JP6312644B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
先ず、パチンコ遊技機10の概要を説明する。
図1はパチンコ遊技機10の正面図、図2はパチンコ遊技機10が備える遊技盤50を示す正面図である。
図3はパチンコ遊技機10が備える図柄表示器90を示す図である。
図4はパチンコ遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図、図5はパチンコ遊技機10の払出制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、以下の説明において、左、右、上、下などの方向は、特に断りのない限り、パチンコ遊技機10(図1)を正面側(遊技者側)から見たときの方向を指すものとする。また、パチンコ遊技機10の正面側(遊技者から見て手前側)の方向を前、その反対側(遊技者から見て奥側)の方向を後という。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射して遊技を行うように構成されており、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られるようになっている。
前枠20は、遊技領域50aの前面側を覆うように配置された透明部材25を備えている。透明部材25は、遊技領域50aおよび遊技盤50を、前方から透視可能な状態で保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を一体的に備えている。上球受け皿27と下球受け皿29とは、互いに上下に離間して配置されている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備えている。操作ハンドル31が回動操作されることによって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
前枠20は、上球受け皿27の前方に配設されたボタン37を備えている。ボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えたり或いはパチンコ遊技機10に関わる種々の情報を遊技者が得たりするために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
これらの障害物には、取付ベース板50bの前面側に立設された多数の遊技釘56(図10〜図18参照)、風車52、ワープ通路54、及びその他の装飾部材などが含まれる。
これら障害物が取付ベース板50bの前面側に配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動する遊技領域50aが取付ベース板50bの前面側、すなわち遊技盤50の前面側に形成されている。
風車52とは、遊技球の転動方向に変化を与えるための機構であり、遊技盤50に固定された釘状の止着部材と、この止着部材に対して回転可能に軸支された回転部材と、を備える。
図2に示すように、演出表示器80は、例えば、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上側に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。
ここで演出図柄とは、パチンコ遊技機10における遊技の興趣をより高めるために表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
また、メイン表示部81は、その略中央に演出図柄を表示可能であり、さらに当該演出図柄の上方および下方にもそれぞれ演出図柄が表示されうる。すなわち、メイン表示部81には「上段」「中段」「下段」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。
また、メイン表示部81は、演出図柄の表示の他にも、保留表示(図示せず)を表示画面の一部に表示することができる。保留表示が表示される表示領域と、演出図柄が表示される表示領域とは、互いに異なる領域であっても良いし、位置的に互いに重複していても良い。なお、保留表示とは、実行予定の図柄変動ゲーム(図柄変動ゲームの実行中の場合は当該実行中の図柄変動ゲームを除く)の残回数を表示報知するいわゆる保留玉表示のことである。
例えば、メイン表示部81は固定式の液晶表示装置である。
左サブ表示部83の移動の方向は特に限定されないが、本実施形態では、左サブ表示部83が遊技盤50に対して相対的に上下に移動可能である例を説明する。
ここで、取付ベース板50bは、例えば、アクリル板等の可視光透過性の板状部材である。
そして、左サブ表示部83は、取付ベース板50bの背面側に配置されており、左サブ表示部83の表示画面である左サブ表示領域83aは、取付ベース板50bを通して前方より視認可能となっている。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10は、前面側に遊技領域50aが形成されている可視光透過性の遊技盤50(具体的には、例えば、取付ベース板50bが可視光透過性である遊技盤50)と、遊技盤50を通して前方より視認可能な表示領域(例えば、左サブ表示領域83a)を有し遊技盤50の背面側において動作される可動表示装置(例えば、左サブ表示部83)と、を備えている。
ここで、パチンコ遊技機10は、左サブ表示部83を取付ベース板50bに対して相対的に上下方向に移動可能とさせるガイド部(不図示)と、左サブ表示部83をガイド部に沿って上下に移動させることが可能な、モータ又はシリンダ等のアクチュエータ83b(図4)と、左サブ表示部83の動作を制御する動作制御部(例えば、後述する演出制御部210)と、を備えている。そして、演出制御部210がアクチュエータ83bを制御することにより、左サブ表示部83を遊技盤50に対して(取付ベース板50bに対して)相対的に上下に移動させることが可能となっている。
なお、必ずしも取付ベース板50bの全体が可視光透過性である必要はない。例えば、少なくとも取付ベース板50bを通して前方から左サブ表示領域83aを視認させる必要がある範囲において、取付ベース板50bが部分的に可視光透過性となっていてもよい。
図柄表示器90には、複数の発光表示素子(ランプ)が配列されている。この発光表示素子は、例えば、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示器90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示すようになっている。図柄表示器90は、例えば、特別図柄表示部91と普通図柄表示部93とを含んでいる。
普通図柄表示部93は特別図柄表示部91より少ない数(例:2個)のLEDの点灯パターンにより普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。
また、本実施形態における特別図柄表示部91は、第1始動口58への入球または第2始動口59への入球のいずれを起因とする図柄変動ゲームにおいても変動表示を行う。このとき、変動表示に用いられるLEDが入球した始動口によって異なってもよく、同一であってもよい。
