JP3931764B2 - 遠隔監視制御システムの端末器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷を遠方から監視制御する遠隔監視制御システムの端末器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図15に示すように、伝送ユニット41に2線式の信号線Lsを介して複数個の端末器42,43を接続し、端末器(以下では、操作端末器という)42に設けたスイッチSWの操作に応じて端末器(以下では、制御端末器という)43に設けたリレーRyを介して負荷Lを制御するようにした遠隔監視制御システムが提供されている。操作端末器42および制御端末器43にはそれぞれアドレスが設定され、スイッチSWの操作による監視データが操作端末器42に入力されると伝送ユニット41に監視データが伝送され、伝送ユニット41では監視データを受け取ると、アドレスによって操作端末器42との対応関係が設定された制御端末器43に対して監視データに対応した制御データを伝送し、制御端末器43を介して負荷Lを制御する。伝送ユニット41、操作端末器42、制御端末器43はいずれもマイクロプロセッサを主構成としている。
【0003】
伝送ユニット41は信号線Lsに対して、図16(a)(b)のような形式の伝送信号Vsを送出する。すなわち、伝送信号Vsは、信号送出開始を示すスタートパルス信号SY、信号モードを示すモードデータ信号MD、操作端末器42や制御端末器43を各別に呼び出すためのアドレスデータを伝送するアドレスデータ信号AD、負荷を制御するための制御データを伝送する制御データ信号CD、伝送エラーを検出するためのチェックサムデータ信号CS、操作端末器42や制御端末器43からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間WTよりなる複極(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている。
【0004】
各操作端末器42および各制御端末器43では、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsのアドレスデータがそれぞれに設定されているアドレスデータに一致すると、伝送信号Vsから制御データを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返送期間WTに同期して監視データを電流モードの信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返送する。
【0005】
また、伝送ユニット41は、常時は伝送信号Vsに含まれるアドレスデータをサイクリックに変化させて操作端末器42および制御端末器43を順次アクセスする常時ポーリングを行う常時ポーリング手段が設けられる。常時ポーリングの際には、伝送信号Vsに含まれるアドレスデータが一致した操作端末器42または制御端末器43では、伝送信号Vsに含まれる制御データを取り込むことになる。一方、伝送ユニット41には、いずれかの操作端末器42から発生した図16(c)のような割込信号Viを受信したときに割込信号を発生した操作端末器42を検出した後、その操作端末器42にアクセスして監視データを返送させる割込ポーリング手段も設けられている。
【0006】
すなわち、伝送ユニット41では、常時は常時ポーリング手段によってアドレスデータをサイクリックに変更した伝送信号Vsを信号線Lsに送出しており、操作端末器42から発生した割込信号Viを伝送信号Vsのスタートパルス信号SYに同期して検出すると、割込ポーリング手段によって伝送ユニット41からモードデータ信号MDを割込ポーリングモードとした伝送信号Vsを送出する。割込信号Viを発生した操作端末器42は、割込ポーリングモードの伝送信号Vsのアドレスデータの上位ビットが一致していると、その伝送信号Vsの信号返送期間WTに同期して操作端末器42に設定されているアドレスデータの下位ビットを返信データとして返送する。このようにして伝送ユニット41では割込信号Viを発生した操作端末器42のアドレスを獲得し、獲得したアドレスを用いて操作端末器42をアクセスすることによって、操作端末器42に接続されたスイッチSWの操作状態に対応した操作データを返信データとして受け取る。また、伝送ユニット41における割込ポーリング手段では、割込信号Viを発生した操作端末器42から下位アドレスが返送されなければ、上位アドレスを変更して割込ポーリングモードの伝送信号Vsを再送する。
【0007】
このようにして、割込信号Viを発生した操作端末器42のアドレスを伝送ユニット41が獲得すると、伝送ユニット41では操作端末器42に対して監視データの返送を要求する伝送信号Vsを送出し、操作端末器42はスイッチSWの操作に対応した監視データを伝送ユニット41に返送する。監視データを受け取った伝送ユニット41は、アドレスの対応関係によって操作端末器42に予め対応付けられている制御端末器43に対する制御データを生成し、この制御データを含む伝送信号Vsを信号線Lsに送出して制御端末器43を通して負荷Lを制御する。ここで、操作端末器42と制御端末器43とのアドレスは、端末器を単位として設定されるチャンネルと、スイッチSWおよび負荷Lの回路を識別する負荷番号とからなり、現状の製品ではチャンネルは64チャンネル、負荷番号は各チャンネルに対して4回路ずつ設定可能になっている。つまり、各操作端末器42および各制御端末器43にチャンネルが設定され、各操作端末器42には最大で4個のスイッチSWが接続可能であり、各制御端末器43には最大で4個の負荷Lが接続可能になっている。したがって、合計256回路の負荷Lが制御可能である。ここに、スイッチSWと負荷Lとの回路とは、アドレスの対応関係によって関係付けられたスイッチSWと負荷Lとの組を意味し、スイッチSWの操作に対応して制御される負荷Lが1つの回路を構成する。
