以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は実施例1のパチンコ機10の概略正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図である。図3は、実施例1のパチンコ機10の電気的接続を例示するブロック図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(図2を用いて後述する遊技領域30aと同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
図2に示すように、遊技盤30は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるものである。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれる。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図3参照)などで構成されている。音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカ48(図3参照)からの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部102(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部103(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部104(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部102、第2電飾部103および第3電飾部104は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部102および第2電飾部103には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙S1(図2参照)などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略縦長楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図1参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内される。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返される。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部55(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30の右側が仕切られている。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長楕円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
また、遊技盤30は、図2に示すように、盤面下方の左側および右側の2箇所にそれぞれ配置された第1始動口31と、盤面下方左側の第1始動口31の下方に配置された第2始動口33とを備えている。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で遊技領域30aの中央箇所に縦長の遊技ユニット200が配設されている。
この遊技ユニット200は、図2に示すように、上から順に表示装置60と入賞装置40とを縦方向に並べて一体化したユニットである。表示装置60は、表示画面61を備え、この表示画面61に所定の演出表示(例えば、入賞装置40の状態に応じた所定の演出表示など)をするものである。入賞装置40は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて、遊技領域30aを流下する遊技球Bの入球が可能となるものである。
さらに、この遊技ユニット200は、図2に示すように、その正面視で、表示装置60の表示画面61の外周全体に配置され、且つ、表示画面61の角部を隠した状態で配置されるセンターフレーム90を備えている。なお、このセンターフレーム90は、表示画面61の周囲の少なくとも一部に配置されるものとしてもよい。例えば、センターフレーム90は、表示画面61の端部を隠した状態で配置されたものであってもよいし、表示画面61を隠さずにこの表示画面61の周囲の少なくとも一部に配置されたものとしてもよい。
ここで、遊技ユニット200における表示装置60と入賞装置40とセンターフレーム90との構造について、図4〜図6も用いてもう少し詳細に説明する。図4は、一対の羽根41a,41bが閉状態の場合の遊技ユニット200を前方右上から見た斜視図である。図5は、一対の羽根41a,41bが開状態の場合の遊技ユニット200を前方右上から見た斜視図である。図6は、入賞装置40の羽根41a,41bが閉状態の場合での遊技ユニット200の正面図である。なお、図4,図5では、案内通路部92の一部の図示を省略した図としている。
遊技ユニット200は、図2に示すように、遊技盤30の遊技領域30aの中央箇所に取り付けられており、表示装置60と入賞装置40とが遊技領域30aの幅方向の中央箇所で且つその順に上から縦方向に並設された状態となっている。
また、遊技ユニット200は、図4〜図6に示すように、センターフレーム90と入賞装置40とを一体的に形成したものである。つまり、センターフレーム90と入賞装置40の後述する本体部材210とが組み付けられることで一体物構造となっている。なお、センターフレーム90と入賞装置40の後述する本体部材210とを分離不可に例えば樹脂成型することで一体物構造としてもよい。
また、遊技盤30は、図2に示すように、その遊技領域30aでの最下部箇所に、第1始動口31や第2始動口33や入賞装置40に入らなかった遊技球Bを回収するアウト口36を備えている。
これらの第1始動口31,第2始動口33,遊技ユニット200(入賞装置40,センターフレーム90)等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔247a(図示省略)にそれぞれに配設され、遊技盤30の前面側からネジ等により取り付けられている。なお、上述した第1始動口31,第2始動口33は後述する入球手段に相当する。
ここで、センターフレーム90の構造について説明する。センターフレーム90は、図2,図4〜図6に示すように、遊技球Bが入球可能な入球口91を例えば左右両側箇所にそれぞれ備えている。また、センターフレーム90は、図2,図4,図6に示すように、この入球口91に入球した遊技球Bを通過案内する案内通路部92と、この案内通路部92で案内された遊技球Bを視認可能に揺動(あるいは転動、移動、一方通行などであってもよい)させる、表示装置60の下方位置に設けられた揺動ステージ93と、この揺動ステージ93で揺動された遊技球Bを表示装置60の下方位置で表示画面61のその画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出する排出部94とを備えている。
揺動ステージ93は、図4に示すように、正面視で幅方向に遊技球Bが揺動する複数段(実施例では2段)の揺動面を備えている。具体的には、この2段の揺動面は、最奥側で上段の第1揺動面93aと、それよりも手前側で且つ下段の第2揺動面93bとで構成されており、第1揺動面93aと第2揺動面93bの順に遊技球Bが流下していくものである。
排出部94は、図4〜図6に示すように、揺動ステージ93からの遊技球Bを表示装置60の下方位置で表示画面61の画面幅よりも狭い排出範囲で入賞装置40の上部に排出するものである。
続いて、遊技ユニット200でのセンターフレーム90の真下位置の入賞装置40について、図7〜図18も用いて説明する。
図7は、正面右上から見た入賞装置40の概略分解斜視図である。図8は、正面右上から見た入賞装置40の詳細分解斜視図である。図9は、裏面左上から見た入賞装置40の詳細分解斜視図である。図10は、開閉入球部220からの遊技球Bが第1振り分け部材230へ案内される様子を示す入賞装置40の内部を正面右上から見た一部破断分解斜視図である。図11は、開閉入球部220からの遊技球Bが別通路265を通ってステージ250へ案内される様子を示す入賞装置40の内部を正面右上から見た一部破断斜視図である。図12は、開閉入球部220からの遊技球Bが導入通路部222を通って第1振り分け部材230へ案内される様子を示す図であって図6のA−A線断面図である。図13は、開閉入球部220からの遊技球Bが導入通路部222を通って第1振り分け部材230へ案内される様子を示す図であって図6のB−B線断面図である。図14は、図13での第1振り分け部材230を除いた図である。図15(a)は第1振り分け部材230の平面図、図15(b)は第2振り分け部材240の平面図、図15(c)は第1振り分け部材230と第2振り分け部材240との位置関係を説明するための平面図である。図16は、入賞装置40のステージ250の平面図である。図17(a)はステージ250の山部252が一方側(特定入賞部260側:下流側)に位置するときの入賞装置40の縦断面図であり、図17(b)は、図17(a)での遊技球Bの流れを説明するための図である。図18(a)はステージ250の山部252が他方側に位置するときの入賞装置40の縦断面図であり、図18(b)は、図18(a)での遊技球Bの流れを説明するための図である。
入賞装置40は、図2,図4〜図6に示すように、入球した遊技球Bの挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材210と、この本体部材210での排出部94の直下箇所に設けられ、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが入球可能な開状態に変移する開閉入球部220と、この開閉入球部220に入球した遊技球Bを当該入賞装置40の内部に導く導入通路部222と、本体部材210の内部空間に設けられ、導入通路部222で本体部材210の内部空間に案内された遊技球Bを滞留させて振り分ける第1振り分け部材230と、この第1振り分け部材230で振り分けられた遊技球Bを振り分ける可動式の第2振り分け部材240と、この第2振り分け部材240からの遊技球Bや後述する別通路265からの遊技球Bが移動(流下)可能なステージ250と、本体部材210の内部空間でステージ250の一方側に設けられ、第2振り分け部材240で振り分けられた遊技球Bの入球が可能で、且つ、遊技球Bが入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部260(Vゾーン)と、本体部材210の内部空間でステージ250の一方側に設けられ、この特定入賞部260(Vゾーン)とは別の入賞部であって、第2振り分け部材240で振り分けられた遊技球Bが入球可能な普通入賞部262とを備えている。
なお、この普通入賞部262は、図4に示すように、特定入賞部260(Vゾーン)の両側にそれぞれ設けられている。ステージ250を移動(流下)する遊技球Bは、このステージ250の一方側の特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに入球する。
本体部材210は、図7〜図9に示すように、その前面側に位置し、視認用開口211aを有する前面側部材211と、その右側に位置する右側部材212と、その左側に位置する左側部材213と、その背面側に位置する背面側部材214と、その上側に位置する上部側部材215と、その底面側に位置する底面側部材216とを備え、これらの前面側部材211と右側部材212と左側部材213と背面側部材214と上部側部材215と底面側部材216とで囲まれた内部空間を形成している。
開閉入球部220は、図2,図4に示すように、センターフレーム90の排出部94の直下箇所である、本体部材210での上部側部材215の箇所(図7,図8参照)に設けられている。この開閉入球部220は、第1状態(入球制限状態)では、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bが入球可能であるが、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球が困難(あるいは不可としてもよい)となっている。また、開閉入球部220は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて第1状態(入球制限状態)よりも開いた第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)となり、この第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)では、排出部94からの遊技球Bが入球可能であり、且つ、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが第1状態(入球制限状態)よりも入球し易くなっている。
なお、本実施例とは異なる遊技ユニット200としてもよい。つまり、センターフレーム90は図6に二点鎖線で示す通路板を設けたものとし、この通路板の両端に閉状態の一対の羽根41a,41bの先端側が当接または近接し、開状態の一対の羽根41a,41bの先端側と通路板の両端との間に開口を形成するようにすることで、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bがこの通路板上を左右のどちらかの方向に流下し、一対の羽根41a,41bが閉状態であればその通路板からの遊技球Bが開閉入球部220に入球せずに遊技領域30aに排出され、一対の羽根41a,41bが開状態であればその通路板からの遊技球Bが当該開口(開状態の一対の羽根41a,41bの先端側と通路板の両端との間に形成される開口のこと)を介して開閉入球部220に入球されるようにしてもよい。
具体的には、開閉入球部220は、図2に示すように、遊技球Bが入球可能な開口41eと、入賞装置40の上部において開口41eの両側で左右一対となるように配置された羽根41a,41bとを備えており、この羽根41a,41bは羽根駆動装置49(図3参照)によって開閉動作が駆動される。
開閉入球部220は、図5に示すように、一対の羽根41a,41bがその下端側の軸部41cを軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが入球可能な第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)と、図4に示すように、一対の羽根41a,41bが軸部41cを軸心として先端側が第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)よりも互いに近づくように回動した第1状態(入球制限状態)とに変移可能なものであり、且つ、一対の羽根41a,41bはその開状態においてセンターフレーム90および入賞装置40の横幅内に位置している。
開閉入球部220は、羽根41a,41bの第1状態(入球制限状態:図4参照)または第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態:図5参照)に依らずにセンターフレーム90の排出部94からの遊技球Bが入賞装置40内へ入賞可能であるが、図4に示す羽根41a,41bの第1状態(入球制限状態)では、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが困難であり、図5に示す羽根41a,41bの第2状態(入球制限解除状態)では、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bも入賞装置40内へ入賞することが可能となる。
また、一対の羽根41a,41bは、第1始動口31への入球検出から所定時間(例えば1秒)後に、所定の開放(本実施例では、例えば2秒間の1回開き)がされる。さらに、この羽根41a,41bは、第2始動口33への入球検出から所定時間(例えば1秒)後に、所定の開放(本実施例では、例えば2秒間の1回開きを連続2回行う)がされる。なお、この開放時間を2秒以外の任意の時間(例えば1.8秒などの任意の時間)に変更してもよい。
導入通路部222は、図10〜図12に示すように、開閉入球部220の開口41eから入球した遊技球Bを当該開閉入球部220の略中央箇所で一旦奥方向に案内してから横方向に案内する一対のL字通路223を左右対象に並べた状態で備えるとともに、両L字通路223の下流側にそれぞれ連通されて遊技球Bを手前側に案内する一対の手前向き通路224を備えている。なお、この導入通路部222での一対のL字通路223は、図7,図12に示すように、上部側部材215に設けられている。また、導入通路部222の右側の手前向き通路224は、図7,図12に示すように、右側部材212の上部側に設けられている。導入通路部222の左側の手前向き通路224は、図11,図12に示すように、左側部材213の上部側に設けられている。
第1振り分け部材230は、図10,図12,図13および図15(a)に示すように、左側の導入通路部222の下流側(つまり、左側の手前向き通路224の下流側)と右側の導入通路部222の下流側(つまり、右側の手前向き通路224の下流側)とを橋渡すように連通した第1通路231および第2通路232からなる分岐通路233を備えている。
この分岐通路233の第1通路231は、奥側に位置しており、この第1通路231の通路中間位置に、第2振り分け部材240に向けて遊技球Bを落下させるための排出孔231aを備えている。後述するように第1通路231からの遊技球Bは、第2振り分け部材240からステージ250を介してまたは直接に特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262に向けて広範囲に排出されるため、第2通路232よりも特定入賞部260(Vゾーン)に入り難くなっている。
また、分岐通路233の第2通路232は、手前側に位置しており、正面視で両端側のよりも中央側の方が低くなった揺動通路となっており、この第2通路232の通路中間位置には、第2振り分け部材240に向けて遊技球Bを排出させるための排出傾斜部232aを備えている。つまり、第2通路232は、遊技球Bをその通路方向に揺動させて第2振り分け部材240に向けて排出し、この第2振り分け部材240から特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに直接に排出される。
さらに、第1振り分け部材230は、図10および後述する図31に示すように、第2通路232の遊技球Bの入力端と段差無く連通された連通路310と、平面視の連通路310での第2通路232からの遊技球Bの出入箇所以外の止め箇所に位置することで第2通路232への遊技球Bの供給を止める止め状態となり、且つ、その出入箇所以外の箇所であって当該止め箇所から退避した退避箇所に位置することで第2通路232への遊技球Bの供給を可能とする止め解除状態となる可動式の規制部材312とを備えている。なお、図10で一点鎖線円内に拡大図示しているように、規制部材312が止め状態(斜め姿勢となっている状態)では、遊技球Bは第1通路231に案内される。
つまり、規制部材312は、図31(a),(b)に示す止め解除状態時には第2通路232に遊技球Bを案内し、図31(c),(d)に示す止め状態時には第2通路232への案内が当該規制部材312で阻止されて第1通路231に遊技球Bを案内する。
もう少し具体的に説明すると、規制部材312は、図31(a),(b)に示す止め解除状態では、手前向き通路224の通路面よりも一段下がった箇所に当該規制部材312が上方向に出っ張ることなく水平姿勢で収まるため、手前向き通路224からの遊技球Bが規制部材312上をそのまま通り過ぎて連通路310に到達し、第2通路232に遊技球Bを案内する。これに対して、図31(c),(d)に示す止め状態では、手前向き通路224の通路面よりも高い箇所に当該規制部材312が上方向に出っ張った傾斜姿勢となるため、第2通路232への案内が当該規制部材312で阻止されて第1通路231に遊技球Bを案内する。
また、規制部材312は、通常時には止め状態となっており、解除条件成立時の所定期間(本実施例では、第1始動口31または第2始動口33への入賞後の所定期間)は止め解除状態となっている。具体的には、後述するように第1始動口31または第2始動口33への入賞に基づいて、入賞装置40の羽根41a,41bが同時に1回開放(2秒間開放)または2回開放(2秒間開放を2回行う)するが、これに同期して規制部材312が所定期間(例えば、0.2秒間)止め解除状態となる。開状態の羽根41a,41bから入球した遊技球Bが規制部材312に到達し得る期間の一部の期間において規制部材312の止め解除状態を実現するために、厳密に言えば、入賞装置40の羽根41a,41bが開いた時から例えば1秒後に規制部材312を0.2秒間の間止め解除状態としている。
規制部材312は、図31に示すように、止め状態または止め解除状態のいずれの状態においても連通路310の上方箇所が吹き抜かれた切り欠き部314を備えている。つまり、本実施例では、規制部材312の切り欠き部314は、図31(a)に示すように、平面視した状態おいて、連通路310での第2通路232からの遊技球Bの出入箇所に存しないように開放した略コの字形状としている。
さらに、第1振り分け部材230は、図10に示すように、規制部材312の止め状態または止め解除状態への状態変移に伴って一体駆動または連動する装飾部材316を備えている。つまり、規制部材312の前面側部分は、装飾のための装飾部材316としている。なお、規制部材312の前面側に別体の装飾部材316を取り付けたりしてもよい。
ここで、右側部材212での規制部材312を止め状態または止め解除状態に変移させる変移機構部320の構成について説明する。右側部材212での変移機構部320は、図10に示すように、右側部材212の前面上部側箇所であって手前向き通路224の先端箇所に状態変移可能に設けられた規制部材312と、この規制部材312の突起部312aが先端側の取付孔322aに挿入され、且つ、右側部材212の内部に中央箇所が軸支された略くの字形状の伝達部材322と、この伝達部材322の基端側に近い箇所に形成された操作突起部322bが挿入される取付孔324aを有する接続部材324と、この接続部材324が取り付けられる可動片326aを基準位置とこの基準位置よりも突出した突出位置とに変移可能な装飾部材用ソレノイド326とを備えている。
つまり、装飾部材用ソレノイド326の可動片326aが突出位置に位置している場合には、この可動片326aに取り付けられた接続部材324も突出しており、この接続部材324の突出により伝達部材322が下げ姿勢となり、この下げ姿勢の伝達部材322の先端側の取付孔322aが下側に位置し、この下側位置の取付孔322aに挿入された規制部材312の突起部312aも下側に位置することから、規制部材312が止め状態(傾斜姿勢)となり、第2通路232への案内を阻止した状態となるとともに規制部材312と一体な装飾部材316も規制部材312の止め状態を示す状態となる。
これとは逆に、装飾部材用ソレノイド326の可動片326aが基準位置に位置している場合には、この可動片326aに取り付けられた接続部材324も突出しておらず、この突出していない接続部材324により伝達部材322が上げ姿勢となり、この上げ姿勢の伝達部材322の先端側の取付孔322aの位置が下げ位置よりも上がった上げ位置に位置し、この上げ位置の取付孔322aに挿入された規制部材312の突起部312aも上げ位置に位置することから、規制部材312が止め解除状態(水平姿勢)となり、第2通路232への案内が可能な状態となるとともに規制部材312と一体な装飾部材316も規制部材312の止め解除状態を示す状態となる。
なお、左側部材213での変移機構部320の構成についても上記と同様であるため、その説明を省略する。
なおここで、第2振り分け部材240およびその駆動機構部270の構成等について、図19〜図29も用いて説明する。
