JP5030051B2 - 低アミロース性を支配する新規遺伝子及び低アミロース米品種の識別方法 - Google Patents

低アミロース性を支配する新規遺伝子及び低アミロース米品種の識別方法 Download PDF

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Description

本発明は、低アミロース性を支配する遺伝子を継承する稲の品種・系統・個体に特異的な遺伝子に関する。また本発明は、低アミロース米品種の識別方法及び識別用キットに関する。
水稲品種において食味は極めて重要な実用形質である。例えば、北海道品種「おぼろづき」はその特異的な低アミロース性により、飯の粘りが強く極めて食味が良い。その特性が高く評価され、現在北海道の奨励品種となるなど、生産者及び消費者から強いニーズがある。
低アミロース米品種の有する遺伝子及びそのDNA塩基配列に基づいて識別する方法としては、「スノーパール」(特許文献1)及び「ミルキークイーン」(特許文献2)についてすでに報告がある。「おぼろづき」に関しては低アミロース性を付与する母本として育種に用いられているが、低アミロース性を支配する遺伝子は不明であり、DNAマーカーによる識別法も確立されていない。
北海道では、稲品種の食味改良に低アミロース性を活用する意義が特に大きい。上記の「スノーパール」や「ミルキークイーン」の持つ遺伝子や識別法についてはすでに各地で使われているが、北海道ではこれらを用いた実用品種は開発されていない。またこれまで北海道の品種(彩、はなぶさ、あやひめなど)に導入されてきた稲変異体NM391由来の低アミロース性は、アミロース含量が10%程度とかなり低くなるため、米粒の白濁や飯の粘りが強すぎ単品では食しにくい欠点があった。一方「おぼろづき」の有する低アミロース性は、14%程度のアミロース含量を示し、適度な飯の粘りを付与するとともに米の白濁程度も少なく利用価値が高い。
しかしこの「おぼろづき」の低アミロース性は、白濁しにくいことから選抜に際しては米粒の目視による判別が難しく、成分分析を行わなければならなかった。
そのため、「おぼろづき」などの低アミロース品種の有する低アミロース性を支配する遺伝子の解明とDNAマーカーの開発を行うことにより、効率的な育種や品種識別に広く活用できることが期待されていた。
特開平12−201679号公報 特許第3569746号
本発明は、低アミロース品種の簡便かつ高精度な識別方法及びその識別手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、低アミロース品種である「おぼろづき」及び「北海287号」において低アミロース性を支配する遺伝子として新規なWx遺伝子を同定することに成功し、またこのWx遺伝子が、他の米品種のものと比較して37bpの欠失領域を有することを見出し、これを利用することによって低アミロース米品種を識別することができるという知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の(1)〜(8)に関する。
(1)以下の(a)又は(b)のWx遺伝子。
(a)配列番号1に示される塩基配列を有する遺伝子、
(b)配列番号1に示される塩基配列に対し相補的な配列を有する核酸と高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ低アミロース性を決定する機能を有する遺伝子
(2)識別対象の米における上記(1)のWx遺伝子の存在を検出することを特徴とする低アミロース米品種の識別方法。
上記方法において、上記(1)のWx遺伝子の存在の検出は、例えばWx遺伝子における配列番号3又は4に示される塩基配列の不在の検出により行うことができる。また、Wx遺伝子の検出は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、配列決定法、又は制限酵素断片長多型を利用した方法により行うことができる。
PCRを行う場合には、例えば、配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーと、配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーとを用いて行うことができる。また、例えば、配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマー、又は配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーと、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーとを用いて行うことができる。より具体的には、限定されるものではないが、配列番号7からなるプライマー及び配列番号8からなるプライマーを用いてPCRを行うことが好ましい。また例えば、配列番号15からなるプライマー及び配列番号16からなるプライマーを用いてPCRを行うことが好ましい。
ハイブリダイゼーションを行う場合には、配列番号1の塩基配列若しくはその相補配列において少なくとも2279番から2283番の塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを用いて行うことができる。また、例えば、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列の連続する少なくとも20塩基を含むプローブ、又は配列番号5に示される塩基配列若しくはその相補配列において2734番から2770番のうちの少なくとも1つの塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを用いて行うことができる。
