なお、このセンターフレーム90は、表示画面61の周囲の少なくとも一部に配置されるものとしてもよい。例えば、センターフレーム90は、表示画面61の端部を隠した状態で配置されたものであってもよいし、表示画面61を隠さずにこの表示画面61の周囲の少なくとも一部に配置されたものとしてもよい。
ここで、遊技ユニット200における表示装置60と入賞装置40とセンターフレーム90との構造について、図4〜図6も用いてもう少し詳細に説明する。図4は、一対の羽根41a,41bが閉状態の場合の遊技ユニット200を前方右上から見た斜視図である。図5は、一対の羽根41a,41bが開状態の場合の遊技ユニット200を前方右上から見た斜視図である。図6は、入賞装置40の羽根41a,41bが閉状態の場合での遊技ユニット200の正面図である。なお、図4,図5では、案内通路部92の一部の図示を省略した図としている。
遊技ユニット200は、図2に示すように、遊技盤30の遊技領域30aの中央箇所に取り付けられており、表示装置60と入賞装置40とが遊技領域30aの幅方向の中央箇所で且つその順に上から縦方向に並設された状態となっている。
また、遊技ユニット200は、図4〜図6に示すように、センターフレーム90と入賞装置40とを一体的に形成したものである。つまり、センターフレーム90と入賞装置40の後述する本体部材210とが組み付けられることで一体物構造となっている。なお、センターフレーム90と入賞装置40の後述する本体部材210とを分離不可に例えば樹脂成型することで一体物構造としてもよい。
また、遊技盤30は、図2に示すように、その遊技領域30aでの最下部箇所に、第1始動口31や第2始動口33や入賞装置40に入らなかった遊技球Bを回収するアウト口36を備えている。
これらの第1始動口31,第2始動口33,遊技ユニット200(入賞装置40,センターフレーム90)等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔247a(図示省略)にそれぞれに配設され、遊技盤30の前面側からネジ等により取り付けられている。なお、上述した第1始動口31,第2始動口33は本発明における入球手段に相当する。
ここで、センターフレーム90の構造について説明する。センターフレーム90は、図2,図4〜図6に示すように、遊技球Bが入球可能な入球口91を例えば左右両側箇所にそれぞれ備えている。また、センターフレーム90は、図2,図4,図6に示すように、この入球口91に入球した遊技球Bを通過案内する案内通路部92と、この案内通路部92で案内された遊技球Bを視認可能に揺動(あるいは転動、移動、一方通行などであってもよい)させる、表示装置60の下方位置に設けられた揺動ステージ93と、この揺動ステージ93で揺動された遊技球Bを表示装置60の下方位置で表示画面61のその画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出する排出部94とを備えている。
揺動ステージ93は、図4に示すように、正面視で幅方向に遊技球Bが揺動する複数段(実施例では2段)の揺動面を備えている。具体的には、この2段の揺動面は、最奥側で上段の第1揺動面93aと、それよりも手前側で且つ下段の第2揺動面93bとで構成されており、第1揺動面93aと第2揺動面93bの順に遊技球Bが流下していくようになっている。
排出部94は、図4〜図6に示すように、揺動ステージ93からの遊技球Bを表示装置60の下方位置で表示画面61の画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出するものである。
続いて、遊技ユニット200でのセンターフレーム90の真下位置の入賞装置40について、図7〜図18も用いて説明する。
図7は、正面右上から見た入賞装置40の概略分解斜視図である。図8は、正面右上から見た入賞装置40の詳細分解斜視図である。図9は、裏面左上から見た入賞装置40の詳細分解斜視図である。図10は、開閉入球部220からの遊技球Bが第1振り分け部材230へ案内される様子を示す入賞装置40の内部を正面右上から見た一部破断分解斜視図である。図11は、開閉入球部220からの遊技球Bが別通路265を通ってステージ250へ案内される様子を示す入賞装置40の内部を正面右上から見た一部破断斜視図である。図12は、開閉入球部220からの遊技球Bが導入通路部222を通って第1振り分け部材230へ案内される様子を示す図であって図6のA−A線断面図である。図13は、開閉入球部220からの遊技球Bが導入通路部222を通って第1振り分け部材230へ案内される様子を示す図であって図6のB−B線断面図である。図14は、図13での第1振り分け部材230を除いた図である。図15(a)は第1振り分け部材230の平面図、図15(b)は第2振り分け部材240の平面図、図15(c)は第1振り分け部材230と第2振り分け部材240との位置関係を説明するための平面図である。図16は、入賞装置40のステージ250の平面図である。図17(a)はステージ250の山部252が一方側(特定入賞部260側:下流側)に位置するときの入賞装置40の縦断面図であり、図17(b)は、図17(a)での遊技球Bの流れを説明するための図である。図18(a)はステージ250の山部252が他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)に位置するときの入賞装置40の縦断面図であり、図18(b)は、図18(a)での遊技球Bの流れを説明するための図である。
入賞装置40は、図2,図4〜図6に示すように、入球した遊技球Bの挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材210と、この本体部材210での排出部94の直下箇所に設けられ、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが入球可能な開状態に変移する開閉入球部220と、この開閉入球部220に入球した遊技球Bを当該入賞装置40の内部に導く導入通路部222と、本体部材210の内部空間に設けられ、導入通路部222で本体部材210の内部空間に案内された遊技球Bを滞留させて振り分ける第1振り分け部材230と、この第1振り分け部材230で振り分けられた遊技球Bを滞在させて振り分ける可動式の第2振り分け部材240と、この第2振り分け部材240からの遊技球Bや後述する別通路265からの遊技球Bが移動(流下)可能なステージ250と、本体部材210の内部空間でステージ250の一方側(特定入賞部260側)に設けられ、第2振り分け部材240で振り分けられた遊技球Bの入球が可能で、且つ、遊技球Bが入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部260(Vゾーン)と、本体部材210の内部空間でステージ250の一方側(特定入賞部260側)に設けられ、この特定入賞部260(Vゾーン)とは別の入賞部であって、第2振り分け部材240で振り分けられた遊技球Bが入球可能な普通入賞部262とを備えている。
なお、この普通入賞部262は、図4に示すように、特定入賞部260(Vゾーン)の両側にそれぞれ設けられており、ステージ250を移動(流下)する遊技球Bはこのステージ250の一方側の特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに入球するようになっている。
本体部材210は、図7〜図9に示すように、その前面側に位置し、視認用開口211aを有する前面側部材211と、その右側に位置する右側部材212と、その左側に位置する左側部材213と、その背面側に位置する背面側部材214と、その上側に位置する上部側部材215と、その底面側に位置する底面側部材216とを備え、これらの前面側部材211と右側部材212と左側部材213と背面側部材214と上部側部材215と底面側部材216とで囲まれた内部空間を形成している。
開閉入球部220は、図2,図4に示すように、センターフレーム90の排出部94の直下箇所である、本体部材210での上部側部材215の箇所(図7,図8参照)に設けられている。この開閉入球部220は、第1状態(入球制限状態)では、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bが入球可能であるが、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球が困難(あるいは不可としてもよい)となっている。また、開閉入球部220は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて第1状態(入球制限状態)よりも開いた第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)となり、この第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)では、排出部94からの遊技球Bが入球可能であり、且つ、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが第1状態(入球制限状態)よりも入球し易くなっている。
なお、本実施例とは異なる遊技ユニット200としてもよい。つまり、センターフレーム90は図6に二点鎖線で示す通路板を設けたものとし、この通路板の両端に閉状態の一対の羽根41a,41bの先端側が当接または近接し、開状態の一対の羽根41a,41bの先端側と通路板の両端との間に開口を形成するようにすることで、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bがこの通路板上を左右のどちらかの方向に流下し、一対の羽根41a,41bが閉状態であればその通路板からの遊技球Bが開閉入球部220に入球せずに遊技領域30aに排出され、一対の羽根41a,41bが開状態であればその通路板からの遊技球Bが当該開口(開状態の一対の羽根41a,41bの先端側と通路板の両端との間に形成される開口のこと)を介して開閉入球部220に入球されるようにしてもよい。
具体的には、開閉入球部220は、図2に示すように、遊技球Bが入球可能な開口41eと、入賞装置40の上部において開口41eの両側で左右一対となるように配置された羽根41a,41bとを備えており、この羽根41a,41bは羽根駆動装置49(図3参照)によって開閉動作が駆動される。
開閉入球部220は、図5に示すように、一対の羽根41a,41bがその下端側の軸部41cを軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが入球可能な第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)と、図4に示すように、一対の羽根41a,41bが軸部41cを軸心として先端側が第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)よりも互いに近づくように回動した第1状態(入球制限状態)とに変移可能なものであり、且つ、一対の羽根41a,41bはその開状態においてセンターフレーム90および入賞装置40の横幅内に位置している。
開閉入球部220は、羽根41a,41bの第1状態(入球制限状態:図4参照)または第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態:図5参照)に依らずにセンターフレーム90の排出部94からの遊技球Bが入賞装置40内へ入賞可能であるが、図4に示す羽根41a,41bの第1状態(入球制限状態)では、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが困難であり、図5に示す羽根41a,41bの第2状態(入球制限解除状態)では、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bも入賞装置40内へ入賞することが可能となる。
また、一対の羽根41a,41bは、第1始動口31への入球検出から所定時間(例えば1秒)後に、所定の開放(本実施例では、例えば2秒間の1回開き)がされるようになっている。さらに、この羽根41a,41bは、第2始動口33への入球検出から所定時間(例えば1秒)後に、所定の開放(本実施例では、例えば2秒間の1回開きを連続2回行う)がされるようになっている。なお、この開放時間を2秒以外の任意の時間(例えば1.8秒などの任意の時間)に変更してもよい。
導入通路部222は、図10〜図12に示すように、開閉入球部220の開口41eから入球した遊技球Bを当該開閉入球部220の略中央箇所で一旦奥方向に案内してから横方向に案内する一対のL字通路223を左右対象に並べた状態で備えるとともに、両L字通路223の下流側にそれぞれ連通されて遊技球Bを手前側に案内する一対の手前向き通路224を備えている。なお、この導入通路部222での一対のL字通路223は、図7,図12に示すように、上部側部材215に設けられている。また、導入通路部222の右側の手前向き通路224は、図7,図12に示すように、右側部材212の上部側に設けられている。導入通路部222の左側の手前向き通路224は、図11,図12に示すように、左側部材213の上部側に設けられている。
