以下、本発明の携帯機器の一実施形態としてデジタルカメラ1を取り上げて構成および動作を説明する。
図1は、本発明の携帯機器の一実施形態であるデジタルカメラの外観を示す図である。
図1(a)にはデジタルカメラ1を正面斜め上方から見た斜視図が示されており、図1(b)にはデジタルカメラを背面斜め上方から見た斜視図が示されている。このデジタルカメラ1は内部にあるバッテリ(後述する)からの電力を受けて動作する。
図1(a)に示すデジタルカメラ1の正面中央にはレンズ鏡胴100が備えられていてそのレンズ鏡胴100には撮像光学系10が内蔵されている。またレンズ鏡胴100の右斜め上方には発光窓FL10が備えられており、またカメラボディ1aの上面部にはシャッタボタン11が備えられている。
また図1(b)に示す様に、このデジタルカメラ1の背面には表示画面1201が配備されていてその表示画面1201の横には十字キー13、メニューボタン14、実行ボタン15、取消ボタン16といった操作子群が備えられている。またカメラボディ1a上面のシャッタボタン11側の角部には凹みが設けられていてその凹みにモード設定ダイヤル17が配設されている。
さらに表示画面1201の上方にはビューファインダ18や電源スイッチ19が配備されている。モードダイヤル17が撮影モードにあるときにこの電源スイッチ19がON側に操作されると、図1(b)に示す様に被写体を表すスルー画が表示される。
また、本実施形態のデジタルカメラ1には、デジタルカメラ1の内部に記憶されているデータを外部へ向かって送信する送信部(後述する)が備えられており、その送信部にはカメラボディ1a上面側にある様に内蔵アンテナAnt1,Ant2が距離を隔てて2本配備されている。メニューボタン14と十字キー13の操作により送信モードが選択されたときには後述する送信部によってそれらの内蔵アンテナAnt1,Ant2を介して外部へとこのデジタルカメラ1の内部に記憶されているデータが無線送信される。このときには 表示画面1201上の下方に‘ソウシンモード’という文字が表示され送信モードであることがユーザに通知される様にもなっている。
また、本実施形態のデジタルカメラ1には、上記課題を解決するために上記送信モードにあるときに電源スイッチ19のオフ操作が行なわれたとしてもデータの送信が続行される電源オフ時送信モードというモードが搭載されている。この電源スイッチ19のオフ側への操作に応じて電源オフ時送信モードが起動されると、電源スイッチ19の電源オフ操作が行なわれたとしても送信部(後述する)によるデータの送信だけはデジタルカメラ1内部に装填されているメモリカード(後述する)内の送信されるべきデータ(ここでは画像ファイル)の送信が終了するまでは続行される。以降の説明においては画像ファイルという言葉も本発明にいうデータを表わすものとして使用する。
図2を参照して上記電源オフ時送信モードにおける動作に関与する部分の構成および動作を説明する。
図2は、図1に示すデジタルカメラ1の内部の構成を示すブロック図である。
図2に示す様に、このデジタルカメラ1の動作は統括的にCPU110により制御されている。この例では、システムメモリ(ROM/RAM)111内に格納されているプログラムの手順にしたがってCPU110が処理を実行することによってこのデジタルカメラ1全体の動作が制御される。
また上記送信モード時の動作を実現するために本実施形態のデジタルカメラ1には送信部Txが配備されていてユーザがバックアップ用のデータを作成したいと思ったときにユーザ操作によって上記送信モードが選択されると、その送信部Txによって外部例えば自宅のパーソナルコンピュータへとデータが無線で送信される。その送信部Txは上記CPU110からの指示に基づいて処理を開始するものであって、その実行が終了したときには終了したことを示す信号を電源制御部190(又はCPU110にも)に向けて出力するものであるとして以降説明する。
またその送信モードが選択されて上記送信部Txによりデータが送信されているときに電源スイッチ19のオフ操作が行なわれて上記電源オフ時送信モードに移行したときの動作を可能にするために本実施形態のデジタルカメラ1には電源スイッチ19のオンオフ操作を常時監視することができる様に電源制御部190が備えられている。この電源制御部190の動作もCPU110によって制御されているが、電源スイッチ19のオンオフ操作に応じてはDC/DCコンバータ191および送信部Txの動作をCPU110からの指示なしに直接制御することができるようにもなっている。
このような構成になっていると、電源スイッチ19がオフ側の操作されたときに電源制御部190がDC/DCコンバータ191(以降DC/DCという)の動作を直接制御することができるため、送信部Txを除く各部への電力供給を即座に遮断するとともに送信部Txのデータの送信が終了した後においては、送信部Txから出力された信号により電源オフ時送信モードにおける送信動作が終了したことを認識してDC/DC191から送信部Txへの電力供給を即座に遮断することもできる。さらに電源制御部190は、送信部Txが備える無線制御部Tx2に指示して省電力で送信の動作を行なわせることができるため、送信に要する送信部Txの電力消費が低減されるいう効果を引き出せる。この電源制御部190が本発明にいう電力供給制御部にあたり、無線制御部Tx2が本発明にいう省電力制御部にあたる。また上記電源スイッチ19が本発明にいう電源操作部にあたる。
また本実施形態のデジタルカメラ1においては、電源オフ時送信モードにあるときに送信されたデータを管理するための送信データ管理制御部113が設けられている。この送信データ管理制御部113によって、電源オフ時送信モード時に送信部Txによる画像ファイルの送信が次々と行なわれたときには、各画像ファイルの送信が開始されたことと各画像ファイルの送信が終了したこととが送信履歴として不揮発メモリ112に次々と記録される様になっている。
この様になっていると、再び電源スイッチ19が投入されたときには、CPU110がその不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121に記入されている内容を参照することによって電源オフ時モードによる送信がどの程度行なわれたかがすぐに把握され、LCD120を使って表示により送信結果を通知することができる。
また、再び電源スイッチ19がオン側に操作されたときには、CPU110によって不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121が参照され前回の電源オフ時にバックアップがどの程度実行されたか、例えばある画像ファイル名の画像ファイルまでの送信が終了したことがそのオフ時送信ログ部1121の内容に応じて把握される様になり、CPU110はLCD120を使ってバックアップデータの作成状況をユーザに通知することができる様にもなる。上記送信データ管理制御部113と不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121とが本発明にいう送信完了通知部の一部を構成する。
ここで、本発明の特徴となる構成要素である上記電源制御部190、上記送信部Tx、および上記送信データ管理制御部113の構成および動作を詳細に説明する前に、まず図1に示すデジタルカメラ1の撮影動作を図2を参照して簡単に説明しておく。
図1に示す撮影モードダイヤル17(図2中のスイッチ/LED等172と記載されている要素の中にこの撮影モードダイヤル17が含まれているとする)が撮影モードに切り替えられている状態にあるときに電源スイッチ19がオン側に操作されると、電源制御部190の制御の下にDC/DC191から各部に電力が供給されてCPU110によって撮影処理が開始される。まずCPU110は、電源スイッチのオン側への操作をI/O173を介して受け取って撮像部101に指示して撮像部101が捉えている被写体を所定のタイミングごとに信号処理部102へと出力させる。この撮像部101には、図1に示すレンズ鏡胴10内に内蔵されている撮像光学系とその撮像光学系で被写体像を結像させる撮像素子とが配備されていて、撮影モードにあるときには、その撮像部内の撮像素子で撮像光学系が捉えた被写体を表わす画像信号が生成され、その撮像部101で生成された画像信号が所定のタイミングごとに繰り返し信号処理部102へと出力される。なお、このときには撮像部101が備える撮像素子の全画素信号が出力される訳ではなく所定のフレームレートになる様に画素が間引かれて出力される。
後段の信号処理部102では間引かれて出力された画像信号がYC信号へ変換されたり、LCD120のγ特性に応じたガンマ補正処理などが行なわれて次段のA/D部103へ画像信号が供給される。さらにこのA/D部103でアナログの画像信号からデジタル信号の画像信号に変換されてデジタルの画像信号がバスBusを経由してフレームメモリ104へ供給される。上記した様に画像信号が信号処理部102へと繰り返し出力されているので、そのフレームメモリ104内の画像信号は所定のタイミングごとに書き換えられることになる。このためそのフレームメモリ104内の画像信号に基づく画像がLCD制御部105の制御の下にLCD120の表示画面1201上に所定のタイミングごとに切り替えられて表示され、あたかも撮像部101が捉えている被写体がそのままスルーされて表示されているかの様になる。以降の説明においては、この画像をスルー画という。