図19は、入賞装置40内を平面視したときの第2振り分け部材240の左右方向の揺動動作を示す図である。図20(a)〜(c)は、第2振り分け部材240が最大左側振り位置から中央位置までの揺動変移を示す平面図である。図21(a),(b)は、図20(c)に続いて第2振り分け部材240が最大右側振り位置までの揺動変移を示す平面図である。図22(a)は、最大左側振り位置の第2振り分け部材240とその駆動機構部270を示す平面図であり、図22(b)は、それとは逆に最大右側振り位置での図である。図23(a)は、第2振り分け部材240が水平姿勢状態のときの入賞装置40を右側から見た縦断面図であり、図23(b)は、第2振り分け部材240が上向き姿勢状態のときの縦断面図である。図24は、第2振り分け部材240の上下方向の揺動動作を示す図である。図25(a)は、第2振り分け部材240が図19の各三状態の間の中間状態のときの図であり、図25(b)は、その(a)での一点鎖線で示す第2振り分け部材240が上向き姿勢状態であることを示す縦断面図である。図26(a),(b)は、左上向き状態の第2振り分け部材240の側面図および平面図であり、図26(c),(d)は、右上向き状態の第2振り分け部材240の側面図および平面図である。図27(a)〜(d)は、水平姿勢状態の第2振り分け部材240の正面図、C−C線縦断面、平面図およびD−D線縦断面、図27(e)〜(f)は、上向き姿勢状態の第2振り分け部材240の平面図、E−E線縦断面および右側面図、図27(h),(i)は、水平姿勢状態の第2振り分け部材240の平面図、F−F線縦断面である。図28は、背面側部材214の前方右上から見た分解斜視図である。図29は、背面側部材214の後方左上から見た分解斜視図である。
第2振り分け部材240は、図7に示すように、その背面側が、背面側部材214に設けられた駆動機構部270によって正面視で左右方向および上下方向に駆動される被駆動部材271に連結されている。この被駆動部材271は、本実施例では図11に二点鎖線矢印で示すように正面視で略M字状(二山状)に往復駆動(揺動)されることから、それに連結された第2振り分け部材240は、その背面側の被駆動部材271を駆動軸心として図6に二点鎖線矢印で示すように往復駆動(揺動)される。つまり、図19に示すように、入賞装置40内を平面視すると、第2振り分け部材240は左右方向に揺動されるとともに、図19での三状態では第2振り分け部材240は図23(a)に示すように水平状態であり、図25(a)に一点鎖線で示す図19での各三状態の間の中間状態では、図25(b)に示すように第2振り分け部材240の先端側を上向きとした状態となっている。
具体的には、第2振り分け部材240は、正面視で中央に位置で略水平姿勢で先端側が正面側に向いた中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)と、先端側が右側に最大振られて略水平姿勢の右水平状態(図21(b)でかつ図23(a)の状態)と、先端側が左側に最大振られて略水平姿勢の左水平状態(図20(a)でかつ図23(a)の状態)と、中央水平状態と右水平状態との中間位置で先端側が最大に上向きとなる右上向き状態(図21(a)でかつ図23(b)の状態)と、中央水平状態と左水平状態との中間位置で先端側が最大に上向きとなる左上向き状態(図20(b)でかつ図23(b)の状態)とに変移可能である。
そして、この第2振り分け部材240は、中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)→右上向き状態(図21(a)でかつ図23(b)の状態)→右水平状態(図21(b)でかつ図23(a)の状態)→右上向き状態→中央水平状態→左上向き状態(図20(b)でかつ図23(b)の状態)→左水平状態(図20(a)でかつ図23(a)の状態)→左上向き状態→中央水平状態を一周期とする往復駆動が繰り返しされるものである。なお本実施例では、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に右側に振ってから左側に振るようにしているが、それとは逆に、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に左側に振ってから右側に振るような往復駆動であってもよい。
なお、本実施例では、第2振り分け部材240は、常時振り分け動作(上述した往復駆動)をしているが、大当たり状態のときに振り分け動作が停止し、且つ、通常の遊技状態(大当たり状態以外の遊技状態)に振り分け動作する構成としてもよく、大当たり状態後の通常の遊技状態開始時に振り分け動作を開始するようにしてもよい。また、第2振り分け部材240は、少なくとも各ラウンド開始時に中央水平状態から往復動作するようにしてもよい。また、第2振り分け部材240は、始動入賞時(第1始動口31や第2始動口33への遊技球Bの入球)に所定時間(例えば、3秒間など)振り分け動作するようにしてもよい。
第2振り分け部材240は、図13および図15(b),(c)に示すように、第1振り分け部材230の第1通路231の排出孔231aから排出された遊技球Bが供給され得る被供給部241と、この被供給部241から四方向に振り分ける第1〜第4振分通路242〜245と、第1振り分け部材230の第2通路232の排出傾斜部232aから排出された遊技球Bを受ける受け皿部247と、この受け皿部247に設けられた貫通孔247aに連通されて当該貫通孔247aを通った遊技球Bを前方向に出力する第5振分通路246とを備えている。
第2振り分け部材240の第5振分通路246は、図27(a),(b)に示すように、その奥側が登り山部となっているため、受け皿部247の貫通孔247aを通った遊技球Bを前方向にのみ出力可能となっており、中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)では下り傾斜の通路となっている。なお、図27(g)に示すように第2振り分け部材240が上向き状態となると、第5振分通路246の下り傾斜が上り傾斜に変移するため、この状態では遊技球Bが当該第5振分通路246内で止められて排出されないあるいは排出されないことが多い。
また、第2振り分け部材240の被供給部241は、図27(c),(d)に示すように、供給されてきた遊技球Bを左右に振り分けるために、その底面が山状となっており、図27(d)に示すように中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)では例えば、左側に振り分けられた遊技球Bは、第1振分通路242よりも低い第2振分通路243から前方向に出力されるし、右側に振り分けられた遊技球Bも同様に、第4振分通路245よりも低い第3振分通路244から前方向に出力される。これに対して、図27(g)に示すように上向き状態となると、例えば、左側に振り分けられた遊技球Bは、第1振分通路242が第2振分通路243よりも低くなり、この第1振分通路242から左方向に出力されるし、右側に振り分けられた遊技球Bも同様に、第4振分通路245が第3振分通路244よりも低くなり、この第4振分通路245から右方向に出力される。なお、第2振分通路243および第3振分通路244は、図27(h),(i)に示すように、中央水平状態(図20(c)でかつ図23(a)の状態)では下り傾斜の通路となっている。
前述したように、第2振り分け部材240は、図20(b),図21(a)に示すように、遊技球Bをステージ250の転動領域251の幅方向に振り分け出力する第1振分通路242および第4振分通路245を備えている。
また、図19に示すように第2振り分け部材240の先端側が転動領域251の下流端まで存しているため、その第5振分通路246は、図20(c)に示すように、遊技球Bをステージ250を介さずに特定入賞部260に向けて前方向に出力するし、その第2振分通路243は、図21(b)に示すように、遊技球Bをステージ250を介さずに特定入賞部260に向けて前方向に出力するし、その第3振分通路244は、図20(a)に示すように、遊技球Bをステージ250を介さずに特定入賞部260に向けて前方向に出力する。
また、第2振り分け部材240は、例えば、単一色あるいは複数色に着色された不透明部材としており、樹脂成型品としている。なお、透明樹脂成型品としその後に外面を塗装などで着色するようにしてもよいし、木製、金属製など樹脂成型品以外のものとしてもよい。
また、背面側部材214は、図23,図28に示すように、第2振り分け部材240を、ステージ250の転動領域251上で、当該第2振り分け部材240と転動領域251との間を遊技球Bが通過可能な間隔を空けて支持する支持機構300を備えている。支持機構300は、第2振り分け部材240が連結される被駆動部材271の背面側に突出した第1アーム部272に設けられた縦方向に貫通したスプライン孔272a(図26参照)に挿嵌するスプライン軸303と、このスプライン軸303をその軸周り方向に回動可能に軸支する軸受け部305とを備えている。このスプライン軸303は、被駆動部材271の第1アーム部272のスプライン孔272aに挿嵌された状態で当該第1アーム部272が落下しないように支持する支持部(図示省略)を備えている。
また、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の基端側を軸として先端側を本体部材210の内部空間で横方向に一振りする際にその先端側を本体部材210の内部空間で縦方向に二往復させることで、図6に二点鎖線矢印で示すように正面視で先端側を略二山状に揺動させるものである。
図28,図29に示すように、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の先端側を本体部材210の内部空間で横方向に揺動する横方向揺動機構273と、第2振り分け部材240の基端側を縦方向に揺動する縦方向揺動機構274とを備えている。
駆動部材271の第1アーム部272は、図26(a),図29に示すように、その背面下側箇所から外側へ突出した形状のものであり、当該被駆動部材271の上下方向の揺動を伝達するためのものである。また、被駆動部材271の第1アーム部272のスプライン孔272a(図26参照)に挿嵌されたスプライン軸303は、図26(a),図29に示すように、その背面側上部箇所に、駆動部材271の左右方向の揺動を伝達するための第2アーム部304を備えている。
具体的には、駆動機構部270は、図29に示すように、モータ275と、このモータ275の回転軸に連結されて当該回転軸を軸心として回転される第1歯車276と、この第1歯車276の前面側に設けられたピッチ円の小さい小外歯車部276a(図28参照)と噛み合う第2歯車277と、第1歯車276での小外歯車部276aよりピッチ円の大きい大外歯車部276bと噛み合う第3歯車278と、第2歯車277の前面側の偏心位置に設けられた突起部277aが挿入される縦長孔281aを有するとともに第2アーム部304の先端側が挿入される挿入穴281bを有する左右揺動伝達部材281と、第3歯車278の前面側の偏心位置に設けられた突起部278aが挿入される横長伝達孔283aを有するとともに第1アーム部272の先端側が遊嵌される横方向に長い横長孔283bを有する上下揺動伝達部材283とを備えている。なお、第1歯車276での小外歯車部276a(図28参照)および大外歯車部276bは、当該第1歯車276の回転軸を同一軸心とするものである。また、突起部278aは、図23に示すように、第3歯車278の回転中心から距離d(例えば1.5ミリ程度)だけ偏心した位置に設けられている。第2振り分け部材240の上向き姿勢(図23(b)参照)では、第2振り分け部材240の水平姿勢(図23(a)参照)に比べて、この第2振り分け部材240の先端側が6ミリ程度持ち上げられた状態となっている。
モータ275の回転軸の回転により第1歯車276が回転されることで第2歯車277が回転することになるが、例えば図22(a)に示すように第2歯車277の突起部277aが前面視で最右側に位置するときには、この突起部277aにより左右揺動伝達部材281が最右側に位置し、第2アーム部304の先端側が同様に最右側に位置しており、第2振り分け部材240の先端側が左側に振られた状態となる。続いて、この第2歯車277が半回転すると、今度は逆に、図22(b)に示すように第2歯車277の突起部277aが前面視で最左側に位置し、この突起部277aにより左右揺動伝達部材281が最左側に位置し、第2アーム部304の先端側が同様に最左側に位置しており、第2振り分け部材240の先端側が右側に振られた状態となる。
モータ275の回転軸の回転により第1歯車276が回転されることで第3歯車278も回転することになるが、例えば図23(a)に示すように第3歯車278の突起部278aが側面視で最上側に位置するときには、この突起部278aにより上下揺動伝達部材283が最上側に位置し、第1アーム部272の先端側が同様に最上側に位置しており、第2振り分け部材240が水平姿勢状態となる。続いて、この第3歯車278が半回転すると、今度は逆に、図23(b)に示すように第3歯車278の突起部278aが側面視で最下側に位置し、この突起部278aにより上下揺動伝達部材283が最下側に位置し、第1アーム部272の先端側が同様に最下側に位置しており、第2振り分け部材240の先端側が上向き姿勢状態となる。
モータ275の回転軸の回転により第1歯車276が回転されることで第2歯車277および第3歯車278が回転することになるが、この第1歯車276の小外歯車部276a(図28参照)と噛み合う第2歯車277が1回転すると、第1歯車276の大外歯車部276bと噛み合う第3歯車278が4回転することになることから、第2歯車277が1回転することで第2振り分け部材240の先端側が例えば最左側から最右側まで振って再び最左側に戻ってくるという一往復の間に、第3歯車278が4回転することになり、第2振り分け部材240の先端側の上下方向の揺動が4回行われることになる。つまり、第2振り分け部材240が、正面視で略M字状(二山状)に往復駆動(揺動)されることになる。
さらに、この入賞装置40は、図10,図11に示すように、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240とは別の経路であって開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速く特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262の方に案内する別通路265(特別ルート)と、所定の別案内条件成立(例えば、V継続タイプのパチンコ機では大当たり状態の最終ラウンドの期間、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機では大当たり状態の全ラウンドの期間など)の場合に開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内し、それ以外の場合に第1振り分け部材230に案内するように切り替える案内切替部267とを備えている。
なお、本実施例のパチンコ機10は、例えば、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機であるため、別案内条件成立として、大当たり状態での全ラウンドの期間を採用している。また、V継続タイプのパチンコ機の場合には、別案内条件成立として、V継続タイプのパチンコ機での大当たり状態での最終ラウンドの期間を採用するようにしてもよい。
この別通路265と案内切替部267とは、図7,図12に示すように、右側部材212と左側部材213とにそれぞれ設けられている。
別通路265は、図10,図11に示すように、開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速くステージ250に案内するものである。具体的には、導入通路部222は、図11,図12に示すように、その所定箇所(本実施例では、手前向き通路224での第1振り分け部材230の近傍箇所)での底面部分に開閉自在な開閉部224aを備えている。開閉部224aは、図11に示すように、開状態となると遊技球Bが落下可能な大きさの開口が形成され、閉状態において遊技球Bがそのまま通過するものである。つまり、別通路265は、図11に示すように、その入力側が開閉部224aの開口に連通されるとともに、図11,図12に示すように、その出力側がステージ250上に開口された垂下通路としている。
例えば、右側部材212での案内切替部267の構成について説明する。右側部材212での案内切替部267は、図10に示すように、右側部材212の上部側箇所であって手前向き通路224での第1振り分け部材230の近傍箇所にスライド自在に設けられた板状の開閉部224aと、この開閉部224aの突起部224bが先端側の取付孔225aに挿入され、且つ、右側部材212の内部に基端側が軸支された略くの字形状の伝達部材225と、この伝達部材225の基端側に近い箇所に形成された操作突起部225bが挿入される取付孔226aを有する接続部材226と、この接続部材226が取り付けられる可動片227aを基準位置とこの基準位置よりも突出した突出位置とに変移可能な特別ルート用ソレノイド227とを備えている。
つまり、特別ルート用ソレノイド227の可動片227aが突出位置に位置している場合には、この可動片227aに取り付けられた接続部材226も突出しており、この接続部材226の突出により伝達部材225が第1の姿勢P1となり、第1の姿勢P1の伝達部材225の先端側の取付孔225aの位置が前方向位置に位置し、この前方向位置の取付孔225aに挿入された開閉部224aの突起部224bも前面側位置に位置することから、開閉部224aが別通路265の上部側の開口を閉じた状態となる。
これとは逆に、特別ルート用ソレノイド227の可動片227aが基準位置に位置している場合には、この可動片227aに取り付けられた接続部材226も突出しておらず、この突出していない接続部材226により伝達部材225が第2の姿勢P2となり、第2の姿勢P2の伝達部材225の先端側の取付孔225aの位置が前方向位置よりも後退した後退位置に位置し、この後退位置の取付孔225aに挿入された開閉部224aの突起部224bも後退位置に位置することから、開閉部224aが別通路265の上部側の開口を閉じていない状態(つまり、開口した状態)となる。
なお、左側部材213での案内切替部267の構成についても上記と同様であるため、その説明を省略する。
第2振り分け部材240は、所定の別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)の場合においても、その動作(前述した略M字駆動)を継続している。
なお、本実施例のパチンコ機10がV継続タイプのパチンコ機である場合には、別案内条件成立として、V継続タイプのパチンコ機での大当たり状態での最終ラウンドの期間を採用し、この最終ラウンドの期間においても第2振り分け部材240の略M字駆動を継続するようにしてもよい。
特定入賞部260(Vゾーン)と普通入賞部262とは、図7,図9,図16に示すように、前面側部材211の裏面側の下方位置で、普通入賞部262と特定入賞部260(Vゾーン)と普通入賞部262との順で横並びに設けられている。
ステージ250は、図7に示すように、底面側部材216に設けられている。このステージ250は、図7,図16に示すように、第2振り分け部材240からの遊技球Bや別通路265からの遊技球Bが転動可能な転動領域251を備えている。そして、この転動領域251の一方側には、図16に示すように、特定入賞部260(Vゾーン)と普通入賞部262とが設けられている。
さらに、このステージ250は、図17,図18に示すように、転動領域251での一方側方向(転動領域251の中央箇所から真っ直ぐに特定入賞部260に向かう方向:流下方向)に対して直交する当該転動領域251の幅方向に連なる山部252を当該転動領域251に発生させるとともに、この山部252を転動領域251の下流方向に往復移動させる波立ち発生機構部253を備えている。つまり、波立ち発生機構部253は、転動領域251の他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)に発生させた山部252(図18参照)を、転動領域251の下流方向に移動させていき、図17に示すような転動領域251の一方側(特定入賞部260側:下流側)に山部252が達すると、今度は逆に山部252を転動領域251の他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)に向けて移動させていき、図18の転動領域251の他方側に位置させること一周期としてを繰り返し行うものである。つまり、山部252を転動領域251の一方側方向に沿って移動させることでこの転動領域251を波立たせる。なお、本実施例では、山部252を転動領域251の一方側方向に沿って往復移動させているが、山部252を転動領域251の一方側方向または他方側方向にのみ移動させるようにしてもよい。
なおここで、波立ち発生機構部253の構成等について、図30も用いて説明する。図30は、ステージ250の底面側部材216の分解斜視図である。
ステージ250は、図30に示すように、転動領域251の幅方向に亘る長さの複数本の丸棒体256を、当該転動領域251の奥行き方向に遊技球Bの直径よりも小さい間隔で並設するとともに、この複数本の丸棒体256を少なくとも高さ方向に移動可能に保持する並設保持部材257を備えている。具体的には、並設保持部材257は、丸棒体256の両端部分を高さ方向に移動可能に保持する一対の有底保持溝部257aを奥行き方向に遊技球Bの直径よりも小さい間隔で並設している。
波立ち発生機構部253は、図30に示すように、並設された複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げる押し上げローラ部材254と、この押し上げローラ部材254を転動領域251の奥行き方向に往復移動させる往復移動機構255とを備えている。
押し上げローラ部材254は、図30に示すように、スライド本体部254aと、このスライド本体部254aの手前辺側に設けられた、複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げるローラ部254bと、スライド本体部254aの奥側辺に設けられた、転動領域251の幅方向と同一方向に長い長孔254cとを備えている。
往復移動機構255は、図30に示すように、鉛直方向に回転軸を向けるように配置されたモータ255aと、このモータ255aの回転軸に連結されて回転する小歯車255bと、この小歯車255bと噛み合う大歯車255cと、この大歯車255cの上面側に突出し、スライド本体部254aの長孔254cに挿入される突出部255dとを備えている。
図17(a),図18(a)に示すように、モータ255aの回転軸の回転により小歯車255bが回転されることで大歯車255cが回転することになるが、例えば図17(a)に示すように大歯車255cの突出部255dが側面視で最左前に位置するときには、この突出部255dが挿入された長孔254cを有する押し上げローラ部材254が最左側に位置し、つまり、押し上げローラ部材254による山部252が転動領域251の最手前側に位置している状態となる。続いて、この大歯車255cが半回転すると、今度は逆に、図18(a)に示すように大歯車255cの突出部255dが側面視で最右側に位置し、この突出部255dにより押し上げローラ部材254が最右側に位置し、つまり、押し上げローラ部材254による山部252が転動領域251の最奥側に位置している状態となる。
図17(a),図18(a)に示すように、ステージ250の転動領域251は、山部252が存する箇所を除いて、水平な領域(あるいは略水平な領域としてもよい)としている。
また、図24,図30に示すように、ステージ250は、転動領域251の幅方向の両端箇所に、遊技球Bを当該転動領域251内に止めるための壁部258を備えている。例えば、転動領域251の幅方向に転動する遊技球Bが当該転動領域251の幅方向の端部の壁部258に当たって反射し、逆方向に進むことがある。
本実施例では、波立ち発生機構部253による転動領域251の山部252の往復移動と、駆動機構部270による第2振り分け部材240の略二山状揺動とをそれぞれ独立して行っており、両者は非同期としている。また、第2振り分け部材240の略二山状揺動の一周期よりも山部252の往復移動の一周期の方が長くなっている。
なお本実施例では、波立ち発生機構部253は、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に、転動領域251の山部252をその転動領域251の他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)の位置から一方側(特定入賞部260側:下流側)に移動させ、その後は逆方向に移動させるという往復移動をするようにしているが、それとは逆に、最初(パチンコ機10の電源投入時など)に一方側から他方側に移動させ、その後は逆方向に移動させるという往復駆動をするようにしてもよい。また、本実施例では、波立ち発生機構部253は、V継続タイプのパチンコ機では大当たり状態の最終ラウンドの期間や、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機では大当たり状態の全ラウンドの期間を除く期間において、転動領域251の山部252の往復移動をしているが、大当たり状態のときに往復移動が停止し、且つ、通常の遊技状態(大当たり状態以外の遊技状態)に往復移動する構成としてもよく、大当たり状態後の通常の遊技状態開始時に往復移動を開始するようにしてもよい。また、波立ち発生機構部253は、少なくとも各ラウンド開始時に往復移動するようにしてもよい。また、波立ち発生機構部253は、始動入賞時(第1始動口31や第2始動口33への遊技球Bの入球)に所定時間(例えば、3秒間など)往復動作するようにしてもよい。
