JP5030526B2 - 石膏ボードからのボード原紙剥離装置 - Google Patents

石膏ボードからのボード原紙剥離装置 Download PDF

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Description

本発明は、石膏ボード廃材等からなる石膏ボード本体と該石膏ボード本体(石膏のみの部分)を覆うボード原紙(表紙の部分)等の接合体において、石膏ボード本体とボード原紙等とを効率良く分離する石膏ボードからのボード原紙の剥離装置に関する。
石膏ボード廃材の発生量は、年間約150万tであり、この内、約50万tは生産時や家屋等の新築内装工事の端材で、石膏ボードメーカーがリサイクルを行っている。また、残りの約100万tが、家屋等の建造物の改装・解体工事で排出され、埋立処分されている。このような石膏ボード廃材の発生量は年々増加する傾向にあり、埋立地の不足、環境問題の点から石膏ボード廃材の有効な処理方法が求められている。
石膏ボード廃材を有効にリサイクルするためには、まず、石膏ボードの石膏ボード本体とボード原紙を分離する必要がある。石膏とボード原紙の混合物は、現状リサイクル用途はなく、管理型の埋め立て地に処分されている。そのため、石膏、ボード原紙とも有効にリサイクルできるように、石膏ボード廃材の処理において、石膏ボード本体とボード原紙とを分離する方法が数多く提案されている。
例えば、水のような媒体を使用せずに処理する方法(以下、このような状態で処理することを単に乾式とする場合もある)として、石膏ボード廃材を破砕して、石膏ボード本体から当て紙を大まかに剥離した後、所定のメッシュサイズの篩を組み合わせ比較的大きなボード原紙を回収し、細かなボード原紙は所定の風量で送風することにより石膏ボード本体とボード原紙を分離する方法(特許文献1参照)、石膏ボード廃材を突条の付いたロール式破壊機に通し、脆い石膏基盤を破砕して、石膏とボード原紙に分離する方法(特許文献2参照)、石膏ボード廃材を破砕し、おおまかに石膏ボード本体とボード原紙を分離した後、ボード原紙に付着した石膏を突起物のついたローラーで剥ぎ取る方法(特許文献3参照)等が提案されている。
また、水のような媒体を使用して処理する方法(以下、このような状態で処理とすることを単に湿式とする場合もある)として、石膏ボード廃材を加熱した後、水を施して石膏ボード本体からボード原紙を分離する方法(特許文献4参照)、石膏ボード廃材を加圧下で湿式加熱処理し、石膏ボード本体とボード原紙を分離する方法(特許文献5参照)等が提案されている。
特開平10−286553号 特開2000−254531号 特開2004−122076号 特開平6−142638号 特開2004−307321号
乾式で処理するような特許文献1〜3の方法では、石膏ボード廃材を粉砕しながら石膏ボード本体とボード原紙を分離するため、石膏ボード本体とボード原紙の接合面で両者をきれいに分離することはできない。このため、石膏ボード本体側に数質量%程度の紙粉が混入し、ボード原紙側にはボード原紙とほぼ同重量分だけ石膏が付着した状態で分離される。この石膏が付着しているボード原紙は、そのままでは古紙としてリサイクルできないため、通常、燃焼処理されるが、燃焼条件によっては、石膏成分が分解して硫黄酸化物(以下、SOxとする)が多量に発生する場合があり、改善の余地があった。
また、特許文献1〜3のような乾式で処理する場合、受け入れた石膏ボード廃材が塗れている(湿っている)場合、機械トラブルが発生するため、乾いた状態の石膏ボード廃材を処理することが好ましい。しかしながら、この乾いた石膏ボード廃材を処理する場合、石膏および紙粉の粉塵が大量に発生する。このため、現場では大掛かりな環境集塵処理が必要となる。
一方で、湿式で処理するような特許文献4、5の方法では、粉砕する前の石膏ボード廃材を水等の媒体で処理するため、上記乾式処理の問題点は改善される。しかしながら、湿式で石膏ボード廃材を処理するには、工程が複雑になったり、処理時間が長くなったりする場合があった。例えば、特許文献4、5に記載されている方法では、100℃以上の加熱処理時間が1〜2時間程度必要である。これらの方怯では、大量の石膏ボード廃材を連続して処理するのは困難で、処理コストが大きくなるため改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、石膏ボード廃材のような石膏ボード本体とボード原紙を分離する際に、非常に短時間で簡便に石膏と紙を分離できる石膏ボードのボード原紙の剥離装置を提供することを目的とする。
本発明の石膏ボードのボード原紙の剥離装置は、石膏ボードの両面に存在するボード原紙表面に、石膏ボード本体とボード原紙との接合力を小さくする剥離剤を付着せしめる剥離剤付着手段と、表面に針状突起が形成された一対の回転可能な剥離ローラーを設け、針状突起先端の間隔が、石膏ボードの厚み未満と成した剥離ローラー間に前記剥離剤付着手段を経た石膏ボードを通過させることによって、針状突起によりボード原紙を突き刺し、石膏ボードよりボード原紙を剥離するように成したボード原紙剥離手段とを含み、
前記剥離剤がクエン酸ナトリウム又はカルボン酸塩の水溶液からなるようにした。
上記発明は、前記ボード原紙剥離手段の前記剥離ローラーの一方の剥離ローラーに離間させて第1の回転ローラーを設け、一方の剥離ローラーと第1の回転ローラーの周囲をベルトにより巻回するとともに、前記剥離ローラーの他方に離間させて第2の回転ローラーを設け、他方の剥離ローラーと第2の回転ローラーの周囲をベルトにより巻回し、前記剥離ローラーの針状突起の先端をベルトの外周面よりも外側へ突出させるとよい。
上記発明は、前記剥離ローラーの針状突起の先端をベルトの外周面よりも外側へ突出させる構成として、前記針状突起を剥離ローラーの軸方向へ間隔を開けて数列設けるとともに、剥離ローラーの周方向に複数形成し、前記軸方向に隣り合う複数の針状突起間の各々に紐状のベルトを配設することができる。