【0008】
上述のようなスイッチSWと負荷Lとの対応関係は、伝送ユニット41のメモリに設けた関係データ記憶部に設定される。すなわち、施工時には、各操作端末器42および各制御端末器43へのアドレスの設定が終了した後、スイッチSWと負荷Lとの対応関係を関係データ記憶部に設定することによって、スイッチSWの操作に対して所望の負荷Lを制御することが可能になる。ここで、個別制御におけるスイッチSWと負荷Lとの対応関係は同アドレスが対応するようにしてあり、操作端末器42および制御端末器43にアドレスを設定すればスイッチSWと負荷Lとの対応関係は自動的に設定されるようになっている。ただし、操作端末器42と制御端末器43とは端末器種別のデータによって区別される。
【0009】
ところで、制御端末器43には上述したリレーRy(図19参照)を内蔵するものがあり、この種の制御端末器43にはたとえば図17に示す外観を有し、主として天井の内部空間に配置することを目的として構成されたものがある。図示する器体10は4個の負荷番号にそれぞれ対応した4個のリレーRyを内蔵し、負荷Lの4回路を個別にオンオフできるようにしてある。つまり、図示するように器体10には、信号線Lsを接続する信号端子T1、商用電源を接続する電源端子T2a、電源端子T2aに直結された送り端子T2bがそれぞれ1組ずつ設けられ、さらに負荷接続用の負荷線(VVFケーブルを用いている)Ldを接続する負荷端子T3が4個設けられる。電源端子T2aおよび送り端子T2bと各負荷端子T3との間にはそれぞれ各リレーRyの接点が挿入される。実際の結線例を示すと図18のようになる。図18においては信号線Lsを信号端子T1に接続していない状態を示すために、信号線Lsは破線で示してある。また、電源端子2aには商用電源ACを供給する電源線Lpが接続され、各負荷端子3には負荷線Ldを介して負荷Lとしての照明負荷を接続してある。
【0010】
この制御端末器43は、図19に示す構成を有しており、信号端子T1には±24Vである伝送信号VsをTTLレベルの信号に変換して制御回路20に入力する送受信回路21を備える。送受信回路21は制御回路20から信号返送期間WTに同期して出力されるTTLレベルの監視データを電流モードの信号に変換して返信信号とする機能も備える。また、送受信回路21に入力された伝送信号Vsは電源回路22にも渡され、電源回路22では伝送信号Lsを平滑することにより内部電源を生成する。送受信回路21は信号線Lsとの接続を無極性化するためのダイオードブリッジを備え、このダイオードブリッジにより伝送信号Lsが全波整流されて電源回路22に入力される。したがって、電源回路22には24Vの直流電圧が入力されることになる。制御回路20はマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)により構成され、伝送信号Vsが入力されると伝送信号Vsに含まれる制御データDTの内容に応じリレー駆動回路23を介してリレーRyを動作させるなどの各種処理を行い、さらに伝送信号Vsの信号返送期間WTに同期して監視データを出力する。また、制御回路20には、アドレスを設定するためのアドレス設定部11、後述する各種スイッチを備えたキー入力回路12、リレーRyの動作状態などを示す表示器を備えた表示回路13が付設される。ここでは、表示器として発光ダイオードを用いている。図示していないがリレーRyは4個設けられ、各リレーRyの接点は個別にオンオフされる。アドレス設定部11は2個のロータリスイッチ11a,11b(図17参照)を用いて構成され、各ロータリスイッチが2桁のチャンネルの上位桁(10の位)と下位桁(1の位)とに対応する。負荷番号については、各リレーRyにそれぞれ1〜4が割り当てられ、結果的に各リレーRyには個別にアドレスが対応付けられる。
【0011】
図17に示す制御端末器43は、施工時における結線状態ないしは負荷Lの動作を確認するために、押釦スイッチからなるオンスイッチSWaおよびオフスイッチSWbと、押釦スイッチからなる負荷状態確認用スイッチSWcとをキー入力回路12に備える。負荷状態確認用スイッチSWcを押操作すれば負荷Lの接続状態を確認するモードに移行し、このモードでは、オンスイッチSWaを押操作すれば4回路のリレーRyを一括してオンにすることができ、オフスイッチSWbを押操作すれば4回路のリレーRyを一括してオフにすることができる。つまり、オンスイッチSWaとオフスイッチSWbとを操作して負荷Lのオンオフを行えば負荷Lの異常の有無を確認することができる。また、上述した表示回路13には、オンスイッチSWaの操作によりリレーRyが動作したときに点灯する4個の確認灯PL1〜PL4と、オンスイッチSWaとオフスイッチSWbとの操作時にそれぞれ点灯する操作表示灯PLa,PLbとが設けられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した構成では、制御端末器43の内部回路を動作させる電源が伝送信号Vsを平滑する電源回路22によって供給されているから、施工時に信号線Lsが付設されていないなどの理由で信号線Lsとの接続が完了していない状態で負荷Lの結線状態ないし負荷の動作を確認するためにオンスイッチSWa,SWbを操作してもリレーRyを動作させることができないという問題がある。とくに、この種の遠隔監視制御システムでは、伝送ユニット41を盤に収納することが多く、制御端末器43の施工時点では盤が設置されていないことが多いから、制御端末器43の施工時点で負荷Lの結線状態や動作を確認することができないものである。また、伝送信号Vsが正常に伝送されている状態で負荷線Ldが断線するなどの異常が生じた場合と、負荷Lが正常であって信号線Lsが断線するなどの異常が生じた場合とのいずれであっても、オンスイッチSWaあるいはオフスイッチSWbを押操作したときに負荷Lは動作しないから、伝送信号Lvの伝送系と負荷L側とのどちらに異常が生じているかを識別することができないものである。