入賞装置40は、開閉入球部220を通じて本体部材210の内部への遊技球Bの入球を検出する入球検出センサ221(図3,図8参照)と、本体部材210からの遊技球Bの出力を検出する出球検出センサ(後述するV検出センサ43と検出センサ44:図3,図8参照)とを備えている。
具体的には、入球検出センサ221は、図11に示すように、導入通路部222での開閉入球部220の近い箇所(つまり、L字通路223の入口側)に設けられており、例えば近接センサなどが挙げられる。
また、出球検出センサを構成するV検出センサ43と検出センサ44とは、図8,図17に示すように、本体部材210からの遊技球Bの出力を検出するものであり、例えば近接センサなどが挙げられる。特定入賞部260(Vゾーン)は底面側部材216の下方側に設けられたV検出用通路261に連通されており、V検出センサ43は、このV検出用通路261の下流側箇所に設けられている。普通入賞部262は底面側部材216の下方側に設けられた外れ用通路263に連通されており、検出センサ44は、外れ用通路263の下流側箇所に設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤30を正面視した状態でセンターフレーム90と入賞装置40との間の両側に、センターフレーム90および入賞装置40の横幅よりも小さい幅としたくびれ部201を備え、羽根41a,41bはくびれ部201に設けられている。
遊技領域30aは、図2に示すように、その正面視で縦長の略縦長楕円形となっている。くびれ部201は、遊技領域30aの正面視で横幅が最も大きい部分に位置している。
なお、遊技盤30には、この他、遊技ユニット200の左右所定箇所に風車37も取り付けられている。また、遊技球Bをガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数本の釘(図示省略)も遊技盤30に配置されている。
また、本実施例のパチンコ機10は、図3に示すように、パチンコ機10全体を制御するメイン制御装置70を備えている。
図2に示した第1始動口31は、図3に示すように、遊技球Bが通過したことを検出可能な第1始動口通過センサ32を備えている。この第1始動口通過センサ32は、遊技球Bの通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。メイン制御装置70は、第1始動口通過センサ32からの検出信号を受けると、入賞装置40の羽根41a,41bを同時に1回開放(2秒間開放)させるという動作を行う。また、図2に示した第2始動口33は、図3に示すように、遊技球Bが通過したことを検出可能な第2始動口通過センサ34を備えている。この第2始動口通過センサ34は、遊技球Bの通過を検出するとその検出信号をメイン制御装置70へ出力する。メイン制御装置70は、第2始動口通過センサ34からの検出信号を受けると、入賞装置40の羽根41a,41bを同時に2回開放させる(2秒間開放を2回行う)という動作を行う。
ステージ250の転動領域251を転動した遊技球Bは、この転動領域251の一方側に位置する特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに入賞する。
通常遊技状態、つまり、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞部260(Vゾーン)に遊技球Bが入球(入賞)すると大当たり状態が発生することになるが、普通入賞部262に入球するとその入球に対しての賞球が与えられるだけで大当たり状態は発生しない。
つまり、入賞装置40に入球した遊技球Bは、特定入賞部260または普通入賞部262のいずれかに入球する。特定入賞部260(Vゾーン)に入賞した遊技球BはV検出センサ43で通過検出される(図3参照)。V検出センサ43からの検出信号はメイン制御装置70に出力される。また、普通入賞部262に入球した遊技球Bは、検出センサ44で入球検出される。この検出センサ44からの検出信号はメイン制御装置70に出力される。
また、表示装置60は、特別遊技のラウンド回数を表示したり、1回のラウンドにおいて入賞装置40内に入賞した遊技球Bのカウント数を表示したり、各種の遊技状態に関する情報や合図などを表示したりする機能も備えている。このパチンコ機10では、通常遊技状態で遊技球BがVゾーンを通過したときに遊技者にとって有利な遊技状態に移行して最大で8ラウンドの特別遊技が行われる。
ここで、メイン制御装置70について図3を用いてもう少し詳細に説明する。メイン制御装置70は、図3に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,時間計測を行うタイマ77,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス79によって接続されている。メイン制御装置70には、第1始動口通過センサ32,第2始動口通過センサ34からの検出信号や、V検出センサ43からの検出信号などが入出力処理回路80を介して入力される。また、メイン制御装置70からは、1対の羽根41a,41bの開閉を駆動する羽根駆動装置49への駆動信号や、表示装置60の表示制御を司る表示制御装置45への制御信号や、賞球の払い出しを司る払出制御装置46への制御信号や、スピーカ48が接続された音声制御装置47への制御信号や、図示しない各種ランプへの点灯信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
また、第2始動口33は、図2に示すように、遊技球Bが入球可能な通常状態よりもさらに容易に遊技球Bが入球する入球容易状態とに変移する開閉羽根を備えている。遊技盤30は、例えば、風車37の上方箇所に、遊技球Bが通過可能なスルーゲート35を備えている。スルーゲート35は、遊技球Bの通過を検出するスルーゲート通過センサ35aを備えており、この通過センサ35aからの検出信号はメイン制御装置70に出力される。
メイン制御装置70は、スルーゲート通過センサ35aでの通過検出に基づいて、第2始動口33の開放抽選を行い、当選であれば第2始動口33の開放羽根33aを所定時間(例えば、2秒間)開放するし、落選であれば第2始動口33の開放を行わない。かかる抽選についての表示は、メイン制御装置70からの指示に基づいて表示制御装置45によって表示装置60の表示画面61の一部の領域に表示される。例えば当選であることを示す図柄である「○」と、落選であることを示す図柄「×」とを交互に表示する変動表示を行い、その変動表示が図柄「○」で停止した場合に第2始動口33の開放羽根33aが開放される。
また、本実施例では、メイン制御装置70は、通常遊技状態において、ステージ250の転動領域251に山部252を往復移動発生させるように波立ち発生機構部253を制御する。
また、本実施例では、メイン制御装置70は、通常遊技状態および大当たり状態において、入賞装置40の可動式の第2振り分け部材240を、前述した略M字状に駆動させるように駆動機構部270を制御する。
また、メイン制御装置70は、別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)の場合に、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するように案内切替部267を制御して開閉部224aを開状態にする。
なお、本実施例のパチンコ機10がV継続タイプのパチンコ機である場合には、別案内条件成立として、V継続タイプのパチンコ機での大当たり状態での最終ラウンドの期間を採用し、この最終ラウンドの期間において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するように案内切替部267を制御して開閉部224aを開状態にするようにしてもよい。
また、メイン制御装置70は、図3に示すように保持制御部293を備えている。保持制御部293は、別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)の場合に、図18に示すように、波立ち発生機構部253による転動領域251での山部252を当該転動領域251での別通路265の出力側の開口が投影される部分の上流側位置で保持させるように制御する。つまり、全ラウンドの期間において、図18に示すように、垂下通路よりも上流側の転動領域251での箇所に山部252を保持させる。
メイン制御装置70は、図3に示すように、入球検出センサ221での入球検出数と出球検出センサ(V検出センサ43と検出センサ44)での出球検出数とが一致しているか否かを判定する入出力球数判定部290と、この入出力球数判定部290で不一致と判定されている間は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球しても開閉入球部220を開状態としない開禁止制御部292とを備えている。
具体的には、開禁止制御部292は、たとえば、大当たり状態の終了時点において入出力球数判定部290で不一致と判定されている場合は、それが一致するまでの間、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球しても開閉入球部220を開状態としない。
なお、上述した開閉入球部220は後述する入球部および開閉入口部に相当し、上述した第1振り分け部材230は振り分け手段に相当し、上述した特定入賞部260(Vゾーン)は特定入球手段に相当し、上述した普通入賞部262は非特定入球手段に相当し、上述した第2通路232は揺動排出通路に相当し、上述した連通路310は連通部に相当し、上述した規制部材312は止め部材に相当し、上述した第2通路部232は第1振分排出通路に相当し、上述した第1通路部231は第2振分排出通路に相当し、上述した装飾部材316は視認部材に相当し、上述した切り欠き部314は吹き抜け部に相当し、上述したステージ250はステージ部に相当し、上述した波立ち発生機構部253は波立ち発生手段に相当し、上述した第2振り分け部材240は可動式振り分け部材に相当し、上述した第2振分通路243,第3振分通路244および第5振分通路246は第1出力部,前方向出力部に相当し、上述した第1振分通路242は第2出力部,左横方向出力部に相当し、上述した第4振分通路245は第2出力部,右横方向出力部に相当し、上述した支持機構300は支持手段に相当し、上述した駆動機構部270は二山状揺動手段に相当し、上述した横方向揺動機構273は横方向揺動手段に相当し、上述した縦方向揺動機構274は縦方向揺動手段に相当し、上述した丸棒体256は丸棒状部材に相当し、上述した並設保持部材257は並設保持手段に相当し、上述した押し上げローラ部材254は押し上げ部材に相当し、上述した往復移動機構255は部材移動手段に相当し、上述した表示装置60は表示手段に相当する。
次に、遊技ユニット200に入球した遊技球Bの流れについて以下に説明する。
遊技球Bの遊技ユニット200への入球ルートとしては、図4に示すように、遊技球Bがセンターフレーム90の入球口91に入球して入賞装置40に入球する第1入球ルートと、図5に示すように、遊技球Bがセンターフレーム90の入球口91には入球しなかったが第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)の開閉入球部220を介して入賞装置40に入球する第2入球ルートとがある。
まず、第1入球ルートについて説明する。図4に示すように、センターフレーム90の左右のいずれかの入球口91に入球した遊技球Bは、案内通路部92内を通って揺動ステージ93の方に案内される。この揺動ステージ93に案内された遊技球Bは、第1揺動面93aで左右方向に揺動するなどして、それよりも下段の第2揺動面93bに流下し、この第2揺動面93bでも左右方向に揺動して、第2揺動面93bの排出部94から入賞装置40の開閉入球部220に排出される。
センターフレーム90の排出部94から排出された遊技球Bは、図4に示すように、入賞装置40の開閉入球部220が第1状態(入球制限状態)または第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)のいずれであってもこの開閉入球部220に入球する。
ここで、第2入球ルートについて説明する。図5に示すように、センターフレーム90の入球口91に入球しなかった遊技領域30aを流下する遊技球Bは、入賞装置40の第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)の開閉入球部220に入球することがある。
そして、入賞装置40の開閉入球部220以降の遊技球Bの流れについては、第1入球ルートおよび第2入球ルートともに同じであるため、以下に共通して説明する。
開閉入球部220に入球した遊技球Bは、図10に示すように入球検出センサ221で検出され、図12に示すようにL字通路223を通り、手前向き通路224を通り、第1振り分け部材230の分岐通路233に案内される。そして、規制部材312の状態に応じて、図13に示すように、第1振り分け部材230の第1通路231または第2通路232のいずれかに案内される。具体的には、規制部材312が図31(a),(b)に示す止め解除状態であれば、遊技球Bは第2通路232に案内されるし、規制部材312が図31(c),(d)に示す止め状態であれば、遊技球Bは第2通路232への案内が阻止されて第1通路231に案内されることになる。
分岐通路233の第1通路231に案内された遊技球Bは、図13に示すように、この第1通路231の通路中間位置の排出孔231aにより、正面視で略M字状駆動する第2振り分け部材240に向けて落下される。図13に示すような位置関係のときには、排出孔231aから落下された遊技球Bが図15(b)に示す被供給部241に供給され、この被供給部241から四方向に振り分けられ、つまり、第1〜第4振分通路242〜245のいずれか一つを通ってステージ250に供給される。
なお、排出孔231aから落下された遊技球Bは、可動式の第2振り分け部材240の状態によっては、被供給部241に供給されず、この被供給部241の周囲部分に衝突してステージ250の方に供給されることもある。
一方、分岐通路233の第2通路232に案内された遊技球Bは、図13に示すように、この第2通路232が揺動通路となっているため当該通路方向で揺動した後に、第2通路232の通路中間位置の排出傾斜部232aにより、第2振り分け部材240の受け皿部247に向けて遊技球Bが排出される。なお、この排出傾斜部232aから排出される遊技球Bは、図15(c)に示すように、受け皿部247が第2振り分け部材240の可動範囲を許容する形状としているため、第2振り分け部材240が如何なる状態にあってもこの受け皿部247に供給される。そして、この第2振り分け部材240の受け皿部247に供給された遊技球Bは、図15(b)に示す排出孔231aから図4に示す第5振分通路246を通って前方向に出力されて、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)や普通入賞部262に供給される。
以下に、第5振分通路246からの遊技球Bの出力について、第2振り分け部材240の状態別に説明する。
まず、図20(c)に示すように、第2振り分け部材240が中央水平状態のときは、第5振分通路246を通って前方向に出力された遊技球Bは、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞する。
また、図20(b)および図21(a)に示すように、第2振り分け部材240が左上向き状態および右上向き状態のときは、第5振分通路246の奥部で遊技球Bが止められることがあり、その直後に図20(c)に示す中央水平状態となれば、この第5振分通路246から出力された遊技球Bがステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞することがある。
また、第2振り分け部材240が、中央水平状態(図20(c)参照)以外の状態、つまり、左水平状態(図20(a)参照)、左上向き状態(図20(b)参照)、右上向き状態(図21(a)参照)および右水平状態(図21(b)参照)のときは、第5振分通路246の出力方向が特定入賞部260(Vゾーン)に向いていないためこの第5振分通路246からの遊技球Bはステージ250を介さずに普通入賞部262に入賞することになる。
次に、第2振分通路243または第3振分通路244からの遊技球Bの出力について、第2振り分け部材240の状態別に説明する。
具体的には、図20(a)に示すように、第2振り分け部材240が左水平状態のときは、第3振分通路244を通って前方向に出力された遊技球Bは、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞するが、第2振分通路243を通って前方向に出力された遊技球Bは普通入賞部262に入賞することになる。
また、図21(b)に示すように、第2振り分け部材240が右水平状態のときは、第2振分通路243を通って前方向に出力された遊技球Bは、ステージ250を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に直接に入賞するが、第3振分通路244を通って前方向に出力された遊技球Bは普通入賞部262に入賞することになる。
なお、第2振り分け部材240が中央水平状態(図20(c)参照)のときは、第2振分通路243または第3振分通路244を通った遊技球Bは、第2振分通路243および第3振分通路244の出力方向が特定入賞部260(Vゾーン)に向いていないため、ステージ250を介さずに普通入賞部262に入賞することになる。また、第2振り分け部材240が左上向き状態(図20(b)参照)および右上向き状態(図21(a)参照)のときは、その上向き姿勢のため、被供給部241に供給された遊技球Bが第2振分通路243または第3振分通路244ではなく第1振分通路242または第4振分通路245からステージ250に出力される。
次に、第1振分通路242または第4振分通路245からの遊技球Bの出力について、第2振り分け部材240の状態別に説明する。
第2振り分け部材240が左上向き状態(図20(b)参照)および右上向き状態(図21(a)参照)のときは、その上向き姿勢のため、被供給部241に供給された遊技球Bが第1振分通路242または第4振分通路245からステージ250に幅方向(横方向)出力される。
この第1振分通路242または第4振分通路245からステージ250の幅方向に出力された遊技球Bは、当該ステージ250の転動領域251が水平であるため、波立ち発生機構部253による往復移動する山部252の影響を受けるまでは、転動領域251の幅方向(横方向)に移動するし、壁部258に当たって逆方向に反射して移動することもある。
また、第2振り分け部材240は、その底面側と転動領域251との間を遊技球Bが通過可能な間隔を空けて、支持機構300により支持されているので、図23に示すように、転動領域251における第2振り分け部材240の下方領域も遊技球Bの転動が可能となっている。
そして、転動領域251の幅方向に転動する遊技球Bが、例えば転動領域251を他方側(特定入賞部260とは反対側:上流側)から一方側(特定入賞部260側:下流側)に移動する山部252の影響を受けて、図16に示すように、遊技球Bに斜め方向の合成力が生じてその遊技球Bが転動領域251を斜め方向(図16の一点鎖線矢印方向)に転動し始めるため、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力された時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるし、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力されてしばらくその方向に進んだ時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになる。また、転動領域251を一方側(特定入賞部260側)から他方側に戻ってくる山部252の影響を受けた場合には、図16に示すように、遊技球Bが奥側に戻されてから、遊技球Bが転動領域251を斜め方向(図16の二点鎖線矢印方向)に転動することもある。なお、図16では、右下り斜め方向のみを図示しているが、左下り斜め方向に転動することがあることは言うまでもない。
そして、ステージ250の転動領域251を山部252の影響を受けて流下した遊技球Bは、特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに入賞する。
通常遊技状態(大当たり状態以外の状態)において、特定入賞部260(Vゾーン)に遊技球Bが入球(入賞)すると大当たり状態(後述する「羽根モノ大当たり」状態)が発生することになるが、普通入賞部262に入球するとその入球に対しての賞球が与えられるだけで大当たり状態は発生しない。
続いて、大当たり状態について説明する。なお、本実施例のパチンコ機10は、前述したようにラウンド自動移行タイプのパチンコ機である。つまり、入賞装置40が大当たり状態(つまり、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉が所定ラウンド行われる状態)において、入賞装置40への遊技球Bの入賞(入球)個数を入球検出センサ221(図3参照)で検出しており、当該大当たり状態での遊技球Bの入賞個数が所定数(ここでは10個)に達するとそのラウンドを終了するようにしている。また、入賞装置40の羽根41a,41bの開閉が所定回数(18回)に達した場合にもそのラウンドを終了するようにしている。つまり、当該大当たり状態での1ラウンドは、入賞装置40の羽根41a,41bの開放回数(18回)、または、遊技球Bの入賞個数(10個)のうち、いずれかが所定数に達成するとそのラウンドが終了する。
つまり、メイン制御装置70は、羽根駆動装置49を駆動して羽根41a,41bを18回開閉させるが、その間に、入賞装置40内に所定数(ここでは10個)の遊技球Bが入賞したときには、開閉動作が18回に満たない場合であっても羽根駆動装置49に指令を出力して羽根41a,41bを閉鎖状態としそのラウンドを終了し、それを所定の最大ラウンドまで継続する。例えば、「羽根モノ大当たり」つまり、入賞装置40の特定入賞部260(Vゾーン)への入球(入賞)することで生じる大当たり状態では、特定入賞部260(Vゾーン)への入球(入賞)に基づいて、最大ラウンド(例えば、2、7、15ラウンド)が決定される。つまり、メイン制御装置70は、最大ラウンド決定用乱数72bを備え、特定入賞部260(Vゾーン)への入球(入賞)検出時の最大ラウンド決定用乱数72bに基づいて、2ラウンド(発生確率33%)、7ラウンド(発生確率34%)、15ラウンド(発生確率33%)のいずれかが決定される。なお、特別遊技状態が限度回数まで行われた後には、基本的には通常遊技状態に戻るが、時短状態となる場合もある。ここで言う「時短状態」とは、大当たり状態終了後の羽根41a,41bの開放回数が所定回数(例えば20回)に達するまでの間、この羽根41a,41bの開放時間を所定時間に延長した状態などが挙げられる。
また、このパチンコ機10は、前述の「羽根モノ大当たり」以外に、「直撃大当たり」つまり、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)に基づいて行われる抽選により生じる大当たり状態も有している。具体的には、メイン制御装置70は、大当たり抽選用乱数72aを備えており、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)検出時の大当たり抽選用乱数72aに基づいて、大当たりか外れかが決定される。なお、「直撃大当たり」の確率は、例えば1/112程度となっている。また、かかる大当たり状態としては7ラウンド(発生確率60%)と14ラウンド(発生確率40%)との二種類がある。具体的には、メイン制御装置70は、直撃大当たり時ラウンド決定用乱数72cも備えており、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)検出時の直撃大当たり時ラウンド決定用乱数72cに基づいて、7ラウンド(発生確率60%)と14ラウンド(発生確率40%)のいずれかが決定される。
なお、上述した大当たり状態においては、メイン制御装置70は、別案内条件成立(大当たり状態の全ラウンドの期間)とし、図3に示すように、大当たり状態の全ラウンドの期間において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するように案内切替部267を制御して開閉部224aを開状態とし、保持制御部293は、図18に示すように、全ラウンドの期間において、波立ち発生機構部253による転動領域251での山部252を当該転動領域251での別通路265の出力側の開口が投影される部分の上流側位置で保持させるように制御する。
