JP5032011B2 - 硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法 - Google Patents

硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5032011B2
JP5032011B2 JP2005231121A JP2005231121A JP5032011B2 JP 5032011 B2 JP5032011 B2 JP 5032011B2 JP 2005231121 A JP2005231121 A JP 2005231121A JP 2005231121 A JP2005231121 A JP 2005231121A JP 5032011 B2 JP5032011 B2 JP 5032011B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brass
hard
crystal grain
grain size
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005231121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007046101A (ja
Inventor
洋 山口
Original Assignee
三井住友金属鉱山伸銅株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井住友金属鉱山伸銅株式会社 filed Critical 三井住友金属鉱山伸銅株式会社
Priority to JP2005231121A priority Critical patent/JP5032011B2/ja
Publication of JP2007046101A publication Critical patent/JP2007046101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5032011B2 publication Critical patent/JP5032011B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

本件発明は、硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法に関する。より具体的には、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材と組成が同一範囲にあり、同等の引張り強さを備えるが、特に成形加工性及び耐応力腐食割れ性に優れた硬質α黄銅材及びその製造方法に関する。
従来から、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材(以下、単に「H材」と称することがある。)は、機械的強度が比較的高く、導電率も比較的良好で、しかも安価であることから、端子、コネクター等の電子部品、機構部品として広く使用されてきた。
ところが、上述の市場を流通する一般的なH材は、部品に加工する際に、180度密着曲げ加工、バーリング加工、張り出し加工、プレスによる深く細かい突起形成等の強加工を加えようとしても、その機械的強度の高さ、結晶特性等に起因して、成形加工性が不足する傾向がある。そのため、より成型加工性の優れた素材を適用しようとすると、多少引張り強さに欠けるとしても、より伸び率に優れ材質を選択することになる。これは機械的強度の質別を落とすという意味でもあり、質別を落とすということは、材料力学的観点から見て、製品の肉厚を増やす等の設計変更に繋がり、部品重量の増加、トータル的材料コストの上昇等を招くこともあり不利となる。また、黄銅材の場合、耐応力腐食割れ性に劣るという欠点を不可避的に備えているため、その使用環境によっては材質を丹銅に変更することも頻繁に行われる。
当該H材の、一般的な製造プロセスを考えるに、鋳造、熱間圧延、面削、冷間圧延、連続焼鈍、冷間圧延の後、結晶粒径を抑えた連続焼鈍、15%〜25%の調質圧延によって製造される。そして、圧延加工と熱処理との間又は後に、脱脂、酸洗、矯正、切断、メッキ等の種々の付加的工程が設けられるものである。そして、非特許文献1に開示の内容から推察できるように、当該H材レベルの引張り強さを得ようとすると、圧延加工プロセス等の塑性加工手段による加工硬化を利用する方法が採用され、所望の強度を得るのである。
また、特許文献1には、結晶粒の微細な黄銅を製造する方法が開示されている。ところが、この特許文献1に開示の製造方法では、大きな加工率による圧延加工を多段階で繰り返し行う必要がある。従って、肉厚の薄い製品を得ようとする場合には応用可能な技術である。一方、比較的厚い製品を得ようとする場合には、強加工条件での圧延加工プロセスを複数回にわたって適用することは困難な場合がある。また、特許文献1に開示の内容では、最終的に行う焼鈍に関する記述はあるが、その前の焼鈍条件の制御も重要であるが、何ら開示はない。
