JP5031226B2 - 物体位置検出装置 - Google Patents

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本発明は、例えば車両周辺の障害物を検出するために用いられる物体位置検出装置に関する。
従来、物体の位置を検出するために、物体の方位を検出する方法に関して、特許文献1に記載されているような三角測量を用いた方法がある。この三角測量を用いた方法は、例えば物体の2次元位置を検出したい場合、先ず外部に電波や超音波などの信号(送信波)を送信する。そして、その送信波が物体によって反射された信号(反射波)を、図27(a)に示すように所定間隔dで配置された2つの素子1A、1Bで受信する。この各素子1A、1Bで受信する反射波は、図27(b)に示すように、その反射波の到来方向θ(物体の方向)によって時間差Δtが生じる。したがって、物体の方位θは、送信波(反射波)の伝播速度をCとすると、sin−1(Δt×C/d)と算出することができる。なお、物体までの距離は、送信波を送信した時間と反射波を受信した時間との差から算出することができる。
このように、三角測量を用いて物体の位置を検出するためには、各素子で受信する反射波の時間差Δtを正確に検出する必要がある。この時間差Δtは、同じ方向から反射波が到来したとしても、素子間隔dによって異なってくる。具体的には、素子間隔dが狭くなるにつれて、物体と各素子1A、1Bとの経路差(d×sinθ)が小さくなっていくので、時間差Δtも小さくなっていき正確な検出が困難となる。また、送信波として電波を用いた場合、伝播速度Cが大きいために時間差Δtが小さくなってしまい、特に正確な検出が困難となってしまう。さらに、送信波として超音波を用いた場合、超音波は伝播する媒質の影響を受けやすく、このため各素子で受信する反射波の時間差Δtに誤差が生じやすくなる。
一方、物体の位置を検出する方法として、図27(c)に示すように、上記反射波の到来方向θ(物体の方位)を各素子1A、1Bにおける反射波の位相差Δφに基づいて算出する方法がある。具体的には、送信波(反射波)の波長をλとすると、物体の方位θは、sin−1{Δφ×λ/(2π×d)}と算出することができる。なお、物体の距離は、上記三角測量を用いた方法と同様に、送信波を送信した時間と反射波を受信した時間との差から算出する。このように、各素子で受信した反射波の位相差を用いれば、上記時間差Δtに係る種々の問題点を考慮することなく、物体の位置を検出することができる。
特開2001−118198号公報
しかしながら、上述の各素子で受信した反射波の位相差Δφに基づいて物体の位置(方位)を検出するには、素子間隔dを送信波の波長λの半分以下(≦0.5λ)にしなければ、位相差Δφに対応する反射波の到来方向θが一意に決まらない場合がある。図28(a)は、素子間隔dが0.75λ(>0.5λ)の場合における位相差Δφと反射波の到来方向θとの関係を示した図である。なお、同図は、各素子間の中心軸方向を到来方向θ=0としている。同図に示すように、位相差Δφの絶対値が90°〜180°の範囲では、反射波の到来方向θの候補が2つある。このように、到来方向θの候補が複数になる場合があるのは、受信側ではある位相差Xと位相差X+2nπ(nは整数)とを区別することができないためである。したがって、このような範囲では、反射波の到来方向θが一意に決まらない。つまり、物体の位置を決定することができない。
一方、同図(b)は、素子間隔dが0.5λの場合における位相差Δφと反射波の到来方向θとの関係を示した図であるが、同図に示すようにどの位相差Δφに対しても反射波の到来方向θを一意に決定することができる。したがって、位相差Δφのみの情報から反射波の到来方向θを算出するためには、素子間隔dを0.5λ以下にする必要がある。
また、物体を検出するために外部に送信する送信波をアレイ素子で送信する場合についても、そのアレイ素子の素子間隔dが0.5λより大きいのときには、以下に示す問題が生じる。
図29は、アレイ素子の各素子に入力する送信波を送信するための信号の位相差を同相としたときの、各素子から送信される送信波を合成した指向性を示す図である。なお、同図は1次元の指向性を表している。また、同図には、種々の素子間隔dについての指向性を重ねて表示している。同図に示すように、素子間隔dを0.5λより大きくすると、図29に示すように送信波の出力がゼロとなるヌル点を生じる。したがって、送信波を送信してもヌル点となる方位において物体を検出できないということが起こりうる。
なお、同図の指向性を表す曲線は、以下の数2式に基づいて表したものである。先ず、アレイ素子の各素子から送信される送信波の合成指向性E(θ、φ)は、次式のように表される(以下1次元の場合を示す)。
(数1)
E(θ、φ)=E(θ、φ)Σexp[j{(2π/λ)×(m×dx×sinθ×cosφ)+θ}]、(m=0、1、・・・、M−1)
なお、数1式中のθ、φは、図30のように空間に原点と基準軸を設けたときの、任意の点における、その任意の点と原点とを結んだ直線と基準軸との角度を表しており、また、E(θ、φ)は各素子単体の指向性、λは送信波の波長、dxは素子間隔、θは各素子に入力する送信信号の位相、Mは素子数を示している。
ここで、一次元(x軸上)の指向性を考えるために、φ=0とし、さらに、素子数Mを2、各素子に入力する送信信号間の位相差を同相(0)とするため、θ01とすると、指向性E(θ、φ)は次式のように表される。
(数2)
E(θ、φ)=E(θ、φ)×[1+exp{j(2π/λ)×d×sinθ}]
つまり、この数2式について、各素子間隔d(0.5λ以上)について方位θに対する合成指向性E(θ、φ)を示したものが図29となる。
以下、ヌル点となる方位θth以内の指向性をメインローブといい、θth以上の指向性をグレーティングローブという。なお、θthは、次式で表される。
(数3)
θth=sin−1{λ/(2×d)}
以上より、アレイ素子を用いて物体の位置を検出する場合には、送信側、受信側ともにアレイ素子の素子間隔dを0.5λ以下にするのが望ましいことになる。
しかしながら、素子間隔dを0.5λ以下にするにも以下の理由によって限度がある。図31(a)は、送信波として超音波パルスを用いる場合に、その超音波パルスを発生させる素子(マイク2)の断面を示した図である。同図に示すように、マイク2は圧電素子2aと振動板2bから構成されており、図示しないパルス信号生成部からのパルス信号を受けて、これら圧電素子2aと振動板2bが共振し、この共振により超音波パルスが発生する。
そして、このようなマイク2を素子間隔d≦0.5λを満たすようにアレイ状に配置するために、素子をレイアウトするため、素子間隔を広げたいので、超音波パルスの波長λを大きくする、つまり超音波パルスの周波数を小さくすることが考えられる。しかし、図31(b)に示すように、超音波パルスの周波数を小さくしていくと、それに伴いマイク2の直径が大きくなってしまう。また、同図(c)は、マイク2の直径と発生する超音波パルスの周波数の関係について、種々の振動板2bの板厚について示した図であるが、同図に示すように、振動板2bの板厚を薄くすれば、マイク2の直径を抑えつつ、超音波パルスの周波数を小さくすることができる。つまり、素子間隔dを0.5λ以下にする余地もある。しかし、振動板2bの板厚を薄くすると、それだけ振動板2bの強度が低下することになるので、例えばこのマイク2を車両のバンパ部などに取り付けた場合には、路面からの飛び石などによって振動板2bが破損する場合も想定される。結局素子間隔dを0.5λ以下にするのにも弊害が伴うことになる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、第1の目的は物体の位置検出のために外部に送信する送信波を、その送信波の波長の半分より大きい素子間隔のアレイ素子で送信した場合に、周囲に漏れなく送信波を送信することができる物体位置検出装置を提供すること、第2の目的は物体の位置検出のために送信された送信波に対する反射波をアレイ素子で受信し、その反射波の各素子の位相差から物体の方位を算出する物体位置検出装置において、そのアレイ素子の素子間隔が送信波の波長の半分以上であっても一意に物体の方位を算出することができる物体位置検出装置を提供することを目的とする。
請求項1の物体位置検出装置は、外部に送信波を送信する送信手段と、前記送信波の波長の半分より大きく且つその波長未満の間隔で配置され、前記送信手段が送信した送信波に対する反射波を受信する複数の素子からなるアレイ素子と、前記アレイ素子の少なくとも1つが反射波を受信した時間と前記送信手段が送信波を送信した時間との差に基づいて物体までの距離を算出する距離算出手段と、前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信時間差を算出する時間差算出手段と、前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信位相差を算出し、当該位相差から物体の方位を算出するものであって、当該位相差から算出される物体の方位が複数候補ある場合は、前記受信時間差の絶対値が所定の時間差基準値より大きいか否か、及び/又は前記各素子の一方を基準とした前記受信時間差の正負に基づいて、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定する方位算出手段とを備え、前記方位算出手段は、前記反射波の各素子間の受信位相差の絶対値が、位相差基準値以上のときは、最初に前記受信時間差の正負の判断を行って、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定することを特徴とする。