このスルー画がLCD120の表示画面1201上に表示されている最中にシャッタボタン11が押されると、スルー画の処理に代わって今度はCPU110の制御の下にシャッタボタン11の全押しタイミングを起点として撮影処理が開始される。
CPU110は、まず、撮像部101にシャッタボタン11の押下に同期したタイミングで露光を開始させ、所定のシャッタ秒時を経た後、今度は露光を終了させ、その露光を終了させるのと同時に撮像部101から信号処理部102へと画像信号を出力させる。信号処理部102では撮像部から出力されてきた画像信号の信号処理が行なわれ、信号処理部102で信号処理が行なわれた画像信号がバスbusを介して圧縮/伸張部106へ供給される。その圧縮/伸張部106では画像信号の圧縮が行なわれ圧縮が行なわれた画像信号が圧縮情報とともにカードI/F107に供給される。そのカードI/F107によってメモリカードスロット108内に装填されているメモリカード200に画像信号と圧縮情報とからなる画像ファイルが記録される。なお、LCD120の表示画面1201上に図1に示す日時や‘サツエイモード’やソウシンモード‘という文字などを表示することができる様に時計部CALやOSD(On Screen Display)1051なども配備されている。さらにユーザに対して通知を行なうための音声再生用のスピーカSPや被写界が暗いときに図1に示す発光窓FL10から閃光を発光するための発光制御部FL0および発光部FL1なども配備されている。
図1に示すデジタルカメラ1では、以上の様な撮影処理が行なわれる。
ここで、本実施形態のデジタルカメラ1に搭載されている電源オフ時送信モードにおける動作およびその動作に関与する部分の構成を説明する。
まず図2に示すデジタルカメラ1には、外部へのデータの送信を行なうための送信部Txが備えられている。その送信部Txには、無線I/FTx1とその無線I/FTx1の動作を制御する無線制御部Tx2と図1にも示した2つのアンテナAnt1,Ant2とが備えられている。上記送信モードが選択された状態にあるときにはメモリカード200内の送信されるべき画像ファイルがその送信部Txによって外部へと送信される。
また本実施形態のデジタルカメラ1には、メモリカード200内のいくつかの画像ファイルが順次に送信されている途中で電源スイッチ19がオフ側に操作されても送信されるべき画像ファイルが残らず送信される様にするために前述した様に上記電源オフ時送信モードが搭載されている。この電源オフ時送信モードは、送信モードによる送信が行なわれているときに電源スイッチ19がオフ側に操作されたことを受けて起動されるモードであって、このモードが起動されると送信されるべき画像ファイルが順次に送信されている途中で電源スイッチ19がオフ側に操作されたとしてもデータの送信が続行され画像ファイルが最後まで送信される。また、このオフ時送信モードが起動されているときには、電源スイッチ19のオフ操作が行なわれた後であるので、デジタルカメラ1全体および送信部Txが電源制御部190からの指示を受けた無線制御部Tx2に制御されることにより省電力モードに移行してから送信処理が実行される様になっている。
このため、その電源オフ時送信モードにあるときに送信されるべき画像ファイルの送信を最後まで行なう上記送信部Txには、電源オフ時送信モードにあるときに、受信感度を維持しつつ省電力を行なう無線制御部Tx2が備えられている。その無線制御部Tx2には、通信相手先探索のためのプローブ信号の送受信間隔を広げることにより省電力を行なう機能や通信に使用する周波数を限定することにより、省電力を行なう機能等が備えられている。前述した様にこの無線制御部Tx2が本発明にいう省電力制御部に該当する。なお上記無線制御部Tx2には、電源スイッチ19がオン側に操作されているときにCPU110の動作を定めるクロック周波数が無線I/Fの使用周波数帯域内に入ってしまうような場合に無線I/FTx1の動作を制限する機能制限の機能等も備えられている。
また、本実施形態においてはその送信部Txの省電力を行なう機能だけではなくデジタルカメラ1全体の省電力を行なうために上記電源制御部190が備えられている。
この電源制御部190は、前述した様に本発明にいう電力供給制御部に該当するものであって、電源スイッチ19の電源オンの操作に応じて、このデジタルカメラ1の、電力供給を受けて動作する送信部Txを含む各部に電力を供給するとともに、電源スイッチ19の電源オフの操作に応じて各部への電力の供給を遮断するものである。
ここからはこの電力制御部190の動作と、送信部Txが備える無線制御部Tx2の動作を詳細に説明していく。
この例では、図2に示す電源制御部190とDC/DC191にはバッテリBtからの電力が常に供給され電源スイッチ19の操作状況が常時監視されている。その電源制御部190が、その電源スイッチ19のオン側への操作を検知したときにはDC/DC191を通してバッテリBtからの電力を各部に供給させている。本実施形態では、バッテリBtからの電力がCPU110にも供給されたときにCPU110がシステムメモリ111内のプログラムにしたがってこのデジタルカメラ1の動作の制御を開始する。
本発明にいう電力供給制御部にあたる電源制御部190には、電源投入制御機能と省電力制御機能との2つの機能が備えられており、電源投入機能によっては電源スイッチ19のオンオフ操作に応じてDC/DC191の動作が制御され、省電力制御機能によっては電源スイッチ19のオフ操作に応じてはそのDC/DC191から送信部Tx(後述するが場合によっては送信部に加えてLCD制御部105やLCD120やOSD1051)を除く各部への電力供給の遮断が制御されるとともに送信部Txの動作が省電力モードになる様に制御される。
この送信部Txには図1に示したアンテナAnt1,Ant2を介して外部へと画像ファイルなどのデータを送信するための無線I/FTx1が配備されており、上記電源オフ時送信モードに移行したときには上記電源制御部190からの指示により無線制御部Tx2によってその無線I/FTx1の動作が省電力モードに切り替えられる。その無線制御部Tx2には、省電力を行なうためにプローブ間隔制御機能や帯域制限機能などの機能が搭載されている。
こうしておくと送信モードにあるときに電源スイッチ19がオフ側に操作されても送信が行なわれているときには送信が続行されるため、メモリカード200内に在る画像ファイルが例えば送信先側にあるパーソナルコンピュータ内の記録部に確実に記録されるという効果が得られる。また、電源スイッチ19のオフ操作後にあっては電源制御部190がDC/DC191を制御してデジタルカメラ1全体を省電力モードにし、さらに送信部Txを省電力モードにしてから画像ファイルの送信が行なわれるため、バッテリBtの消耗が抑制されるという効果も得られる。
ここで、図3を参照してCPU110および電源制御部190が行なう電源オフ時送信モードにおける処理の手順を説明する。
図3は、CPU110および電源制御部190が行なう電源オフ時送信モードにおける処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS301にある様に主電源オフ操作つまり電源スイッチ19(図1参照)がオフ側に操作されたときにこのフローの処理は開始される。
ステップS302でCPU110が送信モードであるかどうかを判定する。ステップS302でCPU110が送信モードではないと判定したらNo側へ進んでCPU110からの指示に応じて電源制御部190が電源オフ処理まりDC/DC191からの電力供給を遮断してこのフローの処理を終了する。
ステップS302でCPU110が送信モードであると判定したらYes側へ進んでメモリカードI/F107を介してメモリカード200内に未送信データがあるかどうかを判定する。
このステップS303で未送信データがないと判定したら、No側へ進んでステップS319で電源オフ処理を行なってこのフローの処理を終了する。
ステップS303で未送信データがあると判定したらYes側へ進んでステップS304で電源オフ時送信モードへ移行する。次のステップS305へ進んでステップS305で電源オフ時送信モードへの移行設定がユーザ操作によりどのように設定されているかを判定する。なお本実施形態においては操作により4つの異なる移行設定が行なわれる様になっている。このため図3には判定ステップS305の下方に並べて4つの移行設定それぞれの設定内容が示されていて、これら4つの設定内容のうちのいずれかが予めユーザによって選択されているとして以降説明する。
例えば、ステップS305で常に電源オフ時送信モードへ移行すると設定されていると判定した場合にはステップS306を経由してステップS314へ進んでステップS314で電源オフ時モードへ移行するとしてステップS315からステップS319の処理を順番に実行する。
ステップS315では、CPU110は送信データ管理制御部113に指示してオフ時送信ログの記入を行なわせる準備を整えさせ、さらに次のステップS316では電力制御部190が送信部Tx内の無線制御部Tx2の設定を省電力モードに変更する。次のステップS317では、電力制御部190がDC/DC191からの送信部Txを除く各部への電力供給を遮断する。ステップS318では電源制御部190が、ステップS316で設定した省電力モードで送信を続行させて送信が終了したことを検知したら次のステップS319へ進んでステップS319で送信部Txへの電力供給を遮断する電源オフ処理を行なってこのフローの処理を終了する。
