JP4953906B2 - 気密コンパクト - Google Patents

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Description

本発明は、蓋体を有する容器本体内に、内容物を充填する中皿を配設し、更に、この中皿を中蓋によって気密状態に維持する二重構造の気密コンパクトに関するものである。
こうしたコンパクトは、主に、揮発成分を含んだ内容物を収納するのに用いられ、こうした内容物としては、例えば、ファンデーションやアイシャドー等の化粧料がある。
また、気密性を高めるための従来の構造としては、内容物を充填する蓋体付きの中皿と、この蓋体付きの中皿を収納する蓋体付きの容器本体とを別途設け、容器本体の蓋体(外蓋)を閉じる時に、この外蓋によって中皿の蓋体(中蓋)を中皿の開口部に押し付けることにより、気密性を高める構造が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3778308号明細書
上記の従来気密コンパクトは、使い勝手の改善を目的として、容器本体側に組み込まれたプッシュピースに、外蓋を押し上げて容器本体との係合を解除する第1解除部と、中蓋を押し上げて中皿との係合を解除する第2解除部とを設け、外蓋と中蓋とを同時に開放する仕組みになっている。
しかしながら、こうした構造のコンパクトは、本来別々に存在するはずの、外蓋を開けるための機構と、中蓋を開けるための機構とが一体に構成されているため、外蓋と中蓋とを同時に開けて内容物を取り出して中蓋だけを閉じた後、再度、内容物を取り出すべく中蓋を開く際にも、プッシュピースを押し込むしか選択の余地がなく、使い勝手の面で改善の余地がある。
本発明の解決すべき課題は、蓋体を押し上げて容器本体との係合を解除するプッシュピースを利用して、中皿に一体に設けた解除部を作動させ中蓋を押し上げて中皿との係合を解除する構成としていることにあり、
その目的とするところは、蓋体と中皿に形成した解除部を確実に作動させて中蓋とを同時に開くことができると共に、中蓋のみを別個独立の操作で開くことができる新規な気密コンパクトを提供することにある。
本発明である気密コンパクトは、内容物を充填する中皿と、この中皿を配設する容器本体と、この容器本体に枢軸を介して開閉可能に保持され閉じ状態において当該容器本体に係合する蓋体と、枢軸を介して開閉可能に保持され前記中皿を気密状態に維持する中蓋と、前記容器本体内に摺動可能に保持され押し込みにより蓋体の係合を解除するプッシュピースとを備える気密コンパクトにおいて、前記中蓋は、当該中蓋の枢軸と対向する縁部に揺動可能又は回転可能に繋がる操作片を有し、この操作片に、容器本体の底部に向かって垂下する突き出し片を備えてなり、また、前記プッシュピースは、押し込み操作を行う押圧部と、この押圧部に繋がり前記操作片に向かって延在する延長部と、この延長部と薄肉部を介して揺動可能に繋がる先端部とを備えてなり、前記容器本体は、操作片の上側への揺動又は回転により突き出し片の先端が滑動して中蓋を開放させるように押し上げる作用面と、前記プッシュピースの押し込みにより当該プッシュピースの前記先端部が滑動して前記操作片を上側へ揺動又は回転させるように押し上げる斜面とを有することを特徴とするものである。
なお、本発明によれば、蓋体の枢軸と中蓋の枢軸とは、別体として構成し、又は、同一の枢軸として構成することができる。
また、本発明に係る容器本体の作用面は、操作片の揺動又は回転により突き出し片の先端が滑動して中蓋を開放させるように押し上げる面であれば、平坦面及び斜面を問わないが、操作片の揺動又は回転を小さく抑えつつ中蓋を効率的に開くことができる点を考慮すると、中蓋の枢軸から遠ざかるに従って立ち上がる斜面を有することが好ましい。なお、本発明において、「作用面が斜面を有する」とは、作用面全体が斜面で構成される場合も含む。