また、大当たり状態における入賞装置40の開閉入球部220以降の遊技球Bの流れについては、以下に説明する。
上述した大当たり状態においては、図10,図18に示すように、開閉入球部220から入球された遊技球Bが、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を介さずに別通路265(特別ルート)を通ってステージ250に供給される(図18での破線矢印でのルート)ことから、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速くステージ250に供給されることになる。さらに、この大当たり状態では、図18(b)に示すように、ステージ250の山部252が転動領域251の他方側で保持された状態となっているため、別通路265(特別ルート)を通ってステージ250に供給された遊技球Bを往復移動する山部252によって転動領域251の他方側に押し戻すようなことがなく、転動領域251の一方側(特定入賞部260側)に遊技球Bが転動されることになる。
また、メイン制御装置70は、この大当たり抽選用乱数72aが当りである場合には、表示装置60の表示画面61に識別情報の変動表示を行うように表示制御装置45を制御し、大当たりを示す表示態様の識別情報表示で停止させるという変動表示演出も行う。なお、この大当たり抽選用乱数72aが外れであり、且つ、外れ変動表示条件成立の場合に、識別情報の変動表示を行い、外れを示す表示態様の識別情報表示で停止させるという変動表示演出を行う。なお、外れ変動表示条件成立を低確率とした場合には、外れ変動表示の実行数が低くなり、それ以外の変動表示は大当たりの変動表示であるため、識別情報の変動表示が大当たりとなる印象を遊技者に与えることができる。
上述したように本実施例の遊技機によれば、入賞装置40は、入球した遊技球Bの挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材210と、この本体部材210の所定箇所に設けられた開閉入球部220と、本体部材210の内部空間に設けられ、開閉入球部220からの遊技球Bを振り分けて出力する第1振り分け部材230と、本体部材210の内部空間に設けられ、第1振り分け部材230で振り分け出力された遊技球Bが入球可能で、且つ、遊技球Bの入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入賞部260(Vゾーン)と、本体部材210の内部空間でその一方側に設けられ、特定入賞部260(Vゾーン)以外の入球部であって第1振り分け部材230で振り分けられた遊技球Bが入球可能な普通入賞部262とを備え、第1振り分け部材230は、開閉入球部220からの遊技球Bを通路方向に揺動させて特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262に排出する第2通路232と、この第2通路232の遊技球Bの入力端と段差無く連通された連通路310と、平面視の連通路310での第2通路232からの遊技球Bの出入箇所以外の止め箇所に位置することで第2通路232への遊技球Bの供給を止める止め状態となり、且つ、前記出入箇所以外の箇所であって止め箇所から退避した退避箇所に位置することで第2通路232への遊技球Bの供給を可能とする止め解除状態となる規制部材312とを備えている。
したがって、開閉入球部220から入賞装置40内に入球した遊技球Bは、規制部材312が止め解除状態のときに第1振り分け部材230の第2通路232に供給されて、この第2通路232で揺動されることになるが、第2通路232の入力端に段差の無く連通された連通路310まで行き来できるし、規制部材312は止め状態および止め解除状態のいずれの状態においても第2通路232からの遊技球Bの出入箇所に存しないため、規制部材312によって揺動幅が制限されることもない。その結果、入賞装置40内の第1振り分け部材230(例えば振分装置)での第2通路232の遊技球揺動幅を拡張できるパチンコ機(遊技機)を提供することができる。
また、第2通路232は、特定入賞部260(Vゾーン)に入球し得るように排出するものであり、第1振り分け部材230は、第2通路232よりも特定入賞部260(Vゾーン)に入り難く排出する第1通路231を備え、規制部材312は、止め解除状態時には第2通路232に、止め状態時には第1通路231に遊技球Bを案内するものであり、さらに、第1振り分け部材230は、規制部材312の止め状態または止め解除状態への状態変移に伴って一体駆動または連動する装飾部材316を備えているので、遊技者は、装飾部材316の状態を見ることで、第2通路232に遊技球が案内され得る状態(例えば、遊技者にとって有利な振り分け状態)であることが分かる。その結果、入賞装置40内の第1振り分け部材230(振分装置)での遊技球の有利な振り分けを遊技者に分かり易くしたパチンコ機を提供することができる。
なお、第2通路232(揺動排出通路)が正面手前側(遊技者にとって近い側)に位置し、第2通路232よりも手前側(遊技者にとって近い側)に装飾部材316(視認部材)が位置し、規制部材312(止め部材)は第2通路232よりも奥側(遊技者にとって遠い側)に位置し、装飾部材316と規制部材312とを一体駆動(または連動)するので、第2通路232を揺動する遊技球Bで装飾部材316が隠れてしまうことがなく、装飾部材316が遊技球Bで見難くなることがない。また、規制部材312が第2通路232よりも手前側(遊技者にとって近い側)に位置する場合では、その分だけ第2通路232が奥側に位置することになるため、第2通路232での遊技球Bの揺動の見易さに劣るが、第2通路232が規制部材312はよりも手前側(遊技者にとって近い側)に位置しているため、遊技球Bの揺動が見易い状態で遊技者に提供できる。
また、第2通路232(揺動排出通路)は、第1通路231よりも正面手前側に位置し、且つ、第1通路231に比べて遊技球Bをゆっくり滞留させるものであり、入賞装置40は、第1振り分け部材230で振り分けられた遊技球Bが移動可能で特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに案内するステージ250を備え、別通路265(特別ルート)は、開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230(特に第2通路232)よりも速くステージ250に案内するので、第2通路232(揺動排出通路)での遊技球Bの揺動、つまり、ゆっくりされる遊技球Bを遊技者にとって手前側に位置させることで、その様子をより良く見せることができる。また、第1振り分け部材230(特に第2通路232)を通らずに別通路265(特別ルート)で案内された遊技球Bがステージ250に案内されて特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに案内されるので、遊技球Bが迅速に処理されるだけでなく、遊技者は、別通路265(特別ルート)を通った遊技球Bをステージ250上で視認することができ、入賞装置40に入球した遊技球Bを確認することができる。
また、規制部材312は、通常時には止め状態となっており、解除条件成立時の所定期間は止め解除状態となるので、通常時は、特定入賞部260(Vゾーン)に入り難く排出する第1通路231が選択されており、仮に通常時に規制部材312が故障しても第1通路231を通って特定入賞部260(Vゾーン)に入り難く排出されるだけであり、規制部材312の故障により遊技者に不当な利益(つまり、第1通路231に比べて特定入賞部260(Vゾーン)に入り易い第2通路232を通って遊技球が常時排出される不当な利益)が与えられることを低減できる。また、解除条件成立時の所定期間に規制部材312が止め解除状態とならず、第2通路232に振り分けられないことから、かかる規制部材312の故障を発見できる。
また、規制部材312の切り欠き部314は、止め状態または止め解除状態のいずれの状態においても連通路310の上方箇所が吹き抜かれたものとしているので、連通路310での第2通路232からの遊技球Bの出入箇所上に規制部材312が位置することがなく、当該規制部材312に遊技球Bが乗ったまま保持されるようなことがないし、連通路310と規制部材312との間に遊技球Bが挟まれるようなこともない。
また、ステージ250は、転動領域251での一方側方向に対して直交する当該転動領域251の幅方向に連なる山部252を当該転動領域251に発生させるとともに、当該山部252を転動領域251の一方側方向に沿って移動させる波立ち発生機構部253を備え、第2振り分け部材240は、開閉入球部220からの遊技球Bを、ステージ250の転動領域251の幅方向に少なくとも振り分け出力する。
したがって、第2振り分け部材240からステージ250の転動領域251の幅方向に遊技球Bが振り分け出力されるタイミングと、波立ち発生機構部253による転動領域251での波立ち(山部252)の移動タイミングとにより、転動領域251での遊技球Bの転動方向が決定される。つまり、転動領域251の幅方向に転動する遊技球Bが、転動領域251の奥行き方向に移動する山部252の影響を受けることで、遊技球Bに斜め方向の合成力が生じてその遊技球Bが転動領域251を斜め方向に転動し始めるため、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力された時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるし、遊技球Bが転動領域251の幅方向に出力されてしばらくその方向に進んだ時点で山部252の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるため、遊技球Bの転動方向に変化を持たせることができる。すなわち、第2振り分け部材240から転動領域251の幅方向に遊技球Bを出力する位置(落とす位置)は毎回同じなのに、転動領域251の移動する山部252により転動領域251での遊技球Bの流下方向に意外性を持たせることができ、転動領域251を広範囲に転動させることができ、特定入賞部260(Vゾーン)に入るかどうかの変化を持たせることができる。
また、第2振り分け部材240での一部の遊技球Bは特定入賞部260(Vゾーン)などに直接に排出され、第2振り分け部材240での残りの遊技球Bはだけを転動領域251の幅方向に出すので、転動領域251での遊技球Bの挙動に面白味を持たせることができる。また、その山部252の動作を単純にしながら遊技球の色々な挙動を見せることができる。つまり、山部252を転動領域251の一方側方向に沿って移動させるだけであるので、山部252をハードまたはソフト制御でするにしても非常にコンパクトであり、山部252を逐次に動作または停止を制御する構成に比べてコンパクトにでき、山部252が単純な動作なので不正動作が発見し易いため、不正対策に優れる。また、山部252が単純な動作なので、遊技者にとって見ても山部252が不正に制御された不正な遊技機との印象を持たない。
その結果、入賞装置40内の振分装置(例えば、第2振り分け部材240)で振り分けられたステージ250上での遊技球Bの挙動に面白味を持たせることができるパチンコ機(遊技機)を提供することができる。
また、ステージ250の転動領域251は、水平または略水平な領域としているので、転動領域251の幅方向に出力された遊技球Bは、その出力方向に進んでいき、転動領域251の奥行き方向に移動する山部252の影響を受けたときから遊技球Bに斜め方向の合成力が生じてその遊技球Bが転動領域251を斜め方向に転動し始めることになり、波立ち発生機構部253による転動領域251での波立ち(山部252)を契機に転動領域251の一方側(特定入賞部260側)に向かわせることができる。
また、第2振り分け部材240の第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から前方向に出力される遊技球Bは、転動領域251を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に入球することがあり、第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から出力される遊技球Bが転動領域251の移動する山部252によって特定入賞部260(Vゾーン)への入球が阻まれることを防止でき、第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から出力されて特定入賞部260(Vゾーン)に入球される利益を確保できる。また、第2出力部(第1振分通路242、第4振分通路245)から転動領域251の幅方向に出力された遊技球Bは、転動領域251を移動する山部252の影響を受けて特定入賞部260(Vゾーン)に入球することがあるという面白味も提供できる。
また、支持機構300は、第2振り分け部材240を、ステージ250の転動領域251上で転動領域251との間を遊技球Bが通過可能な間隔を空けて支持しているので、転動領域251における第2振り分け部材240の下方領域も遊技球Bの転動が可能であり、ステージ250の転動領域251をその幅方向にわたって最大限に活用することができる。また、ステージ250の転動領域251を転動する遊技球Bが第2振り分け部材240下を通る際に一旦隠れてから現れて、特定入賞部260(Vゾーン)に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球Bの挙動にさらに面白みを持たせることができる。
また、第2振り分け部材240は不透明部材としているので、ステージ250の転動領域251を転動する遊技球Bが第2振り分け部材240下を通る際に一旦隠れてしまい、その後に第2振り分け部材240下から現れて、特定入賞部260(Vゾーン)に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球Bの挙動にさらに面白みを持たせることができる。
また、ステージ250は、転動領域251の幅方向の両端箇所に、遊技球Bを当該転動領域251内に止めるための壁部258を備えているので、第2振り分け部材240から転動領域251の幅方向に出力された遊技球Bが当該転動領域251の幅方向の両端箇所に到達したとしても、その両端箇所の壁部258により反射され、この反射された遊技球Bに転動領域251での移動する山部252が作用してその転動方向を変えることができ、第2振り分け部材240での出力方向とは逆方向に遊技球Bを向かわせることができるだけでなく、移動する山部252により遊技球Bの転動方向を変化させることができる。
また、横方向揺動機構273は、第2振り分け部材240の基端側を軸として先端側を内部空間で横方向に揺動するので、第2振り分け部材240から転動領域251への出力方向に多様性を持たせることができ、転動領域251での移動する山部252との関係でさらに多様な遊技球Bの挙動を生み出すことができる。
また、縦方向揺動機構274は、第2振り分け部材240の基端側を軸として先端側を内部空間で縦方向に揺動するので、第2振り分け部材240の先端側が上向きとした上向き姿勢と、第2振り分け部材240の先端側が下向きとした下向き姿勢とに可変することで、第2振り分け部材240での遊技球Bの出力方向に変化を与えることができ、第2振り分け部材240から転動領域251への出力方向にさらに多様性を持たせることができ、転動領域251での移動する山部252との関係でさらに多様な遊技球Bの挙動を生み出すことができる。
また、駆動機構部270は、第2振り分け部材240の基端側を軸としてその先端側を内部空間で横方向に一振りする際に、当該第2振り分け部材240の先端側を内部空間で縦方向に二往復させることで、正面視で第2振り分け部材240の先端側を略二山状に揺動させるので、正面視で第2振り分け部材240の先端側がその二山の麓に位置した姿勢では、第1出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から転動領域251を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に向けて遊技球Bを出力することがあり、正面視で第2振り分け部材240の先端側がその二山の頂上に位置した姿勢では、第2出力部(第1振分通路242、第4振分通路245)から転動領域251の幅方向に遊技球Bを出力することがあり、第2振り分け部材240からの出力方向に多様性を持たせることができる。
また、第2振り分け部材240は、複数個の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)と右横方向出力部(第4振分通路245)と左横方向出力部(第1振分通路242)とを備えているので、複数個の前方向出力部(第2振分通路243、第3振分通路244、第5振分通路246)から転動領域251を介さずに特定入賞部260(Vゾーン)に向けて遊技球Bを出力することができ、右横方向出力部(第4振分通路245)と左横方向出力部(第1振分通路242)とから転動領域251の幅方向に遊技球Bを出力することができる。
また、ステージ250の並設保持部材257は、転動領域251の幅方向に亘る長さの複数本の丸棒体256を、当該転動領域251の奥行き方向に遊技球Bの直径よりも小さい間隔で並設するとともに、複数本の丸棒体256を少なくとも高さ方向に移動可能に保持するので、遊技球Bを転動領域251の幅方向、つまり、隣接する丸棒体256間でその棒方向に転動させることができる。また、波立ち発生機構部253の押し上げ部材は、並設された複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げ、波立ち発生機構部253の往復移動機構255は、押し上げローラ部材254を転動領域251の奥行き方向に移動させるので、転動領域251の幅方向に連なる山部252を好適に発生させて当該転動領域251の一方側方向に沿って移動させることができる。
また、入賞装置40は、開閉入球部220から入球した遊技球Bを連通路310に導く導入通路部222を備え、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240とは別の経路であって開閉入球部220から入球された遊技球Bを当該第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速く特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262の方に案内するまたは当該入賞装置の外部に排出する別通路265と、所定の別案内条件成立の場合に開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内し、それ以外の場合に第1振り分け部材230および第2振り分け部材240に案内するように切り替える案内切替部267とを備えているので、案内切替部267は、所定の別案内条件成立の場合(例えば、ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の各ラウンド期間)において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内し、それ以外の場合(大当たり状態以外の状態である通常状態期間)において、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240に案内するように切り替えるので、ラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間における時間、つまり次ラウンド獲得に無関係にかかっている時間を低減でき、大当り演出の間延び感を低減でき、次の遊技に素早く移行でき、得られる利益が変わらないのに不必要に待たされる問題を解消できる。また、規制部材312に遊技球Bが衝突することがなく、規制部材312の耐用期間を延ばすことができる。
また、ホール側(遊技場側)にとってみれば、次ラウンド獲得に無関係にかかっていた時間を低減でき、その低減した時間分、遊技機の実質的な稼働率を上げることができる。
さらに、所定の別案内条件成立の場合(ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の全ラウンド期間)では、遊技球Bは、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240とは別の経路の別通路265を通じて、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速く特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262の方に案内されるので、第2振り分け部材240の動作停止に起因する遊技球Bの停留の問題も生じないし、残存球処理の発生を低減できる。つまり、ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の全ラウンド時において、第2振り分け部材240の動作を停止させるわけではないので、その停止状態の第2振り分け部材240によって遊技球Bが入賞装置40の内部に予期せぬ状態で停留してしまうことに起因する不本意な残存球処理の発生という問題を解消できる。
その結果、入賞装置40内への遊技球Bの入球から排出までの時間が次ラウンド獲得に無関係にかかることを低減でき、遊技機の稼働率を向上でき、且つ、残存球処理の発生を低減できる遊技機を提供することができる。
また、別案内条件成立の場合(ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態の全ラウンド期間)においても、第2振り分け部材240がその駆動動作を継続しているので、かかる別案内条件成立の直前に第2振り分け部材240に存する遊技球Bを滞留後に出力することになり、ラウンド自動移行タイプの遊技機での全ラウンド時においても、第2振り分け部材240の動作を停止させるわけではないので、その停止状態の第2振り分け部材240によって遊技球Bが入賞装置40の内部に予期せぬ状態で停留してしまうことに起因する不本意な残存球処理の発生という問題を解消できる。
また、入賞装置40は、第1振り分け部材230と第2振り分け部材240で滞留された遊技球Bが移動可能で特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262のいずれかに案内するステージ250を備え、別通路265は、開閉入球部220から入球された遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240よりも速くステージ250に案内するので、遊技者は、別通路265を通った遊技球Bをステージ250上で視認することができ、入賞装置40に入球した遊技球Bを確認することができる。
また、開閉入球部220から入球した遊技球Bを第1振り分け部材230に導く導入通路部222を備え、この導入通路部222の所定箇所での底面部分に開閉自在な開閉部224aを備え、この開閉部224aは、開状態となると遊技球Bが落下可能な大きさの開口が形成され、閉状態において遊技球Bがそのまま通過するものであり、別通路265は、その入力側が開閉部224aの開口に連通されるとともに、その出力側がステージ250上に開口された垂下通路であるとしているので、かかる垂下通路内に遊技球Bが滞ることなく迅速にステージ250に供給され、別通路265を起因とする遊技球Bの停留が生じることがない。
また、ステージ250は、第1振り分け部材230および第2振り分け部材240で滞留された遊技球Bが転動可能な転動領域251を備え、特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262とは転動領域251の一方側に設けられ、ステージ250は、転動領域251での一方側方向に対して直交する当該転動領域251の幅方向に連なる山部252を当該転動領域251に発生させるとともに、当該山部252を転動領域251の下流方向に移動させることでこの転動領域251を波立たせる波立ち発生機構部253を備え、別案内条件成立の場合に、波立ち発生機構部253による転動領域251での山部252を当該転動領域251での別通路265の出力側の開口が投影される部分の上流側位置で保持させるように制御する保持制御部293を備えているので、垂下通路を落下して転動領域251に供給された遊技球Bは、山部252により転動領域251の上流に向かうことが抑制され、むしろ下流方向に向かわせることができ、迅速に転動領域251を流下させることができる。
また、入賞装置40は、開閉入球部220を通じて本体部材210内への遊技球Bの入球を検出する入球検出センサ221と、本体部材210からの遊技球Bの出力を検出するV検出センサ43および検出センサ44を備え、入出力球数判定部290は、入球検出センサ221での入球検出数とV検出センサ43および検出センサ44での出球検出数とが一致しているか否かを判定し、開禁止制御部292は、入出力球数判定部290で不一致と判定されている間は、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球しても開閉入球部220を開状態としないので、残存球処理を好適に行うことができる。