また、請求項2の物体位置検出装置は、外部に送信波を送信する送信手段と、前記送信波の波長以上であってその波長の5/4未満の間隔で配置され、前記送信手段が送信した送信波に対する反射波を受信する複数の素子からなるアレイ素子と、前記アレイ素子の少なくとも1つが反射波を受信した時間と前記送信手段が送信波を送信した時間との差に基づいて物体までの距離を算出する距離算出手段と、前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信時間差を算出する時間差算出手段と、前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信位相差を算出し、当該位相差から物体の方位を算出するものであって、当該位相差から算出される物体の方位が複数候補ある場合は、前記受信時間差の絶対値が所定の時間差基準値より大きいか否か、及び/又は前記各素子の一方を基準とした前記受信時間差の正負に基づいて、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定する方位算出手段とを備え、前記方位算出手段は、前記各素子間の受信位相差から算出される物体の候補方位が3つある場合は、前記受信時間差の絶対値が前記所定の時間差基準値より大きいか否かの判断と前記受信時間差の正負の判断とを順番に行って、前記3つの候補方位の中から前記物体の方位を決定することを特徴とする。
上述したように、各素子で受信した反射波の受信時間差は、物体の方位に依存している。例えば、物体が各素子の正面に位置している場合は、この受信時間差はゼロとなる。一方、物体が各素子の真横に位置している場合は、この受信時間差の絶対値は最も大きくなる。このように、反射波の各素子間の受信位相差だけでなく、受信時間差を用いることにより、その位相差に対応する物体の方位が複数候補ある場合であっても、一つに絞ることができる。また、上述の三角測量方式のように、受信時間差のみから物体の方位を算出していないので、受信時間差を精密に検出できなくても正確に物体の方位を算出することができる。
また、例えば物体が各素子の正面に位置している場合は、この受信時間差はゼロとなる。一方、物体が各素子の真横に位置している場合は、この受信時間差の絶対値は最も大きくなる。つまり、受信時間差の絶対値が小さいほど物体は各素子の正面近辺に位置していることになり、反対に受信時間差の絶対値が大きくなるほど物体は各素子の真横近辺に位置していることになる。このことから、受信時間差の絶対値がある時間差基準値よりも大きいか否かを判断することによって、物体の大凡の方向を把握することができる。
また、各素子の一方を基準とすると受信時間差は正負の符号が付く。この受信時間差の正負を判断することによって、各素子間の中心軸に対して、左右どちらに物体があるのかを把握することができる。
このように、受信時間差の絶対値が所定の時間差基準値より大きいか否かの判断と、受信時間差の正負の判断の一方を行い、又は両方を組み合わせることにより、物体の位置を一意に算出することができる。またこの場合、三角測量の方法で要求されるように、受信時間差を正確に検出できなくても、物体の方位を正確に算出することができる。
ただし、受信時間差の絶対値が時間差基準値よりも大きいか否かによって、物体の方位を決定又は絞り込む場合、位相差及び受信時間差の検出精度によっては誤った方位を決定したり絞り込んでしまう恐れもある。この場合、受信時間差の正負で判断したほうが、物体の方位の決定や絞り込みを正確に行える場合もある。例えば、素子間隔が0.875λにおける、反射波の各素子間の位相差と反射波の到来方向との関係は、図3で示されるが、同図に示すように、位相差の絶対値が大きいほど、−θth1<θ<+θth1の範囲内の曲線は、到来方向のゼロ点(=受信時間差がゼロ)から離れていく。つまり、受信時間差の正負のほうが判断し易くなる。請求項1は、このようなことを鑑みたものであり、これによって正確に物体の方位を決定又は絞り込むことができる。
一方、請求項2では次の効果が得られる。すなわち、各素子間の反射波の受信位相差から算出される物体の方位候補が3つある場合は、先ず受信時間差が所定の時間差基準値より大きいか否かを行うことによって、候補方位を1つ又は2つに絞り込めることができる。ここで、候補方位を1つに絞り込めなかったとしても、次に受信時間差の正負の判断を行うことにより、候補方位を1つに絞り込めることができる。又は、最初に受信時間差の正負の判断を行って、次に受信時間差の絶対値が所定の時間差基準値より大きいか否かの判断を行ってもよい。このように、これらの2つの判断を順番に行うことにより、物体の方位を決定することができる。
請求項の物体位置検出装置は、前記所定の時間差基準値は、前記送信波の1周期の半分であることを特徴とする。
図2、3は、それぞれ素子間隔が送信波の波長λに対して0.75λと0.875λのときの、反射波の各素子間の位相差と反射波の到来方向との関係を示した図(a)、送信波の周期Tで表した反射波の各素子間の受信時間差と反射波の到来方向との関係を示した図(b)である。なお、図2、3は、各素子間の中心軸方向を到来方向θ=0としている。図2、3に示すように、受信時間差の絶対値が送信波の1周期の半分に対応する反射波の到来方向は、それぞれ位相差が±180°になり、この方位の前後において位相差が180°から−180°に反転している方向(±θth1)となっている(受信側では、どの位相差に対しても絶対値が180°以内の位相差としてしか判断できないため)。このことから、受信時間差の絶対値の大小を判断する時間差基準値を送信波の1周期の半分とすることにより、物体の方位θが、−θth1<θ<+θth1なのか、θ≦−θth1、+θth1≦θなのかを判別することができる。
また、受信時間差の絶対値の大小を判断する時間差基準値を送信波の1周期の半分とすると、受信時間差が送信波の1周期の半分より小さいときは、どのような素子間隔のアレイ素子を用いても、直ちに物体の方位を決定することができる。
なお、受信時間差の絶対値が送信波の1周期の半分のときの反射波の到来方向が、反射波の各素子間の位相差が±180°(方位=±θth1)となることは、以下のように証明される。
先ず前提として、図4に示すように、アレイ素子3A、3Bが素子間隔d(>0.5λ)で配置されている場合に、方向θから物体で反射された反射波が到来したとする。この場合、各素子3A、3Bで受信する反射波の位相差Δφは次式で表される。なお、次式においてλは送信波の波長を表している。
(数5)
Δφ=(2π×d/λ)×sinθ
ここで、位相差Δφ=πとすると、数5の式は、次式のように変形することができる。
(数6)
d×sinθ=λ/2
次に、素子3A、3Bが反射波を受信したときの、物体から各素子3A、3Bまでの経路差(d×sinθ)による遅延時間Δt(受信時間差)は、次式で表される。なお、次式においてCは反射波の伝播速度を表している。

(数7)
Δt=d×sinθ/C
ここで、数6の式を用いると、数7の式は次式のように変形することができる。
(数8)
Δt=λ/(2×C)
ここで、送信波(反射波)の周期をTとすると、1/T=C/λより、数8の式は次式のように変形することができる。
(数9)
Δt=T/2
同様にして、位相差Δφ=−πのとすると、遅延時間Δt(受信時間差)は、次式で表される。
(数10)
Δt=−T/2
以上の各式で示したことをまとめると、受信時間差Δtの絶対値がT/2のときは、位相差Δφが±π(±180°)となる。そして、そのときの反射波の到来方向は、位相差が180°から−180°に反転する方向(±θth1)となる。なお、この反転する方向θth1は、上記数6式を変形して、次式で表される。
(数11)
θth1=sin−1{λ/(2×d)
請求項の物体位置検出装置は、前記方位算出手段は、前記反射波の各素子間の受信位相差の絶対値が、前記位相差基準値よりも小さいときは、最初に前記受信時間差の絶対値が前記時間差基準値より大きいか否かの判断を行って、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定することを特徴とする。
例えば図3において、受信位相差の絶対値が小さくなるほど、−θth1<θ<+θth1の範囲内の曲線が、到来方向のゼロ点(=受信時間差がゼロ)に近づいていく。この場合、受信時間差の検出精度によっては、受信時間差の正負が正確に判定することができないことも起こりうる。この場合、受信時間差の絶対値がある時間差基準値よりも大きいか否かで判断したほうが、正確に物体の方位の決定又は絞り込みを行うことができると考えられる。請求項は、このようなことを鑑みたものである。
請求項の物体位置検出装置は、前記位相差基準値は、π/2であることを特徴とする。このπ/2は、どの素子間隔のアレイ素子を用いたとしても、受信時間差の正負の判断がし易いか否かの基準値になりえると考えられるためである。
請求項の物体位置検出装置は、前記所定の時間差基準値は、前記各素子の間隔によっては、前記各素子間の受信位相差に応じて異なる複数の値が設定されていることを特徴とする。例えば、時間差基準値を1つのみ設定した場合、各素子の間隔によってはこの時間差基準値に対応する反射波の到来方向と、反射波の各素子間の位相差から算出した物体