そして、より弱く打ち出された遊技球(いわゆる左打ちされた遊技球)は主に第1流路Xを転動して流下する一方で、より強く打ち出された遊技球(いわゆる右打ちされた遊技球)は主に第2流路Yを転動して流下するように、各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できないように配設されており、図1から図3においては図示しない。
第1始動口58の奥には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されており、第1始動口58に入球した遊技球がカウントスイッチSW1で検知されることにより、特別図柄による図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定められた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が成立しうる。
第2始動口59の奥には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配設されており、第2始動口59に入球した遊技球がカウントスイッチSW2で検知されることにより、特別図柄による図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が成立しうる。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも本明細書では「入球」と称す。
また、大入賞口55の奥には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されており、大入賞口55に入球した遊技球がカウントスイッチSW4で検知されることにより、賞球の払出条件が成立しうる。
また、特別電動役物65は、遊技盤50の前面よりも前方に飛び出した開放状態となることにより、上方から流下してくる遊技球の受け皿として機能するようになり、受け入れた遊技球を大入賞口55へと誘導する。
本実施形態における特別電動役物65は、大当り遊技の実行中に開放状態となるように作動して大入賞口55への遊技球の入球を許容する。
なお、本実施形態においては二つの普通入賞口67a、67bに対して一つのカウントスイッチSW5が設けられている実施例で説明したが、個別にセンサ(カウントスイッチ)を設けてもよい。このとき、それぞれのセンサによって賞球の払出条件が異なってもよく、同一であってもよい。
また、本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
次に、主に図4及び図5を用いてパチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
なお、パチンコ遊技機10は、図4及び図5に示される制御構成以外の制御構成を備えていても良いし、図4及び図5に示されるすべての制御構成を必ずしも備えていなくても良い。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲で一部の制御構成の追加又は削除が許容される。
より具体的には当該基板は、所定の制御プログラムによって制御動作を実行するCPU(Central Processing Unit)(図示せず)と、当該CPUの制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)(図示せず)と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM(Random Access Memory)(図示せず)を備えている。CPUは、ROMから読み出した制御プログラムを実行し、RAMに種々のデータを書き込む、またはRAMから種々のデータを読み出すことによって種々の機能を実現することができる。
なお、図4または図5に図示している各構成要素の機能としては、1つの電子基板のみで実現できる機能、複数の電子基板の相互間で種々のデータの授受を行うことにより実現できる機能、電子基板と当該電子基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより実現できる機能等が混在している。これらの各種機能を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
主制御部100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について他の構成要素(例えば演出制御部210)にコマンドを伝送する。主制御部100は、遊技の結果に影響を及ぼす機能または及ぼす虞がある機能を有する基板であって、いわゆる主基板である。図4に示すように、主制御部100は多数の制御構成を有し、これらの制御構成が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している制御構成及び制御構成間の接続関係は一例であって、必ずしもこれに限られるものではない。
特図抽選制御部130は、特別図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技の制御、確変状態の管理または変短状態の管理を行う。
図柄表示制御部150は、特別図柄による図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、または普通図柄による図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示器90に表示させる。
変動パターン処理部160は、特別図柄による図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。また、変動パターン処理部160によって決定された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210に出力されて演出表示器80における表示演出(リーチ演出や保留変化演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、主制御部100に含まれる各構成要素にて生成された制御情報(コマンド)を他の構成要素(例えば、演出制御部210等)に伝送する機能を有している。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターンを示す情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態または変短状態の有無、保留記憶に関する情報または大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
演出制御部210は、パチンコ遊技機10によって行われる遊技(図柄変動ゲームや大当り遊技等)に関連する演出を制御する。
払出制御部230は、各入賞口への入賞の特典として付与される賞球の払い出しを制御する。
ここまで挙げた各構成要素について、以下ではより詳細に説明する。
主制御部100は、特図保留制御部115と、特図抽選制御部130と、を備える。