更に、本発明に係るプッシュピースの先端部は、容器本体の斜面に揺動可能に点接触又は線接触する丸みを帯びた突起部を有することが好ましい。
加えて、本発明に係るプッシュピースの先端部は、中蓋に繋がる操作片を垂直に押し上げる平坦面を有することが好ましい。
本発明によれば、プッシュピースの押し込みは、蓋体と容器本体との係合を解除する一方で、中蓋に繋がる操作片を上側へ揺動又は回転させるように押し上げる。これにより、操作片の突き出し片が容器本体の作用面を滑動して中蓋を開放させるように押し上げるので、中蓋も併せて開放できる。
加えて、本発明によれば、操作片が中蓋に繋がっているため、使用者が操作片を直接操作して上側へ揺動又は回転させるように押し上げても、操作片の突き出し片が容器本体の作用面を滑動して中蓋を開放させるように押し上げるので、使用者の操作片に対する直接的な操作でも中蓋を開くことができる。
即ち、本発明によれば、蓋体と中蓋とを同時に開くことができると共に、中蓋のみを別個独立の操作で開くことができる。従って、本発明によれば、内容物を取り出すにあたっては、蓋体と中蓋とを同時に開けられるので使い勝手がよく、また、中蓋だけを閉じた後、再度、内容物を取り出すにあたっても、使用者が、プッシュピースを操作して中蓋を開くか、中蓋に繋がる操作片を操作して中蓋を開くかを、使用状態等に応じて適宜選択できるので、使い勝手がよい。
加えて、本発明によれば、操作片を上側に揺動又は回転させることで中蓋が開放されるため、使用者の積極的な引き上げ動作のない意図せぬ中蓋の開放を防止することができる。
また、本発明において、容器本体の作用面が、中蓋の枢軸から遠ざかるに従って立ち上がる斜面を有すれば、操作片を揺動又は回転させたときに、中蓋と容器本体の作用面とを離間させる力を大きく確保することができるため、より確実な中蓋の開放を実現できる。
更に、本発明において、プッシュピースの先端部に、容器本体の斜面に揺動可能に点接触又は線接触する丸みを帯びた突起部を設ければ、容器本体の斜面での滑動がスムースになると共に、当該先端部は、その上面を水平状態に保ったまま操作片を押し上げるため、蓋体と中蓋とを同時に開く際の使い勝手が更に良好になる。
加えて、本発明において、プッシュピースの先端部が、中蓋に繋がる操作片を垂直に押し上げる平坦面を有すれば、操作片を上側へ効率的に揺動又は回転させることができるので、蓋体と中蓋とを同時に開く際の使い勝手が更に良好になる。
なお、本発明の気密コンパクトを、中皿と共に、パフやブラシ等の塗布具を配設可能な化粧用コンパクトとして用いる場合には、蓋体を開いて置いたままでも、上から楽に中蓋を開くことができるために有効である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な形態を詳細に説明する。
図1〜3はそれぞれ、本発明の一形態である化粧用コンパクトを示す平面図、図1のA−A断面図及び図1のB−B断面図である。また、図4は、図2の要部を拡大して示す断面図である。更に、図5は、図4に示す状態から中蓋を開くための動作を説明する断面図である。
符号1は、化粧用コンパクトの基本骨格をなす容器本体である。容器本体1は、対向する一対の短辺1a,1bと、対向する一対の長辺1c,1dと、これら4辺を一体に繋ぐ底部1eからなる矩形のものであり、その内側には、薄板状のフレームfが配置されている。フレームfには台座faが形成されており、この台座faを介して、容器本体1には、破線で示すパフ等の塗布具Mを収納する凹部(収納空間)R1と、後述の中皿2を収納する凹部とが区画形成されている。
符号2は、図2に示すように、容器本体1の凹部R1に隣接して嵌め込み状態に配設された中皿である。この中皿2には、揮発成分を含む化粧料(図示せず)が充填されており、中皿2そのものが、レフィル容器として機能するように、後述のように、容器本体1に対して着脱可能に配置されている。
