本発明は、各種電力設備または装置からの電気諸量を電気信号に変換する入力変換部を備えたマルチトランスデューサ及びその表示制御方法に関するものである。
詳しくは、入力変換部がどの入力端子に接続されているかを表示する表示手段を表示制御する制御部を備え、当該入力変換部がどの入力端子に接続されているかを示す接続情報から接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいて表示制御をして、表示手段に当該入力変換部に対応して接続されている入力端子の内容を表示できるようにすると共に、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確認できるようにしたものである。
従来から、交流電圧・電流を入力して所定の計測値を演算し、当該計測値を上位装置に伝送するマルチトランスデューサが使用される場合が多い。例えば、電力用のマルチトランスデューサは、電力系統などの設備又は装置に設置され、設備などからの交流電圧・電流を入力して電力(有効電力、無効電力)などを演算し、当該電力演算値などを遠隔監視装置に伝送する。
このようなマルチトランスデューサの入力端子に設備又は装置の引出し線を接続する際には、マルチトランスデューサの筐体に貼付けされた説明書や付属のマニュアル等を参照して入力端子の各々と入力変換部との接続関係が確認される場合が多い。確認後、設備等から入力される電気諸量が電圧の場合には、電圧用の入力端子に設備等の電源供給線(電圧引出し線)が接続される。また、設備等から入力される電気諸量が電流の場合には、電流用の入力端子に設備等の電源−負荷間の供給線(電流引出し線)が接続される。
このような従来例に関連して、特許文献1には配電系統の諸電気量を計測して上位装置へ伝送する伝送端末装置(マルチトランスデューサ)が開示されている。この伝送端末装置は、各々1組の被監視電路からの電流信号を取込む複数の電流入力部や、被監視電路からの電圧信号を取込む電圧入力部などを備えるものである。この伝送端末装置によれば、分岐電路全ての電流値等を複数の電流入力部に取り込み、各電流値等の定格に合わせた諸電気量を演算し、その演算結果を上位装置に伝送するようになされる。これにより、1つの分岐電路に異なる定格のトランスデューサを設置する必要がなくなるというものである。
特開2002−199466号公報(第3頁、第1図)
ところで、従来例に係る特許文献1に記載の伝送端末装置によれば、既存の電圧入力部の個数を超える数の電圧信号を取込む要求があった場合、電流入力部を電圧入力部に部品交換して電圧入力部を増設することが考えられる。しかしながら、電圧入力部が増設された場合、上述したように筐体に貼付けられた説明書などを参照しても、増設された電圧入力部がどの入力端子に接続されているのかを判断することが難しい。このため、電圧信号が出力される被監視電路を、増設後の電圧入力部の入力端子に接続するところ、間違って既存の電流入力部の入力端子に接続するおそれがある。
そこで、本発明はこのような従来例に係る課題を解決したものであって、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部(電流入力部又は電圧入力部など)が接続されているかを確実に確認できるようにすると共に、用途に合わせて入力変換部が部品交換された場合であっても、設備又は装置の電気諸量引出し線を対象の入力端子へ確実に接続できるようにしたマルチトランスデューサ及びその表示制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る請求項1に記載のマルチトランスデューサは、複数の入力端子と、前記入力端子の各々に接続され、所定の設備又は装置から当該入力端子を介して入力される電気諸量を電気信号に変換する複数の入力変換部と、前記入力変換部がどの入力端子に接続されているかを示す情報を接続情報とし、前記入力変換部が接続された入力端子と当該入力変換部の種類とを対応付けて表示するための情報を接続表示情報としたとき、前記接続情報及び接続表示情報に基づく発光を表示する表示手段と、前記接続表示情報に基づいて前記表示手段を表示制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記接続情報の有無を検出し、前記接続情報が有る場合は、前記接続情報から前記接続表示情報を作成し、前記接続表示情報に基づいて前記入力変換部の入力端子と当該入力変換部の種類とを対応するように前記表示手段を表示制御し、更に、前記制御部は、前記入力変換部により変換された前記電気信号に基づいて電圧、電流、有効電力、無効電力、有効電力量、無効電力量、周波数、位相角、零相電圧及びレベルの少なくともいずれか1つを含む計測値を算出し、ここに算出された前記計測値が出力項目に出力されているという情報を関連情報とし、算出された前記計測値の種類と当該計測値の出力項目とを対応付けて表示するための情報を関連表示情報としたとき、前記関連情報の有無を検出し、前記関連情報が有る場合は、前記関連情報から前記関連表示情報を作成し、前記関連表示情報に基づいて前記計測値と当該計測値の出力項目とを対応するように前記表示手段を表示制御することを特徴とするものである。
本発明に係るマルチトランスデューサによれば、制御部は、入力変換部がどの入力端子に接続されているかを示す接続情報に基づいて接続表示情報を作成し、接続表示情報に基づいて表示手段を表示制御する。表示手段は、接続表示情報に基づく発光を表示する。例えば、表示手段は、入力端子の種類が第1の方向に表示され、当該第1の方向と直交する第2の方向に入力変換部の種類が表示されたパネルと、パネルの第1及び第2の方向を基準として格子状に配置された複数の発光体とを備えている。制御部は、接続情報の有無を検出し、接続情報が有る場合は、接続情報から接続表示情報を作成し、ここに作成した接続表示情報に基づいて発光体を点灯制御する際に、入力変換部の入力端子と当該入力変換部の種類とを対応するように表示手段を表示制御する。更に、制御部は、入力変換部により変換された電気信号に基づいて電圧、電流、有効電力、無効電力、有効電力量、無効電力量、周波数、位相角、零相電圧及びレベルの少なくともいずれか1つを含む計測値を算出し、関連情報の有無を検出し、関連情報が有る場合は、関連情報から関連表示情報を作成し、作成された関連表示情報に基づいて計測値と当該計測値の出力項目とを対応するように表示手段を表示制御する。これにより、入力端子と入力変換部との接続内容を表示部に点灯表示できるようになる。従って、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確実に確認できるようになる。
上述した課題を解決するために、本発明に係る請求項5に記載のマルチトランスデューサの表示制御方法は、複数の入力端子と、前記入力端子の各々に接続され所定の設備又は装置から当該入力端子を介して入力される電気諸量を電気信号に変換する複数の入力変換部と、前記入力変換部がどの入力端子に接続されているかを示す情報を接続情報とし、前記入力変換部が接続された入力端子と当該入力変換部の種類とを対応付けて表示するための情報を接続表示情報としたとき、前記接続情報及び接続表示情報に基づく発光を表示する表示手段と、前記接続表示情報に基づいて前記表示手段を表示制御する制御部とを備えたマルチトランスデューサにおける表示制御方法であって、前記制御部が、前記接続情報の有無を検出し、前記接続情報が有る場合は、前記接続情報から前記接続表示情報を作成するステップと、作成された前記接続表示情報に基づいて前記入力変換部の入力端子と当該入力変換部の種類とを対応するように前記表示手段を表示制御するステップと、前記入力変換部により変換された前記電気信号に基づいて電圧、電流、有効電力、無効電力、有効電力量、無効電力量、周波数、位相角、零相電圧及びレベルの少なくともいずれか1つを含む計測値を算出するステップと、算出された前記計測値が出力項目に出力されているという情報を関連情報とし、算出された前記計測値の種類と当該計測値の出力項目とを対応付けて表示するための情報を関連表示情報としたとき、前記関連情報の有無を検出し、前記関連情報が有る場合は、前記関連情報から前記関連表示情報を作成するステップと、作成された前記関連表示情報に基づいて計測値と当該計測値の出力項目とを対応するように前記表示手段を表示制御するステップとを実行することを特徴とするものである。本発明に係るマルチトランスデューサの表示制御方法によれば、入力端子と入力変換部との接続内容を表示部に点灯表示できるようになる。
