JP2017220452A - 有機el装置、有機el装置の製造方法、および電子機器 - Google Patents

有機el装置、有機el装置の製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁膜を用いて光路長調整を行う場合であっても、輝度の低下を招くことがなく、かつ、画素間の段差を小さくする。
【解決手段】少なくとも光路長が異なる第1画素(副画素PE−R)と第2画素(副画素PE−G)を有する電気光学装置1であって、第1画素と第2画素は、反射層43と、保護層44と、第1光路長調整層60aと、第2光路長調整層60bと、第1電極E1と、発光機能層46と、第2電極E2とを備え、保護層44は、第1光路長調整層60aと第2光路長調整層60bを形成する窒化珪素(SiN)よりも屈折率が低い酸化珪素(SiO)で形成する。
【選択図】図8

Description

本発明は、有機EL装置、有機EL装置の製造方法、および電子機器の技術分野に関する。
近年、ヘッドマウントディスプレイのように虚像の形成を可能にする電子機器においては、発光素子としてOLED(Organic Light Emitting Diode)を用いた有機EL(Electro Luminescence)装置が用いられている。このような有機EL装置の一例として、特許文献1のように、画素ごとに反射層を備え、キャビティ構造により、反射層と画素電極との間の光学距離により光路長調整を行う装置が提案されている。
特開2014−235959号公報
特許文献1のような構造の装置においては、エッチング選択比の高い窒化珪素(SiN)を、画素に設けられたトランジスター等を保護するための保護層として用い、その上の酸化珪素(SiO)により光路長調整を行っている。また、酸化珪素(SiO)の上の層にはITO(酸化インジウムスズ)により画素電極を形成している。したがって、窒化珪素(SiN)の屈折率と酸化珪素(SiO)の屈折率との差が大きく、また、酸化珪素(SiO)の屈折率とITO(酸化インジウムスズ)の屈折率との差が大きくなる。このように、特許文献1の構成では、屈折率の差が大きい2層間の界面である屈折率界面が増えるため、屈折率が窒化珪素(SiN)に近いITO(酸化インジウムスズ)により光路長調整を行う場合に比べて輝度が低下することがあった。
また、光学距離は、屈折率と膜厚との積により得られるため、屈折率の低い酸化珪素(SiO)により光路長調整を行う場合には、光路長調整層の膜厚が大きくなり、その結果として画素間の段差が大きくなることがあった。したがって、封止膜が破損する虞がある。また、画素間の段差が大きくなることにより、OLED層に局所的に薄い箇所が生じ、輝度が低い場合には、画素外に余分な電流が流れ、色安定性が低下することがあった。
本発明は、前記課題の少なくとも一部を解決するものであり、絶縁膜を用いて光路長調整を行う場合であっても、輝度の低下を招くことがない有機EL装置、有機EL装置の製造方法、および電子機器、または、画素間の段差を小さくすることのできる有機EL装置、有機EL装置の製造方法、および電子機器を提供するものである。
前記課題を解決するために本発明の有機EL装置の一態様は、光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置であって、前記第1画素と前記第2画素は、反射層と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた発光機能層と、前記第1電極及び前記反射層の間に設けられた保護層と、前記第1電極及び前記保護層の間に設けられ前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層と、を備え、前記光路長調整層は、絶縁層であり、前記保護層よりも屈折率が高い、ことを特徴とする。
この態様によれば、光路長調整層は、保護層よりも屈折率が高いので、光路長調整層が保護層よりも屈折率が低い場合と比較して、所望の光路長を得るための光路長調整層の層厚を薄くすることが可能となる。その結果、画素間の段差が小さくなり、色安定性と信頼性を向上させることができる。
上述した有機EL装置の一態様において、前記第1電極の屈折率と前記光路長調整層の屈折率との差は、前記第1電極の屈折率と前記保護層の屈折率との差よりも小さい、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1電極の屈折率と、保護層よりも第1電極側に配置される光路長調整層の屈折率との差が、第1電極の屈折率と保護層の屈折率との差よりも小さい。したがって、この態様によれば、第1電極の屈折率と光路長調整層の屈折率との差が、第1電極の屈折率と保護層の屈折率との差よりも大きい場合と比較して、第1電極の屈折率と光路長調整層の屈折率との差を小さくすることが可能となる。これにより、第1電極の屈折率と光路長調整層の屈折率との差が、第1電極の屈折率と保護層の屈折率との差よりも大きい場合と比較して、屈折率界面を減らすことができ、その結果、輝度の低下を防ぐことができる。