符号3は、中皿2の外壁下部に一体的に設けられた爪部である。一方の爪部3は、図4に示すように、フレームfの台座faに形成された爪部fnと係合し、他方の爪部3は、図2に示すように、フレームfと一体に形成され弾性変形可能な逆L字状断面の係合片1gと係合する。これにより、中皿2は、容器本体1に対して着脱可能に保持固定される。
符号4は、容器本体1の長辺1cに枢軸S1(図3参照。)を介して開閉可能に保持される蓋体である。この蓋体4の枢軸S1と反対側の長辺1dには、容器本体1の爪部P1に着脱可能に係合するフック4aが設けられている。
符号5は、容器本体1内に摺動可能に保持され、押し込みにより、容器本体1の爪部P1と蓋体4のフック4aとの係合を解除するプッシュピースである。
プッシュピース5は、図3に示すように、使用者が実際に触れて押し込み操作を行う押圧部5aを有し、この押圧部5aの背面には、薄肉部を介して揺動可能に繋がる押上げ部5bが設けられている。
これにより、プッシュピース5を押圧すると、それに繋がる押圧片5bは爪部P1の基部に設けられた傾斜面に沿って上方へと滑動し、フック4aを押し上げることで、フック4aと爪部P1との係合を解除することができる。
またプッシュピース5における押圧部5aの背面には、この押圧部5aと繋がり後述の操作片7に向かって延在する延長部5cと、この延長部5cと薄肉部5dを介して揺動可能に一体に繋がる先端部5eとが設けられている。
更に、本形態には、先端部5eの下側に、丸みを帯びた突起部5pが設けられている。この突起部5pは、容器本体1の長手方向に沿って連続的に延在する突条であっても、間欠的に複数設けた突起であっても、単独に存在するものであってもよい。また、先端部5eの上側には、後述の操作片7を垂直に押し上げる平坦面Fが形成されている。
これに対し、容器本体1の底部1eの内側には、プッシュピース5の押し込みにより、その先端部5eに設けた突起部5pが滑動する斜面f1が設けられている。この斜面f1は、操作片7に向かうに従って立ち上がり、これにより、プッシュピース5の先端部5eを上側へ揺動させるように押し上げる。
符号6は、蓋体5の枢軸S1とは異なる枢軸S2を介して中皿2に開閉可能に保持された中蓋である。この中蓋6は、図1に示すように、その周回部(以下、「フランジ」という。)6fを有し、更に、図4に示すように、フランジ6fのうち、枢軸S2と対向する端縁e6近傍から垂下する爪部6aを有し、この爪部6aが、図2及び図4に示すように、中蓋6を閉じた状態で中皿2の爪部2aに着脱可能に係合する。
また、中蓋6は、蓋体4の開放状態で何らの規制を受けることなしに当該中蓋6を開放することができるように、図1に示す如く、枢軸S2が容器本体1の短辺1aに設けられた切欠部Cに配置される。
符号7は、中蓋6のフランジ6fのうち、枢軸S2と対向する端縁e6側に設けられた操作片である。この操作片7は、図1に示すように、中蓋6の端縁e6から突出するフランジ6fの相対縁部f6に、薄肉のヒンジHを介して一体に繋がり、フランジ6fと平行に形成されている。これにより、操作片7は、図4及び図5に示すように、中蓋6の開閉動作とは独立して、当該蓋体6に対して上下に揺動させることができる。
また、操作片7は、図1に示すように、ヒンジHに繋がる領域部(以下、「ヒンジ側領域部」という)7aと、この相互間にあって端縁e6に向かって延在する中央領域部7bとで構成されている。また、ヒンジ側領域部7aのうち、プッシュピース5の押圧部5aに近い側には、図2等に示すように、プッシュピース5の先端部5eに形成した平坦面Fが接触する下部基台7cが設けられている。