硬質黄銅材を、焼鈍上がり材として使用するという技術的思想は、殆ど検討されてこなかった。このような該焼鈍材をそのまま使用する思想を生まなかったという現状は、圧延を行う中間材としての微細結晶粒を持った焼鈍材に関しては、当業者間において製造ノウハウとして取り扱われ秘匿されていたり、製造方法の一部に関してのみの情報しか相互に知り得なかったことが原因とも考えられるが、これだけが理由だけでない。市場にH材相当品として黄銅材を流通させるには、単にJIS規格に記載された機械的物性をクリアすればよいとして、強度を合わせることのみを追求するのでは不足であり、成型加工性等の他の特性において従来の黄銅材にない特徴が出せない限り、新製品として市場で広く受け入れられるだけの市場性に欠けるという理由が自ずと生じていた。
特開2004−292875号公報 伸銅品データブック、日本伸銅協会、第18頁
以上のような現状を鑑みるに、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材と同等の強度を備え、且つ、上述の180度密着曲げ加工、バーリング加工、張り出し加工、プレスによる深く細かい突起形成等の強加工における高い加工信頼性を備える良好な成形加工性を備える黄銅材料が要望されるのは当然である。
しかも、同時に黄銅でありながら丹銅と同程度の耐応力腐食割れ性を備えるものであれば、その使用範囲が急激に拡大することになり、市場の受ける技術的発展は極めて大きなものとなる。
更に、上記特許文献1に開示の技術と異なり、薄物部品等に限定せず、厚物部品にも適用しやすく、且つ、従来の製造設備を使用して可能な限り少ない工程で微細結晶を備える強化黄銅とする事が出来れば、安価で、高品質の強化黄銅製品を市場に供給できることになる。
以上のことから、本件発明は、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材と同等の強度を備え、同時に、上述の強加工条件に耐え得る良好な成形加工性を備え、耐応力腐食割れ性が良好な硬質α黄銅材及びその製造方法等を提供することを目的とする。
そこで、上述の目的を達成するため、後述する製造方法を用いることにより、初めて得られる硬質α黄銅を採用したのである。
本件発明に係る硬質α黄銅: 本件発明に係る硬質α黄銅は、銅71.5質量%〜62.0質量%と不可避不純物とを除き残部が亜鉛とからなるα黄銅において、引張り強さが451MPa〜519MPaであり、エリクセン値が8.5以上という成形加工性を備えたことを特徴とし、耐応力腐食割れ性が良好である。
そして、上述の硬質α黄銅は、平均結晶粒径が1μm〜2μmであることが好ましい。
硬質α黄銅の製造方法: 本件発明に係る硬質α黄銅の製造方法は、大別して3つの製造方法として分類することが可能である。以下、第1製造方法〜第3製造方法として分類する。
第1製造方法は、任意の粒径のα黄銅板材を、83%以上の加工率で冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする硬質α黄銅の製造方法である。
第2製造方法は、平均結晶粒径を1μm〜2μmに調整したα黄銅板材を、20%〜82%の加工率で冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする硬質α黄銅の製造方法である。
第3製造方法は、平均結晶粒径を3μm〜6μmに調整したα黄銅板材を、70%〜82%の加工率で冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする硬質α黄銅の製造方法である。
本件発明に係る硬質α黄銅は、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材と同等の強度を備え、同時に、上述の強加工条件に耐え得る良好な成形加工性を備え、耐応力腐食割れ性が丹銅と同等の良好なものとなる
しかも、この本件発明にかかる硬質α黄銅は、薄肉化してJIS C2600、JIS C2680、JIS C2720のいずれかに規定の1/2H材相当の材料が使用されている用途への使用が可能となる。
また、本件発明に係る硬質α黄銅の製造は、上述の第1製造方法〜第3製造方法のいずれの場合においても、最終的には再結晶焼鈍を加え、焼鈍上がり材として本件発明に係る硬質α黄銅を製造する点に特徴を有する。このような製造方法によれば、冷間圧延加工前の結晶粒径に応じて、所定の加工率での冷間圧延加工を施す点、及び、その後所望の結晶粒径となるように再結晶焼鈍を行う点のみが厳密な制御を必要とすることになり、制御ポイントが少なく、短い工程と出来るため、本件発明に係る硬質α黄銅を安価且つ効率よく生産することが可能となる。
以下、本件発明に係る硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法に関する形態並びに実施例に関して説明する。