上述した有機EL装置の一態様において、前記保護層は、前記反射層と接していてもよい。この態様によれば、保護層は反射層と接し、増反射層を兼ねるので、輝度の低下がより一層防止される。また、この態様によれば、保護層の屈折率が光路長調整層の屈折率よりも高い場合と比較して、反射層の反射面に近いところにおいて屈折率を低くできる可能性が高くなるため、取り出される光の利用率を向上できる可能性が高くなる。
上述した有機EL装置の一態様において、前記保護層は、酸化珪素膜(SiO)であってもよい。この態様によれば、保護層が酸化珪素膜(SiO)なので、光路長調整層としては、酸化珪素膜(SiO)よりも屈折率が高い、例えば、窒化珪素膜(SiN)が用いられる。その結果、輝度の低下を防ぐことができる。また、所望の光路長を得るための光路長調整層の層厚を薄くすることが可能となる。その結果、画素間の段差が小さくなり、色安定性と信頼性を向上させることができる。
上述した有機EL装置の一態様において、前記光路長調整層は、窒化珪素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化タングステン(WOx)、酸化ハフニウム(HfOx)のいずれかの材料を含んでもよい。この態様によれば、光路長調整層の屈折率を保護層の屈折率よりも高くすることが可能であり、輝度の低下を防ぐことが可能となる。また、この態様によれば、光路長調整層として例えば酸化珪素膜(SiO)を使用する場合と比較して、所望の光路長を得るための光路長調整層の層厚を薄くすることが可能となる。その結果、画素間の段差が小さくなり、色安定性と信頼性を向上させることができる。
上述した有機EL装置の一態様において、前記第1画素と前記第2画素の他に、第3画素を含み、当該第3画素は前記光路長調整層を含まなくてもよい。この態様によれば、第3画素は光路長調整層を含まないので、製造プロセスを簡略化できる。また、第3画素が光路長調整層を含まない分、保護層の層厚を厚くすることができ、製造プロセス上のリスクを軽減させることができる。
前記課題を解決するために本発明の有機EL装置の一態様は、光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置であって、前記第1画素と前記第2画素は、反射層と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた発光機能層と、前記第1電極及び前記反射層の間に設けられ前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層と、前記反射層及び前記光路長調整層の間に設けられた保護層と、を備え、前記光路長調整層は、絶縁層であり、前記第1電極の屈折率と前記光路長調整層の屈折率の差は、前記第1電極の屈折率と前記保護層の屈折率の差よりも小さい、ことを特徴とする。
この態様によれば、第1電極の屈折率と光路長調整層の屈折率の差が第1電極の屈折率と保護層の屈折率の差よりも大きい場合と比較して、第1電極の屈折率と光路長調整層の屈折率との差を小さくすることが可能となる。このため、この態様によれば、第1電極の屈折率と光路長調整層の屈折率の差が第1電極の屈折率と保護層の屈折率の差よりも大きい場合と比較して、屈折率界面を減らすことができ、その結果、輝度の低下を防ぐことができる。
なお、光路長調整層の屈折率は、第1電極の屈折率と同等であることが好ましく、具体的には、光路長調整層の屈折率と第1電極の屈折率との差が0.1以内であることが好ましい。
前記課題を解決するために本発明の有機EL装置の製造方法の一態様は、光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置の製造方法であって、反射層を形成する工程と、保護層を形成する工程と、前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層を絶縁材料により形成する工程と、第1電極を形成する工程と、発光機能層を形成する工程と、第2電極を形成する工程と、を備え、前記光路長調整層は、前記保護層よりも屈折率が高い、ことを特徴とする。
この態様によれば、光路長調整層は、保護層よりも屈折率が高いので、光路長調整層が保護層よりも屈折率が低い場合と比較して、所望の光路長を得るための光路長調整層の層厚を薄くすることが可能となる。その結果、画素間の段差が小さくなり、色安定性と信頼性を向上させることができる。
前記課題を解決するために本発明の有機EL装置の製造方法の一態様は、光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置の製造方法であって、反射層を形成する工程と、保護層を形成する工程と、前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層を絶縁材料により形成する工程と、第1電極を形成する工程と、発光機能層を形成する工程と、第2電極を形成する工程と、を備え、前記第1電極の屈折率と前記光路長調整層の屈折率の差は、前記第1電極の屈折率と前記保護層の屈折率の差よりも小さい、ことを特徴とする。
この態様によれば、光路長調整層は、保護層よりも屈折率が高いので、光路長調整層が保護層よりも屈折率が低い場合と比較して、所望の光路長を得るための光路長調整層の層厚を薄くすることが可能となる。その結果、画素間の段差が小さくなり、色安定性と信頼性を向上させることができる。
