JP5029576B2 - 発光装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の発光素子を利用した発光装置、及びそのような発光装置を備えた電子機器に関する。
近年、有機EL(electroluminescent)素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機発光ダイオード(organic light emitting diode、以下「OLED」という)素子などの発光素子を用いた発光装置が各種提案されている。このような発光装置においては、基板上に設けられた発光素子に外気や水分等が浸入して当該発光素子が劣化することを防ぐために封止が行われる。この封止の技術として、極薄の無機化合物膜で発光素子を覆う薄膜封止技術が知られている。
例えば特許文献1には、陽極と発光層と陰極とが基板上に形成される複数の発光素子と、基板上に形成されて複数の発光素子を区分する絶縁性の隔壁とを備え、各発光素子における発光層および隔壁が陰極によって覆われる発光装置が開示されている。この技術では、陰極を無機化合物膜で覆うことによって封止が行われる。
特開2006−332019号公報
特許文献1においては、各発光素子における発光層および隔壁を覆うように陰極が形成されるから、例えば陰極のうち隔壁に重なる領域と発光層に重なる領域との間に段差が生じることで、陰極の表面に凹凸部が発生しがちである。このような場合において、無機化合物膜が陰極上に形成されると、当該無機化合物膜の荷重が陰極に与えられる。そして、陰極上の凹凸部に対する応力集中が過大になると、陰極が破損してしまい、発光素子の導電性が著しく低下するという問題があった。
このような事情を背景として、本発明は、薄膜封止が行われる発光装置において発光素子の導電性が低下することを抑制するという課題の解決を目的としている。
以上の課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、基板と、基板上に形成される第1電極と、第1電極上に形成される発光層と、発光層上に形成される第2電極とを各々が有する複数の発光素子と、基板上に形成されて複数の発光素子を区分する隔壁と、第2電極を部分的に覆い、第2電極への応力集中を緩和するための応力緩和層と、応力緩和層上に形成される無機材料からなるパシベーション層と、を備え、第2電極は、複数の発光素子における発光層および当該複数の発光素子を区分する隔壁を覆うことを特徴とする。
なお、本発明において、第2電極は、基板上の全ての発光素子および隔壁を覆ってもよいし、基板上の全ての発光素子のうちの一部の複数の発光素子および当該複数の発光素子を区分する隔壁を覆ってもよい。
本発明によれば、第2電極への応力集中を緩和するための応力緩和層が第2電極を部分的に覆うから、第2電極上に応力緩和層が設けられずにパシベーション層のみが形成される構成に比べて、応力集中による第2電極の破損を抑制できる。従って、発光素子の導電性が低下することを抑制できるという利点がある。
本発明に係る発光装置として、応力緩和層は、発光層と第2電極とが重なる領域に開口部を有する態様とすることもできる。
例えば、第2電極全体が応力緩和層によって覆われる構成を考える。この構成においては、第2電極上の領域のうち隔壁で区分された発光素子の区域における発光層に重なる領域が応力緩和層によって完全に覆われるから、発光層から第2電極および応力緩和層を透過して外部へ向かう光の量は、第2電極が応力緩和層によって覆われていない構成と比べて小さい。従って、発光装置から外部へ出射される光量を十分に確保できない場合がある。
これに対して、応力緩和層が、発光層と第2電極とが重なる領域に開口部を有する態様によれば、発光層からの出射光を、第2電極上の応力緩和層で覆われていない領域から外部へ取り出すことができる。従って、第2電極全体が応力緩和層によって覆われる構成に比べて、発光装置から外部へ出射される光量を確保できるという利点がある。
本発明に係る発光装置として、応力緩和層に設けられた開口部は、隔壁と重ならないように形成される態様とすることもできる。また、応力緩和層を隔壁と第2電極とが重なる領域の少なくとも一部に設けない領域を有する態様とすることもできる。さらに、応力緩和層は、第2電極上の領域のうち隔壁で区分された発光素子の区域における発光層に重なる領域を覆う態様とすることもできる。そのような態様において、隔壁と第2電極とが重なる領域であって、応力緩和層が設けられていない領域には補助電極が設けられるという構成を採用することもできる。
例えば、第2電極上の領域のうち隔壁で区分された発光素子の区域における発光層に重なる領域および補助電極が応力緩和層によって覆われる構成を考える。この構成では、発光装置の製造時において、(1)蒸着チャンバー内にて各発光素子における発光層および隔壁上に第2電極を蒸着させ、(2)発光素子および隔壁が形成された基板を蒸着チャンバーから取り出して第2電極上の隔壁に重なる領域に補助電極を形成し、(3)当該基板を再び蒸着チャンバーに入れて、第2電極上の領域のうち隔壁で区分された発光素子の区域における発光層に重なる領域および補助電極に応力緩和層を蒸着させる、というプロセスを経て製造されることになる。