硬質α黄銅の形態: 本件発明に係る硬質α黄銅は、銅71.5質量%〜62.0質量%と不可避不純物とを除き残部が亜鉛とからなるα黄銅において、引張り強さが451MPa〜519MPaであり、エリクセン値が8.5以上という成形加工性を備えたことを特徴とし後述する試験方法によれば、応力腐食割れ破断時間が6時間以上の耐応力腐食割れ性能を備えたものとなる
ここで硬質α黄銅の組成は、銅71.5質量%〜62.0質量%と不可避不純物とを除き残部が亜鉛とからなる。即ち、当業者であれば、容易に理解できるが、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720の組成の範囲にある。従って、この組成のみに着目する限り、何ら技術的特徴は持ち得ない。
即ち、本件発明に係る硬質α黄銅の持つ物性的特徴としては、引張り強さ、成形加工性、耐応力腐食割れ性の各特性が同時に良好な範囲にあるという点にある。最初に、「引張り強さ」に関して述べるが、引張り強さが451MPa〜519MPaという範囲は、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材の引張り強さの範囲と同等の強度を備えることを意味している。当該引張り強さが、450MPa未満ではJIS規格に定める1/2H材相当のレベルでもあり、強度的に不足となるからである。一方、当該引張り強さが、520MPaを超えるものになると、JIS規格に定めるEH材相当の物性を備えるものともなり、成形加工性の劣化が顕著となる。
そして、本件発明に係る硬質α黄銅の成形加工性に関しては、「エリクセン値」を主に採用する。そして、このエリクセン値が8.5以上であることが良好な成形加工性を備える基準としている。エリクセン値の測定に関しては、試料の板厚による影響(板厚依存性)が小さく、信頼性の高い相対評価と言える。エリクセン値を用いた成形加工性の評価において、エリクセン値が10以上の場合には軽い深絞り加工が可能と判断される。そして、9以上であれば、180度密着曲げが可能と判断される。そして、本件発明で言う、強加工(厳しい加工)とは、部分的に厚部位を備える素材に180度密着曲げ加工を施す、材料厚みに関係なくバーリング加工や張り出し加工を施す、プレスで深く細かい突起を作る等を言うのであり、これらの強加工時に必要な成形加工性を備えると判断するためには、少なくとも8.5以上のエリクセン値が必要であると判断出来る。
更に、成形加工性の一つの判断基準として、「180度密着曲げ試験」を簡易的に採用することも可能である。ここで、良好な成形加工性を備えると判断するためには、180度密着曲げ試験を行っても全くクラックの発生しない程度の品質が要求される。従って、成形加工性の判断基準は、180度密着曲げ試験を行った場合にクラック発生が起こるか否かである。ここで言う180度密着曲げ試験とは、当業者であれば、容易に理解できる試験であるため、ここでの詳細な説明は省略し、実施例中で実験に用いた方法を記載するに止める。
更に、耐応力腐食割れ性に関して説明する。本件発明において、耐応力腐食割れ性の評価試験は、図2に示すような小型の引張試験片形状に加工したサンプル1を縦型に保持する。そして、図2から理解できるように、適当なサイズのビニール等のプラスチック袋2を用意し、当該プラスチック袋2の底部にはサンプル1を通すことのできる挿入開口部3を設けておく。そして、図2に示すように、当該プラスチック袋2の底部の挿入開口部3にサンプル1を通す。その状態、プラスチック袋2の上部開口部及び挿入開口部3を、着脱部材7(輪ゴム等)を用いてサンプル1の胴体部4に固定する。このとき、プラスチック袋2の下部には一定の弛みを持たせ、図2(c)に示したように、プラスチック袋2の弛み部分に、18質量%濃度のアンモニア水5を適量入れ、サンプル1とアンモニア水とが直接接触しない状態とする。次に、サンプル1の下部に所定の分銅6をつるし、破断までの時間を経時カウンターで測定する。このときの測定で得られる破断時間は、一定の範囲でバラツクが、複数回の計測を行ったり、荷重を変えたりして妥当な数値として求める。この方法において、付加する静応力を50MPaとした場合の耐応力腐食割れ性の判断基準となる破断時間は、一般の一種黄銅で1時間、85/15丹銅で6〜20時間、90/10丹銅で60時間程度である。そこで、応力腐食割れ性の優れたと表現するときは、破断時間が6時間以上の場合とした。