第1振り分け部材230は、図10,図12,図13および図15(a)に示すように、左側の導入通路部222の下流側(つまり、左側の手前向き通路224の下流側)と右側の導入通路部222の下流側(つまり、右側の手前向き通路224の下流側)とを橋渡すように連通した第1通路231および第2通路232からなる分岐通路233を備えている。
この分岐通路233の第1通路231は、奥側に位置しており、この第1通路231の通路中間位置に、第2振り分け部材240に向けて遊技球Bを落下させるための排出孔231aを備えている。
また、分岐通路233の第2通路232は、手前側に位置しており、正面視で両端側のよりも中央側の方が低くなった揺動通路となっており、この第2通路232の通路中間位置には、第2振り分け部材240に向けて遊技球Bを排出させるための排出傾斜部232aを備えている。
なおここで、第2振り分け部材240およびその駆動機構部270の構成等について、図19〜図29も用いて説明する。
図19は、入賞装置40内を平面視したときの第2振り分け部材240の左右方向の揺動動作を示す図である。図20(a)〜(c)は、第2振り分け部材240が最大左側振り位置から中央位置までの揺動変移を示す平面図である。図21(a),(b)は、図20(c)に続いて第2振り分け部材240が最大右側振り位置までの揺動変移を示す平面図である。図22(a)は、最大左側振り位置の第2振り分け部材240とその駆動機構部270を示す平面図であり、図22(b)は、それとは逆に最大右側振り位置での図である。図23(a)は、第2振り分け部材240が水平姿勢状態のときの入賞装置40を右側から見た縦断面図であり、図23(b)は、第2振り分け部材240が上向き姿勢状態のときの縦断面図である。図24は、第2振り分け部材240の上下方向の揺動動作を示す図である。図25(a)は、第2振り分け部材240が図19の各三状態の間の中間状態のときの図であり、図25(b)は、その(a)での一点鎖線で示す第2振り分け部材240が上向き姿勢状態であることを示す縦断面図である。図26(a),(b)は、左上向き状態の第2振り分け部材240の側面図および平面図であり、図26(c),(d)は、右上向き状態の第2振り分け部材240の側面図および平面図である。図27(a)〜(d)は、水平姿勢状態の第2振り分け部材240の正面図、C−C線縦断面、平面図およびD−D線縦断面、図27(e)〜(f)は、上向き姿勢状態の第2振り分け部材240の平面図、E−E線縦断面および右側面図、図27(h),(i)は、水平姿勢状態の第2振り分け部材240の平面図、F−F線縦断面である。図28は、背面側部材214の前方右上から見た分解斜視図である。図29は、背面側部材214の後方左上から見た分解斜視図である。
第2振り分け部材240は、図7に示すように、その背面側が、背面側部材214に設けられた駆動機構部270によって正面視で左右方向および上下方向に駆動される被駆動部材271に連結されている。この被駆動部材271は、本実施例では図11に二点鎖線矢印で示すように正面視で略M字状(二山状)に往復駆動(揺動)されることから、それに連結された第2振り分け部材240は、その背面側の被駆動部材271を駆動軸心として図6に二点鎖線矢印で示すように往復駆動(揺動)される。つまり、図19に示すように、入賞装置40内を平面視すると、第2振り分け部材240は左右方向に揺動されるとともに、図19での三状態では第2振り分け部材240は図23(a)に示すように水平状態であり、図25(a)に一点鎖線で示す図19での各三状態の間の中間状態では、図25(b)に示すように第2振り分け部材240の先端側を上向きとした状態となっている。
具体的には、第2振り分け部材240は、正面視で中央に位置で略水平姿勢で先端側が正面側に向いた中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)と、先端側が右側に最大振られて略水平姿勢の右水平状態(図21(b)でかつ図23(a)の状態)と、先端側が左側に最大振られて略水平姿勢の左水平状態(図20(a)でかつ図23(a)の状態)と、中央水平状態と右水平状態との中間位置で先端側が最大に上向きとなる右上向き状態(図21(a)でかつ図23(b)の状態)と、中央水平状態と左水平状態との中間位置で先端側が最大に上向きとなる左上向き状態(図20(b)でかつ図23(b)の状態)とに変移可能である。
そして、この第2振り分け部材240は、中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)→右上向き状態(図21(a)でかつ図23(b)の状態)→右水平状態(図21(b)でかつ図23(a)の状態)→右上向き状態→中央水平状態→左上向き状態(図20(b)でかつ図23(b)の状態)→左水平状態(図20(a)でかつ図23(a)の状態)→左上向き状態→中央水平状態を一周期とする往復駆動が繰り返しされるようになっている。なお本実施例では、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に右側に振ってから左側に振るようにしているが、それとは逆に、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に左側に振ってから右側に振るような往復駆動であってもよい。
なお、本実施例では、第2振り分け部材240は、常時振り分け動作(上述した往復駆動)をしているが、大当たり状態のときに振り分け動作が停止し、且つ、通常の遊技状態(大当たり状態以外の遊技状態)に振り分け動作する構成としてもよく、大当たり状態後の通常の遊技状態開始時に振り分け動作を開始するようにしてもよい。また、第2振り分け部材240は、少なくとも各ラウンド開始時に中央水平状態から往復動作するようにしてもよい。また、第2振り分け部材240は、始動入賞時(第1始動口31や第2始動口33への遊技球Bの入球)に所定時間(例えば、3秒間など)振り分け動作するようにしてもよい。
第2振り分け部材240は、図13および図15(b),(c)に示すように、第1振り分け部材230の第1通路231の排出孔231aから排出された遊技球Bが供給され得る被供給部241と、この被供給部241から四方向に振り分ける第1〜第4振分通路242〜245と、第1振り分け部材230の第2通路232の排出傾斜部232aから排出された遊技球Bを受ける受け皿部247と、この受け皿部247に設けられた貫通孔247aに連通されて当該貫通孔247aを通った遊技球Bを前方向に出力する第5振分通路246とを備えている。
第2振り分け部材240の第5振分通路246は、図27(a),(b)に示すように、その奥側が登り山部となっているため、受け皿部247の貫通孔247aを通った遊技球Bを前方向にのみ出力可能となっており、中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)では下り傾斜の通路となっている。なお、図27(g)に示すように第2振り分け部材240が上向き状態となると、第5振分通路246の下り傾斜が上り傾斜に変移するため、この状態では遊技球Bが当該第5振分通路246内で止められて排出されないあるいは排出されないことが多い。
また、第2振り分け部材240の被供給部241は、図27(c),(d)に示すように、供給されてきた遊技球Bを左右に振り分けるために、その底面が山状となっており、図27(d)に示すように中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)では例えば、左側に振り分けられた遊技球Bは、第1振分通路242よりも低い第2振分通路243から前方向に出力されるし、右側に振り分けられた遊技球Bも同様に、第4振分通路245よりも低い第3振分通路244から前方向に出力されるようになっている。これに対して、図27(g)に示すように上向き状態となると、例えば、左側に振り分けられた遊技球Bは、第1振分通路242が第2振分通路243よりも低くなり、この第1振分通路242から左方向に出力されるし、右側に振り分けられた遊技球Bも同様に、第4振分通路245が第3振分通路244よりも低くなり、この第4振分通路245から右方向に出力される。なお、第2振分通路243および第3振分通路244は、図27(h),(i)に示すように、中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)では下り傾斜の通路となっている。
前述したように、第2振り分け部材240は、図20(b),図21(a)に示すように、遊技球Bをステージ250の転動領域251の幅方向に振り分け出力する第1振分通路242および第4振分通路245を備えている。
また、図19に示すように第2振り分け部材240の先端側が転動領域251の下流端まで存しているため、その第5振分通路246は、図20(c)に示すように、遊技球Bをステージ250を介さずに特定入賞部260に向けて前方向に出力するし、その第2振分通路243は、図21(b)に示すように、遊技球Bをステージ250を介さずに特定入賞部260に向けて前方向に出力するし、その第3振分通路244は、図20(a)に示すように、遊技球Bをステージ250を介さずに特定入賞部260に向けて前方向に出力するようになっている。
また、第2振り分け部材240は、例えば、単一色あるいは複数色に着色された不透明部材としており、樹脂成型品としている。なお、透明樹脂成型品としその後に外面を塗装などで着色するようにしてもよいし、木製、金属製など樹脂成型品以外のものとしてもよい。
また、背面側部材214は、図23,図28に示すように、第2振り分け部材240を、ステージ250の転動領域251上で、当該第2振り分け部材240と転動領域251との間を遊技球Bが通過可能な間隔を空けて支持する支持機構300を備えている。支持機構300は、第2振り分け部材240が連結される被駆動部材271の背面側に突出した第1アーム部272に設けられた縦方向に貫通したスプライン孔272a(図26参照)に挿嵌するスプライン軸303と、このスプライン軸303をその軸周り方向に回動可能に軸支する軸受け部305とを備えている。このスプライン軸303は、被駆動部材271の第1アーム部272のスプライン孔272aに挿嵌された状態で当該第1アーム部272が落下しないように支持する支持部(図示省略)を備えている。
また、駆動機構部270は、第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246がそれぞれに特定入賞部260(Vゾーン)に向いた状態では開閉入球部220からの遊技球Bを第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246から出力するように第2振り分け部材240を第1姿勢(水平姿勢:図23(a)に示す姿勢)とし、第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246のいずれもが特定入賞部260(Vゾーン)に向いていない状態では開閉入球部220からの遊技球Bを第1振分通路242または第4振分通路245から出力するように第2振り分け部材240を第2姿勢(上向き姿勢:図23(b)に示す姿勢)とするものである。
具体的には、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の基端側を軸として先端側を本体部材210の内部空間で横方向に一振りする際にその先端側を本体部材210の内部空間で縦方向に二往復させることで、図6に二点鎖線矢印で示すように正面視で先端側を略二山状に揺動させるものである。
図28,図29に示すように、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の先端側を本体部材210の内部空間で横方向に揺動する横方向揺動機構273と、第2振り分け部材240の基端側を縦方向に揺動する縦方向揺動機構274とを備えている。
駆動部材271の第1アーム部272は、図26(a),図29に示すように、その背面下側箇所から外側へ突出した形状のものであり、当該被駆動部材271の上下方向の揺動を伝達するためのものである。また、被駆動部材271の第1アーム部272のスプライン孔272a(図26参照)に挿嵌されたスプライン軸303は、図26(a),図29に示すように、その背面側上部箇所に、駆動部材271の左右方向の揺動を伝達するための第2アーム部304を備えている。