(反射波)の方位候補とが近い場合が起こりうる。この場合、受信時間差の精度によっては、その受信時間差の絶対値と時間差基準値との大小の判定が間違ってしまうことが予想される。つまりこの場合、間違った物体の方位を算出してしまうことになる。請求項の物体位置検出装置は、各素子間の反射波の位相差に応じて、受信時間差の絶対値と時間差基準値との大小の判定が間違わないような複数の時間差基準値を設定している。これによって、どの各素子間の位相差によっても正確に物体の方位を算出することができる。
請求項の物体位置検出装置は、前記方位算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅がともに閾値を超えたときに各反射波から対応する反射波の位相を求め、さらにそれらの位相から前記反射波の各素子間の受信位相差を算出することを特徴とする。
このように、反射波の振幅を閾値判定するのは、その反射波が物体で反射された反射波か否かを判定するためである。例えば、一方の素子の反射波の振幅が閾値を超えていたとしても、反射波が未だ他方の素子に到来していないために、他方の素子の反射波の振幅が閾値を超えていない場合もあり得る。このような場合に位相差を算出したとしても正確に物体の方位を算出することはできない。請求項はこのようなことを鑑みてなされたものである。これにより、正確に反射波の各素子間の受信位相差を算出することができる。
請求項の物体位置検出装置は、前記方位算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅がすべて閾値を超えていない場合には、前記反射波の各素子間における位相差の算出を中止することを特徴とする。
アレイ素子の各素子のうち、1つでも確実に反射波を受信していない素子がある場合に物体の方位を算出したとしても、それは正確な物体の方位ではない可能性が大きい。請求項15の物体位置検出装置は、このような場合には反射波の各素子間の位相差、つまり物体の方位の算出を行わない。
請求項の物体位置検出装置は、前記距離算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅が閾値を超えた瞬間における各時間を平均した時間を、前記アレイ素子が反射波を受信した時間とすることを特徴とする。
反射波の到来方向によっては、各素子で受信する反射波の時間に差が生じる。そこで、それら時間を平均した時間を用いて物体までの距離を算出することにより、各素子間の中点から物体までの距離を算出することができる。特に素子間隔が大きい場合に効果的である。
請求項10の物体位置検出装置は、前記距離算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅がすべて閾値を超えていない場合には、前記物体までの距離の算出を中止することを特徴とする。これは、上記請求項15と同一趣旨によるものである。
請求項11の物体位置検出装置は、前記送信手段は、複数の素子からなるアレイ素子を備え、当該素子に送信信号を入力して、外部に送信波を送信するものであって、前記送信波の各素子の合成出力がゼロとなるヌル点を補完するように、前記アレイ素子の各素子に入力する各送信信号間の位相関係を切り替えて前記送信波を送信することを特徴とする。これによって、送信波を送信するときには、ヌル点を補完することができるとともに、その送信波に対する反射波から物体の位置を一意に算出することができる。
請求項12の物体位置検出装置は、前記送信手段が備えたアレイ素子と前記反射波を受信するアレイ素子は、共通のアレイ素子であることを特徴とする。このように送信と受信とでアレイ素子を共用することにより、コスト低減、素子を配置するスペースの低減、意匠性の向上を図ることができる。
請求項13の物体位置検出装置は、前記送信波は、超音波パルスであることを特徴とする。例えば送信波として電波を用いた場合、伝播速度が速いために、各素子で反射波を受信したときの時間の差が小さくなる。また、送信波を送信した時間と反射波を受信した時間との差も小さくなる。つまり、この時間差を精密に検出する必要がある。これに対し、送信波として超音波パルスを用いた場合、電波に比べて伝播速度が遅いために、時間の検出がし易くなる。これによって、物体の距離、方位を正確に算出することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る物体位置検出装置の第1の実施形態について説明する。本実施形態の物体位置検出装置100は、外部に送信波を送信する際には、ヌル点を補完するため、また広範囲に送信波を送信するために、アレイ素子の各素子に入力する送信信号間の位相差を同相と逆相に交互に切り替える。
また、その送信波に対する反射波から物体の位置を算出する際には、送信波を送信した時間と反射波を受信した時間との差から物体までの距離を算出し、受信した反射波の各素子間の位相差から物体の方位を算出する。この際、その位相差に対応する物体の方位が複数ある場合は、各素子が反射波を受信した時間差の符号が正か負か、及びその時間差が時間差基準値(本実施形態の場合は送信波の周期Tの半分)より大きいか小さいかに基づいて物体の方位を決定する。以下、図面に基づいて詳細に説明する。
図7は、本実施形態の物体位置検出装置100の全体構成を示すブロック図である。同図に示すように、物体位置検出装置100は、送信制御部20、受信制御部30、素子40A、40B、及びECU10から構成される。
ECU10は、通常のコンピュータであり、図示しないROM、RAM、CPU、I/O、及びこれらを接続するバスによって構成される。物体を検出する際には、このECU10は、送信制御部20に対して、所定のタイミングで外部に送信波を送信するように指示する。また、ECU10は、受信制御部30に対して、物体の位置情報を自身に送信するように指示する。そして、ECU10は、その物体の位置情報に基づいて、用途に応じた処理を行う。例えば、この物体位置検出装置100を車両周辺の障害物検知用に用いる場合には、ECU10は、ドライバーに周辺に障害物がある旨の報知などの処理を行う。
送信制御部20は、ECU10の送信指示に基づいて、所定の送信信号を生成して、アレイ素子を構成する各素子40A、40Bに出力する部分である。具体的には、図8に示すように、送信位相決定部21、送信波形生成部22A、22Bから構成される。
送信位相決定部21は、素子40A、40Bのそれぞれに入力する送信信号の位相をECUからの指示に基づき決定し、送信波形生成部22A、22Bに指示する。本実施形態では、上述したように、送信波のヌル点を補完するため、かつ広範囲に送信波を送信するために、各素子40A、40Bに入力する送信信号間の位相差が同相と逆相に交互に切り替わるように、その位相を決定する。
送信波形生成部22A、22Bは、送信位相決定部21からの指示に基づいて、所定位相、所定周波数の正弦波を生成し、それをパルス変調した信号を送信信号として、各素子40A、40Bに入力する。
素子40A、40Bは、送信波の波長λに対して、半波長λ/2より大きい間隔で、アレイ状に配置されており、送信波形生成部22A、22Bから送信された送信信号に応じた送信波を外部に送信する。また、素子40A、40Bは、外部から到来する信号(反射波)を受信し、この受信信号を受信制御部30に送信する。素子40A、40Bとして、具体的には、例えば図31(a)に示す構造の超音波を発生する超音波マイクを用いる。このように送信波として超音波パルスを用いると、各素子40A、40Bで受信した反射波の各素子間の時間差を大きく検出することができ、また送信波を送信した時間から反射波を受信するまでの時間も大きく検出することができる。これにより、物体までの距離や方位の算出がしやすくなる。なお、素子40A、40Bとして、超音波マイクの他に電波を発生するアンテナを用いてもよい。
このように、素子40A、40Bはアレイ素子であるために、素子40A、40Bから送信される合成送信波は各素子40A、40Bに入力される送信信号の位相に応じた指向性を有することになる。具体的には、各素子40A、40Bに入力される送信信号間の位相差が同相のときには、図1に示すように、送信波は、素子40A、40Bに対して正面方向に向いているメインローブの他、それ以外の方向にも送信波が送信されることを示すグレーティングローブを有する指向性となる。また、メインローブとグレーティングローブとを仕切る方向はヌル点となっている。一方、各素子40A、40Bに入力される送信信号間の位相差が逆相のときには、同図に示すように、送信波は、素子40A、40Bに対して左右方向に2つに割れた指向性となる。この場合、素子40A、40Bに対して正面方向はヌル点となっている。このように、各素子40A、40Bに入力する送信信号間の位相差を同相と逆相に交互に切り替えることにより、ヌル点を補完し、広範囲の方位をカバーできる。なお、図1に示す送信波の指向性は、それぞれ下記数4式のΔθmを0とπにして、同式を用いることにより求めることができる。
(数4)
E(θ、φ)=E (θ、φ)×[1+exp{j(2π/λ)×d×sinθ+Δθ }]
なお、この数4式は、数1式において、各素子に入力する位相差をΔθmとするために、θ1=0、θ2=Δθmとすることで得られる式である。
受信制御部30は、素子40A、40Bで受信した反射波を受け取り、その反射波に基づいて物体の位置を算出する部分である。具体的には、図9に示すように、直交復調部31A、31B、時間差判定部32、位相差算出部33、方位算出部34、距離算出部35、位置変換部36から構成される。