上記方法において、低アミロース米品種としては、北海287号、おぼろづき、及びこれらの同系統品種が含まれる。
(3)以下のプライマーを含むことを特徴とする低アミロース米品種の識別用キット。
(a)配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマー
(b)配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマー
(4)以下のプライマーを含むことを特徴とする低アミロース米品種の識別用キット。
(a)配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマー、又は配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマー
(b)配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマー
(5)配列番号7からなるプライマー及び配列番号8からなるプライマーを含むことを特徴とする低アミロース米品種の識別用キット。
(6)配列番号15からなるプライマー及び配列番号16からなるプライマーを含むことを特徴とする低アミロース米品種の識別用キット。
(7)配列番号1の塩基配列若しくはその相補配列において少なくとも2279番と2283番の塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを含むことを特徴とする低アミロース米品種の識別用キット。
(8)配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列の連続する少なくとも20塩基を含むプローブ、又は配列番号5に示される塩基配列若しくはその相補配列において2734番から2770番のうちの少なくとも1つの塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを含むことを特徴とする低アミロース米品種の識別用キット。
本発明により、低アミロース米品種の識別方法及び識別用キットが提供される。かかる方法及びキットにより、低アミロース米品種を簡便かつ高精度で識別することが可能となる。従って、DNAマーカー選抜による稲新品種育成やDNA鑑定による品種識別など農業・食品分野において広範な利用が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、「おぼろづき」や「北海287号」に存在する新規Wx遺伝子と、そのWx遺伝子を検出することに基づく低アミロース米品種の識別方法に関する。
「おぼろづき」は、親の突然変異系統「北海287号」から受け継いだ低アミロース性により、一般品種に比べアミロース含量が低いものの既知の低アミロース米品種と比較するとアミロース含量がやや高い特性を有する。本発明者は、突然変異系統「北海287号」(おぼろづきの低アミロース性供与親)の後代を用いたQTL解析を行い、wx座に低アミロース性QTLを検出した。この結果に基づき「北海287号」のwx座のDNA塩基配列をDDBJに登録されているwx座の塩基配列及び原品種である「きらら397」のWx遺伝子の塩基配列と比較したところ、「きらら397」については登録されている配列と違いが認められなかったが、「北海287号」については第10エキソンと第11エキソンの間のイントロン部分に37bpの塩基の欠失が認められた(図1)。このような欠失はこれまで報告されていないため、既報のWx遺伝子とは異なる新規のWx遺伝子である。
またこの塩基欠失の両側にプライマーを設計したところ、「きらら397」と「北海287号」の間でPCR産物の長さに明らかな違いが認められた。また「おぼろづき」及び交雑後代で低アミロース性を示す系統についても「北海287号」と同じサイズのPCR産物が得られた。従って、新規Wx遺伝子を検出することによって、「おぼろづき」や「北海287号」のWx遺伝子を含む低アミロース米品種を識別することができる。
1.Wx遺伝子
配列番号1にWx遺伝子の塩基配列を示し、配列番号2にこれによりコードされるタンパク質のアミノ酸配列を示す。Wx遺伝子は、米品種の低アミロース性を決定する機能を有する。
Wx遺伝子は、「おぼろづき」、「北海287号」及びその後代の任意の細胞若しくは組織から調製したDNA又はcDNAライブラリーを用いて、上記遺伝子の塩基配列に基づいて設計したプライマーを用いてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を行うことにより調製することができる。また、一旦遺伝子の塩基配列が確定すると、その後は化学合成によって、この遺伝子を得ることができる。