本発明に係るマルチトランスデューサ及びその表示制御方法によれば、入力変換部が接続された入力端子と当該入力変換部の種類とを対応付けて表示するための接続表示情報と、計測値の種類と当該計測値の出力項目とを対応付けて表示するための関連表示情報とに基づいて表示手段を表示制御する制御部を備え、制御部は、接続情報の有無を検出し、接続情報が有る場合は、接続情報から接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいて入力変換部の入力端子と当該入力変換部の種類とを対応するように表示手段を表示制御する。更に、制御部は、入力変換部により変換された電気信号に基づいて電圧、電流、有効電力、無効電力、有効電力量、無効電力量、周波数、位相角、零相電圧及びレベルの少なくともいずれか1つを含む計測値を算出し、関連情報の有無を検出し、関連情報が有る場合は、関連情報から関連表示情報を作成し、ここに作成された関連表示情報に基づいて計測値と当該計測値の出力項目とを対応するように表示手段を表示制御するものである。
この構成によって、入力端子と入力変換部との接続内容を表示手段に表示できるようになる。従って、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確実に確認できるようになる。これにより、所定の設備又は装置を当該マルチトランスデューサに接続する際に、用途に合わせて入力変換部が部品交換された場合であっても、設備又は装置の電気諸量引出し線を対象の入力端子へ容易かつ正確に接続できるようになる。しかも、マルチトランスデューサの出力項目に電圧、電流、有効電力、無効電力、有効電力量、無効電力量、周波数、位相角、零相電圧及びレベルの少なくともいずれか1つの計測値が出力されているかを、当該マルチトランスデューサの外観から容易に確認できるようになる。
続いて、本発明に係るマルチトランスデューサについて、図面を参照しながら説明をする。
図1は、第1の実施例に係るマルチトランスデューサ100の構成例を示す斜視図である。図1に示すマルチトランスデューサ100は、LED表示部1、入力端子群4、入出力端子群5、背面部材6、CPU(Central Processing Unit)10及び入力変換部20aを備える。入力変換部20aは、マルチトランスデューサ100の筐体の内部に配置され、入力端子群4における入力端子4a及び4bに接続され、電力系統の設備又は装置から当該入力端子4a及び4bを介して入力される電気諸量を電気信号に変換する。
入力端子群4及び入出力端子群5は筐体の背面部材6に配置される。入力端子群4は入力端子4a〜4qから構成される。入出力端子群5は入出力端子5a〜5gから構成される。コネクタ70には、シリアルケーブル51を介して遠隔操作用の端末50が接続され、入出力端子5a〜5dには、シリアルケーブル52を介して遠隔監視装置53が接続される。ユーザは遠隔操作用の端末50を使用して、入力変換部20a等が入力端子4a〜4pのうち、どの入力端子に接続されているかを示す接続情報、及び計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連情報をマルチトランスデューサ100に設定する。この計測値は、入力変換部20a等により変換された電気信号に基づいてCPU10により算出されたものである。また、ユーザは、遠隔監視装置53を使用して、CPU10により算出された計測値を確認する。
LED表示部1は表示手段の一例として機能し、パネル7を有する。このパネル7はマルチトランスデューサ100の筐体の背面部材6に設けられる。このパネル7には、入力変換部用のLED表示部2及び計測値用のLED表示部3が設けられる。このLED表示部2の近傍のパネル7には、入力端子4a〜4pの種類が第1の矢視方向Mに表示され、当該第1の矢視方向Mと直交する第2の矢視方向Nに入力変換部の種類が表示される。LED表示部2は、複数の発光体の一例を構成するLED(Light Emitting Diode)8を備える。このLED8は、矢視方向M及びNを基準として格子(マトリックス)状にLED表示部2の近傍のパネル7に配置される。この例で、LED8は矢視方向Mに8行配置され、矢視方向Nに7列配置されて合計56個配置されている。
CPU10は制御部の一例として機能し、LED表示部2に接続され、入力端子4a〜4pと入力変換部20a等との接続情報から接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいてLED表示部2を表示制御する。LED表示部2は、このCPU10からの表示制御の情報に基づいて、入力端子4a〜4pと入力変換部20a等との接続内容を表示する。
この例で、CPU10は入力端子4a〜4pと入力変換部20a等との接続表示情報に基づいて、LED表示部2のLED8の点灯を制御する。例えば、CPU10は格子状に配置されたLED8のうち、パネル7に表示された入力端子の種類と、当該入力端子の種類に対応する入力変換部の種類とが、矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED8を点灯するように制御する。これにより、ユーザは、入力端子群4における入力端子4a〜4pの各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確認できるようになる。
LED表示部3の近傍のパネル7には、出力項目が矢視方向Mに表示され、矢視方向Nに計測値の種類が表示される。LED表示部3はLED9を備え、このLED9は、矢視方向M及びNを基準として格子状にLED表示部3の近傍のパネル7に配置される。この例で、LED9は矢視方向Mに9行配置され、矢視方向Nに10列配置されて合計90個配置されている。
CPU10はLED表示部3に接続され、計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連情報から関連表示情報を作成し、関連表示情報に基づいてLED表示部3を表示制御する。LED表示部3は、このCPU10からの表示制御の情報に基づいて、計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連内容を表示する。計測値の種類には、電圧、電流、有効電力、無効電力、有効電力量、無効電力量、周波数、位相角、零相電圧、レベルなどが存在する。計測値の出力項目には、出力1〜出力9が存在する。
この例で、CPU10は関連表示情報に基づいて、LED表示部3のLED9の点灯を制御する。例えば、CPU10は格子状に配置されたLED9のうち、パネル7に表示された出力項目と、当該出力項目に対応する計測値の種類とが、矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED9を点灯するように制御する。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ100の計測値の種類をこのマルチトランスデューサ100の外観から確認できるようになる。
図2は、マルチトランスデューサ100の構成例を示す背面図である。図2に示すマルチトランスデューサ100の筐体の背面部材6に配置された16個の入力端子4a〜4pは、入力端子CH1〜入力端子CH8に区分される。入力端子4a及び4bは入力端子CH1に区分され、入力端子4c及び4dは入力端子CH2に区分され、入力端子4e及び4fは入力端子CH3に区分され、入力端子4g及び4hは入力端子CH4に区分され、入力端子4i及び4jは入力端子CH5に区分され、入力端子4k及び4lは入力端子CH6に区分され、入力端子4m及び4nは入力端子CH7に区分され、入力端子4o及び4pは入力端子CH8に区分される。
入力端子CH1〜CH3の各々には、電圧用の入力変換部の各々が接続される。入力端子CH4及びCH5には、電流用の入力変換部の各々が接続される。入力端子CH6には、DC4−20mA用の入力変換部が接続される。入力端子CH7には、DC0−5V用の入力変換部が接続される。入力端子CH8には、入力変換部が接続されていない。
また、背面部材6に配置された入出力端子5a〜5dは、RS(Recommended Standard)485用の端子に対応する。RS485用の端子は、「RD+」、「RD−」、「TX+」及び「TX−」の端子を有している。入出力端子5aは「RD+」の端子に対応し、入出力端子5bは「RD−」の端子に対応し、入出力端子5cは「TX+」の端子に対応し、入出力端子5dは「TX−」の端子に対応している。コネクタ70はシリアルケーブル51を介して遠隔操作用の端末50が接続されている。「RD+」、「RD−」、「TX+」及び「TX−」の端子にはシリアルケーブル52を介して遠隔監視装置53が接続されている。このように、マルチトランスデューサ100の背面部材6に端子が配置され、配置された端子に入力変換部や装置などが接続されている。
