以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る車載用オーディオ/ビデオ(A/V)システムの構成を機能的に示したブロック図である。なお、本実施形態においては、本発明をリヤ・エンターテイメント・システム(RES)に適用したものについて説明する。
本実施形態に係る車載用A/Vシステム100は、ラジオ受信機10、TV受信機20、CD/DVDプレーヤ30及びナビゲーションユニット40の各種A/Vソースと、各種A/Vソースに対してフロント席の搭乗者が操作指示を行うフロント席用操作ユニット(ヘッドユニット(H/U))50と、同じく各種A/Vソース(ナビゲーションユニット15を除く)に対してリア席の搭乗者が操作指示を行うリア席用操作ユニット60と、ワイヤレスヘッドホン86と、フロント席用表示ユニット70と、リア席用表示ユニット80と、アンプユニット95と、スピーカ96とを備えて構成されている。各ソース10,20,30,40、各操作ユニット50,60、各表示ユニット70,80及びアンプユニット95は、伝送路として供される光ファイバ等のバス90を介して接続されている。
図示の例では、スピーカ96は1個のみ示されているが、実際には車室内の所定の場所に所要の個数、例えば、リア席が2列の場合であれば少なくとも各リア席の左右の近傍とフロント席の左右の近傍にそれぞれ2個ずつ、計6個のスピーカ96が設置されている。リア席用の操作ユニット60、ワイヤレスヘッドホン66及び表示ユニット80についても同様に、それぞれ1台(1個)のみ示されているが、実際にはリア席の搭乗者数に応じて所要の個数、例えば、リア席が2列の場合であれば各リア席の左右の搭乗者用にそれぞれ2台(2個)ずつ、計4台(4個)の操作ユニット60、ワイヤレスヘッドホン66及び表示ユニット80がそれぞれ設けられている。
A/VソースのうちCD/DVDプレーヤ30は、図2に示すようにセンターコンソール内に設置されている。
フロント席用操作ユニット50は、運転者と助手席の搭乗者が共用できるようにセンターコンソールのほぼ中間位置に「操作パネル」の形態で設置されている。一方、リア席用操作ユニット60は、リア席の搭乗者が操作しやすいように「リモコン」の形態で設けられている。
フロント席用表示ユニット70は、ダッシュボード上のほぼ中間位置に設置されている。この表示ユニット70は、TV受信機20やCD/DVDプレーヤ30などの映像ソースから出力された映像情報をディスプレイ画面に表示するLCDモニタ等を有しており、また、必要に応じて、そのディスプレイ画面をフロント席の各搭乗者の方向に回転させる駆動機構も備えている。
リア席用表示ユニット80は、図2に示すように前の座席のヘッドレストの後部に設置されており、フロント側の表示ユニット70と同様に映像情報をディスプレイ画面に表示するLCDモニタ等を有している。本発明に係るリア席用表示ユニット80の内部構成については後で説明する。なお、本実施形態ではリア席用表示ユニット80を前の座席のヘッドレスト上に設置しているが、設置場所がこれに限定されないことはもちろんである。
各ソース10〜40は、基本的な動作として、フロント席用操作ユニット50からバス90に送出された操作指示に係るデータ、あるいはリア席用操作ユニット60からバス90に送出された操作指示に係るデータを受信し、その操作指示に係るデータに基づいて自己の動作状態を設定もしくは変更し、その結果(現在の動作状態)を指示するデータをオーディオ/ビデオ信号としてバス90に送出する。例えば、ラジオ受信機10の場合、操作ユニット50,60から与えられる操作指示に応答して、FM放送やAM放送の信号を受信して復調することにより音声信号を生成し、これをデジタルの音声データに変換して、バス90に送出する。また、CD/DVDプレーヤ30の場合、操作ユニット50,60から与えられる操作指示に応答して、ユーザにより選択されたCDやDVDの記録面に記録された信号を読み取り、再生された音声データや映像データをバス90に送出する。各ソース10〜40のうち本発明に係るCD/DVDプレーヤ30の内部構成については後で説明する。
フロント席用操作ユニット(H/U)50は、制御部51と、操作部52と、表示部53とを備えている。このうち、操作部52は、各ソース10〜40に対して各種設定操作を行うための各種操作キー、例えば、電源のオン/オフ及び音量調整を行うための電源キー、各ソースを選択するためのソース選択キー、数字キー、所定の機能を行わせるためのプリセットキー、矢印が付されたシフトキー(矢印の部分を操作することでFF/REW動作、シーク・アップ/ダウン動作等の操作を指示する)等を備えている。表示部53は、操作パネル(H/U50)上にLCD等の形態で配置されており、制御部51から出力されるデータに基づいて、各種情報、例えば、ラジオ受信機10に関してはFM/AMの種別やその放送局の受信周波数など、CD/DVDプレーヤ30に関しては、例えばCDの場合には再生位置(トラック数、経過時間等)を表示する。