具体的には、駆動機構部270は、図29に示すように、モータ275と、このモータ275の回転軸に連結されて当該回転軸を軸心として回転される第1歯車276と、この第1歯車276の前面側に設けられたピッチ円の小さい小外歯車部276a(図28参照)と噛み合う第2歯車277と、第1歯車276での小外歯車部276aよりピッチ円の大きい大外歯車部276bと噛み合う第3歯車278と、第2歯車277の前面側の偏心位置に設けられた突起部277aが挿入される縦長孔281aを有するとともに第2アーム部304の先端側が挿入される挿入穴281bを有する左右揺動伝達部材281と、第3歯車278の前面側の偏心位置に設けられた突起部278aが挿入される横長伝達孔283aを有するとともに第1アーム部272の先端側が遊嵌される横方向に長い横長孔283bを有する上下揺動伝達部材283とを備えている。なお、第1歯車276での小外歯車部276a(図28参照)および大外歯車部276bは、当該第1歯車276の回転軸を同一軸心とするものである。また、突起部278aは、図23に示すように、第3歯車278の回転中心から距離d(例えば1.5ミリ程度)だけ偏心した位置に設けられている。第2振り分け部材240の上向き姿勢(図23(b)参照)では、第2振り分け部材240の水平姿勢(図23(a)参照)に比べて、この第2振り分け部材240の先端側が6ミリ程度持ち上げられた状態となっている。
モータ275の回転軸の回転により第1歯車276が回転されることで第2歯車277が回転することになるが、例えば図22(a)に示すように第2歯車277の突起部277aが前面視で最右側に位置するときには、この突起部277aにより左右揺動伝達部材281が最右側に位置し、第2アーム部304の先端側が同様に最右側に位置しており、第2振り分け部材240の先端側が左側に振られた状態となる。続いて、この第2歯車277が半回転すると、今度は逆に、図22(b)に示すように第2歯車277の突起部277aが前面視で最左側に位置し、この突起部277aにより左右揺動伝達部材281が最左側に位置し、第2アーム部304の先端側が同様に最左側に位置しており、第2振り分け部材240の先端側が右側に振られた状態となる。
モータ275の回転軸の回転により第1歯車276が回転されることで第3歯車278も回転することになるが、例えば図23(a)に示すように第3歯車278の突起部278aが側面視で最上側に位置するときには、この突起部278aにより上下揺動伝達部材283が最上側に位置し、第1アーム部272の先端側が同様に最上側に位置しており、第2振り分け部材240が水平姿勢状態となる。続いて、この第3歯車278が半回転すると、今度は逆に、図23(b)に示すように第3歯車278の突起部278aが側面視で最下側に位置し、この突起部278aにより上下揺動伝達部材283が最下側に位置し、第1アーム部272の先端側が同様に最下側に位置しており、第2振り分け部材240の先端側が上向き姿勢状態となる。
モータ275の回転軸の回転により第1歯車276が回転されることで第2歯車277および第3歯車278が回転することになるが、この第1歯車276の小外歯車部276a(図28参照)と噛み合う第2歯車277が1回転すると、第1歯車276の大外歯車部276bと噛み合う第3歯車278が4回転することになることから、第2歯車277が1回転することで第2振り分け部材240の先端側が例えば最左側から最右側まで振って再び最左側に戻ってくるという一往復の間に、第3歯車278が4回転することになり、第2振り分け部材240の先端側の上下方向の揺動が4回行われることになる。つまり、第2振り分け部材240が、正面視で略M字状(二山状)に往復駆動(揺動)されることになる。
さらに、この入賞装置40は、図10,図11に示すように、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240とは別の経路であって開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速く特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262の方に案内する別通路265(特別ルート)と、所定の別案内条件成立(例えば、V継続タイプのパチンコ機では大当たり状態の最終ラウンドの期間、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機では大当たり状態の全ラウンドの期間など)の場合に開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内し、それ以外の場合に第1振り分け部材230に案内するように切り替える案内切替部267とを備えている。
なお、本実施例のパチンコ機10は、例えば、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機であるため、別案内条件成立として、大当たり状態での全ラウンドの期間を採用している。また、V継続タイプのパチンコ機の場合には、別案内条件成立として、V継続タイプのパチンコ機での大当たり状態での最終ラウンドの期間を採用するようにしてもよい。
この別通路265と案内切替部267とは、図7,図12に示すように、右側部材212と左側部材213とにそれぞれ設けられている。
別通路265は、図10,図11に示すように、開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速くステージ250に案内するものである。具体的には、導入通路部222は、図11,図12に示すように、その所定箇所(本実施例では、手前向き通路224での第1振り分け部材230の近傍箇所)での底面部分に開閉自在な開閉部224aを備えている。開閉部224aは、図11に示すように、開状態となると遊技球Bが落下可能な大きさの開口が形成され、閉状態において遊技球Bがそのまま通過するものである。つまり、別通路265は、図11に示すように、その入力側が開閉部224aの開口に連通されるとともに、図11,図12に示すように、その出力側がステージ250上に開口された垂下通路としている。
例えば、右側部材212での案内切替部267の構成について説明する。右側部材212での案内切替部267は、図10に示すように、右側部材212の上部側箇所であって手前向き通路224での第1振り分け部材230の近傍箇所にスライド自在に設けられた板状の開閉部224aと、この開閉部224aの突起部224bが先端側の取付孔225aに挿入され、且つ、右側部材212の内部に基端側が軸支された略くの字形状の伝達部材225と、この伝達部材225の基端側に近い箇所に形成された操作突起部225bが挿入される取付孔226aを有する接続部材226と、この接続部材226が取り付けられる可動片227aを基準位置とこの基準位置よりも突出した突出位置とに変移可能な特別ルート用ソレノイド227とを備えている。
つまり、特別ルート用ソレノイド227の可動片227aが突出位置に位置している場合には、この可動片227aに取り付けられた接続部材226も突出しており、この接続部材226の突出により伝達部材225が第1の姿勢P1となり、第1の姿勢P1の伝達部材225の先端側の取付孔225aの位置が前方向位置に位置し、この前方向位置の取付孔225aに挿入された開閉部224aの突起部224bも前面側位置に位置することから、開閉部224aが別通路265の上部側の開口を閉じた状態となる。
これとは逆に、特別ルート用ソレノイド227の可動片227aが基準位置に位置している場合には、この可動片227aに取り付けられた接続部材226も突出しておらず、この突出していない接続部材226により伝達部材225が第2の姿勢P2となり、第2の姿勢P2の伝達部材225の先端側の取付孔225aの位置が前方向位置よりも後退した後退位置に位置し、この後退位置の取付孔225aに挿入された開閉部224aの突起部224bも後退位置に位置することから、開閉部224aが別通路265の上部側の開口を閉じていない状態(つまり、開口した状態)となる。
なお、左側部材213での案内切替部267の構成についても上記と同様であるため、その説明を省略する。
第2振り分け部材240は、所定の別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)の場合においても、その動作(前述した略M字駆動)を継続している。
なお、本実施例のパチンコ機10がV継続タイプのパチンコ機である場合には、別案内条件成立として、V継続タイプのパチンコ機での大当たり状態での最終ラウンドの期間を採用し、この最終ラウンドの期間においても第2振り分け部材240の略M字駆動を継続するようにしてもよい。
特定入賞部260(Vゾーン)と普通入賞部262とは、図7,図9,図16に示すように、前面側部材211の裏面側の下方位置で、普通入賞部262と特定入賞部260(Vゾーン)と普通入賞部262との順で横並びに設けられている。
ステージ250は、図7に示すように、底面側部材216に設けられている。このステージ250は、図7,図16に示すように、第2振り分け部材240からの遊技球Bや別通路265からの遊技球Bが転動可能な転動領域251を備えている。そして、この転動領域251の一方側には、図16に示すように、特定入賞部260(Vゾーン)と普通入賞部262とが設けられている。
さらに、このステージ250は、図17,図18に示すように、転動領域251での一方側方向(転動領域251の中央箇所から真っ直ぐに特定入賞部260に向かう方向:流下方向)に対して直交する当該転動領域251の幅方向に連なる山部252を当該転動領域251に発生させるとともに、この山部252を転動領域251の下流方向に往復移動させる波立ち発生機構部253を備えている。つまり、波立ち発生機構部253は、転動領域251の他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)に発生させた山部252(図18参照)を、転動領域251の下流方向に移動させていき、図17に示すような転動領域251の一方側(特定入賞部260側:下流側)に山部252が達すると、今度は逆に山部252を転動領域251の他方側に向けて移動させていき、図18の転動領域251の他方側に位置させること一周期としてを繰り返し行うようになっている。つまり、山部252を転動領域251の一方側方向に沿って移動させることでこの転動領域251を波立たせる。なお、本実施例では、山部252を転動領域251の一方側方向に沿って往復移動させているが、山部252を転動領域251の一方側方向または他方側方向にのみ移動させるようにしてもよい。
なおここで、波立ち発生機構部253の構成等について、図30も用いて説明する。図30は、ステージ250の底面側部材216の分解斜視図である。
ステージ250は、図30に示すように、転動領域251の幅方向に亘る長さの複数本の丸棒体256を、当該転動領域251の奥行き方向に遊技球Bの直径よりも小さい間隔で並設するとともに、この複数本の丸棒体256を少なくとも高さ方向に移動可能に保持する並設保持部材257を備えている。具体的には、並設保持部材257は、丸棒体256の両端部分を高さ方向に移動可能に保持する一対の有底保持溝部257aを奥行き方向に遊技球Bの直径よりも小さい間隔で並設している。
波立ち発生機構部253は、図30に示すように、並設された複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げる押し上げローラ部材254と、この押し上げローラ部材254を転動領域251の奥行き方向に往復移動させる往復移動機構255とを備えている。
押し上げローラ部材254は、図30に示すように、スライド本体部254aと、このスライド本体部254aの手前辺側に設けられた、複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げるローラ部254bと、スライド本体部254aの奥側辺に設けられた、転動領域251の幅方向と同一方向に長い長孔254cとを備えている。
往復移動機構255は、図30に示すように、鉛直方向に回転軸を向けるように配置されたモータ255aと、このモータ255aの回転軸に連結されて回転する小歯車255bと、この小歯車255bと噛み合う大歯車255cと、この大歯車255cの上面側に突出し、スライド本体部254aの長孔254cに挿入される突出部255dとを備えている。
図17(a),図18(a)に示すように、モータ255aの回転軸の回転により小歯車255bが回転されることで大歯車255cが回転することになるが、例えば図17(a)に示すように大歯車255cの突出部255dが側面視で最左前に位置するときには、この突出部255dが挿入された長孔254cを有する押し上げローラ部材254が最左側に位置し、つまり、押し上げローラ部材254による山部252が転動領域251の最手前側に位置している状態となる。続いて、この大歯車255cが半回転すると、今度は逆に、図18(a)に示すように大歯車255cの突出部255dが側面視で最右側に位置し、この突出部255dにより押し上げローラ部材254が最右側に位置し、つまり、押し上げローラ部材254による山部252が転動領域251の最奥側に位置している状態となる。
図17(a),図18(a)に示すように、ステージ250の転動領域251は、山部252が存する箇所を除いて、水平な領域(あるいは略水平な領域としてもよい)としている。