金属材料の場合、上述のような機械的物性等は、その結晶特性により定まるのが殆どである。特に、上記成形加工性を向上させるには、一般的に焼鈍温度を高くするなどして結晶粒径を大きくして高いエリクセン値を得たり、同じ結晶粒径の焼鈍材に対する調質圧延率を低くして高いエリクセン値を得る方法が採用される。これに対して、本件発明者等は、微細結晶粒を備えた黄銅材の物性を種々研究する中で、微細結晶粒を持った黄銅は、結晶粒径を大きくしなくとも高い成形加工性を備えることに想到した。もとより、結晶粒を微細化した素材は、高い強度を持つものとなることは公知である。しかしながら、高い強度と良好な成形加工性とを同時に成立させる方法に関しては、明らかにされてこなかった。即ち、高い強度と良好な成形加工性とを同時に成立させた硬質α黄銅とするためには、所定の引張り強さと成形加工性とが両立できるようにするためには、上記引張り強さを備えることを前提として、平均結晶粒径が3μm以下とすることが望ましいのである。また、後述する製造方法を採用することで、本発明に係る大部分の硬質α黄銅は、1μm〜2μmの範囲の平均結晶粒径を安定的に備えることが可能である。
以上に述べてきた本件発明にかかる硬質α黄銅は、電子部品や機構部品に好適に使用される。
硬質α黄銅の製造方法の形態: 上述のように本件発明に係る硬質α黄銅の製造方法は、第1製造方法〜第3製造方法として分類できる。従って、これらに分類して、以下に説明する。最初に明記しておくが、以下に述べる第1製造方法〜第3製造方法として記載する条件の中で冷間圧延して得られる以外の板材を用いると、その後の再結晶条件をいかに調整しても混粒となってしまい、所望の結晶粒径を得ることが出来ない。これに対し、第1製造方法〜第3製造方法に規定する条件を満足すれば、実質的に1回乃至2回の圧延焼鈍工程で、従来に無い高い成形加工性と耐応力腐食割れ性とH材並の強度を備える硬質α黄銅の製造が出来る。
第1製造方法は、任意の粒径のα黄銅板材を、83%以上の加工率で冷間圧延加工した後、再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする硬質α黄銅の製造方法である。ここで言う、「任意の粒径のα黄銅板材」とは、一般的に行われる連続鋳造、熱間圧延の後の熱間圧延材の場合を含む概念として記載しており、特段の結晶粒径の限定は要さないとの意で記載している。
そして、任意の粒径の板材の場合、83%以上の加工率で冷間圧延を施す。即ち、どのような粒径であっても、83%以上の加工率で冷間圧延を施せば、強加工によって1μm前後のサブグレインを結晶内に導入することができ、且つ、均一な組織として得られる。そして、このサブグレインの存在により、微細な再結晶状態を得ることが出来るようになる。例えば、実験室的に熱間圧延を施し0.1mm〜0.2mmの平均結晶粒径を備える板材、又は製造現場の熱間上がりの動的再結晶をした平均結晶粒径25μmの板材でも、83%以上の加工率で強加工を行い、所定の条件で再結晶化させると、混粒の発生もなく、平均結晶粒径として3μm以下の結晶粒が得られる。従って、比較的大きな結晶粒径の板材に対し、83%未満の加工率を採用すると、結晶内へのサブグレインの導入が不均一になり、再結晶化させた組織は、再結晶条件をいかに調整しても、混粒の発生が顕著になり、平均結晶粒径として3μm以下の結晶粒を得ることが出来ないのである。なお、冷間圧延加工に用いる加工率の上限を規定していないが、耳われ等の不良発生率、生産効率等を考慮すると、加工率92%程度が上限であると判断できる。
ここで、最終的な再結晶焼鈍を行う前に、1回以上の中間的再結晶焼鈍を行う場合があることを述べておく。このような中間的再結晶焼鈍を複数回行う場合には、再結晶焼鈍と再結晶焼鈍との間に圧延処理工程を設けるのが通常であり、最終製品の板厚と中間焼鈍時の板厚と加工率とを考慮して、中間的再結晶焼鈍で作り込む結晶粒径を制御する。そして、本件発明に係る加工率に準じて冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行う。最終再結晶焼鈍は、最終再結晶焼鈍の結果として得られる硬質α黄銅に対する要求特性として、(i)引張り強さが451MPa〜519MPaの範囲、(ii)平均結晶粒径が1μm〜2μmの範囲、(iii)エリクセン値が8.5以上という成形加工性、(iv)応力腐食割れ破断時間が6時間以上の耐応力腐食割れ性能、の各性能を満足できるように再結晶温度、再結晶時間、再結晶雰囲気、再結晶焼鈍処理と再結晶焼鈍処理との間の圧延処理の再結晶条件を定めればよいのである。しかしながら、敢えて限定が可能であるとすれば、連続焼鈍法を採用する方が、より均質な再結晶組織が得られるので好ましい。そして、このときの炉温は、炉の能力に左右されるが、350℃〜650℃程度の範囲の再結晶温度を採用することが好ましい。なお、最終的な再結晶焼鈍を行う前に、1回以上の中間的再結晶焼鈍を行う場合があるのは、以下の第2製造方法及び第3製造方法においても同様である。以上のようにして、本件発明に係る硬質α黄銅の製造が出来るのである。