また、特図抽選制御部130は特別図柄による図柄変動ゲームを司り、当否抽選部131と特図選択部132とを有している。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口58の入賞が検知されると乱数M1を取得し、当該取得した乱数M1を専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されると乱数M2を取得し、当該取得した乱数M2を専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。
乱数M1の保留上限数(保留記憶の上限数)または乱数M2の保留上限数(保留記憶の上限数)は予め定められており、本実施形態では、例えば、乱数M1および乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。
特図保留制御部115は、保留記憶させた乱数M1または乱数M2を、保留記憶させた順番で当否抽選部131に処理させてもよいし、一方を他方に優先して当否抽選部131に処理させてもよい。
ここで、保留変化演出とは、例えば、保留表示の色彩などが変化する演出を意味する。保留変化演出により変化した保留表示と対応する図柄変動ゲームの実行中には、リーチ演出が行われやすかったり、更には、大当り遊技が付与され易かったりする。
ここで述べた事前判定情報とは、第三判定の判定結果を少なくとも包含する情報であり、第一判定または第二判定の判定結果は包含してもしなくてもよい。
なお、ここで述べた第一判定が肯定される場合には第三判定が肯定されやすく、第一判定が否定される場合には第三判定が否定されやすくなっている。すなわち、当選値である乱数M1または乱数M2が保留記憶された場合には、保留変化演出が行われやすくなっている。
なお、本発明において、保留変化演出を行わない場合(例えば、擬似連演出は行うが、保留変化演出は行わない場合など)には、事前判定部118は必ずしも必要では無い。
ここで「入賞を契機として当否抽選を行う」とは、入賞を検知することを一つの条件として、その後に当否抽選が実行されうることをいう。すなわち、入賞が検知されたとしても、必ずしも当該当否抽選が実行されなくてもよい。例えば、保留されている乱数M1の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW1によって検知された入賞、または保留されている乱数M2の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW2によって検知された入賞は、当否抽選の条件にはならない。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、特別図柄による図柄変動ゲームの実行中に、後述する特別図柄表示制御部151によって特別図柄表示部91に表示される。すなわち、特図選択部132により選択されたデータと対応する点灯パターンで、特別図柄表示部91のLEDが点灯する。
なお、特図選択部132による選択には、当否抽選に用いられた乱数M1と、予め用意されている特別図柄の種類とが同数であって一意に決定される態様も含まれる。
パチンコ遊技機10は、普図保留制御部116と、普図抽選制御部170と、普通電役制御部180と、を備える。
普図抽選制御部170は普通図柄による図柄変動ゲームを司り、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄による図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
開放抽選部171による開放抽選に当選したとき、普通電役制御部180はアクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
普通図柄表示部93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を点灯させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部132による選択と同様に、開放抽選部171による抽選に用いられた乱数M3と、予め用意されている特別図柄の種類とが同数であって一意に決定される態様も含まれる。
遊技状態制御部140は大当り遊技、確変状態または変短状態を制御するものであり、確変制御部141、変短制御部143または大当り制御部145を有している。
ループ方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行し、少なくとも次回大当りまで継続する確変をいう。従って、ループ方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることである。
ST方式の確変とは、「スペシャルタイム確変」あるいは「回数切り確変」等とも称され、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行した後、所定回数の図柄変動ゲームのうちに大当り抽選に当選しない場合に、通常遊技状態に移行する確変をいう。従って、ST方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、所定回数の図柄変動ゲームが行われることが含まれる。
転落抽選方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変に移行した後に行われる図柄変動ゲームにおいて確変状態から通常遊技状態へ転落するか否かを抽選(転落抽選)し、転落抽選に当選した場合に通常遊技状態へ移行する確変をいう。従って、転落抽選方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、転落抽選に当選することが含まれる。
なお、本実施形態における確変状態の付与条件は、(a)の方式を採用してもよく、(b)の方式を採用してもよい。
なお、本実施形態における変短状態の付与条件は、確変状態の付与条件と共通であってもよいし異なってもよい。また、本実施形態における変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と共通であってもよいし異なってもよい。すなわち、確変状態が付与される期間と変短状態が付与される期間は、共通であってもよいし異なってもよい。
本実施形態において変短状態が付与された場合には、上記の四つのいずれも実行されるものとする。なお、上記の(ii)および(iii)の少なくとも一つが行われることを、一般的には"電チューサポート"または"電サポ"等と称する。
まず、当否抽選部131によって大当り遊技に当選した場合、大当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が特別図柄表示部91に停止表示された後(特別図柄による図柄変動ゲームが終了した後)に、大当り制御部145は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定められた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
特別電役制御部190は、大当り制御部145から受けた指令に従って、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を開放させる。また、特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW4の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、入球した遊技球が上限数に達したとき、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部145は大当り遊技を終了させる。