直交復調部31A、31Bは、素子40A、40Bから送られてきた信号を直交復調する部分である。具体的には、素子40A、40Bから送られてきた信号に、所定の各周波数の正弦波ならびに余弦波を掛け合わせ、ローパスフィルタにより高周波成分を除去し、同相成分(I)と直交成分(Q)を抽出する。この操作はAD変換後に行ってもよいし、直交復調後にAD変換し、ディジタル値に変換してもよい。これにより、受信した反射波を、振幅成分と位相成分とに分けることができる。この直交復調後の信号は、時間差算出部32、位相差算出部33、及び距離算出部35に送られる。
時間差算出部32は、素子40A、40Bで受信した反射波の受信時間の差を算出する部分である。具体的には、先ず直交復調部31A、31Bから送られてきた信号に対して、それぞれの信号の振幅成分が所定の閾値を越えているか否かを判定する。これは、素子40A、40Bで受信した信号が物体から反射された反射波であるか否かを判定するためである。つまり、振幅成分が閾値を超えていなければ周囲に物体が存在しないことになり、反対に閾値を超えていれば周囲に物体が存在することになる。そして、各信号の振幅成分がともに閾値を超えている場合には、各信号それぞれが最初に閾値を超えたときの時間の差を算出する。この際、素子40A、40Bの一方を基準としてその時間差を算出する。したがって、この時間差には正負の符号が付されることになる。また、時間差算出部32は、その時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分より大きいか小さいかを判定する。これは、上述したように、物体の方位の候補が複数ある場合に、一つに絞り込むためである。図10はこのときの様子を示した図であり、各素子40A、40Bごとに反射波の振幅の時間に対する推移を示した図である。そして、時間差算出部32は、その時間差の符号情報と、その時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分より大きいか小さいの判定結果を、方位算出部34に送信する。
位相差算出部33は、各素子40A、40Bで受信した反射波の各素子間の位相差Δφを算出する部分である。図11は、そのときの様子を示した図であり、各素子40A、40Bごとに反射波の振幅の時間に対する推移(同図(a))と、反射波の位相の時間に対する推移(同図(b))を示している。先ず、同図(a)に示すように、直交復調部31A、31Bから送られてきた信号に対して、それぞれの信号の振幅成分が所定の閾値を越えているか否かを判定する。これは、上述の時間差算出部32と同一趣旨によるものである。そして、各信号の振幅成分がともに閾値を超えている場合には、同図(b)に示すように、素子40A、40Bのうち遅く閾値を越えたタイミングで位相差Δφを算出する。例えば一方の素子の反射波の振幅が閾値を超えていたとしても、反射波が未だ他方の素子に到来していないために、他方の素子の反射波の振幅が閾値を超えていない場合もあり得る。よって、このようなときに位相差Δφを算出するのを防ぐためである。ここで算出された位相差Δφは、方位算出部34に送られる。なお、素子40A、40Bのうち遅く閾値を越えたタイミングに限らず、各反射波の振幅成分が共に閾値を超えていれば、どのタイミングで位相差Δφを算出してもよい。
また、位相差算出部33は、ある位相Xに対してX+2nπ(nは整数)の位相を区別することができない。したがって、位相差算出部33で算出される位相差Δφは、−180°〜180°(―πから+π)の範囲内となる。
方位算出部34は、位相差算出部33から送られてきた反射波の各素子間の位相差Δφ及び時間差算出部32から送られてきた反射波の受信時間差の情報から、反射波の到来方向θ、つまり物体の方位を算出する部分である。このときの物体の方位の算出方法は、本発明の特徴であるので、後にフローチャートを用いて詳細に説明する。
距離算出部35は、物体までの距離を算出する部分である。図12は、そのときの様子を示した図であり、各素子40A、40Bごとに反射波の振幅の時間に対する推移を示している。先ず、同図に示すように、直交復調部31A、31Bから送られてきた信号に対して、それぞれの信号の振幅成分が所定の閾値を越えているか否かを判定する。これも上述の時間差算出部32、位相差算出部33と同一趣旨によるものである。そして、各信号の振幅成分がともに閾値を超えている場合には、同図に示すように、各素子40A、40Bが最初にその閾値を超えた各時間の中間の時間と、送信波を外部に送信した時間との差に基づいて物体までの距離を算出する。このように、各素子40A、40Bが最初にその閾値を超えた各時間の中間の時間を用いているのは、素子40A、40B間の中点から物体までの距離を算出するためである。なお、素子間隔dがλ/2より大きいために、各素子40A、40Bが反射波を受信する時間に差が生じやすくなっている。
位置変換部36は、距離算出部35で算出した物体の距離情報及び、方位算出部34で算出した物体の方位情報とから、物体の位置を示す座標情報に変換する部分である。本実施形態では、2つの素子40A、40Bを用いているので、各素子が属している平面上の2次元座標に変換する。そして、位置変換部36は、ECU10からの位置情報要求指示に基づいて、物体の位置情報をECU10に送信する。
次に、方位算出部34が行う、物体の方位θの算出する際の処理について、図13、14のフローチャートを用いて説明する。なお、これらのフローチャートは、素子40A、40Bの間隔dがλ/2より大きくλ未満の場合における処理を示している。このように素子間隔dを限定したのは、素子間隔dがλ/2より大きくλ未満の場合には、反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφに対して、物体の方位θの候補が1つか、2つであるのに対し、素子間隔dがλ以上の場合には、物体の方位θの候補が3つ以上となる場合があるために、物体の方位θを決定する処理方法が異なるためである。なお、素子間隔dがλ以上の場合における物体の方位θを算出する処理については後述する。また、今回は素子間隔dが0.875λである場合を例に採って説明する。
先ずステップS101において、位相差算出部33から送られてきた反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφから、その反射波の到来方向θ(物体の方位)の候補を算出する。具体的には、次式に位相差Δφを代入して算出することになるが、位相差算出部33は、どの位相差に対しても―180°(―π)から+180°(+π)の範囲内の位相差として算出するので、物体の方位として複数の候補が生じる場合がある。図15(a―1)は、素子間隔dが0.875λにおける、位相差Δφと反射波の到来方向θ(物体の方位)の関係を示した図である。なお、同図は、素子40A、40Bの中心軸方向を到来方向θのゼロ点としている。同図に示すように、位相差ΔφがA、B、D、Eの範囲内にあるときには、到来方向θの候補が2つある。また、位相差Δφが同図中のCの範囲内にあるときは、到来方向θの候補は1つとなる。
(数12)
Δφ=(2π×d/λ)×sin(θ)
上式より位相差がΔφになりうるすべてのθ(−90°≦θ≦90°)を算出する。
次にステップS102において、物体の方位θの候補が1つか2つかを判定する。ここで、物体の方位θの候補が1つの場合は、ステップS103において、その方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。一方、物体の方位θの候補が2つの場合は、ステップS104において物体の方位θを1つ決定して処理を終了する。図14はステップS104の処理を詳細に示したフローチャートである。
ステップS11において、位相差Δφの絶対値がπ/2未満か否かを判定する。ここで、位相差Δφの絶対値がπ/2未満の場合は(肯定判定)、処理をステップS12に進める。この場合、位相差Δφは、図15(a―1)中のB又はDの範囲にあることになる。
ステップS12において、時間差算出部32から送られてきた、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の絶対値が、送信波の周期Tの半分以上か否かを判定する。図15(a―2)は、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差と反射波の到来方向θ(物体の方位)との関係を示した図であるが、同図及び図15(a―1)に示すように、その時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分に対応する物体の方位θは、位相差Δφが±180°に対応する方位±θth1となっている。ここで、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の絶対値が、送信波の周期Tの半分以上である場合は(肯定判定)、図15(a―1)、(a―2)より、物体は、θ≦−θth1以下又は+θth1≦θの範囲内にあることになる。よってステップS14において、その範囲内にある方位候補を物体の方位θとして決定する。これに対し、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の絶対値が、送信波の周期Tの半分未満場合は(否定判定)、物体は−θth1<θ<+θth1までの範囲内にあることになる。よって、ステップS15において、その範囲内にある方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。
一方、ステップS11において、位相差Δφの絶対値がπ/2の以上の場合は(否定判定)、処理をステップS13に進める。この場合、位相差Δφは、図15(a―1)中のA又はEの範囲にあることになる。