制御部51は、本実施形態のA/Vシステム100全体の制御を行うものであり、基本的には、操作部52を介して与えられた操作指示に基づき、選択ソースからバス90を介して送られてくるA/Vデータを取得してA/V情報の再生を行う動作、操作状況や動作状態等を指示する情報を表示部13に表示させる動作、A/V取得状態データの格納動作や読み出し動作等の制御を行う。この場合、取得されたオーディオデータは、制御部51によりバス90を介してアンプユニット95に送られ、適宜D/A変換され、また音量や音質等の制御が行われ、増幅された後、スピーカ96を通して音声出力される。また、取得されたビデオデータは、制御部51によりバス90を介してフロント席用表示ユニット50に送られ、そのディスプレイ画面に映像情報として表示される。
リア席用操作ユニット60は、リア席に搭乗しているユーザが各A/Vソース10〜40の選択や音量・音質等の操作を行うためのものであり、図示のように制御部61、操作部62、表示部63及びRF送信部64(アンテナ64aを含む)を備えている。このうち、RF送信部64は、制御部61からの制御に基づいて、各A/Vソース10〜40からバス90を介して取得したオーディオ/ビデオデータを、アンテナ64aを介してワイヤレスヘッドホン66に送信するものである。制御部61、操作部62及び表示部63の構成及び機能(動作)については、それぞれフロント席用操作ユニット50の制御部51、操作部52及び表示部53の場合と基本的に同じであるので、その説明は省略する。
以下、本発明の主要な部分であるCD/DVDプレーヤ30及びリア席用表示ユニット80について詳しく説明する。
図3は、車載用A/Vシステム100のうちCD/DVDプレーヤ30及びリア席用表示ユニット80の構成を機能的に示したブロック図である。
まず、リア席用表示ユニット80の内部構成について説明する。
図3に示すようにリア席用表示ユニット80は、制御部801と、操作部802と、LCDモニタ等からなる表示部803と、表示ドライバ804とを備えている。
このうち、表示部803は、制御部801からの制御に基づき表示ドライバ804を介して表示制御が行われ、フロント側の表示ユニット70と同様に、TV受信機20やCD/DVDプレーヤ30などの映像ソースからバス90を介して取得した映像データ(情報)をディスプレイ画面に表示するものである。
操作部802は、図4に示す電源のオン/オフを行うための電源キー802a、映像調整を行うための映像調整キーなどの操作キーを備えている。
制御部801は、リア席用操作ユニット60から与えられた操作指示に基づき、選択ソースからバス90を介して送られてくるビデオデータを取得してビデオ情報の再生を行う動作、操作状況や動作状態等を指示する情報を表示部803に表示させる動作等の制御を行う。この場合、取得されたビデオデータは、制御部801により表示ドライバ804を介して表示部803に送られ、そのディスプレイ画面に映像情報として表示される。
さらに、この制御部801は、本発明に関連する処理として、ユーザの電源キー802aの操作によって表示ユニット80の電源が「オン」になり、表示部803が使用可能な状態になると、そのことを示すデータをバス90に出力する。
次に、CD/DVDプレーヤ30の内部構成について説明する。本実施形態において、CD/DVDプレーヤ30はCD及び標準DVDの両方を再生可能なプレーヤであるものとする。
図3に示すようにCD/DVDプレーヤ30において、300は光ディスク(CD又は標準DVD)、301はディスク300が載置されるターンテーブル、302はディスク300が装填されているか否かを検出するディスク装填検出部である。ディスク300は、ローディング部(図示せず)により装填され、ターンテーブル301と押え板(図示せず)とに挟まれてチャッキングされる。また、303はディスク300を載置したターンテーブル301を一定の線速度で回転駆動するスピンドルモータ、304はディスク300の記録面にレーザ光を照射してその反射光により、ディスク300に記録されたデータを読み出す光ピックアップ、305は光ピックアップ304が取り付けられたスレッド(図示せず)をディスク300の半径方向に移動させる送りモータ(例えば、ステッピングモータ、DCモータ等)である。
光ピックアップ304からは、レーザ光のメインスポットから得られる4つの電流信号(A信号、B信号、C信号、D信号)とサイドスポットから得られる2つの電流信号(E信号、F信号)が出力される。この光ピックアップ304は、特に図示はしていないが、ピックアップ内にCD用対物レンズ(図示せず)及び標準DVD用対物レンズ(図示せず)と、これらの対物レンズ(図示せず)を光ディスク300の面に対して水平方向又は垂直方向に移動させるためのアクチュエータ(図示せず)を有している。また、306は光ピックアップ304から出力された電流信号を電圧に変換して可変増幅するRF(Radio Frequency) アンプを示し、再生RF信号及びEFM(Eight to Fourteen Modulation)信号を生成すると共に、A/B/C/D信号に基づいてフォーカスエラー信号を、またE/F信号に基づいてトラッキングエラー信号を、それぞれ生成するものである。