【0013】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、信号線に接続していない状態であっても負荷の接続状態や動作を確認することを可能とした遠隔監視制御システムの端末器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、それぞれアドレスを備える複数台の端末器が信号線に接続されるとともに、信号線に接続された伝送ユニットと前記各端末器との間で時分割多重伝送方式により伝送信号が授受され、伝送ユニットにおいてアドレスの対応関係を設定した関係データを用いていずれかの端末器に接続したスイッチの操作に対応させて他の端末器により負荷を制御する遠隔監視制御システムに用いる端末器であって、負荷をオンオフするリレーと、動作確認用に外部電源を一時的に接続する検査用電源端子と、検査用電源端子に接続された外部電源を入力電源として少なくともリレーの駆動に必要な電源を供給する電源回路と、検査用電源端子に外部電源が接続されたことを検出すると規定の手順でリレーをオンオフさせる制御回路とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記検査用電源端子は、前記信号線を接続する信号端子と兼用され、前記電源回路は、信号端子に印加される電圧を定電圧化し、前記制御回路は、信号端子に前記伝送信号とは異なる外部電源が接続されたことを検出すると規定の手順でリレーをオンオフさせることを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記電源回路は、昇圧と降圧とが可能であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(参考例1)
本例における制御端末器の外観は図17に示した従来構成と同様であって、天井の内部空間に配置するのに適した形状の器体を備える。天井の内部空間に配置する構造は実施形態1において後述する。本例は図19に示した電源回路22を送受信回路21に接続するのではなく、図1に示すように、電源回路22を電源端子T2aに接続している。電源端子T2aには商用電源が接続されるから、電源回路22は商用電源から内部電源を生成するように構成されるのであって、従来構成に比較すると降圧比が大きくなる。そこで、電源回路22には降圧用に電源トランスを用いるか、あるいはスイッチング電源を用いる。
【0023】
上述の構成を採用することによって商用電源から内部回路に電源を供給するので、信号線Lsの非接続、信号線Lsの断線、伝送ユニット41の故障などの原因で、制御端末器43に伝送信号Vsが入力されない状態であっても、商用電源が接続されていれば、キー入力回路12に設けたオンスイッチSWa、オフスイッチSWb、負荷状態確認用スイッチSWc(図17参照)の操作によって負荷Lをオンオフさせることが可能になり、制御端末器43と負荷Lとの間の接続状態や負荷Lの動作の確認が可能になる。他の構成および動作は従来構成と同様である。なお、本例では負荷Lに供給する電源を商用電源としているが、他の電源から負荷Lに給電する場合も同様の構成を採用することができる。
【0024】
(実施形態1)
本実施形態は、図2に示すように、図19に示した従来構成の電源回路22の入力電源として、送受信回路21を通して入力される伝送信号Vsだけではなく外部電源も併用可能としたものである。外部電源としてはたとえば9Vの電池Bを用い、電池Bを接続するために本実施形態の制御用端末器43には検査用電源端子T4を設けてある。電池Bとして9Vの積層乾電池を用いると2つの電極が同じ面に設けられているから、後述するように器体10の一面に並べて設けた検査用電源端子T4との接続が容易になる。
【0025】
ところで、電源回路22では、伝送信号Vsを入力電源とするときに制御回路20に対して5Vの電圧を印加し、リレーRyを駆動するためにリレー駆動回路23に対して24Vの電圧を印加している。いま、リレー駆動回路23に印加する電圧が12〜24Vの範囲で動作するリレーRyを用いているものとする。ここで、外部電源に用いる電池Bの電圧は9Vであるから、外部電源をそのまま用いると、制御回路20に印加する電圧は確保できるとしてもリレーRyを動作させる電圧を確保することができない。そこで、検査用電源端子T4に接続される外部電源の電圧を昇圧するDC−DCコンバータ24を付加してある。本実施形態ではDC−DCコンバータ24の出力電圧を16Vに設定し、外部電源が接続されたときの電源回路22の入力電圧を16Vとしてある。
【0026】
送受信回路21およびDC−DCコンバータ24と電源回路22との間にはそれぞれダイオードD1,D2が挿入される。両ダイオードD1,D2はカソードが電源回路22の入力端に接続される。したがって、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されて送受信回路21から電源回路22に24Vの直流電圧が印加されている間には検査用電源端子T4に電池Bを接続してもダイオードD2が導通せず、電源回路22には24Vの電圧が印加されることになる。また、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されない状態ではダイオードD1が導通していないから、検査用電源端子T4に電池Bを接続するとダイオードD2が導通して電源回路22に16Vの電圧が印加されることになる。
【0027】