上記発明は、前記第1の回転ローラーを前記ボード原紙剥離手段の石膏ボードの供給口に配設し、前記一方の剥離ローラーと前記第1の回転ローラー間に位置する前記ベルトを前記石膏ボードの搬送路とするとよい。
上記発明は、前記付着手段がローラーの外周面に前記剥離剤を吸収する保水性素材を備えた一対の付着用ローラーであって、該一対の付着用ローラー間を通過させる際に前記剥離剤を前記表皮材に付着させることができる。
上記発明は、前記剥離ローラーの外周面に該剥離ローラーに対して逆回転するとともに該剥離ローラーの周速度よりも2倍以上の外周速度を有する引き剥がしローラーを設け、該引き剥がしローラーによって前記剥離ローラーに巻回された前記表皮材を剥がすことができる。
また、上記発明は、前記一対の剥離ローラーの位置よりも前記搬送路の上流側に位置させて、前記表皮材を切断する切削手段を設けることができる。
上記発明は、前記剥離ローラーの前記突状部材の先端側を前記剥離ローラーの回転方向側へ傾斜させることができる
発明において、上記カルボン酸塩の中でも、同じモル濃度の水溶液で比較した場合、上記カルボン酸のカルシウム塩の溶解度が低い化合物のナトリウム塩および/またはカリウム塩が、石膏ボードの剥離効果(石膏と紙とを分離するのにかかる時間、石膏と紙の接合面の接着強度の低下等)を高くする傾向にあるため好ましい。また、カルボン酸の分子量が小さいものの方が、石膏ボードへの浸透速度が速い傾向にある。
さらに、上記発明は、前記剥離剤にさらに、ノニオン系界面活性剤および/または水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。
本発明の石膏ボードのボード原紙の剥離装置は、石膏ボードの両面に存在するボード原紙表面に、石膏ボード本体とボード原紙との接合力を小さくする剥離剤を付着せしめる剥離剤付着手段と、表面に針状突起が形成された一対の回転可能な剥離ローラーを設け、針状突起先端の間隔が、石膏ボードの厚み未満と成した剥離ローラー間に前記剥離剤付着手段を経た石膏ボードを通過させることによって、針状突起によりボード原紙を突き刺し、石膏ボードよりボード原紙を剥離するように成したボード原紙剥離手段とを含み、前記剥離剤がクエン酸ナトリウム又はカルボン酸塩の水溶液からなるようにしたので、石膏ボードのボード原紙を容易に剥がすことができ、石膏本体側にボード原紙が残らず、またボード原紙側に石膏が付着するのを防止できる。このように、本発明は、剥離剤を石膏ボードの石膏本体と紙の接合面に存在させることによって、上記接合面の接着強度を弱め、接合面で石膏本体と紙とを分離することができる。
上記発明は、前記ボード原紙剥離手段の前記剥離ローラーの一方の剥離ローラーに離間させて第1の回転ローラーを設け、一方の剥離ローラーと第1の回転ローラーの周囲をベルトにより巻回するとともに、前記剥離ローラーの他方に離間させて第2の回転ローラーを設け、他方の剥離ローラーと第2の回転ローラーの周囲をベルトにより巻回し、前記剥離ローラーの針状突起の先端をベルトの外周面よりも外側へ突出させるようにしたので、剥離ローラーの針状突起に引っ掛けられたボード原紙をベルトによって引き剥がすことができる。
上記発明は、前記剥離ローラーの針状突起の先端をベルトの外周面よりも外側へ突出させる構成として、前記針状突起を剥離ローラーの軸方向へ間隔を開けて数列設けるとともに、剥離ローラーの周方向に複数形成し、前記軸方向に隣り合う複数の針状突起間の各々に紐状のベルトを配設することができるので、針状突起がベルトのガイド部材となり、ベルトの蛇行や外れを防止できる。
上記発明は、前記第1の回転ローラーを前記ボード原紙剥離手段の石膏ボードの供給口に配設し、前記一方の剥離ローラーと前記第1の回転ローラー間に位置する前記ベルトを前記石膏ボードの搬送路としたので、剥離ローラーに円滑に石膏ボードを供給することができる。するとよい。
上記発明は、前記付着手段がローラーの外周面に前記剥離剤を吸収する保水性素材を備えた一対の付着用ローラーであって、該一対の付着用ローラー間を通過させる際に前記剥離剤を前記ボード原紙に付着させるようにしたので、石膏ボードの紙全体に斑なく剥離剤を塗布することができる。
上記発明は、前記剥離ローラーの外周面に該剥離ローラーに対して逆回転するとともに該剥離ローラーの周速度よりも2倍以上の外周速度を有する引き剥がしローラーを設け、該引き剥がしローラーによって前記剥離ローラーに巻回された前記ボード原紙を剥がすようにしたので、剥離ローラーから容易にボード原紙を剥がすことができる。
上記発明は、前記一対の剥離ローラーの位置よりも前記搬送路の上流側に位置させて、前記ボード原紙を切断する切削手段を設けたので、回収するボード原紙の大きさを小さくすることにより、石膏ボードからボード原紙を剥がしやすくし、回収したボード原紙の取り扱いを容易にすることができる。
上記発明は、前記剥離ローラーの前記突状部材の先端側を前記剥離ローラーの回転方向側へ傾斜させたので、ボード原紙を確実に引っ掛けることができ、石膏ボードから容易にボード原紙を剥がすことができる。
上記発明は、前記剥離剤がカルボン酸塩の水溶液からなるので、長くとも数10分、短ければ数10秒程度で石膏と紙をきれいに分離することができる。また、該剥離剤が石膏ボードの接合面に存在する限り効果が発現し、その後数時間放置しても効果は持続する。
上記発明は、前記剥離剤にさらに、ノニオン系界面活性剤および/または水溶性有機溶剤を含ませることにより、剥離剤の浸透性がより高くなり、より短時間で石膏ボードを処理することができる。また、水溶性有機溶剤を使用した場合には、副次的に分離した紙の乾燥速度を速める効果もある。
以下、本発明の実施形態の石膏ボードからのボード原紙の剥離装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る石膏ボードのボード原紙剥離装置の側面図、図2はその平面図、図3はボード原紙剥離装置に石膏ボードを供給する石膏ボード供給装置を示す。