またステップS305で電源オフ時送信モードへの移行を通知によりユーザ操作により選択させる設定が行なわれていた場合には、ステップS307またはステップS308を経由してステップS310でCPU110がOSD1051(図2参照)を介してLCD制御部105に指示してそのLCD制御部105に電源オフ時送信モードへ移行するかどうかの通知をLCD120の表示画面1201上の表示により行なわせるとともに、スピーカユニットSPに指示して音などにより電源オフ時送信モードへ移行するという通知を行なわせる。次のステップS311又はS312へ進んでユーザ操作により移行するが選択されたと判定したら、ステップS314へ進んでステップS314からステップS319の処理を行なってこのフローの処理を終了する。
また、ステップS311又はステップS312で‘移行しない’が設定されていると判定したらステップS313へ進んで電源オフ時送信モードへは移行せずにステップ319で各部への電力供給を遮断する電源オフ処理を行なってこのフローの処理を終了する。なお、本フロー中にはユーザ操作に対して実行される処理があるため、ユーザによって操作が行なわれないときにこのフローの処理が滞ることがない様にステップS311とステップS312ではタイムアウト処理が行なわれる様になっている。
以上説明した様にCPU110と電源制御部190によって電源オフ時送信モードにおける処理が実行される。
ここで、図3のフローではユーザ操作によって設定が行なわれた後の処理の手順が示されているため少々分かり難いので、ユーザによる設定操作を図4、図5を参照して説明する。
図4は、図3に示すステップS306、ステップS307、ステップS308、ステップS309の4つの異なる移行設定のうちのいずれかをユーザが設定しようとするときに表示される画面を示す図である。また図5は、図4に示す様に電源オフ時動作が‘確認(送信)’に設定された後、操作により送信モードが選択されデータの送信が行なわれているときに表示画面上に表示される画面の切り替わり状態を説明する図である。図4に示す‘確認(送信)’が設定されているときには、図3のステップS308又はステップS309の処理が行われる。なお図3に示してあるステップS308とステップS309の処理は同じ処理内容であり、リセットされた状態にあるときの設定状態が‘移行する’側にあるか、‘移行しない’側にあるかが異なるだけである。どちらにおいても‘移行する’側または‘移行しない’側が操作により選択されたら同じ処理が行なわれる。
まず図4を参照してユーザ操作により設定される設定の内容を説明する。
図4に示す様に本実施形態のデジタルカメラにおいては、メニューボタン14が押されるとまず図4(a)に示す‘Setup’メニューが表示される。この‘Setup’メニュー中に‘通信設定’という項目があってその項目が十字キー13と実行キー15の操作により選択されると図4(b)に示す画面に切り替わって、Setup通信設定メニューが表示される。
図4(b)に示す通信設定メニューの中には図1に示すデジタルカメラ1を無線LANに組み込むときの設定やネットワークに組み込むときの設定やサーバ設定などに関する設定項目があり、さらに電源オフ時送信モードにおける移行設定に関する項目(図4(b)には電源オフ時動作と記載されている)もある。
図4には、その電源オフ時送信モードが‘確認(送信)’に設定された後の表示内容が示されている。また、どのような通知を行なうかの設定項目もあり、ここでは音による通知を行なうことが設定された後の表示内容が示されている。
このような設定が行なわれた後、図3に示すフローにしたがって処理が実行されると、図5に示す様に画面が次々と切り替えられて表示される。
図5にはモードダイヤル17が再生モードに切り替えられた状態にあって表示画面1201上にメモリカード内にある一画像ファイル中の画像データに基づく画像が再生表示されている最中に、メニューボタン14や十字キー13の操作により送信モードが選択され送信が開始されてから電源スイッチ19がオフ操作され電源オフ時送信モードに移行したときの表示画面上の画面の切り替わり状態が示されている。
図5(a)に示す再生画像が表示されているときにメニューボタン14が操作されると図5(b)に示す様に再生画像に重ねてすべての画像ファイルを送信するかいずれかを選択するか等を示す選択項目が複数表示される。それらの選択項目のうちのいずれか例えば‘選ぶ’が十字キー13の操作等により選択されたら、内部のCPU110は送信データ管理制御部113とメモリカードI/F107に指示してメモリカード200内にある画像ファイルのうち選択された画像ファイルを送信する準備を整えさせる。さらに内部のCPU110はOSD1051を介してLCD制御部105に画面を切り替える様に指示して図5(c)に示す画面に切り替えさせる。この画面で十字キー13の操作により‘送信する’が選択されたら、CPU110はメモリカードI/F107に指示するとともにOSD1051を介してLCD制御部105に指示して、送信されるべきすべての画像ファイル内の各画像データに基づく画像すべてを図5(d)に示すマルチ画面形式で表示画面1201上に表示させる。
さらにCPU110は、OSD1051に指示して、選択された画像が11コマあることを‘11コマ送信します’の表示によりユーザに通知させて選択項目の中の‘送信開始’が十字キー13および実行キー15の操作により選択されたら、送信部Txに画像ファイルの送信を開始させる。送信部Txに送信を開始させたら、カードI/F107から送信部Txに転送した画像ファイルの個数に応じてOSD1051に指示してバーグラフの中身を塗り潰させることにより送信処理の進捗状況をユーザに通知させる。例えばユーザがそのバーグラフを見てまだ送信に時間がかかりそうなので電源スイッチ19をオフ側に操作したときにはその操作を受けてCPU110がOSD1051を介してLCD制御部105に指示してLCD120の表示画面1201上の表示を図5(f)の表示画面に切り替えさせる。ここから図3に示すフローの処理が開始される。
この例では、図4(b)で説明した様に‘確認(送信)’が選択されているので、電源スイッチ19のオフ操作を受けて図3に示すステップS310の処理が行なわれて図5(e)に示す画面が図5(f)に示す画面に切り替わる。
その図5(f)に示す画面が表示されているときにその画面内の‘続ける’が十字キーの操作等により選択されたら、図3に示すステップS310の処理が行なわれて図5(g)の画面に切り替わる。
この図5(g)に示す画面により電源オフ時送信モードに移行したことをユーザに通知して送信部Txに送信を続行させる。上記表示が行なわれているときには図3に示すステップS315〜とステップS318の処理が行なわれ、送信部Txによるデータの送信が終了したら、電源制御部190は、DC/DC191に指示してCPU110と電源制御部190とを除く各部への電力供給を遮断させて図5(h)に示す様にLCD120の表示画面1201を消灯させて完全に電源オフ状態にする。
なお本実施形態ではメモリカード200内にある画像ファイルの中からバックアップを作成したい画像ファイルを選択して選択した画像ファイルのみを送信しているが、メモリカード200内にある画像ファイル(未送信ファイル)すべてを送信する様にしておいても良い。この表示画面1201上の表示処理を行なうCPU110とLCD制御部105とLCD120とOSD1051とが本発明にいう状態移行通知部にあたり、また送信完了通知部にもあたる。
以上、説明したように、データを送信する送信機能を備えた携帯機器において、無駄な電力の消費が抑制されるとともに、ユーザに意識させずにバックアップ用のデータが確実に作成される携帯機器が実現する。
図6〜図7は、第2の実施形態を説明する図である。
図6は、CPU110と電源制御部190とが行なう電源オフ時送信モードにおける処理の手順を示すフローチャートである。図7は、図6に示す処理手順で処理が行なわれたときにLCD120が備える表示画面1201上に表示される画面を説明する図である。
この第2の実施形態においても図1、図2に示したデジタルカメラ1で処理が行なわれる例が示されており、図6に示す様に第1の実施形態で説明した図3の処理とは異なる処理をCPU110と電源制御部190とが実行する。この図6の例では送信モードが設定されていなくても未送信データがメモリカード200内にあったときには電源オフ時送信モードへ自動的に移行する様に改良されている。
図6に示すステップS320が付加されそのステップS320でYesと判定された場合の処理としてステップS314〜S318までの処理が追加されている以外の処理は図3の処理と全く同じであるので、その追加された部分のみを抜き出して説明する。
ステップS302で送信モードが選択されていないと判定したらステップS320へ進みステップS320で未送信データがあるかどうかを判定する。このステップS320で未送信データがあると判定したらステップS321へ進んで図3のステップS314からステップS318までの処理を行なう。ただしステップS318の処理が継続ではなくステップS318Aの様に送信開始に変更されている。