また、図24,図30に示すように、ステージ250は、転動領域251の幅方向の両端箇所に、遊技球Bを当該転動領域251内に止めるための壁部258を備えている。例えば、転動領域251の幅方向に転動する遊技球Bが当該転動領域251の幅方向の端部の壁部258に当たって反射し、逆方向に進むことがある。
本実施例では、波立ち発生機構部253による転動領域251の山部252の往復移動と、駆動機構部270による第2振り分け部材240の略二山状揺動とをそれぞれ独立して行っており、両者は非同期としている。また、第2振り分け部材240の略二山状揺動の一周期よりも山部252の往復移動の一周期の方が長くなっている。
なお本実施例では、波立ち発生機構部253は、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に、転動領域251の山部252をその転動領域251の他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)の位置から一方側(特定入賞部260側:下流側)に移動させ、その後は逆方向に移動させるという往復移動をするようにしているが、それとは逆に、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に一方側から他方側に移動させ、その後は逆方向に移動させるという往復駆動をするようにしてもよい。また、本実施例では、波立ち発生機構部253は、V継続タイプのパチンコ機では大当たり状態の最終ラウンドの期間や、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機では大当たり状態の全ラウンドの期間を除く期間において、転動領域251の山部252の往復移動をしているが、大当たり状態のときに往復移動が停止し、且つ、通常の遊技状態(大当たり状態以外の遊技状態)に往復移動する構成としてもよく、大当たり状態後の通常の遊技状態開始時に往復移動を開始するようにしてもよい。また、波立ち発生機構部253は、少なくとも各ラウンド開始時に往復移動するようにしてもよい。また、波立ち発生機構部253は、始動入賞時(第1始動口31や第2始動口33への遊技球Bの入球)に所定時間(例えば、3秒間など)往復動作するようにしてもよい。
入賞装置40は、開閉入球部220を通じて本体部材210の内部への遊技球Bの入球を検出する入球検出センサ221(図3,図8参照)と、本体部材210からの遊技球Bの出力を検出する出球検出センサ(後述するV検出センサ43と検出センサ44:図3,図8参照)とを備えている。
具体的には、入球検出センサ221は、図11に示すように、導入通路部222での開閉入球部220の近い箇所(つまり、L字通路223の入口側)に設けられており、例えば近接センサなどが挙げられる。
また、出球検出センサを構成するV検出センサ43と検出センサ44とは、図8,図17に示すように、本体部材210からの遊技球Bの出力を検出するものであり、例えば近接センサなどが挙げられる。特定入賞部260(Vゾーン)は底面側部材216の下方側に設けられたV検出用通路261に連通されており、V検出センサ43は、このV検出用通路261の下流側箇所に設けられている。普通入賞部262は底面側部材216の下方側に設けられた外れ用通路263に連通されており、検出センサ44は、外れ用通路263の下流側箇所に設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤30を正面視した状態でセンターフレーム90と入賞装置40との間の両側に、センターフレーム90および入賞装置40の横幅よりも小さい幅としたくびれ部201を備え、羽根41a,41bはくびれ部201に設けられている。
遊技領域30aは、図2に示すように、その正面視で縦長の略縦長楕円形となっている。くびれ部201は、遊技領域30aの正面視で横幅が最も大きい部分に位置している。
なお、遊技盤30には、この他、遊技ユニット200の左右所定箇所に風車37も取り付けられている。また、遊技球Bをガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数本の釘(図示省略)も遊技盤30に配置されている。
また、本実施例のパチンコ機10は、図3に示すように、パチンコ機10全体を制御するメイン制御装置70を備えている。
図2に示した第1始動口31は、図3に示すように、遊技球Bが通過したことを検出可能な第1始動口通過センサ32を備えている。この第1始動口通過センサ32は、遊技球Bの通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。メイン制御装置70は、第1始動口通過センサ32からの検出信号を受けると、入賞装置40の羽根41a,41bを同時に1回開放(2秒間開放)させるという動作を行う。また、図2に示した第2始動口33は、図3に示すように、遊技球Bが通過したことを検出可能な第2始動口通過センサ34を備えている。この第2始動口通過センサ34は、遊技球Bの通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。メイン制御装置70は、第2始動口通過センサ34からの検出信号を受けると、入賞装置40の羽根41a,41bを同時に2回開放させる(2秒間開放を2回行う)という動作を行う。
ステージ250の転動領域251を転動した遊技球Bは、この転動領域251の一方側に位置する特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに入賞する。
通常遊技状態、つまり、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞部260(Vゾーン)に遊技球Bが入球(入賞)すると大当たり状態が発生することになるが、普通入賞部262に入球するとその入球に対しての賞球が与えられるだけで大当たり状態は発生しない。
つまり、入賞装置40に入球した遊技球Bは、特定入賞部260または普通入賞部262のいずれかに入球するようになっている。特定入賞部260(Vゾーン)に入賞した遊技球BはV検出センサ43で通過検出される(図3参照)。V検出センサ43からの検出信号はメイン制御装置70に出力される。また、普通入賞部262に入球した遊技球Bは、検出センサ44で入球検出される。この検出センサ44からの検出信号はメイン制御装置70に出力される。
また、表示装置60は、特別遊技のラウンド回数を表示したり、1回のラウンドにおいて入賞装置40内に入賞した遊技球Bのカウント数を表示したり、各種の遊技状態に関する情報や合図などを表示したりする機能も備えている。このパチンコ機10では、通常遊技状態で遊技球BがVゾーンを通過したときに遊技者にとって有利な遊技状態に移行して最大で8ラウンドの特別遊技が行われる。
ここで、メイン制御装置70について図3を用いてもう少し詳細に説明する。メイン制御装置70は、図3に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,時間計測を行うタイマ77,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス79によって接続されている。メイン制御装置70には、第1始動口通過センサ32,第2始動口通過センサ34からの検出信号や、V検出センサ43からの検出信号などが入出力処理回路80を介して入力される。また、メイン制御装置70からは、1対の羽根41a,41bの開閉を駆動する羽根駆動装置49への駆動信号や、表示装置60の表示制御を司る表示制御装置45への制御信号や、賞球の払い出しを司る払出制御装置46への制御信号や、スピーカ48が接続された音声制御装置47への制御信号や、図示しない各種ランプへの点灯信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
また、第2始動口33は、図2に示すように、遊技球Bが入球可能な通常状態よりもさらに容易に遊技球Bが入球する入球容易状態とに変移する開閉羽根を備えている。遊技盤30は、例えば、風車37の上方箇所に、遊技球Bが通過可能なスルーゲート35を備えている。スルーゲート35は、遊技球Bの通過を検出するスルーゲート通過センサ35aを備えており、この通過センサ35aからの検出信号はメイン制御装置70に出力される。
メイン制御装置70は、スルーゲート通過センサ35aでの通過検出に基づいて、第2始動口33の開放抽選を行い、当選であれば第2始動口33の開放羽根33aを所定時間(例えば、2秒間)開放するし、落選であれば第2始動口33の開放を行わない。かかる抽選についての表示は、メイン制御装置70からの指示に基づいて表示制御装置45によって表示装置60の表示画面61の一部の領域に表示されるようになっている。例えば当選であることを示す図柄である「○」と、落選であることを示す図柄「×」とを交互に表示する変動表示を行い、その変動表示が図柄「○」で停止した場合に第2始動口33の開放羽根33aが開放される。
また、本実施例では、メイン制御装置70は、通常遊技状態において、ステージ250の転動領域251に山部252を往復移動発生させるように波立ち発生機構部253を制御する。
また、本実施例では、メイン制御装置70は、通常遊技状態および大当たり状態において、入賞装置40の可動式の第2振り分け部材240を、前述した略M字状に駆動させるように駆動機構部270を制御する。
また、メイン制御装置70は、別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)の場合に、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するように案内切替部267を制御して開閉部224aを開状態にする。
なお、本実施例のパチンコ機10がV継続タイプのパチンコ機である場合には、別案内条件成立として、V継続タイプのパチンコ機での大当たり状態での最終ラウンドの期間を採用し、この最終ラウンドの期間において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するように案内切替部267を制御して開閉部224aを開状態にするようにしてもよい。
また、メイン制御装置70は、図3に示すように保持制御部293を備えている。保持制御部293は、別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)の場合に、図18に示すように、波立ち発生機構部253による転動領域251での山部252を当該転動領域251での別通路265の出力側の開口が投影される部分の上流側位置で保持させるように制御する。つまり、全ラウンドの期間において、図18に示すように、垂下通路よりも上流側の転動領域251での箇所に山部252を保持させる。
メイン制御装置70は、図3に示すように、入球検出センサ221での入球検出数と出球検出センサ(V検出センサ43と検出センサ44)での出球検出数とが一致しているか否かを判定する入出力球数判定部290と、この入出力球数判定部290で不一致と判定されている間は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球しても開閉入球部220を開状態としない開禁止制御部292とを備えている。
具体的には、開禁止制御部292は、たとえば、大当たり状態の終了時点において入出力球数判定部290で不一致と判定されている場合は、それが一致するまでの間、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球しても開閉入球部220を開状態としない。
なお、上述した開閉入球部220は本発明における開閉入口部に相当し、上述した第2振り分け部材240は本発明における振り分け手段に相当し、上述した特定入賞部260(Vゾーン)は本発明における特定入球手段に相当し、上述した普通入賞部262は本発明における非特定入球手段に相当し、上述したステージ250は本発明におけるステージ部に相当し、上述した波立ち発生機構部253は本発明における波立ち発生手段に相当し、上述した第2振分通路243,第3振分通路244および第5振分通路246は本発明における前方向出力部,第1〜第3前方向出力部に相当し、上述した第1振分通路242は本発明における別方向出力部,左横方向出力部に相当し、上述した第4振分通路245は本発明における別方向出力部,右横方向出力部に相当し、上述した支持機構300は本発明における支持手段に相当し、上述した駆動機構部270は本発明における二山状揺動手段に相当し、上述した横方向揺動機構273は本発明における横方向揺動手段に相当し、上述した縦方向揺動機構274は本発明における縦方向揺動手段に相当し、上述した丸棒体256は本発明における丸棒状部材に相当し、上述した並設保持部材257は本発明における並設保持手段に相当し、上述した押し上げローラ部材254は本発明における押し上げ部材に相当し、上述した往復移動機構255は本発明における部材移動手段に相当し、上述した表示装置60は本発明における表示手段に相当し、上述したセンターフレーム90は本発明における装飾部材に相当する。