パチンコ遊技機10は、上球受け皿27に連通している払出機構部70を制御し、上球受け皿27へ賞球を払い出すことができる払出制御部230を備える。
より詳細には、主制御部100は、各カウントスイッチ(カウントスイッチSW1、カウントスイッチSW2、カウントスイッチSW4、カウントスイッチSW5)による入賞検知に応じて所定の賞球を払い出すように払出制御部230に対して指令を出力する。そして、払出制御部230は、主制御部100から受け付けた指令に基づいて払出機構部70を制御する。なお、払出機構部70は中枠(図示せず)の後方に配設されており、前枠20が閉じた状態では視認することができない。
各カウントスイッチに対して予め設定されている所定の賞球の数は、実施の態様に合わせて適宜設定してもよく、一例に限られない。
パチンコ遊技機10は、図柄表示制御部150と、演出制御部210と、変動パターン処理部160と、を備える。
図柄表示制御部150は、特別図柄による図柄変動ゲームの結果である特別図柄、または普通図柄による図柄変動ゲームの結果である普通図柄、を図柄表示器90に表示させる。
演出制御部210は、主に特別図柄による図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を演出表示器80に表示させる。特に、特別図柄による図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、特別図柄表示部91における特別図柄による図柄変動ゲームの変動時間に合わせて、メイン表示部81で演出図柄の変動表示を行っている。
図19から図21に示される左向きの三本の矢印は、各段の演出図柄がスクロールする向きの一例を示している。演出図柄は、スクロールした後、段ごとに停止表示または仮停止状態になる。ここで、仮停止とは、暫定的に停止している旨を示す表示態様であり再変動しうる状態を意味している。また、停止表示とは、確定的に停止している表示態様を意味しており、仮停止状態とは異なる状態である。
なお、本実施形態においては、スクロール方向が左右方向(具体的には例えば左向き)であるため、演出図柄のスクロールは段ごとに実行されるが、スクロール方向が上下方向である場合には演出図柄のスクロールは列ごとになる。このため、本実施形態において「段」と説明している記載内容について、スクロール方向が上下方向である遊技機で実施する場合には「列」と同義になりうる。
ただし、複数回の特別図柄による図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出表示が実行される場合や、一回の特別図柄による図柄変動ゲームに対して複数回の変動を1セットとする演出表示が実行される場合もある。前者の代表例はいわゆる連続予告と称される演出表示であり、後者の代表例はいわゆる擬似連演出と称される演出表示である。
更には、擬似連演出とは、一回の変動表示(演出図柄の変動表示)が実行されている期間に複数回の変動サイクルを連続して行う演出をいう。
擬似連演出が行われた図柄変動ゲームの実行中には、リーチ演出が行われやすかったり、更には、大当り遊技が付与され易かったりする。
ここで、擬似連演出は、仮停止した演出図柄が特定の出目(いわゆる継続目:例えば、いわゆるズレ目など)となることを契機として次回の変動サイクルに継続しうるようになっていてもよいし、仮停止した演出図柄の出目と関係なく次回の変動サイクルに継続しうるようになっていてもよい。
より詳細には、変動パターン処理部160は、特別図柄による図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを定め、変動パターンを含む指令を図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)または演出制御部210に出力する。このとき、変動パターン処理部160は、事前判定部118による判定結果、特に演出内容に関する判定(第二判定)の結果を参照して変動パターンを定めてもよい。
特別図柄表示制御部151は変動パターンに応じて特別図柄による図柄変動ゲームを実行し、また演出制御部210は変動パターンに応じて演出図柄の変動表示を実行することによって、これらの対応性を担保している。
また、演出制御部210は、ボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83または右サブ表示部84の移動制御を実行することができ、さらに図4では図示していないが、いわゆる装飾可動体の移動制御を実行することができてもよい。
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、主に図6から図9を用いて説明する。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理が実行される期間の一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、図7から図10で図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、パチンコ遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
すなわち、ステップS102の肯定とステップS104の否定とが、上記の始動条件の成立を意味する。
事前判定処理が実行されるとき、事前判定部118は、保留記憶された乱数M1または乱数M2に起因して大当り遊技に当選するか否かおよびその乱数に対して保留変化演出を行うか否かを判定し、その判定結果を示す事前判定情報を生成する。
事前判定部118は、上述の第一判定、第二判定または第三判定に用いられる判定テーブルを有しており、当該判定テーブルに基づいて各判定処理を行う。なお、第一判定に用いられる判定テーブルには、当否抽選部131に用いられる抽選テーブルに格納されている当選値の少なくとも一部が格納されており、判定対象の乱数M1または乱数M2が当該判定テーブルに格納されている当選値と一致するか否かによって第一判定を実行することができる。
なお、ステップS110の処理は、毎回の図柄変動ゲームにおいて実行されなくてもよい。換言すれば、ステップS110の処理は、所定の条件に合致する場合に実行されるのであってもよい。
ステップS112にて出力されるコマンドには、例えば、ステップS110における事前判定部118の判定結果を示す事前判定情報が含まれる。
また、入力されたコマンドに含まれる事前判定情報が保留変化演出を行わない旨の判定結果を示している場合(ステップS404のNO)、ステップS406の処理は行われないまま待機となる。
なお、ここで挙げた判定内容は一例であり、ステップS406において事前判定情報(事前判定部118による判定結果)に基づいて設定される内容は適宜変更してもよい。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで変動開始条件とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄による図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その開始処理は終了となる。