また、特定入賞部260(Vゾーン)は遊技球Bの入球を検出するV検出センサ43を備え、普通入賞部262は遊技球Bの入球を検出する検出センサ44を備え、V検出センサ43と検出センサ44とによって本体部材210からの遊技球Bの出力を検出するので、V検出センサ43および検出センサ44は、特定入賞部260(Vゾーン)や普通入賞部262への入球検出以外に、本体部材210からの遊技球Bの出力検出を兼用することができ、V検出センサ43および検出センサ44とは別個に残存球処理専用の検出センサ等を設ける必要が無く、残存球処理を省スペースで実現することができる。
また、表示装置60と入賞装置40とを、遊技盤30の遊技領域30aの幅方向の中央個所で縦方向に並べて配置しているので、表示装置60の表示画面61の一部分が入賞装置40内の駆動体42(可動役物)の背後に隠れてしまうようなことがなく、表示画面61を見易くできるし、入賞装置40が横方向に大きくなるようなことや、遊技領域が狭くなるようなこともなく、遊技領域を確保できる。
また、入賞装置40の開閉入球部220よりも上方に表示装置60を備えているので、演出表示をする表示装置60を見た後にそれよりも下方の開閉入球部220に視線移動をする、つまり球の流れに視線移動しており、開閉入球部220への入球の有無を容易に見ることができ、表示装置60での演出表示と開閉入球部220への入球の有無とが見易くできる。
また、本体部材210での排出部94の直下箇所に設けられており、第1状態(入球制限状態)では、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bが入球可能であり、且つ、遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球が困難(あるいは不可としてもよい)となっており、第1始動口31または第2始動口33に遊技球Bが入球したことに基づいて第1状態(入球制限状態)よりも開いた第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)となり、この第2状態(入球制限解除状態、例えば開状態)では、排出部94からの遊技球Bが入球可能であり、且つ、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが第1状態(入球制限状態)よりも入球し易くなっている。したがって、センターフレーム90に入球した遊技球Bを確実に入賞装置40内に案内でき、開閉入球部220が第2状態(入球制限解除状態)の場合には、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球も可能となる遊技を提供することができる。
その結果、表示画面61が見易く、遊技領域30aを確保でき、しかも入賞装置40への入球と表示画面61の表示情報とを同時に見ることができる遊技機を提供することができる。
また、センターフレーム90の排出部94と入賞装置40の開閉入球部220とが別体で個別に遊技盤30に取り付けられる構成の場合では排出部94と開閉入球部220との位置関係が両者の遊技盤30への取り付け精度により変化してしまうが、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成されたものであるので、排出部94と開閉入球部220との位置関係が両者の遊技盤30への取り付け精度により変化するということが無く、両者の取付位置調整も不要であり、取付作業性に優れる。
また、遊技盤30を正面視した状態でセンターフレーム90と入賞装置40との間の両側に、センターフレーム90および入賞装置40の横幅よりも小さい幅としたくびれ部201を備えているので、そのくびれ部201を形成している分だけ遊技領域30aを広くすることができる。つまり、センターフレーム90と入賞装置40との間のくびれ部201まで遊技球Bが流下して来ることがある。また、開閉入球部220はくびれ部201に設けられているので、表示装置60の表示画面61と、その表示画面61直下のくびれ部201に設けられた開閉入球部220に遊技球Bが入球するか否かの過程とを同時に見ることが容易になり、表示装置60の表示画面61に遊技者を注視させたとしても、入賞装置40への入球有無過程の見落としが低減できる。
また、開閉入球部220は、遊技球Bが入球可能な開口41eと、この開口41eの両側で横方向に並んだ一対の羽根41a,41bを備え、この一対の羽根41a,41bはその下端側の軸部41cを軸心として先端側が互いに離れるように回動して開くことで遊技領域30aでのセンターフレーム90の外部を流下する遊技球Bが入球可能な第2状態(入球制限解除状態)と、一対の羽根41a,41b逆に、その軸部41cを軸心として先端側が互いに近づくように回動して閉じることで当該開口41eを閉じる閉状態とに変移可能なものである。また、一対の羽根41a,41bが軸部41cを軸心として先端側が第2状態(入球制限解除状態)よりも互いに近づくように回動した第1状態(入球制限状態)とに変移可能なものである。したがって、センターフレーム90に入球した遊技球Bを開閉入球部220の第1状態および第2状態に依らずに確実に入賞装置40内に案内でき、開閉入球部220が第2状態(入球制限解除状態)の場合には、センターフレーム90の外部を流下する遊技球Bの入球も可能となる開閉入球部220を好適に実現することができる。
また、遊技領域30aは、その正面視で略縦長楕円形(あるいは円形、略円形、楕円形、長円形、略長円形などとしてもよい)となっており、くびれ部201は、遊技領域30aの正面視で横幅が最も大きい部分に位置しているので、表示装置60や入賞装置40の横幅は最大限に確保しながら、一対の可動部(羽根41a,41b)が開状態となってもその羽根41a,41bはセンターフレーム90および入賞装置40の横幅以内に止まっていることから、羽根41a,41bの可動によって遊技領域幅が狭くなることもなく、遊技領域30aの遊技球Bの流下態様によっても面白味を付与できる構成とすることができる。
なお、本実施例1では、センターフレーム90と入賞装置40とは一体的に形成された遊技ユニット200を採用しているが、図32に示すように、センターフレーム90と入賞装置40とは、その両者間を遊技球Bが横方向に通過可能なように当該センターフレーム90と入賞装置40を間隔を空けて配設してもよい。この場合には、センターフレーム90と入賞装置40とは、その両者の間を遊技球Bが横方向に通過可能なように当該センターフレーム90および入賞装置40を間隔を空けて配設しているので、遊技盤30の左側を流下する遊技球Bがセンターフレーム90と入賞装置40との間を通って遊技盤30の右側に流下していくことや、それとは逆に右から左に流下していくことができ、さらに多様性のある遊技盤を提供することができる。
次に、実施例3のパチンコ機10について図35〜図45を用いて説明する。図35は、表示演出装置400の概略構成図である。図36は、画像表示装置410が変移途中の状態である表示演出装置400を示す図である。図37は、画像表示装置410が第2の位置に変移したときの表示演出装置400を示す図である。図38は、ハーフミラー420を移動させる機構の概略斜視図である。
本実施例3のパチンコ機10は、前述の実施例1、2の入賞装置40に替えて表示演出装置400(表示演出ユニット)を備えている点が前述の実施例1,2とは異なる。
<表示演出ユニット>
表示演出装置400は、図35に示すように、液晶表示装置(以下、適宜にLCDという)である画像表示装置410と、ハーフミラー420と、を備える画像表示ユニットを構成している。表示演出装置400は収納部401を有する。収納部401はその天井部、一対の側部、背部及び底部を構成する、天板402、一対の側板403、背板404及び底板405を備え、正面が開放した中空の略直方体形状をなしており、その内部に画像表示装置410やハーフミラー420等が収納されている。収納部401の正面には扉451を有するシャッタユニット450が設けられており、これは画像表示装置410及びハーフミラー420による表示画像を視認者から遮蔽可能な遮蔽手段として機能するものである。
画像表示装置410は、表示画面410aに電子画像を表示可能な画像表示装置である。本実施形態では画像表示装置410としてLCDを採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。画像表示装置410の上面にはコネクタ部408が形成されており、画像表示装置410の表示制御回路のケーブルが天板402に設けられた穴406を通してここに接続されることになる。画像表示装置410の左右側面にはそれぞれ軸412が設けられており、この軸412は側板403の後述する案内溝446に設けられた軸受け407に軸支される。画像表示装置410は軸412及び軸受け407を介して側板403に支持されている。
軸412は画像表示装置410の上面側の端部近傍に設けられており、画像表示装置410の左右側面の中央から偏心した位置に設けられている。このため、画像表示装置410は軸412回りに回動可能となっている。一対の軸受け407のうち、一方の軸受け407にはモータ430が配設されている。モータ430の出力軸は軸412に接続されており、モータ430を回転させると画像表示装置410を回動させることができる。つまり、モータ430は画像表示装置410を移動させる駆動機構411として機能する。モータ430は例えば減速歯車機構が内蔵されたDCモータである。モータ430にはロータリエンコーダ431が取付けられており、モータ430の出力軸の回転位置が検出される。なお、このDCモータに替えて、ステップモータやソレノイドなどを採用してもよい。
モータ430の駆動による画像表示装置410の回動により、画像表示装置410は図35に示す第1の位置と、図37に示す第2の位置との間で移動する。図35に示す第1の位置において、画像表示装置410はその表示画面410aが略鉛直な状態(鉛直な状態でもよい)にあり、収納部401の正面に表示画面410aが露出した状態にある。また、この第1の位置は、ハーフミラー420が画像表示装置410の背後に隠れる位置であり、表示演出装置400の表示面は画像表示装置410の表示画面410aとなる。換言すれば、画像表示装置410が直接的な表示主体となる。
一方、図37に示す第2の位置において、画像表示装置410は図35の位置から略90度回動してその表示画面410aが略水平な状態(水平な状態でもよい)にあり、ハーフミラー420が収納部401の正面に露出した状態にある。この第2の位置において画像表示装置410はハーフミラー420に画像を投影し、ハーフミラー420が表示演出装置400の表示面となる。換言すれば、画像表示装置410は間接的な表示主体となり、ハーフミラー420が直接的な表示主体となる。
次に、ハーフミラー420について説明する。ハーフミラー420は例えば光の透過率が例えば50%程度のミラーであり、本実施形態の場合、支持体421により水平面から略45度の角度で支持されている。図35に示すように画像表示装置410が第1の位置にある時に表示演出装置400を正面から見ると、手前から画像表示装置410、ハーフミラー420の順に並んで配設されており、ハーフミラー420が画像表示装置410の存在により隠れるように配設されている。
図35に示すように、支持体421はその天井部、背部、底部、を構成する天板422、背板423、底板424を備え、ハーフミラー420は天板422と底板424とで支持されている。支持体421とハーフミラー420とは、両側部が開放した中空台形状をなし、その内部空間は後述する被合成物としてのステージX1,背景模型X2を収納する収納空間を形成することになる。
ここで、本実施形態では、図38に示すように、支持体421と共にハーフミラー420が移動可能となっている。図38に示すように、支持体421の底板424にはその底面の両側端に一対の案内部材425が固定されている。この案内部材425は収納部401の底板405表面に設けられ、表示演出装置400の奥行き方向に延びる3本の溝427のうち、両側の2本の溝427にそれぞれ嵌る。支持体421は案内部材425と両側の2本の溝427とに案内されて表示演出装置400の奥行き方向に平行移動可能となっている。
収納部401の底板405表面に設けられた中央の溝427にはボールネジ442が配設されている。ボールネジ442はその一方の端部が溝427の端部に、他方の端部がモータ440の出力軸に接続され、その場回転が可能となっている。モータ440は適当な方式にて収納部401の背板404に固定され、例えばDCモータである。モータ440にはロータリエンコーダ441が取付けられており、モータ440の出力軸の回転位置が検出される。
支持体421の底板405表面には更にボールネジ442に螺合するボールナットを有するボールナット部材426が底板405の中央前後端部にそれぞれ設けられている。そして、モータ440を回転させるとボールネジ442が回転し、これによって支持体421及びハーフミラー420が表示演出装置400の奥行き方向に平行移動することになる。つまり、モータ440とボールネジ442並びにボールナット部材426はハーフミラー駆動手段として機能する。そして、ハーフミラー420は図37に示す表示位置と、図36に示す退避位置との間で移動する。
図37に示す表示位置では、表示演出装置400の表示面として視認性がよくなるようにハーフミラー420は表示演出装置400の正面側に位置している。一方、図36に示す退避位置では、移動途中にある画像表示装置410との干渉を回避すべく、ハーフミラー420は表示演出装置400の背面側に位置している。なお、本実施形態の場合、画像表示装置410が第1の位置にある時(図35参照)、ハーフミラー420は表示位置に位置している(前述したようにハーフミラー420は第1の位置の画像表示装置410に隠れて見えない)。また、ハーフミラー420を移動させる機構は上記のものに限られず、種々の機構を採用することができる。
次に、支持体421とハーフミラー420との内部空間に収納されるステージX1,背景模型X2及び表示演出装置400の画像表示態様について図39を参照して説明する。図39は、表示演出装置400による3次元空間画像の表示原理の説明図であって、ステージX1が表示されている場合を示す。図39の右側の図は表示演出装置400の要部を側方から見た図であり、同図の左側の図は画像表示装置410が第2の位置にあるときに遊技者から見える表示画像を示している。
ここで、ハーフミラー420の背後には、図39に示すように、遊技球Bが転動可能な面状の転動面X1aを有するステージX1と、このステージX1の奥側に位置する背景模型X2が配置されている。背景模型X2は建物を模した立体的な模型であり背板423の内側に固定されている。
さて、画像表示装置410が図39の破線の位置(第1の位置)にある場合、上述した通り、画像表示装置410の表示画面410aが収納部401の正面に露出した状態にあり、遊技者からは表示画面410aは見えるが、ハーフミラー420や支持体421並びにステージX1,背景模型X2は画像表示装置410の背後に隠れて見えない。表示演出装置400からは画像表示装置410による2次元画像が遊技者に提示されることになる。
一方、図39に示すように、画像表示装置410が同図の実線の位置(第2の位置)にある場合、画像表示装置410の表示画面410aは略水平となるので遊技者からは表示画面410aが直接見えない。そして、画像表示装置410に表示された画像(本実施例では、例えば人などのキャラクタ画像)がハーフミラー420で前面側に反射されて当該ハーフミラー420の背後側に位置する虚像K(例えば遊技球の虚像)として遊技者に提示されることになる。この虚像Kは遊技者から見ると、ハーフミラー420の背後に浮かんでいるように見え、立体的感のある3次元的な画像となる。虚像Kの位置は画像表示装置410とハーフミラー420との間の距離(L1、L2)と画像表示装置410とハーフミラー420との間の角度(本例では略45度)とによって定まり、本実施形態の場合、ハーフミラー420から奥行き方向にL1、L2だけ離れた位置(虚像位置)に虚像Kが見えることになる。
更に、図39に示すように、遊技者からは虚像Kと共にステージX1,背景模型X2が見えることになり、これらが重なった、いわば合成画像が遊技者に提示されることになる。図39の例では、ステージX1と、このステージX1上に位置する遊技球の虚像Kと、背景模型X2との合成画像が遊技者に提示されることになる。同図の例では遊技球がステージX1のやや手前側位置に位置している画像を示している。
また、図39の例では、ハーフミラー420の背後側に、虚像Kが位置するステージX1と、このステージX1よりも遊技者の視認方向の奥側に位置する背景模型X2とが配置されているため、遊技者から見ると、ステージX1の先端部分→虚像K(人などのキャラクタ)およびステージX1の先端部分よりも後ろ部分→背景模型X2の順にこれらが位置しているように見える。このように本実施形態ではステージX1,背景模型X2の存在により奥行き感が高まり、より一層3次元的な画像となる。
なお、図39での虚像K(遊技球)の画像の色として濃い色を用いたり、その画像の表示ドット密度を上げたり、その画像の輝度を上げたりすることなどにより、その虚像Kの背後に存在する背景模型X2が透けて見え難くなる。これとは逆に、虚像K(例えば、人などのキャラクタ)の画像の色として薄い色を用いたり、その画像の表示ドット密度を下げたり、その画像の輝度を下げたりすることなどにより、その虚像Kの背後に存在する背景模型X2が透けて見える。
ここで、ステージX1の構造について図40を用いて説明する。図40はステージX1の概略斜視図である。
図40に示すように、ステージX1は、その上面側に、遊技球Bが転動する転動面X1aを備えており、その奥側位置が手前側位置よりも高くすることで、手前側に下り傾斜となる転動面X1aとしている。
さらに、図40に示すように、ステージX1は、図2に示したセンターフレーム90の入球口91に入球した遊技球Bや、開閉入球部220を介して入球した遊技球Bを案内する案内通路461と、転動面X1aの上流端部に連接されて、転動面X1aの幅方向に亘って案内通路461からの遊技球Bが揺動可能な揺動通路463と、この揺動通路463の所定箇所(実施例では例えば間隔を空けた3箇所)に設けられた、揺動した遊技球Bを転動面X1aの上流側に供給する供給部465とを備えている。
揺動通路463は、図40に示すように、起伏のある通路形状(波形形状)としており、遊技球Bが当該揺動通路463上を上り下りして転動するようになっている。具体的には、揺動通路463は、図40に示すように、案内通路461に近い方から順に、山部463a、谷部463b、山部463a、谷部463b、山部463a、谷部463b、山部463aとなっており、案内通路461が最も遠い山部463aには壁部463cが設けられており、この壁部463cに遊技球Bが当たって反対側に返されるようになっており、当該揺動通路463で揺動する遊技球Bがいずれかの谷部463bから転動面X1aに供給されるようになっている。この谷部463bは、前述の供給部465に対応している。
転動面X1aの両側には、図40に示すように、遊技球Bが転動面X1aの外に脱落することを防止するための防止壁467が設けられている。3箇所の供給部465のいずれかから転動面X1aの上流側に供給された遊技球Bは、当該転動面X1aを転動してその下流側に到達する。
図40に示すように、転動面X1aの下流側には、当り入球部468(特定入賞部260(Vゾーン)に相当する)と、その両側に位置する外れ入球部469(普通入賞部262に相当する)とが設けられており、転動面X1aを転動した遊技球Bは当り入球部468か外れ入球部469のいずれかに入球するようになっている。当り入球部468は、転動面X1aの下流端部に沿って破線矢印で示すように往復移動可能となっており、当り入球部468に遊技球Bが入球した場合には、遊技者にとって有利な遊技状態あるいは遊技価値が付与される。
さらに、この表示演出装置400は、図35に示すように、第2の位置とした画像表示装置410をハーフミラー420に対して近づける方向の範囲および離れる方向の範囲の両範囲で移動する上下移動機構445を備えている。
ここで、上下移動機構445の構成について図41も用いて説明する。図41は、上下移動機構445によって第2の位置とした画像表示装置410を上下動させる様子を示す図である。
図35を用いて前述したように、表示演出装置400は、その内部に画像表示装置410を収納する部材であって、第1の位置とした画像表示装置410をその両側から挟むようにして保持する両側板403(側壁部)を有する収納部401を備えている。また、駆動機構411は、画像表示装置410を略鉛直姿勢とした状態での当該画像表示装置410の両側面上部箇所にそれぞれ設けられた両軸412と、この両軸412をそれぞれ軸支する両軸受け407と、この両軸412のうちの一方の軸412に回動軸心が連結されたモータ430とを備え、モータ430による回動によって画像表示装置410を略鉛直姿勢とした状態を第1の位置とし、かつ、モータ430による回動によって画像表示装置410を略水平姿勢とした状態を第2の位置とするものである。
また、上下移動機構445は、図41に示すように、第2の位置とした画像表示装置410の略鉛直方向への移動を案内する溝であって、両軸受け407がそれぞれ内部に位置させて両側板403に形成された両案内溝446と、軸受け407を略鉛直方向へ移動するアクチュエータ447とを備えている。この実施例では、アクチュエータ447のロッド447aが進出することで軸受け407を略鉛直下方向へ移動することになるし、逆にロッド447aが後退することで軸受け407を略鉛直上方向へ移動することになる。このアクチュエータ447としては、例えば、電動式シリンダーなどが挙げられる。
具体的には、図35に示すように、モータ430の本体部(回転軸を除く非回転構成部分)は、両軸受け407の本体部(回転軸を受ける軸穴に内周回りに配設されたベアリングを除く構成部分)と固定されており、両軸受け407の本体部の外周所定箇所にアクチュエータ447のロッド447aの先端部分が固定されており、アクチュエータ447は両側板403に固定されているので、モータ430の回転軸の回動によって画像表示装置410が第1の位置(略鉛直姿勢)と第2の位置(略水平姿勢)とに回動可能であり、モータ430の回転軸の回動によってそのモータ430の本体部やアクチュエータ447が回動されるようなことはない。
さらに、表示制御装置45の構成について図42を用いて説明する。図42は、表示制御装置45と表示演出装置400との構成を示すブロック図である。
この表示制御装置45は、図42に示すように、画像表示装置410に表示された遊技球画像に対応するハーフミラー420の裏面側位置での遊技球の虚像Kを、ステージX1上に表示するように画像表示装置410を表示制御する虚像表示制御部490を備えている。
虚像表示制御部490は、画像表示装置410に表示された画像に対応するハーフミラー420の裏面側位置での遊技球の虚像Kが、ステージX1上を流下表示されるように画像表示装置410を表示制御するとともに上下移動機構445を制御することによって画像表示装置410を移動制御する。
虚像表示制御部490は、図42に示すように、上下移動機構445を制御する移動制御部448を備えており、遊技球の虚像Kをハーフミラー420の背後側で移動させるに際して、当該遊技球の虚像Kが被合成物X1を流下表示されるように移動制御部448を制御して上下移動機構445を駆動する。
具体的には、遊技球の虚像KをステージX1の奥行き方向成分を持って移動させる場合には、かかる奥行き方向成分の移動距離分だけ画像表示装置410を上下動させることになるし、虚像KをステージX1の横方向成分を持って移動させる場合には、かかる横方向移動成分の移動距離分だけ表示画面410a上の遊技球画像の表示位置をシフトさせることになる。
図42に示すように、虚像表示制御部490は、ステージX1上を転動する遊技球Bの転動に関する転動面物理情報(移動面物理情報)を記憶する記憶部492を備え、この転動面物理情報に基づいて、遊技球の虚像KがステージX1上を予め決められた経路で流下移動させるように制御する。この転動面物理情報としては、手前側に下り傾斜となっている傾斜情報や、図40に示すようにステージX1上の釘460の位置情報が挙げられる。遊技球の虚像KがステージX1上の釘460に当って流下していく表示ができる。
また、メイン制御装置70は、第1始動口31,第2始動口33への入球(入賞)検出時の大当たり抽選用乱数72aの値が「7」の場合(つまり、「時短有り直撃大当たり」の場合)であって、表示装置60の表示画面61による操作示唆「操作ボタンを押して!(遊技球がVゾーンに入れば時短獲得だよ)」後の所定期間(例えば20秒間)において操作ボタン25が操作された場合に、虚像表示指令信号を表示制御装置45に出力する。画像表示装置410は、虚像表示指令信号を受けた表示制御装置45からの制御に従って、遊技球の虚像KがステージX1上を予め決められた経路で流下移動して当り入球部468(特定入賞部260(Vゾーン)に相当する)に導かれるように制御する。