次に、遊技ユニット200に入球した遊技球Bの流れについて以下に説明する。
遊技球Bの遊技ユニット200への入球ルートとしては、図4に示すように、遊技球Bがセンターフレーム90の入球口91に入球して入賞装置40に入球する第1入球ルートと、図5に示すように、遊技球Bがセンターフレーム90の入球口91には入球しなかったが第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)の開閉入球部220を介して入賞装置40に入球する第2入球ルートとがある。
まず、第1入球ルートについて説明する。図4に示すように、センターフレーム90の左右のいずれかの入球口91に入球した遊技球Bは、案内通路部92内を通って揺動ステージ93の方に案内される。この揺動ステージ93に案内された遊技球Bは、第1揺動面93aで左右方向に揺動するなどして、それよりも下段の第2揺動面93bに流下し、この第2揺動面93bでも左右方向に揺動して、第2揺動面93bの排出部94から入賞装置40の開閉入球部220に排出される。
センターフレーム90の排出部94から排出された遊技球Bは、図4に示すように、入賞装置40の開閉入球部220が第1状態(入球制限状態)または第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)のいずれであってもこの開閉入球部220に入球する。
ここで、第2入球ルートについて説明する。図5に示すように、センターフレーム90の入球口91に入球しなかった遊技領域30aを流下する遊技球Bは、入賞装置40の第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)の開閉入球部220に入球することがある。
そして、入賞装置40の開閉入球部220以降の遊技球Bの流れについては、第1入球ルートおよび第2入球ルートともに同じであるため、以下に共通して説明する。
開閉入球部220に入球した遊技球Bは、図10に示すように入球検出センサ221で検出され、図12に示すようにL字通路223を通り、手前向き通路224を通り、第1振り分け部材230の分岐通路233に案内される。つまり、図13に示すように、第1振り分け部材230の第1通路231または第2通路232のいずれかに案内される。
分岐通路233の第1通路231に案内された遊技球Bは、図13に示すように、この第1通路231の通路中間位置の排出孔231aにより、正面視で略M字状駆動する第2振り分け部材240に向けて落下される。図13に示すような位置関係のときには、排出孔231aから落下された遊技球Bが図15(b)に示す被供給部241に供給され、この被供給部241から四方向に振り分けられ、つまり、第1〜第4振分通路242〜245のいずれか一つを通ってステージ250に供給される。
なお、排出孔231aから落下された遊技球Bは、可動式の第2振り分け部材240の状態によっては、被供給部241に供給されず、この被供給部241の周囲部分に衝突してステージ250の方に供給されることもある。
一方、分岐通路233の第2通路232に案内された遊技球Bは、図13に示すように、この第2通路232が揺動通路となっているため当該通路方向で揺動した後に、第2通路232の通路中間位置の排出傾斜部232aにより、第2振り分け部材240の受け皿部247に向けて遊技球Bが排出される。なお、この排出傾斜部232aから排出される遊技球Bは、図15(c)に示すように、受け皿部247が第2振り分け部材240の可動範囲を許容する形状としているため、第2振り分け部材240が如何なる状態にあってもこの受け皿部247に供給されるようになっている。そして、この第2振り分け部材240の受け皿部247に供給された遊技球Bは、図15(b)に示す排出孔231aから図4に示す第5振分通路246を通って前方向に出力されて、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)や普通入賞部262に供給される。
以下に、第5振分通路246からの遊技球Bの出力について、第2振り分け部材240の状態別に説明する。
まず、図20(c)に示すように、第2振り分け部材240が中央水平状態のときは、第5振分通路246を通って前方向に出力された遊技球Bは、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞する。
また、図20(b)および図21(a)に示すように、第2振り分け部材240が左上向き状態および右上向き状態のときは、第5振分通路246の奥部で遊技球Bが止められることがあり、その直後に図20(c)に示す中央水平状態となれば、この第5振分通路246から出力された遊技球Bがステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞することがある。
また、第2振り分け部材240が、中央水平状態(図20(c)参照)以外の状態、つまり、左水平状態(図20(a)参照)、左上向き状態(図20(b)参照)、右上向き状態(図21(a)参照)および右水平状態(図21(b)参照)のときは、第5振分通路246の出力方向が特定入賞部260(Vゾーン)に向いていないためこの第5振分通路246からの遊技球Bはステージ250を介さずに普通入賞部262に入賞することになる。
次に、第2振分通路243または第3振分通路244からの遊技球Bの出力について、第2振り分け部材240の状態別に説明する。
具体的には、図20(a)に示すように、第2振り分け部材240が左水平状態のときは、第3振分通路244を通って前方向に出力された遊技球Bは、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞するが、第2振分通路243を通って前方向に出力された遊技球Bは普通入賞部262に入賞することになる。
また、図21(b)に示すように、第2振り分け部材240が右水平状態のときは、第2振分通路243を通って前方向に出力された遊技球Bは、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞するが、第3振分通路244を通って前方向に出力された遊技球Bは普通入賞部262に入賞することになる。
なお、第2振り分け部材240が中央水平状態(図20(c)参照)のときは、第2振分通路243または第3振分通路244を通った遊技球Bは、第2振分通路243および第3振分通路244の出力方向が特定入賞部260(Vゾーン)に向いていないため、ステージ250を介さずに普通入賞部262に入賞することになる。また、第2振り分け部材240が左上向き状態(図20(b)参照)および右上向き状態(図21(a)参照)のときは、その上向き姿勢のため、被供給部241に供給された遊技球Bが第2振分通路243または第3振分通路244ではなく第1振分通路242または第4振分通路245からステージ250に出力される。
次に、第1振分通路242または第4振分通路245からの遊技球Bの出力について、第2振り分け部材240の状態別に説明する。
第2振り分け部材240が左上向き状態(図20(b)参照)および右上向き状態(図21(a)参照)のときは、その上向き姿勢のため、被供給部241に供給された遊技球Bが第1振分通路242または第4振分通路245からステージ250に幅方向(横方向)出力される。
この第1振分通路242または第4振分通路245からステージ250の幅方向に出力された遊技球Bは、当該ステージ250の転動領域251が水平であるため、波立ち発生機構部253による往復移動する山部252の影響を受けるまでは、転動領域251の幅方向(横方向)に移動するし、壁部258に当たって逆方向に反射して移動することもある。
また、第2振り分け部材240は、その底面側と転動領域251との間を遊技球Bが通過可能な間隔を空けて、支持機構300により支持されているので、図23に示すように、転動領域251における第2振り分け部材240の下方領域も遊技球Bの転動が可能となっている。
そして、転動領域251の幅方向に転動する遊技球Bが、例えば転動領域251を他方側(特定入賞部260とは反対側)から一方側(特定入賞部260側)に移動する山部252の影響を受けて、図16に示すように、遊技球Bに斜め方向の合成力が生じてその遊技球Bが転動領域251を斜め方向(図16の一点鎖線矢印方向)に転動し始めるため、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力された時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるし、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力されてしばらくその方向に進んだ時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになる。また、転動領域251を一方側(特定入賞部260側)から他方側(特定入賞部260とは反対側)に戻ってくる山部252の影響を受けた場合には、図16に示すように、遊技球Bが奥側に戻されてから、遊技球Bが転動領域251を斜め方向(図16の二点鎖線矢印方向)に転動することもある。なお、図16では、右下り斜め方向のみを図示しているが、左下り斜め方向に転動することがあることは言うまでもない。
そして、ステージ250の転動領域251を山部252の影響を受けて流下した遊技球Bは、特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに入賞する。
通常遊技状態(大当たり状態以外の状態)において、特定入賞部260(Vゾーン)に遊技球Bが入球(入賞)すると大当たり状態(後述する「羽根モノ大当たり」状態)が発生することになるが、普通入賞部262に入球するとその入球に対しての賞球が与えられるだけで大当たり状態は発生しない。
続いて、大当たり状態について説明する。なお、本実施例のパチンコ機10は、前述したようにラウンド自動移行タイプのパチンコ機である。つまり、入賞装置40が大当たり状態(つまり、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉が所定ラウンド行われる状態)において、入賞装置40への遊技球Bの入賞(入球)個数を入球検出センサ221(図3参照)で検出しており、当該大当たり状態での遊技球Bの入賞個数が所定数(ここでは10個)に達するとそのラウンドを終了するようにしている。また、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉が所定回数(18回)に達した場合にもそのラウンドを終了するようにしている。つまり、当該大当たり状態での1ラウンドは、入賞装置40の羽根41a,41bの開放回数(18回)、または、遊技球Bの入賞個数(10個)のうち、いずれかが所定数に達成するとそのラウンドが終了するようになっている。
つまり、メイン制御装置70は、羽根駆動装置49を駆動して羽根41a,41bを18回開閉させるが、その間に、入賞装置40内に所定数(ここでは10個)の遊技球Bが入賞したときには、開閉動作が18回に満たない場合であっても羽根駆動装置49に指令を出力して羽根41a,41bを閉鎖状態としそのラウンドを終了し、それを所定の最大ラウンドまで継続する。例えば、「羽根モノ大当たり」つまり、入賞装置40の特定入賞部260(Vゾーン)への入球(入賞)することで生じる大当たり状態では、特定入賞部260(Vゾーン)への入球(入賞)に基づいて、最大ラウンド(例えば、2、7、15ラウンド)が決定されるようになっている。つまり、メイン制御装置70は、最大ラウンド決定用乱数を備え、特定入賞部260(Vゾーン)への入球(入賞)検出時の最大ラウンド決定用乱数に基づいて、2ラウンド(発生確率33%)、7ラウンド(発生確率34%)、15ラウンド(発生確率33%)のいずれかが決定される。なお、特別遊技状態が限度回数まで行われた後には、基本的には通常遊技状態に戻るが、時短状態となる場合もある。ここで言う「時短状態」とは、大当たり状態終了後の羽根41a,41bの開放回数が所定回数(例えば20回)に達するまでの間、この羽根41a,41bの開放時間を所定時間に延長した状態などが挙げられる。
また、このパチンコ機10は、前述の「羽根モノ大当たり」以外に、「直撃大当たり」つまり、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)に基づいて行われる抽選により生じる大当たり状態も有している。具体的には、メイン制御装置70は、大当たり抽選用乱数を備えており、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)検出時の大当たり抽選用乱数に基づいて、大当たりか外れかが決定されるようになっている。なお、「直撃大当たり」の確率は、例えば1/112程度となっている。また、かかる大当たり状態としては7ラウンド(発生確率60%)と14ラウンド(発生確率40%)との二種類があり、例えば大当たり抽選用乱数の値に基づいて7ラウンド(発生確率60%)と14ラウンド(発生確率40%)のいずれかが決定されるようになっている。