第2製造方法は、平均結晶粒径を1μm〜2μmに調整したα黄銅板材を、20%〜82%の加工率で冷間圧延加工した後、再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする硬質α黄銅の製造方法である。この第2製造方法は、第1製造方法では「任意の粒径のα黄銅板材」としていたのに対し、「平均結晶粒径を1μm〜2μmに調整したα黄銅板材」として、当初の板材の平均結晶粒径が1μm〜2μmの範囲にあると判明している場合、冷間圧延加工において83%未満の加工率を採用することが出来ることを明らかにしている。当初の板材の結晶粒径が既に微細化できていることが分かれば、過剰な強加工は不要であり、生産コストの削減も行えるからである。また、当初から板材の平均結晶粒径を1μm〜2μmの微細粒径の範囲にあるとしても、一旦、20%以上、より好ましくは40%以上の加工率を採用して冷間圧延加工を行うことが、1μm前後のサブグレインを結晶内に均一に導入する観点から好ましい。その結果、この組織を再結晶焼鈍することにより、均一で微細な再結晶状態を得ることが出来る。従って、第2製造方法において、冷間圧延加工の際の加工率を20%未満とすると、α黄銅板材の結晶組織内に1μm前後のサブグレインを均一に導入する事が困難である。一方、冷間圧延加工の際の加工率が82%を超えるものとすると、第1製造方法と変わらない加工率となり、合理性に欠けることになる。このようにして、本件発明に係る硬質α黄銅の製造が出来るのである。
第3製造方法は、平均結晶粒径を3μm〜6μmに調整したα黄銅板材を、70%〜82%の加工率で冷間圧延加工した後、再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする硬質α黄銅の製造方法である。この第3製造方法は、第1製造方法では「任意の粒径のα黄銅板材」としていたのに対し、「平均結晶粒径を3μm〜6μmに調整したα黄銅板材」としている。即ち、当初の板材の平均結晶粒径が3μm〜6μmの範囲にあると判明している場合、冷間圧延加工において83%未満の加工率を採用することが出来ることを明らかにしている。これは、第2製造方法の場合と同様で、当初の板材の結晶粒径が一定のレベルになっていることが分かれば、過剰な強加工は不要であり、生産コストの削減も行えるからである。第3製造方法の場合、当初の平均結晶粒径は3μm〜6μmの範囲にあるため、冷間圧延加工により結晶組織内に1μm前後のサブグレインを結晶内に均一に導入しなければならない。そうでなければ、事後的な再結晶焼鈍により、均一で微細な再結晶状態を得ることが出来ない。従って、第3製造方法において、冷間圧延加工の際の加工率を70%未満とすると、α黄銅板材の結晶組織内に1μm前後のサブグレインを均一に導入する事が困難である。一方、冷間圧延加工の際の加工率が82%を超えるものとすると、第1製造方法と変わらない加工率となり、合理性に欠けることになる。このようにして、本件発明に係る硬質α黄銅の製造が出来るのである。
以上のようにして得られる硬質α黄銅は、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720のいずれかに規定の1/2H材相当の物性を考慮して、当該1/2H材を使用した部位又は部品に対しての適用も可能である。従来1/2H材を使用していた範囲で、本件発明に係るH材相当の物性を備える硬質α黄銅を用いるのである。即ち、本件発明に係るH材相当の物性を備える硬質α黄銅とは、(i)引張り強さが451MPa〜519MPa、(ii)平均結晶粒径が1μm〜2μm、(iii)エリクセン値が8.5以上という成形加工性を有し、(iv)応力腐食割れ破断時間が6時間以上の耐応力腐食割れ性能を備えたものであり、この硬質α黄銅を用いることで、1/2H材を使用していた部位若しくは部品の薄肉化を図ることが可能で、薄肉化してもJIS C2600、JIS C2680、JIS C2720のいずれかに規定の1/2H材相当の部品強度を得ることができ、部品重量の軽減を可能とする。
以下、実施例を通じて本件発明をより詳細に説明する。実施例に用いた黄銅インゴットはすべて鋳造工場で半連続鋳造法で鋳造されたものである。表1には、各インゴットの組成を掲載する。
インゴット1〜インゴット3を熱間圧延し、面削後、加工率は85%で冷間圧延して1.8mmの素板を得た。ここまでの工程は、従来から行われていた一般的加工工程である。その後、インゴット1から得られた素板に再結晶焼鈍(表中には「再結晶焼鈍1」と表示)のみを施し試料1とした。その他の試料2〜試料5は、当該素板に再結晶焼鈍1を施し、本件発明に係る加工率に準じて冷間圧延加工し、再結晶焼鈍2を行い製造した。このときの製造条件が一見して分かるように表2に各試料毎に製造条件を示した。製造はすべて現場ラインで行い、焼鈍は連続焼鈍法を用いた。試料1〜試料5の内、試料3と試料4とは、温度420℃での連続焼鈍を行った際の通板速度に相違がある。即ち、試料4は、試料3の通板速度を基準として、33%程度速く通板している。
表2に示した製造条件で得られた試料1〜試料5の硬質α黄銅の特性と、市販の製品の特性(比較例1〜比較例3として記載したH材及び1/2H材の調質圧延率は、1%〜25%の範囲に入る。)とを対比可能なように表3に掲載した。