本実施形態では、検査用電源端子T4に電池Bが接続されたときに、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されていなければ規定の手順でリレーRyを自動的にオンオフさせる機能も備えている。つまり、制御回路20は、検査用電源端子T4に電池Bが接続されたという条件と、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されていないという条件とを判定する機能を有し、両条件が満たされたときに、リレーRyが所定順序でオンオフするようにリレー駆動回路23を制御する。検査用電源端子T4に電池Bが接続されたか否かは、DC−DCコンバータ24の出力端に接続した接続検出回路25により判定される。
【0028】
接続検出回路25は、DC−DCコンバータ24の出力電圧を分圧するための直列接続された2個の抵抗R1,R2を備え、抵抗R2の両端間にトランジスタQのベース−エミッタが接続される。また、トランジスタQのコレクタは制御回路20において電源回路22から電源が供給されている電源端子に抵抗R3を介して接続される。したがって、検査用電源端子T4に電池Bが接続されると、DC−DCコンバータ24からの出力電圧によってトランジスタQがオンになってトランジスタQのコレクタはLレベルになる。また、検査用電源端子T4に電池Bが接続されていない状態ではトランジスタQのコレクタはHレベルになる。制御回路20にはトランジスタQのコレクタが接続されており、このことによって制御回路20は検査用電源端子T4が電池Bが接続されたか否かを判定する。
【0029】
また、制御回路20には送受信回路21から伝送信号VsがTTLレベルで入力されるから、伝送信号Vsの有無も制御回路20で判定することができる。そこで、制御回路20ではトランジスタQのコレクタがLレベルになると、その時点から1秒間の期間において送受信回路21の出力が一定値か否かを判別し、この条件が満たされるときには、電池Bが接続されかつ伝送信号Vsが入力されていない状態と判断し、図3に示す順序でリレーRyをオンオフさせる。つまり、4個のリレーRyをすべてオンにし、次にリレーRyを1個ずつ択一的にオンし、すべてのリレーRyを1個ずつオンにした後には、再びすべてのリレーRyをオンにするという状態を短時間の周期で繰り返す。なお、制御回路20において送受信回路21の出力が一定値か否かを判断する時間を1秒間としているのは、現状の製品では伝送信号Vsの発生周期が約15msであって送受信回路21の出力を1秒間監視すれば伝送信号Vsの有無を判定するのに十分と考えられるからである。
【0030】
上述した構成によって、参考例1と同様に、信号線Lsを接続していない状態でも電源端子T2aに商用電源が接続されていれば、検査用電源端子T4に電池Bを接続するだけで負荷Lの接続状態や動作の確認が可能になる。さらに、商用電源が接続されていない場合でもリレーRyの動作確認が可能になる。ここに、動作確認時のリレーRyの電源として電池Bを用いながらも電池Bを内蔵しないから、電池Bが内蔵されたまま放置されることによる液漏れが生じることもない。加えて、検査用電源端子T4に電池Bが接続されかつ信号線Lsに接続されていない状態を自動判別してリレーRyをオンオフさせるから、負荷Lの接続状態や動作を確認する動作を開始させるための操作も不要である。
【0031】
ところで、本実施形態に示す制御端末器の器体10は、図4に示すように、直方体状であって、天井の内部空間に配置するために、天井内において天井構造材に天井材を結合する吊りボルトに結合される上下一対の取付片14を備える。天井構造材は一般にはコンクリート天井を意味し、天井材は枠状に組んだ天井野縁に天井パネルを載置した構造のいわゆるシステム天井を意味している。この種のシステム天井では、上端を天井構造材に固定した吊りボルトの下端に天井野縁を吊下する構成が採用されている。したがって、器体10を吊りボルトに結合することによって天井の内部空間(天井構造材と天井材との間の空間)に器体10を固定することができる。吊りボルトへの器体10の固定にあたっては、取付片14との間に吊りボルトを挟持する挟み板(図示せず)を用い、取付片14を通して挟み板に螺合するねじ(図示せず)を締め付けるのである。
【0032】
器体10の前面下部には検査用電源端子T4を露出させてあり、検査用電源端子T4に電池Bを押し当てるだけで、上述した動作が行われるようにしてある。また、器体10の前面には、ロータリスイッチ11a,11b、オンスイッチSWa、オフスイッチSWb、負荷状態確認用スイッチSWc、操作表示灯PLa,PLb、確認灯PL1〜PL4、信号端子T1を覆うことができる扉板15が設けられる。扉板15は一側縁が器体10に枢着されている。ここに、信号端子T1としては1組のねじ付き端子と2組の速結端子とを備える。速結端子は、周知のように、器体10の側面に開口した電線挿入口から導入された電線を、板ばねにより形成された錠ばねで電気的かつ機械的に保持するものである。
【0033】
なお、本実施形態において検査用電源端子T4に接続する外部電源として電池Bを用いたが、電池Bと同電圧の直流電圧を出力するものであれば外部電源として用いることが可能である。また、図19と図4とを比較するとわかるように、本実施形態の外観上の構成は検査用電源端子T4を器体10に設けている点を除けば参考例1と同様である。内部回路の構成および機能についても上述した点以外は参考例1と同様である。
【0034】
(実施形態2)
実施形態1は外部電源としての電池Bを接続するための検査用電源端子T4を別途に設けたものであるのに対して、本実施形態は信号端子T1に外部電源を接続することによって負荷Lの接続状態ないし動作を確認可能としたものである。したがって、図5に示すように、本実施形態では検査用電源端子T4はなく、DC−DCコンバータ24および接続検出回路25も設けていない。