なお、上述した大当たり状態においては、メイン制御装置70は、別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)とし、図3に示すように、大当たり状態の全ラウンドの期間において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するように案内切替部267を制御して開閉部224aを開状態とし、保持制御部293は、図18に示すように、全ラウンドの期間において、波立ち発生機構部253による転動領域251での山部252を当該転動領域251での別通路265の出力側の開口が投影される部分の上流側位置で保持させるように制御する。
また、大当たり状態における入賞装置40の開閉入球部220以降の遊技球Bの流れについては、以下に説明する。
上述した大当たり状態においては、図10,図18に示すように、開閉入球部220から入球された遊技球Bが、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を介さずに別通路265(特別ルート)を通ってステージ250に供給される(図18での破線矢印でのルート)ことから、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速くステージ250に供給されることになる。さらに、この大当たり状態では、図18(b)に示すように、ステージ250の山部252が転動領域251の他方側(特定入賞部260とは反対側)で保持された状態となっているため、別通路265(特別ルート)を通ってステージ250に供給された遊技球Bを往復移動する山部252によって転動領域251の他方側に押し戻すようなことがなく、転動領域251の一方側(特定入賞部260側)に遊技球Bが転動されることになる。
また、メイン制御装置70は、この大当たり抽選用乱数が当りである場合には、表示装置60の表示画面61に識別情報の変動表示を行うように表示制御装置45を制御し、大当たりを示す表示態様の識別情報表示で停止させるという変動表示演出も行うようになっている。なお、この大当たり抽選用乱数が外れであり、且つ、外れ変動表示条件成立の場合に、識別情報の変動表示を行い、外れを示す表示態様の識別情報表示で停止させるという変動表示演出を行う。なお、外れ変動表示条件成立を低確率とした場合には、外れ変動表示の実行数が低くなり、それ以外の変動表示は大当たりの変動表示であるため、識別情報の変動表示が大当たりとなる印象を遊技者に与えることができる。
上述したように本実施例の遊技機によれば、入賞装置40は、入球した遊技球Bの挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材210と、この本体部材210の所定箇所に設けられた開閉入球部220と、本体部材210の内部空間に設けられ、開閉入球部220からの遊技球Bを振り分けて出力するための前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)とそれとは異なる方向の別方向出力部(第1振分通路242、第4振分通路245)とを備えるとともに左右および上下方向に駆動される第2振り分け部材240と、本体部材210の内部空間に設けられ、第2振り分け部材240で振り分け出力された遊技球Bが転動可能な転動領域251を有するステージ250と、本体部材210の内部空間でステージ250の一方側に設けられ、ステージ250を転動した遊技球Bの入球が可能で、且つ、遊技球Bの入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部260(Vゾーン)と、本体部材210の内部空間でその一方側に設けられ、特定入賞部260(Vゾーン)以外の入球部であってステージ250を転動した遊技球Bが入球可能な普通入賞部262と、を備え、ステージ250は、転動領域251での一方側方向に対して直交する当該転動領域251の幅方向に連なる山部252を当該転動領域251に発生させるとともに、当該山部252を転動領域251の一方側方向に沿って移動させる波立ち発生機構部253を備え、第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246がそれぞれに特定入賞部260(Vゾーン)に向いた状態では開閉入球部220からの遊技球Bを第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246から出力するように第2振り分け部材240を第1姿勢(水平姿勢:図23(a)に示す姿勢)とし、第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246のいずれもが特定入賞部260(Vゾーン)に向いていない状態では開閉入球部220からの遊技球Bを第1振分通路242または第4振分通路245から出力するように第2振り分け部材240を第2姿勢(上向き姿勢:図23(b)に示す姿勢)とする駆動機構部270を備えている。
したがって、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)が特定入賞部260(Vゾーン)に向いた状態では、当該第2振り分け部材240を第1姿勢(水平姿勢:図23(a)に示す姿勢)とし、開閉入球部220からの遊技球Bを前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)から出力するので、この第1姿勢の第2振り分け部材240の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)から出力された遊技球Bは特定入賞部260(Vゾーン)に入球する可能性が高く、第2振り分け部材240における遊技者にとって有利な振り分け排出を確保できる。さらに、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)が特定入賞部260(Vゾーン)に向いていない状態では、当該第2振り分け部材240を第2姿勢(上向き姿勢:図23(b)に示す姿勢)とし、開閉入球部220からの遊技球Bを前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)から出力するのではなく、別方向出力部(第1振分通路242または第4振分通路245)からステージ250に出力するので、波立ち発生機構部253による転動領域251の波立ち(転動領域251の幅方向に連なる山部252の移動)の影響を受けて遊技球Bが転動領域251を転動していき特定入賞部260(Vゾーン)に入球することがある。
つまり、第2振り分け部材240における前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)を用いた有利な振り分け排出を確保できるのみならず、前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244および第5振分通路246)から出力されても特定入賞部260(Vゾーン)に入球し難いときにはそれよりも特定入賞部260(Vゾーン)への入球可能性のある別方向出力部(第1振分通路242または第4振分通路245)からステージ250の転動領域251に出力する振り分けを行うことができ、波立ち発生機構部253による転動領域251の波立ちの影響を受けて遊技球が転動領域251を転動して特定入賞部260(Vゾーン)に入球することがある。
その結果、入賞装置40内の振分装置(例えば、第2振り分け部材240)で振り分けられたステージ250上での遊技球Bの挙動に面白味を持たせることができるパチンコ機(遊技機)を提供することができる。
また、ステージ250の転動領域251は、水平または略水平な領域としているので、転動領域251の幅方向に出力された遊技球Bは、その出力方向に進んでいき、転動領域251の奥行き方向に移動する山部252の影響を受けたときから遊技球Bに斜め方向の合成力が生じてその遊技球Bが転動領域251を斜め方向に転動し始めることになり、波立ち発生機構部253による転動領域251での波立ち(山部252)を契機に転動領域251の一方側(特定入賞部260側)に向かわせることができる。
また、第2振り分け部材240の第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から前方向に出力される遊技球Bは、転動領域251を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に入球することがあり、第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から出力される遊技球Bが転動領域251の移動する山部252によって特定入賞部260(Vゾーン)への入球が阻まれることを防止でき、第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から出力されて特定入賞部260(Vゾーン)に入球される利益を確保できる。また、第2出力部(第1振分通路242、第4振分通路245)から転動領域251の幅方向に出力された遊技球Bは、転動領域251を移動する山部252の影響を受けて特定入賞部260(Vゾーン)に入球することがあるという面白味も提供できる。
また、第2振り分け部材240からステージ250の転動領域251の幅方向に遊技球Bが振り分け出力されるタイミングと、波立ち発生機構部253による転動領域251での波立ち(山部252)の移動タイミングとにより、転動領域251での遊技球Bの転動方向が決定される。つまり、転動領域251の幅方向に転動する遊技球Bが、転動領域251の奥行き方向に移動する山部252の影響を受けることで、遊技球Bに斜め方向の合成力が生じてその遊技球Bが転動領域251を斜め方向に転動し始めるため、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力された時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるし、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力されてしばらくその方向に進んだ時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるため、遊技球Bの転動方向に変化を持たせることができる。すなわち、第2振り分け部材240から転動領域251の幅方向に遊技球Bを出力する位置(落とす位置)は毎回同じなのに、転動領域251の移動する山部252により転動領域251での遊技球Bの流下方向に意外性を持たせることができ、転動領域251を広範囲に転動させることができ、特定入賞部260(Vゾーン)に入るかどうかの変化を持たせることができる。
また、支持機構300は、第2振り分け部材240を、ステージ250の転動領域251上で転動領域251との間を遊技球Bが通過可能な間隔を空けて支持しているので、転動領域251における第2振り分け部材240の下方領域も遊技球Bの転動が可能であり、ステージ250の転動領域251をその幅方向にわたって最大限に活用することができる。また、ステージ250の転動領域251を転動する遊技球Bが第2振り分け部材240下を通る際に一旦隠れてから現れて、特定入賞部260(Vゾーン)に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球Bの挙動にさらに面白みを持たせることができる。
また、第2振り分け部材240は不透明部材としているので、ステージ250の転動領域251を転動する遊技球Bが第2振り分け部材240下を通る際に一旦隠れてしまい、その後に第2振り分け部材240下から現れて、特定入賞部260(Vゾーン)に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球Bの挙動にさらに面白みを持たせることができる。
また、ステージ250は、転動領域251の幅方向の両端箇所に、遊技球Bを当該転動領域251内に止めるための壁部258を備えているので、第2振り分け部材240から転動領域251の幅方向に出力された遊技球Bが当該転動領域251の幅方向の両端箇所に到達したとしても、その両端箇所の壁部258により反射され、この反射された遊技球Bに転動領域251での移動する山部252が作用してその転動方向を変えることができ、第2振り分け部材240での出力方向とは逆方向に遊技球Bを向かわせることができるだけでなく、移動する山部252により遊技球Bの転動方向を変化させることができる。
また、横方向揺動機構273は、第2振り分け部材240の基端側を軸として先端側を内部空間で横方向に揺動するので、第2振り分け部材240から転動領域251への出力方向に多様性を持たせることができ、転動領域251での移動する山部252との関係でさらに多様な遊技球Bの挙動を生み出すことができる。