表3に基づく実施例と比較例との対比: 最初に引張り強さに関して対比する。表3から、本件発明に係る実施例(試料1〜試料5)の各試料の引張り強さは451MPa〜519MPaの範囲にあることが分かる。これに対し、比較例1〜比較例3の引張り強さは410MPa〜499MPaの範囲となっている。従って、本件発明に係る硬質α黄銅である各試料の引張り強さは、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720のいずれかに規定のH材相当の引張り強さを備える事が理解できる。
次に、硬度と結晶粒径との対比に関して説明する。一般的に、鍛造等の物理的手法で加工を加えると加工硬化を起こし、結晶粒は変形して硬度が上昇する。しかしながら、比較例1〜比較例3の結晶粒径は6μm〜17μm、硬度(ビッカース硬度)は106Hv〜157Hvである。これに対して、試料1〜試料5の結晶粒径は1.2μm〜2.3μm、硬度(ビッカース硬度)は138Hv〜159Hvである。図1に試料1の金属顕微鏡写真を示しているが、この場合の平均結晶粒径は1.9μmである。即ち、試料1〜試料5の結晶粒径は比較例1〜比較例3の結晶粒径と比べて細かいにも拘わらず、硬度(ビッカース硬度)は同程度である。即ち、本件発明に係る硬質α黄銅は、塑性変形する際のスベリ面を遮断する結晶粒界が多く、強度が高くなる。また、本件発明に係る硬質α黄銅の成形加工性が優れているのは、単に転位密度の低い再結晶粒の存在だけに起因するものではなく、種々の方位を持つ微細な結晶粒が多いため、不均質変形を起こしやすくなるためと考えられる。
以上の硬度と結晶粒径との対比からの理解を裏付けるのが、成形加工性の評価試験である。ここでは、180度密着曲げ試験とエリクセン試験とを成形性評価のために用いた。まず、180度密着曲げ試験の結果を対比する。このときの180度密着曲げ試験は、圧延方向に平行に曲げ軸を取る(Bad way曲げ)で、180度密着曲げを行い、外表面を観察し、その検察結果として所見を記載している。この試験に関しては、黄銅板材の厚みが厚いもの程、厳しい試験条件と言える。板厚に関してみると、各試料と比較例との板厚が完全に一致したものはないが、試料1及び試料2の厚さは比較例1よりも厚く、その他の試料3〜試料5は比較例2及び比較例3と同等の厚さとなっている。しかしながら、表3から分かるように、比較例1及び比較例2のH材製品の場合には、180度密着曲げ試験を行うと、全て微小クラックの発生が認められる。これに対し、本件発明に係る試料1〜試料5にはシワ発生が認められる場合はあっても、クラックの発生までは確認できなかった。そして、このことは1/2H材である比較例3と同等の性能を示すことになる。従って、実施例に係る試料1〜試料5は、H材である比較例1及び比較例2よりも成形加工性に優れ、1/2H材と同等の成形加工性を備えると判断できる。
また、成形加工性の判断を行うため、張り出し性の指標となるエリクセン値を測定した。エリクセン試験は、通常手動で行うA法を用いるが、試料1は板厚が厚いため油圧を用いるB法で行った。そして、本来のエリクセン試験は、クラックの発生し始める高さを測定して評価に用いるのであるが、試料1の場合は厚いため、エリクセン値が9.2という高い値を示しているが、B法のためにクラックの発生は明瞭に認められていない。このエリクセン値は、10を超えると絞り加工が可能な成形加工性を備えていると判断される。表3から、他のエリクセン値を判断すると、実施例に係る試料2、試料4、試料5がエリクセン値10.0を超えている。試料3に関しても、エリクセン値が10.0を超えないまでも、9.6という高い値を示している。一方、H材である比較例1及び比較例2のエリクセン値は、7.4〜8.2の範囲であり、実施例に係る各試料のエリクセン値を下回り、成形加工性において劣ることが理解できる。なお、比較例3は、1/2H材であり、このエリクセン値は10.4であり、実施例に係る本件発明に係る硬質α黄銅の成形加工性が、同等のレベルにあることが理解できる。具体的には、同じエリクセン値が得られた試料4と比較例3とを対比すると、引張強さは499MPa(試料4)と410MPa(比較例3)であり、実施例に係る試料4の方が比較例3の1.2倍程度の強度を示している。そして、試料4と比較例3とのエリクセン値は同等である。このことは、その成形加工性に優れた特性が必要であるが故に、従来においては1/2H材を使用せざるを得なかった場合に、同等の成形加工性を示す本件発明に係る硬質α黄銅を選択する事が可能となる。係る場合、本件発明に係る硬質α黄銅は、1/2H材より強度が高いため、同じ強度が要求される限り、材料の薄肉化とコストダウンとを同時に達成することが可能となる。
そして、耐応力腐食割れ性の評価試験の結果を対比して説明する。上述のように、耐応力腐食割れ性は、破断時間が6時間を超えている場合に優れていると評価できる。表3から分かるように、比較例2及び比較例3の破断時間は、1.1時間及び1.3時間となっている。これに対して、本件発明に係る試料1〜試料5の破断時間は6時間〜17時間となり、極めて良好な耐応力腐食割れ性を示すことが分かる。