また、307は後述するシステムコントローラ312によって制御されるサーボ回路であり、その機能ブロックとしてフォーカスサーボ制御部307a、トラッキングサーボ制御部307b、ピックアップ送りサーボ制御部307c及びスピンドルサーボ制御部307dを有している。サーボ回路307は、RFアンプ306から供給されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、各サーボ制御部307a〜307dからそれぞれフォーカス制御信号、トラッキング制御信号、ピックアップ送り制御信号及び回転制御信号を生成し、これら生成した各制御信号に基づいてディスク駆動系の各部を制御する。すなわち、フォーカス制御信号に基づいて、光ピックアップ304からのレーザ光の焦点がディスク300の信号面に合うように光ピックアップ304のフォーカスアクチュエータ(図示せず)を駆動制御し、トラッキング制御信号に基づいて、レーザ光がディスク300のトラックを追跡できるように光ピックアップ304のトラッキングアクチュエータ(図示せず)を駆動制御し、ピックアップ送り制御信号に基づいて送りモータ14を駆動制御し、回転制御信号に基づいてスピンドルモータ305を駆動制御する。さらに、サーボ回路307は、RFアンプ306が行う可変増幅動作に係るゲインを調整する機能も有している。
また、308は後述するシステムコントローラ312によって制御されるデジタル信号処理回路であり、例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ)により構成されている。このデジタル信号処理回路308は、基本的には、RFアンプ306から供給される再生RF信号に基づいて、サーボ回路307の各サーボ制御部307a〜307dがそれぞれ制御信号を生成するタイミングをとるための同期信号を発生したり、RFアンプ306から供給されるEFM信号を復調し、圧縮データとして出力する機能を有している。
また、309は後述するシステムコントローラ312によって制御されるストリーム分離部であり、デジタル信号処理部308から出力された制御信号以外のデータ信号を、オーディオビットストリームと、メインピクチャ(映像情報)ビットストリーム及びサブピクチャ(文字情報)ビットストリームとに分離するものである。ここに、メインピクチャビットストリームはMPEG2のフォーマットに従って圧縮された信号であり、サブピクチャビットストリームはランレングス圧縮方式に従って圧縮された信号である。
また、310はストリーム分離部309で分離されたオーディオビットストリームをオーディオ信号の種類(リニアPCM、AC−3、MPEGオーディオ等)に応じて復号化処理し、デジタルオーディオ信号をバス90に出力するオーディオデコーダ、311はストリーム分離部309で分離されたメインピクチャビットストリーム及びサブピクチャビットストリームを復号化処理し、デジタルビデオ信号をバス90に出力するビデオデコーダである。
また、312はマイクロコンピュータにより構成されたシステムコントローラであり、このシステムコントローラ312には、ユーザが指示する情報を入力するための各種操作キーを備えた操作部313が接続されている。システムコントローラ312は、操作部313から入力された信号、デジタル信号処理部308からの信号及びストリーム分離部309からの信号に基づいて、サーボ制御部307、デジタル信号処理部308及びストリーム分離部309を制御する。また、システムコントローラ312は、ディスク装填検出部302からのデータによりディスク300が装填されたか否かを判定する。
さらに、このシステムコントローラ312は、本発明に関連する処理として、リア席用表示ユニット80の制御部801からのデータにより表示部803が使用可能な状態であるか否かを判定し、その判定結果に応じて最初に判定する光ディスク300の種類(本実施形態の場合ではCD又は標準DVD)を決定する。
操作部313には、各種操作キーとして、ディスク300に記録された映像情報や音声情報等のコンテンツを再生させるための「再生」キー、再生動作等を停止させるための「停止」キー、コンテンツの再生中にその特定箇所を検索して当該箇所に遷移させるための機能(スキップ、サーチ、早送り、早戻し、スロー、ステップなど)に係る機能キー、上記の機能キーの操作に基づく処理をキャンセルする動作モードに設定するためのキャンセルモード設定キー、本プレーヤ30の電源のオン/オフを切り換えるための電源スイッチなどが設けられている。