これに対して、隔壁と第2電極とが重なる領域であって、応力緩和層が設けられていない領域には補助電極が設けられるという構成では、発光装置の製造時において、(1)蒸着チャンバー内にて各発光素子における発光層および隔壁上に第2電極を蒸着させ、(2)引き続き蒸着チャンバー内にて当該第2電極上の領域のうち隔壁で区分された発光素子の区域における発光層に重なる領域に応力緩和層を蒸着させ、(3)基板を蒸着チャンバーから取り出して第2電極上の隔壁に重なる領域に補助電極を形成する、というプロセスを経て製造されることになる。すなわち、この態様によれば、第2電極および応力緩和層が連続した蒸着工程で形成されるから、上述の第2電極および補助電極が応力緩和層によって覆われる構成と比べて製造時間が短縮化されるという利点がある。
本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。この電子機器の典型例は、発光装置を表示装置として利用した機器である。この種の機器としては、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。もっとも、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成する構成の画像形成装置(印刷装置)においては、像担持体を露光する手段(いわゆる露光ヘッド)として本発明の発光装置を採用することもできる。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置D1の構造を示す断面図であり、図2は発光装置D1の平面図である。
図1に示すように、発光装置D1は複数の発光素子U(Ur,Ug,Ub)が第1基板10の面上に配列された構成となっている。各発光素子Uは複数の色彩(赤色・緑色・青色)の何れかに対応した波長の光を発生する要素である。本実施形態では、発光素子Urは赤色光を出射し、発光素子Ugは緑色光を出射し、発光素子Ubは青色光を出射する。本実施形態における発光装置D1は、各発光素子Uにて発生した光が第1基板10とは反対側に向かって出射するトップエミッション型である。したがって、ガラスなどの光透過性を有する板材のほか、セラミックスや金属のシートなど不透明な板材を第1基板10として採用することができる。なお、第1基板10には、発光素子Uに給電して発光させるための配線が配置されているが、配線の図示は省略する。また、第1基板10には、発光素子Uに給電するための回路が配置されているが、回路の図示は省略する。
第1基板10上には隔壁12(セパレータ)が形成されている。図2に示すように、隔壁12は、各発光素子Uに対応する開口部Aが設けられて格子状に形成される。隔壁12は、絶縁性の透明材料、例えばアクリル、ポリイミドなどにより形成されている。後述するように、複数の発光素子Uは格子状の隔壁12に区分されてマトリクス状に配置されている。
図1に示すように、複数の発光素子Uの各々は、第1電極14、発光機能層20、第2電極22を有する。第1電極14は陽極であり、第1基板10上に形成されて隔壁12で包囲されている。第1電極14は、第1基板10上に形成された反射層16と、反射層を覆うように形成される透明電極18とを有する。反射層16は、反射率の高い金属材料、例えばアルミニウムや銀などの単体金属、またはアルミニウムや銀を主成分とする合金から形成される。本実施形態では、反射層16として、株式会社フルヤ金属製の商品名「APC」(銀の合金)が使用され、その膜厚は80nmである。透明電極18は、ITO(indium tin oxide)、IZO(登録商標)、またはZnOのような透明酸化物導電材料から形成される。本実施形態では、透明電極18はITOで形成され、その膜厚は発光素子Uの発光色ごとに相違する。その詳細な内容については後述する。
発光機能層20は、各透明電極18および隔壁12を覆うように形成される。すなわち、発光機能層20は複数の発光素子Uにわたって連続しており、発光機能層20の特性は複数の発光素子Uについて共通である。詳細な図示は省略するが、発光機能層20は、透明電極18上に形成された正孔注入層と、正孔注入層上に形成された正孔輸送層と、正輸送層上に形成された発光層と、発光層上に形成された電子輸送層と、電子輸送層上に形成された電子注入層とからなる。
本実施形態では、正孔注入層として、出光興産株式会社製の商品名「HI−406」が使用され、その膜厚は40nmである。また、正孔輸送層として、出光興産株式会社製の商品名「HT−320」が使用され、その膜厚は15nmである。なお、正孔注入および正孔輸送層を、正孔注入層と正孔輸送層の機能を兼ねる単一の層で形成することもできる。