符号8は、図1及び図3で示すように、中央領域部7bから容器本体1の底部1eに向かって垂下するする突き出し片である。この突き出し片8は、容器本体1の短手方向に延在し、その先端8aには、図4及び図5に示すように、エッジが形成されてないよう、丸め加工が施されている。
即ち、中蓋6は、枢軸S2と対向する縁部に揺動可能に繋がる操作片7を有し、この操作片7に、容器本体1の底部1eに向かって垂下する突き出し片8を一体に備えてなる。
これに対し、符号9は、図4に示すように、フレームfの台座faに形成される作用面である。この作用面9には、中蓋6を閉じたときに、同図に示す如く、操作片7の突き出し片8が傾いた状態で当接し、操作片7を矢印に示すように揺動させると、突き出し片8の先端部8aが図5に示すように作用面9に沿って滑動する。
作用面9は、図3に示すように、容器本体1の短辺方向に沿って延在すると共に、これに引き続いて段差をもって容器本体1の短辺方向に沿って延在する。即ち、作用面9は、容器本体1の短辺方向に沿って延在し、図3,4に示すように、枢軸S2から遠ざかるに従って立ち上がる斜面を構成する。
これにより、操作片7を引き上げてヒンジH周りに上側に揺動させると、図5に示すように、突き出し片8の先端8aが作用面9に沿って滑動するのに伴い、当該作用面9からの反力として突き出し片8が中蓋6を押し上げるため、同図に示すように、中皿2の爪部2aと中蓋6の爪部6aとの係合が解除される。
図2及び図4に示す符号Sは、中蓋6の裏側に配置されたシール部材である。このシール部材Sは、ゴムやエラストマー等の軟質部材からなり、中蓋6が中皿2に合わさった際に当該中皿2を気密状態に保持する。
また符号Pは、中蓋6の上部(好適には、フランジ6fの縁部e6上部)に設けられた凸部である。この凸部Pは、蓋体4を閉じた時に、中蓋6を中皿2に向けて押圧するための押し代を確保するためのものであり、蓋体4の裏面に鏡が取り付けられている場合には鏡を介して押圧される。
次に、本発明に従うコンパクトの作用効果を説明する。
蓋体4は、図3に示すように、そのフック4aが容器本体1の爪部P1に係合しているときは完全に閉じられており、中皿2は気密状態に維持されている。
ここで使用者がプッシュピース5を操作片7に向かって押し込むと、プッシュピース5の押上げ部5bが蓋体4のフック4aを押し上げて容器本体1の爪部P1との係合を解除する。
また、プッシュピース5を操作片7に向かって押し込むことは同時に、プッシュピース5の先端部5eを作用面9に沿って滑動させると共に、薄肉部5dを基点に上側に揺動させる。これにより、プッシュピース5の先端部5eは、図4に示す位置から図5に示す位置に変位して、台座faに設けた貫通孔hを通って操作片7の一方のヒンジ側領域部7aを押し上げる。
すると、図5の矢印に示すように、操作片7がヒンジ部H周りを上側に揺動するのに伴い、突き出し片8の先端部8aは作用面9に沿って滑動し、当該作用面9からの反力として突き出し片8が中蓋6を押し上げる。これにより、プッシュピース5を押圧すると、容器本体1と蓋体4との係合を解除することに加え、中皿2の爪部2aと中蓋6の爪部6aとの係合も解除できる。
従って、本発明に従うコンパクトによれば、プッシュピース5を操作片7に向かって押し込むだけで、蓋体4と中蓋6とを一緒に開くことができる。
また、本発明に従うコンパクトによれば、使用者が、操作片7を直接操作してヒンジ部H周りに揺動させることもでき、この場合、中蓋6のみを独立して開くことができる。
なお、作用面9には、斜面が存在することが好ましいが、斜面を必ずしも存在させる必要はない。即ち、斜面の無い平坦な作用面9だけであっても、使用者が図4の矢印に示す方向に操作片7を動かすと、この操作片7の突き出し片8がヒンジ部Hによって中蓋6に対して規制を受けることで、その先端部8aが作用面9に接触する位置を作用点として中蓋6を持ち上げることもできる。