ステップS204において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否抽選部131による当否抽選や特図選択部132による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。さらに、ここで特定の演出を行うか否かの判定の一部として、リーチ演出又は擬似連演出などを行うか否かの判定が含まれてもよい。
そして、変動パターン処理部160は、ステップS206の処理結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS208)。
ステップS210において出力されるコマンドには、例えば、ステップS206で実行された判定の処理結果を示す情報やステップS208で決定された変動パターンを示す情報、またはこれらに関連して実行される演出に用いられる情報等が含まれてもよい。
ここで、ステップS504では、演出制御部210は、保留変化演出、リーチ演出、擬似連演出などの演出を実行するか否か、またはそれら演出の具体的な内容も決定する。
ステップS506で実行する演出は、後述する擬似遊技球演出表示を含むものであっても良いし、含まないものであっても良い。
また、擬似遊技球表示演出を含む演出としては、擬似遊技球表示演出に続いて、保留変化演出、擬似連演出、リーチ演出などが行われる演出や、リーチ演出又は擬似連演出が行われている期間中に擬似遊技球表示演出が行われる演出などが挙げられる。
次に、図10から図24を用いて、演出表示器80において擬似遊技球251の表示を伴って行われる演出表示(擬似遊技球演出表示)の例を説明する。
図10〜13及び図15〜図18は左サブ表示部83において行われる演出表示の説明図である。
図14、図19〜図21はメイン表示部81において行われる演出表示の説明図である。
図22〜図24は右サブ表示部84において行われる演出表示の説明図である。
擬似遊技球演出表示は、当該擬似遊技球演出表示を実行することが演出制御部210によって決定された場合に、演出制御部210の制御下で、演出表示器80において行われる。
また、左サブ表示部83の動作(上下動)は、演出制御部210の制御下でアクチュエータ83bが作動することによって行われる。
ここで、表示制御部及び動作制御部は、例えば、演出制御部210により構成されていても良いし、主制御部100と演出制御部210とにより構成されていても良い。ただし、以下の説明は、表示制御部及び動作制御部が演出制御部210により構成されているものとして行う。
表示制御部は、表示領域に擬似遊技球251を表示させて、擬似遊技球251が遊技領域50aにおいて転動するかのような表示制御を実行可能である。
動作制御部は、表示領域に擬似遊技球251が表示されている状態で可動表示装置を動作させる制御を実行可能である。
そして、擬似遊技球251が転動するかのような表示としては、擬似遊技球251が転動流下するかのような表示であることが挙げられるが、擬似遊技球251の転動の方向は、流下方向に限定されない。例えば、ルーレットに投入された球がルーレットの回転盤上で転動するかのように、擬似遊技球251が移動する表示であってもよい。
可動表示装置の動作とは、例えば、遊技盤50の板面(取付ベース板50bの板面)に沿った可動表示装置の移動(上下動など)であることが挙げられる。この移動は、直線移動であっても良いし、曲線移動であっても良い。ただし、本発明は、これらの例に限らず、可動表示装置の動作は、遊技盤50(取付ベース板50b)に対する回転であっても良い。一例として、ルーレットの回転盤を表示する可動表示装置が回転することにより、回転盤が回転するかのような表示を行うことも可能である。
図22〜図24に示すように、擬似入球装置270は、右サブ表示領域84aに表示される画像であり、例えば、回転表示される円形の回転体271と、擬似遊技球251を回転体271に向けて誘導する誘導壁275と、回転体271の周囲に配置されている回転体枠276と、を備えている。擬似入球装置270は、例えば、いわゆるクルーンである。
なお、誘導壁275の表示は必ずしも必要ではない。
なお、擬似入賞穴272と、擬似ハズレ穴273及びダミー擬似ハズレ穴274とは、互いに異なる表示色に設定されていることが好ましく、これにより、遊技者が擬似入賞穴272と、それ以外の穴(擬似ハズレ穴273及びダミー擬似ハズレ穴274)とを識別しやすくなる。
回転体271は、当該回転体271の中心を回転中心として一方向(例えば時計回り)に回転するように表示される。ここで、回転体271の回転速度は、例えば、通常時(例えば、補正表示が行われる期間を除く期間)には、一定速度となっている。
図22から図24に示すように、擬似遊技球251が誘導壁275により囲まれた誘導路を右方に移動して、擬似入賞穴272又は擬似ハズレ穴273に入球するような演出表示が行われるようになっている。
本実施形態の場合、例えば、ダミー擬似ハズレ穴274には擬似遊技球251が入球しないようになっている。
また、擬似入賞穴272及び擬似ハズレ穴273の移動表示が回転移動することは一例に過ぎず、擬似入賞穴272及び擬似ハズレ穴273が回転移動以外の態様(例えば直線的な往復移動など)で移動しても良い。
このうち出現演出表示は、例えば、左サブ表示部83の表示画面である左サブ表示領域83aに擬似遊技球251を出現させたあと、擬似遊技球251を左サブ表示領域83aに表示しながら、左サブ表示部83を動作させて行われる(図10〜図18)。
また、移動演出表示は、例えば、メイン表示部81の表示画面であるメイン表示領域81aにおいて、擬似遊技球251が右サブ表示領域84aに向けて移動する演出表示である(図11、図12)。
また、入球演出表示は、例えば、右サブ表示部84の表示画面である右サブ表示領域84aに移動した擬似遊技球251が、後述する擬似入球装置270の擬似入賞穴272に入球するか否かの演出表示である(図22〜図24)。
一連の擬似遊技球演出表示においては、出現演出表示、移動演出表示及び入球演出表示のうち、出現演出表示が最も先に行われ、続いて、移動演出表示及び入球演出表示の順に実行されうる。
一連の擬似遊技球演出表示は、先ず、図10及び図11に示すように左サブ表示領域83aに擬似遊技球251が出現する出現演出表示が行われることによって開始される。
なお、出現演出表示の開始時(擬似遊技球251の出現時)には、左サブ表示部83に所定の動作(例えば左サブ表示部83が上下に揺れ動くなど)を行わせるとともに、スピーカ33から所定の効果音を出力させても良い。
一例として、パチンコ遊技機10の稼働中、且つ、後述する補正表示の実行期間を除く期間においては、回転体271を含む擬似入球装置270が右サブ表示領域84aに常時表示され、回転体271が、常時、回転表示されていても良い。ただし、大当り遊技中などの所定の期間においては、回転体271を含む擬似入球装置270が一時的に非表示となるようになっていても良い。
一例として、擬似遊技球251を左サブ表示領域83aに出現させた後、図12に矢印Aで示される方向又は図15に矢印Bで示される方向に擬似遊技球251が転動流下するかのように、左サブ表示部83の表示制御と動作制御とを並行して実行する。