搬送路2には、ボード原紙剥離装置1の主要部として、搬送路2の上流側から順に、剥離剤供給装置3、カッティング装置4、表紙剥離装置5、石膏粉砕装置6が配設され、表紙剥離装置5には表紙材分離装置8及び石膏払い落とし装置9が配設され、ボード原紙剥離装置1の上流側には、石膏ボード供給装置11が配設されている。
これらの装置を説明すると、石膏ボード供給装置11は、上方にガイドレール12が設置され、ガイドレール12には、ガイドレール12に沿って移動可能なクレーンなどに吊された回収用フレコン13が配設され、回収用フレコン13には、石膏ボード14の廃材等が収容できるようになっている。回収用フレコン13は、底蓋13aが開閉自在になっており、底蓋13aを開放することによって石膏ボード14を供給部15に投下することができる。供給部15には、複数の供給コンベア16a,16bが設けられ、供給コンベア16a,16bの下流側には整列スリット17a,17bが配設されている。整列スリット17aは、石膏ボード14を1枚宛分離する分離機能を有する。
ここで、本実施形態において、処理の対象となる石膏ボード14について説明する。
石膏とボード原紙との接合体である石膏ボード14は、石膏で形成された板状の石膏ボード本体と紙等とが接着しているものであれば特に制限されるものではなく、石膏ボード廃材から得られる。具体的には、石膏ボード14の生産工程および建築現場の施行工程で発生する端材または残材からなる石膏ボード廃材、改装・解体工事で建築廃材として発生する石膏ボード廃材等が挙げられる。また、石膏ボード14の形状、大きさ等も、特に制限されるものではなく、上記のような端材または残材、建築廃材のように受け入れ時に生じたものであってもよい。
整列スリット17bの下流側には、ボード原紙剥離装置1の剥離剤供給装置3に連続する搬送コンベア18が設けられ、剥離剤供給装置3には、図1に示すように、2組の剥離剤供給ユニット21が設けられている。2組の剥離剤供給ユニットは、各々が同じ物であり、図4に示す上流側の剥離剤供給ユニット21について説明すると、石膏ボード14の搬送路2の上下方向に離間若しくは近接可能な一対の付着用ローラー22が設けられている。
これらの付着用ローラー22は、回転軸を搬送路2の幅方向へ延ばし、内側にローラー本体23が設けられ、ローラー本体23の外周面には、全体が付着材24で覆われている。付着材24は保水性素材であればよく、スポンジなどを使用できる。付着用ローラー22は、図示しない駆動手段により回転軸回りに互いに逆回転するように構成され、下側の付着用ローラー22は、外周面の上端位置が搬送路2と同一高さに対応する位置に配設される。
各々の付着用ローラー22の付着材24の周囲には、ディスペンサー25a,25b(なお、これらを総称してディスペンサー25ともする)を備えている。各ディスペンサー25は、本実施形態では、図2に示すように、搬送路2の幅方向に複数(4個)が設けられ、搬送路2の搬送方向へ2列並べられている。内部に石膏ボード14のボード原紙を分離するための剥離剤28を溜めるようにしている。剥離剤28としては、本実施形態では、クエン酸ナトリウム又はカルボン酸塩の水溶液を使用している。カルボン酸塩は、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、オキシマロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等の分子内にカルボキシル基を有する化合物(カルボン酸)の塩が挙げられる。また、塩としては、アルカリ金属が好ましく、特に、ナトリウム、カリウムが好ましく、これらカルボン酸塩は、単独または複数の種類のカルボン酸塩を混合して使用することができる。
そして、ディスペンサー25の先端部から付着材24の全体にわたって、剥離剤28を付着させることができる。石膏ボード14が、上下付着用ローラー22間を通過すると、石膏用ボード14の表面のボード原紙19は、付着用ローラー22の付着材24に面接触して、剥離剤28が塗布される。
下側の付着用ローラー22の下方には、剥離剤28の回収トレイ27が設けられ、剥離剤28を回収することができる。この回収トレイ27には、図示しない循環路が設けられ、回収した剥離剤28を濾過する濾過施設、ポンプなどを用いて剥離剤28をディスペンサー25に供給するようにしている。
剥離剤供給装置3の下流側には、カッティング装置4が配設されている。図2に示すように、カッティング装置4は、搬送路2の上流側に移動カッタ29を設け、下流側に固定カッタ30を設け。これらの移動カッタ29及び固定カッタ30は、搬送路2の上下に一対が設けられている。移動カッタ29は、石膏ボード13の搬送方向と直角方向(搬送路の幅方向)へ図示しない移送装置によって、一端から他端側へ往復移動ができる。固定カッタ30は、搬送路2の幅方向へ並んで複数(本実施形態では3個)設けられている。移動カッタ29及び固定カッタ30は、ボード原紙19の表裏両面を切断するように構成されている。
カッティング装置4の下流側には、石膏ボード14からボード原紙19を剥がす表紙剥離装置5が配設され、表紙剥離装置5には、一対の剥離ローラー31が搬送路2の上下に配設されている。剥離ローラー31は、各々の回転軸を搬送路2の幅方向へ延ばし、上下方向に離間若しくは近接可能に配設されている。そして、各剥離ローラー31は図示しない駆動手段によって軸回りに互いに逆回転し、各剥離ローラー31の外周面には、全体にわたってボード原紙を引っ掛ける針状突起32が形成されている。針状突起32は、先端部が鋭利に形成され、図6に示すように、回転方向側に傾斜(若しくは径方向)させて形成し、その太さは、2mm以下が好適であり、剥離ローラー31の軸方向へ20mm程度の間隔を空けて形成する。剥離ローラー31と石膏ボード14の関係は、一対の剥離ローラー31の外周面の間隔が石膏ボード14の厚み以上であり、各々の剥離ローラー31の針状突起32の先端部の間隔が、石膏ボード14の厚み未満となり、針状突起32がボード原紙19に突き刺さるように形成している。