図3は、LED表示部1の構成例を示す説明図である。図3に示すLED表示部1のパネル7に設けられたLED表示部2の上端には、見出しである「入力変換部の種類」P1が記載されている。この見出しの下の矢視方向Nに記載された入力変換部の種類は、「電圧」、「電流」、「DC4−20mA」、「DC0−1mA」、「DC0−5V」、「ZPT3次(110V)」及び「ZPT3次(190V)」である。また、この見出しの下の矢視方向Mに記載された入力端子の種類は、「CH1」〜「CH8」である。
矢視方向M及びNに記載されたこれらの見出しを基準として格子状にパネル7に配置されたLED8のうち、例えば、入力端子「CH1」と、この入力端子「CH1」に対応する入力変換部の種類「電圧」とが矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED8aが点灯されている。他のLED8に関しても同様にして、入力端子「CH2」〜「CH8」に対応する入力変換部の種類が矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED8が点灯されている。ただし、入力変換部が接続されていない入力端子に係るLED8は点灯されない。
この例では、上述した入力端子「CH1」の他に、入力端子「CH2」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8bが点灯され、入力端子「CH3」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8cが点灯され、入力端子「CH4」と入力変換部の種類「電流」とが交差する位置のLED8dが点灯され、入力端子「CH5」と入力変換部の種類「電流」とが交差する位置のLED8eが点灯され、入力端子「CH6」と入力変換部の種類「DC4−20mA」とが交差する位置のLED8fが点灯され、入力端子「CH7」と入力変換部の種類「DC0−5V」とが交差する位置のLED8gが点灯されている。入力端子「CH8」に係るLED8は点灯されていない。これにより、ユーザは、入力端子「CH1」〜「CH7」の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確認できるようになる。
図3に示すLED表示部1のパネル7に設けられたLED表示部3の上部には、見出しである「計測値の種類」P2が記載されている。この見出しの下の矢視方向Nに記載された計測値の種類は、「電圧」、「電流」、「有効電力」、「無効電力」、「有効電力量」、「無効電力量」、「周波数」、「位相角」、「零相電圧」及び「レベル」である。この見出しの下の矢視方向Mに記載された出力項目は、「出力1」〜「出力9」である。
矢視方向M及びNに記載されたこれらの見出しを基準として格子状にパネル7に配置されたLED9のうち、例えば、出力項目「出力1」と、この「出力1」に対応する計測値の種類「電圧」とが矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED9aが点灯されている。他のLED9に関しても同様にして、出力項目「出力2」〜「出力9」に対応する計測値の種類が矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED9が点灯されている。ただし、計測値が出力されていない出力項目に係るLED9は点灯されない。
この例では、上述した出力項目「出力1」の他に、出力項目「出力2」と計測値の種類「電流」とが交差する位置のLED9bが点灯され、出力項目「出力3」と計測値の種類「有効電力」とが交差する位置のLED9cが点灯され、出力項目「出力4」と計測値の種類「無効電力」とが交差する位置のLED9dが点灯され、出力項目「出力5」と計測値の種類「有効電力量」とが交差する位置のLED9eが点灯され、出力項目「出力6」と計測値の種類「無効電力量」とが交差する位置のLED9fが点灯され、出力項目「出力7」と計測値の種類「レベル」とが交差する位置のLED9gが点灯され、出力項目「出力8」と計測値の種類「レベル」とが交差する位置のLED9hが点灯されている。出力項目「出力9」に係るLED9は点灯されていない。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ100の出力項目「出力1」〜「出力9」の各々にいかなる種類の計測値が出力されているかを、このマルチトランスデューサ100の外観から確認できるようになる。
図4A及びBは、マルチトランスデューサ100の機能例を示す工程図である。図4Aに示すLED表示部2及び3の全てのLED8及び9は消灯されている状態である。これは、マルチトランスデューサ100の電源がOFFされているためである。
図4Bに示すLED表示部2のLED8aは、電源がONされて接続情報から作成された接続表示情報に基づいてLED表示部2が点灯制御されたものである。例えば、この接続情報は、入力端子CH1に電圧用の入力変換部が接続されているという情報であり、接続表示情報は、LED表示部2の入力端子「CH1」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8aを点灯するという情報である。入力端子「CH2」〜「CH8」に関しても同様に点灯制御される。これにより、ユーザは、入力端子「CH1」〜「CH8」の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確認できるようになる。
図4Bに示すLED表示部3のLED9aは、関連情報から作成された関連表示情報に基づいて点灯制御されたものである。例えば、この関連情報は、出力項目「出力1」に計測値「電圧」が出力されているという情報であり、関連表示情報は、LED表示部3の出力項目「出力1」と計測値の種類「電圧」とが交差する位置のLED9aを点灯するという情報である。出力項目「出力2」〜「出力9」に関しても同様に制御される。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ100の出力項目「出力1」〜「出力9」にいかなる種類の計測値が出力されているかを、このマルチトランスデューサ100の外観から確認できるようになる。
図5は、マルチトランスデューサ100の処理部30の構成例を示すブロック図である。図5に示すマルチトランスデューサ100は、入力変換部20a〜20g、出力端子21a〜21h、出力端子23a〜23h、入力端子24a〜24h、入力端子26a〜26h及び処理部30を備える。例えば、入力変換部20aは電圧用の入力変換部であり、入力端子CH1及び出力端子21a、23aに接続されている。入力変換部20aは、入力端子CH1を介して電圧信号を入力し、この電圧信号を所定の電圧レベルの電圧信号に変換して出力端子21aから出力する。出力端子21aは入力端子24aに接続され、この入力端子24aは処理部30に接続されている。
また、入力変換部20aは、当該入力変換部20aの識別情報を出力端子23aから出力する。この識別情報は、例えば入力変換部20aが取り込む信号の種類の情報などである。出力端子23aは入力端子26aに接続され、この入力端子26aは処理部30に接続されている。なお、入力変換部20b〜20gに関しては、入力変換部20aと同様の構成を成しているため説明を省略する。
処理部30は、CPU10、選択部31、A/D(analog to digital)変換部33、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)34及び送受信部36を備える。選択部31は、入力端子24a〜24hに接続され、入力変換部20a〜20gにより変換された電圧信号を入力する。選択部31は、入力した複数の電気信号の中から所定の入力変換部に係る電圧信号を選択してA/D変換部33へ出力する。A/D変換部33は選択部31に接続され、選択部31により選択された電圧信号をデジタルデータに変換してCPU10へ出力する。
CPU10はA/D変換部33に接続され、A/D変換部33によりA/D変換されたデジタルデータを用いて計測値を求める。この例で、CPU10は、いかなる入力変換部からの出力電圧信号を用いて、いかなる処理を行って、いかなる計測値を得るかという演算情報に基づいて演算処理を行う。例えば、図3に示したように、CPU10は「電圧」、「電流」、「有効電力」、「無効電力」、「有効電力量」、「無効電力量」及び「レベル」の計測値を演算する。
EEPROM34はCPU10に接続される。このEEPROM34には、上述の演算情報、入力端子CH1〜CH8と入力変換部20a〜20gとの接続情報、計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連情報などが記憶される。