なお、光路長調整層の屈折率は、第1電極の屈折率と同等であることが好ましく、具体的には、光路長調整層の屈折率と第1電極の屈折率との差が0.1以内であることが好ましい。
次に、本発明に係る電子機器は、上述した本発明に係る有機EL装置を備える。そのような有機EL装置は、OLED等の発光素子を備えた有機EL装置により、高輝度で、色安定性と信頼性が向上した電子機器が提供される。
本発明の一実施形態に係る電気光学装置を示す平面図である。 表示領域内に位置する各表示画素の回路図である。 表示領域の一部の平面図である。 表示領域における画素の行方向の断面図である。 比較例1の電気光学装置の表示領域における画素の行方向の断面図である。 比較例1の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。 比較例2の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。 実施例1の電気光学装置の表示領域における画素の行方向の断面図である。 実施例1の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。表示領域における画素の列方向の断面図である。 実施例2の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。表示領域における画素の列方向の断面図である。 実施例3の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。表示領域における画素の列方向の断面図である。 実施例4の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。表示領域における画素の列方向の断面図である。 各実施例および各比較例の電気光学装置において白色表示を行った際の消費電力を示す図である。 各実施例および各比較例の電気光学装置における色安定性を示す図である。 各実施例および各比較例の電気光学装置における各画素間の段差を示す図である。 各実施例および各比較例の電気光学装置における信頼性の評価結果を示す図である。 電子機器の例を示す説明図である。 電子機器の他の例を示す説明図である。 電子機器の他の例を示す説明図である。
本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下の図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気光学装置1の平面図である。本実施形態の電気光学装置1は、有機EL材料を利用した発光素子を基板10の面上に形成した有機EL装置である。基板10は、珪素(シリコン)等の半導体材料で形成された板状部材(半導体基板)、またはガラス基板等であり、複数の発光素子が形成される基体(下地)として利用される。図1に例示される通り、基板10の表面は、第1領域12と第2領域14とに区分される。第1領域12は矩形状の領域であり、第2領域14は、第1領域12を包囲する矩形枠状の領域である。
第1領域12には、行方向(X方向)に延在する複数の走査線22と、各走査線22に対応して行方向(X方向)に延在する複数の制御線24と、行方向(X方向)に交差する列方向(Y方向)に延在する複数の信号線26とが形成される。複数の走査線22と複数の信号線26との各交差に対応して画素P(PD,PE)が形成される。したがって、複数の画素Pは、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にわたり行列状に配列する。
第2領域14には駆動回路30と複数の実装端子36とガードリング38とが設置される。駆動回路30は、各画素Pを駆動する回路であり、第1領域12を行方向(X方向)に挟む各位置に設置された2個の走査線駆動回路32と、第2領域14のうち行方向(X方向)に延在する領域に設置された信号線駆動回路34とを含んで構成される。複数の実装端子36は、信号線駆動回路34を挟んで第1領域12とは反対側の領域内に形成され、基板10に接合される可撓性の配線基板(図示略)を介して制御回路や電源回路等の外部回路(例えば配線基板上に実装された電子回路)に電気的に接続される。
本実施形態の電気光学装置1は、基板10の複数個分に相当するサイズの原基板の切断(スクライブ)で複数個が一括的に形成される。図1のガードリング38は、原基板の切断時の衝撃や静電気の影響が駆動回路30または各画素Pに波及することや各基板10の端面(原基板の切断面)からの水分の侵入を防止する。図1に例示される通り、ガードリング38は、駆動回路30と複数の実装端子36と第1領域12とを包囲する環状(矩形枠状)に形成される。
図1の第1領域12は、表示領域16と周辺領域18とに区分される。表示領域16は、各画素Pの駆動により実際に画像が表示される領域である。周辺領域18は、表示領域16を包囲する矩形枠状の領域であり、表示領域16内の各画素Pに構造は類似するが実際には画像の表示に寄与しない画素P(以下「ダミー画素PD」という)が配置される。周辺領域18内のダミー画素PDとの表記上の区別を明確化する観点から、以下の説明では、表示領域16内の画素Pを「表示画素PE」と表記する。表示画素PEは、発光の最小単位となる要素である。