ここで、虚像表示制御部490による画像表示装置410および上下移動機構445の制御によって遊技球の虚像KがステージX1上を予め決められた経路で流下移動して当り入球部468(特定入賞部260(Vゾーン)に相当する)に導かれるよう制御することについて、図43〜図45を用いて説明する。図43は、ステージX1の最奥部に遊技球の虚像Kが位置するように、第2の位置とした画像表示装置410を所定高さまで引き上げた状態を示す図である。図44は、ステージX1の中程まで下った位置に遊技球の虚像Kが位置するように、画像表示装置410を所定高さ分引き下げた状態を示す図である。図45は、ステージX1の下流まで下った位置に遊技球の虚像Kが位置するように、画像表示装置410を所定高さ分引き下げた状態を示す図である。
なおここでは、時短有り直撃大当たりで操作ボタン25が操作された場合において、虚像表示制御部490による画像表示装置410および上下移動機構445の制御について説明する。虚像表示制御部490は、上下移動機構445を制御することで、予め画像表示装置410を図43の実線で示す高さ位置に引き上げておく。
具体的には、駆動機構411によって、図35に示す第1の位置(略鉛直姿勢)の画像表示装置410が図37に示す第2の位置(略水平姿勢)に変移された後に、上下移動機構445によって、第2の位置とした画像表示装置410を図43に実線で示す高さまで引き上げた状態としておく。
虚像表示制御部490は、図43に示すように、ステージX1の最奥位置に遊技球の虚像Kが位置するように画像表示装置410および上下移動機構445を制御する。
図43に示すように、第2の位置とした画像表示装置410を所定高さまで引き上げた状態では、ステージX1の最奥位置(最上流側位置)に虚像Kが位置する。このとき、虚像Kは、画像表示装置410とハーフミラー420との間の距離(L3、L4)の位置となっている。また、画像表示装置410の表示画面410aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面410aの縦方向の所定の表示位置(画像表示装置410とステージX1との幾何学的関係から計算により求めることができる)にすることで、虚像Kの高さ位置をステージX1の最奥位置の高さ位置とすることができる。よって、虚像KがステージX1の最奥位置の高さに表示される。
続いて、虚像表示制御部490は、遊技球の虚像KがステージX1の中程位置に位置するように、画像表示装置410を図44に実線で示す高さまで引き下げた状態とする。
第2の位置とした画像表示装置410を図44に実線で示す高さまで引き下げた状態では、ステージX1の中程位置に虚像Kが位置する。このとき、虚像Kは、画像表示装置410とハーフミラー420との間の距離(L5、L6)の位置となっている。また、画像表示装置410の表示画面410aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面410aの縦方向の所定の表示位置(画像表示装置410とステージX1との幾何学的関係から計算により求めることができる)にすることで、虚像Kの高さ位置をステージX1の中程位置の高さ位置とすることができる。よって、虚像KがステージX1の中程位置の高さに表示される。
続いて、虚像表示制御部490は、遊技球の虚像KがステージX1の最下流まで下った位置に位置するように、画像表示装置410を図45に実線で示す高さまで引き下げた状態とする。
第2の位置とした画像表示装置410を図45に実線で示す高さまで引き下げた状態では、ステージX1の最下流位置に虚像Kが位置する。このとき、虚像Kは、画像表示装置410とハーフミラー420との間の距離(L1、L2)の位置となっている。また、画像表示装置410の表示画面410aでの虚像Kに対応する画像の表示位置をその表示画面410aの縦方向の所定の表示位置(画像表示装置410とステージX1との幾何学的関係から計算により求めることができる)にすることで、虚像Kの高さ位置をステージX1の最下流位置の高さ位置とすることができる。よって、虚像KがVゾーンに導かれるようにステージX1の最下流位置の高さに表示される。
また、本実施例のパチンコ機10は、図39を用いて前述したように、ハーフミラー420の背後側に所定大きさの奥行き空間を持たせた状態で当該ハーフミラー420の背面側を囲う部材であって、その内部にステージX1,背景模型X2を有する支持体421を備えている。
また、本実施例のパチンコ機10は、図42に示すように、支持体421の内部を所定色の照明光で照らす照明部455と、この照明部455の点灯を制御する照明制御部456とを備えている。
この照明部455としては、例えば、天板422での底板424と対向する側の所定箇所に、単数または複数個の発光ダイオードを配置した構成や、棒状のランプを配置した構成が挙げられるし、発光ダイオードやランプなど各種の照明装置あるいは照明デバイスを採用することができる。
なお、上述したステージX1が後述する入賞装置に相当し、上述した天板422,背板423及び底板424が本体部材に相当し、上述した案内通路461が入球部に相当し、上述した釘460が振り分け手段に相当し、上述した当り入球部468が特定入球部に相当し、上述した外れ入球部469が非特定入球部に相当し、上述したハーフミラー420が透過性反射部材に相当し、上述した虚像表示制御部490が虚像表示制御手段に相当する。
上述したように、本実施例3のパチンコ機10によれば、ハーフミラー420は、画像表示装置410に表示される画像を前面側に反射するとともに、その裏面側が視認可能である。画像表示装置410に表示される画像がハーフミラー420で前面側に反射されて表示されることから、画像表示装置410は間接的な表示主体となり、ハーフミラー420が直接的な表示主体となる。そして、ハーフミラー420により、遊技者に画像表示装置410による画像がハーフミラー420の背後側の所定虚像位置に位置する虚像Kとなって提供される。つまり、このハーフミラー420による画像は、当該ハーフミラー420の背後側空間に存在するかのような虚像Kとなって提供されることから、この画像は立体感のある3次元的な画像(3次元空間画像)となる。また、ステージX1,背景模型X2の存在により、遊技者にはステージX1,背景模型X2の実像と虚像Kとの合成画像が提供され、より一層リアルな3次元的な画像となる。
さらに、虚像表示制御部490は、大当たり抽選用乱数72aでの抽選結果が当選(時短有り直撃大当たり)であり、且つ、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25が操作された場合に、画像表示装置410に表示された遊技球画像に対応するハーフミラー420の裏面側位置での遊技球の虚像Kを当り入球部468(特定入賞部260)に導くように表示制御する。
したがって、遊技者は、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25を操作したことで、遊技球の虚像Kが当り入球部468(特定入賞部260)に導かれる表示がなされるので、遊技球の虚像Kが誘導案内される様子を視認でき、遊技者自身の操作で時短状態を引き当てたと感じることができる。
また、虚像表示制御部490は、大当たり抽選用乱数72aでの抽選結果が当選(時短有り直撃大当たり)であり、且つ、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25が操作された場合に、画像表示装置410に表示された遊技球画像に対応するハーフミラー420の裏面側位置での遊技球の虚像Kを当り入球部468(特定入賞部260)に導くように表示制御するので、ステージX1で遊技球の虚像Kが当り入球部468(Vゾーン)に導かれる虚構態様を表示できる。
また、支持体421は、ハーフミラー420の背後側に所定大きさの奥行き空間を持たせた状態で当該ハーフミラー420の背面側を囲う部材であって、その内部にステージX1,背景模型X2を有するものであり、照明制御部456は照明部455の点灯及び消灯を制御し、照明部455は支持体421内部を照らすので、照明部455によって支持体421内部が照らされることで、ハーフミラー420による画像のうちでステージX1,背景模型X2の画像をより明るくして提供できるし、それとは反対に、照明部455を消灯することで、支持体421内部を暗くすることができ、ハーフミラー420による遊技球の虚像KとステージX1との画像(例えば、暗い背景のステージX1上に虚像Kが映し出された画像)を提供することができる。
また、ステージX1は、天板422,背板423及び底板424と案内通路461と釘460と当り入球部468と外れ入球部469とを備えている。天板422,背板423及び底板424は、入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する。案内通路461は、天板422,背板423及び底板424での所定箇所に設けられている。釘460は、天板422,背板423及び底板424の内部空間に設けられ、案内通路461からの遊技球を振り分けて出力する。当り入球部468は、天板422,背板423及び底板424の内部空間に設けられており、釘460で振り分けられた遊技球の入球が可能であり、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となるものである。外れ入球部469は、天板422,背板423及び底板424の内部空間に設けられており、当り入球部468以外の入球部であって釘460で振り分けられた遊技球が入球可能なものである。また、ハーフミラー420は、画像表示装置410に表示される画像を前面側に反射するとともに、その裏面側が視認可能である。画像表示装置410に表示される画像がハーフミラー420で前面側に反射されて表示されることから、画像表示装置410は間接的な表示主体となり、ハーフミラー420が直接的な表示主体となる。そして、ハーフミラー420により、画像表示装置410による遊技球画像がハーフミラー420の裏面側(背後側)の所定虚像位置に位置する遊技球虚像となって遊技者に表示提供される。つまり、このハーフミラー420による遊技球画像は、当該ハーフミラー420の背後側空間に存在するかのような遊技球虚像となって提供されることから、この遊技球画像は立体感のある3次元的な画像(3次元空間画像)となる。
次に、実施例4のパチンコ機10について図46を用いて説明する。図46は、実施例4の二段入賞装置500の要部を側方から見た図であり、同図の左側の図は上段に位置する擬似入賞役物510の擬似ステージSX1が遊技者から見える様子を示している。
本実施例4のパチンコ機10は、前述の実施例3の表示演出装置400の画像表示装置410を不採用とし、図46に示すように、入球した遊技球が特定入賞部260(Vゾーン)に入るか否かを見せるための入賞役物501と、擬似遊技球GB(擬似球)が擬似当り入球部519に入るか否かを見せるための擬似入賞役物510と、を有する二段入賞装置500を採用している点が前述の実施例3とは異なる。
実施例4の入賞役物501は、図46に示すように、前述の実施例3のような内部にステージX1や当り入球部468(特定入賞部260(Vゾーン)に相当する)を有する支持体421と、ハーフミラー420とを備えたものである。なお、図2に示したセンターフレーム90の入球口91に入球した遊技球Bや、開閉入球部220を介して入球した遊技球Bは、図示省略の案内通路を通ってステージX1の上流側に案内される。
擬似入賞役物510は、図46に示すように、支持体421上に配設されており、支持体421に似た擬似支持体511と、この擬似支持体511の内部に配設されてステージX1と似た擬似ステージSX1と、擬似支持体511の内部に配設されて当り入球部468(Vゾーン)と似た擬似当り入球部519(擬似Vゾーン)とを備えている。
擬似入賞役物510は、図46に示すように、擬似支持体511の天板512の前側先端と底部514の前側先端とを結ぶように支持された全反射ミラー516を備えている。この全反射ミラー516は、ハーフミラー420と平行に支持されており、擬似支持体511の内部空間の様子を下方の支持体421のハーフミラー420へ反射投影させるものである。また、擬似支持体511の底部514のうちでハーフミラー420が投影される領域(図46でのハッチング部分)は透明板部517となっている。なお、この透明板部517に替えて開口を採用してもよい。
また、擬似入賞役物510は、図46に示すように、その擬似支持体511の天板512の内側箇所に、この擬似支持体511の内部を照らす照明部515を備えている。この照明部515の点灯及び消灯は、照明制御部456によって制御される。
具体的には、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆後に、照明制御部456は入賞役物501内の照明部455を消灯してこの入賞役物501の内部空間を暗くするとともに、擬似入賞役物510内の照明部515を点灯してこの擬似入賞役物510の内部空間を明るくすることで、入賞役物501の内部空間表示から擬似入賞役物510の内部空間表示に切り替える。
なお、入賞役物501内の照明部455を点灯してこの入賞役物501の内部空間を明るくするとともに、擬似入賞役物510内の照明部515を消灯してこの擬似入賞役物510の内部空間を暗くした場合には、擬似入賞役物510の内部空間表示ではなく、入賞役物501の内部空間表示となる。
さらに、擬似入賞役物510は、図46に示すように、大当たり抽選用乱数72aでの抽選結果が当選(時短有り直撃大当たり)であり、且つ、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25が操作された場合に擬似当り入球部519(擬似Vゾーン)に擬似遊技球GBを導く擬似誘導案内機構520を備えている。
この擬似誘導案内機構520は、擬似ステージSX1の転動面SX1aの上流側開始位置の遊技球を吸引保持するために当該擬似ステージSX1の転動面SX1a下に視認不可に設けられた電磁石521と、この電磁石521を擬似ステージSX1内で転動面SX1aの上流側開始位置下から下流側移動終了位置下に移動させる電磁石移動機構522と、この終了位置で遊技球の吸引を解除するように電磁石521への電流供給を停止する電流供給制御部523とを備え、擬似ステージSX1の上流側から下流側に擬似遊技球GBを案内して擬似当り入球部519(擬似Vゾーン)に導くものである。
擬似入賞役物510で使用される擬似遊技球GBは、擬似入賞役物510内のみで使用されるべく予め用意されたものであり、入賞役物501で使用される遊技球、つまり、遊技盤30に打ち込まれる遊技球と区別されている。
なお、上述した擬似支持体511が後述する擬似本体部材に相当し、上述した擬似ステージSX1が擬似振り分け手段に相当し、上述した擬似当り入球部519が擬似特定入球部に相当し、上述した照明制御部456が表示切替手段に相当し、上述した擬似誘導案内機構520が擬似誘導案内手段に相当する。
上述したように、本実施例4のパチンコ機10によれば、支持体421に似た擬似支持体511と、ステージX1と似た擬似ステージSX1と、当り入球部468(Vゾーン)と似た擬似当り入球部519(擬似Vゾーン)とを備え、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆後に、支持体421の内部空間の表示から擬似支持体511の内部空間の表示に切り替える照明制御部456を備え、大当たり抽選用乱数72aでの抽選結果が当選(時短有り直撃大当たり)であり、且つ、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25が操作された場合に擬似当り入球部519に擬似遊技球GBを導く擬似誘導案内機構520を備えているので、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆後に、照明制御部456によって支持体421の内部空間の表示が擬似支持体511の内部空間の表示に切り替わっており、遊技者は、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25を操作したことで、擬似遊技球GBが擬似特定入球部に誘導案内されるので、擬似遊技球GBが誘導案内される様子を視認でき、遊技者自身の操作で時短状態を引き当てたと感じることができる。
また、擬似ステージSX1で擬似遊技球GBが擬似当り入球部519(擬似Vゾーン)に導かれる虚構態様を表示できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例1では、第2振り分け部材240は不透明部材としているが、第2振り分け部材240を透明部材または半透明部材としてもよい。この場合には、ステージ250の転動領域251を転動する遊技球Bが第2振り分け部材240下を通る際も完全に隠れてしまうことがなく、その後に第2振り分け部材240下から現れて、特定入賞部260(Vゾーン)に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球Bの転動を見失わずに確認することができる。
<2>上述した実施例1では、波立ち発生機構部253による転動領域251の山部252の往復移動と、駆動機構部270による第2振り分け部材240の略二山状揺動とをそれぞれ独立して行っており、両者を非同期としているが、同期させるようにしてもよい。また、上述した実施例では、第2振り分け部材240の略二山状揺動の一周期よりも山部252の往復移動の一周期の方が長くなっているが、その逆の関係としたり、両者を同一周期としたりしてもよい。
<3>上述した実施例1では、振り分け手段として、図27に示すような形状および構造の第2振り分け部材240を採用しているが、転動領域251の幅方向に少なくとも振り分け出力するものであれば種々の形状および構造のものを採用してもよい。
<4>上述した実施例1では、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機の場合を例に挙げて説明しており、別案内条件成立として、例えば、ラウンド自動移行タイプのパチンコ機での全ラウンド期間において、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するようにしているが、V継続タイプのパチンコ機を採用した場合には、別案内条件成立として、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間のみにおいて、開閉入球部220からの遊技球Bを別通路265に案内するようにしてもよい。この場合には、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間において、次ラウンド獲得に無関係にかかっている時間を低減でき、大当り演出の間延び感を低減でき、次の遊技に素早く移行でき、得られる利益が変わらないのに不必要に待たされる問題を解消できる。
<5>上述した実施例1では、センターフレーム90の排出部94からの遊技球Bは、開閉入球部220の第1状態(入球制限状態)または第2状態(入球制限解除状態)に依らずに当該開閉入球部220に入球するものを採用しているが、開閉入球部220の第1状態(入球制限状態)には、遊技球Bが入球不可に閉じた状態とし、第2状態(入球制限解除状態)となることで遊技球Bが入球可能となるものを採用していもよい。
<6>上述した実施例1では、別通路265は、遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を介さずにステージ250に供給しているが、遊技球Bを第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を介さずに且つステージ250に供給することなく入賞装置40の外部に排出するようにしてもよい。
<7>上述した実施例1では、入賞装置40内のV検出センサ43と検出センサ44とによって当該入賞装置40の出球数を検出しているが、次のような構成としてもよい。つまり、遊技盤30は、その背面側に、入賞装置40の特定入賞部260(Vゾーン)または普通入賞部262に入球された遊技球Bを集めて排出する排出通路を有する集合板を備え、この集合板は、その排出通路に、遊技球の通過を検出する通過検出手段(遊技球検出センサ、例えば、近接センサなど)を備え、出球検出手段は、前記通過検出手段によって本体部材210からの遊技球の出力を検出するようにしてもよい。この場合には、集合板の排出通路に設けられた通過検出手段によって、本体部材210からの遊技球の出力が検出でき、残存球処理を好適に行うことができる。
<8>上述した実施例1では、滞留手段として第1振り分け部材230および第2振り分け部材240を採用しているが、第1振り分け部材230と第2振り分け部材240との一方だけとしてもよいし、固定式、可動式を問わず遊技球Bを滞留させる種々の構成を採用してもよい。例えば、導入通路部222とステージ250とを直接結ぶ直線経路よりも長い経路の蛇行通路や一方向経路部やクルーン(孔が開いた皿状の役物)などが挙げられる。
<9>上述した各実施例では、一対の羽根41a,41bは、第1始動口31または第2始動口33への入球に基づいて、所定の開放(本実施例では、第1始動口31への入球では例えば2秒間の1回開き、第2始動口33への入球では例えば2秒間の1回開きを連続2回行う)がされるが、第1始動口31または第2始動口33への入球に基づいて開放抽選を行うようにしてもよいし、回数や時間を任意の値としてもよい。
<10>上述した実施例1では、波立ち発生機構部253は、図30に示すように、並設された複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256をその下方からその長手方向に亘って押し上げる押し上げローラ部材254と、この押し上げローラ部材254を転動領域251の奥行き方向に往復移動させる往復移動機構255とを備えたものとしているが、これらの丸棒体256上にシート状体(例えば、塩化ビニルなどのシート物)を備えるようにしてもよいし、これらの丸棒体256に替えて転動領域251となるシート状体(例えば、塩化ビニルなどのシート物)と、このシート状体を押し上げローラ部材254などのローラで押し上げるようにしてもよいし、突起部(例えば、半円状、円弧状、三角形状など)を有する板部材をスライド移動させることで、複数本の丸棒体256のうちの一部の丸棒体256やシート状体の一部を押し上げるようにすることで移動する山部252を形成するようにしてもよい。
<11>上述した実施例2〜4では、時短状態の当選について例を挙げて説明しているが、直撃大当たり状態の当選について採用してもよい。つまり、大当たり抽選用乱数72aでの抽選結果が当選(時短有り直撃大当たりや時短なし直撃大当たり)であり、且つ、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆に従って操作ボタン25が操作された場合に、遊技球B、遊技球虚像Kあるいは擬似遊技球GBをVゾーンに導くようにしてもよい。
<12>上述した実施例2〜4では、操作ボタン25が操作された場合に遊技球B、遊技球虚像Kあるいは擬似遊技球GBをVゾーンに導くようにしているが、時短有り直撃大当たりに当選すると、表示装置60による操作ボタン25の操作示唆などを行わずに、遊技球B、遊技球虚像Kあるいは擬似遊技球GBをVゾーンに導くようにしてもよい。
<13>上述した実施例3及び4において、表示装置60は、支持体421または擬似支持体511の内部空間への注視を示唆し、遊技球虚像Kが当り入球部468に導かれた場合、または、擬似遊技球GBが擬似当り入球部519に導かれた場合に時短状態の当選を示唆し、導かれなかった場合に時短状態の落選を示唆するようにしてもよい。この場合には、遊技球虚像Kが当り入球部468に導かれたか否か、または、擬似遊技球GBが擬似当り入球部519に導かれたか否かを遊技者に知らせることができる。
<14>上述した実施例4では、支持体421に似た擬似支持体511と、ステージX1と似た擬似ステージSX1と、当り入球部468(Vゾーン)と似た擬似当り入球部519(擬似Vゾーン)とを採用しているが、それぞれについて似ていないものを採用してもよい。
<15>上述した実施例2では、図34に示すように、操作ボタン25がメイン制御装置70に接続されているが、主制御装置(メイン制御装置70)、サブ制御装置、表示制御装置、表示装置の順にそれらが接続され、かつ、操作ボタン25がサブ制御装置に接続された構成を採用してもよい。この場合には、主制御装置(メイン制御装置70)からの突然時短発生指令信号を不必要とすることができ、主制御装置(メイン制御装置70)の処理負担を低減できる。