こうしておくと、電源オフ時に未送信データがあれば、ユーザには気が付かれない様にして送信データが自動的に送信される。
図7は、図6に示すフローの手順にしたがって本発明にいう状態移行通知部にあたるとともに送信完了通知部にもあたるCPU110と電源制御部190とLCD制御部105とOSD1051とLCD120が処理を実行したときの処理内容を説明する図である。図7には、処理経過に応じて表示画面1201上に表示される画面が次々と切り替えられていく状態が示されている。
図7(a)に再生画像が表示されているときにメニューボタン14が操作されると図7(b)に示す様に再生画像の上に選んで画像ファイルを送信するか全コマを送信するかなどの選択項目が複数表示される。それらの選択項目のうちのいずれか例えば‘選ぶ’が十字キー13の操作により選択されたら、内部のCPU110は送信データ管理制御部113に指示してメモリカード200内にある画像ファイルのうち選択された画像ファイルを送信する準備を整えさせる。さらに内部のCPU110はLCD制御部105に画面を切り替える様に指示して図7(c)に示す画面に切り替えさせる。ここで十字キー13の操作により‘送信予約する’が選択されたら、CPU110はLCD制御部105に指示して、選択された画像ファイル中の各画像データに基づく画像を図7(d)に示すマルチ画面形式で表示画面1201上に表示させる。さらにOSD1051に指示してOSD1051に‘11コマ送信予約しますか? 送信予約 やめる’という文字列を表示させる。ここで‘送信予約’が十字キー13および実行キー15の操作により選択されたら、送信予約が行なわれる。
その後、電源スイッチ19(図1参照)がオフ側に操作されたことを受けてCPU110がLCD制御部105とOSD1051に指示して、表示画面1201上に、送信予約された画像が11枚あります。送信しますか? 送信する 送信しない‘の文字列を囲み枠からなるカーソルとともに表示させる。ここで‘送信する’が十字キー13と実行キー15の操作により選択されたら、CPU110と電源制御部190は通常モードから電源オフ時送信モードへ移行するとともに電源オフ時送信モードへ移行したことをユーザに通知するためにLCD制御部105とOSD1051に指示して図7(f)に示す様に‘電源オフで送信予約画像11枚の送信を行ないます’という文字列を表示させる。さらに送信部Tx(図2参照)によるデータの送信が終了したらCPU110と電源制御部190により電源オフ処理が行なわれてLCD制御部105とLCD120などへの電力供給を遮断することにより図7(g)に示す様に表示画面を消してデータの送信が終了したことを通知する。
なお、ここでは電源スイッチ19がオフされた後においても送信部TxとメモリカードI/F107と送信データ管理制御部113にはバッテリBtからの電力が供給され続けていてこのフローの処理がステップS319に移行したときにそれらの部分の電源オフ処理が行なわれる。
この第2の実施形態の構成にしておくと、送信されるべき画像ファイルが未送信であった場合には電源スイッチ19のオフ操作を受けて画像ファイルが送信されるため、ユーザが知らない間に自宅のパーソナルコンピュータ内の記憶部にバックアップ用の画像ファイルが記録される様になる。さらに画像ファイルの送信が終了した後においては、電源オフ処理が行なわれるため、無駄に電力が消費される心配もない。
以上説明した様に、データを送信する送信機能を備えた携帯機器において、無駄な電力の消費が抑制されるとともに、ユーザに意識させずにバックアップ用のデータが確実に作成される携帯機器が実現する。
ここからは第1の実施形態のデジタルカメラ、第2の実施形態のデジタルカメラが有する本発明に関連のある機能を個別に説明していく。
まず、本発明にいう状態移行通知部の機能と、送信完了通知部の機能を説明する。
前述した様にこれらの機能をCPU110とLCD制御部105とOSD1051とLCD120とで構成される。
電源オフ送信モードが起動したときには、電源スイッチ19がオフ操作された後にデータの送信が行なわれるためユーザにはデータの送信の送信状態が全く分からない。そこで、第1の実施形態、また第2の実施形態のデジタルカメラには、電源オフ時送信モードへ移行したとき、また送信部Txによるデータの送信が完了したときにユーザに向けて通知を行なう通知機能が配備されている。
第1実施形態、第2実施形態とも、LCD120が備える表示画面1201上に表示することによりユーザに向けて電源オフ時送信モードへの移行を通知することに加えて、音や振動や光で通知することができる様にもなっている。
このため図2に示す様に音で通知するためのスピーカユニットSPや振動で通知するためのバイブレータユニットVRが配備されている。さらに閃光を発光する閃光発光制御部FL0と発光部とを利用して光によりユーザに向けて通知を行なうことができる様にもしてある。この例では、図4(b)の最後の行に示されている‘送信完了時動作’の設定状態に応じてCPU110がスピーカユニットSPやバイブレータユニットVRや閃光発光部FL0などを制御して音、振動、光のいずれかでユーザに送信の終了を通知することができる様になっている。
図8は、CPU110が行なう電源オフ時送信モードの完了通知処理の手順を示すフローチャートである。
図8には、図3に示すステップS319の処理の詳細が示されている。このフローの処理が行なわれるときには図4(b)の最後の行に示されている‘送信完了時動作’の設定内容に応じた処理が行なわれる。図4(b)では‘音通知’が設定されているので音が設定されているとして以降説明する。
図8を参照して処理の手順を説明する。
ステップS318で送信が完了してステップS319へ移行したらこのフローの処理が開始される。
ステップS3191で‘音で通知する’が設定されていると判定したら音側へ進んでステップS31921で音で通知することをスピーカユニットSPに指示して、ステップS31931でスピーカユニットSPに音で送信の完了をユーザに通知させる。ステップS3194で、データ送信管理制御部113に、送信した画像ファイルのファイル名を不揮発メモリに記録させ、次のステップS3195で完全電源オフ処理を行なってこのフローの処理を終了する。
またステップS3191で、操作により‘振動で通知する’が設定されていると判定した場合には、振動側(ステップS31922)へ進んでステップS31932でバイブレータVRを振動させてステップS3194からステップS3195の処理を行なってこのフローの処理を終了する。
またステップS3191で、操作により‘光で通知する’が設定されていると判定した場合には、光側(ステップS31923)へ進んで発光制御部FL0に発光部FL1を制御させることにより光を発光させて(ステップS31933)ステップS3194からステップS3195の処理を行なってこのフローの処理を終了する。
さらにステップS3191で何も設定されていないと判定した場合には、ステップS31921、ステップS31923をスキップしてステップS3194で、送信データ管理制御部113に、送信した画像ファイルのファイル名を不揮発メモリ112に記録させ、次のステップS3195で完全電源オフ処理を行なってこのフローの処理を終了する。
図9は、CPU110と電源制御部190とOSD1051とLCD制御部105とLCD120とで構成される状態移行通知部の処理を説明する図である。
図9には、図4(b)に示す‘電源オフ時動作’つまり電源オフ時送信モードへの移行設定がユーザ操作によりどのように設定されているかによって表示画面がどのように切り替わっていくかが示されている。またこの図9に示されている各画面は、ステップS306、あるいはステップS307、あるいはステップS308、あるいはステップS309の処理が設定内容に応じて行なわれたときの画面がそれぞれ示されている。
ここでは説明を分かり易くするために図5で説明したときと同じ設定状態つまり図4(b)に示す電源オフ時動作の欄が‘送信(確認)と設定されていたとしてまず説明する。
図4(b)に示す電源オフ時動作の設定が、‘送信する(確認)’となっていた場合には、図5で説明した様に電源スイッチ19のオフ操作を受けて図9(a)に示す画面が図9(b)に示す画面にまず切り替わる。この表示画面上で‘続ける’が十字キー13の操作等により選択された場合には、図9(d)(図5(g)参照)、さらに図9(e)(図5(h)参照)という風に画面が切り替わっていく。また、図9(b)に示す画面上で‘終了する’が十字キーの操作等により選択されたら、図9(e)の画面にすぐに切り替わる。
また、前述した様にステップS307とステップS308の処理は、デフォルトの設定に違いある以外、同じ処理が行なわれる。この図9には、その違いがカーソル(囲み枠)の位置によって明確に示されている。もしもデフォルトの設定が図9(c)に示す設定であった場合には、電源スイッチ19のオフ操作を受けて図9(a)に示す画面が図9(c)に画面に切り替わる。
図9(b)、または図9(c)に示す画面上で‘終了する’が選択されたら図9(e)の画面に切り替わり、図9(b)または図9(c)に示す画面上で‘続ける’が十字キー13の操作等によって選択されたら図9(d)、さらに図9(e)の画面に順に切り替わる。