ステップS13において、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の符号が正か負かを判定する。なお、図15(a―1)、(a―2)より、位相差ΔφがA又はEの範囲にあるときには、物体の2つの方位候補に対応する受信時間差の符号は、必ず正負に分かれる。ここで、その受信時間差の符号が正である場合は(肯定判定)、ステップS16において、物体の方位候補のうち、正の方位を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。これに対し、その受信時間差の符号が負である場合は(否定判定)、ステップS17において、物体の方位候補のうち、負の方位を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。
このように、位相差Δφの絶対値がπ/2以上のときは、受信時間差の符号によって物体の方位θを決定しているのは、その範囲では受信時間差の符号を正確に検出することができると考えられるためである。これに対し、位相差Δφの絶対値がπ/2以下のときは、その範囲内では受信時間差がゼロに近い物体の方位候補があるために、受信時間差の検出精度によっては、受信時間差の符号が間違っている場合も想定される。つまり、誤って物体の方位θを決定してしまう恐れがある。したがって、このような場合には、上述したように、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分か否かによって、物体の方位θを決定している。
図15(b)は、素子間隔dが0.875λにおける、図15(a―1)中の位相差Δφの範囲(A〜E)ごとに、物体の方位候補の数、位相差Δφの絶対値がπ/2より大きいか小さいか、及び物体の方位θの決定方法を示した図である。
以上、素子間隔dがλ/2より大きくλ未満の場合における物体の方位θの決定方法について、素子間隔dが0.875λを例に採って説明したが、他の素子間隔dについても図13、14に示す処理を経ることによって、物体の方位θを決定することができる。図16は、素子間隔dが0.75λの場合における、位相差Δφと反射波の到来方向θ(物体の方位)との関係を示した図(a―1)、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差と反射波の到来方向θ(物体の方位)との関係を示した図(a―2)、及び位相差Δφによって物体の方位θの算出方法を表にした図(b)である。同図に示すように、位相差ΔφがBの範囲内にあるときは、物体の方位θの候補が1つとなるので、その方位候補を物体の方位θとして決定する。一方、位相差Δφが、A又はCの範囲内にあるときは、物体の方位θの候補が2つとなる。この場合、位相差Δφの絶対値は必ずπ/2以上になるので、受信時間差の符号によって、物体の方位θを決定する。
次に、方位算出部34が行う、素子40A、40Bの間隔がλ以上5λ/4未満の場合における物体の方位θを算出する処理について図17のフローチャートを用いて説明する。素子間隔dがλ以上5λ/4未満の場合における、位相差Δφと物体の方位θとの関係の特徴としては、位相差Δφの絶対値がπ/2未満の範囲内において、位相差Δφに対応する物体の方位θの候補が3つある場合があることである。なお、今回は素子間隔dが1.125λである場合を例に採って説明する。
先ずステップS201において、上述したステップS101同様に、位相差算出部33から送られてきた反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφから、その反射波の到来方向θ(物体の方位)の候補を算出する。図18(a―1)は、素子間隔dが1.125λにおける、位相差Δφと反射波の到来方向θ(物体の方位)との関係を示した図である。なお、同図は、素子40A、40Bの中心軸方向を到来方向θのゼロ点としている。同図に示すように、位相差ΔφがA、B、D、Eの範囲内にあるときには、到来方向θの候補が2つある。また、位相差Δφが同図中のCの範囲内にあるときは、到来方向θの候補は3つとなる。つまり、素子間隔dがλ以上5λ/4未満の場合は、どの位相差Δφに対しても必ず複数の物体の方位θの候補があることになる。
次にステップS202において、物体の方位θの候補が2つか3つかを判定する。ここで、物体の方位θの候補が2つの場合は、ステップS204において、上述のステップ104と同じ処理をして物体の方位θを1つ決定して処理を終了する。すなわち、図14のフローチャートに示すように、位相差Δφの絶対値がπ/2未満のときは(ステップS11肯定判定)、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差が送信波の周期Tの半分(T/2)よりも大きいか小さいかによって、物体の方位θを決定する(ステップS14、15)。これに対し、位相差Δφの絶対値がπ/2以上のときは(ステップS11否定判定)、その受信時間差の符号によって、物体の方位θを決定する(ステップS16、17)。なお、図18(a―2)は、受信時間差と反射波の到来方向θ(物体の方位)との関係を示した図であるが、受信時間差の絶対値がT/2に対応する物体の方位±θth1を図18(a―1)に示してある。
一方、ステップS202において、物体の方位θの候補が3つの場合、つまり位相差Δφが図18(a―1)中のCの範囲内にある場合は、処理をステップS203に進める。そして、ステップS203において、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分(T/2)より以上か否かを判定する。すなわち、物体の方位θがθ≦−θth1、+θth1≦θの範囲内にあるのか、−θth1<θ<+θth1までの範囲内にあるのかを判定する。ここで、受信時間差の絶対値がT/2未満の場合は(否定判定)、−θth1<θ<+θth1までの範囲内には、物体の方位θの候補が1つしかないので、ステップS206において、その方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。これに対し、受信時間差の絶対値がT/2以上の場合は(肯定判定)、ステップS207において、θ≦−θth1、+θth1≦θの範囲内にある2つの方位候補を新たな方位候補として選択する。
次いで、受信時間差の符号によってθ≦−θth1、+θth1≦θの2つの方位候補のうちの一方を物体の方位θとして決定する(ステップS207〜S209)。
図18(b)は、素子間隔dが1.125λにおける、図18(a―1)中の位相差Δφの範囲(A〜E)ごとに、物体の方位候補の数、位相差Δφの絶対値がπ/2以上か否か、及び物体の方位θの決定方法を示した図である。
以上、素子間隔dがλ以上5λ/4未満の場合における物体の方位θの決定方法について、素子間隔dが1.125λを例に採って説明したが、他の素子間隔dについても図17に示す処理を経ることによって、物体の方位θを決定することができる。
以上、本実施形態では、外部に送信波を送信するときには、各素子40A、40Bに入力する送信信号の位相差を同相と逆相に交互に切り替えている。これによって、送信波の指向性が図1に示すように交互に切り替わるので、素子間隔dがλ/2より大きい場合であっても、広範囲に漏れなく送信波を送信することができる。
また、送信波に対する反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφから物体の位置を算出する際には、物体の方位θとして複数の候補がある場合には、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の符号とその時間差の絶対値が基準値(T/2)以上か否かの判断を組み合わせることによって、物体の方位θを一意に算出している。これによって、素子間隔dがλ/2より大きい場合に受信時間差を精密に検出できなくても、物体の位置を検出することができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。以下、考えられる変形例について説明する。
(変形例1)
上記実施形態では、送信波を送信する際には、各素子40A、40Bに入力する送信信号間の位相を同相と逆相に交互に切り替えていた。しかし、送信波のヌル点を補完できるのであれば、各送信信号間の位相関係をどのように切り替えてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、送信波を外部に送信する素子と、反射波を受信する素子とを共用としていたが、それぞれ別に設けてもよい。
(変形例3)
上記実施形態では、特に素子間隔dがλ/2より大きくλ未満とλ以上5λ/4未満の2つの場合について、物体の方位の算出方法を説明した。しかし、素子間隔dがこれらの範囲外(5λ/4以上)であっても、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の符号とその時間差の絶対値が基準値(T/2)より大きいか否かの判断を適宜組み合わせることによって、物体の方位を一意に算出することができる。
(変形例4)
上記実施形態では、物体の方位を算出する際に、反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφの絶対値がπ/2未満か否かによって、受信時間差の符号の判断を行うか受信時間差の絶対値が時間差基準値(T/2)以上か否かの判断を行うかを判断していた。このπ/2は、受信時間差の符号の判断が正確に行えるか否かによって決められた値であるので、その趣旨を逸脱しないのであれば、他の値を用いてもよい。