部位特異的突然変異誘発法等によって遺伝子の変異型であって上記機能を有するものを合成することもできる。なお、遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した市販の変異導入用キットなどを用いて変異の導入が行われる。また、エラー導入PCRやDNAシャッフリング等の手法により、遺伝子の変異導入やキメラ遺伝子を構築することもできる。エラー導入PCR及びDNAシャッフリング手法は、当技術分野で公知の手法であり、例えばエラー導入PCRについてはChen K, and Arnold FH. 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 90: 5618-5622を、またDNAシャッフリングについてはStemmer, W. P. 1994, Nature, 370:389-391及びStemmer W. P., 1994, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 91: 10747-10751を参照されたい。
変異した遺伝子が目的の機能(低アミロース性を決定する機能)を有するか否かは、変異遺伝子で形質転換体において発現させ、得られる形質転換体のアミロース含量を測定することにより確認することができる。
さらに、上記塩基配列からなる核酸の全部又は一部の配列に相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、その機能を有する遺伝子も本発明のWx遺伝子に含まれる。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。例えば、高い相同性(相同性が80%以上、好ましくは90%以上)を有するDNAがハイブリダイズする条件をいう。より具体的には、ナトリウム濃度が150〜900mM、好ましくは600〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは65℃での条件をいう。例えばハイブリダイゼーション条件が65℃であり、洗浄の条件が0.1%SDSを含む0.1×SSC中で65℃、10分の場合に、慣例的な手法、例えばサザンブロット、ドットブロットハイブリダイゼーションなどによってハイブリダイズすることが確認された場合には、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするといえる。
2.低アミロース米品種の識別
本発明の低アミロース米品種の識別方法では、低アミロース米品種におけるWx遺伝子の塩基配列と、通常のWx遺伝子の塩基配列の相違を利用する。コシヒカリ等の通常のうるち米品種は、wx座に優性のうるち遺伝子Wx(GenBankアクセッション番号X58228;塩基配列を配列番号5に示す)を保有していることが知られている(文献:奥野(1995)「米の科学」竹生新治郎編 朝倉書店P61−76)。本明細書においては、今回見出された「おぼろづき」や「北海287号」に存在するWx遺伝子を「本発明のWx遺伝子」と、コシヒカリ等の通常のうるち米品種に存在するWx遺伝子を「うるち米品種のWx遺伝子」という。本発明のWx遺伝子(配列番号1)とうるち米品種のWx遺伝子(配列番号5)は、図1に示すように、本発明のWx遺伝子が第10エキソンと第11エキソンの間のイントロン部分に37bpの塩基の欠失(配列番号3又は4)を有するという点で相違する。従って、識別対象の米のゲノムDNAにおけるこの欠失領域の有無を検出することによって、本発明のWx遺伝子の有無を簡便に検出することができる。
本発明において識別の対象となる低アミロース米品種は、おぼろづき、北海287号及びそれらの同系統品種である。なお、おぼろづきは登録番号第14033号(登録日は2006年3月20日)として品種登録されている。ここで、品種とは、重要な形質に係る特性の全部又は一部によって他の植物体の集合と区別することができ、かつ、その特性の全部を保持しつつ繁殖させることができる一の植物体の集合を意味する。また、同系統品種とは、おぼろづき又は北海287号を交配親に用いて育成され得る品種のことを意味する。従って、本発明に係る識別方法においては、本発明のWx遺伝子を有するおぼろづき、北海287号及びそれらの同系統品種と、コシヒカリなどの一般うるち米品種、もち米品種、及び彩やミルキークイーンなどの他の低アミロース米品種などとを識別する。一般うるち米品種、もち米品種、及び他の低アミロース米品種としては、例えばきらら397、ゆきひかり、ほしのゆめ、ななつぼし、あきほ、ほしたろう、吟風、大地の星、ふっくりんこ、上育445号、彗星、はくちょうもち、風の子もち、あやひめ、彩、NM391、ミルキークイーン、及びスノーパールが挙げられる。
本方法では、識別しようとする米からゲノムDNAを調製する。ゲノムDNAの調製は、公知の方法、例えばフェノール/クロロホルム法、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)法などにより調製することができる。また、必要であれば、陽性対照及び/又は陰性対照の米品種からゲノムDNAを調製してもよい。
DNAを調製する供与源もまた特に限定されるものではなく、植物体のいずれの組織からも抽出できるが、例えば、穂、葉、根、種子、精米、玄米、さらに炊飯米等からも抽出することができる。
ゲノムDNAにおけるWx遺伝子の検出は、当技術分野で公知の任意の方法により行うことができ、限定するものではないが、増幅反応、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用した方法、制限酵素断片長多型(RFLP)を利用した方法、ハイブリダイゼーション法、直接配列決定法、プライマー伸長反応を利用する方法などが挙げられる。これらの方法はいずれも当業者に周知である。以下にその概要を説明する。
(1)増幅反応を利用した方法(PCR法)
本発明においては、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用してWx遺伝子を簡便かつ高精度に検出することができる。