【0035】
ただし、実施形態1において説明したように、外部電源として電池の端子電圧は伝送信号Vsを全波整流することにより得られる電圧よりも低く、一般にはリレーRyを駆動するには電圧が不足するから、信号端子T1に電池を接続しただけではリレーRyを駆動するための電圧を確保することができない。そこで、本実施形態では電源回路22を昇圧と降圧とが可能となるように構成し、入力電圧にかかわらず出力電圧が一定に保たれるようにしてある。具体的には、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されている状態では電源回路22において降圧し、信号端子T1に電池が接続された状態では電源回路22において昇圧する。また、本実施形態では実施形態1と同様に、制御回路20において信号端子T1に伝送信号Vsが入力されているか電池が接続されているかを判断し、電池が接続されているときには4個のリレーRyを自動的に順にオンオフすることによって負荷Lの接続状態ないし動作を検査できるようにしてある。
【0036】
さらに具体的に説明する。電源回路22には、実施形態1と同様に、信号端子T1に印加され送受信回路21で全波整流された電圧が入力される。電源回路22において制御回路20への電源は実施形態1と同様にシリーズレギュレータによる降圧によって確保すればよいが、リレー駆動回路23への電源を得る回路構成は、少なくとも入力電圧よりも低い電圧から入力電圧よりも高い電圧までの範囲で出力電圧が可変であるものを用いる。この種の回路構成は各種提案されているが、たとえば極性反転形のチョッパ回路、フライバック形のコンバータ回路、昇圧チョッパ回路により入力電圧を昇圧した後に昇圧チョッパ回路の出力電圧を降圧チョッパ回路で降圧する昇降圧チョッパ回路などを用いることができる。本実施形態の電源回路22では入力電圧にかかわらず、制御回路20には5Vを供給しリレー駆動回路23には16Vを供給する。ここで、電源回路22を適宜に設計することによって、信号端子T1に接続する外部電源(電池)として端子電圧が3Vのものでも用いることが可能になる。
【0037】
制御回路20において、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されているか否かは、実施形態1と同様に、送受信回路21からのTTLレベルの信号を監視すれば認識することができる。一方、信号端子T1に電池が接続されているか否かは、電源回路22の出力電圧によって監視する。つまり、図5において電源回路22と制御回路20とを接続している2本の線分のうちの1本は制御回路20に電源を供給するラインを示し、他の1本は電源回路22におけるリレー駆動回路23への入力電圧が所要電圧以上か否かを制御回路20が監視するためのラインを示している。すなわち、電源回路22はリレー駆動回路23への入力電圧が10V以上のときにHレベル(10V未満ではLレベル)になる判定信号を出力しており、この判定信号を制御回路20に入力している。この種の判定信号はコンパレータによる電圧比較を行えば容易に生成することができる。ここで、判定信号を発生させるための閾値を10Vに設定しているのは、伝送信号Vsが信号端子T1に入力されているときの電源回路22への入力電圧を24V、信号端子T1に電池が接続されているときの入力電圧を10Vよりも低い電圧(たとえば、3V、9Vなど)と想定しているからであって、外部電源としての電池の電圧が異なる場合には閾値を適宜に調節する。
【0038】
しかして、制御回路20では、信号端子T1に伝送信号Vsが入力されているときには送受信回路21の出力電圧が時間経過とともに変化し、また電源回路22からの判定信号がHレベルになるから、伝送信号Vsの内容に基づく通常の動作を行う。一方、電源回路22への入力電圧が10V未満であれば判定信号はLレベルになるから、制御回路20は、送受信回路21から入力される電圧が0Vではなく、かつ1秒間に亘って一定で変化しなければ信号端子T1に電池が接続されているものと判断し、実施形態1と同様に、リレー駆動回路23を介して4個のリレーRyを順にオンオフさせる。すなわち、信号端子T1に電池を接続すればリレーRyが自動的に順にオンオフされ、負荷Lの接続状態ないし動作を確認することが可能になる。
【0039】
本実施形態の他の構成は実施形態1と同様であって、信号線Lsを接続していない状態でも電源端子T2aに商用電源が接続されていれば、信号端子T1に電池を接続するだけで負荷Lの接続状態や動作の確認が可能になる。さらに、商用電源が接続されていない場合でもリレーRyの動作確認が可能になる。しかも、動作確認時のリレーRyの電源として電池を用いながらも電池を内蔵しないから、電池が内蔵されたまま放置されることによる液漏れが生じることもない。加えて、信号端子T1に電池が接続された状態を自動判別してリレーRyをオンオフさせるから、負荷Lの接続状態や動作を確認する動作を開始させるための操作も不要である。しかも、実施形態1のように検査用電源端子T4を別途に設ける必要がないものである。
【0040】
(参考例2)
本例は、図6に示すように、電源端子T2aと各負荷端子T3との間においてそれぞれ設けた4個のリレーRyの各接点r1〜r4に、手操作される検査用スイッチSW1〜SW4をそれぞれ並列接続したものである。つまり、電源端子T2aと各負荷端子T3との間には、接点r1〜r4と検査用スイッチSW1〜SW4との並列回路がそれぞれ挿入される。なお、図示例では電源端子T2a、送り端子T2b、負荷端子T3のいずれも3端子で構成してあり、図中の上の2端子は電源用であり下の1端子は接地用である。検査用スイッチSW1〜SW4の操作部は、図7に示すように、器体10の前面において各負荷端子T3の近傍に配置される。つまり、各負荷端子T3に接続される負荷Lの接続状態ないし動作を確認しようとするときには、電源端子T2に商用電源を接続した状態で、検査用スイッチSW1〜SW4を手操作すればよく、リレーRyを動作させることなく負荷端子T3への負荷Lの接続状態ないし負荷Lの動作を確認することが可能になる。つまり、信号線Lsとの結線を行わずに負荷Lの接続状態や動作が確認可能になる。また、電源端子T2aに商用電源が接続されていない場合でも導通試験は可能であるから結線状態の確認が可能である。なお、検査用スイッチSW1〜SW4としては押釦スイッチやスライドスイッチを用いることができる。