そして、針状突起32の強さはボード原紙19及び石膏ボード本体20に対して十分に剛性を有する部材を使用する。
搬送路2における各剥離ローラー31の下流側位置には、剥離ローラー31に接近した位置に石膏誘導ワイヤー33が配設されている。各誘導ワイヤー33は搬送路2の幅方向に上下に設けられ、一対の誘導ワイヤー33の間隔は、石膏ボード本体20よりもやや大きく形成されている。誘導ワイヤー33は、剥離ローラー31の針状突起32に串刺しにされた石膏ボード本体20を搬送路2の中央付近に誘導する役割を果たす。
各剥離ローラー31の外周部には、剥離ローラー31に引っ掛けられたボード原紙19を剥離ローラー31から分離するボード原紙分離装置8が配設されている。ボード原紙分離装置8は、各剥離ローラー31の外周部に配設されている。ボード原紙分離装置8には、分離ローラー35が設けられ、分離ローラー35は図示しない回転駆動手段によって、剥離ローラー31と接するように該剥離ローラー31に対して回転軸を回転中心として逆回転するようにしている。分離ローラー35は、剥離ローラー31の外周速度に対して、2倍以上の速度(本実施形態では2倍)で回転する。分離ローラー35の外周部には、径方向外側へ突出する突部36を、分離ローラー35の軸方向へ間隔を空けて、かつ整列させて全周に設けている。突部36の形状は、分離ローラー35の接線に対して直角(径方向)又は回転方向と逆方向に傾斜するように形成している。突部36は、剥離ローラー31の針状突起32間に配置し、ボード原紙に突部36を食い込ませて、剥離ローラー31から引き剥がすことができる。
分離ローラー35がボード原紙を引き剥がす位置(剥離ローラー31との実質的な接点)における回転方向下流側に近接した、分離ローラー35の外周部には、櫛状部材38が設けられている。櫛状部材38は、分離ローラー35の軸方向に延ばし、その櫛の枝となる部分の先端部を整列された突部36の間に差し込んで、分離ローラー35の外周面とボード原紙19との間にその枝の先端部を差し込んで分離ローラー35からボード原紙19を剥がすことができる。
搬送路2における表紙剥離装置5のさらに下流側には、石膏粉砕装置6が配設されている。石膏粉砕装置6には一対の粉砕ローラー41が設けられ、粉砕ローラー41は、搬送路2の幅方向へ軸を延ばし、上下方向に離間若しくは近接可能に形成されている。そして、各粉砕ローラー41は図示しない駆動手段によって軸回りに互いに逆回転し、各々の外周面の全体にわたって、石膏ボード本体を押し潰す突起物42を形成している。突起物42は、適当な間隔を空けて形成され、その突出長さは2mm以上が好適であり、その強さは石膏ボード本体に対して十分に剛性を有する部材を使用する。
粉砕ローラー41の外周部には、石膏払い落とし装置9が配設されている。石膏払い落とし装置9には、払い落としローラー44が設けられ、払い落としローラー44は図示しない回転駆動手段によって、粉砕ローラー41と実質的に接するようにして回転させている。払い落としローラー44の回転は、粉砕ローラー41に対して正転、逆転のいずれでもよい。
その他、ボード原紙剥離装置1の搬送路2には、剥離剤供給装置3とカッティング装置との間に中間ローラー46が配設され、カッティング装置4と表紙剥離装置5との間には中間搬送コンベア47が配設され、表紙剥離装置5と石膏粉砕装置6との間には下流側搬送ローラー48が配設されている。
搬送路2は、全体として等速度で石膏ボード14を搬送するようにしても良いし、例えば、装置ごとに搬送速度を変化させたり、若しくは部材が下流側に集まっているような場合は、上流側の装置を一次停止したりするように制御を可能にしてもよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図3に示す石膏ボード供給装置11では、回収用フレコン13から石膏ボード14の廃材等が供給されると、供給コンベア16a,16b上に石膏ボード14が供給され、整列スリット17a,17bでの搬送中に石膏ボード14が1枚ずつ仕分けされて、搬送コンベア18を介してボード原紙剥離装置1へ搬送される。
ボード原紙剥離装置1の剥離剤供給装置3では、ディスペンサー25から付着用ローラー22を覆う付着材24に剥離剤28が供給され、付着材24の全面に剥離剤28が浸透する。付着用ローラー22に石膏ボード14が搬送されると、石膏ボード14のボード原紙19が付着材24と接触し、ボード原紙19の表面全体に剥離剤28が塗布される。そして、剥離剤28がボード原紙19に浸透してボード原紙19と石膏ボード本体20の接合面まで行き渡り、それらの接合力を小さくする働きをする。
剥離剤28としてのカルボン酸塩の水溶液には、ノニオン系界面活性剤および/または水溶性有機溶剤を含有させることが好ましい。これにより、剥離剤24の石膏ボード本体と紙の接合面への浸透速度を速くすることができる。特に石膏ボード14のボード原紙19の表面に撥水処理が施されている場合に、それらを用いることによって、剥離剤28の表面張力を低下させることにより、浸透速度を速くするとともに紙の乾燥速度を速くすることもできる。
ノニオン系界面活性剤は、カルボン酸塩の水溶液の表面張力を低下させるものであれば、使用することができる。ノニオン系界面活性剤を例示すると、HLBが12〜15のものがより効果的に使用でき、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられ、これらは単独複数種類の混合物を使用できる。
水溶性有機溶剤は、カルボン酸塩の水溶液の表面張力を低下させるものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、tーブタノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどが挙げられ、これらを単独または複数種類混合して使用できる。