最初に、本発明のWx遺伝子とうるち米品種のWx遺伝子との塩基配列の比較から、両者を区別して増幅することができるプライマーを設計する。例えば、図2Aに示すように、本発明のWx遺伝子の5’末端から欠失領域までの間で設計したプライマーと、欠失領域から3’末端までの間で設計したプライマーとからなるプライマーセット(a)を設計することができる。より具体的には、配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーと、配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーとからなるプライマーセットを設計することができる。このように設計されたプライマーセットを用いた場合、本発明のWx遺伝子によって得られる増幅産物と、うるち米品種のWx遺伝子によって得られる増幅産物との大きさが異なることになる。従って、プライマーセットを用いた増幅反応により得られる増幅産物の大きさの相違から、試験対象のゲノムDNAが本発明のWx遺伝子であるか又はうるち米品種のWx遺伝子であるかを区別することができる。
また例えば、図2Aに示すように、本発明のWx遺伝子の5’末端から欠失領域までの間で設計したプライマーと、欠失領域に設計したプライマーとからなるプライマーセット(b)を設計することができる。具体的には、配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーと、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーとからなるプライマーセットを設計することができる。このようなプライマーセットを用いた場合、本発明のWx遺伝子からは増幅産物は得られず、うるち米品種のWx遺伝子からのみ増幅産物が得られる。従って、プライマーセットを用いた増幅反応により得られる増幅産物の有無から、試験対象のゲノムDNAが本発明のWx遺伝子であるか又はうるち米品種のWx遺伝子であるかを区別することができる。
さらに、図2Aに示すように、欠失領域に設計したプライマーと、本発明のWx遺伝子の欠失領域から3’末端までの間で設計したプライマーとからなるプライマーセット(c)を設計することができる。具体的には、配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーと、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも10塩基からなるプライマーとからなるプライマーセットを設計することができる。このようなプライマーセットを用いた場合、本発明のWx遺伝子からは増幅産物は得られず、うるち米品種のWx遺伝子からのみ増幅産物が得られる。従って、プライマーセットを用いた増幅反応により得られる増幅産物の有無から、試験対象のゲノムDNAが本発明のWx遺伝子であるか又はうるち米品種のWx遺伝子であるかを区別することができる。
プライマーの設計手法は当技術分野で周知であり、本発明において使用可能なプライマーは、特異的なアニーリングが可能な条件を満たす、例えば特異的なアニーリングが可能な長さ及び塩基組成(融解温度)を有するように設計される。例えば、プライマーとしての機能を有する長さとしては、10塩基以上が好ましく、さらに好ましくは15〜50塩基であり、さらに好ましくは20〜30塩基である。また設計の際には、プライマーの融解温度(Tm)を確認することが好ましい。Tmとは、任意の核酸鎖の50%がその相補鎖とハイブリッドを形成する温度を意味し、鋳型となるDNAとプライマーとが二本鎖を形成してアニーリングするためには、アニーリングの温度を最適化する必要がある。一方、この温度を下げすぎると非特異的な反応が起こるため、温度は可能な限り高いことが望ましい。Tmの確認には、公知のプライマー設計用ソフトウエアを利用することができる。設計されたプライマーは、公知のオリゴヌクレオチド合成手法により化学合成することができるが、通常は、市販の化学合成装置を使用して合成される。
本発明において使用可能なプライマーセットとしては、限定するものではないが、配列番号7に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号8に示す塩基配列からなるプライマーが挙げられる:
プライマーWxob-L1;5’CAGGCTGGAGGAACAGAAGG 3’(配列番号7)
プライマーWxob-R3;5’TCACCTTGCCCGGATACTTC 3’(配列番号8)
上記プライマーセットにより得られる増幅産物は、うるち米品種のWx遺伝子を用いた場合には395bpであり、本発明のWx遺伝子を用いた場合には358bpである。従って、例えば増幅産物のゲル電気泳動などによって可視的に判定することが可能である。
また、本発明において使用可能な別のプライマーセットとしては、配列番号15に示す塩基配列からなるプライマー及び配列番号16に示す塩基配列からなるプライマーが挙げられる:
プライマーWxob-L3;5’AAGGGGTGAGGCTTTGAACC 3’(配列番号15)
プライマーWxob-R4;5’CTGCAGCTGGATGAGTCCAC 3’(配列番号16)
上記プライマーセットにより得られる増幅産物は、うるち米品種のWx遺伝子を用いた場合には299bpであり、本発明のWx遺伝子を用いた場合には262bpである。従って、例えば増幅産物のゲル電気泳動などによって可視的に判定することが可能である。