以上のように構成された車載用A/Vシステム100において、リア席用表示ユニット80は「表示手段」に対応し、CD/DVDプレーヤ30は「再生手段」に対応し、システムコントローラ312は「制御手段」に対応している。
以下、本実施形態に係る車載用A/Vシステム100において行う光ディスクの種類判別及び再生に係る処理について、その処理フローの一例を示す図5を参照しながら説明する。なお、前提条件として車載用A/Vシステム100は電源が「オン」の状態(イグニッションキーがACCの位置)にあるものとする。
図5を参照すると、最初のステップS11では、CD/DVDプレーヤ30のシステムコントローラ312は、ディスク装填検出部302からのデータを参照し、光ディスク300が装填されることを監視している。システムコントローラ312は光ディスク300が装填されたことを検知すると、次のステップS12に進む。
ステップS12において、システムコントローラ312は、リア席用表示ユニット80の制御部801からのデータを参照し、4つのリア席用表示ユニット80のうちのいずれか1つの電源が「オン」の状態にある(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS13に進み、判定結果がNOの場合にはステップS23に進む。ステップS23以降のフロー内容については後述する。
ステップS13において、システムコントローラ312は、まず、装填された光ディスク300が標準DVDである(YES)か否(NO)かを判定する。このとき、システムコントローラ312は、例えばレーザ光を光ディスク300に照射し、光ピックアップ304のフォーカスアクチュエータを駆動して標準DVD用対物レンズを光ディスク300の面に垂直な方向に移動させ、所定の時間内にレーザ光の焦点が光ディスク300の信号面に合う(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS17に進み、判定結果がNOの場合にはステップS14に進む。
装填された光ディスク300が標準DVDであると判定した場合には、ステップS17において、システムコントローラ312は標準DVDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300が標準DVDではないと判定した場合には、ステップS14において、システムコントローラ312は、次に、装填された光ディスク300がCDである(YES)か否(NO)かを判定する。このとき、システムコントローラ312は、例えばフォーカスアクチェータによって駆動する対象をCD用対物レンズにすること以外はステップS13と同じ内容の処理を行う。判定結果がYESの場合にはステップS19に進み、判定結果がNOの場合にはステップS15に進む。
装填された光ディスク300がCDであると判定した場合には、ステップS19において、システムコントローラ312はCDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300がCDではないと判定した場合には、ステップS15において、システムコントローラ312は、装填された光ディスク300が標準DVDでもCDでもないので、使用できないディスクであると判定し、エラーであることを示すデータをバス90に出力する。これにより、リア席用表示ユニット80の制御部801は、表示ドライバ804を制御して表示部803のディスプレイ画面に、例えば「使用できないディスクです」のようにエラーであること示すメッセージを表示させる。この後、本処理フローは「終了」する。
また、ステップS12において、リア席用表示ユニット80の電源が「オン」の状態にない(NO)と判定した場合にはステップS23に進む。このステップS23において、システムコントローラ312は、まず、装填された光ディスク300がCDである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS27に進み、判定結果がNOの場合にはステップS24に進む。
装填された光ディスク300がCDであると判定した場合には、ステップS27において、システムコントローラ312はCDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300がCDではないと判定した場合には、ステップS24において、システムコントローラ312は、次に、装填された光ディスク300が標準DVDである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS29に進み、判定結果がNOの場合にはステップS25に進む。