また、縦方向揺動機構274は、第2振り分け部材240の基端側を軸として先端側を内部空間で縦方向に揺動するので、第2振り分け部材240の先端側が上向きとした上向き姿勢と、第2振り分け部材240の先端側が下向きとした下向き姿勢とに可変することで、第2振り分け部材240での遊技球Bの出力方向に変化を与えることができ、第2振り分け部材240から転動領域251への出力方向にさらに多様性を持たせることができ、転動領域251での移動する山部252との関係でさらに多様な遊技球Bの挙動を生み出すことができる。
また、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の基端側を軸としてその先端側を内部空間で横方向に一振りする際に、当該第2振り分け部材240の先端側を内部空間で縦方向に二往復させることで、正面視で第2振り分け部材240の先端側を略二山状に揺動させるので、正面視で第2振り分け部材240の先端側がその二山の麓に位置した姿勢では、第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から転動領域251を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に向けて遊技球Bを出力することがあり、正面視で第2振り分け部材240の先端側がその二山の頂上に位置した姿勢では、第2出力部(第1振分通路242、第4振分通路245)から転動領域251の幅方向に遊技球Bを出力することがあり、第2振り分け部材240からの出力方向に多様性を持たせることができる。
また、第2振り分け部材240は、複数個の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)と右横方向出力部(第4振分通路245)と左横方向出力部(第1振分通路242)とを備えているので、複数個の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から転動領域251を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に向けて遊技球Bを出力することができ、右横方向出力部(第4振分通路245)と左横方向出力部(第1振分通路242)とから転動領域251の幅方向に遊技球Bを出力することができる。
また、第2振り分け部材240での一部の遊技球Bは特定入賞部260(Vゾーン)などに直接に排出され、第2振り分け部材240での残りの遊技球Bはだけを転動領域251の幅方向に出すので、転動領域251での遊技球Bの挙動に面白味を持たせることができる。また、その山部252の動作を単純にしながら遊技球の色々な挙動を見せることができる。つまり、山部252を転動領域251の一方側方向に沿って移動させるだけであるので、山部252をハードまたはソフト制御でするにしても非常にコンパクトであり、山部252を逐次に動作または停止を制御する構成に比べてコンパクトにでき、山部252が単純な動作なので不正動作が発見し易いため、不正対策に優れる。また、山部252が単純な動作なので、遊技者にとって見ても山部252が不正に制御された不正な遊技機との印象を持たない。
また、ステージ250の並設保持部材257は、転動領域251の幅方向に亘る長さの複数本の丸棒体256を、当該転動領域251の奥行き方向に遊技球Bの直径よりも小さい間隔で並設するとともに、複数本の丸棒体256を少なくとも高さ方向に移動可能に保持するので、遊技球Bを転動領域251の幅方向、つまり、隣接する丸棒体256間でその棒方向に転動させることができる。また、波立ち発生機構部253の押し上げ部材は、並設された複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げ、波立ち発生機構部253の往復移動機構255は、押し上げローラ部材254を転動領域251の奥行き方向に移動させるので、転動領域251の幅方向に連なる山部252を好適に発生させて当該転動領域251の一方側方向に沿って移動させることができる。
また、入賞装置40は、入球した遊技球Bの挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材210と、この本体部材210での所定箇所に設けられ、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて遊技球Bが入球可能な開状態に変移する開閉入球部220と、本体部材210の内部空間に設けられ、開状態の開閉入球部220を介して本体部材210の内部空間に入球した遊技球Bを滞留させる第1振り分け部材230および第2振り分け部材240と、本体部材210の内部空間でその一方側に設けられ、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240で滞留された遊技球Bの入球が可能で、且つ、遊技球Bの入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部260(Vゾーン)と、本体部材210の内部空間でその一方側に設けられ、特定入賞部260(Vゾーン)以外の入球部であって第1振り分け部材230および第2振り分け部材240で滞留された遊技球Bが入球可能な普通入賞部262と、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240とは別の経路であって開閉入球部220から入球された遊技球Bを当該第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速く特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262の方に案内するまたは当該入賞装置の外部に排出する別通路265と、所定の別案内条件成立の場合に開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内し、それ以外の場合に第1振り分け部材230および第2振り分け部材240に案内するように切り替える案内切替部267とを備えているので、案内切替部267は、所定の別案内条件成立の場合(例えば、ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の各ラウンド期間)において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内し、それ以外の場合(大当たり状態以外の状態である通常状態期間)において、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240に案内するように切り替えるので、ラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間における時間、つまり次ラウンド獲得に無関係にかかっている時間を低減でき、大当り演出の間延び感を低減でき、次の遊技に素早く移行でき、得られる利益が変わらないのに不必要に待たされる問題を解消できる。
また、ホール側(遊技場側)にとってみれば、次ラウンド獲得に無関係にかかっていた時間を低減でき、その低減した時間分、遊技機の実質的な稼働率を上げることができる。
さらに、所定の別案内条件成立の場合(ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の全ラウンド期間)では、遊技球Bは、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240とは別の経路の別通路265を通じて、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速く特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262の方に案内されるので、第2振り分け部材240の動作停止に起因する遊技球Bの停留の問題も生じないし、残存球処理の発生を低減できる。つまり、ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の全ラウンド時において、第2振り分け部材240の動作を停止させるわけではないので、その停止状態の第2振り分け部材240によって遊技球Bが入賞装置40の内部に予期せぬ状態で停留してしまうことに起因する不本意な残存球処理の発生という問題を解消できる。
その結果、入賞装置40内への遊技球Bの入球から排出までの時間が次ラウンド獲得に無関係にかかることを低減でき、遊技機の稼働率を向上でき、且つ、残存球処理の発生を低減できる遊技機を提供することができる。
また、別案内条件成立の場合(ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の全ラウンド期間)においても、第2振り分け部材240がその駆動動作を継続しているので、かかる別案内条件成立の直前に第2振り分け部材240に存する遊技球Bを滞留後に出力することになり、ラウンド自動移行タイプの遊技機での全ラウンド時においても、第2振り分け部材240の動作を停止させるわけではないので、その停止状態の第2振り分け部材240によって遊技球Bが入賞装置40の内部に予期せぬ状態で停留してしまうことに起因する不本意な残存球処理の発生という問題を解消できる。
また、入賞装置40は、第1振り分け部材230と第2振り分け部材240で滞留された遊技球Bが移動可能で特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに案内するステージ250を備え、別通路265は、開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速くステージ250に案内するので、遊技者は、別通路265を通った遊技球Bをステージ250上で視認することができ、入賞装置40に入球した遊技球Bを確認することができる。
また、開閉入球部220から入球した遊技球Bを第1振り分け部材230に導く導入通路部222を備え、この導入通路部222の所定箇所での底面部分に開閉自在な開閉部224aを備え、この開閉部224aは、開状態となると遊技球Bが落下可能な大きさの開口が形成され、閉状態において遊技球Bがそのまま通過するものであり、別通路265は、その入力側が開閉部224aの開口に連通されるとともに、その出力側がステージ250上に開口された垂下通路であるとしているので、かかる垂下通路内に遊技球Bが滞ることなく迅速にステージ250に供給され、別通路265を起因とする遊技球Bの停留が生じることがない。
また、ステージ250は、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240で滞留された遊技球Bが転動可能な転動領域251を備え、特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262とは転動領域251の一方側に設けられ、ステージ250は、転動領域251での一方側方向に対して直交する当該転動領域251の幅方向に連なる山部252を当該転動領域251に発生させるとともに、当該山部252を転動領域251の下流方向に移動させることでこの転動領域251を波立たせる波立ち発生機構部253を備え、別案内条件成立の場合に、波立ち発生機構部253による転動領域251での山部252を当該転動領域251での別通路265の出力側の開口が投影される部分の上流側位置で保持させるように制御する保持制御部293を備えているので、垂下通路を落下して転動領域251に供給された遊技球Bは、山部252により転動領域251の上流に向かうことが抑制され、むしろ下流方向に向かわせることができ、迅速に転動領域251を流下させることができる。
また、入賞装置40は、開閉入球部220を通じて本体部材210内への遊技球Bの入球を検出する入球検出センサ221と、本体部材210からの遊技球Bの出力を検出するV検出センサ43および検出センサ44を備え、入出力球数判定部290は、入球検出センサ221での入球検出数とV検出センサ43および検出センサ44での出球検出数とが一致しているか否かを判定し、開禁止制御部292は、入出力球数判定部290で不一致と判定されている間は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球しても開閉入球部220を開状態としないので、残存球処理を好適に行うことができる。
また、特定入賞部260(Vゾーン)は遊技球Bの入球を検出するV検出センサ43を備え、普通入賞部262は遊技球Bの入球を検出する検出センサ44を備え、V検出センサ43と検出センサ44とによって本体部材210からの遊技球Bの出力を検出するので、V検出センサ43および検出センサ44は、特定入賞部260(Vゾーン)や普通入賞部262への入球検出以外に、本体部材210からの遊技球Bの出力検出を兼用することができ、V検出センサ43および検出センサ44とは別個に残存球処理専用の検出センサ等を設ける必要が無く、残存球処理を省スペースで実現することができる。