石膏ボード14からボード原紙19を分離するには、ノニオン系界面活性剤の水溶液および/または水溶性有機溶剤を石膏ボード14に浸透させ、次いで、石膏ボード14の剥離剤を石膏ボード14に浸透させて石膏ボード本体20とボード原紙19とを分離する方法を採用することもできる。この方法を採用することにより、処理の対象となる石膏ボードの形状、表面処理状態が異なるものを連続して処理するときに、ノニオン系界面活性剤の水溶液および/または水溶性有機溶剤の使用量や種類、剥離剤の量を容易に変えることが可能となる。この場合は、上流側のディスペンサー25aにノニオン系界面活性剤の水溶液および/または水溶性有機溶剤を入れ、下流側のディスペンサー25bにカルボン酸塩を入れるようにする。
石膏ボード14は、剥離剤28が添付された後、カッティング装置4に搬送される。カッティング装置4では、移動用カッタ29が搬送路2の幅方向の一端部から他端部まで往復移動する一方、石膏ボード14は搬送路2を直進しているので、図6に示すように、ボード原紙19の表裏両面が斜め方向へジグザグ状aに切断される。また、固定カッタ30は、搬送路2の幅方向へ静止状態で所定間隔を空けて配設されているので、直線状bにボード原紙19を切断する。
次いで、石膏ボード14は、表紙剥離装置5へ搬送される。表紙剥離装置5では、図5に示すように、剥離ローラー31の針状突起32によって石膏ボード14のボード原紙19が引っ掛けられ、石膏ボード14からボード原紙19が剥がされる。針状突起32は、剥離ローラー31の回転方向へ傾斜して設けられているので、ボード原紙19に対して斜めに食い込んでボード原紙19を持ち上げるようにして効果的にボード原紙19を剥がすことができる。また、ボード原紙19は、前作業でカッタ29,30によって切断されているので、切断片毎に剥がされ、剥がす力も少なくてすむ。
本実施形態では、一対の剥離ローラー31の外周面の間隔が石膏ボード14の厚み以上であるので、石膏ボード14に実質的な圧縮力を負荷することがなく、石膏ボード14を圧縮力で破砕して、石膏粉などをボード原紙19側に付着することを防止するとともに、ボード原紙19と石膏本体20との剥離を効果的に作用させることができる。一方、針状突起32に対しても負荷がさほど大きくかかることなく、その寿命を長くすることができる。剥離ローラー31の針状突起32の先端部の間隔が、石膏ボード14の厚み未満に形成しているので、針状突起32がボード原紙19に確実に突き刺さるようにしている。
石膏ボード14を剥離剤28により処理する場合、その処理時間は、特に制限されるものではなく、石膏ボード本体20とボード原紙19との接着強度が十分低下する時間で処理してやればよい。本発明の剥離剤28を使用した場合には、石膏ボード14において、剥離剤28が、石膏ボード本体20とボード原紙19との接合面に存在すれば、短時間でその接合面の接着強度を低下することができ、両者をきれいに分離することができる。このように、接合面に剥離剤28を存在させれば、数10秒程度、最適化を計れば数秒程度で石膏ボード本体20とボード原紙19の接着強度を低下させ、石膏ボード本体20にはボード原紙19が、ボード原紙19には石膏が存在しない状態で分離することができる。この効果は、本発明の剥離剤28が石膏ボード本体20とボード原紙19との接合面に存在すれば、その後数時間放置しても効果がなくなることはない。
ボード原紙分離装置8では、分離ローラー35が剥離ローラー31の外周速度の2倍の速さで回転しているので、分離ローラー35は剥離ローラー31からボード原紙19を分離させることができる。この際、針状突起32の傾斜方向がボード原紙19を抜きやすい方向へ向いているので、容易にボード原紙19を分離できる。そして、ボード原紙19は櫛状部材38によって分離ローラー35から除去されるが、ボード原紙19が小さく切断片となっているので、取り扱いや回収などのその後の処理が容易になる。
石膏ボード14はボード原紙19が剥がされて石膏のみの石膏ボード本体20となった後、石膏粉砕装置6に搬送され、石膏ボード本体20が一対の粉砕ローラー41間にて突起物42によってチップ状に破砕される。このように、石膏ボード本体20からボード原紙19を剥がした後に、石膏ボード本体20を破砕するようにしたので、ボード原紙19に石膏の破砕粉などが付着することがない。
粉砕ローラー41の外周面には、石膏ボード本体20の粉末や小片が付着するようなことがあるが、石膏払い落とし装置9の払い落としローラー44によって除去され、例えば回収コンベア50などの回収手段によって回収される。
このように、本実施形態のボード原紙剥離装置1は、剥離剤供給装置3、カッティング装置4、表紙剥離装置5によって、石膏本体20からボード原紙20を自動的に連続して分離することができ、石膏本体20はその後、石膏粉砕装置6によって連続的に粉砕されて下流側搬送ローラー48に回収することができ、ボード原紙19はボード原紙分離装置8によって連続的に回収することができる。石膏ボード14の供給から破砕された石膏本体20及びボード原紙19の回収まで自動的に連続して行うことができる。
なお、石膏ボード廃材から分離して得られる石膏は、2水石膏として使用可能となる。また、得られる石膏を加熱処理して、半水石膏または無水石膏とすることも可能である。この際、混入した紙粉が無いため、比較的低温で処理しても紙粉の炭化による石膏の変色がない。また、分離した紙は石膏の付着が無いのはもちろん、加熱によるダメージも無いため、古紙として再利用可能となる。さらに焼却しても、SOx排ガスの発生がない処理が可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のボード原紙剥離装置は、図1に示すボード原紙剥離装置1の中間搬送コンベア47よりも上流側の剥離剤供給装置3、カッティング装置4及びこれに付随する搬送ラインである搬送コンベア18,中間搬送ローラー46,中間搬送コンベア47の構造は、上記第1の実施形態と同じものが使用され、中間搬送コンベア47の下流側に位置する表皮剥離装置5などの構造が異なっている。したがって、剥離剤供給装置3、カッティング装置4などの詳細な説明は省略する。