<16>上述した実施例では、いわゆる1種パチンコ機と2種パチンコ機とを融合したパチンコ機を例に挙げて説明しているが、1種パチンコ機または2種パチンコ機に採用してもよい。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(1)遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、遊技球が入球可能な入賞装置が、前記遊技領域の所定箇所に配設され、
前記入賞装置は、
入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材と、
前記本体部材の所定箇所に設けられた入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記入球部からの遊技球を振り分けて出力する振り分け手段と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能で、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記特定入球部以外の入球部であって前記振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能な非特定入球部と、
を備え、
前記有利な遊技状態またはそれとは別の所定の有利遊技価値を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
遊技者により操作される操作部と、
前記操作部の操作を遊技者に示唆する操作示唆手段と、
前記抽選手段での抽選結果が当選であり、且つ、前記操作示唆手段による示唆に従って前記操作部が操作された場合に前記特定入球部または前記特定入球部とは別に設けた第2の特定入球部に遊技球を導く演出を実行する誘導案内手段と、
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(1)に記載の発明によれば、遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えている。この遊技盤は、遊技球が入球可能な入賞装置が、遊技領域の所定箇所に配設されている。入賞装置は、本体部材と入球部と振り分け手段と特定入球部と非特定入球部とを備えている。本体部材は、入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する。入球部は、本体部材での所定箇所に設けられている。振り分け手段は、本体部材の内部空間に設けられ、入球部からの遊技球を振り分けて出力する。特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能であり、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となるものである。非特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、特定入球部以外の入球部であって振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能なものである。抽選手段は、有利な遊技状態またはそれとは別の所定の有利遊技価値を付与するか否かの抽選を行う。操作示唆手段は、操作部の操作を遊技者に示唆する。誘導案内手段は、抽選手段での抽選結果が当選であり、且つ、操作示唆手段による示唆に従って操作部が操作された場合に特定入球部または特定入球部とは別に設けた第2の特定入球部に遊技球を導く演出を実行する。
したがって、遊技者は、操作示唆手段による示唆に従って操作部を操作したことで、遊技球が特定入球部または第2の特定入球部に誘導される演出が実行されるので、遊技球が誘導案内される様子を視認でき、遊技者自身の操作で有利な遊技状態または有利遊技価値を引き当てたと感じることができる。
なお、誘導演出手段による、特定入球部またはこの特定入球部とは別に設けた第2の特定入球部に遊技球を導く演出としては、特定入球部または第2の特定入球部に直接に遊技球を導くものや、導く画像で表示するものや、擬似特定入球部に擬似球を導くものが挙げられる。また、第2の特定入球部としては、例えば時短用入球部などが挙げられる。
(2)前記(1)に記載の遊技機において、
前記誘導案内手段で前記特定入球部に遊技球が導かれた場合に前記有利な遊技状態または前記有利遊技価値の当選を示唆し、導かれなかった場合に前記有利な遊技状態または前記有利遊技価値の落選を示唆する当落示唆手段と、
前記抽選手段での抽選結果が当選であり、且つ、前記操作示唆手段による示唆後に前記操作部が操作されなかった場合に、前記有利な遊技状態後に前記有利遊技価値の突然発生を示唆する突然発生示唆手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、当落示唆手段は、誘導案内手段で特定入球部に遊技球が導かれた場合に有利な遊技状態または有利遊技価値の当選を示唆し、導かれなかった場合に有利な遊技状態または有利遊技価値の落選を示唆する。したがって、遊技者が操作示唆手段による示唆に従って操作部を操作した場合に、遊技球が特定入球部に誘導案内されたか否かを遊技者に知らせることができる。
また、突然発生示唆手段は、抽選手段での抽選結果が当選であり、且つ、操作示唆手段による示唆後に操作部が操作されなかった場合に、有利な遊技状態後に有利遊技価値の突然発生を示唆するので、抽選手段での有利遊技価値の付与当選を無駄にすることなく、突然発生という形で遊技者に提供でき、遊技の興趣性を向上させることができる。
(3)前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記入球部は、遊技球が入り易い開状態と、その開状態よりも遊技球が入り難いあるいは入らない閉状態とに開閉するものであり、
前記入賞装置は、前記有利な遊技状態において、前記入球部の開閉を、前記入球部の開放回数が所定最大回数に達するかまたは遊技球の入球数が所定最大数に達成するまでを1ラウンドとしそれを所定ラウンド数にわたって自動的に実行するものであり、
前記抽選手段は、前記有利遊技価値としての、前記有利な遊技状態以外の遊技状態のうちで通常の遊技状態よりも遊技球が前記入球部に入り易い時短状態を付与するか否かの抽選を行うものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(3)に記載の発明によれば、入賞装置の入球部は、遊技球が入り易い開状態と、その開状態よりも遊技球が入り難いあるいは入らない閉状態とに開閉するものである。入賞装置は、有利な遊技状態において、入球部の開閉を、入球部の開放回数が所定最大回数に達するかまたは遊技球の入球数が所定最大数に達成するまでを1ラウンドとしそれを所定ラウンド数にわたって自動的に実行するものである。抽選手段は、有利遊技価値としての、有利な遊技状態以外の遊技状態のうちで通常の遊技状態よりも遊技球が入球部に入り易い時短状態を付与するか否かの抽選を行うものである。したがって、有利な遊技状態後の時短状態の獲得を、遊技者自身の操作で引き当てたと感じることができる。
(4)前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記本体部材に似た擬似本体部材と、
前記振り分け手段と似た擬似振り分け手段と、
前記特定入球部と似た擬似特定入球部とを備え、
前記操作示唆手段による示唆後に、前記本体部材の内部空間の表示から前記擬似本体部材の内部空間の表示に切り替える表示切替手段を備え、
前記誘導案内手段に替えて、前記抽選手段での抽選結果が当選であり、且つ、前記操作示唆手段による示唆に従って前記操作部が操作された場合に前記擬似特定入球部に遊技球を導く擬似誘導案内手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、擬似本体部材は本体部材に似ており、擬似振り分け手段は振り分け手段に似ており、擬似特定入球部は特定入球部に似ている。表示切替手段は、操作示唆手段による示唆後に、本体部材の内部空間の表示から擬似本体部材の内部空間の表示に切り替える。擬似誘導案内手段は、抽選手段での抽選結果が当選であり、且つ、操作示唆手段による示唆に従って操作部が操作された場合に擬似特定入球部に遊技球を導く。
したがって、操作示唆手段による示唆後に、表示切替手段によって本体部材の内部空間の表示が擬似本体部材の内部空間の表示に切り替わっており、遊技者は、操作示唆手段による示唆に従って操作部を操作したことで、遊技球が擬似特定入球部に誘導案内されるので、遊技球が誘導案内される様子を視認でき、遊技者自身の操作で有利な遊技状態または有利遊技価値を引き当てたと感じることができる。
(5)前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
画像表示装置と、
前記画像表示装置に表示される画像を前面側に反射するとともにその裏面側が視認可能な透過性反射部材と、
を備え、
前記入賞装置は、前記透過性反射部材の裏面側に配置され、
前記誘導案内手段に替えて、前記抽選手段での抽選結果が当選である場合に、前記画像表示装置に表示された遊技球画像に対応する前記透過性反射部材の裏面側位置での遊技球虚像を前記特定入球部に導くように表示制御する虚像表示制御手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、透過性反射部材は、画像表示装置に表示される画像を前面側に反射するとともに、その裏面側が視認可能である。画像表示装置に表示される画像が透過性反射部材で前面側に反射されて表示されることから、画像表示装置は間接的な表示主体となり、透過性反射部材が直接的な表示主体となる。そして、透過性反射部材により、画像表示装置による遊技球画像が透過性反射部材の裏面側(背後側)の所定虚像位置に位置する遊技球虚像となって遊技者に表示提供される。つまり、この透過性反射部材による遊技球画像は、当該透過性反射部材の背後側空間に存在するかのような遊技球虚像となって提供されることから、この遊技球画像は立体感のある3次元的な画像(3次元空間画像)となる。
さらに、虚像表示制御手段は、抽選手段での抽選結果が当選である場合に、画像表示装置に表示された遊技球画像に対応する透過性反射部材の裏面側位置での遊技球虚像を特定入球部に導くように表示制御する。
したがって、遊技者は、操作示唆手段による示唆に従って操作部を操作したことで、遊技球虚像が特定入球部に導かれる表示がなされるので、遊技球虚像が誘導案内される様子を視認でき、遊技者自身の操作で有利な遊技状態または有利遊技価値を引き当てたと感じることができる。
また、本明細書は、次のような第1課題を解決できる、遊技機に係る発明も開示している。
<第1課題>
前述した従来のパチンコ機では、例えば、入賞装置内の振分装置で振り分けられた遊技球が当該入賞装置内のVゾーンに導かれるか否かを遊技者に視認させるものであり、遊技球が現実にVゾーンに導かれるか否かでの態様を提供できるのみであり、それとは異なる方式でVゾーンへの導入態様を提供することはできないという問題がある。
以下の発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入賞装置内で遊技球がVゾーンに導かれる虚構態様を表示できる遊技機を提供することを目的とする。
(6)遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えた遊技機において、
画像表示装置と、
前記画像表示装置に表示される画像を前面側に反射するとともにその裏面側が視認可能な透過性反射部材と、
前記透過性反射部材の裏面側に配置された、遊技球が入球可能な入賞装置と、
前記有利な遊技状態またはそれとは別の所定の有利遊技価値を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
を備え、
前記入賞装置は、
入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材と、
前記本体部材の所定箇所に設けられた入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記入球部からの遊技球を振り分けて出力する振り分け手段と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能で、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記特定入球部以外の入球部であって前記振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能な非特定入球部と、
を備え、
前記抽選手段での抽選結果が当選である場合に、前記画像表示装置に表示された遊技球画像に対応する前記透過性反射部材の裏面側位置での遊技球虚像を前記特定入球部に導くように表示制御する虚像表示制御手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えている。入賞装置は、本体部材と入球部と振り分け手段と特定入球部と非特定入球部とを備えている。本体部材は、入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する。入球部は、本体部材での所定箇所に設けられている。振り分け手段は、本体部材の内部空間に設けられ、入球部からの遊技球を振り分けて出力する。特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能であり、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となるものである。非特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、特定入球部以外の入球部であって振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能なものである。また、透過性反射部材は、画像表示装置に表示される画像を前面側に反射するとともに、その裏面側が視認可能である。画像表示装置に表示される画像が透過性反射部材で前面側に反射されて表示されることから、画像表示装置は間接的な表示主体となり、透過性反射部材が直接的な表示主体となる。そして、透過性反射部材により、画像表示装置による遊技球画像が透過性反射部材の裏面側(背後側)の所定虚像位置に位置する遊技球虚像となって遊技者に表示提供される。つまり、この透過性反射部材による遊技球画像は、当該透過性反射部材の背後側空間に存在するかのような遊技球虚像となって提供されることから、この遊技球画像は立体感のある3次元的な画像(3次元空間画像)となる。
さらに、虚像表示制御手段は、抽選手段での抽選結果が当選である場合に、画像表示装置に表示された遊技球画像に対応する透過性反射部材の裏面側位置での遊技球虚像を特定入球部に導くように表示制御するので、入賞装置内で遊技球が特定入球部(Vゾーン)に導かれる虚構態様を表示できる遊技機を提供することができる。
(7)遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、遊技球が入球可能な入賞装置が、前記遊技領域の所定箇所に配設され、
前記入賞装置は、
入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材と、
前記本体部材の所定箇所に設けられた入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記入球部からの遊技球を振り分けて出力する振り分け手段と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能で、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記特定入球部以外の入球部であって前記振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能な非特定入球部と、
を備え、
前記本体部材に似た擬似本体部材と、
前記振り分け手段と似た擬似振り分け手段と、
前記特定入球部と似た擬似特定入球部とを備え、
前記本体部材の内部空間の表示から前記擬似本体部材の内部空間の表示に切り替える表示切替手段を備え、
前記有利な遊技状態またはそれとは別の所定の有利遊技価値を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段での抽選結果が当選である場合に前記擬似特定入球部に遊技球を導く擬似誘導案内手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えている。入賞装置は、本体部材と入球部と振り分け手段と特定入球部と非特定入球部とを備えている。本体部材は、入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する。入球部は、本体部材での所定箇所に設けられている。振り分け手段は、本体部材の内部空間に設けられ、入球部からの遊技球を振り分けて出力する。特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能であり、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となるものである。非特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、特定入球部以外の入球部であって振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能なものである。擬似本体部材は本体部材に似ており、擬似振り分け手段は振り分け手段に似ており、擬似特定入球部は特定入球部に似ている。表示切替手段は、本体部材の内部空間の表示から擬似本体部材の内部空間の表示に切り替える。抽選手段は、有利な遊技状態またはそれとは別の所定の有利遊技価値を付与するか否かの抽選を行う。擬似誘導案内手段は、抽選手段での抽選結果が当選である場合に擬似特定入球部に遊技球を導く。
したがって、表示切替手段によって本体部材の内部空間の表示が擬似本体部材の内部空間の表示に切り替わり、抽選手段での抽選結果が当選である場合に、擬似特定入球部に遊技球を導くので、入賞装置内で遊技球が擬似特定入球部(擬似Vゾーン)に導かれる虚構態様を表示できる遊技機を提供することができる。
(8)前記(6)または(7)に記載の遊技機において、
前記本体部材または前記擬似本体部材の内部空間への注視を示唆する注視示唆手段と、
遊技球虚像が前記特定入球部に導かれた場合、または、遊技球が前記擬似特定入球部に導かれた場合に前記有利な遊技状態または前記有利遊技価値の当選を示唆し、導かれなかった場合に前記有利な遊技状態または前記有利遊技価値の落選を示唆する当落示唆手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、注視示唆手段は、本体部材または擬似本体部材の内部空間への注視を示唆する。当落示唆手段は、遊技球虚像が特定入球部に導かれた場合、または、遊技球が擬似特定入球部に導かれた場合に、有利な遊技状態または有利遊技価値の当選を示唆し、導かれなかった場合に有利な遊技状態または有利遊技価値の落選を示唆する。したがって、遊技球虚像が特定入球部に導かれたか否か、または、遊技球が擬似特定入球部に誘導案内されたか否かを遊技者に知らせることができる。
(9)前記(1)から(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記入賞装置は、前記振り分け手段とは別の経路であって前記入球部から入球された遊技球を前記振り分け手段よりも速く前記特定入球部または前記非特定入球部の方に案内するまたは当該入賞装置の外部に排出する別案内通路と、
所定の別案内条件成立の場合に前記入球部からの遊技球を前記別案内通路に案内し、それ以外の場合に前記振り分け手段に案内するように切り替える案内切替手段と、
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、入賞装置の別案内通路は、振り分け手段とは別の経路であって入球部から入球された遊技球を特定入球部または非特定入球部の方に案内するまたは入賞装置の外部に排出する。案内切替手段は、所定の別案内条件成立の場合に入球部からの遊技球を別案内通路に案内し、それ以外の場合に振り分け手段に案内するように切り替える。
したがって、案内切替手段は、所定の別案内条件成立の場合、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間において、入球部からの遊技球を別案内通路に案内し、それ以外の場合、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド以外の期間や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態以外の状態である通常状態期間において、振り分け手段に案内するように切り替えるので、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間やラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間における時間、つまり次ラウンド獲得に無関係にかかっている時間を低減でき、大当り演出の間延び感を低減でき、次の遊技に素早く移行でき、得られる利益が変わらないのに不必要に待たされる問題を解消できる。
また、ホール側(遊技場側)にとってみれば、次ラウンド獲得に無関係にかかっていた時間を低減でき、その低減した時間分、遊技機の実質的な稼働率を上げることができる。
その結果、入賞装置内への遊技球の入球から排出までの時間が次ラウンド獲得に無関係にかかることを低減でき、遊技機の稼働率を向上できる遊技機を提供することができる。
また、本明細書は、次のような第2課題を解決できる、遊技機に係る発明も開示している。
<第2課題>
従来のパチンコ機では、例えば、振分装置は、塞き止め状態では揺動排出通路への遊技球の供給を塞き止め且つその解除状態では揺動排出通路への遊技球の供給を可能とする可動式塞き止め部材を備えたものがあるが、入賞装置内に可動式塞き止め部材を設けると遊技球の動きが制限されるという問題がある。
以下の発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入賞装置内に可動式塞き止め部材を備えながらも当該入賞装置内の振分装置での揺動スペースを拡張できる遊技機を提供することを目的とする。
(10)遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、遊技球が入球可能な入球手段と、遊技球が入球し易い状態となる入賞装置とが、前記遊技領域の所定箇所にそれぞれ配設され、
前記入賞装置は、
入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有する本体部材と、
前記本体部材の所定箇所に設けられた入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記入球部からの遊技球を振り分けて出力する振り分け手段と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能で、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となる特定入球部と、
前記本体部材の内部空間に設けられ、前記特定入球部以外の入球部であって前記振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能な非特定入球部と、
を備え、
前記振り分け手段は、
前記入球部からの遊技球を通路方向に揺動させて前記特定入球部または前記非特定入球部に排出する揺動排出通路と、
前記揺動排出通路の遊技球の入力端と段差無く連通された連通部と、
平面視の前記連通部での前記揺動排出通路からの遊技球の出入箇所以外の止め箇所に位置することで前記揺動排出通路への遊技球の供給を止める止め状態となり、且つ、前記出入箇所以外の箇所であって前記止め箇所から退避した退避箇所に位置することで前記揺動排出通路への遊技球の供給を可能とする止め解除状態となる止め部材と