増幅反応は、特に限定されないが、好ましくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により行う。
上述のようにして、識別対象の米に由来するゲノムDNAを鋳型として、本発明のWx遺伝子の塩基配列を含む核酸断片及び/又はうるち米品種のWx遺伝子の塩基配列を含む核酸断片を特異的に増幅することができる。
続いて、増幅した核酸断片の有無を検出するか、又は核酸断片の長さを測定する。例えば、アガロースゲル電気泳動法等を利用して、特定のサイズの核酸断片が増幅されているか否かを確認する。増幅産物のサイズは設計したプライマー間の塩基配列に基づいて推測することが可能である。
あるいは、プライマー又は基質に標識した標識に基づいて核酸断片の増幅の有無を検出する。例えば、増幅反応の過程で取り込まれるdNTPに、放射性同位体、蛍光物質、発光物質などの標識体を作用させ、この標識体を検出することができる。放射性同位体としては、32P、125I、35Sなどを用いることができる。また蛍光物質としては、例えば、フルオレセン(FITC)、スルホローダミン(TR)、テトラメチルローダミン(TRITC)などを用いることができる。また発光物質としてはルシフェリンなどを用いることができる。
これら標識体の種類や標識体の導入方法等に関しては、特に制限されることはなく、従来公知の各種手段を用いることができる。例えば標識体の導入方法としては、放射性同位体を用いるランダムプライム法が挙げられる。
標識したdNTPを取り込んだ増幅産物を観察する方法としては、上述した標識体を検出するための当技術分野で公知の方法であればいずれの方法でもよい。例えば、標識体として放射性同位体を用いた場合には、放射活性を、例えば液体シンチレーションカウンター、γ−カウンターなどにより計測することができる。また標識体として蛍光を用いた場合には、その蛍光を蛍光顕微鏡、蛍光プレートリーダーなどを用いて検出することができる。
これにより、識別対象の米が本発明のWx遺伝子を有するか否か、すなわち低アミロース米品種であるか否かを識別することができる。
(2)ハイブリダイゼーション法
本発明のWx遺伝子は、ハイブリダイゼーション法を利用して検出することもできる。ハイブリダイゼーション法は、識別対象の米由来のゲノムDNAが、それに対し相補的なDNA分子(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)とハイブリダイズする能力に基づいて、本発明のWx遺伝子の有無を決定する方法である。ハイブリダイゼーション及び検出のための種々の技術を利用してこのハイブリダイゼーション法を行うことができる。
最初に、本発明のWx遺伝子とうるち米品種のWx遺伝子との塩基配列の比較から、両者を区別してハイブリダイズすることができるプローブを設計する。例えば、図2Bに示すように、本発明のWx遺伝子に基づいて、欠失領域をまたぐようにプローブ(a)を設計することができる。具体的には、配列番号1の塩基配列若しくはその相補配列において少なくとも2279番から2283番の塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを設計することができる。かかるプローブは、本発明のWx遺伝子に対してハイブリダイズすることができるが、うるち米品種のWx遺伝子にはハイブリダイズすることができない。従って、このプローブを用いたハイブリダイゼーションの有無により、試験対象のゲノムDNAが本発明のWx遺伝子であるか又はうるち米品種のWx遺伝子であるかを区別することができる。
また、例えば図2Bに示すように、欠失領域を含むようにプローブ(b)を設計することができる。具体的には、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列の連続する少なくとも20塩基を含むプローブ、又は配列番号5に示される塩基配列若しくはその相補配列において2734番から2770番のうちの少なくとも1つ(好ましくは2つ、より好ましくは3つ)の塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを設計することができる。かかるプローブは、うるち米品種のWx遺伝子に対してハイブリダイズすることができるが、本発明のWx遺伝子にはハイブリダイズすることができない。従って、このプローブを用いたハイブリダイゼーションの有無により、試験対象のゲノムDNAが本発明のWx遺伝子であるか又はうるち米品種のWx遺伝子であるかを区別することができる。
プローブの設計手法は当技術分野で周知であり、本発明において使用可能なプローブは、特異的なハイブリダイゼーションが可能な条件を満たす、例えば特異的なハイブリダイゼーションが可能な長さ及び塩基組成(融解温度)を有するように設計される。プローブの長さは、10塩基以上が好ましく、さらに好ましくは20〜50塩基であり、さらに好ましくは20〜30塩基である。
本方法においては、プローブを用いて識別対象の米由来のゲノムDNAに対するハイブリダイゼーション反応を行い、その特異的結合(ハイブリッド)を検出することにより、本発明のWx遺伝子又はうるち米品種のWx遺伝子の存在を検出する。
ハイブリダイゼーション反応は、ストリンジェントな条件下で行う必要がある。そのようなストリンジェントな条件は当技術分野で周知であり、特に限定されない。