図2は、表示領域16内に位置する各表示画素PEの回路図である。図2に例示される通り、表示画素PEは、発光素子45と駆動トランジスターTDRと発光制御トランジスターTELと選択トランジスターTSLと容量素子Cとを含んで構成される。なお、本実施形態では、表示画素PEの各トランジスターT(TDR,TEL,TSL)をPチャネル型としたが、Nチャネル型のトランジスターを利用することも可能である。
発光素子45は、有機EL材料の発光層を含む発光機能層46を第1電極(陽極)E1と第2電極(陰極)E2との間に介在させた電気光学素子である。第1電極E1は表示画素PE毎に個別に形成され、第2電極E2は複数の画素Pにわたり連続する。図2から理解される通り、発光素子45は、第1電源導電体41と、第2電源導電体42とを連結する経路上に配置される。第1電源導電体41は、高位側の電源電位VELが供給される電源配線であり、第2電源導電体42は、低位側の電源電位(例えば接地電位)VCTが供給される電源配線である。
駆動トランジスターTDRと発光制御トランジスターTELとは、第1電源導電体41と第2電源導電体42とを連結する経路上で発光素子45に対して直列に配置される。具体的には、駆動トランジスターTDRの一対の電流端のうちの一方(ソース)は第1電源導電体41に接続される。発光制御トランジスターTELは、駆動トランジスターTDRの一対の電流端のうちの他方(ドレイン)と発光素子45の第1電極E1との導通状態(導通/非導通)を制御するスイッチとして機能する。駆動トランジスターTDRは、自身のゲート-ソース間の電圧に応じた電流量の駆動電流を生成する。発光制御トランジスターTELがオン状態に制御された状態では、駆動電流が駆動トランジスターTDRから発光制御トランジスターTELを経由して発光素子45に供給されることで発光素子45が駆動電流の電流量に応じた輝度で発光する。そして、発光制御トランジスターTELがオフ状態に制御された状態では発光素子45に対する駆動電流の供給が遮断されることで発光素子45は消灯する。発光制御トランジスターTELのゲートは制御線24に接続される。
図2の選択トランジスターTSLは、信号線26と駆動トランジスターTDRのゲートとの導通状態(導通/非導通)を制御するスイッチとして機能する。選択トランジスターTSLのゲートは走査線22に接続される。また、容量素子Cは、第1電極C1と第2電極C2との間に誘電体を介在させた静電容量である。第1電極C1は駆動トランジスターTDRのゲートに接続され、第2電極C2は第1電源導電体41(駆動トランジスターTDRのソース)に接続される。したがって、容量素子Cは、駆動トランジスターTDRのゲート-ソース間の電圧を保持する。
信号線駆動回路34は、外部回路から供給される画像信号が表示画素PE毎に指定する階調に応じた階調電位(データ信号)を書込期間(水平走査期間)毎に複数の信号線26に対して並列に供給する。他方、各走査線駆動回路32は、各走査線22に走査信号を供給することで複数の走査線22の各々を書込期間毎に順次に選択する。走査線駆動回路32が選択した走査線22に対応する各表示画素PEの選択トランジスターTSLはオン状態に遷移する。したがって、各表示画素PEの駆動トランジスターTDRのゲートには信号線26と選択トランジスターTSLとを経由して階調電位が供給され、容量素子Cには階調電位に応じた電圧が保持される。他方、書込期間での走査線22の選択が終了すると、各走査線駆動回路32は、各制御線24に制御信号を供給することで当該制御線24に対応する各表示画素PEの発光制御トランジスターTELをオン状態に制御する。したがって、直前の書込期間で容量素子Cに保持された電圧に応じた駆動電流が駆動トランジスターTDRから発光制御トランジスターTELを経由して発光素子45に供給される。以上のように各発光素子45が階調電位に応じた輝度で発光することで、画像信号が指定する任意の画像が表示領域16に表示される。
本実施形態の電気光学装置1の具体的な構造を以下に詳述する。なお、以下の説明で参照する各図面では、説明の便宜のために、各要素の寸法や縮尺を実際の電気光学装置1とは相違させている。図3は、表示領域16の一部の平面図である。図3に示すように、表示領域16には表示画素PEが行列状に配置される。表示領域16では、各画素PEの駆動により実際に画像が表示される。
図4は、図3におけるI−I’線を含む断面に対応した断面図である。電気光学装置1に設けられた複数の表示画素PEは、第1画素としての赤色(R)の副画素PE−R、第2画素としての緑色(G)の副画素PE−G、および第3画素としての青色(B)の副画素PE−Bに分類される。図3から理解されるように、表示領域16においては、副画素PE−R、副画素PE−G、および副画素PE−Bが、行方向(X方向)に沿って、この順序で、かつ所定の間隔で、繰り返し配置される。また、列方向(Y方向)においては、同一色の副画素が所定の間隔で配置される。