また、試料2に関しては、表2から明らかなように、冷間加工前の初期結晶粒径1.9μmのα黄銅板材に対し、冷間圧延の加工率を56%とし、再結晶焼鈍を550℃で行っている。これに対し、(1)同じ初期結晶粒径1.9μmのα黄銅板材に対し、実験室的に冷間圧延の加工率を20%とし1.4mmの板厚とし、塩浴を用いた再結晶焼鈍温度を440℃とした場合(試料6)と、(2)同じ初期結晶粒径1.9μmのα黄銅板材に対し1.1mmの板厚とし、冷間圧延の加工率を40%とし、塩浴を用いた再結晶焼鈍温度を420℃とした場合(試料7)との試料を作成し、より適正な加工率の割り出しを行った。このときの試料6及び試料7の結晶粒径と機械的性質とを表4に掲載した。
この表4によれば、初期結晶粒径1.9μmのα黄銅板材に対し、20%の加工を加えても所望の範囲内の特性が得られることが理解できる。しかしながら、試料6の方が引張り強さ及び硬度という観点から見た強度が、試料7に比べ相対的に低く結晶粒径も大きくなっている。従って、40%以上の加工率を適用することがより好ましいことが理解できる。
本件発明に係る硬質α黄銅は、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720に規定するH材と同等の強度を備え、同時に、上述の強加工条件に耐え得る良好な成形加工性及び丹銅と同等の良好な耐応力腐食割れ性を備える。従って、従来の当該H材の使用できなかった環境に於いても使用可能なものとなり、黄銅製品の使用の幅が拡大する。また、本件発明にかかる硬質α黄銅は、JIS C2600、JIS C2680、JIS C2720のいずれかに規定の1/2H材と同程度の成形加工性を要する用途に利用可能であり、しかもH材並の強度があるため、従来1/2H材を使用してきた部品等を薄肉化して軽量化とコストダウンとを図ることが可能となる。
また、本件発明に係る硬質α黄銅の製造は、最終的には再結晶焼鈍を加え、結晶粒径を制御した焼鈍上がり材である点に特徴を有する。この結晶組織は、結晶粒径が微細で有り、且つ、結晶粒の方位が多様となる等の理由で成形加工性に優れたものとなる。本件発明に係る製造方法は、冷間圧延加工前の結晶粒径に応じて、所定の加工率での冷間圧延加工を施し、その後所望の結晶粒径となるように再結晶焼鈍を行うのみで厳密な結晶制御が可能であり、制御ポイントが少なく、短い工程と出来るため、本件発明に係る硬質α黄銅を安価且つ効率よく生産することが可能となる。
試料1の硬質α黄銅の金属顕微鏡による結晶組織写真である。 耐応力腐食割れ性の指標として用いる破断時間を測定する際の測定方法を示す概念図である。
1 サンプル
2 プラスチック袋
3 挿入開口部
4 胴体部
5 アンモニア水
6 分銅
7 着脱部材

Claims (5)

  1. 銅71.5質量%〜62.0質量%と不可避不純物とを除き残部が亜鉛とからなるα黄銅において、
    引張り強さが451MPa〜519MPaであり、エリクセン値が8.5以上という成形加工性を備え、且つ、優れた耐応力腐食割れ性能を備えたことを特徴とした硬質α黄銅。
  2. 平均結晶粒径が1μm〜2μmである請求項1に記載の硬質α黄銅。
  3. 任意の粒径のα黄銅板材を、83%以上の加工率で冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬質α黄銅の製造方法。
  4. 平均結晶粒径を1μm〜2μmに調整したα黄銅板材を、20%〜82%の加工率で冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬質α黄銅の製造方法。
  5. 平均結晶粒径を3μm〜6μmに調整したα黄銅板材を、70%〜82%の加工率で冷間圧延加工した後、最終的な再結晶焼鈍処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬質α黄銅の製造方法。
JP2005231121A 2005-08-09 2005-08-09 硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法 Active JP5032011B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005231121A JP5032011B2 (ja) 2005-08-09 2005-08-09 硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005231121A JP5032011B2 (ja) 2005-08-09 2005-08-09 硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007046101A JP2007046101A (ja) 2007-02-22