発光層は、正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から形成されている。本実施形態では、有機EL物質は低分子材料であって、白色光を発する。発光層のホスト材料としては出光興産株式会社製の商品名「BH−232」が使用され、そのホスト材料中に、赤色、緑色、青色のドーパントが混合されている。本実施形態では、赤色ドーパントの材料としては出光興産株式会社製の商品名「RD−001」が使用され、緑色ドーパントの材料としては出光興産株式会社製の商品名「GD−206」が使用され、青色ドーパントの材料としては出光興産株式会社製の商品名「BD−102」が使用される。本実施形態では、発光層の膜厚は65nmである。
本実施形態では、電子輸送層はAlq3(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)で形成され、その膜厚は10nmである。また、電子注入層はLiF(フッ化リチウム)で形成され、その膜厚は1nmである。なお、電子輸送層および電子注入層を、電子注入層と電子輸送層の機能を兼ねる単一の層で形成することもできる。
第2電極22は陰極であり、発光機能層20を覆うように形成される。すなわち、第2電極22は複数の発光素子Uにわたって連続している。第2電極22は、その表面に到達した光の一部を透過するとともに他の一部を反射する性質(すなわち半透過反射性)を持った半透過反射層として機能し、例えばマグネシウムや銀などの単体金属、またはマグネシウムや銀を主成分とする合金から形成される。本実施形態では、第2電極22はマグネシウム銀合金(MgAg)で形成され、その膜厚は10nmである。
発光機能層20および第2電極22は複数の発光素子Uに共通であるが、個々の第1電極14は他の第1電極14から離れているため、個々の第1電極14と第2電極22との間で電流が流れたときには、その第1電極14に重なった位置でのみ発光機能層20が発光する。つまり、隔壁12は複数の発光素子Uを区分し、隔壁12で包囲された部分つまり第1電極14の部分を発光素子Uの区域と呼ぶことができる。
各発光素子Uにおいては、反射層16と第2電極22との間で発光機能層20からの出射光を共振させる共振器構造が形成される。すなわち、発光機能層20からの出射光は反射層16と第2電極22との間で往復し、共振によって特定の波長の光が強められて第2電極22を透過して観察側(図1の上方)に出射する(トップエミッション)。
発光素子Urでは発光機能層20で発した白色光のうち赤色が強められ、発光素子Ugでは緑色が強められ、発光素子Ubでは青色が強められるように、各発光素子Uにおける透明電極18の膜厚が調整される。より具体的には、本実施形態においては、発光素子Urにおける透明電極18の膜厚は110nmに設定され、発光素子Ugにおける透明電極18の膜厚は70nmに設定され、発光素子Ubにおける透明電極18の膜厚は27nmに設定される。
図1に示すように、第2電極22上には、第2電極22への応力集中を緩和するための応力緩和層24が部分的に形成される。応力緩和層24は、光透過性および耐湿性を有するとともに、第2電極22や後述のパシベーション層26よりも軟らかい材料で形成され、例えばフッ化リチウム(LiF)、酸化リチウム(LiO)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カルシウム(CaF)、酸化カルシウム(CaO)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化マグネシウム(MgO)、ポリテトラフルオロエチレンなどが好適に採用される。本実施形態では、応力緩和層24は電子注入層と同じ材料であるフッ化リチウム(LiF)で形成され、その膜厚は45nmである。
本実施形態では、応力緩和層24は、第2電極22上の隔壁12に重なる領域の少なくとも一部を覆う一方、第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における発光機能層20に重なる領域の少なくとも一部を覆わない。より具体的には、以下のとおりである。図2において、斜線が付された部分が応力緩和層24である。図2に示すように、応力緩和層24には、隔壁12によって区分された発光素子Uの区域(開口部Aで囲まれた領域)に各々が対応する複数の開口部Bが設けられている。図2に示すように、各開口部Bは、隔壁12によって区分された発光素子Uの区域における中央部分に位置する(開口部Bの開口面積<開口部Aの開口面積)。すなわち、応力緩和層24は、第2電極22上の隔壁12に重なる領域と、第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における中央部分以外の部分(周縁部分を含む)に重なる領域とを覆う一方、第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における中央部分に重なる領域を覆わない。応力緩和層24で覆われていない領域が図2の開口部Bである。
図1に示すように、応力緩和層24上には、発光素子Uに対する水や外気の浸入を防ぐための保護層であって、無機材料からなるパシベーション層26が形成される。パシベーション層26は、窒化珪素、酸窒化珪素または酸化珪素などのガス透過率が低い無機材料から形成される。本実施形態では、パシベーション層26は酸窒化珪素で形成され、その膜厚は225nmである。