このように、遊技機10は、遊技盤50の前面側に設けられて遊技球の転動方向を変化可能な構造物(遊技釘56)を備え、表示制御部(演出制御部210)は、構造物(遊技釘56)によって擬似遊技球251の転動方向が変化するかのような表示制御を、可動表示装置(左サブ表示部83)の動作中に実行可能である。
すなわち、動作制御部(演出制御部210)は、遊技領域50aにおいて転動するかのように擬似遊技球251を表示領域(左サブ表示領域83a)に表示している可動表示装置を、擬似遊技球251が動く方向に移動させる制御が可能である。
このように、表示制御部(演出制御部210)は、可動表示装置(例えば左サブ表示部83)の表示領域(左サブ表示領域83a)と、可動表示装置とは別の表示装置(例えばメイン表示部81)の表示領域(メイン表示領域81a)との間で擬似遊技球251が移動するかのような(受け渡されるかのような)表示制御が可能である。
より具体的には、パチンコ遊技機10は、遊技盤50の前面側に設けられ遊技球の転動方向を変化可能な構造物を備え、この構造物には、遊技領域50aに開口している球入口54aを介して遊技球を取り込み球出口54bから遊技球を放出するワープ通路54が含まれている。そして、パチンコ遊技機10は、可動表示装置(例えば左サブ表示部83)とは別の表示装置(例えばメイン表示部81)を備え、表示制御部(演出制御部210)は、ワープ通路54を通して、可動表示装置の表示領域(左サブ表示領域83a)と、別の表示装置の表示領域(メイン表示領域81a)と、の間で擬似遊技球251が移動するかのような表示制御が可能である。
ここで、左サブ表示領域83aにおいて擬似遊技球251の画像が消失してから、図14に示すように擬似遊技球251がメイン表示領域81aにおいて表示されるまでの間には、実際の遊技球がワープ通路54を通過する時間に相当するインターバルが存在していても良いし、左サブ表示領域83aにおいて擬似遊技球251の画像が消失すると同時に擬似遊技球251がメイン表示領域81aにおいて表示されても良い。
或いは、図13に示すように擬似遊技球251の一部分(例えば左半分)を表示しながら、図14に示すように擬似遊技球251の他の部分(例えば右半分)を表示するようにしても良い。
すなわち、擬似遊技球251が複数の表示装置間(ここでは左サブ表示部83とメイン表示部81との間)で受け渡される際には、擬似遊技球251が複数の表示装置間にまたがって表示されても良い。
ワープ成功パターンの演出表示に続く演出表示については後述する。
このように、一旦は第2経路で擬似遊技球251が移動した場合であっても、左サブ表示部83が遊技盤50に沿って移動することにより、第1経路での擬似遊技球251の移動が実行されうる状態に復帰する。よって、第1経路で擬似遊技球が移動するチャンス(すなわち、ワープ成功パターンとなるチャンス)を遊技者に再付与することができる。
1つ目のパターンの後は、例えば、それぞれ予め定められた割合で、ワープ成功パターン、又は、以下に説明するワープ失敗パターンが実行される。
ワープ失敗パターンとなることにより、一連の擬似遊技球演出表示は終了する。
このように、遊技盤50に対する擬似遊技球251の相対的な移動経路には、第1経路と、第2経路と、が含まれ、動作制御部(演出制御部210)は、第2経路の少なくとも一部分において擬似遊技球251が移動した場合に、擬似遊技球251を表示領域(左サブ表示領域83a)に表示している可動表示装置(左サブ表示部83)を遊技盤50に沿って移動させることにより、第1経路での擬似遊技球251の移動が実行され得る位置に擬似遊技球251を移動させる制御(例えば、図16又は図18に示す制御)を実行可能である。
出現演出表示において上記ワープ成功パターンが実行された場合には、引き続き、以下に説明する移動演出表示が実行される。
すなわち、一連の擬似遊技球演出表示においては、上記の出現演出表示に続いて、メイン表示領域81aにおいて、擬似遊技球251が右サブ表示領域84aに向けて(つまり右向きに)移動する移動演出表示が実行されうる(図19、図20)。
一例として、メイン表示領域81aには、擬似遊技球251を誘導する擬似遊技球誘導レール261が、左右方向(つまり左サブ表示領域83a側から右サブ表示領域84a側に向かう方向)に延在する配置で表示される。
移動演出表示の開始時には、例えば、メイン表示領域81aにおける左サブ表示領域83a側の端部(つまり左端部)に擬似遊技球251が出現する(図14参照)。すなわち、擬似遊技球251がワープ通路54の球出口54bから放出されるかのような演出表示が行われる。
メイン表示領域81aにおいては、例えば、擬似遊技球誘導レール261に沿って右サブ表示領域84a側に移動した擬似遊技球251が、メイン表示領域81aにおける右サブ表示領域84a側(右側)の端部から、メイン表示領域81aの外方に出る(消失する)かのような演出表示が行われる。
以上により、一連の擬似遊技球演出表示における移動演出表示は完了する。
後者の一例としては、例えば、メイン表示領域81aに移動した擬似遊技球251が、メイン表示領域81a側に移動する途中で、メイン表示領域81a側とは異なる方向(例えば下方)に向かい、メイン表示領域81aの外方に出る(消失する)かのような演出表示を挙げることができる。
一例として、図21に示すように、擬似遊技球誘導レール261に分断部261aが形成されており(擬似遊技球誘導レール261が部分的に途切れており)、この分断部261aから擬似遊技球251が下方に落下してメイン表示領域81aの下方に消失するかのような演出表示を行うことができる。
このように、演出制御部210は、移動演出表示の途中で、擬似遊技球251が入球演出表示領域(右サブ表示領域84a)とは異なる方向に移動して、擬似遊技球251が消失する演出表示を実行させることが可能であっても良い。
このため、遊技者としては、出現した擬似遊技球251が移動演出表示領域(メイン表示領域81a)を通って無事に入球演出表示領域(右サブ表示領域84a)に移動する(到達する)かどうかが興味の対象となる。このため、擬似遊技球251が無事に入球演出表示領域に到達できるかどうかに関し、ハラハラドキドキ感が得られ、遊技の興趣が高まる。
一連の擬似遊技球演出表示においては、上記の移動演出表示に続いて、右サブ表示領域84aにおいて、擬似遊技球251が擬似入賞穴272に入球するか否かの入球演出表示が実行されうる(図22、図23、図24)。
入球演出表示の開始時には、例えば、右サブ表示領域84aにおけるメイン表示領域81a側の端部(つまり左端部)に擬似遊技球251が出現するようになっている(図22)。
ここで、入球演出表示の開始時には、例えば、図22に示すように擬似遊技球251の一部分(例えば右半分)が右サブ表示領域84aに表示され、且つ、擬似遊技球251の残りの部分(例えば左半分)が図20に示すようにメイン表示領域81aに表示されるようになっていても良い。すなわち、擬似遊技球251が複数の表示装置間(ここではメイン表示部81と右サブ表示部84との間)で受け渡される際には、擬似遊技球251が複数の表示装置間にまたがって表示されるようになっていても良い。
