JP5032139B2 - 気密コンパクト - Google Patents

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Description

本発明は、ファンデーションやアイシャドー等の化粧料を収納するコンパクトに関するものであり、該コンパクトの気密性をより一層高めようとするものである。
ファンデーションやアイシャドー等の化粧料は近年、揮発成分を含んだものが多用されている。そして、このような揮発成分を含んだ化粧料はその揮散が避けられないので気密性の高いコンパクトが使用されている。
気密性を高めるための具体的な構造としては、従来、コンパクトの内側に中蓋を備えたレフィルタイプの容器(中皿)を別途に配置し、蓋体を閉じる時に、該蓋体によって中蓋を中皿の開口部に押しつける構造が採用されていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第3778308号明細書
しかしながら、上記のような従来のコンパクトは、使い勝手の改善を図ることを目的として、容器本体側に組み込まれたプッシュピースに、外蓋と容器本体との係合を解除する第1解除部と、中蓋と中皿の係合を解除する第2解除部をそれぞれ設け、外蓋の開放と同時に中蓋を開放する仕組みになっていることから、例えば、コンパクトの携行時等にプッシュピースが不用意に押圧された場合に、中蓋と中皿との係合も解除されてしまい、揮発成分を含む内容物にあってはその成分の揮散が避けられない状況にあった。
本発明の課題は、上述のように蓋体(外蓋) が不用意に開放されることがあっても、中蓋が簡単に開放されることのない新規なコンパクトを提案するところにある。
本発明は、化粧料を充填する中皿を、パフ等の塗布具を収納する収納空間とともに配設した容器本体と、この容器本体に枢軸を介して開閉可能に保持された蓋体と、この蓋体とは別体の枢軸を介して個別に開閉可能に保持され該中皿を気密状態に維持する中蓋とを備えた気密コンパクトであって、
前記中蓋は、該中蓋を開閉可能に保持する枢軸の相対縁部に、該枢軸に平行な軸芯をもち該相対縁部の下面に設けたU字枠に回動可能に軸支されるピンを有し、
該ピンに、容器本体の台座に当接可能な凸部と、前記中蓋の相対縁部とともに摘み相互に接近する向きに力を加えることで該凸部を作用点にして中蓋を開放する向きに押し上げる摘み片とを設けたことを特徴とする気密コンパクトである。
容器本体の蓋体を開放する機構と、中蓋を開放する機構をそれぞれ別構造にしたので、容器本体の蓋体が不用意に開放されても中皿は確実に気密状態を維持することが可能となり、内容物の揮発成分が揮散することはない。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
図1〜3は本発明にしたがう気密コンパクトの実施の形態を示したものであり、図1は平面図(蓋体は表示せず)、図2は図1のA-A断面図、そして図3は図1のB-B断面図である。
図における番号1はコンパクトの基本骨格をなす容器本体である。容器本体1は一対の短辺1a、1bと一対の長辺1c、1dからなる矩形状のものを例として示してあり、その内側にはフレーム1eによりパフ等の塗布具を収納する凹部(収納空間)Mと後述する中皿を収納する凹部がそれぞれ区画形成されている。
また、2は容器本体1の凹部Mに隣接して配置された中皿である(図2参照)。この中皿2は揮発成分を含む内容物(化粧料)が充填されており、レフィル容器として機能するように容器本体1に着脱自在に配置されている。
3は中皿2の外壁下部に一体的に設けられた爪部(図2、4参照)である。この爪部3は容器本体1(フレーム1e)の台座1fの爪部1f′及びフレーム1eに一体成形され中皿2の取り外しの際に弾性変形可能な逆L字状断面の係合片1gに連係させて中皿2を容器本体1に固定保持する(図2参照)。
4は容器本体1の長辺1cに枢軸S1を介して開閉可能に保持された蓋体である(図2、図3参照)。この蓋体4の反対側の長辺1dには容器本体1に設けられた爪部P1に連係するフック4aが設けられている(図3参照)。
5は蓋体4とは別体の枢軸S2を介して中皿2に開閉可能に保持された中蓋である(図1、2参照)。この中蓋5は蓋体4の開放状態で何らの規制を受けることなしに該中蓋5を開放することができるように、枢軸S2が容器本体1の短辺1aに設けられた切欠部hに配置される(図1参照)。