(変形例5)
上記実施形態では、物体の方位を算出するために、受信時間差の絶対値が時間差基準値(T/2)より大きいか否かの判断を行っていた。この時間差基準値としてT/2を用いているのは、位相差Δφが±180°に対応する物体の方位±θth1を境界として方位候補を絞り込むことができるためである。しかし、方位候補を絞り込むことができるのであれば、その時間差基準値にどの値を採用してもよい。
(変形例6)
上記実施形態では、物体の方位を算出する際に、反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφの絶対値がπ/2未満のときは、最初に受信時間差の絶対値が時間差基準値(T/2)より大きいか否かの判断を行っていた。これは、位相差Δφの絶対値がπ/2未満のときには、位相差Δφに対応する物体の方位候補のひとつが0°方向に近くなる場合、つまり受信時間差もゼロに近くになる場合があり、受信時間差の検出精度によっては、受信時間差の符号が間違って検出される場合もあり得るためである。反対に、位相差Δφの絶対値がπ/2以上のときは、最初に受信時間差の符号の判断を行っていた。これは、位相差Δφの絶対値がπ/2以上のときには、位相差Δφに対応する物体の方位候補のひとつが、時間差基準値(T/2)に対応する方位±θth1に近くなる場合があるため、受信時間差の検出精度によっては、時間差基準値との大小の判断を誤ってしまう場合もあり得るためである。このことから、受信時間差を精度よく検出できるのであれば、どちらの判断を先に行ってもよい。
(変形例7)
上記実施形態では、物体の距離を算出する際に、各素子で受信した反射波の振幅がともに閾値を越えたタイミングの中間の時間を用いていた(図12参照)。しかし、例えば、どちらか一方の素子が受信した反射波の振幅が超えたときの時間を用いて、物体の距離を算出してもよい。なお、この場合、その一方の素子を基準とした物体までの距離が算出されることになる。
(変形例8)
上記実施形態のように、2つの素子をアレイ状に配置することにより、物体の位置を、その2素子が属している平面上の2次元位置として算出することができる。ところで、通常物体は地表面に対して水平及び垂直に位置しているので、図19(a)、(b)に示すように、各素子を地表面に対して水平又は垂直に配置するのが望ましい。これによって、地表面に対して水平方向又は垂直方向の物体の位置を検出することができる。
また、図19(c)、(d)に示すように、一辺が地表面に対して水平又は垂直となる三角形状に3素子を配置すれば、物体の3次元位置を検出することができる。なお、同図(c)のように各素子を配置した場合、地表面に対して水平に配置された素子(A、B)を用いて物体の水平方位を算出し、素子(A、C)から算出される方位と素子(B、C)から算出される方位に基づき、物体の垂直方位を算出することになる。同様にして、同図(d)のように配置した場合についても、物体の水平方位と垂直方位を算出することになる。
さらに、同図(c)、(d)のように、3素子で構成される三角形が正三角形となるようにその3素子を配置することにより、3つの素子で囲まれる領域をコンパクトにすることができ、アレイ素子を小型化できる。
なお、図19(e)に示すように、一辺が地表面に対して水平かつ他の一辺が地表面に対して垂直である垂直2等辺三角形状に3素子を配置しても、物体の水平方位と垂直方位、つまり物体の3次元位置を算出することができる。
また、図19(f)に示すように、4素子を一辺が地表面に対して水平となるように正方形状に配置すれば、水平方向について、A、B及びC、Dの2組、垂直方向について、A、C及びB、Dのそれぞれで方位を算出しその結果を合成することで、位置検出精度を向上することもできる。また、正方形状に配置することにより、物体の水平方向の位置と、垂直方向の位置とを同じ精度で検出することができる。
また、このように3つ以上の素子を用いて物体の位置を検出する場合、各素子で受信する反射波の振幅が全て閾値を越えた場合のみ、物体の位置(距離、方位)を算出するようにするのが望ましい。1つでも閾値を越えていない場合には、その反射波は信頼性の欠けるものであると考えられるためである。
(変形例9)
上記実施形態では、物体の方位を算出するために、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の絶対値がある1つの基準値(T/2)より大きいか否かの判断を行っていた。例えば、素子間隔dが5λ/4≦d≦3λ/2の場合、図5に示すように(d=1.375λ)、位相差の絶対値がπ/2以上の範囲内に対応する反射波の到来方向と、受信時間差が送信波の周期の半分に対応する反射波の到来方向(±θth1)とが近くなっている。したがって、受信時間差の検出精度によっては、最初に受信時間差の符号によって方位候補を絞り込んだとしても、次いで受信時間差の絶対値が時間差基準値(T/2)以上か否かの判断を行うと、例えば本当の物体方位θが−θth1<θ<+θth1であるのに、物体の方位θをθ≦−θth1、+θth1≦θと判定してしまう恐れもある。そこで、その基準値として、位相差Δφに応じて異なる値に設定してもよい(図6参照)
以下、この場合の具体的な処理を図20〜図22のフローチャートを用いて説明する。この図20〜図22に示す処理は、位相差の絶対値がπ/2未満の場合に、受信時間差の絶対値が時間差基準値以上か否かの判断をするときには、その時間差基準値をT/2とし、位相差の絶対値がπ/2以上の場合に、受信時間差の絶対値が時間差基準値よりも大きいか否かの判断をするときには、その基準値をTとしたものである。なお、この図20〜図22に示す処理は、素子間隔dが5λ/4≦d≦3λ/2の場合に適用すると効果的であり、今回は素子間隔dが1.375λである場合を例に採って説明する。
先ずステップS301において、上述したステップS101同様に、位相差算出部33から送られてきた反射波の各素子40A、40Bにおける位相差Δφから、その反射波の到来方向θ(物体の方位)の候補を算出する。図23(a―1)は、素子間隔dが1.375λにおける、位相差Δφと反射波の到来方向θ(物体の方位)の関係を示した図である。なお、同図は、素子40A、40Bの中心軸方向を到来方向θのゼロ点としている。同図に示すように、位相差ΔφがA、Eの範囲内にあるときには、到来方向θの候補が2つある。また、位相差Δφが同図中のB、C、Dの範囲内にあるときは、到来方向θの候補は3つとなる。つまり、素子間隔dが5λ/4以上3λ/2以下の場合は、どの位相差Δφに対しても必ず複数の物体の方位θの候補があることになる。また、位相差Δφの絶対値がπ/2以上の範囲においても、方位候補が3つ存在する場合(B、Dの範囲)がある点が、上述した素子間隔dがλ以上5λ/4未満の場合と異なっている。
次にステップS302において、物体の方位θの候補が2つか3つかを判定する。ここで、物体の方位θの候補が2つの場合は、処理をステップS304に進める。この場合、位相差Δφは、図23(a―1)中のA又はEの範囲内にあることになる。そして、ステップS304において、上記図14に示す処理と同様に、位相差の絶対値がπ/2以上であることから、受信時間差の符号が正か負かを判定する。ここで、受信時間差の符号が正である場合は(肯定判定)、ステップS307において、正の方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。これに対し、受信時間差の符号が負の場合は(否定判定)、ステップS308において、負の方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。
一方、ステップS302において、物体の方位θの候補が3つの場合は、処理をステップS303に進める。そして、ステップS303において、位相差Δφの絶対値がπ/2未満か否かを判定する。ここで、位相差Δφの絶対値がπ/2未満の場合は(肯定判定)、ステップS305において、物体の方位θを決定し、処理を終了する。なお、この場合、位相差Δφは、図23(a―1)中のCの範囲内にあることになる。図21は、ステップS305の処理を詳細に示したフローチャートである。
先ずステップS21において、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分より大きいか否かを判定する。なお、図23(a―2)は、受信時間差と反射波の到来方向θ(物体の方位)の関係を示した図であるが、受信時間差の絶対値がT/2に対応する物体の方位±θth1を図23(a―1)に示してある。また、図23(a―1)には、受信時間差の絶対値がTに対応する物体の方位±θth2も示してある。
ここで、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分より小さい場合は(否定判定)、−θth1<θ<+θth1までの範囲内にある1つの方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。これに対し、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tの半分より大きい場合は(肯定判定)、処理をステップS22に進める。