本方法においてハイブリダイゼーションを行う場合には、プローブに蛍光標識(フルオレセイン、ローダミンなど)、放射性標識(32Pなど)、酵素標識(アルカリホスファターゼ、西洋ワサビパーオキシダーゼ等)、ビオチン標識等の適当な標識を付加することができる。
標識化プローブを用いた検出は、識別対象の米由来のゲノムDNAとプローブとをハイブリダイズ可能なように接触させることを含む。具体的には、例えば識別対象の米由来のゲノムDNAを、必要であれば適宜制限酵素で消化して、スライドグラス、メンブラン、マイクロタイタープレート等の適当な担体に固定し、標識したプローブを添加することにより、プローブとゲノムDNAとを接触させてハイブリダイゼーション反応を行い、ハイブリダイズしなかったプローブを除去した後、ゲノムDNAとハイブリダイズしているプローブの標識を検出する。標識が検出された場合には、識別対象の米が本発明のWx遺伝子又はうるち米品種のWx遺伝子を有していることになる。
あるいは、ハイブリダイゼーションはDNAチップを利用して検出することもできる。この方法においては、プローブを固相支持体に貼り付ける。識別対象の米由来のゲノムDNAサンプルをDNAチップと接触させ、ハイブリダイゼーションを検出する
(3)直接配列決定法
本発明のWx遺伝子は、ゲノムDNAを用いて直接配列決定法により検出することができる。直接配列決定法においては、最初に、識別対象の米からゲノムDNAを調製し、検出対象となるWx遺伝子を含む領域(特に第10エキソンと第11エキソンの間の領域)をベクターにクローニングし、宿主細胞(例えば細菌)において増幅させる。あるいは、検出対象のWx遺伝子を含む領域内のDNAをPCRにより増幅することも可能である。増幅後、検出対象領域内のDNAを配列決定する。配列決定法としては、限定されるものではないが、手動式配列決定法又は自動配列決定法が挙げられる。手動配列決定法としては、例えば放射性マーカーヌクレオチドを使用する方法などが挙げられ、自動配列決定法としては、ダイターミネーターを使用する方法などが挙げられる。配列決定の結果に基づいて、識別対象の米が目的のWx遺伝子を有するか否かを判定する。
(4)RFLP法
本発明のWx遺伝子は、制限酵素断片長多型(Restriction Fragment Length Polymorphism;RFLP)を利用して検出することもできる。まず、検出対象の本発明のWx遺伝子を含む領域をPCRで増幅する。続いてこのPCR産物を、本発明のWx遺伝子に独特な長さの断片を生じることが知られている制限酵素で切断する。制限酵素により消化されたPCR産物は、一般的にはゲル電気泳動により分離し、エチジウムブロマイド染色により可視化する。断片の長さを、分子量マーカー、うるち米品種由来のWx遺伝子(対照)により生じた断片の長さと比較することによって、識別対象の米における本発明のWx遺伝子の存在を検出することができる。
以上の方法により、識別対象の米が、本発明のWx遺伝子を有するか否か、又はうるち米品種のWx遺伝子を検出し、その結果から、識別対象の米が目的の低アミロース米品種であるか否かを識別することが可能となる。本発明の方法は、遺伝的手法を利用するため、従来の白濁を利用した方法と比べて簡便かつ高精度に目的の米品種を識別することができる。
3.キット
上述した低アミロース米品種の識別方法は、キットを用いることによりさらに簡便に実施することができる。本キットは、上述したような本発明のWx遺伝子を検出することができる手段、具体的にはプライマー又はプローブを少なくとも含むものである。またキットは、プライマーを含む場合には、さらに、反応液を構成するバッファー、dNTP混合物、酵素類(逆転写酵素、RNaseHなど)、校正用の標準試料などを含んでもよい。また、プローブを含む場合には、さらに、ハイブリダイゼーションバッファー、洗浄バッファー、マイクロプレート、ナイロンメンブレンなどを含んでもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
北海287号及び原品種のきらら397の葉から、それぞれCTAB法によりDNAを抽出した。wx座の塩基配列を解析するため、まずInukai et.al.2000 Genome 43に示されたプライマーN、プライマーY、プライマーB、及びプライマーEを合成した。
各プライマーの塩基配列は以下の通りである。
プライマーN;5’TCAAGAGCATGGAGGAGAAGTA 3’(配列番号9)
プライマーY;5’AGCACATTCTCCCAGTTCTTCGCA 3’(配列番号10)
プライマーB;5’CAACCACCATGTCGGCTCTCACCA 3’(配列番号11)
プライマーE;5’ACCCTGAAACACACACGGATCA 3’(配列番号12)
このうち、プライマーNとYのペア及びプライマーBとEのペアで、タカラ社製のPrime STARTMHS DNA polymeraseを用いてPCR反応を行い、各々の品種について約2.4kb及び1.2kbのPCR産物を得た。得られたPCR産物をベクターpUC118/HincII/BAPに組み込み、シークエンスプライマーを用いた塩基配列の決定操作を行い、塩基配列を得た。
得られた2種の塩基配列の間に、既知のWx遺伝子の配列と比較して、解析できなかったギャップ領域が存在していたため、その領域の塩基配列を解析するため、ギャップ領域を含む塩基配列を増幅できるようにPrimer3によりプライマーを設計・合成した。設計し塩基配列解析に用いたプライマーは以下の通りである。
プライマーWxob-L1;5’CAGGCTGGAGGAACAGAAGG 3’(配列番号7)