送受信部36はCPU10、遠隔操作用の端末50及び遠隔監視装置53に接続され、CPU10により演算された計測値をシリアルケーブル52を介して遠隔監視装置53に送信する。遠隔監視装置53は、送信された計測値を受信して画面などに表示する。
また、送受信部36は、遠隔操作用の端末50からシリアルケーブル51を介して送信された接続情報及び関連情報を受信してCPU10に出力する。CPU10は、出力された接続情報及び関連情報をEEPROM34に保存する。
この接続情報には、入力端子CH1に電圧用の入力変換部20aが接続され、入力端子CH2に電圧用の入力変換部20bが接続され、入力端子CH3に電圧用の入力変換部20cが接続され、入力端子CH4に電流用の入力変換部20dが接続され、入力端子CH5に電流用の入力変換部20eが接続され、入力端子CH6にDC4−20mA用の入力変換部20fが接続され、入力端子CH7にDC0−5V用の入力変換部20gが接続されているという情報が含まれている。
関連情報には、出力項目「出力1」として電圧が出力され、出力項目「出力2」として電流が出力され、出力項目「出力3」として有効電力が出力され、出力項目「出力4」として無効電力が出力され、出力項目「出力5」として有効電力量が出力され、出力項目「出力6」として無効電力量が出力され、出力項目「出力7」及び「出力8」としてレベルが出力されるという情報含まれている。
CPU10は接続情報から作成した接続表示情報に基づいてLED表示部2を制御する。例えば、CPU10は入力端子CH1に電圧用の入力変換部20aが接続されているという接続情報から、図3に示したLED表示部2の入力端子「CH1」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8aを点灯するように制御するための接続表示情報を作成する。作成後、CPU10はこの接続表示情報に基づいてLED表示部2のLED8aを点灯制御する。
LED表示部2はCPU10に接続され、CPU10からの点灯制御の情報に基づいてLED8aを点灯して表示する。入力端子「CH2」〜「CH8」に関しても同様に作成された接続表示情報に基づいてLED表示部2が点灯制御される。LED表示部2は、CPU10からの点灯制御の情報に基づいて各LED8を点灯して表示する。これにより、ユーザは、入力端子「CH1」〜「CH8」の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかをLED表示部2を見て確認できるようになる。
また、CPU10は、関連情報から作成した関連表示情報に基づいてLED表示部3を制御する。例えば、CPU10は、出力項目「出力1」に計測値「電圧」が出力されるという関連情報から、図3に示したLED表示部3の出力項目「出力1」と計測値の種類「電圧」とが交差する位置のLED9aを点灯するように制御するための関連表示情報を作成する。作成後、CPU10はこの関連表示情報に基づいてLED表示部3のLED9aを点灯制御する。
LED表示部3はCPU10に接続され、CPU10からの点灯制御の情報に基づいてLED9aを点灯して表示する。出力項目「出力2」〜「出力9」に関しても同様に作成した関連表示情報に基づいてLED表示部3が点灯制御される。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ100の出力項目「出力1」〜「出力9」にいかなる種類の計測値が出力されているかを、このマルチトランスデューサ100の外観から確認できるようになる。
続いて、上述した接続表示情報や関連表示情報に基づいてLEDを点灯する処理例を示す。図6は、CPU10の動作例を示すフローチャートである。マルチトランスデューサ100のEEPROM34には、接続情報や関連情報が保存されている。
これをLED点灯処理の条件として、図6に示すステップS1で、CPU10は電源がONされたかを判定する。電源がONされていない場合、電源がONされるまで待機する。電源がONされた場合ステップS2へ移行する。ステップS2で、CPU10は接続情報がEEPROM34に保存されているか否かを判定する。接続情報がEEPROM34に保存されていない場合ステップS5へ移行して関連情報の有無を判定する。接続情報がEEPROM34に保存されている場合ステップS3へ移行する。
ステップS3で、CPU10は接続情報から接続表示情報を作成する。例えば、CPU10は、入力端子CH1〜CH3の各々に電圧用の入力変換部20a〜20cが接続されているという接続情報から図3に示したLED表示部2の入力端子「CH1」〜「CH3」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8a〜8cを点灯制御するための接続表示情報を作成する。また、入力端子CH4及びCH5の各々に電流用の入力変換部20d及び20eが接続されているという接続情報からLED8d及び8eを点灯制御するための接続表示情報を作成する。また、入力端子CH6にDC4−20mA用の入力変換部20fが接続されているという接続情報からLED8fを点灯制御するための接続表示情報を作成する。また、入力端子CH7にDC0−5V用の入力変換部20gが接続されているという接続情報からLED8gを点灯制御するための接続表示情報を作成してステップS4へ移行する。
ステップS4で、CPU10は接続表示情報に基づいてLED8を点灯制御する。例えば、図3に示したLED表示部2の入力端子「CH1」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8aを点灯制御する。ステップS3で作成した接続表示情報に基づいて、LED8b〜8gについても点灯制御してステップS5へ移行する。これにより、LED表示部2は、LED8a〜8gを点灯して入力端子「CH1」〜「CH7」と入力変換部の各々との接続内容を表示できるようになる。
ステップS5で、CPU10は関連情報がEEPROM34に保存されているか否かを判定する。関連情報がEEPROM34に保存されていない場合ステップS8へ移行して電源OFFされたかを判定する。関連情報がEEPROM34に保存されている場合ステップS6へ移行する。
ステップS6で、CPU10は関連情報から関連表示情報を作成する。例えば、CPU10は出力項目「出力1」として電圧が出力されているという関連情報から、図3に示したLED表示部3の出力項目「出力1」と計測値の種類「電圧」とが交差する位置のLED9aを点灯制御するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力2」として電流が出力されているという関連情報からLED9bを点灯制御するための関連表示情報を作成し、出力項目「出力3」として有効電力が出力されているという関連情報からLED9cを点灯制御するための関連表示情報を作成し、出力項目「出力4」として無効電力が出力されているという関連情報からLED9dを点灯制御するための関連表示情報を作成し、出力項目「出力5」として有効電力量が出力されているという関連情報からLED9eを点灯制御するための関連表示情報を作成し、出力項目「出力6」として無効電力量が出力されているという関連情報からLED9fを点灯制御するための関連表示情報を作成し、出力項目「出力7」及び「出力8」としてレベルが出力されているという関連情報からLED9g及び9hを点灯制御するための関連表示情報を作成してステップS7へ移行する。
ステップS7で、CPU10は関連表示情報に基づいてLED9を点灯制御する。例えば、図3に示したLED表示部3の出力項目「出力1」と計測値の種類「電圧」とが交差する位置のLED9aを点灯制御する。また、ステップS6で作成した関連表示情報に基づいて、LED9b〜9hについても点灯制御してステップS8へ移行する。これにより、LED表示部3は、LED9a〜9hを点灯して出力項目「出力1」〜「出力8」と計測値の種類の各々との関連内容を表示できるようになる。
ステップS8で、CPU10は電源がOFFされたかを判定する。CPU10は電源がOFFされていないと判定した場合、LED8及び9を点灯した状態を維持する。CPU10は電源がOFFされたと判定した場合、ステップS9へ移行する。ステップS9で、CPU10はLED8及び9を消灯してLED点灯処理を終了する。
なお、ステップS8の電源OFF判定処理の前に、LED8及び9の点灯又は消灯の切り替え判定処理のステップを設けることも考えられる。このステップでCPU10は、消灯信号を入力した場合にLED8及び9を消灯し、点灯信号を入力した場合にLED8及び9を点灯する。これにより、電源の消費量を抑えることができる。