また、表示装置60と入賞装置40とを、遊技盤30の遊技領域30aの幅方向の中央個所で縦方向に並べて配置しているので、表示装置60の表示画面61の一部分が入賞装置40内の駆動体42(可動役物)の背後に隠れてしまうようなことがなく、表示画面61を見易くできるし、入賞装置40が横方向に大きくなるようなことや、遊技領域が狭くなるようなこともなく、遊技領域を確保できる。
また、入賞装置40の開閉入球部220よりも上方に表示装置60を備えているので、演出表示をする表示装置60を見た後にそれよりも下方の開閉入球部220に視線移動をする、つまり球の流れに視線移動しており、開閉入球部220への入球の有無を容易に見ることができ、表示装置60での演出表示と開閉入球部220への入球の有無とが見易くできる。
また、本体部材210での排出部94の直下箇所に設けられており、第1状態(入球制限状態)では、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bが入球可能であり、且つ、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球が困難(あるいは不可としてもよい)となっており、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて第1状態(入球制限状態)よりも開いた第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)となり、この第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)では、排出部94からの遊技球Bが入球可能であり、且つ、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが第1状態(入球制限状態)よりも入球し易くなっている。したがって、センターフレーム90に入球した遊技球Bを確実に入賞装置40内に案内でき、開閉入球部220が第2状態(入球制限解除状態)の場合には、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球も可能となる遊技を提供することができる。
その結果、表示画面61が見易く、遊技領域30aを確保でき、しかも入賞装置40への入球と表示画面61の表示情報とを同時に見ることができる遊技機を提供することができる。
また、センターフレーム90の排出部94と入賞装置40の開閉入球部220とが別体で個別に遊技盤30に取り付けられる構成の場合では排出部94と開閉入球部220との位置関係が両者の遊技盤30への取り付け精度により変化してしまうが、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成されたものであるので、排出部94と開閉入球部220との位置関係が両者の遊技盤30への取り付け精度により変化するということが無く、両者の取付位置調整も不要であり、取付作業性に優れる。
また、遊技盤30を正面視した状態でセンターフレーム90と入賞装置40との間の両側に、センターフレーム90および入賞装置40の横幅よりも小さい幅としたくびれ部201を備えているので、そのくびれ部201を形成している分だけ遊技領域30aを広くすることができる。つまり、センターフレーム90と入賞装置40との間のくびれ部201まで遊技球Bが流下して来ることがある。また、開閉入球部220はくびれ部201に設けられているので、表示装置60の表示画面61と、その表示画面61直下のくびれ部201に設けられた開閉入球部220に遊技球Bが入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示装置60の表示画面61に遊技者を注視させたとしても、入賞装置40への入球有無過程の見落としが低減できる。
また、開閉入球部220は、遊技球Bが入球可能な開口41eと、この開口41eの両側で横方向に並んだ一対の羽根41a,41bを備え、この一対の羽根41a,41bはその下端側の軸部41cを軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが入球可能な第2状態(入球制限解除状態)と、一対の羽根41a,41b逆に、その軸部41cを軸心として先端側が互いに近づくように回動して閉じることで当該開口41eを閉じる閉状態とに変移可能なものである。また、一対の羽根41a,41bが軸部41cを軸心として先端側が第2状態(入球制限解除状態)よりも互いに近づくように回動した第1状態(入球制限状態)とに変移可能なものである。したがって、センターフレーム90に入球した遊技球Bを開閉入球部220の第1状態および第2状態に依らずに確実に入賞装置40内に案内でき、開閉入球部220が第2状態(入球制限解除状態)の場合には、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球も可能となる開閉入球部220を好適に実現することができる。
また、遊技領域30aは、その正面視で略縦長楕円形(あるいは円形、略円形、楕円形、長円形、略長円形などとしてもよい)となっており、くびれ部201は、遊技領域30aの正面視で横幅が最も大きい部分に位置しているので、表示装置60や入賞装置40の横幅は最大限に確保しながら、一対の可動部(羽根41a,41b)が開状態となってもその羽根41a,41bはセンターフレーム90および入賞装置40の横幅以内に止まっていることから、羽根41a,41bの可動によって遊技領域幅が狭くなることもなく、遊技領域30aの遊技球Bの流下態様によっても面白味を付与できる構成とすることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、第2振り分け部材240は不透明部材としているが、第2振り分け部材240を透明部材または半透明部材としてもよい。この場合には、ステージ250の転動領域251を転動する遊技球Bが第2振り分け部材240下を通る際も完全に隠れてしまうことがなく、その後に第2振り分け部材240下から現れて、特定入賞部260(Vゾーン)に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球Bの転動を見失わずに確認することができる。
(2)上述した実施例では、波立ち発生機構部253による転動領域251の山部252の往復移動と、駆動機構部270による第2振り分け部材240の略二山状揺動とをそれぞれ独立して行っており、両者を非同期としているが、同期させるようにしてもよい。また、上述した実施例では、第2振り分け部材240の略二山状揺動の一周期よりも山部252の往復移動の一周期の方が長くなっているが、その逆の関係としたり、両者を同一周期としたりしてもよい。
(3)上述した実施例では、振り分け手段として、図27に示すような形状および構造の第2振り分け部材240を採用しているが、転動領域251の幅方向に少なくとも振り分け出力するものであれば種々の形状および構造のものを採用してもよい。
(4)上述した実施例では、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機の場合を例に挙げて説明しており、別案内条件成立として、例えば、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機での全ラウンド期間において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するようにしているが、V継続タイプのパチンコ機を採用した場合には、別案内条件成立として、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間のみにおいて、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するようにしてもよい。この場合には、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間において、次ラウンド獲得に無関係にかかっている時間を低減でき、大当り演出の間延び感を低減でき、次の遊技に素早く移行でき、得られる利益が変わらないのに不必要に待たされる問題を解消できる。
(5)上述した実施例では、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成された遊技ユニット200を採用しているが、図31に示すように、センターフレーム90と入賞装置40とは、その両者間を遊技球Bが横方向に通過可能なように当該センターフレーム90と入賞装置40を間隔を空けて配設してもよい。この場合には、センターフレーム90と入賞装置40とは、その両者の間を遊技球Bが横方向に通過可能なように当該センターフレーム90および入賞装置40を間隔を空けて配設しているので、遊技盤30の左側を流下する遊技球Bがセンターフレーム90と入賞装置40との間を通って遊技盤30の右側に流下していくことや、それとは逆に右から左に流下していくことができ、さらに多様性のある遊技盤を提供することができる。
(6)上述した実施例では、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bは、開閉入球部220の第1状態(入球制限状態)または第2状態(入球制限解除状態)に依らずに当該開閉入球部220に入球するものを採用しているが、開閉入球部220の第1状態(入球制限状態)には、遊技球Bが入球不可に閉じた状態とし、第2状態(入球制限解除状態)となることで遊技球Bが入球可能となるものを採用していもよい。
(7)上述した実施例では、別通路265は、遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を介さずにステージ250に供給しているが、遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を介さずに且つステージ250に供給することなく入賞装置40の外部に排出するようにしてもよい。
(8)上述した実施例では、入賞装置40内のV検出センサ43と検出センサ44とによって当該入賞装置40の出球数を検出しているが、次のような構成としてもよい。つまり、遊技盤30は、その背面側に、入賞装置40の特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262に入球された遊技球Bを集めて排出する排出通路を有する集合板を備え、この集合板は、その排出通路に、遊技球の通過を検出する通過検出手段(遊技球検出センサ、例えば、近接センサなど)を備え、出球検出手段は、前記通過検出手段によって本体部材210からの遊技球の出力を検出するようにしてもよい。この場合には、集合板の排出通路に設けられた通過検出手段によって、本体部材210からの遊技球の出力が検出でき、残存球処理を好適に行うことができる。
(9)上述した実施例では、滞留手段として第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を採用しているが、第1振り分け部材230と第2振り分け部材240との一方だけとしてもよいし、固定式、可動式を問わず遊技球Bを滞留させる種々の構成を採用してもよい。例えば、導入通路部222とステージ250とを直接結ぶ直線経路よりも長い経路の蛇行通路や一方向経路部やクルーン(孔が開いた皿状の役物)などが挙げられる。
(10)上述した実施例では、一対の羽根41a,41bは、第1始動口31または第2始動口33への入球に基づいて、所定の開放(本実施例では、第1始動口31への入球では例えば2秒間の1回開き、第2始動口33への入球では例えば2秒間の1回開きを連続2回行う)がされるようになっているが、第1始動口31または第2始動口33への入球に基づいて開放抽選を行うようにしてもよいし、回数や時間を任意の値としてもよい。
(11)上述した実施例では、波立ち発生機構部253は、図30に示すように、並設された複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げる押し上げローラ部材254と、この押し上げローラ部材254を転動領域251の奥行き方向に往復移動させる往復移動機構255とを備えたものとしているが、これらの丸棒体256上にシート状体(例えば、塩化ビニルなどのシート物)を備えるようにしてもよいし、これらの丸棒体256に替えて転動領域251となるシート状体(例えば、塩化ビニルなどのシート物)と、このシート状体を押し上げローラ部材254などのローラで押し上げるようにしてもよいし、突起部(例えば、半円状、円弧状、三角形状など)を有する板部材をスライド移動させることで、複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256やシート状体の一部を押し上げるようにすることで移動する山部252を形成するようにしてもよい。
(12)上述した実施例では、いわゆる1種パチンコ機と2種パチンコ機とを融合したパチンコ機を例に挙げて説明しているが、1種パチンコ機または2種パチンコ機に採用してもよい。