表示領域16における電気光学装置1の構造を示す図4においては、便宜上、最下層を絶縁層LDとして示している。図示を省略するが、表示領域16における絶縁層LDの下層には、表示画素PEの各トランジスターT(TDR,TEL,TSL)が形成される。具体的には、珪素等の半導体材料で形成された基板10の表面に、表示画素PEの各トランジスターT(TDR,TEL,TSL)の能動領域(ソース/ドレイン領域)が形成される。能動領域が形成された基板10の表面はゲート絶縁膜で被覆され、各トランジスターTのゲートが絶縁膜の面上に形成される。各トランジスターTのゲートは、絶縁膜を挟んでアクティブ層に対向する。各トランジスターTのゲートが形成された絶縁膜の面上には、絶縁層と導電層(配線層)とを交互に積層した多層配線層が形成される。各絶縁層は、例えば珪素化合物(典型的には窒化珪素や酸化珪素)等の絶縁性の無機材料で形成される。なお、以下の説明では、導電層(単層または複数層)または絶縁層(単層または複数層)の選択的な除去により複数の要素が同一工程で一括的に形成される関係を「同層から形成される」と表記する。
また、各トランジスターTのゲートが形成された層の上層には、第1電源導電体41と、第2電源導電体42とが形成される。第1電源導電体41は第1領域12の表示領域16内に形成され、第2電源導電体42は第1領域12の周辺領域18内に形成される。第1電源導電体41と第2電源導電体42とは、相互に離間して形成されて電気的に絶縁される。第1電源導電体41は、多層配線層内の配線(図示略)を介して、高位側の電源電位VELが供給される実装端子36に導通する。同様に、第2電源導電体42は、多層配線層内の配線(図示略)を介して、低位側の電源電位VCTが供給される実装端子36に導通する。本実施形態の第1電源導電体41および第2電源導電体42は、例えば銀やアルミニウムを含有する光反射性の導電材料で例えば100nm程度の膜厚に形成される。
第1電源導電体41および第2電源導電体42が形成された層の上層に、図4に示す絶縁層LDが形成される。図4に例示される通り、表示領域16においては、絶縁層LDの表面に、反射層43が形成される。反射層43は、例えばアルミニウム等の光反射性の導電材料で形成される。反射層43は、図4に示すように、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)の副画素ごとに、列方向(Y方向)に延在して設けられている。そして、反射層43は、平面視においては矩形の領域を形成している。反射層43は、行方向(X方向)および列方向(Y方向)に所定の間隔で配置される。
図4から理解される通り、反射層43の上層には保護層44が形成される。本実施形態においては、保護層44は、酸化珪素(SiO)により形成され、二酸化珪素であることが好ましい。保護層44は、保護層44の上層に設けられる光路長調整層形成時のエッチングの際に、上述したトランジスターTが形成された層へのダメージを防止するために形成される層である。
本実施形態においては、図4に示すように、保護層44が反射層43と接するように配置されており、保護層44は増反射層としても機能する。詳細は後述するが、本実施形態では、光路長調整層の屈折率が、保護層44の屈折率よりも高くなるように、光路長調整層及び保護層44が設けられる。このため、本実施形態では、光路長調整層の屈折率が、保護層44の屈折率よりも低い場合と比較して、反射層43の反射面に近い部分(保護層44)における屈折率を低くでき、取り出される光の利用率を向上できる。すなわち、本実施形態によれば、反射層43の反射特性を向上させることができる。
例えば、反射層43はアルミニウムを含んで構成し、その上に保護層44を屈折率1.8の窒化珪素(SiN)で構成した場合、波長550nmでの反射率は86.8%である。これに対して、本実施形態では、例えば、保護層44を屈折率1.45の酸化珪素(SiO)として構成する。この場合、波長550nmでの反射率は89.0%である。また、本実施形態のように、保護層44を屈折率1.45の酸化珪素(SiO)として構成する場合、他の可視光の波長域における反射率は、保護層44を屈折率1.8の窒化珪素(SiN)で構成した場合と比較して、2〜3%程度向上する。尚、本願発明では、共振構造を採用している為、反射層43と第2電極E2との間で多重に反射されるので、反射層43と保護層44との界面での反射率が取り出される光の強度に大きく影響する。
保護層44は、反射層43と接するように形成されるため、表示領域16においては、図4に示すように、行方向(X方向)および列方向(Y方向)で隣り合う反射層43の間の間隙に対応して凹部が形成される。当該凹部には、図4に示すように、埋め込み酸化層51が埋め込まれる。埋め込み酸化層51は、例えば、二酸化珪素(SiO)により形成される。
保護層44および埋め込み酸化層51の面上には、図4に示すように、島状の絶縁層としての第1光路長調整層60aが形成される。また、副画素PE−Rにおいては、第1光路長調整層60aの面上に島状の絶縁層としての第2光路長調整層60bが形成される。また、副画素PE−Gにおいては、保護層44の面上に島状の絶縁層としての第2光路長調整層60bが形成される。副画素PE−Bにおいては、光路長調整層は形成されない。第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bは、各表示画素PEの共振構造の共振波長(すなわち表示色)を規定する光透過性の膜体である。請求項における「光路長調整層」は、第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bの総称である。本実施形態では、光路長調整層を、光路長調整層の屈折率と第1電極E1の屈折率との差が、保護層44の屈折率と第1電極E1の屈折率との差よりも小さくなるような材料により形成する。第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bは、本実施形態においては、窒化珪素(SiN)から形成される。各表示画素PEの共振構造や第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bの詳細については後述する。