そして、ステップS22において、3つの方位候補の中からθ≦−θth1及び+θth1≦θの範囲内にある2つの方位候補を新たな物体の方位θの候補として選択する。次いで、ステップS24において、受信時間差が正か負かを判定する。そして、受信時間差が正である場合は(肯定判定)、ステップS25において、正の方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。これに対し、受信時間差が負である場合は(否定判定)、負の方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。
説明を再び図20に示す処理に戻り、ステップS303において、位相差Δφの絶対値がπ/2以上の場合は(否定判定)、ステップS306において、物体の方位θを決定し、処理を終了する。なお、この場合、位相差Δφは、図23(a―1)中のB又はDの範囲内にあることになる。図22は、ステップS306の処理を詳細に示したフローチャートである。
先ずステップS31において、受信時間差の符号が正か負かを判定する。ここで、受信時間差の符号が正である場合は(肯定判定)、ステップS32において、3つの方位候補のうち1つ又は2つの正の方位候補を新たな物体の方位θの候補として選択する。例えば、位相差Δφが、図23(a―1)中のBの範囲内にある場合は、2つの方位候補が選択される。一方、位相差Δφが、図23(a―1)中のDの範囲内にある場合は、1つの方位候補が選択される。同様にして、受信時間差の符号が負である場合は(否定判定)、ステップS33において、3つの方位候補のうち1つ又は2つの負の方位候補を新たな物体の方位θの候補として選択する。例えば、位相差Δφが、図23(a―1)中のBの範囲内にある場合は、1つの方位候補が選択される。一方、位相差Δφが、図23(a―1)中のDの範囲内にある場合は、2つの方位候補が選択される。
次にステップS34において、ステップS32又はS33において選択した方位候補の数が1つか2つかを判定する。ここで、方位候補の数が1つの場合は、ステップS38において、その方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。一方、方位候補の数が2つの場合は、処理をステップS35に進める。
そして、ステップS35において、受信時間差の絶対値が送信波の周期T以上か否かを判定する。このように、受信時間差の絶対値の大小を判定する時間差基準値を送信波の周期Tとしたのは、上述したように間違って物体の方位θを決定してしまうことを防ぐためである。なお、この判定を行う前提として、時間差算出部32は、算出した受信時間差が送信波の周期Tより大きいか否かの判定を行い、その判定結果を方位算出部34に送信する必要がある。ここで、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tよりも大きい場合は(肯定判定)、ステップS36において、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tに対応する方位±θth2に対して、θ≦−θth2又は+θth2≦θの方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。これに対し、受信時間差の絶対値が送信波の周期Tよりも小さい場合は(否定判定)、ステップS37において、−θth2<θ<+θth2までの範囲内の方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。
図23(b)は、素子間隔dが1.375λにおける、図23(a―1)中の位相差Δφの範囲(A〜E)ごとに、物体の方位候補の数、位相差Δφの絶対値がπ/2以上か否か、及び物体の方位θの決定方法を示した図である。
このように、受信時間差の絶対値の大小を判断する基準値として、位相差Δφの範囲に応じて適切な値に設定することにより、確実に物体の方位θを算出することができる。
(変形例10)
上記実施形態では、位相差算出部33は、反射波の振幅が素子40A、40Bのうち遅く閾値を越えたタイミングで、各素子40A、40Bに対応する反射波の位相から位相差Δφを算出している(図11参照)。しかし、素子40A、40Bが受信した反射波の振幅がともに閾値を越えている複数のポイントにおいて(図24参照)、例えば次式で定義される各反射波の振幅を反映した位相差ベクトルDefを求め、それら位相差ベクトルDefを合成した位相差ベクトルSum_Defに基づいて、位相差Δφを算出してもよい。なお、次式中、A、Bは各素子40A、40Bで受信した反射波の振幅を示しており、Δφは任意のポイントにおける各素子40A、40Bの反射波の位相差を示している。以下、詳細に説明する。
(数13)
Def=A×B×exp(jΔφ
先ず、位相差ベクトルDefの算出方法について説明する。上述したように、直交復調部31A、31Bで復調された各反射波は、ある正弦波の位相に対して、同相成分(I)と直交成分(Q)とに分けられる。これを複素平面(IQ平面)に表すと、図25(a)に示すように、所定の大きさ、位相をもつベクトルRx_A、Rx_Bとして表すことができる。なお、同図の、φAn、φBnは、それぞれ各復調信号の任意のポイントにおける位相を表しており、Δφは各復調信号の任意のポイントにおける位相差(φAn―φBn)を表している。また、各ベクトルRx_A、Rx_Bの大きさは、それぞれ各素子40A、40Bが受信した反射波の大きさA、Bを表している。よって、上記数13式は、次式のように変形することができる。
(数14)
Def=A×B×exp(jΔφ)=A×B×exp(j(φAn―φBn))=A×B×expj(φAn)÷expj(φBn
ここで、各復調信号Rx_A、Rx_Bをそれぞれ次式のように、同相成分(I)と直交成分(Q)の和で表す(図25(a)参照)。なお、次式中、a+jb、c+jdは単位ベクトルである。
(数15)
Rx_A→A×exp(jφAn)=A×(a+jb)=(A×a)+j(A×b)
(数16)
Rx_B→B×exp(jφBn)=B×(c+jd)=(B×c)+j(B×d)
これらの数式を上記数14式に代入し、位相差ベクトルDefの同相成分Def_Iと直交成分Def_Qはそれぞれ次式のように表される。
(数17)
Def_I=(A×a)×(B×c)+(A×b)×(B×d)
(数18)
Def_Q=(A×b)×(B×c)―(A×a)×(B×d)
したがって、各復調信号の成分を上記数式17、18に代入することにより、位相差ベクトルDefを算出することができる(図25(b)参照)。そして、各サンプルポイントにおいて算出した位相差ベクトルを加算して、合成位相差ベクトルSum_Defを算出し(図25(c)参照)、この合成位相差ベクトルSum_Defの位相から、物体の方位を算出するための、各復調信号の位相差Δφを算出する。このように、反射波の振幅を反映した位相差ベクトルを合成することで、反射波の振幅を重みとしてもつ位相差の平均が可能となり、正確に位相差Δφを算出することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る物体位置検出装置の第2の実施形態について、上記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。上記第1実施形態では、反射波から物体の方位を算出する際には、各素子40A、40Bが反射波を受信した時間差の符号及び、その時間差が時間差基準値(T/2又はT)より大きいか否かの判断を組み合わせて、物体の方位を一意に決定していた。しかし、物体の方位の候補が多い場合には、この受信時間差に関する2つの判断の組み合わせだけでは、物体の方位を一意に決定できない場合も起こりうる。そこで、本実施形態では、その受信時間差の値を直接使用して、物体の方位を決定する。具体的には、図26のフローチャートを用いて説明する。なお、装置構成は、第1実施形態と同じなので、説明は省略する。また、図26に示す処理は、方位算出部34が行う。
先ず、ステップS401において、位相差Δφから物体の方位の候補を算出する。これは、第1実施形態と同じ要領で、位相差Δφに相当するθを−90°≦θ≦90°の範囲ですべて算出する。
次にステップS402において、上述した三角測量方式のように、次式に基づいて受信時間差Δtから物体の推定方位θ’を算出する。その前提として、時間差算出部32は、算出した受信時間差Δtをそのまま方位算出部34に送信している。なお、ここで算出した方位を物体の推定方位と言っているのは、この方位をそのまま物体の方位としていないためである。この点が、上述した三角測量方式とは異なっている。
(数19)
θ’= sin−1(Δt×C/d)
ここで、Cは送信波(反射波)の伝播速度、dは素子間隔である。
次にステップS403において、ステップS401にて求めた方位候補のうち、ステップS402にて求めた推定方位θ’に最も近い方位候補を物体の方位θとして決定し、処理を終了する。
以上、本実施形態では、受信時間差の値を直接用いて物体の方位を決定している。これにより、方位候補が多い場合であっても、物体の方位を一意に決定することができる。また、三角測量方式のように、受信時間差から求めた方位を物体の方位としておらず求める方位はあくまで位相差から算出し、時間差は選別のみに使うことで、三角測量方式よりも正確に物体の方位を算出することができる。なお、上記第1実施形態で示した受信時間差の符号、受信時間差の絶対値が時間差基準値よりも大きいか否かの判断と、この推定方位θ’による方法とを組み合わせて物体の方位θを算出してもよい。これにより、より正確に物体の方位を算出することができる。