また、図4(b)に示す電源オフ時動作が、例えば‘確認なし(常時送信)’になっていたら、図9(a)からすぐに図9(d)の画面に切り替わってデータの送信が行なわれて送信が終了したら図9(e)の画面に切り替わる。
さらに図4(b)に示す電源オフ時動作が、例えば‘送信しない’になっていたら、無条件に図9(e)に示す画面に切り替わる。
このように本発明にいう状態移行通知部と送信完了通知部の機能を活用してユーザ操作によりユーザに向けていろいろな通知を行なうことができるようにしておくとこのデジタルカメラの使い勝手がより一層向上する。
ここで本実施形態のデジタルカメラでは、電源オフ時送信モードによりデータの送信がユーザの知らないうちに行なわれるので、データの送信状態を管理するために前述した様に送信データ管理制御部113が設けられている。
その送信管理制御部によってどのような管理が行なわれるかを説明する。
図10は、図3に示すステップS315の処理の詳細を説明する図である。
ステップS315の処理は、CPU110および電源制御部190が、送信データ管理制御部113に指示して送信した画像ファイル名を送信履歴として不揮発性メモリ112内の送信ログ部1121に記入させる処理である。なお、図10には、説明のために履歴が記入されている帳票が示されているので、ここでは書き込むや記録するという言葉の代わりに履歴表に記入するという意味合いを含めて‘記入する’という言葉を用いて以降説明する。
図10を参照してCPU110が送信データ管理制御部113に行なわせる不揮発メモリ112内の送信ログ部1121への記入処理を説明する。
ステップS314で電源オフ時送信モードへの移行が決定したら、まずステップS31501で送信データ管理制御部113に何個(図10では4つになっている)の画像ファイルを送信させるかを示す移行ログを不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121に記入させる。次のステップS31502で送信部Txに例えば自宅のパーソナルコンピュータへ向けて画像ファイルの送信を行なわせ、送信部Txの送信が終了したことを送信部Txから発行される完了通知により認識して送信データ管理制御部113に指示して不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121に送信の完了と次に送信されるべき新たな画像ファイルの送信処理へ移行するという移行ログを記入させる。
このステップS31502からステップS31503の処理は、CPU110と電源制御部190が、送信すべき4つの画像ファイルFile0001.jpeg、File0002、File0005、File0007.jpegについて送信データ管理制御部113に繰り返し行なわせる処理であって、それぞれの画像ファイルについて最初の画像ファイルFile0001.jpegのときと同じ様に送信データ管理制御部113に指示して送信データ管理制御部113に不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121に送信完了ログをそれぞれ記入させている。
そしてステップS31504で最後の画像ファイルFile0007.jpegまで画像ファイルの送信が完了してステップS31505で送信ログを送信データ管理制御部113に記入させたらステップS31506で送信完了処理を行なって次のステップS31507で送信完了ログとして送信データ管理制御部に指示して正常に終了したということを示す‘completed’という文字列を不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121に記入させる。
ステップS31508へ進んでステップS31508で電源制御部190がDC/DC191に指示して各部への電力供給を遮断させる完全電源オフ処理を行なう。ここで一旦処理が中断する。
またこの例では、ステップS31501からステップS31506までの処理を送信部Txに行なわせているときには、送信部Txに開始指示を与えるだけで後は送信部Txが勝手に送信を行なうことになるので、その間にCPU110と電源制御部190がバッテリBtの状態を監視してステップS31520〜ステップS31524までの処理でバッテリ廻りに異常があった場合には送信が完了していなくても未完の状態でDC/DC191に指示して電源オフ処理を行なわせている。このため、フローには送信処理と平行してステップS31520からステップS31524までの処理が行なわれていることが示されている。そのステップS31520でバッテリチェックが行なわれてバッテリBtの電圧が低下してることを検知したときにはステップS31521で未完ログとして‘Low Battery’という文字列を電源オフ時送信ログ部1121に記入させ電源オフ処理を行なって一旦処理を中断する。また、ステップS31523で突然バッテリが外された等の異常が発生したときには、電源オフ処理を行なうことなく異常終了のまま処理を中断する。
ここで電源スイッチ19が再びオン側に操作されたら(ステップS31530)、送信部Txが動作中であるかどうかをチェックする(ステップS31531)。このステップS31531で何らかの理由により送信部Txが画像ファイルの送信を行なっていると判定したらYes側へ進んでステップS31532で‘電源オフ時送信は完了していませんが続けますか’という問い合わせを表示画面1201上に表示させる。なおこのステップS31532で実行キーあるいは取消キーのいずれかが操作されたらその操作に応じた処理が実行され、以降撮影処理もしくは再生処理が実行される。
このステップS31531で送信部Txの電源オフ処理が正常に行なわれていて動作中ではないと判定したらNo側へ進んでステップS31533で不揮発性メモリ112内のオフ時送信ログ部1121を参照してログが記入されているかいないかの検査(ログ検査)を行なう。
ステップS31534へ進んで一つもログが記録されておらずログ無しと判定したらYes側へ進んでステップS31535で電源オフ時送信は選択されていないとして通常通り撮影モードまたは再生モードを起動する。
ステップS31534でログが記録されていると判定したらNo側へ進んでステップS31536で‘completed’という文字列が記入されているかどうかを判定する。このステップS31536で‘completed’という文字列が記入されていると判定したらYes側へ進んでステップS31537で表示画面上に‘電源オフ時送信は成功しました’を表示させてこのフローの処理を終了する。
上記ステップS31536で‘completted’という文字列がないと判定したらNo側へ進んでステップS31538で ‘未完ログ’(ステップS31521参照)が記入されているかどうかを判定して‘未完ログ’があると判定したらYes側へ進んでステップS31539で‘電源オフ時送信は××の理由で中断しました。再開しますか?’を表示させてこのフローの処理を終了する。
ステップS31538で‘未完ログ’がないと判定したらNo側へ進んでステップS31540で原因不明の異常終了が起きたとして電源オフ時送信は‘原因不明の異常終了で中断しました’を表示させてこのフローの処理を終了する。
このフローの処理に関与するCPU110と電源制御部190とLCD制御部105とLCD120とOSD1051と送信データ管理制御部113と不揮発性メモリ112とが本発明にいう送信結果通知部にあたる。
この様に本発明にいう送信結果通知部が配備されていると、送信部Txに行なわせた送信が正常に終了したか、異常終了したかがすぐに分かる様になるので、ユーザに対して有効な情報を提供することができる様になる。
図11、図12は、送信部Txが備える無線制御部Tx2が電源オフ時に行なう省電力モードによる送信処理を説明する図である。前述した様に上記無線制御部Tx2が電源スイッチ19の電源オフの操作後に送信部Txによるデータ送信を行なう電源オフ時送信モードにあるときに、受信感度を維持しつつ省電力を行なう省電力制御部にあたる。
図11を参照して無線制御部Tx2がどのように省電力を達成するかを説明する。
図11(a)には、電源スイッチ19がオン側に操作され通常の動作状態にあるときに操作により送信モードが選択され送信が行なわれているときのこのデジタルカメラ1の電力消費の変化状態が示されている。このように電源スイッチ19がオン側に操作され通常の動作状態にあるときにはアンテナを送信する方角に向けて相手先を送受信により確認した上でデータの送信が行なわれている。
ここで電源スイッチ19がオフ側に操作されると、電源制御部(とCPU110)を含む各回路がスリープモードになる。このスリープモードにあるときには消費電力が低減されるので、このスリープモードになるだけで電力消費が効果的に低減される。
上記第1の実施形態においては、電源スイッチ19がオフ操作されたときに電源オフ時送信モードに移行して送信が続行されるが、デジタルカメラはユーザが持ち歩くものであるため、場合によっては送信を行なうことができない場所に行ってしまうことがある。そのときには、相手先との間で通信を確立するために探索用のプローブ信号の送信が必要になる。
また上記第2の実施形態においては、電源スイッチ19がオフ操作されたときにデータの送信が開始されたるため、必ず送信先を探索するためにプローブ信号の送信が必要になる。