右サブ表示領域84aに擬似遊技球251が出現したあとは、引き続き、当該出現した擬似遊技球251が誘導壁275で囲まれた通路を通って右方に移動する結果、図23に示すように擬似入賞穴272に擬似遊技球251が入球したかのような演出表示が行われたり、図24に示すように擬似ハズレ穴273に擬似遊技球251が入球したかのような演出表示が行われたりする。或いは、擬似遊技球251が擬似入賞穴272と擬似ハズレ穴273とのいずれにも入球せずに擬似入球装置270からこぼれ落ちたかのような演出表示が行われても良い。
擬似遊技球251の色(表示色)は、一種類(毎回同じ)であっても良いし、複数種類の色のうち選択された色の擬似遊技球251が表示されるようになっていても良い。
後者の場合、出現した擬似遊技球251の色に応じて、擬似遊技球251が右サブ表示領域84aに到達する期待度(或いは擬似入球装置270に到達する期待度)が異なっていたり、擬似遊技球251が擬似入賞穴272に入球する期待度が異なっていたりしても良い。
また、擬似遊技球251が赤色(第二の色)の場合には、擬似遊技球251が右サブ表示領域84aまで到達することが画定し、擬似入賞穴272への入球(図23)、擬似ハズレ穴273への入球(図24)、又は、擬似入球装置270からのこぼれ落ち(不図示)のいずれかが実行される。
また、擬似遊技球251が金色(第三の色)の場合には、擬似遊技球251が擬似入賞穴272に入球することが画定し、擬似入賞穴272への入球(図23)が実行される。
このようにすることにより、遊技者としては、どの色の擬似遊技球251が出現するのかが興味の対象となり、遊技の興趣が高まる。
本実施形態では、擬似入賞穴272に擬似遊技球251が入球した場合には、所定の割合(0%よりも大きく100%以下の割合)で特定の特典が付与されるようになっている。すなわち、擬似入賞穴272に擬似遊技球251が入球した場合には、特定の特典が付与されうる(実行されうる)。
したがって、擬似入賞穴272に擬似遊技球251が入球するパターンで擬似遊技球演出表示が実行されることは、特定の特典が付与されることの示唆又は報知となる。
ここで、確変大当りとは、大当り終了後に確変状態が付与されることとなる大当りを意味し、変短付き大当りとは、大当り終了後に変短状態が付与されることとなる大当りを意味する。
そして、擬似入賞穴272への入球(図23)のパターンでの擬似遊技球演出表示が実行された場合には、例えば、保留変化演出(他の図柄変動ゲームに対応する保留表示を変化させるもの)、又は、擬似連演出が実行され、更に、実行中の図柄変動ゲームにおけるリーチ演出が実行される。或いは、保留変化演出又は擬似連演出が実行されることなくリーチ演出が実行される。その後、一の演出図柄変動表示期間が終了し、図柄変動ゲームの結果が大当りとなるか又はハズレとなる。
一方、ワープ失敗パターン、移動演出表示領域での落球(図21)、擬似入球装置270からのこぼれ落ち(不図示)、又は、擬似ハズレ穴273への入球(図24)のいずれかのパターンでの擬似遊技球演出表示が実行された場合には、その後、リーチ演出が行われることなく、一の演出図柄変動表示期間が終了し、図柄変動ゲームの結果がハズレとなる。
このように、リーチ演出が行われるときと行われないときに、それぞれある確率で擬似遊技球演出表示が行われる。
一般に、擬似連演出は、上述の変動サイクルの継続回数が多くなるほど大当りの期待度が高いことを示唆するようになっている。
このため、例えば、擬似連演出における2回目又は3回目の変動サイクルの実行時(例えば2回目又は3回目の変動サイクルの終了時)に、擬似入賞穴272への入球(図23)、擬似ハズレ穴273への入球(図24)又は擬似入球装置270からのこぼれ落ち(不図示)が生じるようなパターンでの演出を行うことが好ましい。そして、擬似入賞穴272への入球(図23)が生じた場合には、擬似連演出が継続して3回目又は4回目の変動サイクルに移行する一方で、擬似ハズレ穴273への入球(図24)又は擬似入球装置270からのこぼれ落ち(不図示)が生じた場合には、擬似連演出のさらなる継続が発生することなく当該擬似連演出が終了する。
なお、上述のステップS504で決定される内容には、擬似連演出の継続回数(実行される変動サイクルの回数)や、擬似連演出の具体的な内容が含まれる。
ここで、パチンコ遊技機10の制御部(主制御部100と演出制御部210とのうちの少なくともいずれか一方)は、擬似連演出を実行するか否かと、擬似連演出を実行する場合における擬似連演出の継続回数と、擬似連演出における何回目の変動サイクルの実行前に入球演出表示を完了させるのかと、を決定する。
ここで、図22〜図24に示されるように、例えば、擬似入球装置270の近傍には、特定変動表示部280が表示されている。特定変動表示部280は、1つ以上の特定変動表示領域281(図示の例では2つの特定変動表示領域281)を含んでいる。
本実施形態の場合、擬似遊技球251が擬似入賞穴272に入球した場合に、特定変動表示領域281において、図示しない複数種類の特定図柄による変動表示が表示されるようになっている(図23参照)。すなわち、特定図柄が変動表示された後で、いずれかの特定図柄が各特定変動表示領域281に停止表示される。
一例として、単に擬似遊技球251が擬似入賞穴272に入球するだけでは、上記の特定の特典が付与されず、擬似遊技球251が擬似入賞穴272に入球したあとに特定変動表示部280で行われる特定図柄による変動表示の結果(特定変動表示領域281に停止表示される特定図柄の種類(特定変動表示領域281が複数存在する場合は、各特定変動表示領域281に停止表示される特定図柄の組み合わせ))に応じて、特定の特典が付与されるようになっていることが挙げられる。
すなわち、特定変動表示部280で行われる特定図柄による変動表示の結果に応じて、異なる種類の特典(保留変化演出、擬似連演出、リーチ演出、大当り遊技、確変大当り、電サポ付き大当りなどの変短付き大当り等)が付与されるようになっていることが挙げられる。
よって、可動表示装置の表示領域(左サブ表示領域83a)に擬似遊技球251が表示されている状態で可動表示装置を移動させることにより、可動表示装置の動作と、可動表示装置に表示されている擬似遊技球251との協働により多様な演出を行うことが可能となる。よって、従来に無い斬新な表示演出を行うことが可能となるとともに、擬似遊技球251の見た目の動きの自由度を高めることも可能であるため、遊技の興趣を容易に高めることができる。
すなわち、実際の遊技球の転動方向を変化可能な構造物によって擬似遊技球251の転動方向が変化するかのような表示制御を、可動表示装置の動作中に実行可能である。このため、より一層斬新な表示演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、当該パチンコ遊技機は、可動表示装置(例えば左サブ表示部83)とは別の表示装置(例えばメイン表示部81)を備えている。
そして、表示制御部(演出制御部210)は、ワープ通路54を通して、可動表示装置の表示領域(左サブ表示領域83a)と当該別の表示装置の表示領域(メイン表示領域81a)との間で擬似遊技球251が移動するかのような表示制御が可能である。
このように、ワープ通路54を介して可動表示装置と別の表示装置との間で擬似遊技球251が移動するかのような表示制御が可能であることにより、従来に無い斬新な表示演出を行うことができ、遊技の興趣を更に高めることが可能となる。