【0041】
本例の構成では、内部回路の動作にかかわりなく負荷端子T3に対する負荷Lの結線状態を確認することが可能である。結線状態の試験にあたっては、たとえば電源端子T2aに導通試験器を接続しておき、各検査用スイッチSW1〜SW4を適宜にオンオフさせればよい。他の構成および機能は従来構成と同様である。
【0042】
(参考例3)
上述したように天井の内部空間に配置する制御端末器43においては負荷Lのオンオフを制御するためにリレーRyが用いられている。現状の製品ではリレーRyとして定格電流が6Aの機械式接点を備えた電磁リレーを用いているのものであるから、リレーRyの接点をオフにする際にはアークが生じることになる。すなわち、機械式接点を用いるとアークの発生によって接点が損耗するから、接点を正常に動作させることができる回数が比較的少なく、結果的にリレーRyの寿命によって制御端末器43の寿命が決定されている。また、機械式接点を備えるリレーRyを用いる場合に接点の定格電流を大きく超える突入電流が発生するような負荷Lを接続すると接点が溶着するなどの問題を生じるから、1個の接点で複数個の負荷Lを一括してオンオフするような場合には、複数個の負荷Lの合計の定格電流が接点の定格電流以下であっても、その個数の負荷Lを1個の接点で制御することはできないものである。このような突入電流が発生する負荷Lとしてはインバータ式の照明器具などが知られており、施工時においては接点の定格電流に対して照明器具の合計の定格電流が十分に小さくなるように1回路当たりの照明器具の灯数を制限しなければならず、接続関係の設計が面倒であるという問題を有している。
【0043】
この種の問題を解決するために、本例では、図8に示すように、リレーRyの接点rに半導体スイッチとしてのトライアックQ3を並列接続するとともに、リレーRyの接点rとトライアックQ3とのオンオフのタイミングを制御回路20によって制御する構成を採用している。すなわち、制御回路20はリレー駆動回路23を介してリレーRyのオンオフを制御するのに加えて、トライアック駆動回路26を介してトライアックQ3のオンオフを制御する。リレー駆動回路23は、リレーRyのコイルRcにスイッチング素子としてのトランジスタQ1(のコレクタ−エミッタ)を直列接続した直列回路に電源回路22の出力電圧を印加し、制御回路20からの指示によってトランジスタQ1をオンオフさせることで接点rをオンオフさせるように構成されている。
【0044】
一方、トライアック駆動回路26は、フォトカプラPCの発光素子(発光ダイオード)PEにスイッチング素子としてのトランジスタQ2(のコレクタ−エミッタ)を直列接続した直列回路に電源回路22の出力電圧を印加し、制御回路20からの指示によってトランジスタQ2をオンオフさせることで発光素子PEを点滅させ、さらに発光素子PEに光結合された受光素子(フォトトライアック)PRを通してトライアックQ3のゲートに電圧を印加するように構成されている。つまり、受光素子PRは2個の抵抗R4,R5の間に挿入された形で抵抗R4,R5とともに直列回路を形成し、この直列回路を電源端子T2aと負荷端子T3との間に挿入してある。トライアックQ3のゲートは、受光素子PRと抵抗R5との接続点に接続され、受光素子PRがオンになるとトライアックQ3のゲートに電圧が印加されてトライアックQ3がオンになるように構成してある。したがって、制御回路20の指示によりトランジスタQ2がオンになれば、発光素子PEが点灯しトライアックQ3のゲートにトリガ電圧が印加されることによりトライアックQ3がオンになるのである。
【0045】
制御回路20は、上述したように、リレーRyの接点rとトライアックQ3とのオンオフをともに制御するのであって、リレーRyの接点rとトライアックQ3とを図9に示す手順で制御する。すなわち、図9(a)のように負荷Lをオンにする際に、まず図9(c)のようにトライアックQ3を規定の開始期間t1だけオンにする。リレーRyの接点rは図9(b)のように開始期間t1の終了直前からリレーRyの接点rをオンにするとともに、負荷Lをオフにするよりも前にリレーRyの接点rをオフにする。また、リレーRyの接点rをオフにする前から開始され負荷Lのオフまでの間の終了期間t2に図9(c)のようにトライアックQ3をオンにする。したがって、たとえば、伝送信号Vsによりオンが指示されると、トライアックQ3を開始期間t1だけオンにしている間にリレーRyの接点rをオンにし、伝送信号Vsによりオフが指示されると、トライアックQ3を再び終了期間t2だけオンにし、終了期間t2の間にリレーRyの接点rをオフにするのである。この動作では伝送信号Vsによるオフの指示から負荷Lがオフになるまでに終了期間t2の遅れが生じるが、終了期間t2は接点rのアークの発生を防止できる程度の期間があればよいから、ごく短時間であり、この遅れによる違和感は生じない。また、トライアックQ3は開始期間t1と終了期間t2との短時間だけオンになり、常時はトライアックQ3に通電されていないから、発熱量は少なく電力損失を抑制することができる。
【0046】