このように、第1の実施例に係るマルチトランスデューサ100によれば、LED表示部2を表示制御するCPU10を備え、入力端子「CH1」〜「CH8」と入力変換部との接続情報から接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいてLED表示部2を表示制御するものである。この例で、パネル7に表示された入力端子の種類と、当該入力端子の種類に対応する入力変換部の種類とが、矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED8を点灯制御する。
従って、入力端子「CH1」〜「CH8」と入力変換部との接続内容をLED表示部2に表示できるようになる。これにより、ユーザは、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確実に確認できるようになる。従って、ユーザは、電力系統の設備又は装置をマルチトランスデューサ100に接続する際に、用途に合わせて入力変換部が部品交換された場合であっても、設備又は装置の電気諸量引出し線を対象の入力端子へ容易かつ正確に接続できるようになる。
また、CPU10は、計測値の種類と出力項目「出力1」〜「出力9」との関連情報から関連表示情報を作成し、この関連表示情報に基づいてLED表示部3を表示制御する。この例で、パネル7に表示された出力項目と、当該出力項目に対応する計測値の種類とが、矢視方向M及びNにおいて交差する位置のLED9を点灯制御する。
従って、出力項目「出力1」〜「出力9」と計測値の種類との関連内容をLED表示部3に表示できるようになる。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ100の出力項目「出力1」〜「出力9」にいかなる種類の計測値が出力されているかを、このマルチトランスデューサ100の外観から確認できるようになる。
なお、図示しない入切スイッチボタンをパネル7に備えて、この入切スイッチボタンを押すことで、LED8及び9の消灯又は点灯を切り替えるようにしてもよい。このようにすることで、電源の消費量を抑えることができる。また、CPU10は入力端子から誤った信号が入力されたことを検出した場合、該当する入力端子のLED8を点滅するようにしてもよい。
図7は、第2の実施例に係るマルチトランスデューサ200の処理部30’の構成例を示すブロック図である。図7に示すマルチトランスデューサ200において、図5に示したマルチトランスデューサ100と同じ構成部には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。マルチトランスデューサ200は、処理部30’及び入力変換部20a’〜20g’を備える。処理部30’はCPU49を備える。
この例で、入力変換部20a’は、識別情報記憶部の一例を構成する記憶部54aを備え、この記憶部54aには、当該入力変換部20a’の種類を特定するための識別情報が記憶されている。
入力変換部20a’がマルチトランスデューサ200に取り付けられたときに、処理部30’のCPU49は、入力変換部20a’の記憶部54aに記憶された識別情報を読み出し、読み出した識別情報と当該識別情報を読み出す位置から接続表示情報を作成し、当該接続表示情報に基づいてLED表示部2を表示制御する。例えば、CPU49は入力変換部20a’から読み出した識別情報が「電圧」ということと、この識別情報を読み出した位置がCH1に該当するということから図3に示したLED表示部2の入力端子「CH1」と入力変換部の種類「電圧」とが交差する位置のLED8aを点灯するように制御するための接続表示情報を作成する。作成後、CPU49はこの接続表示情報に基づいてLED表示部2のLED8aを点灯制御する。
また、CPU49は、EEPROM34に記憶された、計測値の種類と出力項目との関連情報を読み出して関連表示情報を作成し、作成された関連表示情報に基づいてLED表示部3を制御する。LED表示部3の制御方法は、実施例1と同様の構成を成しているため説明を省略する。
このように、第2の実施例に係るマルチトランスデューサ200によれば、LED表示部2を表示制御するCPU49を備え、入力変換部20a’の記憶部54aに記憶された識別情報を読み出し、読み出した識別情報と当該識別情報を読み出した位置から接続表示情報を作成し、当該接続表示情報に基づいてLED表示部2を表示制御する。同様にして入力変換部20b’〜20g’に対しても識別情報を読み出し、読み出した識別情報と当該識別情報を読み出した位置から接続表示情報を作成し、当該接続表示情報に基づいてLED表示部2を表示制御する。
従って、入力変換部20a’〜20g’と入力端子「CH1」〜「CH8」との接続内容をLED表示部2に表示できるようになる。これにより、ユーザは、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確実に確認できるようになる。従って、ユーザは、電力系統の設備又は装置をマルチトランスデューサ200に接続する際に、用途に合わせて入力変換部が部品交換された場合であっても、設備又は装置の電気諸量引出し線を対象の入力端子へ容易かつ正確に接続できるようになる。
また、CPU49は、EEPROM34に記憶された、計測値の種類「電圧」と出力項目「出力1」との関連情報から関連表示情報を作成し、この関連表示情報に基づいてLED表示部3を表示制御する。同様にして、出力項目「出力2」〜出力項目「出力9」に対しても関連情報から関連表示情報を作成し、この関連表示情報に基づいてLED表示部3を表示制御する。
従って、出力項目「出力1」〜「出力9」と計測値の種類との関連内容をLED表示部3に表示できるようになる。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ200の出力項目「出力1」〜「出力9」にいかなる種類の計測値が出力されているかを、このマルチトランスデューサ200の外観から確認できるようになる。
図8は、第3の実施例に係るマルチトランスデューサ300の構成例を示す斜視図である。図8に示すマルチトランスデューサ300は、入力端子群4、入出力端子群5、背面部材6、入力変換部(図示せず)、CPU10’、LCD表示部40及び番号対応シート48を備える。
入力端子群4及び入出力端子群5は筐体の背面部材6に配置される。入力端子群4には、例えば電力系統の設備又は装置の電源供給線などが接続されて電気諸量が入力される。コネクタ70にはシリアルケーブル51を介して遠隔操作用の端末50が接続され、入出力端子群5は、シリアルケーブル52を介して遠隔監視装置53が接続される。ユーザはこの端末50を使用して、入力端子群4の各入力端子と当該入力変換部との接続情報、及び計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連情報をマルチトランスデューサ300に設定する。また、ユーザは、遠隔監視装置53を使用して、CPU10’により算出された計測値を確認する。
CPU10’は制御部の一例として機能し、LCD表示部40に接続され、入力端子と入力変換部との接続情報から接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいてLCD表示部40を表示制御する。例えば、CPU10’は、図示しない入力端子CH1に電圧用の入力変換部が接続されているという接続情報から、LCD表示部40のLCD画面に番号「1(CH1)」と共に番号「1(電圧)」と表示制御するための接続表示情報を作成する。
LCD(Liquid Crystal Display)表示部40は表示手段の一例として機能し、筐体の背面部材6に配置される。LCD表示部40は、入力端子と入力変換部との接続内容を表示する為に、端子種類用の表示部41、変換種類用の表示部42及び押釦スイッチ43を備える。表示部41は入力端子の種類を表示する。例えば、表示部41はLCD画面を有し、このLCD画面に番号「1」と表示する。この例で、表示部41のLCD画面に表示される番号「1」などは、図示しない入力端子「CH1」〜「CH8」の数字の部分に対応する。表示部42は入力変換部の種類を表示する。例えば、表示部42は、表示部42のLCD画面に番号「1」と表示する。この例で、表示部42のLCD画面に表示される番号「1」などは、入力変換部の種類に対応づけられている。例えば、番号「1」には「電圧」が対応づけられ、番号「2」には「電流」が対応づけられ、番号「3」には「DC4−20mA」が対応づけられ、番号「4」には「DC0−1mA」が対応づけられ、番号「5」には「DC0−5V」が対応づけられ、番号「6」には「ZPT3次(110V)」が対応づけられ、番号「7」には「ZPT3次(190V)」が対応づけられている。入力変換部が未実装の場合、表示部42は、LCD画面に「−」と表示する。これらの番号と入力変換部との対応付けは、LCD表示部40の上部に貼り付けられた番号対応シート48に記載されている。