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、遊技機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を備えている。この遊技盤は、遊技球が入球可能な入球手段と、この入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能となる入賞装置とが、遊技領域の所定箇所にそれぞれ配設されている。入賞装置は、本体部材と入球部と振り分け手段と特定入球部と非特定入球部とを備えている。本体部材は、入球した遊技球の挙動を遊技者に視認させるための内部空間を有するものである。入球部は、本体部材での所定箇所に設けられている。振り分け手段は、本体部材の内部空間に設けられ、入球部からの遊技球を振り分けて出力する。特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、振り分け手段で振り分けられた遊技球の入球が可能であり、且つ、遊技球の入球することにより遊技者にとって有利な遊技状態の発生の契機となるものである。非特定入球部は、本体部材の内部空間に設けられており、特定入球部以外の入球部であって振り分け手段で振り分けられた遊技球が入球可能なものである。振り分け手段の揺動排出通路は、入球部からの遊技球を通路方向に揺動させて、特定入球部または非特定入球部に排出する。この揺動排出通路の遊技球の入力端には、段差無く連通部が連通されている。止め部材は、平面視の連通部での揺動排出通路からの遊技球の出入箇所以外の止め箇所に位置することで揺動排出通路への遊技球の供給を止める止め状態となるし、出入箇所以外の箇所であって止め箇所から退避した退避箇所に位置することで揺動排出通路への遊技球の供給を可能とする止め解除状態となる。
したがって、入球部から入賞装置内に入球した遊技球は、止め部材が止め解除状態のときに振り分け手段の揺動排出通路に供給されて、この揺動排出通路で揺動されることになるが、揺動排出通路の入力端に段差の無く連通された連通部まで行き来できるし、止め部材は止め状態および止め解除状態のいずれの状態においても揺動排出通路からの遊技球の出入箇所に存しないため、止め部材によって揺動幅が制限されることもない。その結果、入賞装置内の振り分け手段(例えば振分装置)での揺動排出通路の遊技球揺動幅を拡張できる遊技機を提供することができる。つまり、入賞装置内に止め部材(可動式塞き止め部材)を備えながらも当該入賞装置内の振分装置での揺動スペースを拡張できる。
(11)前記(10)に記載の遊技機において、
前記揺動排出通路は、前記特定入球部に入球し得るように排出する第1振分排出通路であり
前記振り分け手段は、前記第1振分排出通路よりも前記特定入球部に入り難く排出する第2振分排出通路を備え、
前記止め部材は、止め解除状態時には前記第1振分排出通路に、止め状態時には前記第2振分排出通路に遊技球を案内するものであり、
さらに、前記振り分け手段は、前記止め部材の止め状態または止め解除状態への状態変移に伴って一体駆動または連動する視認部材を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、振り分け手段の止め部材は、止め解除状態時には揺動排出通路である第1振分排出通路に、止め状態時には第2振分排出通路に遊技球を案内する。第1振分排出通路は、遊技球を特定入球部に入球し得るように出力する。第2振分排出通路は、遊技球を第1振分排出通路よりも特定入球部に入り難く出力する。視認部材は、止め部材の止め状態または止め解除状態への状態変移に伴って一体駆動または連動する。
したがって、視認部材は、止め部材の止め状態または止め解除状態への状態変移に伴って一体駆動または連動するので、遊技者は、視認部材の状態を見ることで、第1振分排出通路に遊技球が案内され得る状態(例えば、遊技者にとって有利な振り分け状態)であることが分かる。その結果、入賞装置内の振分装置での遊技球の有利な振り分けを遊技者に分かり易くした遊技機を提供することができる。
なお、揺動排出通路が正面手前側(遊技者にとって近い側)にある方がよく、揺動排出通路よりも手前側(遊技者にとって近い側)に視認部材が位置し、止め部材は揺動排出通路よりも奥側(遊技者にとって遠い側)に位置し、視認部材と止め部材とを一体駆動または連動することが好ましい。この場合には、揺動排出通路を揺動する遊技球で視認部材が隠れてしまうことがないため、視認部材が遊技球で見難くなることがない。また、止め部材が揺動排出通路よりも手前側(遊技者にとって近い側)に位置する場合では、その分だけ揺動排出通路が奥側に位置することになるため、揺動排出通路での遊技球の揺動の見易さに劣るが、揺動排出通路が止め部材はよりも手前側(遊技者にとって近い側)に位置しているため、遊技球の揺動が見易い状態で遊技者に提供できる。
(12)前記(11)に記載の遊技機において、
前記止め部材は、通常時には止め状態となっており、解除条件成立時の所定期間は止め解除状態となる
ことを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、止め部材は、通常時には止め状態となっており、解除条件成立時の所定期間は止め解除状態となるので、通常時は、特定入球部に入り難く排出する第2振分排出通路が選択されており、仮に通常時に止め部材が故障しても第2振分排出通路を通って特定入球部に入り難く排出されるだけであり、止め部材の故障により遊技者に不当な利益(つまり、第2振分排出通路に比べて特定入球部に入り易い第1振分排出通路を通って遊技球が常時排出される不当な利益)が与えられることを低減できる。また、解除条件成立時の所定期間に止め部材が止め解除状態とならず、第1振分排出通路に振り分けられないことから、かかる止め部材の故障を発見できる。
(13)前記(11)または(12)に記載の遊技機において、
前記止め部材は、止め状態または止め解除状態のいずれの状態においても前記連通部の上方箇所が吹き抜かれた吹き抜け部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、止め部材の吹き抜け部は、止め状態または止め解除状態のいずれの状態においても連通部の上方箇所が吹き抜かれたものとしているので、連通部での揺動排出通路からの遊技球の出入箇所上に止め部材が位置することがなく、当該止め部材に遊技球が乗ったまま保持されるようなことがないし、連通部と止め部材との間に遊技球が挟まれるようなこともない。
(14)前記(10)から(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記入賞装置は、前記入球部から入球した遊技球を前記連通部に導く導入通路部を備え、
前記振り分け手段とは別の経路であって前記入球部から入球された遊技球を前記導入通路部の途中箇所から前記特定入球部または前記非特定入球部の方に案内するまたは当該入賞装置の外部に排出する別案内通路と、
所定の別案内条件成立の場合に前記入球部からの遊技球を前記別案内通路に案内し、それ以外の場合に前記振り分け手段に案内するように切り替える案内切替手段と、
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、入賞装置の導入通路部は、入球部から入球した遊技球を連通部に導く。別案内通路は、振り分け手段とは別の経路であって入球部から入球された遊技球を導入通路部の途中箇所から特定入球部または非特定入球部の方に案内するまたは入賞装置の外部に排出する。案内切替手段は、所定の別案内条件成立の場合に入球部からの遊技球を別案内通路に案内し、それ以外の場合に振り分け手段に案内するように切り替える。
したがって、案内切替手段は、所定の別案内条件成立の場合、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間において、入球部からの遊技球を別案内通路に案内するので、止め部材に遊技球が衝突することがなく、止め部材の耐用期間を延ばすことができる。
また、案内切替手段は、所定の別案内条件成立の場合、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間において、入球部からの遊技球を別案内通路に案内し、それ以外の場合、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド以外の期間や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での大当たり状態以外の状態である通常状態期間において、振り分け手段に案内するように切り替えるので、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間やラウンド自動移行タイプの遊技機での各ラウンド期間における時間、つまり次ラウンド獲得に無関係にかかっている時間を低減でき、大当り演出の間延び感を低減でき、次の遊技に素早く移行でき、得られる利益が変わらないのに不必要に待たされる問題を解消できる。
また、ホール側(遊技場側)にとってみれば、次ラウンド獲得に無関係にかかっていた時間を低減でき、その低減した時間分、遊技機の実質的な稼働率を上げることができる。
さらに、所定の別案内条件成立の場合、例えば、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド期間や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での全ラウンド期間では、遊技球は、振り分け手段とは別の経路の別案内通路を通じて、振り分け手段よりも速く特定入球部または非特定入球部の方に案内されるまたは入賞装置の外部に排出されるので、振り分け手段の動作停止に起因する遊技球の停留の問題も生じないし、残存球処理の発生を低減できる。つまり、V継続タイプの遊技機での最終ラウンド時や、ラウンド自動移行タイプの遊技機での全ラウンド時において、振り分け手段の動作を停止させるわけではないので、その停止状態の振り分け装置によって遊技球が入賞装置内に予期せぬ状態で停留してしまうことに起因する不本意な残存球処理の発生という問題を解消できる。
その結果、入賞装置内への遊技球の入球から排出までの時間が次ラウンド獲得に無関係にかかることを低減でき、遊技機の稼働率を向上でき、且つ、残存球処理の発生を低減できる遊技機を提供することができる。
(15)前記(14)に記載の遊技機において、
前記揺動排出通路である前記第1振分排出通路は、前記第2振分排出通路よりも正面手前側に位置し、且つ、前記第2振分排出通路に比べて遊技球をゆっくり滞留させるものであり、
前記入賞装置は、前記振り分け手段で振り分けられた遊技球が移動可能で前記特定入球部または前記非特定入球部のいずれかに案内するステージ部を備え、
前記別案内通路は、前記入球部から入球された遊技球を前記振り分け手段よりも速く前記ステージ部に案内する
ことを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の発明によれば、揺動排出通路である第1振分排出通路は、第2振分排出通路よりも正面手前側に位置し、且つ、第2振分排出通路に比べて遊技球をゆっくり滞留させる。入賞装置は、振り分け手段で振り分けられた遊技球が移動可能で特定入球部または非特定入球部のいずれかに案内するステージ部を備えている。別案内通路は、入球部から入球された遊技球を振り分け手段(特に揺動排出通路)よりも速くステージ部に案内する。したがって、揺動排出通路である第1振分排出通路での遊技球の揺動、つまり、ゆっくりされる遊技球を遊技者にとって手前側に位置させることで、その様子をより良く見せることができる。また、振り分け手段(特に揺動排出通路)を通らずに別案内通路で案内された遊技球がステージ部に案内されて特定入球部または非特定入球部のいずれかに案内されるので、遊技球が迅速に処理されるだけでなく、遊技者は、別案内通路を通った遊技球をステージ部上で視認することができ、入賞装置に入球した遊技球を確認することができる。
(16)前記(15)に記載の遊技機において、
前記導入通路部は、その所定箇所での底面部分に開閉自在な開閉部を備え、
前記開閉部は、開状態となると遊技球が落下可能な大きさの開口が形成され、閉状態において遊技球がそのまま通過するものであり、
前記別案内通路は、その入力側が前記開閉部の開口に連通されるとともに、その出力側が前記ステージ部上に開口された垂下通路である
ことを特徴とする遊技機。
前記(16)に記載の発明によれば、導入通路部の所定箇所での底面部分には、開閉自在な開閉部が備えられている。この開閉部は、開状態となると遊技球が落下可能な大きさの開口が形成され、閉状態において遊技球がそのまま通過するものである。別案内通路は、その入力側が開閉部の開口に連通されるとともに、その出力側がステージ部上に開口された垂下通路としているので、かかる垂下通路内に遊技球が滞ることなく迅速にステージ部に供給され、別案内通路を起因とする遊技球の停留が生じることがない。
(17)前記(16)に記載の遊技機において、
前記入球部は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球が入球可能な開状態に変移する開閉入口部であり、
前記開閉入口部の開状態への変移に同期して前記止め部材が所定期間だけ止め解除状態となる
ことを特徴とする遊技機。
前記(17)に記載の発明によれば、入球部としての開閉入口部は、入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球が入球可能な開状態に変移する。止め部材は、開閉入口部の開状態への変移に同期して、所定期間だけ止め解除状態となる。したがって、開状態の開閉入口部に入球した遊技球は、開閉入口部に同期して止め解除状態となる止め部材によって第1振分排出通路に案内され、この第1振分排出通路で揺動されて特定入球部に入球するように排出されることがある。一方、開状態の開閉入口部に入球した遊技球であっても、止め部材が止め状態であれば第2振分排出通路に案内されて、第1振分排出通路よりも特定入球部に入り難く排出される。よって、入賞装置内での遊技球の振り分け態様に面白味を持たせることができる。
(18)前記(15)から(17)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記ステージ部は、前記振り分け手段で振り分けられた遊技球が転動可能な転動領域を備え、
前記特定入球部と前記非特定入球部とは、前記転動領域の一方側に設けられ、
前記ステージ部は、前記転動領域での一方側方向に対して直交する当該転動領域の幅方向に連なる山部を当該転動領域に発生させるとともに、当該山部を前記転動領域の下流方向に移動させる波立ち発生手段を備え、
前記入賞装置は、前記振り分け手段から供給された遊技球を前記ステージ部の転動領域の幅方向に少なくとも振り分け出力する、前記振り分け手段とは別の可動式振り分け部材を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(18)に記載の発明によれば、ステージ部は、振り分け手段で振り分けられた遊技球が転動可能な転動領域を備えている。特定入球部と非特定入球部とは、転動領域の一方側に設けられている。波立ち発生手段は、転動領域での一方側方向に対して直交する当該転動領域の幅方向に連なる山部をこの転動領域に発生させるとともに、その山部を転動領域の下流方向に移動させる。入賞装置内の可動式振り分け部材は、振り分け手段から供給された遊技球をステージ部の転動領域の幅方向に少なくとも振り分け出力する。
したがって、可動式振り分け部材からステージ部の転動領域の幅方向に遊技球が振り分け出力されるタイミングと、波立ち発生手段による転動領域での波立ち(山部)の移動タイミングとにより、転動領域での遊技球の転動方向が決定される。つまり、転動領域の幅方向に転動する遊技球が、転動領域の奥行き方向に移動する山部の影響を受けることで、遊技球に斜め方向の合成力が生じてその遊技球が転動領域を斜め方向に転動し始めるため、遊技球が転動領域の幅方向に出力された時点で山部の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるし、遊技球が転動領域の幅方向に出力されてしばらくその方向に進んだ時点で山部の影響を受ければその時点から斜め方向に転動することになるため、遊技球の転動方向に変化を持たせることができる。すなわち、可動式振り分け部材から転動領域の幅方向に遊技球を出力する位置(落とす位置)は毎回同じなのに、転動領域の移動する山部により転動領域での遊技球の流下方向に意外性を持たせることができ、転動領域を広範囲に転動させることができ、特定入球部に入るかどうかの変化を持たせることができる。
また、その山部の動作を単純にしながら遊技球の色々な挙動を見せることができる。つまり、山部を転動領域の一方側方向に沿って移動させるだけであるので、山部をハードまたはソフト制御でするにしても非常にコンパクトであり、山部を逐次に動作または停止を制御する構成に比べてコンパクトにでき、山部が単純な動作なので不正動作が発見し易いため、不正対策に優れる。また、山部が単純な動作なので、遊技者にとって見ても山部が不正に制御された不正な遊技機との印象を持たない。
その結果、入賞装置内の振分装置で振り分けられたステージ上での遊技球の挙動に面白味を持たせることができる遊技機を提供することができる。
(19)前記(18)に記載の遊技機において、
前記ステージ部の前記転動領域は、水平または略水平な領域としていることを特徴とする遊技機。
前記(19)に記載の発明によれば、ステージ部の転動領域は、水平または略水平な領域としているので、転動領域の幅方向に出力された遊技球は、その出力方向に進んでいき、転動領域の奥行き方向に移動する山部の影響を受けたときから遊技球に斜め方向の合成力が生じてその遊技球が転動領域を斜め方向に転動し始めることになり、波立ち発生手段による転動領域での波立ち(山部)を契機に転動領域の一方側に向かわせることができる。
(20)前記(18)または(19)に記載の遊技機において、
前記可動式振り分け部材は、前記入球部からの遊技球を前記ステージ部を介さずに前記特定入球部に向けて前方向に出力する第1出力部と、前記入球部からの遊技球を前記ステージ部の転動領域の幅方向に出力する第2出力部とを備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(20)に記載の発明によれば、可動式振り分け部材の第1出力部から前方向に出力される遊技球は、転動領域を介さずに特定入球部に入球することがあり、第1出力部から出力される遊技球が転動領域の移動する山部によって特定入球部への入球が阻まれることを防止でき、第1出力部から出力されて特定入球部に入球される利益を確保できる。また、第2出力部から転動領域の幅方向に出力された遊技球は、転動領域を移動する山部の影響を受けて特定入球部に入球することがあるという面白味も提供できる。
(21)前記(18)から(20)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可動式振り分け部材を、前記ステージ部の前記転動領域上で、当該可動式振り分け部材と前記転動領域との間を遊技球が通過可能な間隔を空けて支持する支持手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(21)に記載の発明によれば、支持手段は、可動式振り分け部材を、ステージ部の転動領域上で転動領域との間を遊技球が通過可能な間隔を空けて支持しているので、転動領域における可動式振り分け部材の下方領域も遊技球の転動が可能であり、ステージ部の転動領域をその幅方向にわたって最大限に活用することができる。また、ステージ部の転動領域を転動する遊技球が可動式振り分け部材下を通る際に一旦隠れてから現れて、特定入球部に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球の挙動にさらに面白みを持たせることができる。
(22)前記(21)に記載の遊技機において、
前記可動式振り分け部材は、不透明部材としていることを特徴とする遊技機。
前記(22)に記載の発明によれば、可動式振り分け部材は不透明部材としているので、ステージ部の転動領域を転動する遊技球が可動式振り分け部材下を通る際に一旦隠れてしまい、その後に可動式振り分け部材下から現れて、特定入球部に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球の挙動にさらに面白みを持たせることができる。
(23)前記(21)に記載の遊技機において、
前記可動式振り分け部材は、透明部材または半透明部材としていることを特徴とする遊技機。
前記(23)に記載の発明によれば、可動式振り分け部材は透明部材または半透明部材としているので、ステージ部の転動領域を転動する遊技球が可動式振り分け部材下を通る際も完全に隠れてしまうことがなく、その後に可動式振り分け部材下から現れて、特定入球部に入球する否かの様子を遊技者が見ることがあり、遊技球の転動を見失わずに確認することができる。
(24)前記(18)から(23)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記ステージ部は、前記転動領域の幅方向の両端箇所に、遊技球を当該転動領域内に止めるための壁部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(24)に記載の発明によれば、ステージ部は、転動領域の幅方向の両端箇所に、遊技球を当該転動領域内に止めるための壁部を備えているので、可動式振り分け部材から転動領域の幅方向に出力された遊技球が当該転動領域の幅方向の両端箇所に到達したとしても、その両端箇所の壁部により反射され、この反射された遊技球に転動領域での移動する山部が作用してその転動方向を変えることができ、可動式振り分け部材での出力方向とは逆方向に遊技球を向かわせることができるだけでなく、移動する山部により遊技球の転動方向を変化させることができる。
(25)前記(18)から(24)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記内部空間での奥側に位置する前記可動式振り分け部材での奥側部分を基端側とし、前記内部空間での手前側に位置する前記可動式振り分け部材での手前側部分を先端側とし、前記可動式振り分け部材の前記基端側を軸として前記先端側を前記内部空間で横方向に揺動する横方向揺動手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(25)に記載の発明によれば、横方向揺動手段は、可動式振り分け部材の基端側を軸として先端側を内部空間で横方向に揺動するので、可動式振り分け部材から転動領域への出力方向に多様性を持たせることができ、転動領域での移動する山部との関係でさらに多様な遊技球の挙動を生み出すことができる。
(26)前記(18)から(24)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可動式振り分け部材の前記基端側を軸として前記先端側を前記内部空間で縦方向に揺動する縦方向揺動手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(26)に記載の発明によれば、縦方向揺動手段は、可動式振り分け部材の基端側を軸として先端側を内部空間で縦方向に揺動するので、可動式振り分け部材の先端側が上向きとした上向き姿勢と、可動式振り分け部材の先端側が下向きとした下向き姿勢とに可変することで、可動式振り分け部材での遊技球の出力方向に変化を与えることができ、可動式振り分け部材から転動領域への出力方向にさらに多様性を持たせることができ、転動領域での移動する山部との関係でさらに多様な遊技球の挙動を生み出すことができる。
(27)前記(18)から(24)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記可動式振り分け部材の前記基端側を軸として前記先端側を前記内部空間で横方向に一振りする際に前記先端側を前記内部空間で縦方向に二往復させることで、正面視で前記先端側を略二山状に揺動させる二山状揺動手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(27)に記載の発明によれば、二山状揺動手段は、可動式振り分け部材の基端側を軸としてその先端側を内部空間で横方向に一振りする際に、当該可動式振り分け部材の先端側を内部空間で縦方向に二往復させることで、正面視で可動式振り分け部材の先端側を略二山状に揺動させるので、正面視で可動式振り分け部材の先端側がその二山の麓に位置した姿勢では、第1出力部から転動領域を介さずに特定入球部に向けて遊技球を出力することがあり、正面視で可動式振り分け部材の先端側がその二山の頂上に位置した姿勢では、第2出力部から転動領域の幅方向に遊技球を出力することがあり、可動式振り分け部材からの出力方向に多様性を持たせることができる。
(28) 前記(1)から(27)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(28)に記載の遊技機によれば、遊技者自身の操作で所定の有利遊技価値を引き当てたと感じることができるパチンコ機や、入賞装置内で遊技球がVゾーンに導かれる虚構態様を表示できるパチンコ機や、入賞装置内の振り分け手段(例えば振分装置)での揺動排出通路の遊技球揺動幅を拡張できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)するものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された入賞装置(可変入賞手段や特定入賞口など)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。