図1に示すように、本実施形態では、第1基板10上に形成された複数の発光素子Uと対向するように第2基板30が配置される。第2基板30はガラスなどの光透過性を有する材料で形成される。第2基板30のうち第1基板10との対向面には、カラーフィルタ32および遮光膜34が形成される。遮光膜34は、各発光素子Uに対応して開口36が形成された遮光性の膜体である。開口36内にはカラーフィルタ32が形成される。
本実施形態では、発光素子Urに対応する開口36内には赤色光を選択的に透過させる赤色用カラーフィルタ32rが形成され、発光素子Ugに対応する開口36内には緑色光を選択的に透過させる緑色用カラーフィルタ32gが形成され、発光素子Ubに対応する開口36内には青色光を選択的に透過させる青色用カラーフィルタ32bが形成される。
カラーフィルタ32および遮光膜34が形成された第2基板30は、封止層28を介して第1基板10と貼り合わされる。封止層28は、透明の樹脂材料、例えばエポキシ樹脂などの硬化性樹脂から形成される。
以上に説明したように、本実施形態においては、第2電極22への応力集中を緩和するための応力緩和層24が第2電極22を部分的に覆う。応力緩和層24は第2電極22およびパシベーション層26より軟らかい材料からなり、パシベーション層26の荷重が応力緩和層24に分散されるから、第2電極22上に応力緩和層24が設けられずにパシベーション層26のみが形成される構成に比べて、応力集中による第2電極22の破損を抑制できる。従って、発光素子Uの導電性が低下することを抑制できるという利点がある。
図3は、第2電極22全体が応力緩和層24によって覆われる構成(以下、「対比例1」という)の断面図である。対比例1においては、第2電極22上の隔壁12によって区分された発光素子Uの区域における発光機能層22に重なる領域が応力緩和層24によって完全に覆われるから、発光機能層20から第2電極22および応力緩和層24を透過して観察側へ向かう光の量は、第2電極22が応力緩和層24によって覆われていない構成と比べて小さい。従って、発光装置から観察側へ出射される光量を十分に確保できない場合がある。
これに対して、本実施形態では、第2電極22上の応力緩和層24には、第2電極22上の領域のうち隔壁12によって区分された発光素子Uの区域における中央部分に重なる領域に各々が位置する複数の開口部Bが設けられるから、当該開口部Bを通る発光機能層20からの出射光は、応力緩和層24を通る出射光に比べ、光損失が少なくなるので、全面に応力緩和層24が形成された場合に比べ、観察側へより出射光を取り出すことができる。従って、本実施形態によれば、発光装置D1から観察側へ出射される光量を対比例1に比べて確保できるという利点がある。
ところで、第2電極22上の領域のうち隔壁12に重なる領域と隔壁12によって区分された発光素子Uの区域に重なる領域との間に段差が生じる場合、その段差に起因した凹凸部が第2電極22上に発生する。この場合、第2電極22上の領域のうち隔壁12によって区分された発光素子Uの区域の周縁部分に重なる領域は、過大な応力集中を受ける可能性が高い。
本実施形態においては、第2電極22上の領域のうち隔壁12によって区分された発光素子Uの区域の周縁部分に重なる領域は応力緩和層24によって覆われる。従って、本実施形態によれば、第2電極22上の領域のうち隔壁12に重なる領域と隔壁12によって区分された発光素子Uの区域に重なる領域との間に段差が生じた場合であっても、第2電極22上の領域のうち隔壁12によって区分された発光素子Uの区域の周縁部分に重なる領域への応力集中が過大になることを抑制できる。従って、第2電極22が破損することを抑制できる。また、本実施形態においては、第2電極22上の領域のうち隔壁12によって区分された発光素子Uの区域の中央部分は応力緩和層24によって覆われないから、本実施形態によれば、第2電極22への応力集中が過大になって第2電極22が破損することを抑制しつつ発光装置D1から観察側へ出射される光量を確保できるという利点がある。
<B:第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る発光装置D2の断面図である。図5は、第2実施形態に係る発光装置D2の平面図である。第2実施形態においては、第2電極22の抵抗を低減するための補助電極40が第2電極22上に形成される。図4および図5に示すように、補助電極40は、第2電極22上の隔壁12に重なる領域に格子状に形成される。補助電極40は、導電性に優れたアルミニウム、金、銀などの金属材料で構成される。
また、第2実施形態においては、応力緩和層24は、第2電極12上の領域のうち隔壁12によって区分された発光素子Uの区域における発光機能層20に重なる領域を完全に覆う一方、補助電極40を覆わない。以上の点が第1実施形態と異なる。その他の構成は第1実施形態の発光装置D1と同じであるから、重複する部分については説明を省略する。