第1光路長調整層60aまたは第2光路長調整層60bの面上には、図4に例示される通り、表示領域16内の表示画素PEごとに第1電極E1が形成される。第1電極E1は、本実施形態では、ITO(Indium Tin Oxide、酸化インジウムスズ)等の光透過性の導電材料で形成される。第1電極E1は、図2を参照して前述した通り、発光素子45の陽極として機能する略矩形状の電極(画素電極)である。第1電極E1は、図示を省略した複数の中継電極を介して発光制御トランジスターTELの能動領域(ドレイン)に導通する。
第1電極E1が形成された第1光路長調整層60aまたは第2光路長調整層60bの面上には、図4に例示される通り、基板10の全域にわたり画素定義層65が形成される。画素定義層65は、例えば珪素化合物(典型的には窒化珪素や酸化珪素)等の絶縁性の無機材料で形成される。図示を省略するが、画素定義層65には、表示領域16および周辺領域18内の各第1電極E1に対応する開口部が形成される。画素定義層65のうち開口部の内周縁の近傍の領域は第1電極E1の周縁に重なる。すなわち、開口部の内周縁は平面視で第1電極E1の周縁の内側に位置する。以上の説明から理解される通り、画素定義層65は平面視で格子状に形成される。
第1電極E1と画素定義層65とが形成された第1光路長調整層60aまたは第2光路長調整層60bの面上には、発光機能層46が形成される。発光機能層46は、第1領域12の表示領域16内に形成されて複数の表示画素PEにわたり連続する。発光機能層46は、有機EL材料で形成された発光層、発光層に正孔を注入する正孔注入層、および発光層に電子を輸送する電子輸送層から構成され、電流の供給により白色光を放射する。発光層は、赤色波長域で発光する赤色発光層、青色波長域で発光する青色発光層、緑色波長域で発光する発光層を積層するものであってもよいし、オレンジ色波長域で発光するオレンジ色発光層、青色波長域で発光する青色発光層を積層するものであってもよい。
発光機能層46が形成された第1光路長調整層60aまたは第2光路長調整層60bの面上には、第1領域12(表示領域16および周辺領域18)の全域にわたり、第2電極E2が形成される。第2電極E2は、図2を参照して前述した通り、発光素子45の陰極として機能する。また、本実施形態においては、第2電極E2はMgAg合金で形成され、半透過半反射層としても機能する。発光機能層46のうち画素定義層65の各開口部の内側にて第1電極E1と第2電極E2とに挟まれた領域(発光領域)が発光する。すなわち、開口部の内側で第1電極E1と発光機能層46と第2電極E2とが積層された部分が発光素子45として機能する。以上の説明から理解される通り、画素定義層65は、各表示画素PEの発光素子45の平面形状やサイズ(実際に発光する領域)を規定する。
図示を省略するが、第2電極E2の面上には、基板10の全域にわたり封止体が形成される。封止体は、基板10上に形成された各要素を封止することで外気や水分の侵入を防止する光透過性の膜体である。図1の各実装端子36は、封止体のうち可撓性の配線基板と接続される領域に形成された開口部を介して外部に露出する。
また、図示を省略するが、封止層の面上には、副画素PE−R、副画素PE−G、および副画素PE−Bの各副画素用のカラーフィルターが形成される。そして、カラーフィルターの面上には対向ガラスが形成される。本実施形態の電気光学装置1は、発光機能層46よりも上層側に光の照射が行われるトップエミッション構造を採用している。
本実施形態の電気光学装置1は、発光素子45が非常に高精細に配置されたマイクロディスプレイである。例えば1個の発光素子45の面積(1個の開口部の面積)は40μm2以下に設定され、X方向に相互に隣合う各発光素子45の間隔は0.5μm以上かつ2.0μm以下に設定される。
第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bは、各表示画素PEの表示色に応じて、エッチングにより選択的に除去される。具体的には、副画素PE−Bでは、第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bが除去される。副画素PE−Gでは、第1光路長調整層60aが除去されることで光路長調整は第2光路長調整層60bで行われる。他方、副画素PE−Rでは、第1光路長調整層60aと第2光路長調整層60bとの積層で光路長調整が行われる。副画素間においては、埋め込み酸化層51の面上に第1光路長調整層60aと第2光路長調整層60bとが積層されている。