JP5032011B2 true JP5032011B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=37849179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005231121A Active JP5032011B2 (ja) 2005-08-09 2005-08-09 硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5032011B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5247010B2 (ja) * 2006-06-30 2013-07-24 Jx日鉱日石金属株式会社 高強度で曲げ加工性に優れたCu−Zn系合金
JP5889698B2 (ja) * 2012-03-30 2016-03-22 株式会社神戸製鋼所 耐応力緩和特性に優れるCu−Zn合金板及びその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03170646A (ja) * 1989-11-28 1991-07-24 Nippon Mining Co Ltd 結晶粒が微細でかつ低強度な銅合金の製造方法
JP4012845B2 (ja) * 2003-03-26 2007-11-21 住友金属鉱山伸銅株式会社 結晶粒を微細化した70/30黄銅とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007046101A (ja) 2007-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5847987B2 (ja) 銀を含む銅合金
JP4118832B2 (ja) 銅合金及びその製造方法
CN106164306B (zh) 铜合金线材及其制造方法
JP5156316B2 (ja) Cu−Sn−P系銅合金板材およびその製造法並びにコネクタ
JP4177104B2 (ja) 曲げ加工性に優れた高強度銅合金及びその製造方法及びそれを用いた端子・コネクタ
CN108472699B (zh) 镁合金板材及其制造方法
JP5247010B2 (ja) 高強度で曲げ加工性に優れたCu−Zn系合金
JP2006219763A (ja) プレス成形性に優れるAl―Mg系合金板
JP2007138227A (ja) マグネシウム合金材
JP2007056365A (ja) 銅−亜鉛−錫合金及びその製造方法
JP2011508081A (ja) 銅−ニッケル−ケイ素系合金
JP5937865B2 (ja) プレス成形性と強度のバランス、及び耐食性に優れた純チタン板の製造方法
JP2008127605A (ja) 曲げ加工性に優れた高強度銅合金板
JP4012845B2 (ja) 結晶粒を微細化した70/30黄銅とその製造方法
JP7195054B2 (ja) 銅合金板材およびその製造方法
JP4780600B2 (ja) 深絞り性に優れたマグネシウム合金板およびその製造方法
JP5032011B2 (ja) 硬質α黄銅及びその硬質α黄銅の製造方法
JP2007070672A (ja) 疲労特性に優れたアルミニウム合金厚板の製造方法
JP4257135B2 (ja) 缶胴用アルミニウム合金硬質板
JP2004027253A (ja) 成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP5665186B2 (ja) 銅−亜鉛合金板条
JP2005139530A (ja) 成形加工用アルミニウム合金板の製造方法
JP2009108392A (ja) 曲げ加工性に優れる高強度洋白およびその製造方法
JP2005082827A (ja) 成形加工用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP5192648B2 (ja) 成形加工性の優れた硬質α黄銅及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100901

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101021

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20101201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120620

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5032011

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250