装填された光ディスク300が標準DVDであると判定した場合には、ステップS29において、システムコントローラ312は標準DVDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300が標準DVDではないと判定した場合には、ステップS25において、システムコントローラ312は、装填された光ディスク300が使用できないディスクであると判定し、エラーであることを示すデータをバス90に送信する。これにより、リア席用表示ユニット80の制御部801は、表示ドライバ804を制御して表示部803のディスプレイ画面に、例えば「使用できないディスクです」のようにエラーであること示すメッセージを表示させる。この後、本処理フローは「終了」する。
以上説明したように、本実施形態に係る車載用A/Vシステム100によれば、CD/DVDプレーヤ30のシステムコントローラ312は、リア席用表示ユニット80の電源が「オン」状態であるか否かを検知することにより、装填された光ディスク300が、映像記録用として用いられることが多い標準DVDなのか、あるいはそうではないCDなのかを予測して、最初に判別する光ディスク300の種類を決定する。これにより、最初に判別する光ディスクの種類が、装填された光ディスク300の種類と一致する可能性が高くなる。このため、装填された光ディスク300の種類が判別されるまでに要する時間を短縮することができる。そして、例えば装填された光ディスクがDVDであると判定したときには、DVDを再生するための処理を行う。この結果、CD/DVDプレーヤ30に光ディスク300が装填されてから再生されるまでに要する時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態に係る車載用オーディオ/ビデオ(A/V)システムの構成を機能的に示したブロック図である。なお、本実施形態においても、本発明をリヤ・エンターテイメント・システム(RES)に適用したものについて説明する。また、本実施形態と第1の実施形態との違いはCD/DVDプレーヤ及びフロント席用表示ユニットの構成にあり、その他の構成は第1の実施形態と基本的に同じであるので、本実施形態においては第1の実施形態と同じ構成のものには同じ符号を付して、その説明は省略する。
本実施形態の車載用A/Vシステム200は、ラジオ受信機10、TV受信機20、CD/DVDプレーヤ30a及びナビゲーションユニット40の各種A/Vソースと、フロント席用操作ユニット(ヘッドユニット(H/U))50と、リア席用操作ユニット60と、ワイヤレスヘッドホン86と、フロント席用表示ユニット75と、リア席用表示ユニット80と、アンプユニット95と、スピーカ96とを備えて構成されている。各ソース10,20,30,40、各操作ユニット50,60、各表示ユニット75,80及びアンプユニット95は、伝送路として供される光ファイバ等のバス90を介して接続されている。
A/VソースのうちCD/DVDプレーヤ30aは、フロント席用表示ユニット75付きCD/DVDプレーヤの形態で、図7に示すようにダッシュボード内に設置されている。このフロント席用表示ユニット75は、図8(a)に示すように不使用時にはモニタがダッシュボード内に収納され、図8(b)に示すように使用時にはモニタがダッシュボード内から突出してダッシュボード上に配置されるインダッシュ方式のモニタの形態で設けられている。なお、本実施形態では、フロント席用表示ユニット75は、CD/DVDプレーヤ30aとともにダッシュボード内に設置されているが、設置場所はこれに限定されず、例えばセンターコンソール内にとしてもよい。
以下、本発明の主要な部分であるCD/DVDプレーヤ30a及びフロント席用表示ユニット75について詳しく説明する。
図9は、車載用A/Vシステム200のうちCD/DVDプレーヤ30a及びフロント席用表示ユニット75の構成を機能的に示したブロック図である。
まず、フロント席用表示ユニット75の内部構成について説明する。
図9に示すようにリア席用表示ユニット75は、制御部701と、操作部702と、LCDモニタ等からなる表示部703と、表示ドライバ704と、モニタ駆動部705と、モニタ位置検出部706とを備えている。
このうち、表示部703は、制御部701からの制御に基づき表示ドライバ704を介して表示制御が行われ、TV受信機20やCD/DVDプレーヤ30aなどの映像ソースからバス90を介して取得した映像データ(情報)をディスプレイ画面に表示するものである。
操作部702は、表示部703の収納/排出を行うための収納/排出キー、表示部703のディスプレイ画面を上下及び左右に傾けるための角度調整キー、映像調整を行うための映像調整キーなどの操作キーを備えている。なお、本実施形態では、表示ユニット75はインダッシュ方式モニターであり、不使用時には表示ユニットのほとんどの部分がダッシュボード内に収納されているので、操作キーのうち収納/排出キーは表示ユニット75以外の場所(例えば、CD/DVDプレーヤ30aのフロントパネル上の所定箇所)に設けられている。