送信波の指向性を示した図である。 素子間隔dが0.75λにおける位相差Δφと物体の方位θとの関係を示した図(a)、受信時間差Δtと物体の方位θとの関係を示した図(b)である。 素子間隔dが0.875λにおける位相差Δφと物体の方位θとの関係を示した図(a)、受信時間差Δtと物体の方位θとの関係を示した図(b)である。 アレイ素子に対して反射波が方向θから到来しているところを示した図である。 素子間隔dが1.375λにおける物体の方位θと位相差Δφの関係を示した図(a)、物体の方位θと受信時間差Δtの関係を示した図(b)である。 素子間隔dが1.375λにおける物体の方位θと位相差Δφの関係を示した図(a)、物体の方位θと受信時間差Δtの関係を示した図(b)である。 第1、第2の実施形態に係る物体位置検出装置100の全体構成を示したブロック図である。 送信制御部20の構成を示したブロック図である。 受信制御部30の構成を示したブロック図である。 時間差算出部32が行う処理を説明するための図である。 位相差算出部33が行う処理を説明するための図である。 距離算出部35が行う処理を説明するための図である。 素子間隔dがλ/2より大きくλ未満における、方位算出部34が行う処理を示したフローチャートである。 方位候補が2つの場合における、方位算出部34が行う処理を示したフローチャートである。 素子間隔dが0.875λにおける物体の方位θと位相差Δφの関係を示した図(a−1)、物体の方位θと受信時間差Δtの関係を示した図(a−2)、及び物体の方位の算出方法を表にした図(b)である。 素子間隔dが0.75λにおける物体の方位θと位相差Δφの関係を示した図(a−1)、物体の方位θと受信時間差Δtの関係を示した図(a−2)、及び物体の方位の算出方法を表にした図(b)である。 素子間隔dがλ以上5λ/4未満における、方位算出部34が行う処理を示したフローチャートである。 素子間隔dが1.125λにおける物体の方位θと位相差Δφの関係を示した図(a−1)、物体の方位θと受信時間差Δtの関係を示した図(a−2)、及び物体の方位の算出方法を表にした図(b)である。 素子の配置例を示した図である。 素子間隔dが5λ/4以上3λ/2以下における、方位算出部34が行う処理を示したフローチャートである。 図20中の処理Aの詳細な処理を示したフローチャートである。 図20中の処理Bの詳細な処理を示したフローチャートである。 素子間隔dが1.375λにおける物体の方位θと位相差Δφの関係を示した図(a−1)、物体の方位θと受信時間差Δtの関係を示した図(a−2)、及び物体の方位の算出方法を表にした図(b)である。 位相差ベクトルを用いて位相差Δφを算出することを説明するための図である。 位相差ベクトルを用いて位相差Δφを算出することを説明するための図である。 第2実施形態における方位算出部34が行う処理を示したフローチャートである。 反射波の到来方向の算出方法として、三角測量を用いた方法と、素子間の位相差を用いた方法とを説明するための図である。 素子間隔dによって、物体の方位の候補が複数存在することを説明するための図である。 素子間隔dによって、各素子の合成指向性にヌル点が生じることを説明するための図である。 送信波の合成指向性を説明するために、基準軸と空間の任意の位置との関係を示した図である。 素子間隔dをλ/2以下にする場合に生じる課題を説明するための図である。
符号の説明
100 物体位置検出装置
10 ECU
20 送信制御部
30 受信制御部
40A、40B 素子

Claims (13)

  1. 外部に送信波を送信する送信手段と、
    前記送信波の波長の半分より大きく且つその波長未満の間隔で配置され、前記送信手段が送信した送信波に対する反射波を受信する複数の素子からなるアレイ素子と、
    前記アレイ素子の少なくとも1つが反射波を受信した時間と前記送信手段が送信波を送信した時間との差に基づいて物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信時間差を算出する時間差算出手段と、
    前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信位相差を算出し、当該位相差から物体の方位を算出するものであって、当該位相差から算出される物体の方位が複数候補ある場合は、前記受信時間差の絶対値が所定の時間差基準値より大きいか否か、及び/又は前記各素子の一方を基準とした前記受信時間差の正負に基づいて、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定する方位算出手段とを備え
    前記方位算出手段は、前記反射波の各素子間の受信位相差の絶対値が、位相差基準値以上のときは、最初に前記受信時間差の正負の判断を行って、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定することを特徴とする物体位置検出装置。
  2. 外部に送信波を送信する送信手段と、
    前記送信波の波長以上であってその波長の5/4未満の間隔で配置され、前記送信手段が送信した送信波に対する反射波を受信する複数の素子からなるアレイ素子と、
    前記アレイ素子の少なくとも1つが反射波を受信した時間と前記送信手段が送信波を送信した時間との差に基づいて物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信時間差を算出する時間差算出手段と、
    前記アレイ素子が受信した反射波から、前記アレイ素子の各素子間の受信位相差を算出し、当該位相差から物体の方位を算出するものであって、当該位相差から算出される物体の方位が複数候補ある場合は、前記受信時間差の絶対値が所定の時間差基準値より大きいか否か、及び/又は前記各素子の一方を基準とした前記受信時間差の正負に基づいて、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定する方位算出手段とを備え
    前記方位算出手段は、前記各素子間の受信位相差から算出される物体の候補方位が3つある場合は、前記受信時間差の絶対値が前記所定の時間差基準値より大きいか否かの判断と前記受信時間差の正負の判断とを順番に行って、前記3つの候補方位の中から前記物体の方位を決定することを特徴とする物体位置検出装置。
  3. 前記所定の時間差基準値は、前記送信波の1周期の半分であることを特徴とする請求項1または2に記載の物体位置検出装置。
  4. 前記方位算出手段は、前記反射波の各素子間の受信位相差の絶対値が、前記位相差基準値よりも小さいときは、最初に前記受信時間差の絶対値が前記時間差基準値より大きいか否かの判断を行って、前記複数の候補方位の中から前記物体の方位を決定することを特徴とする請求項に記載の物体位置検出装置。
  5. 前記位相差基準値は、π/2であることを特徴とする請求項1または4に記載の物体位置検出装置。
  6. 前記所定の時間差基準値は、前記各素子の間隔によっては、前記各素子間の受信位相差に応じて異なる複数の値が設定されていることを特徴とする請求項のいずれかに記載の物体位置検出装置。
  7. 前記方位算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅がともに閾値を超えたときに各反射波から対応する反射波の位相を求め、さらにそれらの位相から前記反射波の各素子間の受信位相差を算出することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の物体位置検出装置。
  8. 前記方位算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅がすべて閾値を超えていない場合には、前記反射波の各素子間における位相差の算出を中止することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の物体位置検出装置。
  9. 前記距離算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅が閾値を超えた瞬間における各時間を平均した時間を、前記アレイ素子が反射波を受信した時間とすることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の物体位置検出装置。
  10. 前記距離算出手段は、前記アレイ素子の各素子が受信した反射波の振幅をそれぞれ閾値判定し、当該各反射波の振幅がすべて閾値を超えていない場合には、前記物体までの距離の算出を中止することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の物体位置検出装置。
  11. 前記送信手段は、複数の素子からなるアレイ素子を備え、当該素子に送信信号を入力して、外部に送信波を送信するものであって、前記送信波の各素子の合成出力がゼロとなるヌル点を補完するように、前記アレイ素子の各素子に入力する各送信信号間の位相関係を切り替えて前記送信波を送信することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の物体位置検出装置。
  12. 前記送信手段が備えたアレイ素子と前記反射波を受信するアレイ素子は、共通のアレイ素子であることを特徴とする請求項11に記載の物体位置検出装置。
  13. 前記送信波は、超音波パルスであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の物体位置検出装置。
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