本実施形態においては、保護層44を酸化珪素で形成し、保護層44上の第1光路長調整層60aおよび第2光路長調整層60bを窒化珪素で形成している。このように、窒化珪素と酸化珪素を積層した構造において、窒化珪素の選択比が高くなるようにエッチングを行うためには、例えば、フッ化水素ガスとフッ素ガスを含む処理ガスを用い、プラズマを生成することなくドライエッチングする方法が適用可能である。この方法は、例えば、特開2010−182730号公報に記載されている。また、特開平9−45660号公報に記載されているように、加熱リン酸化溶液に、水、フッ化水素などを添加したエッチング液を用いたウェットエッチング法を用いることも可能である。
次に、本実施形態の電気光学装置1における光学構造について説明する。本実施形態における電気光学装置1は、反射層43から半透過半反射層としての第2電極E2までの光学的距離を所定値に設定することにより、反射層43から第2電極E2に定在波を発生させる共振構造を採用している。
具体的には、反射層43から第2電極E2間の光学的距離をD、反射層43での反射における位相シフトをφ、第2電極E2での反射における位相シフトをφ、定在波のピーク波長をλ、整数をmとすると、下記の式を満たす構造となっている。
D={(2πm+φ+φ)/4π}λ・・・(1)
本実施形態においては、前記(1)式においてm=1とし、赤色、緑色、および青色の各色の共振波長を、それぞれ610nm、535nm、470nmに設定している。
次に、本発明の実施例と比較例を図5Aないし図14を参照しつつ説明する。図5B、図6、及び、図7B〜図10は、比較例および実施例における反射層43から封止層70までの各層に用いた材料と、層厚とを模式的に示す図である。なお、図5B、図6、及び、図7B〜図10においては、図4において図示を省略した封止層70、カラーフィルター71、および対向ガラス72を示している。カラーフィルター71は、赤色のカラーフィルターCF−R、緑色のカラーフィルターCF−G、及び、青色のカラーフィルターCF−Bを含む。また、図5Aは、比較例1に係る電気光学装置の断面図である。また、図7Aは、実施例1に係る電気光学装置の断面図である。
また、図5B、図6、及び、図7B〜図10において、発光機能層46は、正孔注入層(HIL)、発光層(EML)、および電子輸送層(ETL)とから構成されており、それぞれの層厚は、30nm、55nm、および25nmに設定されている。発光機能層46の構成と、発光機能層46を構成する各層の層厚は、実施例と比較例において共通となっている。
さらに、図5B、図6、及び、図7B〜図10において、封止層70は酸窒化珪素で形成されており、層厚は2μmに設定されている。封止層70を形成する材料および層厚は、実施例と比較例において共通となっている。
また、図5B、図6、及び、図7B〜図10において、反射層43はアルミニウムで形成され、膜厚は、例えば100nmに設定される。反射層43を形成する材料および層厚は、実施例と比較例において共通となっている。
<比較例1>
図5Aは比較例1の電気光学装置の断面図であり、図5Bは比較例1の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。
図5Aに示すように、比較例1に係る電気光学装置においては、絶縁層LDの表面に反射層43が設けられ、反射層43の表面に保護層44−1が設けられている。また、比較例1に係る電気光学装置のうち、副画素PE−Rにおいては、保護層44−1の表面に第1光路長調整層60a1が設けられ、第1光路長調整層60a1の表面に第2光路長調整層60b1が設けられ、第2光路長調整層60b1の表面に第1電極E1が設けられている。また、比較例1に係る電気光学装置のうち、副画素PE−Gにおいては、保護層44−1の表面に第2光路長調整層60b1が設けられ、第2光路長調整層60b1の表面に第1電極E1が設けられている。また、比較例1に係る電気光学装置のうち、副画素PE−Bにおいては、保護層44−1の表面に第1電極E1が設けられている。そして、比較例1に係る電気光学装置においては、保護層44−1、第1光路長調整層60a1、及び、第2光路長調整層60b1を覆い、且つ、複数の第1電極E1を互いに区画するように画素定義層65が設けられ、画素定義層65及び第1電極E1を覆うように発光機能層46が設けられ、発光機能層46の表面に第2電極E2が設けられている。図5Aに示す通り、副画素PE−R、PE−G、PE−Bの間において、第1光路長調整層60a1、第2光路長調整層60b1、及び第1電極E1は、独立して制御できるように分離されている。したがって、副画素PE−R、PE−G、PE−Bの間には、第1光路長調整層60a1、第2光路長調整層60b1、及び第1電極E1により段差が形成される。
比較例1は、図5Bに示すように、保護層44−1を窒化珪素(SiN)で形成し、層厚は73nmとした。また、比較例1は、第1電極E1と、第1光路長調整層60a1および第2光路長調整層60b1とを酸化インジウムスズ(ITO)で兼用した構造となっている。すなわち、比較例1において、第1光路長調整層60a1および第2光路長調整層60b1は、第1電極E1としても機能し、第1光路長調整層60a1および第2光路長調整層60b1は導電膜で構成されている。副画素PE−Rにおいて、第1光路長調整層60a1を形成する酸化インジウムスズ(ITO)の層厚は、55nmとした。また、副画素PE−Rと副画素PE−Gにおいて第2光路長調整層60b1を形成する酸化インジウムスズ(ITO)の層厚は、35nmとした。そして、各色の副画素において正孔注入層(HIL)の下層に形成された第1電極E1を形成する酸化インジウムスズ(ITO)の層厚は、20nmとした。