また、6は中蓋5の枢軸S2の相対縁部5a(以下、フランジ5aで表示する)に設けられたピンである(図2、4参照)。このピン6は枢軸S2の軸芯Cに平行な軸芯C′をもっており(図1参照)、相対縁部の下面に一体的に設けられたU字枠7の開孔7a(図4参照)において回転可能に抜け止め軸支されている。
さらに、8はピン6に一体的に設けられ容器本体1の台座1fの上面に当接可能な凸部(ピン6の軸芯に沿って延びるフィン状のものを例として示してある。図2、4参照)、9は同じくピン6に一体的に設けられた摘み片である(ピン6の軸芯に沿って延びるフィン状のものを例として示してある。図2、4参照)。この摘み片9は、中蓋5のフランジ5aとともに把持し相互に接近する向きに力を加えることで凸部8を作用点とした「てこの原理」で該中蓋5を軽い力で開放する向きに押し上げる。
10は中蓋5の裏側に配置されるシール部材である(図2、4参照)。このシール部材10はゴムやエラストマー等の軟質部材からなっており、該中蓋5が中皿2に合わさった際に該中皿2を気密状態に保持する。
11は中蓋5のフランジの上面に設けられた凸部である(図1、4参照)。この凸部11は蓋体4を閉じた時に中蓋5を中皿2に向けて押圧する押し代を確保するものであって、蓋体4の裏面に鏡が取り付けられている場合には鏡を介して押圧される。
蓋体4のフック4aが容器本体1に設けられた爪部P1に連係している図3に示すような状態では蓋体4は完全に閉じた状態にある。プッシュピースPを押圧するとそれにつながる押圧片P2は爪部P1の基部に設けられた傾斜面に沿って上方へと滑動し、これによりフック4aが押し上げられ、フック4aと爪部P1との連係が解除される。
このとき中皿2に合わさっている中蓋5へは何らの力も作用することがないため、中皿2は気密状態を維持したままになっている。
中皿2を開放するには、中蓋5のフランジ5aと摘み片9をそれぞれ把持してそれらを相互に近接させる向きに力を加える。そうすると、図4に示すようにピン6を支点にして凸部8が台座1fに当接しこれにより中蓋5には上向きの力が作用することとなり、中皿2の爪部2aと中蓋5の爪部5aとの連係が解除される。
上述の如く、本発明のコンパクトは、蓋体4と中蓋5とは異なる機構によって別個に開放することができるので、たとえ蓋体4が不用意に開放することがあっても中皿2には何らの影響もなく、内容物の揮発分が知らぬ間に揮散することがない。
ピン6に設けた凸部8及び摘み片9はそれぞれピン6の軸芯に沿って延びる単一のフィン状のものを例として示したが、例えば、間隔をあけて複数個設けることも可能であり、形状についても図示のものには限定されない。
容器本体の蓋体が不用意に開放されることがあっても内容物の品質を安定維持できる気密コンパクトが提供できる。
本発明にしたがう気密コンパクトの実施形態を示した平面図である。 図1に示した気密コンパクトのA-A断面を示した図である。 図1に示した気密コンパクトのB-B断面を示した図である。 図2の要部を拡大して示した図である。
符号の説明
1 容器本体
1a 短辺
1b 短辺
1c 長辺
1d 長辺
1e フレーム
1f 台座
1f′爪部
1g 係合片
2 中皿
3 爪部
4 蓋体
4a フック
5 中蓋
5a フランジ
6 ピン
7 U字枠
7a 開孔
8 凸部
9 摘み片
10 シール部材
11 凸部
M 凹部
S1 枢軸
S2 枢軸
P プッシュピース
P1 爪部
P2 押圧片
h 切欠部

Claims (1)

  1. 化粧料を充填する中皿を、パフ等の塗布具を収納する収納空間とともに配設した容器本体と、この容器本体に枢軸を介して開閉可能に保持された蓋体と、この蓋体とは別体の枢軸を介して個別に開閉可能に保持され該中皿を気密状態に維持する中蓋とを備えた気密コンパクトであって、
    前記中蓋は、該中蓋を開閉可能に保持する枢軸の相対縁部に、該枢軸の軸芯に平行な軸芯をもち該相対縁部の下面に設けたU字枠に回動可能に軸支されるピンを有し、
    該ピンに、容器本体の台座に当接可能な凸部と、前記中蓋の相対縁部とともに摘み相互に接近する向きに力を加えることで該凸部を作用点にして中蓋を開放する向きに押し上げる摘み片とを設けたことを特徴とする気密コンパクト。
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