図8及び図9に示すように、表皮剥離装置5は、中間搬送コンベア47の下流側に設けられ、それぞれが一対の剥離ローラー52,53、回転ローラー54,55及びベルト56,57から構成されている。なお、一方の剥離ローラー52、回転ローラー54及びベルト56の組と他方の剥離ローラー53、回転ローラー55及びベルト57の組は、基本的に同じ構造であるので、図9では、両者を一緒に示している。
一対の剥離ローラー52,53は、各々の回転軸52a,53aを搬送路2の幅方向へ延ばし、回転軸52aと53aが上下方向斜めになるようにして配置されている。一方の剥離ローラー52は、搬送路2の基準面よりも下側に設けられ、中間搬送コンベア47の下流側斜め下方に配置され、他方の剥離ローラー53は、一方の剥離ローラー52の斜め上方に位置させている。
図8に示すように、中間搬送コンベア47の下流側には、一方の回転ローラー54が中間搬送コンベア47と同じ水平方向高さに回転可能に設けられ、この回転ローラー54の位置に対して下流側に向けて斜め下側に配置された一方の剥離ローラー52との間にベルト56が巻回されている。また、他方の剥離ローラー53の斜め上方には、他方の回転ローラー55が回転可能に設けられ、これらの剥離ローラー53と回転ローラー55との間にはベルト57が巻回されている。
各剥離ローラー52,53は、図示しない駆動手段によって軸回りに互いに逆回転し、これに伴いベルト56,57も回転し、ベルト56と57との間では、これらのベルト56,57が互いに搬送方向へ向けて回転される。
各剥離ローラー52,53の外周面には、全体にわたってボード原紙を引っ掛ける針状突起58が形成されている。針状突起58は、先端部が鋭利に形成され(図6参照)、回転方向側に傾斜(若しくは径方向)させて配設している。針状突起58の太さは、2mm以下が好適であり、図9に示すように、剥離ローラー52,53の軸方向へ20mm程度の間隔を空けて、周方向に多数列を並べて配置する。
図9に示すように、ベルト56,57は、多数の同一形状による丸ベルト56a,57aの組み合わせによって構成されている。丸ベルト56a,57aは、針状突起58の間に配置され、これらの間に配設されている丸ベルト56a,57aの本数については1本であっても複数本であってもよい。丸ベルト56a,57aは、針状突起58の高さよりも突出しない小さな径のものを使用するが、丸ベルト56a,57aに代えて、Vベルト、シート状のものであってもよく、シートの場合は、針状突起58が通るスリット孔や編み目を形成するとともに、針状突起58にスリット孔や編み目を通すタイミングを図る必要がある。
剥離ローラー52,53に巻回したベルト56,57と石膏ボード14の関係は、ベルト56,57の外周面の間隔が石膏ボード14の厚み以上であり、各々の剥離ローラー52,53の針状突起58の先端部の間隔が、石膏ボード14の厚み未満となり、針状突起58がボード原紙19に突き刺さるように形成している。ただし、剥離ローラー52と53は、種々の厚さの石膏ボードに対応できるように、離間若しくは近接可能に配設することが好ましい。針状突起58の強さはボード原紙19及び石膏ボード本体20に対して十分に剛性を有する部材を使用する。
各剥離ローラー52,53の外周部、詳しくは剥離ローラー52(若しくは針状突起58)とベルト56との分離点a、及び剥離ローラー53(若しくは針状突起)とベルト57との分離点bに近接させた位置には、ボード原紙19の回収板60,61が配設されている。本実施形態では、図8に示すように、分離点aでは、板状の回収板60の一端が配設され、他端が搬送方向反対側へ斜め下方に向けて配設され、分離点bでは、回収板61の一端が配設され、他端が搬送方向側へ斜め下方に向けて配設されている。これらの分離点a,bでは、ベルト56,57によって強制的にボード原紙19が引き剥がされて、回収板60,61によって回収される。
搬送路2における表紙剥離装置5のさらに下流側には、石膏粉砕装置6が配設されている。石膏粉砕装置6には一対の粉砕ローラー62,63が水平方向に配設され、粉砕ローラー62,63は、搬送路2の幅方向へ軸64,65を延ばし、これらの軸64,65を水平方向に離間若しくは近接可能に形成されている。そして、各粉砕ローラー41は図示しない駆動手段によって軸64,65回りに互いに逆回転し、各々の外周面の全体にわたって、石膏ボード本体を押し潰す突起物66を形成している。突起物66は、適当な間隔を空けて形成され、その突出長さは2mm以上が好適であり、その強さは石膏ボード本体に対して十分に剛性を有する部材を使用する。
粉砕ローラー62,63の外周部には、石膏払い落としローラー68,69が設けられ、払い落としローラー68,69は図示しない回転駆動手段によって、粉砕ローラー62,63と実質的に接するようにして回転させている。払い落としローラー68,69の回転は、粉砕ローラー62,63に対して正転、逆転のいずれでもよいが、周速度は相対的に異なるようにするとよい。
次に本第2の実施形態のボード原紙剥離装置の作用について説明する。
図8に示すように、上記第1の実施形態と同様にして剥離剤が浸透され、搬送ライン2を中間搬送コンベア47まで搬送された石膏ボード14は、中間搬送コンベア47から表皮剥離装置5へ搬送される。表皮剥離装置5では、石膏ボード14は搬送方向へ向かって斜め下側へ傾斜したベルト56に搬送されて、一対の剥離ローラー52,53間に導かれる。そして、石膏ボード14は、剥離ローラー52,53の針状突起58によって石膏ボード14のボード原紙19が引っ掛けられ、石膏ボード14からボード原紙19が剥がされる。針状突起58は、剥離ローラー52,53の回転方向へ傾斜して設けられているので、ボード原紙19に対して斜めに食い込んでボード原紙19を持ち上げるようにして効果的にボード原紙19を剥がすことができる。また、ボード原紙19は、前作業でカッタ29,30(図2参照)によって切断されているので、切断片毎に剥がされ、剥がす力も少なくてすむ。