図6は、第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における発光機能層20に重なる領域および補助電極40が応力緩和層24によって覆われる構成(以下、「対比例2」という)の断面図である。対比例2は、発光装置の製造時に、(1)蒸着チャンバー内にて隔壁12で区分された発光素子Uの区域における発光機能層20および隔壁12上に第2電極22を蒸着させ、(2)第2電極22が蒸着された第1基板10を蒸着チャンバーから取り出して第2電極22上の隔壁12に重なる領域に補助電極40を形成し、(3)第1基板10を再び蒸着チャンバーに入れて、第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における発光機能層20に重なる領域および補助電極40に応力緩和層を蒸着させる、というプロセスを経て製造されることになる。
これに対して、第2実施形態においては、発光装置D2の製造時に、(1)蒸着チャンバー内にて隔壁12で区分された区域における発光機能層20および隔壁12上に第2電極22を蒸着させ、(2)引き続き蒸着チャンバー内にて第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における発光機能層20に重なる領域に応力緩和層24を蒸着させ、(3)第2電極22および応力緩和層24が蒸着された第1基板10を蒸着チャンバーから取り出して第2電極22上の隔壁12に重なる領域に補助電極40を形成する、というプロセスを経て製造されることになる。すなわち、第2実施形態によれば、第2電極22および応力緩和層24が連続した蒸着工程で形成されるから、対比例2と比べて製造時間が短縮化されるという利点がある。
<C:変形例>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
(1)変形例1
第1実施形態では、発光機能層20は全ての発光素子Uに共通であるが、これに限らず、例えば図7に示すように、発光機能層20が発光素子Uの発光色ごとに別個に形成されてもよい。図7において、発光素子Urの発光機能層20rはR(赤)の波長領域の光を発生する有機EL物質から形成される発光層を含み、発光素子Ugの発光機能層20gはG(緑)の波長領域の光を発生する有機EL物質から形成される発光層を含み、発光素子Ubの発光機能層20bはB(青)の波長領域の光を発生する有機EL物質から形成される発光層を含む。図7に示すように、各発光機能層20は、隔壁12で区分された発光素子Uの区域ごとに形成され、隣の発光機能層20とはつながっていない。なお、第2実施形態においても同様に、発光機能層20を発光素子Uの発光色ごとに別個に形成することができる。
(2)変形例2
第1実施形態では、第2電極22上の領域のうち隔壁12で区分された発光素子Uの区域における中央部分に重なる領域が応力緩和層24によって覆われていないが、これに限らず、第2電極22上の領域のうち発光素子Uの区域に重なる領域の少なくとも一部が応力緩和層24によって覆われない態様であればよい。例えば、第2電極22上の領域のうち発光素子Uの区域に重なる領域全体が応力緩和層24によって覆われない態様とすることもできる。
また、第1実施形態では、第2電極22上の隔壁12に重なる領域が応力緩和層24によって完全に覆われているが、これに限らず、例えば第2電極22上の隔壁12に重なる領域の一部のみが応力緩和層24によって覆われる構成とすることもできる。要するに、第2電極22上の隔壁12に重なる領域の少なくとも一部が応力緩和層24によって覆われる態様であればよい。
(3)変形例3
第2実施形態では、第2電極12上の領域のうち発光素子Uの区域に重なる領域が応力緩和層24によって完全に覆われているが、これに限らず、例えば第2電極12上の領域のうち発光素子Uの区域における中央部分が応力緩和層24によって覆われない構成とすることもできる。要するに、第2電極12上の領域のうち発光素子Uの区域に重なる領域の少なくとも一部が応力緩和層24によって覆われる一方、補助電極40が応力緩和層24によって覆われない態様であればよい。第2電極12上の領域のうち発光素子Uの区域に重なる領域の一部が応力緩和層24によって覆われない構成とすれば、第1実施形態と同様、発光装置から観察側へ出射される光量を対比例1に比べて確保できるという利点がある。すなわち、応力集中する領域が予めわかっていれば、当該応力集中領域に選択的に応力緩和層24を形成する。応力集中領域は、上記の隔壁による段差が形成されているところ、及び例えば、発光素子の領域が矩形形状を有する場合には、発光素子の角部に選択的に応力緩和層24を形成することができる。
(4)変形例4
上述の各実施形態においては、第2電極22は発光素子Uの陰極であったが、陽極とすることもできる。
上述の各実施形態においては、放出光の純度を高めるために光が放出される側にカラーフィルタ32が設けられているが、例えばカラーフィルタ32を設けない構成とすることもできる。
上述の各実施形態においては、発光機能層20の発光層の有機EL物質は低分子材料であるが、高分子材料の有機EL物質で発光層を形成することもできる。この場合、発光層は、インクジェットまたはスピンコートによって隔壁12で画定された空間内に配置される。