上述の動作によって、電源投入直後に突入電流を生じるような負荷Lが負荷端子T3に接続されたとしても突入電流はトライアックQ3に流れるから、リレーRyの接点rが突入電流によって溶着するなどの障害を生じることがない。その結果、負荷端子T3に接続される負荷Lの定格電流を接点rの定格電流に一致させることが可能になり、接続設計が容易になる。ここで、トライアックQ3にはオン抵抗があるから、負荷Lのオン時における突入電流を緩和する効果も期待できる。また、接点rをオフにした後にトライアックQ3をオフにすることにより負荷Lをオフにするから、接点rにアークが発生せず接点寿命が長くなる。
【0047】
ところで、上述した構成では、電源端子T2aと負荷端子T3との間に接点rを1個だけ挿入したいわゆる片切りになっているが、電源端子T2aに接続される商用電源が200Vである場合などでは、図10に示すように、電源端子T2aと負荷端子T3との間で電源端子T2aおよび負荷端子T3の各2個の端子の間にそれぞれ接点ra,rbを挿入したいわゆる両切りとするのが望ましい。この場合、1回路当たり2個のリレーRya,Rybを設け、各リレーRya,Rybの接点ra,rbを個別にオンオフさせる。本例では、一方の接点rbにはトライアックQ3を並列接続するが、他方の接点raにはトライアックQ3を接続しない構成を採用している。各リレーRya,RybのコイルRca,RcbにはトランジスタQ1a,Q1bがそれぞれ直列接続され、制御回路20では各トランジスタQ1a,Q1bを個別にオンオフすることによって、接点ra,rbを個別のオンオフさせる。
【0048】
図10に示す構成では、トライアックQ3が並列接続されていない接点raをオンにした状態でトライアックQ3をオンにし、その後に接点rbをオンにする。この動作では上述した片切りの場合の動作と同様に、接点rbには突入電流が流れない。接点raにはトライアックQ3を通して電流が流れるがトライアックQ3のオン抵抗によって突入電流が緩和される。一方、負荷Lをオフにする際にはトライアックQ3をオンにした状態で接点rbをオフにし、その後、接点raをオフにすれば、両接点ra,rbにともにアークが生じることはない。他の構成および動作は図8に示した構成と同様である。
【0049】
他の構成および動作は従来構成と同様である。なお、本例の構成は参考例1、2あるいは実施形態1、2の構成と併用することが可能である。
【0050】
(参考例4)
上述した各構成例では、制御端末器43のアドレス設定部11として、チャンネルを設定するための2個のロータリスイッチ11a,11bを用いている。一方、制御端末器43は比較的暗い天井の内部空間に設置されるから、ロータリスイッチ11a,11bによる設定値が読み取りにくく誤設定の可能性が高くなる。また、ロータリスイッチ11a,11bを用いると、ロータリスイッチ11a,11bに対応付けている各数値のうちの隣り合う2つの数値間でつまみが停止することがあり、このような場合にもチャンネル(アドレス)が誤設定される可能性がある。アドレスが誤設定されていると正常に動作させることができないから、施工後にアドレスを再設定しなければならず、制御端末器43が天井の内部空間に設置されることを考慮すると再設定の作業は非常に手間がかかることになる。
【0051】
そこで、本例では、図11および図12に示すように、アドレス設定部11により設定したアドレスを表示する設定用表示器16を設けてある。図示する設定用表示器16は、セグメント式の液晶表示器と、バックライトと、液晶表示器の駆動回路とを含む。設定用表示器16は器体10の前面下部に露設され、2桁の数値でチャンネルを表示することができるようになっている。また、設定用表示器16は自発光可能となるようにバックライトを備えているから暗がりでも表示内容を容易に認識することができる。つまり、施工時において周囲が暗い場合でも、ロータリスイッチ11a,11bにより設定したチャンネルを容易に認識できるから誤設定の可能性が低減する。なお、設定用表示器16を用いることによって、各種のエラー表示が可能になる。たとえば、現状製品ではチャンネルとして0〜63を指定可能であるが、2桁のロータリスイッチ11a,11bを用いると、64〜69あるいは64〜99のチャンネルの設定も可能になる。このようなチャンネルは使用できないから、ロータリスイッチ11a,11bによって使用できないチャンネルが指定されたときには設定用表示器16でエラー表示を行うようにすればよい。
【0052】
なお、設定用表示器16は、自発光が可能なものであれば、発光ダイオード表示器、有機EL表示器など、液晶表示器にバックライトを組み合わせたもの以外のものでも採用することができる。他の構成および動作は他の構成例と同様であって、本例の構成は実施形態1、2あるいは参考例1ないし参考例3のいずれの構成でも併用することができる。
【0053】
(参考例5)
上述したように制御端末器43はリレーRyを内蔵しており、リレーRyの接点に許容された電流よりも負荷Lに流れる電流が大きいとリレーRyが破壊される可能性がある。一般に、電源端子T2aに接続される商用電源は分電盤内の分岐ブレーカを介して供給されるが、分岐ブレーカが遮断する電流値よりもリレーRyの接点の定格電流のほうが小さいのが普通であるから、分岐ブレーカによっては上述の問題を解決することはできない。
【0054】
本例は、許容された電流容量を超える負荷Lが接続されたときに報知する機能を設けているものであって、図13に示すように、電源端子T2aと負荷端子T3との間の電路を通過する電流を検出するための負荷容量センサ27を設けてある。負荷容量センサ27としては変流器を用いたものを想定している。負荷容量センサ27で検出した電流値は制御回路20に入力され、制御回路20ではリレーRyの接点の定格電流に応じてあらかじめ規定した電流値(閾値)と負荷容量センサ27で検出した電流値との大小を比較し、負荷容量センサ27で検出した電流値が閾値を超えるときには容量報知装置28によって負荷Lが過大であることを報知する。ここに、容量報知装置28は発光ダイオードを用いたものを想定している。また、負荷容量センサ27は各負荷端子T3ごとに設けられ、図14に示すように、各負荷端子T3の近傍に発光ダイオードからなる容量報知装置28が配置される。なお、容量報知装置28としてブザーの鳴動音による報知を付加してもよい。