本実施形態では、剥離ローラー52,53の外周面に巻回しているベルト56,57の間隔が石膏ボード14の厚み以上であるので、石膏ボード14に実質的な圧縮力を負荷することがなく、石膏ボード14を圧縮力で破砕して、石膏粉などをボード原紙19側に付着することを防止するとともに、ボード原紙19と石膏本体20との剥離を効果的に作用させることができる。一方、針状突起58に対しても負荷がさほど大きくかかることなく、その寿命を長くすることができる。剥離ローラー52,53の針状突起58の先端部の間隔が、石膏ボード14の厚み未満に形成しているので、針状突起32がボード原紙19に確実に突き刺さるようにしている。
上記第1の実施形態では図1に示すように、中間搬送コンベア47から表皮剥離装置5に石膏ボード14を進入させる際に、それらの間に隙間が形成される。特に剥離ローラー31には針状突起32が設けられているので、その分だけ隙間が大きくなり、石膏ボード14の破片などが混入されているような場合は、隙間からその破片が落下するおそれがある。本実施形態では、石膏ボード14が剥離ローラー52,53に進入する際に、ベルト56によって搬送されるので、その隙間から破片が落下することがない。また、円滑に石膏ボートが剥離ローラー52,53間に供給される。ベルト56を紐状の丸ベルト56aを使用し、針状突起58の間に丸ベルト56aを配設したので、針状突起58により丸ベルト56aをガイドすることができ、丸ベルト56aの蛇行を防止することができる。
また、上記第1の実施形態では、分離ローラー35や櫛状部材38によって、剥離ローラー31からボード原紙19を引き剥がしていた。本実施形態では、針状突起58に引っ掛けられたボード原紙19は、剥離ローラー52,53とベルト56,57が分離する際に、ベルト56,57によって確実に針状突起58から引き剥がされる。ボード原紙19は引き剥がされた後、回収板60,61によって自然落下により、図示しない回収コンベアや回収バケットによって回収される。
図8に示すように、石膏ボード14は、剥離ローラー52,53を通過することによって、ボード原紙19が剥がされて石膏のみの石膏ボード本体20となった後、石膏粉砕装置6に搬送される。石膏粉砕装置6では、粉砕ローラー62,63が、剥離ローラー52,53の搬送方向下部にあり、自然落下により石膏ボード本体20が、粉砕ローラー62,63間、若しくはその周辺に供給される。こうして、石膏ボード本体20が粉砕ローラー62,63の突起物66によってチップ状に破砕される。このように、石膏ボード本体20からボード原紙19を剥がした後に、石膏ボード本体20を破砕するようにしたので、ボード原紙19に石膏の破砕粉などが付着することが防止される。
粉砕ローラー62,63の外周面や突起物66には、石膏ボード本体20の粉末や小片が付着するようなことがあるが、石膏払い落としローラー68,69によって除去される。チップ状に破砕された破砕片は、図示しない、回収コンベア(図1の回収コンベア50参照)や回収バケットなどの回収手段によって回収される。
本実施形態では、剥離ローラー31を斜め上下方向に配設し、表紙剥離装置5のほぼ下側に石膏粉砕装置6を配設したので、搬送ライン2の長さを短くし、また、石膏粉砕装置6の両側にボード原紙19を回収することができる。
なお、図1に示す本発明のボード原紙剥離装置1において、前記剥離剤を使用してボード原紙の剥離を行った実験例を以下に示す。
[実験例1]
5質量%のリンゴ酸ナトリウム水溶液90質量部と2−プロパノール10質量部を混合した水溶液よりなる剥離剤28を、表面に被覆材24としてのスポンジ層を有する付着用ローラー22のスポンジ層に浸透させ、このローラー22間に石膏ボード14を通過させることにより、前記剥離剤28を塗布した。搬送路2の走行速度を調整して10秒間で付着用ローラー22から剥離ローラー31に到達するように調整した。剥離ローラー31に到達した状態で、石膏ボード本体20と紙の接合面の接着強度はほとんど無く、これを本発明のボード原紙剥離装置1における剥離ローラー31間を通過させたところ、石膏と紙の接合面できれいに分離された。また、分離したボード原紙19に付着した2水石膏は3質量%以下、および分離した2水石膏に付着したボード原紙19は0質量%であった。
剥離剤23に水溶性有機溶剤を含有させているので、剥離剤23の浸透率が良好で石膏ボード14の搬送時間を短縮できる。なお、分離したボード原紙19に付着した2水石膏は、剥離ローラー31の針状突起32先端部が引っかいた2水石膏が付着したもので、接着強度はほとんど無かった。
[実験例2]
10質量%のクエン酸ナトリウム水溶液99質量部とポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキシドの重合数10)1質量部を混合した水溶液よりなる剥離剤28を、表面に剥離剤28としてのスポンジ層を有する付着用ローラー22のスポンジ層に浸透させ、このローラー22間に石膏ボード14を通過させることにより、前記剥離剤28を塗布した。ラインの走行速度を調整して20秒間で付着用ローラー22から剥離ローラー31に到達するように調整した。剥離ローラー31に到達した状態で、石膏ボード本体20とボード原紙19の接合面の接着強度はほとんど無く、これを本発明のボード原紙剥離装置1における剥離ローラー31間を通過させたところ、石膏ボード本体20とボード原紙の接合面できれいに分離された。また、分離したボード原紙19に付着した2水石膏は3質量%以下、および分離した2水石膏に付着したボード原紙19は0質量%であった。