上述したように、本発明に従うコンパクトによれば、プッシュピース5の押し込みは、蓋体4と容器本体1との係合を解除する一方で、中蓋6に繋がる操作片7を上側へ揺動させるように押し上げる。これにより、操作片7の突き出し片8が容器本体1の作用面9を滑動して中蓋6を開放させるように押し上げるので、中蓋6も併せて開放できる。
加えて、本発明に従うコンパクトによれば、操作片7が中蓋6に繋がっているため、使用者が操作片7を直接操作して上側へ揺動させるように押し上げても、操作片7の突き出し片8が容器本体1の作用面9を滑動して中蓋6を開放させるように押し上げるので、使用者の操作片7に対する直接的な操作でも中蓋6を開くことができる。
即ち、本発明に従うコンパクトによれば、蓋体4と中蓋6とを同時に開くことができると共に、中蓋6のみを別個独立の操作で開くことができる。従って、本発明に従うコンパクトによれば、内容物を取り出すにあたっては、蓋体4と中蓋6とを同時に開けられるので使い勝手がよく、また、中蓋6だけを閉じた後、再度、内容物を取り出すにあたっても、使用者が、プッシュピース5を操作して中蓋6を開くか、中蓋6に繋がる操作片7を操作して中蓋6を開くかを、使用状態等に応じて適宜選択できるので使い勝手がよい。
加えて、本発明に従うコンパクトによれば、操作片7を上側に揺動させることで中蓋6が開放されるため、使用者の積極的な引き上げ動作のない意図せぬ中蓋6の開放を防止することができる。
また、上述した本発明に従うコンパクトのように、容器本体1の作用面9が、中蓋6の枢軸S2から遠ざかるに従って立ち上がる斜面を有すれば、操作片7を揺動させたときに、中蓋6と作用面9とを離間させる力を大きく確保することができるため、より確実な中蓋6の開放を実現できる。
更に、上述した本発明に従うコンパクトのように、プッシュピース5の先端部5eに、容器本体1の斜面f1に揺動可能に点接触又は線接触する丸みを帯びた突起部5pを設ければ、容器本体1の斜面f1での滑動がスムースになると共に、当該先端部5eは、その上面を水平状態に保ったまま操作片7を押し上げるため、蓋体4と中蓋6とを同時に開く際の使い勝手が更に良好になる。
加えて、上述の本発明に従うコンパクトでは、プッシュピース5の先端部5eが、中蓋6に繋がる操作片7を垂直に押し上げる平坦面Fを有している。この場合、操作片7を上側へ効率的に揺動させることができるので、蓋体4と中蓋6とを同時に開く際の使い勝手が更に良好になる。
上述したところは、本発明の好適な形態をしたものであるが、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
例えば、本形態の突き出し片8は、操作片7のヒンジ側領域部7a又は中央領域部7bの一方にだけ設けても、ヒンジ側領域7aの両方だけに設けてもよい。また、本発明に従えば、操作片7は、その全体をヒンジHで繋いだ構成であってもよい。更に、プッシュピース5の先端部5eの位置も、操作片7のレイアウトに応じて適宜変更することができる。
また、本形態の操作片7は、中蓋6にヒンジHを介して揺動可能に繋がる構成であるが、本発明によれば、中蓋6にピン等を介して回転可能に繋がる構成としてもよい。
また、本形態では、中蓋6を中皿2に開閉可能に組み付けたが、中蓋6は、枢軸S2を容器本体1又はフレームfに設け、容器本体1又はフレームfに回転可能に組み付けてもよい。
更に、本形態では、本発明に係る斜面をフレームfの台座faに設けたが、フレームfではなく、容器本体1に直接設けてもよい。更に、本形態では、フレームfを含めて本発明に係る容器本体1として構成しているが、文言とおり、容器本体1のみをもって本発明に係る容器本体として構成してもよい。