そこで、電源制御部190が送信部Txに指示して電源オフ時送信モードに移行したときにはそのプローブ信号の送信間隔を変えることにより電力消費の低減を図ろうとしている。
図11(b)には、いままでの省電力制御機能によりプローブ信号の送信間隔が調整されたときの状態が示されている。
本実施形態では、電源スイッチ19のオフ操作に応じてそのプローブ信号の送信の間隔を図11(b)の状態よりも更に拡げることによりさらなる電力消費の低減を図ろうとしている。
図11(c)、図11(d)には、本発明にいう省電力制御部にあたる無線制御部Tx0が、電源スイッチ19の電源オフの操作後に送信部Txによるデータ送信を行なう電源オフ時送信モードにあるときに、受信感度を維持しつつ省電力を行なったときに図11(a)と比べてどの程度電力消費が抑制されるかが示されている。
図11(c)、図11(d)には、無線制御部Tx2が通信相手先探索のためのプローブ信号の送受信間隔を広げることにより省電力の効果が大きくなることが示されている。
本実施形態の送信部Txには2つの省電力モードが搭載されており、図11(c)には、省電力モード1におけるプローブ信号の送信間隔が示されており、図11(d)には、省電力モード2におけるプローブ信号の送信間隔が示されている。図11(d)には送信間隔を省電力モード1よりも拡げた分、時間に対する平均電力が低減されることを考えてプローブ信号のパワーを上げた状態が示されている。
このように送受信間隔を広げれば広げる程、時間に対する平均的な電力消費が低減されるというメリットが得られる。また送信の探索が行なわれる周期を長くしたとしてもこのデジタルカメラを持って例えば自宅に近づいていったときにはどこかで通信経路が確実に確立されることになるため、あまり極端に長くしない限り問題は起こらない。
また、無線I/FTx1の種類によっては、プローブ信号の送受信間隔を広げる代わりに通信に使用する周波数を限定することにより、省電力を行なうこともできる。
図12は、周波数を限定することにより省電力を行なう場合を説明する図である。
図12(a)に示す様に複数の使用バンド(周波数帯域)BandA〜BandEを持っているような場合には、電源オフ時送信モード時には図12(b)に示す様にいずれか一つのバンド(たとえばBandA)を用いてプローブ信号の送信を行なう様にすると省電力が好適に行なわれる。
図1に示すデジタルカメラでは、アンテナが内蔵されているが、外部に突出する様なアンテナであると指向性を持たせやすい。しかしデジタルカメラは、持ち歩くものであるため、電源オフ時にアンテナがボディから突出したままになるとアンテナが壊れ易い。
上記デジタルカメラにアンテナを配備する場合には、送信部が備えるアンテナが電源スイッチがオン側に操作されているときには、ユーザにより自在にいろいろな方角に向けることができるので指向性を持つものであった方が良く、電源オフ時送信モードへ移行した後においては、あらゆる方向に向けて送信が行なわれる様に無指向性をもつものであった方が良い。そこで電源オン時と電源オフ時とでアンテナの指向性を変えることを自在に行うアンテナ駆動部を配備することが考えられる。
図13、図14は、デジタルカメラ1Aがアンテナ駆動部109を備えた場合の例を説明する図である。
図13には、図2の構成に加えてアンテナ駆動部109が追加された例が示されている。
また図14には、そのアンテナ駆動部109によって駆動されるアンテナ10Aの例が示されている。図14に示すアンテナ10Aは、このデジタルカメラ1Aの筐体1AAからの突出量の少ない第1の位置とその筐体1AAからの突出量の大きい第2の位置との間で移動自在なものであって、電源スイッチ19の電源オフの操作後に送信部TxAによるデータ送信を行なう電源オフ時送信モードへの移行を受けて上記アンテナ駆動部109がアンテナ10Aを第1の位置へ動かす構成になっている。ここでは電源制御部190がアンテナ駆動部109に駆動指示を与えて電源オフ時モードに移行したときにアンテナ10Aを筐体1AAに一体的に組み込む(つまり第1の位置に駆動される)様にしている。
こうしておくと、電源スイッチ19がオフ側に操作された後においてはアンテナ10Aが筐体1AAと一体的になるのでこのデジタルカメラ1Aを持ち歩くときにアンテナが壊れる危険性が低減される。また、電源スイッチ19がオン側に操作された後においては、上記アンテナ駆動部によってアンテナ10Aが上記第2の位置に駆動され突出した状態になるので例えば筐体1AAを反射板として作用させることでアンテナ10Aの指向性を、アンテナが筐体に組み込まれているときよりも狭めることができる。
図14に示す様な構成の他にもアンテナの指向性を狭めたり、広げたりする構成にはいろいろなものが考えられる。
図15は、図14とは別の構成により、アンテナの指向性を調節することができる様にした場合の例を示す図である。
送信部が、無線通信用の、固定されたアンテナ主放射素子10Bと、そのアンテナ主放射素子10Bによる通信の、少なくとも指向性を制御する可動なアンテナ副素子11BとからなるアンテナAntを備え、電源スイッチ19の電源オフの操作後に送信部によるデータ送信を行なう電源オフ時送信モードへの移行を受けて、アンテナ駆動部によってアンテナ副素子11Bが、アンテナ主放射素子10Bによる通信の指向性が無指向性に近付く方向に広がるように移動する様に構成されている。
このような構成にしても良い。
図16はさらなる変形例を示す図である。
送信部が、この携帯機器の筐体1CCからの突出量の少ない第1の位置とその筐体1CCからの突出量の大きい第2の位置との間で移動自在であって第2の位置にあるときにアンテナとして作用する可動アンテナ10Cと、このデジタルカメラの筐体1CCに対し固定され、その筐体1CCに内蔵された固定アンテナ11Cとを備え、電源スイッチ19の電源オフの操作後に送信部によるデータ送信を行なう電源オフ時送信モードへの移行を受けてアンテナ駆動部によって可動アンテナ10Cが第1の位置(筐体内に埋設される)に移動する様に構成されている。この様な構成にしても良い。
図17、図18は、送信部TxDが備える無線制御部TxD2が有する通信機能制限の機能を説明する図である。
図17には、図2に示したデジタルカメラの内部構成と同様の内部構成が示されており、クロックユニット10Dが付加された図が示されている。また図18は、機能制限の機能を説明する図である。また図19は、送信部が有する機能制限の別の機能を説明する図である。
図18には、CPUが実行するタスクの、通常動作時と電源オフ時送信モードになったときの優先順位の違いが示されている。図18に示す様に通常動作時には、メインタスクの処理が優先され、以降撮影処理タスク、信号処理タスクの処理が実行される。ここで電源スイッチがオフ側に操作されると、電源オン時には低い優先順位であった無線通信タスクの優先度が引き上げられてすぐに無線通信タスクが実行される。
このときには、例えば電源制御部190(図17参照)が、電源スイッチ19の電源オフの操作後に送信部によるデータ送信を行なう電源オフ時送信モードへの移行を受けて送信部TxDによる送信機能の制限を解除する指示を与えて送信部Txが備える最大の送信能力を引き出してから送信を行なうこともできる。
例えば、クロックユニット10Dから送信部Txに出力されているクロックの周波数は、通常動作時には撮像部101が備える撮像素子やCPU110に供給されるクロックに悪影響を与えない様にするために周波数が低めに設定されている場合がある。このような場合には、電源オフ側に操作されたときに撮像素子が動作しないことを考慮してクロックの周波数を最大の周波数にして送信部TxDに送信を行なわせるようなことができる。
また図19に示す様に、特定の周波数が本体内部のいずれかの回路に悪影響を与えるため、通常時にはフィルタリングにより帯域制限されている周波数帯を、電源オフ時送信モード時においては解除することができる場合もある。
ここまで説明した本発明のデジタルカメラの特徴を踏まえて、最後にこのデジタルカメラで撮影を行なったときに得られる効果を説明する。
本発明のデジタルカメラを持って公園などに出かけて撮影が行なわれたときに自宅のパーソナルコンピュータ内にどのようにバックアップ用のデータが記録されるかを図20、図21を参照して説明する。
図20は、撮影に出かけた場所周辺の地理を説明する図である。図21は、図1に示すデジタルカメラをもって撮影したときのデジタルカメラ内部のCPU110が行なう撮影処理とCPU110と電源制御部190が行なう電源オフ時送信モードへの移行に係る処理の手順を示すフローチャートである。
図20には、無線アクセスポイントが多数配備されていて、それらのアクセスポイントが自由に使える様になっている場合の例が示されている。各アクセスポイントを中心として図20に示すハッチングの領域内に居れば自宅のパソコンに画像ファイルの送信を行なうことが可能となる。図20には場所を区別するために○で囲まれた1〜6までの数字がそれぞれ示されている。
例えば撮影者が図1に示すデジタルカメラを持っていて、図20に示す地点1で池を背景に8枚撮影した後に送信モードに切り替えて、3つの画像ファイルの送信を行なってさらに行なおうとしているときにデジタルカメラの電源スイッチ19(図1参照)をオフ側に操作したとする。