モニタ駆動部705は、特に図示しないが、表示部703をダッシュボード内から外部に向けて水平方向に突出させるための水平駆動用モータ(図示せず)と、外部に突出した表示部703を上下に傾けるためのチルト用モータ(図示せず)と、外部に突出した表示部703を左右に傾けるための首振り用モータ(図示せず)とを有している。また、モニタ位置検出部706は、プッシュ式スイッチや赤外線センサ等のセンサにより構成され、表示部703がダッシュボード内から所定の位置まで外部に突出して所定の角度に傾いて、図8(b)に示すようにダッシュボード上の所定の位置に配置されたことを検出する。
制御部701は、フロント席用操作ユニット50から与えられた操作指示に基づき、選択ソースからバス90を介して送られてくるビデオデータを取得してビデオ情報の再生を行う動作、操作状況や動作状態等を指示する情報を表示部703に表示させる動作等の制御を行う。この場合、取得されたビデオデータは、制御部701により表示ドライバ704を介して表示部703に送られ、そのディスプレイ画面に映像情報として表示される。
また、制御部701は、操作部702から与えられた操作指示に基づき、モニタ駆動部705を制御して表示部703をダッシュボード内から外部に水平方向に突出させたり、外部に突出した表示部803を上下にチルトさせたり、表示部803を左右に首振りさせたりする。
さらに、この制御部701は、本発明に関連する処理として、表示部703がダッシュボード内から突出してダッシュボード上の所定の位置に配置され、表示部703が使用可能な状態になると、そのことを示すデータをバス90に出力する。
次に、CD/DVDプレーヤ30aの内部構成について説明する。本実施形態において、CD/DVDプレーヤ30aはCD及び標準DVDの両方を再生可能なプレーヤであるものとする。
図9に示すように、本実施形態のCD/DVDプレーヤ30aの構成は、第1の実施形態のCD/DVDプレーヤ30の構成と基本的に同じである。但し、本実施形態のシステムコントローラ312aは、第1の実施形態のシステムコントローラ312と異なり、本発明に関する処理として、フロント席用表示ユニット75の制御部701からのデータによって表示部703が使用可能な状態であるか否かを判定し、その判定結果に応じて最初に判定すべき光ディスク300の種類(本実施形態の場合ではCD又は標準DVD)を決定する。
以上のように構成された車載用A/Vシステム200において、フロント席用表示ユニット75は「表示手段」に対応し、CD/DVDプレーヤ30aは「再生手段」に対応し、システムコントローラ312aは「制御手段」に対応している。
以下、本実施形態に係る車載用A/Vシステム200において行う光ディスクの種類判別及び再生に係る処理について、その処理フローの一例を示す図10を参照しながら説明する。なお、前提条件として車載用A/Vシステム200は電源が「オン」の状態(イグニッションキーがACCの位置)にあるものとする。
図10を参照すると、最初のステップS31では、CD/DVDプレーヤ30aのシステムコントローラ312aは、ディスク装填検出部302からのデータを参照し、光ディスク300が装填されることを監視している。システムコントローラ312aが光ディスク300が装填されたことを検知すると、次のステップS32に進む。
ステップS32において、システムコントローラ312aは、フロント席用表示ユニット75の制御部701からのデータを参照し、表示ユニット75の表示部703がダッシュボード内から突出してダッシュボード上の所定の位置に配置された(YES)か否(NO)を判定する。判定結果がYESの場合にはステップS33に進み、判定結果がNOの場合にはステップS43に進む。ステップS43以降のフロー内容については後述する。
ステップS33において、システムコントローラ312aは、まず、装填された光ディスク300が標準DVDである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS37に進み、判定結果がNOの場合にはステップS34に進む。
装填された光ディスク300が標準DVDであると判定した場合には、ステップS37において、システムコントローラ312aは標準DVDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300が標準DVDではないと判定した場合には、ステップS34において、システムコントローラ312aは、次に、装填された光ディスク300がCDである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS39に進み、判定結果がNOの場合にはステップS35に進む。