押釦スイッチ43は操作部の一例として機能し、表示部41の表示を切り替えるために操作される。例えば、ユーザは押釦スイッチ43を押して表示部41の番号「1」を番号「2」に切り替える。CPU10’は押釦スイッチ43から出力された操作情報、及び接続表示情報に基づいてLCD表示部40の表示部42を表示制御する。表示部42はCPU10’からの表示制御の情報に基づいて番号を表示する。
この例で、押釦スイッチ43が押されて表示部41の番号「1(CH1)」が番号「2(CH2)」に切り替えられると、CPU10’は、番号「2(CH2)」に切り替えられたという操作情報、及びこの番号「2(CH2)」に対応づけられた番号「1(電圧)」という接続表示情報に基づいて表示部42を表示制御する。
表示部42は、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて、表示部42のLCD画面に番号「1(電圧)」を表示する。これにより、表示部42に「1(電圧)」と表示された場合、ユーザは入力端子「CH2」に電圧用の入力変換部が接続されていることを確認できるようになる。なお、CPU10’は他の入力端子に関しても同様にして入力端子と各種入力変換部との接続情報に基づいて接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいて表示部42を表示制御する。
また、CPU10’は、計測値の種類と計測値の出力項目との関連情報から関連表示情報を作成し、この関連表示情報に基づいてLCD表示部40を表示制御する。例えば、CPU10’は、図示しない計測値の種類「電圧」が出力項目「出力1」から出力されているという関連情報から、LCD表示部40のLCD画面に番号「1(出力1)」と共に番号「1(電圧)」と表示制御するための関連表示情報を作成する。
LCD表示部40は計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連情報を表示する為に、出力種類用の表示部44、計測値種類用の表示部45及び押釦スイッチ46を備える。表示部44は出力項目を表示する。例えば、表示部44は表示部44のLCD画面に番号「1」と表示する。この例で、表示部44のLCD画面に表示される番号「1」などは、図示しない出力項目「出力1」〜「出力9」の数字の部分に対応する。表示部45は計測値の種類を表示する。例えば、表示部45は、表示部45のLCD画面に番号「1」と表示する。
この例で、表示部45のLCD画面に表示される番号「1」などは、計測値の種類に対応づけられている。例えば、番号「1」には「電圧」が対応づけられ、番号「2」には「電流」が対応づけられ、番号「3」には「有効電力」が対応づけられ、番号「4」には「無効電力」が対応づけられ、番号「5」には「有効電力量」が対応づけられ、番号「6」には「無効電力量」が対応づけられ、番号「7」には「周波数」が対応づけられ、番号「8」には「位相角」が対応づけられ、番号「9」には「零相電圧」が対応づけられ、番号「10」には「レベル」が対応づけられている。計測値が存在しない場合、表示部45は、LCD画面に「−」と表示する。これらの番号と計測値の種類との対応付けは、LCD表示部40の上部に貼り付けられた番号対応シート48に記載されている。
押釦スイッチ46は、表示部44の表示を切り替えるために操作される。例えば、ユーザは押釦スイッチ46を押して表示部44の番号「1」を番号「2」に切り替える。切替後、CPU10’は、押釦スイッチ46から出力された操作情報、及び関連表示情報に基づいて表示部45を表示制御する。表示部45は、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて番号を表示する。
例えば、押釦スイッチ46が押されて表示部44の番号「1(出力1)」が番号「2(出力2)」に切り替えると、CPU10’は、番号「2(出力2)」に切り替えられたという操作情報、及びこの番号「2(出力2)」に対応づけられた番号「2(電流)」という関連表示情報に基づいて表示部45を表示制御する。表示部45は、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて、表示部45のLCD画面に番号「2(電流)」を表示する。これにより、表示部44に「2(出力2)」と表示され、表示部45に「2(電流)」と表示され、ユーザは出力項目「出力2」に計測値「電流」が出力されていることを、マルチトランスデューサ300の外観から確認できるようになる。なお、他の出力項目に関しても同様にして関連表示情報が作成され、この関連表示情報に基づいて表示制御される。
図9は、番号対応シート48の構成例を示す説明図である。図9に示す番号対応シート48は、第1の対応表48a及び第2の対応表48bを有する。対応表48aには、番号と入力変換部の種類との対応が記載されている。例えば、番号「1」には入力変換部の種類「電圧」が対応づけられている。これにより、表示部42に「1」と表示された場合、ユーザは対応表48aを参照して、この番号「1」に入力変換部の種類「電圧」が対応づけられていることを確認できるようになる。
対応表48bには、番号と計測値の種類との対応が記載されている。例えば、番号「2」には計測値の種類「電流」が対応づけられている。これにより、表示部45に「2」と表示された場合、ユーザは対応表48bを参照して、この番号「2」に計測値「電流」が対応づけられていることを確認できるようになる。
図10A及びBは、LCD表示部40の構成例を示す正面図である。図10に示すLCD表示部40の上端には、見出しである「入力変換部の種類」P3が表示されている。この見出しの下には、表示部41、表示部42、押釦スイッチ43及びLED47が配置されている。図10Aに示す表示部41及び42には番号「1」が表示されている。表示部41に表示された番号「1」は、ユーザが押釦スイッチ43を押す毎にカウントアップされ、番号「2」、番号「3」、・・・、番号「8」と順番に表示される。このとき、表示部42には、表示部41に表示された番号に対応づけられた番号「1」〜「7」が表示される。この番号「1」〜「7」は、上述したように入力変換部の種類に対応づけられている。なお、表示部41に表示された番号が番号「8」までカウントアップされると番号「1」に戻る。
図10Bに示す表示部42は、番号「4(CH4)」に切り替えられたという押釦スイッチ43からの操作情報、及びこの番号「4(CH4)」に対応づけられた番号「2(電流)」という接続表示情報に基づいて、CPU10’により番号「2」を表示するように制御されたものである。LED47は、入力端子からの入力異常が発生した場合に点灯される。
図10Aに示すLCD表示部40の中央辺りには、見出しである「計測値の種類」P4が表示されている。この見出しの下には、表示部44、表示部45及び押釦スイッチ46が配置されている。図10Aに示す表示部44には番号「8」が表示され、表示部45には番号「10」が表示されている。表示部44に表示された番号「8」は、ユーザが押釦スイッチ46を押して表示されたものである。押釦スイッチ46を押す毎に番号がカウントアップされていき、番号「1」、番号「2」、・・・、番号「9」と順番に番号が表示される。このとき、表示部45には、表示部44に表示された番号に対応づけられた番号「1」〜「10」が表示される。なお、番号「9」までカウントアップされると番号「1」に戻る。
図10Bに示す表示部45は、番号「5(出力5)」に切り替えられたという押釦スイッチ46からの操作情報、及びこの番号「5(出力5)」に対応づけられた番号「5(有効電力量)」という関連表示情報に基づいて、CPU10’により番号「5」を表示するように制御されたものである。このようにして、LCD表示部40に入力端子の種類と入力変換部の種類との対応関係、及び計測値の種類と当該計測値の出力項目との対応関係を表示する。
図11は、マルチトランスデューサ300の処理部30”の構成例を示すブロック図である。図11に示すマルチトランスデューサ300には、図5に示したマルチトランスデューサ100と同じ構成部に対して同一の符号を付し、これらの構成及び作用の説明は省略する。処理部30”はCPU10’を備える。CPU10’は、EEPROM34、表示部41、42、44及び45並びに操作部43及び46に接続される。