<D:応用例>
次に、本発明に係る発光装置または第1実施形態に係る発光装置D1を利用した電子機器について説明する。図8は、第1実施形態に係る発光装置D1を表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての発光装置D1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この発光装置D1はOLED素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図9に、第1実施形態に係る発光装置D1を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての発光装置D1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置D1に表示される画面がスクロールされる。
図10に、第1実施形態に係る発光装置D1を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての発光装置D1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が発光装置D1に表示される。
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図8から図10に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用ディスプレイ、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光書込み型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用紙などの記録材に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する書込みヘッドが使用されるが、この種の書込みヘッドとしても本発明の発光装置は利用される。
本発明の第1実施形態に係る発光装置の断面図である。 同実施形態に係る発光装置の平面図である。 対比例1に係る発光装置の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る発光装置の断面図である。 同実施形態に係る発光装置の平面図である。 対比例2に係る発光装置の断面図である。 本発明の変形例に係る発光装置の断面図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。
符号の説明
10……第1基板、12……隔壁、14……第1電極、20……発光機能層、22……第2電極、24……応力緩和層、26……パシベーション層、30……第2電極、32……カラーフィルタ、34……遮光膜、A……開口部、B……開口部、D1,D2……発光装置、U……発光素子。

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成される第1電極と、前記第1電極上に形成される発光層と、前記発光層上に形成される第2電極とを各々が有する複数の発光素子と、
    前記基板上に形成されて前記複数の発光素子を区分する隔壁と、
    前記第2電極を部分的に覆い、前記第2電極への応力集中を緩和するための応力緩和層と、
    前記応力緩和層上に形成される無機材料からなるパシベーション層と、を備え、
    前記第2電極は、複数の前記発光素子における前記発光層および当該複数の前記発光素子を区分する前記隔壁を覆う、
    発光装置。
  2. 前記応力緩和層は、前記発光層と前記第2電極とが重なる領域に開口部を有する、
    請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記開口部は、前記隔壁と重ならないように形成されている、
    請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記応力緩和層を前記隔壁と前記第2電極とが重なる領域の少なくとも一部に設けない領域を有する、
    請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記応力緩和層は、前記第2電極上の領域のうち前記隔壁で区分された前記発光素子の区域における前記発光層に重なる領域を覆う、
    請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記隔壁と前記第2電極とが重なる領域であって、前記応力緩和層が設けられていない領域には補助電極が設けられている、
    請求項4または請求項5に記載の発光装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れかの発光装置を具備する電子機器。
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