また、本発明に係る作用面9は、容器本体1を2つに区画する台座fa以外の位置、例えば、容器本体1の長辺1c側又は1d側に形成して突き出し片8をそれに合せて配置することができ、更に、枢軸S2の位置を変更すれば、それに合せて異なる配置を取ることができる。加えて、蓋体4の枢軸S1と中蓋6の枢軸S2とは、上述した各形態のように、別体として構成するだけでなく、同一の枢軸として構成してもよい。
また、本発明の気密コンパクトを、上述の形態のように、中皿2と共に、パフやアイライナー等の塗布具Mを収納可能な化粧用コンパクトとして用いる場合には、蓋体4を開いて置いたままでも、上から楽に中蓋6を開くことができるために有効である。
蓋体4、中蓋6は同時に開放する場合を例として示したが、蓋体4を開放したのち中蓋6を開放するようにしてもよく、その設定は、プッシュピース5の延長部5cのストロークあるいは斜面f1における角度を適宜変更することにより行うことができる。
一回の操作で容器本体の蓋体と中皿の中蓋を開放することができると共に中蓋のみを別個独立の操作で開くことができる使い勝手のよい気密コンパクトが提供できる。また、本発明は、化粧料コンパクト以外にも、軟膏や錠剤を内容物とする薬品容器等各種容器としても適用できる。
本発明の一形態である化粧用コンパクトを示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である。 同形態において、図4に示す状態から中蓋を開くための動作を説明する断面図である。
符号の説明
1 容器本体
1a 容器本体短辺
1b 容器本体短辺
1c 容器本体長辺
1d 容器本体長辺
1e 容器本体底部
f フレーム
fa フレーム台座
fn フレーム爪部(中皿固定用)
2 中皿
2a 中皿爪部(中蓋固定用)
3 中皿爪部(中皿固定用)
4 蓋体(外蓋)
5 プッシュピース
5a 押圧部
5b 押上げ部
5c 延長部
5d 薄肉部
5e 先端部
6 中蓋
6b 相対縁部
6a 中皿爪部
7 操作片
7a ヒンジ側領域部
7b 中央領域部
8 突き出し片
8a 突き出し片先端部
9 作用面
F プッシュピース先端部に形成した平坦面
S シール部材
P 押し代確保用突部
H ヒンジ

Claims (4)

  1. 内容物を充填する中皿と、この中皿を配設する容器本体と、この容器本体に枢軸を介して開閉可能に保持され閉じ状態において当該容器本体に係合する蓋体と、枢軸を介して開閉可能に保持され前記中皿を気密状態に維持する中蓋と、前記容器本体内に摺動可能に保持され押し込みにより蓋体の係合を解除するプッシュピースとを備える気密コンパクトにおいて、
    前記中蓋は、当該中蓋の枢軸と対向する縁部に揺動可能又は回転可能に繋がる操作片を有し、この操作片に、容器本体の底部に向かって垂下する突き出し片を備えてなり、また、
    前記プッシュピースは、押し込み操作を行う押圧部と、この押圧部に繋がり前記操作片に向かって延在する延長部と、この延長部と薄肉部を介して揺動可能に繋がる先端部とを備えてなり、
    前記容器本体は、操作片の上側への揺動又は回転により突き出し片の先端が滑動して中蓋を開放させるように押し上げる作用面と、前記プッシュピースの押し込みにより当該プッシュピースの前記先端部が滑動して前記操作片を上側へ揺動又は回転させるように押し上げる斜面とを有することを特徴とする気密コンパクト。
  2. 前記作用面は、中蓋の枢軸から遠ざかるに従って立ち上がる斜面を有する請求項1に記載の、気密コンパクト。
  3. 前記先端部は、容器本体の斜面に摺動可能に点接触又は線接触する丸みを帯びた突起部を有する請求項1又は2に記載の、気密コンパクト。
  4. 前記先端部は、前記操作片を垂直に押し上げる平坦面を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の、気密コンパクト。
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