EEPROM34には、演算情報、入力端子CH1〜CH8と入力変換部20a〜20gとの接続情報、計測値の種類と当該計測値の出力項目との関連情報などが記憶される。この接続情報には、入力端子CH1に電圧用の入力変換部20aが接続され、入力端子CH2に電圧用の入力変換部20bが接続され、入力端子CH3に電圧用の入力変換部20cが接続され、入力端子CH4に電流用の入力変換部20dが接続され、入力端子CH5に電流用の入力変換部20eが接続され、入力端子CH6にDC4−20mA用の入力変換部20fが接続され、入力端子CH7にDC0−5V用の入力変換部20gが接続されているという情報が含まれている。
関連情報には、出力項目「出力1」として電圧が出力され、出力項目「出力2」として電流が出力され、出力項目「出力3」として有効電力が出力され、出力項目「出力4」として無効電力が出力され、出力項目「出力5」として有効電力量が出力され、出力項目「出力6」として無効電力量が出力され、出力項目「出力7」及び「出力8」としてレベルが出力されるという情報が含まれている。
CPU10’は接続情報から作成した接続表示情報及び、操作部43から出力された操作情報に基づいて表示部41及び42を制御する。例えば、CPU10’は入力端子CH1に電圧用の入力変換部が接続されているという接続情報から、表示部41に番号「1(CH1)」を表示して表示部42に番号「1(電圧)」を表示するための接続表示情報を作成する。入力端子「CH2」〜「CH8」についても同様にして接続表示情報を作成する。作成後、CPU10’は接続表示情報及び操作部43から出力された操作情報に基づいて表示部41及び42を表示制御する。
表示部41及び42はCPU10’に接続され、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて表示画面に番号を表示する。例えば、表示部41は入力端子の番号「1(CH1)」を表示し、表示部42は入力変換部の種類の番号「1(電圧)」を表示する。同様にしてCPU10’からの表示制御の情報に基づいて、表示部41は入力端子の番号「2(CH2)」〜「8(CH8)」を表示し、表示部42は入力変換部の種類の各々の番号を表示する。これにより、ユーザは操作部43を操作して、入力端子「CH1」〜「CH8」の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを表示部41及び42を見て確認できるようになる。
また、CPU10’は関連情報から作成した関連表示情報及び、操作部46から出力された操作情報に基づいて表示部44及び45を制御する。例えば、CPU10’は出力項目「出力1」として電圧が出力されているという関連情報から、表示部44に番号「1(出力1)」を表示して表示部45に番号「1(電圧)」を表示するための関連表示情報を作成する。入力端子「出力2」〜「出力9」についても同様にして関連表示情報を作成する。作成後、CPU10’は関連表示情報及び操作部46から出力された操作情報に基づいて表示部44及び45を表示制御する。
表示部44及び45はCPU10’に接続され、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて表示画面に番号を表示する。例えば、表示部44は出力項目の番号「1(出力1)」を表示し、表示部45は計測値の種類の番号「1(電圧)」を表示する。同様にしてCPU10’からの表示制御の情報に基づいて、表示部44は出力項目の番号「2(出力2)」〜「9(出力9)」を表示し、表示部45は計測値の種類の各々の番号を表示する。これにより、ユーザは操作部46を操作して、出力項目「出力1」〜「出力9」の各々に何れの種類の計測値が出力されているかを表示部44及び45を見て確認できるようになる。
続いて、上述した接続情報や関連情報に基づいてLCDの表示処理例を示す。図12は、CPU10’の動作例を示すフローチャートである。マルチトランスデューサ300のEEPROM34には、接続情報や関連情報が保存されている。
これをLCD表示処理の条件として、図12に示すステップT1で、CPU10’は電源がONされたかを判定する。電源がONされていない場合、電源がONされるまで待機する。電源がONされた場合ステップT2へ移行する。ステップT2で、CPU10’は接続情報がEEPROM34に保存されているか否かを判定する。接続情報がEEPROM34に保存されていない場合ステップT5へ移行して関連情報の有無を判定する。接続情報がEEPROM34に保存されている場合ステップT3へ移行する。
ステップT3で、CPU10’は接続情報に基づいて表示部42の接続表示情報を作成する。例えば、CPU10’は、入力端子CH1〜CH3の各々に電圧用の入力変換部20a〜20cの各々が接続されているという接続情報から図8に示した表示部41に番号「1(CH1)」〜番号「3(CH3)」のいずれかを表示して表示部42に番号「1(電圧)」を表示するための接続表示情報を作成する。また、入力端子CH4及びCH5の各々に電流用の入力変換部20d及び20eの各々が接続されているという接続情報から表示部41に番号「4」又は番号「5」を表示して表示部42に番号「2(電流)」を表示するための接続表示情報を作成する。また、入力端子CH6にDC4−20mA用の入力変換部20fが接続されているという接続情報から表示部41に番号「6」を表示して表示部42に番号「3(DC4−20mA)」を表示するための接続表示情報を作成する。また、入力端子CH7にDC0−5V用の入力変換部20gが接続されているという接続情報から表示部41に番号「7」を表示して表示部42に番号「5(DC0−5V)」を表示するための接続表示情報を作成してステップT4へ移行する。
ステップT4で、CPU10’は作成した接続表示情報に基づいて表示部41及び42に初期番号を表示制御する。例えば、表示部41に番号「1」を表示し、表示部42に番号「1」を表示制御してステップT5へ移行する。
ステップT5で、CPU10’は関連情報がEEPROM34に保存されているか否かを判定する。関連情報がEEPROM34に保存されていない場合ステップT8へ移行して操作情報の有無を判定する。関連情報がEEPROM34に保存されている場合ステップT6へ移行する。
ステップT6で、CPU10’は関連情報に基づいて表示部45の関連表示情報を作成する。例えば、CPU10’は出力項目「出力1」として電圧が出力されているという関連情報から図8に示した表示部44に番号「1(出力1)」を表示し、表示部45に番号「1(電圧)」を表示するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力2」として電流が出力されているという関連情報から表示部44に番号「2(出力2)」を表示し、表示部45に番号「2(電流)」を表示するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力3」として有効電力が出力されているという関連情報から表示部44に番号「3(出力3)」を表示し、表示部45に番号「3(有効電力)」を表示するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力4」として無効電力が出力されているという関連情報から表示部44に番号「4(出力4)」を表示し、表示部45に番号「4(無効電力)」を表示するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力5」として有効電力量が出力されているという関連情報から表示部44に番号「5(出力5)」を表示し、表示部45に番号「5(有効電力量)」を表示するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力6」として無効電力量が出力されているという関連情報から表示部44に番号「6(出力6)」を表示し、表示部45に番号「6(無効電力量)」を表示するための関連表示情報を作成する。また、出力項目「出力7」及び「出力8」としてレベルが出力されているという関連情報から表示部44に番号「7(出力7)」又は番号「8(出力8)」を表示し、表示部45に番号「10(レベル)」を表示するための関連表示情報を作成してステップT7へ移行する。
ステップT7で、CPU10’は作成した関連表示情報に基づいて表示部44及び45に初期番号を表示制御する。例えば、表示部44に番号「1」を表示し、表示部45に番号「1」を表示制御してステップT8へ移行する。
ステップT8で、CPU10’は押釦スイッチ43からの操作情報を入力し、かつ、接続表示情報が存在するかを判定する。CPU10’は操作情報又は接続表示情報のいずれかが存在しなかったと判定した場合、ステップT10へ移行する。CPU10’は操作情報及び接続表示情報が存在した場合、ステップT9へ移行する。