この電源スイッチ19のオフ操作を受けてデジタルカメラ1は電源オフ時送信モードへ移行する。ここでさらに撮影者が地点2に向かって歩き始めると、通信圏外となって図11に示す省電力制御モード1又は省電力制御モード2に移行する。
地点2で4枚の撮影を行なって送信モードに切り替えたとしても地点2には無線アクセスポイントがないので、無線の送信が行なわれることなく、未送信の画像ファイルが増え続けることになる。
さらに、撮影者が地点2から動物園側に地点3側を通過する様に歩き始めると、その地点3で一旦は無線アクセスポイント近くを通ることになる。ここで撮影者が止まれば無線アクセスポイント3を通してプローブ信号が送信されたときに通信が確立されるが、ここをそのまま通過してしまうと、デジタルカメラが図11で説明した省電力制御モード1又は2になっているため、通信の確立が行なわれずに通り過ぎてしまう率が高い。
さらに、動物園に向かって歩き続けると、地点4周辺は通信圏内であるのでデジタルカメラが備える送信部によるプローブ信号の送信により送信先が認識され送信部によってデータの送信が再開される。ここで5つの画像ファイルの送信が行なわれて未送信画像ファイルが2つとなったところで電源スイッチがON側に操作され10枚の撮影が行なわれたとする。
この動物園周辺はすべて通信が確立する通信圏内であるので、撮影者がここで送信モードを起動して動物園で撮影された10個の画像ファイルと2個の未送信画像ファイルとからなる12個の画像ファイルのうちの9つの画像ファイルを送信しながら駐車場に向かって歩いて通信圏外に入ったとすると、後3つの画像ファイルが未送信の画像ファイルとして残る。
さらに撮影者が駐車場に向かって歩き続けると通信圏内を通り過ぎることになるので、例えば2つの画像ファイルが送信される。このとき撮影者が送信の終了を待たずに車を発進させたとするとすぐに通信圏外になってしまうので1枚だけ未送信の画像ファイルが残る。
撮影者がスタジオに帰ったときに、送信された21枚の画像ファイルが自宅のパーソナルコンピュータ内に記録されていることを確認したら、最後の1枚をパーソナルコンピュータ内に操作により記録することでバックアップデータの作成が確実に終了する。
このようにこの電源オフ時送信モードを活用すると、バックアップデータの作成が知らないうちに行なわれて足りないものだけを簡単に記録することができる。
図21は、上記ケースにおいてデジタルカメラ内部のCPU110と電源制御部190が行なう処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS210で撮影が行なわれているときに送信モードが選択されると、ステップS211でCPU110(図1)は送信部Txによるデータの送信を行なう送信モードを起動する。次のステップS212で撮影が行なわれたかどうかを判定する。このステップS212で撮影が行なわれたと判定したらYes側へ進んでステップS213で撮像処理や信号処理や記録処理を行なってメモリカードにまだ記録していない画像ファイルを記録してステップS212の処理に戻る。
ステップS212で撮影が行なわれていないと判定したら、ステップS214で新規撮影画像があるかどうかを判定する。このステップS214で新規撮影画像がると判定したらYes側へ進んで、ステップS215で不揮発性メモリ内に書き込まれている未送信画像リストに追加記録してステップS212の処理に戻る。
さらにステップS214で新規撮影画像がないと判定したらNo側へ進んでステップS216で電源スイッチがオフ側に操作されたかどうかを判定する。このステップS216で電源スイッチ19がオフ操作されたと判定したらYes側へ進んでステップS224で図3で説明した電源オフ送信モード移行処理を開始する。
ここで電源スイッチがオフ側に操作されていないと判定したらステップS217へ進んでステップS217で通信リンクが確立しているかどうかを判定する。このステップS217で通信リンクが確立していると判定したらYes側へ進んでステップS218で未送信画像があるかどうかを不揮発性メモリ内の未送信画像リストにより確認する。このステップS218で未送信画像リストがあると判定したら、Yes側へ進んでステップS219で未送信画像リストの先頭から送信を開始すると同時に送信を終了した順に未送信リストからの削除を行なう。ステップS212に戻ってステップS212〜ステップS217の処理を繰り返し行なう。
ステップS217で通信リンクが確立していないと判定したら、No側へ進んでステップS220でプローブ信号の送信により相手先が見つかったかどうかを判定する。プローブ信号の送信により相手先が見つかったと判定したらYes側へ進んでステップS221で通信リンクの確立処理を行なって確立が成功したかどうかを判定する。このステップS222で通信プロトコルにしたがって相手先とのニゴシエーションにより通信が確立したと判定したら、確立成功したと判定してYes側へ進んでステップS218、ステップS219の処理を順に行なう。
ステップS222で通信が確立していないと判定したらNo側へ進んでステップS223で通信相手との間でニゴシエーションを行なわせたままステップS212に戻る。
このような処理が行なわれると、図20で説明した様に自宅のパーソナルコンピュータ内にバックアップ用の画像ファイルが確実に記録される様になる。
また撮影の途中までは電源オフ時送信モードによるデータの送信を‘送信しない’と設定しておいて、帰宅途中に‘送信する’側に切り替えても同様にバックアップの画像ファイルが自宅のパソコン内に確実に記録される。
以上説明した様に、データを送信する送信機能を備えた携帯機器において、無駄な電力の消費が抑制されるとともに、ユーザに意識させずにバックアップ用のデータが確実に作成される携帯機器が実現する。
デジタルカメラの中には、撮影光学系と撮像素子とを備えて画像データを生成するレンズユニットが着脱自在に装着され、そのレンズユニットから画像データを受け取ってカメラ本体で画像処理を行なってメモリカードへの記録を行なうものもある。
図22は、撮影光学系と撮像素子とを備えて画像データを生成するレンズユニット2aと、そのレンズユニット2aが着脱自在に装着されそのレンズユニット2aから画像データを受け取って画像処理を行なうカメラ本体2bとを具備するデジタルカメラを示す図である。
図22に示すようにカメラ本体2bの中央には、多数のマウント接点を持つレンズマウント20bが設けられ、またレンズユニット2a側にも同様のマウント部20aが設けられている。双方のマウント接点の位置がそれぞれあうように回動操作が行なわれて図中の一点鎖線に沿ってレンズユニット2aがカメラ本体2bに機械的に装着されると、多数のマウント接点同士が各々接続されるとレンズユニット2aとカメラ本体2bとが電気的にも接続される。また、カメラ本体2bのボディ上面にはレリーズ釦23bとモードダイヤル24bが配備されており、そのモードダイヤル24bにより撮影モードが選択されレンズユニット2aがカメラ本体2bに装着された状態にあるときにそのレリーズ釦23bが押されるとこのカメラシステム2により撮影が行なわれる。そのモードダイヤル24bの中には、撮影モード以外に再生モードなどの項目もあり、回転操作によりそれらの項目の中の一つが選択される。
なお本実施形態ではこのモードダイヤル24bが電源スイッチも兼ねている例が示されている。またカメラ本体2bの前面にはAWBセンサ21bや閃光発光窓22bなども備えられている。さらにこのカメラシステム2は、カメラ本体2b側にバッテリが配備されていてそのバッテリからカメラ本体に電力が供給されるとともに図22に示すマウント接点の中の電力用接点を通してレンズユニット2aにも電力が供給される構成になっている。その電力用の接点を通してカメラ本体2bのバッテリの電力がレンズユニット2aに供給されると、レンズユニット2aとカメラ本体2bとの双方がともに動作状態になる。
本実施形態のデジタルカメラ2にも電源オフ時送信モードが搭載されており、電源スイッチを兼ねるモードダイヤル24bがオフ側に操作されたら、図4に示した様な設定が行なわれていたら電源オフ時送信モードが起動される様になっている。
さらに、本実施形態では、レンズユニットの取外し時においても、電源オフ時送信モードが起動される様になっている。
ここで、図22に示すデジタルカメラの動作を説明する。
図23はレンズユニット2aがカメラ本体2bに装着された状態にあるときの電気系統の構成を示すブロック図である。
まず図23を参照してレンズユニット2aとカメラ本体2bの内部の構成を説明する。
図23の上方側にはレンズユニット2aの構成が、また図23の下方側にはカメラ本体2bの構成がそれぞれ示されている。
まず、レンズユニット2a側の構成を説明する。
本実施形態のカメラシステム2を構成するレンズユニット2aは、カメラ本体2bに装着されてカメラ本体2b側のバッテリBtから電力の供給を受けて動作するものである。
この例では、レンズユニット2aが操作されたときにGND信号(図23の中央右側)がカメラ本体2b側の電源制御部241bに供給されることによりI/O部243bが書き換えられて本体CPU200bがレンズユニット2aの装着を検出する構成になっている。このとき電源制御部241bが、カメラ本体2bの各部に電力の供給を行なってカメラ本体2bを動作状態にする。