剥離剤23にノニオン系界面活性剤を含有させているので、剥離剤23の浸透率が良好で石膏ボード14の搬送時間を短縮できる。なお、分離したボード原紙19に付着した2水石膏は、剥離ローラー31の針状突起32先端部が引っかいた2水石膏が付着したもので、接着強度はほとんど無かった。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、付着用ローラー22の付着材24に剥離液28を浸透させたが、刷毛や塗装用のローラー用いて強制的に紙の側から、該剥離剤を接合面に存在させる方法、剥離剤中に石膏ボードを浸し、該剥離剤を石膏と紙の接合面に存在させる方法、該剥離剤を石膏ボードにシャワーリングし、剥離剤を接合面に存在させる方法等を採用することができる。
また、カッティング装置4によって、ボード原紙19を切断したが、切断していなボード原紙を有する石膏ボードでも、同様にボード原紙を剥離することができる。
上記第2の実施形態における表皮剥離装置5の回転ローラー54,55は、駆動手段を設け駆動軸とし、剥離ローラー52,53を従動側にしてもよい。
上記第2の実施形態に剥離ローラー52,53については、これらの剥離ローラー52,53を直接、中間搬送コンベア47の下流側に設け、ベルトを搬送路としなくてもよい。
本発明の第1の実施形態における石膏ボードのボード原紙の剥離装置の側面図である。 図1に示す石膏ボードのボード原紙の剥離装置の平面図である。 石膏ボードのボード原紙の剥離装置に石膏ボードを供給する石膏ボード供給装置の側面図である。 図1の石膏ボードのボード原紙の剥離装置の剥離剤供給装置の側面図である。 図1の石膏ボードのボード原紙の剥離装置の紙剥離装置周辺の側面図である。 図5の紙剥離装置の剥離ローラーの拡大側面図である。 図1の石膏ボードのボード原紙の剥離装置のカッティング装置で石膏ボードの紙を切断した状態の平面図である。 本発明の第2の実施形態における表皮剥離装置及び石膏粉砕装置の側面図である。 図8の表皮剥離装置の剥離ローラーと従動軸にベルトが巻回されている状態の平面図である。
符号の説明
1 ボード原紙剥離装置
2 搬送路
3 剥離剤供給装置(剥離剤付着手段)
4 カッティング装置
5 表紙剥離装置(ボード原紙剥離手段)
6 石膏粉砕装置
8 ボード原紙分離装置(ボード原紙回収手段)
14 石膏ボード
19 ボード原紙
20 石膏ボード本体
22 付着用ローラー
24 付着材
25 ディスペンサー
28 剥離剤
31 剥離ローラー
32,58 針状突起
52,53 剥離ローラー
54,55 回転ローラー
56,57 ベルト
56a,57a 丸ベルト

Claims (9)

  1. 石膏ボードの両面に存在するボード原紙表面に、石膏ボード本体とボード原紙との接合力を小さくする剥離剤を付着せしめる剥離剤付着手段と、
    表面に針状突起が形成された一対の回転可能な剥離ローラーを設け、針状突起先端の間隔が、石膏ボードの厚み未満と成した剥離ローラー間に前記剥離剤付着手段を経た石膏ボードを通過させることによって、針状突起によりボード原紙を突き刺し、石膏ボードよりボード原紙を剥離するように成したボード原紙剥離手段とを含み、
    前記剥離剤がクエン酸ナトリウム又はカルボン酸塩の水溶液からなることを特徴とする、石膏ボードからのボード原紙の除去装置。
  2. 前記ボード原紙剥離手段の前記剥離ローラーの一方の剥離ローラーに離間させて第1の回転ローラーを設け、一方の剥離ローラーと第1の回転ローラーの周囲をベルトにより巻回するとともに、前記剥離ローラーの他方に離間させて第2の回転ローラーを設け、他方の剥離ローラーと第2の回転ローラーの周囲をベルトにより巻回し、前記剥離ローラーの針状突起の先端をベルトの外周面よりも外側へ突出させるようにしたことを特徴する、請求項1に記載の石膏ボードからのボード原紙の除去装置。
  3. 前記剥離ローラーの針状突起の先端をベルトの外周面よりも外側へ突出させる構成として、前記針状突起を剥離ローラーの軸方向へ間隔を開けて数列設けるとともに、剥離ローラーの周方向に複数形成し、前記軸方向に隣り合う複数の針状突起間の各々に紐状のベルトを配設するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の石膏ボードからのボード原紙の除去装置。
  4. 前記第1の回転ローラーを前記ボード原紙剥離手段の石膏ボードの供給口に配設し、前記一方の剥離ローラーと前記第1の回転ローラー間に位置する前記ベルトを前記石膏ボードの搬送路としたことを特徴とする請求項2又は3に記載の石膏ボードからのボード原紙の除去装置。
  5. 前記剥離剤付着手段がローラーの外周面に前記剥離剤を吸収する保水性素材を備えた一対の付着用ローラーであって、石膏ボードを該一対の付着用ローラー間を通過させる際に前記剥離剤を前記石膏ボード表面に付着させるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の石膏ボードからのボード原紙の剥離装置。
  6. 前記剥離ローラーに巻回された前記ボード原紙を剥がすボード原紙回収手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の石膏ボードからのボード原紙の剥離装置。
  7. 前記一対の剥離ローラーの位置よりも前記搬送路の上流側に位置させて、前記ボード原紙を切断する切削手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の石膏ボードからのボード原紙の剥離装置。
  8. 前記剥離ローラーの前記針状突起の先端側を前記剥離ローラーの回転方向側へ傾斜させたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の石膏ボードからの石膏ボードのボード原紙の剥離装置。
  9. 前記剥離剤にさらに、ノニオン系界面活性剤および/または水溶性有機溶剤を含んだことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の石膏ボードからの石膏ボードの剥離装置。
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