プライマーWxob-R3;5’TCACCTTGCCCGGATACTTC 3’(配列番号8)
タカラ社製Ex−Taqを用いてPCR反応を行い、北海287号では358bp、きらら397では395bpのPCR産物を得た。得られたPCR産物をベクターpT7Blue T−vectorに組込み、シークエンスプライマーを用いた塩基配列の決定操作を行い、塩基配列を得た。
さらに配列の得られていなかった第14エクソンの塩基配列を解析するため、目的領域を増幅するプライマーを設計・合成した。プライマーは以下の通りである。
5916_3722U;5’GAAACGGAGGGAGTATAAAC 3’(配列番号13)
5616_4362L;5’ACCCAGATACATAACTAAAA 3’(配列番号14)
タカラ社製Ex−Taqを用いてPCR反応を行い、北海287号ときらら397のPCR産物について各々5916_3722Uプライマーを使用してダイレクトシークエンスにより塩基配列を得た。
以上、4通りの塩基配列解析で得られた塩基配列のコンティグを作成し、北海287号ときらら397についてWx遺伝子の翻訳開始点から終止点までの塩基配列を得た。北海287号に由来するWx遺伝子の配列を配列番号1に、きらら397に由来するWx遺伝子の配列を配列番号5に示す。
きらら397のWx遺伝子は既知のWx遺伝子と同じ塩基配列であったが、北海287号については、実施例1の結果、配列番号3又は4に示す37bpの配列が欠失していた。この欠失領域を含む150〜500bp程度の配列を増幅するように、Primer3によりプライマーを設計・合成した。設計し品種系統識別に用いたプライマーは以下の通りである。
プライマーWxob-L1;5’CAGGCTGGAGGAACAGAAGG 3’(配列番号7)
プライマーWxob-R3;5’TCACCTTGCCCGGATACTTC 3’(配列番号8)
上記のプライマーセットを用いて、きらら397及び北海287号のDNAについてEx−taqを用い1.5%アガロースゲルで100V 50分電気泳動を行った。その結果を図3に示す。図3に示すように、きらら397と北海287号のDNAを用いた増幅反応によって、サイズの異なる増幅産物が得られることがわかった。
また、上記のプライマーセットを用いて、表1及び表2に示す品種・系統のDNAについて、BIOLINE社製BIOTAQTMDNA Polymeraseを用い3%アガロースで100v 120分電気泳動を行った。表1は、北海287号又はおぼろづきの交雑後代系統であり、これらのうち、米の特性がおぼろづき型の低アミロース性を示すものは、2〜6、8及び10である。また、表2は、北海道の代表的品種及び低アミロース米の代表的品種であり、これらのうち、米の特性がおぼろづき型の低アミロース性を示す品種は、おぼろづき及び北海287号(2、3、22及び23)のみである。
Figure 0005030051
Figure 0005030051
表1及び表2の品種・系統を用いて得られた結果をそれぞれ図4及び5に示す。これらの結果から、PCRのバンドパターンから本発明のWx遺伝子を有する低アミロース米品種と、他のうるち米品種などとを識別できることが明らかとなった。
実施例2と同様に、下記のプライマーセットを設計した:
プライマーWxob-L3;5’AAGGGGTGAGGCTTTGAACC 3’(配列番号15)
プライマーWxob-R4;5’CTGCAGCTGGATGAGTCCAC 3’(配列番号16)
続いて、実施例2と同様の手順で、表2に示す品種・系統のDNAについて、増幅反応を行った後、電気泳動を行った。上記プライマーセットにより得られる増幅産物は、うるち米品種のWx遺伝子を用いた場合には299bpであり、本発明のWx遺伝子を用いた場合には262bpである。従って、例えば増幅産物のゲル電気泳動などによって可視的に判定することが可能である。
結果を図6に示す。この結果から、PCRのバンドパターンから本発明のWx遺伝子を有する低アミロース米品種と、他のうるち米品種などとを識別できることが明らかとなった。
本発明により、低アミロース米品種の識別方法及び識別用キットが提供される。かかる方法及びキットにより、低アミロース米品種を簡便かつ高精度で識別することが可能となる。従って、DNAマーカー選抜による稲新品種育成やDNA鑑定による品種識別など農業・食品分野において広範な利用が期待される。
wx遺伝子座の構造を示す。四角の枠はエクソンを示し、線はイントロンを示す。 本発明のWx遺伝子とうるち米品種のWx遺伝子とを識別可能なプライマーセット(A)及びプローブ(B)の設計例を示す。 欠失領域を増幅するプライマーを用いたPCR反応の結果を示す写真である。 欠失領域を増幅するプライマーを用いた、北海287号及びおぼろづきの交雑後代系統のPCR反応の結果を示す写真である。 欠失領域を増幅するプライマーを用いた、代表的な北海道品種及び代表的な低アミロース米品種のPCR反応の結果を示す写真である。 欠失領域を増幅する他のプライマーを用いた、代表的な北海道品種及び代表的な低アミロース米品種のPCR反応の結果を示す写真である。
配列番号3及び4:Wx遺伝子の部分配列
配列番号7〜16:合成オリゴヌクレオチド

Claims (17)

  1. 列番号1に示される塩基配列からなる遺伝子
  2. 識別対象の米において、配列番号1に示される塩基配列からなるWx遺伝子の存在を検出することを特徴とする低アミロース米品種の識別方法であって、低アミロース米品種が、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である、上記方法