さらにこのときには本体側のバッテリBtからの電力がマウント接点20a、20bを介してレンズユニット2a側のDC/DCコンバータ(以降DC/DCという)241aにも供給されDC/DC241aから電源制御部240aに電力が供給され電源制御部240aが動作状態になる。ここで、レンズユニット側の電源制御部240aにもI/O部243bからレンズユニット2aがカメラ本体2bに装着されたことが伝えられレンズユニット側の電源制御部240aの制御の下にDC/DC242bから各部に電力が供給されレンズユニット2aが動作状態になる。また、本実施形態のカメラ本体2bには、前述した送信管理データ制御部290bと送信モジュールTxEとが配備されていて、図1、図6に示すデジタルカメラが有する機能と同じ機能が搭載されている。
この電源制御部241bが、本発明にいう電力制御部にあたる。本実施形態では、レンズユニット2aがカメラ本体2bから取り外されようとして電源制御部241bによりI/O243bが書き換えられたときに送信部TxEがそのI/O243bの書き変わりを検知して電源オフ時送信モードへ移行する。
ここでレンズユニット2aがカメラ本体2bに装着されている状態にあるときの撮影処理等を簡単に説明しておく。
図23に示すようにカメラ本体2bに装着されたレンズユニット2aには、撮影光学系21aと撮像素子(ここではCCD固体撮像素子が用いられているので以下CCDという)22aとが備えられている。その撮影光学系21a内には撮影レンズや絞りなどが配備されている。その撮影光学系21a内の撮影レンズで被写体をCCD22aに結像させて、CCD22aで画像データの生成を行なっている。このCCD22aで生成した画像データをアナログ信号処理部23aに出力してそのアナログ信号処理部23aでノイズ低減の処理などを行なった後、後段のA/D部24aでアナログ信号の画像信号をデジタル信号の画像信号に変換している。さらにデジタル信号に変換された画像信号が高速シリアルドライバ25aに供給される。
この高速シリアルドライバ25aによってカメラ本体2bに供給される画像信号の中には、モードダイヤル24bによっていずれかの撮影モードが選択された状態にあるときに撮影光学系内の撮影レンズが捉えた被写体をLCDパネル(図示せず)上に表示するためのスルー画用の画像信号(以下スルー画信号という)やその撮影モードの中の静止画撮影モードが選択された状態にあるときにレリーズ釦23bの操作により得られる静止画像を表す画像信号(以下静止画信号という)やその撮影モードの中の動画モードが選択された状態にあるときにレリーズ釦23bの操作により得られる動画を表す画像信号(以下動画信号という)の3通りの画像信号がある。これらの画像信号のうちのいずれかがカメラ本体2b側からの要求によって高速シリアルドライバ25aによりカメラ本体2b側に送信される。
一方、A/D部24aでデジタル信号に変換された画像信号はA/D部24aの後段に設けられた積算回路26aにも供給されている。この積算回路26aはAF機能(以下AFという)およびAE機能(以下AEという)を果たすものであって、この積算回路26aによってAE機能を働かせるための被写界輝度の測定やAF機能を働かせるための被写体距離の測定が行なわれている。その積算回路26aで測定された被写体距離や被写界輝度がデータバスbusを介して絞り/フォーカス/ズーム制御部27aに供給され、その絞り/フォーカス/ズーム制御部27aによって撮影光学系内の絞りの径が調節されたり、撮影光学系内のフォーカスレンズの位置が調節されたりする。このようにしておくとこのレンズユニット2aが備える撮影光学系内のレンズが異なる被写体に向けられる度にAFやAEが働きすぐにピントや輝度の調整が行なわれてピントの合った被写体を表す画像データがCCD22aで生成されCCD22aから出力される。
これらのCCD22a、アナログ信号処理部23a、A/D部24a、積算回路26aはタイミングジェネレータ(以下TGという)28aからのタイミング信号に同期して動作するものであり、そのTG28aの動作はヘッドCPU29aに制御されている。このヘッドCPU29aはシステムメモリ290a内に格納されているプログラムの手順にしたがってTG28aや絞り/フォーカス/ズーム制御部27aなどの制御を行なうものであって、そのシステムメモリ290a内には、初期化の処理手順やAEやAFの処理手順や高速シリアルドライバ25a等での通信に関する処理手順などを示すソフトウエア等が格納されている。また、カメラ本体2b側からの指示を受け取るための3線シリアルドライバ250aやレンズユニット2aのコンフィギュレーション情報などが記憶されている不揮発性メモリ(EEPROM等)291aも配備されている。
以上がレンズユニット2aの構成である。
次にカメラ本体2bの構成を説明する。
カメラ本体2bの動作はレンズユニット2aと同様に、本体側のCPU200bにより統括的に制御されている。このカメラ本体2b側には、処理の手順を示すソフトウエアなどが格納されているシステムメモリ201bやコンフィギュレーションが記録される不揮発性メモリ202bなどが配備されている。
その本体CPU200bの制御の下にレンズユニット2a側から高速シリアルドライバによって送信されてくる画像信号が、本体側の高速シリアルドライバ250bにより受信される。
本実施形態では、前述したようにレンズユニット2aからスルー画信号、静止画信号、動画信号の3種類の画像信号のうちのいずれかが送信されてくる。例えばスルー画信号であればそのスルー画信号がフレームメモリ204bに記憶され、LCD制御部205bによりそのフレームメモリ204bに記憶されているスルー画信号が読み出されてLCD206bのLCDパネル上にスルー画信号に基づくスルー画が表示される。LCD制御部205bにはOSD(On Screen Display)2051b側からの情報も供給されており、このLCD206bの表示画面上には、スルー画とともに選択メニューなども表示されるようになっている。
また、カメラ本体2bには、上記のような画像信号の処理を行なう部分のほか、OSD2051bを経由して表示画面上に時刻や日付情報を表示するためのデータを作成するタイマTMやカレンダ時計CALなどや外部機器との接続用のUSBドライバ270bおよびUSBコネクタ271bや操作指示を与えるスイッチ/LED等280bなども配備されている。このスイッチの操作指示などはI/O280bを介して本体CPU200bに供給され、本体CPU200bではその操作指示に応じた処理が行なわれる。ただしレリーズ釦23bは本体CPU200bおよびヘッドCPU29aの双方の割り込み端子に直接接続されており、レリーズ釦23bが押されたときには、双方のCPU29a,100bに割り込みがかけられて静止画処理プログラムもしくは動画プログラムが起動されるようになっている。
図24は、ヘッド側と本体側との双方のマウント部が備える多数の接点の構成を説明する図である。図24に示す様に、レンズユニット2a側のマウント部20aが本体側のマウント部20bに挿入され回動されることによってレンズユニット2aがカメラ本体2bに装着される、いわゆるバヨネットマウントの様な構造になっている。
図25は、回動操作を説明するために双方の接点を平面的に示した図である。
図25に示す様に、例えばグランドGNDに接続されている接点が右から2番目の接点であったとすると、レンズユニット2aがカメラ本体2bに完全に装着されたときには双方の接点が完全に接触してGND信号がカメラ本体側の本体CPU200bに供給される。本体CPU200bは、I/O部243bが書き換えられたことを検知してレンズユニット2aの装着を検知する。前述した様にカメラ本体からレンズユニットにも電力が供給され、レンズユニット2a、カメラ本体2bとも動作状態になる。
こうして動作状態になって撮影が行なわれた後、レンズユニット2aがカメラ本体2bから取り外されようとしたときに本体側の電源制御部241bが受け取っていたGND信号がハイ側に切り替わってI/O243bが書き換えられたら、本体CPU200bおよび電源制御部240b、さらに送信部TxE内の無線制御部と送信管理データ制御部290bそれぞれによってI/O243bの書き換わりが検知され電源オフ時送信モードが起動されて送信部TxEによって送信が開始される。
また本実施形態では、カメラ本体2bからレンズユニット2aが取り外された状態でデータ送信を行なっている途中で再度レンズユニット2aがカメラ本体2bに装着されたら装着されたことを受けて、送信部TxEによってデータの送信が停止される様にもなっている。
図26は、図4の機能と同様の機能をカメラ本体側に持たせたときにカメラ本体が備える表示画面上にセットアップメニューを表示させた場合の画面を示す図である。
図26(b)の最後の行に示されている様にヘッド分離動作で送信が設定されているときにはレンズユニットが取り外されたときに電源オフ時送信モードに移行して画像ファイルの送信が行なわれる。このようにしても良い。
以上説明した様に、データを送信する送信機能を備えた携帯機器において、無駄な電力の消費が抑制されるとともに、ユーザに意識させずにバックアップ用のデータが確実に外部の記録部に記録される携帯機器が実現する。
なお本実施形態ではデジタルカメラを例に挙げたが、他のいかなる携帯機器にも本発明は適用される。