装填された光ディスク300がCDであると判定した場合には、ステップS39において、システムコントローラ312aはCDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300がCDではないと判定した場合には、ステップS35において、システムコントローラ312aは、装填された光ディスク300が使用できないディスクであると判定し、エラーであることを示すデータをバス90に送信する。これにより、フロント席用表示ユニット75の制御部701は、表示ドライバ704を制御して表示部703のディスプレイ画面に、例えば「使用できないディスクです」のようにエラーであること示すメッセージを表示させる。この後、本処理フローは「終了」する。
また、ステップS32において、表示ユニット75の表示部703がダッシュボード内から突出してダッシュボード上の所定の位置に配置されていない(NO)と判定した場合には、ステップS43に進む。このステップS43において、システムコントローラ312aは、まず、装填された光ディスク300がCDである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS47に進み、判定結果がNOの場合にはステップS44に進む。
装填された光ディスク300がCDであると判定した場合には、ステップS47において、システムコントローラ312aはCDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300がCDではないと判定した場合には、ステップS44において、システムコントローラ312aは、次に、装填された光ディスク300が標準DVDである(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS49に進み、判定結果がNOの場合にはステップS45に進む。
装填された光ディスク300が標準DVDであると判定した場合には、ステップS49において、システムコントローラ312aは標準DVDを再生するための処理を行う。この後、本処理フローは「終了」する。
一方、装填された光ディスク300が標準DVDではないと判定した場合には、ステップS45において、システムコントローラ312aは、装填された光ディスク300が使用できないディスクであると判定し、エラーであることを示すデータをバス90に送信する。これにより、フロント席用表示ユニット75の制御部701は、表示ドライバ704を制御して表示部703のディスプレイ画面に、例えば「使用できないディスクです」のようにエラーであること示すメッセージを表示させる。この後、本処理フローは「終了」する。
以上説明したように、本実施形態に係る車載用A/Vシステム200によれば、CD/DVDプレーヤ30aのシステムコントローラ312aは、フロント席用表示ユニット75の表示部703がダッシュボード内から突出してダッシュボード上の所定の位置に配置されたか否かを検知することにより、装填された光ディスク300が、映像記録用として用いられることが多い標準DVDなのか、あるいはそうではないCDなのかを予測して、最初に判別する光ディスク300の種類を決定する。これにより、最初に判別する光ディスクの種類が、装填された光ディスク300の種類と一致する可能性が高くなる。このため、装填された光ディスク300の種類が判別されるまでに要する時間を短縮することができる。そして、例えば装填された光ディスクがDVDであると判定したときには、DVDを再生するための処理を行う。この結果、CD/DVDプレーヤ30aに光ディスク300が装填されてから再生されるまでに要する時間を短縮することができる。
なお、本実施形態においては、本発明をRESに適用したものについて説明したが、適用対象となる車載用A/Vシステムはそれに限定されない。例えば、本発明を、リア席用操作ユニット及び表示ユニットのない車載用A/Vシステムに適用してもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、本発明の「再生手段」としてCD及び標準DVDの両方を再生可能なCD/DVDプレーヤ30,30aを採用しているが、プレーヤの種類はそれに限定されない。例えば、本発明の「再生手段」としてCD、標準DVD及び次世代DVD(HD−DVDやブルーレイディスク)の全てを再生可能なCD/DVDプレーヤを採用してもよい。この形態では、表示ユニットが使用可能な状態であるか否かを判定することにより、装填された光ディスクが、映像記録用として多く用いられることが多いDVDなのか、あるいはそうではないCDなのかを予測して、最初に判別する光ディスクの種類を決定する。なお、この形態においては、表示ユニットが使用可能な状態であると判定した場合に標準DVD及び次世代DVDのどちらを先に判別するのかについては、使用頻度を考慮して決めてもよい。例えば標準DVDが次世代DVDよりも使用頻度が高い場合には、先に標準DVDを判別し、その次に次世代DVDを判別するようにしてもよい。