  3. 識別対象の米において、Wx遺伝子における配列番号3又は4に示される塩基配列の不在検出することを特徴とする低アミロース米品種の識別方法であって、低アミロース米品種が、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である上記方法。
  4. 検出が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ハイブリダイゼーション、配列決定法、又は制限酵素断片長多型を利用した方法により行われる、請求項2又は3記載の方法。
  5. PCRが、配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマーと、配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマーとを用いて行われる、請求項4記載の方法。
  6. PCRが、配列番号7からなるプライマー及び配列番号8からなるプライマーを用いて行われる、請求項5記載の方法。
  7. PCRが、配列番号15からなるプライマー及び配列番号16からなるプライマーを用いて行われる、請求項5記載の方法。
  8. PCRが、配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマー、又は配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマーと、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマーとを用いて行われる、請求項4記載の方法。
  9. プライマーが、少なくとも20塩基からなるものである、請求項5又は8に記載の方法。
  10. ハイブリダイゼーションが、配列番号1の塩基配列若しくはその相補配列において少なくとも2279番から2283番の塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを用いて行われる、請求項4記載の方法。
  11. ハイブリダイゼーションが、配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列の連続する少なくとも20塩基を含むプローブ、又は配列番号5に示される塩基配列若しくはその相補配列において2734番から2770番のうちの少なくとも1つの塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを用いて行われる、請求項4記載の方法。
  12. 以下のプライマーを含むことを特徴とする、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である低アミロース米品種の識別用キット。
    (a)配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマー
    (b)配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマー
  13. 配列番号7からなるプライマー及び配列番号8からなるプライマーを含むことを特徴とする、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である低アミロース米品種の識別用キット。
  14. 配列番号15からなるプライマー及び配列番号16からなるプライマーを含むことを特徴とする、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である低アミロース米品種の識別用キット。
  15. 以下のプライマーを含むことを特徴とする、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である低アミロース米品種の識別用キット。
    (a)配列番号1の1番から2282番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマー、又は配列番号1の2283番から3612番の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマー
    (b)配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列のうち連続する少なくとも15塩基からなるプライマー
  16. 配列番号1の塩基配列若しくはその相補配列において少なくとも2279番と2283番の塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを含むことを特徴とする、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である低アミロース米品種の識別用キット。
  17. 配列番号3若しくは4の塩基配列若しくはその相補配列の連続する少なくとも20塩基を含むプローブ、又は配列番号5に示される塩基配列若しくはその相補配列において2734番から2770番のうちの少なくとも1つの塩基を含み、かつ連続する少なくとも20塩基からなるプローブを含むことを特徴とする、北海287号、おぼろづき、又はこれらの同系統品種である低アミロース米品種の識別用キット。
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