【0055】
本例の構成を採用することによって、許容された電流容量よりも負荷Lに流れる電流が大きいときには容量報知装置28による報知がなされることによって、このような負荷Lを接続した状態で使用することが防止され、リレーRyの故障を未然に防止することができる。なお、本例ではリレーRyの接点をオンにしなければ負荷容量センサ27で電流を検出することができないが、許容された電流容量を超える負荷Lの接続を検出したときに、容量報知装置28で報知するだけではなく、ただちにリレーRyの接点をオフにすれば、リレーRyの接点に過大な電流が流れ続けるのを防止することができる。他の構成および動作は上述した他の構成例と同様であり、本例の構成は他の構成例と併用することが可能である。
【0056】
【発明の効果】
請求項1の発明は、動作確認用に外部電源を一時的に接続する検査用電源端子を設け、検査用電源端子に接続された外部電源を入力電源とする電源回路から負荷をオンオフするリレーの駆動に必要な電源を供給するとともに、検査用電源端子に外部電源が接続されたことを検出すると制御回路が規定の手順でリレーをオンオフさせるので、信号線から伝送信号を受信することなく負荷をオンオフさせて施工状態を検査することができるという利点がある。また、リレーを駆動するにあたっては外部電源が接続されていればよく、負荷に供給する電源の接続も不要であるから、負荷と接続されていれば負荷の結線状態を検査することが可能であって、負荷に供給する電圧にかかわりなく負荷の結線状態の確認が可能である。さらに、外部電源として電池を用いる場合であっても検査用電源端子に一時的に接続するだけであって電池を内蔵する必要がないから、電池を内蔵したままで放置することによる液漏れの発生の可能性がないという利点もある。加えて、外部電源を検査用電源端子に接続するだけで他に操作することなく負荷の結線状態を検査することができるから、検査用のスイッチなどの別部品を設ける必要もないという利点がある。
【0058】
請求項2の発明は、信号線を接続する信号端子が検査用電源端子と兼用され、電源回路が信号端子に印加される電圧を定電圧化し、信号端子に前記伝送信号とは異なる外部電源が接続されたときに負荷をオンオフするリレーを制御回路が規定の手順でオンオフさせるので、外部電源を接続する専用の端子を設ける必要がない。
【0059】
請求項3の発明は、昇圧と降圧とが可能である電源回路を用いているので、信号端子に印加される電圧にかかわらずリレーを駆動するための電圧を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施形態1を示すブロック図である。
【図3】 同上の動作説明図である。
【図4】 同上の外観を示す正面図である。
【図5】 本発明の実施形態2を示すブロック図である。
【図6】 参考例2を示すの要部回路図である。
【図7】 同上の外観を示す正面図である。
【図8】 参考例3を示すブロック図である。
【図9】 同上の動作説明図である。
【図10】 同上の他の構成例のブロック図である。
【図11】 参考例4を示すブロック図である。
【図12】 同上の外観を示す正面図である。
【図13】 参考例5を示すブロック図である。
【図14】 同上の外観を示す正面図である。
【図15】 遠隔監視制御システムを示す概略構成図である。
【図16】 同上の動作説明図である。
【図17】 従来例の外観を示す正面図である。
【図18】 同上の使用例を示す図である。
【図19】 同上のブロック図である。
【符号の説明】
11 アドレス設定部
11a,11b ロータリスイッチ
16 設定用表示器
20 制御回路
22 電源回路
27 負荷容量センサ
28 容量報知装置
41 伝送ユニット
42 操作端末器
43 制御端末器
AC 商用電源
B 電池(外部電源)
L 負荷
Ld 負荷線
Lp 電源線
Ls 信号線
Q3 トライアック(半導体スイッチ)
r 接点
ra,rb 接点
Ry リレー
S スイッチ
SW1〜SW4 検査用スイッチ
T1 信号端子
T2a 電源端子
T3 負荷端子
T4 検査用電源端子
Claims (3)
- それぞれアドレスを備える複数台の端末器が信号線に接続されるとともに、信号線に接続された伝送ユニットと前記各端末器との間で時分割多重伝送方式により伝送信号が授受され、伝送ユニットにおいてアドレスの対応関係を設定した関係データを用いていずれかの端末器に接続したスイッチの操作に対応させて他の端末器により負荷を制御する遠隔監視制御システムに用いる端末器であって、負荷をオンオフするリレーと、動作確認用に外部電源を一時的に接続する検査用電源端子と、検査用電源端子に接続された外部電源を入力電源として少なくともリレーの駆動に必要な電源を供給する電源回路と、検査用電源端子に外部電源が接続されたことを検出すると規定の手順でリレーをオンオフさせる制御回路とを備えることを特徴とする遠隔監視制御システムの端末器。
- 前記検査用電源端子は、前記信号線を接続する信号端子と兼用され、前記電源回路は、信号端子に印加される電圧を定電圧化し、前記制御回路は、信号端子に前記伝送信号とは異なる外部電源が接続されたことを検出すると規定の手順でリレーをオンオフさせることを特徴とする請求項1記載の遠隔監視制御システムの端末器。
- 前記電源回路は、昇圧と降圧とが可能であることを特徴とする請求項2記載の遠隔監視制御システムの端末器。
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