ステップT9で、CPU10’は操作情報及び接続表示情報に基づいて、表示部41に番号を表示し、この番号に対応する番号を表示部42に表示制御する。例えば、CPU10’は、番号「2(CH2)」に切り替えられたという押釦スイッチ43からの操作情報、及び番号「2」に対応づけられた番号「1(電圧)」という接続表示情報に基づいて、表示部41に番号「2(CH2)」を表示するように制御し、表示部42に番号「1(電圧)」を表示するように制御してステップT10へ移行する。これにより、表示部42は、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて番号「1(電圧)」を表示できるようになる。
ステップT10で、CPU10’は押釦スイッチ46からの操作情報を入力し、かつ、関連表示情報が存在するかを判定する。CPU10’は操作情報又は関連表示情報いずれかが存在しなかったと判定した場合、ステップT12へ移行して電源がOFFであるかを判定する。CPU10’は操作情報及び関連表示情報が存在したと判定した場合、ステップT11へ移行する。
ステップT11で、CPU10’は操作情報及び関連表示情報に基づいて、表示部44に番号を表示し、この番号に対応する番号を表示部45に表示制御する。例えば、CPU10’は、番号「2(出力2)」に切り替えられたという押釦スイッチ46からの操作情報、及びこの番号「2(出力2)」に対応づけられた番号「2(電流)」という関連表示情報に基づいて、表示部44に番号「2(出力2)」を表示するように制御し、表示部45に番号「2(電流)」を表示するように制御してステップT12へ移行する。これにより、表示部45は、CPU10’からの表示制御の情報に基づいて番号「2(電流)」を表示できるようになる。
ステップT12で、CPU10’は電源がOFFされたかを判定する。CPU10’は電源がOFFされていないと判定した場合、ステップT8へ戻り、押釦スイッチ43、46からの操作情報を再び入力待機する。電源がOFFされたと判定した場合、ステップT13へ移行する。ステップT13で、CPU10’は、表示部41、42、44及び45を消灯してLCD表示処理を終了する。
このように、第3の実施例に係るマルチトランスデューサ300によれば、LCD表示部40を表示制御するCPU10’を備え、入力端子「CH1」〜「CH8」と入力変換部との接続情報から接続表示情報を作成し、この接続表示情報に基づいてLCD表示部40を表示制御するものである。この例で、LCD表示部40の押釦スイッチ43から出力された操作情報、及び接続表示情報に基づいてLCD表示部40の表示部41及び42がCPU10’により表示制御される。
従って、入力端子「CH1」〜「CH8」と入力変換部との接続内容を表示部41及び42に表示できるようになる。これにより、ユーザは、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確実に確認できるようになる。従って、ユーザは、電力系統の設備又は装置をマルチトランスデューサ300に接続する際に、用途に合わせて入力変換部が部品交換された場合であっても、設備又は装置の電気諸量引出し線を対象の入力端子へ容易かつ正確に接続できるようになる。
また、CPU10’は、計測値の種類と出力項目「出力1」〜「出力9」との関連情報から関連表示情報を作成し、この関連表示情報に基づいてLCD表示部40を表示制御する。この例で、LCD表示部40の押釦スイッチ46から出力された操作情報、及び関連表示情報に基づいて、表示部44及び45がCPU10’により表示制御される。
従って、出力項目「出力1」〜「出力9」と計測値の種類との関連内容を表示部44及び45に表示できるようになる。これにより、ユーザは、マルチトランスデューサ300の出力項目「出力1」〜「出力9」にいかなる種類の計測値が出力されているかを、このマルチトランスデューサ300の外観から確認できるようになる。
マルチトランスデューサ100と比較してマルチトランスデューサ300は、LCD表示部40の設置範囲をLED表示部1より小さく設定することができるので、表示部や端子などのレイアウトの自由度が向上する。なお、表示部は、LCDの代わりに7セグメントLEDで構成してもよい。
図13は第4の実施例に係るマルチトランスデューサ400の構成例を示す正面図である。図13に示す入力端子群4の各入力端子は、第1〜第3のマルチトランスデューサと異なり、端子台に種類名が記載され、種類毎に色分けされている。例えば、入力端子60は、端子60a及び60bの端子台60cに種類名「電圧」が記載され、黄色にペイントされている。これにより、ユーザが電力系統の設備又は装置を入力端子60に接続する際に、出力信号が「電圧」以外の設備又は装置を入力端子60に接続しないようにすることができる。なお、端子60a及び60bの形状を入力変換部の種類毎に異なった形状・大きさの端子としてもよい。
図14は、マルチトランスデューサ400の組み立て例を示す一部破砕の斜視図である。図14に示すマルチトランスデューサ400は、筐体内部にシャーシ63a及び63bを備える。シャーシ63a及び63bには、入力変換部20aなどを装着するための装着部64が複数備えられている。装着部64は、L字形状のL状部材65a及び65bを有している。このL状部材65aとL状部材65bは、所定の間隔をあけて対向するように配置されている。
L状部材65a及び65bを有した装着部64に一体部品67が装着される。一体部品67は、入力変換部20a、入力端子60、基板62及び導電部材66から構成される。入力端子60の端子台60cには端子60a及び60bが取り付けられ、端子60a及び60bから引出された導電部材66が基板62に結合されている。この基板62には入力変換部20aが取り付けられている。入力変換部20aと導電部材66とは基板62に配設された図示しない伝導部材により電気的に接続されている。
一体部品67をシャーシ63aの装着部64に装着する場合、一体部品67の基板62を、装着部64のL状部材65a及び65bに矢印方向Qへスライドさせて装着する。装着後、基板62の伝導部材とシャーシ63aの伝導部材とが結合される。これにより、入力変換部の各々を組み合わせ自在に装着部64に装着することができる。
装着後、前面板61を筐体の前面に取付ける。このとき、前面板61に備えられた着脱自在のブロック61bを取り外して開口部61aを形成する。この開口部61aに端子台60cを嵌合する。嵌合後、ネジ孔61cにネジ68を螺合して、前面板61を筐体の前面に取付ける。
このように、第4の実施例に係るマルチトランスデューサ400は、入力端子60及び入力変換部20aなどが一体の部品として構成された一体部品67を備え、この一体部品67がシャーシ63a又は63bの装着部64に取り付けられる。この例で、入力端子60の端子台60cは、種類名「電圧」などと記載され、黄色などにペイントされている。
従って、入力端子60と入力変換部20aとの接続関係が確実になると共に、ユーザは、入力端子の各々に何れの種類の入力変換部が接続されているかを確実に確認できるようになる。
本発明は、各種電気設備または装置からの電気諸量を電気信号に変換する入力変換部を備えたマルチトランスデューサに適用して好適なものである。
マルチトランスデューサ100の構成例を示す斜視図である。
マルチトランスデューサ100の構成例を示す背面図である。
LED表示部1の構成例を示す説明図である。
A及びBは、マルチトランスデューサ100の機能例を示す工程図である。
マルチトランスデューサ100の処理部30の構成例を示すブロック図である。
CPU10の動作例を示すフローチャートである。
マルチトランスデューサ200の処理部30’の構成例を示すブロック図である。
マルチトランスデューサ300の構成例を示す斜視図である。
番号対応シート48の構成例を示す説明図である。
A及びBは、LCD表示部40の構成例を示す背面図である。
マルチトランスデューサ300の処理部30”の構成例を示すブロック図である。
CPU10’の動作例を示すフローチャートである。
マルチトランスデューサ400の構成例を示す正面図である。
マルチトランスデューサ400の組み立て例を示す一部破砕の斜視図である。
符号の説明
1 LED表示部(表示手段)
2 入力変換部用のLED表示部
3 計測値用のLED表示部
4 電気諸量の入力端子群
7 パネル
8、9 LED(発光体)
10、10’、49 CPU(制御部)
20 入力変換部
34 EEPROM(記憶部)
40 LCD表示部(表示手段)
41 端子種類用の表示部
42 変換種類用の表示部
43 押釦スイッチ(操作部)
50 遠隔操作用の端末(外部端末)
53 遠隔監視装置
54a 記憶部(識別情報記憶部)
100、200、300、400 マルチトランスデューサ