これにより、限られた大きさの表示領域を有する可動表示装置によって、より長期間の間、擬似遊技球251が転動するかのような演出表示を継続させることが可能となる。よって、より長期間に亘って遊技の興趣を継続させることができる。
具体的には、例えば、2つの可動表示装置のうち、擬似遊技球251を表示している一方の可動表示装置が、他方の可動表示装置の方に向けて移動する結果、2つの可動表示装置が互いに隣接する状態となり、当該隣接する状態において、2つの可動表示装置の表示領域間で擬似遊技球251の受け渡りが行われ、その後、他方の可動表示装置が擬似遊技球251を表示しながら、一方の可動表示装置から離間していく、といった演出が可能である。このような演出を行うことにより、各々は、小さい面積の表示領域を有する複数の可動表示装置を用いて、擬似遊技球251を広範囲で移動させる演出を実行可能となる。
なお、複数の表示装置間での擬似遊技球251の移動は、一方通行に限らず、複数の表示装置間で擬似遊技球251が繰り返し往来するような演出表示を表示制御部が実行可能であっても良い。
(1)前面側に遊技領域が形成されている可視光透過性の遊技盤と、前記遊技盤を通して前方より視認可能な表示領域を有し、前記遊技盤の背面側において動作される可動表示装置と、前記可動表示装置の表示を制御する表示制御部と、前記可動表示装置の動作を制御する動作制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記表示領域に擬似遊技球を表示させて、前記擬似遊技球が前記遊技領域において転動するかのような表示制御を実行可能であり、前記動作制御部は、前記表示領域に前記擬似遊技球が表示されている状態で前記可動表示装置を動作させる制御を実行可能であるパチンコ遊技機。
(2)前記遊技盤の前面側に設けられ、遊技球の転動方向を変化可能な構造物を更に備え、前記表示制御部は、前記構造物によって前記擬似遊技球の転動方向が変化するかのような表示制御を、前記可動表示装置の動作中に実行可能である(1)に記載のパチンコ遊技機。
(3)前記可動表示装置とは別の表示装置を更に備え、前記表示制御部は、前記可動表示装置の前記表示領域と前記別の表示装置の表示領域との間で前記擬似遊技球が移動するかのような表示制御が可能である(1)又は(2)に記載のパチンコ遊技機。
(4)前記遊技盤の前面側に設けられ、遊技球の転動方向を変化可能な構造物を更に備え、前記構造物には、前記遊技領域に開口している球入口を介して前記遊技球を取り込み、球出口から前記遊技球を放出するワープ通路が含まれ、当該パチンコ遊技機は、前記可動表示装置とは別の表示装置を更に備え、前記表示制御部は、前記ワープ通路を通して、前記可動表示装置の前記表示領域と前記別の表示装置の表示領域との間で前記擬似遊技球が移動するかのような表示制御が可能である(1)又は(2)に記載のパチンコ遊技機。
(5)前記動作制御部は、前記遊技領域において転動するかのように前記擬似遊技球を前記表示領域に表示している前記可動表示装置を、前記擬似遊技球が動く方向に移動させる制御が可能である(1)から(4)のいずれか一項に記載のパチンコ遊技機
(6)前記可動表示装置は、前記遊技盤に沿って移動可能であり、前記動作制御部は、前記表示領域に前記擬似遊技球が表示されている状態で前記可動表示装置を前記遊技盤に沿って移動させる制御を実行可能である(1)から(5)のいずれか一項に記載のパチンコ遊技機
(7)前記遊技盤に対する前記擬似遊技球の相対的な移動経路には、第1経路と、第2経路と、が含まれ、前記動作制御部は、前記第2経路の少なくとも一部分において前記擬似遊技球が移動した場合に、前記擬似遊技球を前記表示領域に表示している前記可動表示装置を前記遊技盤に沿って移動させることにより、前記第1経路での前記擬似遊技球の移動が実行され得る位置に前記擬似遊技球を移動させる制御を実行可能である(6)に記載のパチンコ遊技機。
15 外枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33 スピーカ(33a、33b) スピーカ
34、36 左右側枠部
35(35a、35b、35c) 照明装置
37 ボタン
39 球抜き機構
50 遊技盤
50a 遊技領域
50b 取付ベース板
51 外レール
52 風車
53 内レール
54 ワープ通路
54a 球入口
54b 球出口
55 大入賞口
56 遊技釘
58 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
63 作動ゲート
65 特別電動役物
67(67a、67b) 普通入賞口
69 アウト口
70 払出機構部
80 演出表示器(表示手段)
81 メイン表示部(移動演出表示装置)
81a メイン表示領域(移動演出表示領域)
82 上サブ表示部
82a 上サブ表示領域
83 左サブ表示部(出現演出表示装置)
83a 左サブ表示領域(出現演出表示領域)
83b アクチュエータ
84 右サブ表示部
84a 右サブ表示領域
87(87a、87b) スライド機構
90 図柄表示器
91 特別図柄表示部
93 普通図柄表示部
100 主制御部
110 情報伝送部
115 特図保留制御部
116 普図保留制御部
118 事前判定部
130 特図抽選制御部
131 当否抽選部
132 特図選択部
140 遊技状態制御部
141 確変制御部
143 変短制御部
145 大当り制御部
150 図柄表示制御部
151 特別図柄表示制御部
153 普通図柄表示制御部
160 変動パターン処理部
170 普図抽選制御部
171 開放抽選部
172 普図選択部
180 普通電役制御部
190 特別電役制御部
210 演出制御部(表示制御部)
230 払出制御部
251 擬似遊技球
261 擬似遊技球誘導レール
261a 分断部
270 擬似入球装置
271 回転体
272 擬似入賞穴(特定領域)
273 擬似ハズレ穴(非特定領域)
274 ダミー擬似ハズレ穴
275 誘導壁
276 回転体枠
280 特定変動表示部
281 特定変動表示領域
AC1、AC2 アクチュエータ
SW1、SW2、SW3、SW4、SW5 カウントスイッチ
X 第1流路
Y 第2流路
Claims (1)
- 前面側に遊技領域が形成されている可視光透過性の遊技盤と、
前記遊技盤を通して前方より視認可能な表示領域を有し、前記遊技盤の背面側において動作される可動表示装置と、
前記可動表示装置の表示を制御する表示制御部と、
前記可動表示装置の動作を制御する動作制御部と、
前記遊技盤の前面側に設けられ、遊技球の転動方向を変化可能な構造物と、
を備え、
前記構造物には、前記遊技領域に開口している球入口を介して前記遊技球を取り込み、球出口から前記遊技球を放出するワープ通路が含まれ、
前記表示制御部は、前記表示領域に擬似遊技球を表示させて、前記擬似遊技球が前記遊技領域において転動するかのような表示制御を実行可能であり、
前記動作制御部は、前記表示領域に前記擬似遊技球が表示されている状態で前記可動表示装置を動作させる制御を実行可能であり、
当該パチンコ遊技機は、前記可動表示装置とは別の表示装置を更に備え、
前記表示制御部は、前記ワープ通路を通して、前記可動表示装置の前記表示領域と前記別の表示装置の表示領域との間で前記擬似遊技球が移動するかのような表示制御が可能であるパチンコ遊技機。
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