窒化珪素(SiN)の屈折率は1.8〜2.0程度であり、酸化インジウムスズ(ITO)の屈折率は1.8程度となっている。したがって、比較例1においては、保護層44−1と、第1電極E1および第1光路長調整層60a1並びに第2光路長調整層60b1とは、屈折率が近い材料で形成されている。このため、比較例1では、保護層44−1から第1電極E1までの間には、屈折率界面がなく、輝度の低下を招くことがない。また、光学的距離は、屈折率と層厚の積によって得られるが、第1光路長調整層60a1および第2光路長調整層60b1として酸化インジウムスズ(ITO)を用いた場合には、酸化インジウムスズ(ITO)よりも屈折率が低い酸化珪素(SiO)を用いた場合よりも、層厚を小さくすることができる。その結果、各副画素間の段差を小さくすることができる。但し、酸化インジウムスズ(ITO)は導電性材料であるため、図3に示すX方向における異なる色の副画素間だけでなく、Y方向に示す同色の副画素間についても絶縁する必要があるため、開口率が低下する傾向にある。
<比較例2>
図6は比較例2の電気光学装置の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。比較例2は、図6に示すように、保護層44−2を窒化珪素(SiN)で形成したところは比較例1と同様であるが、層厚は45nmとした。また、比較例2は、正孔注入層(HIL)の下層に形成される第1電極E1として酸化インジウムスズ(ITO)を用いたところも比較例1と同様であり、その層厚も比較例1と同様に20nmとした。しかし、比較例2においては、第1光路長調整層60a2および第2光路長調整層60b2として、屈折率が酸化インジウムスズ(ITO)よりも低い酸化珪素(SiO)を用いたところは比較例1と異なっている。第1光路長調整層60a2として機能する酸化珪素(SiO)の層厚は、56nmとした。また、第2光路長調整層60b2として機能する酸化珪素(SiO)の層厚は、44nmとした。
酸化珪素(SiO)の屈折率は1.45〜1.46程度であり、酸化インジウムスズ(ITO)よりも低い。その結果、比較例2においては、第1電極E1としての酸化インジウムスズ(ITO)と第2光路長調整層60b2としての酸化珪素(SiO)との間と、第1光路長調整層60a2としての酸化珪素(SiO)と保護層44−2としての窒化珪素(SiN)との間に、屈折率界面が存在し、輝度が低下する。そこで、比較例2では、保護層44−2と反射層43との間に、増反射層50を酸化珪素(SiO)により形成し、輝度の向上を図っている。増反射層50の層厚は、35nmとした。比較例2においては、第1光路長調整層60a2および第2光路長調整層60b2として、酸化インジウムスズ(ITO)よりも屈折率の低い酸化珪素(SiO)を用いているため、第1光路長調整層60a2および第2光路長調整層60b2の層厚は、比較例1よりも厚くなっている。そのため、各副画素間の段差が比較例1よりも大きくなる。
<実施例1>
図7Aは実施例1の電気光学装置1の断面図であり、図7Bは実施例1の電気光学装置1の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。
図7Aに示すように、実施例1に係る電気光学装置1は、第3光路長調整層60cを形成したところが、図4に示した実施形態の電気光学装置1と異なっている。実施例1においては、副画素PE−Rでは、保護層44−3上に、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、および第3光路長調整層60c3が積層されており、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、および第3光路長調整層60c3により光路長調整が行われる。副画素PE−Gでは、保護層44−3上に、第2光路長調整層60b3および第3光路長調整層60c3が積層されており、第2光路長調整層60b3および第3光路長調整層60c3により光路長調整が行われる。副画素PE−Bでは、保護層44−3上に第3光路長調整層60c3が形成されており、第3光路長調整層60c3により光路長調整が行われる。図7Bに示すように、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、および第3光路長調整層60c3は、いずれも窒化珪素(SiN)で形成され、それぞれの層厚は、46nm、35nm、および45nmとした。実施例1において、「光路長調整層」は、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、および第3光路長調整層60c3の総称である。また、実施例1においては、保護層44−3として酸化珪素(SiO)を用い、その層厚は、35nmとした。実施例1では、保護層44−3は、反射層43と接しており、増反射層としても機能している。
上述のとおり、酸化珪素(SiO)の屈折率は1.45程度であり、窒化珪素(SiN)の屈折率は1.8〜2.0程度であり、酸化インジウムスズ(ITO)の屈折率は1.8程度である。そして、実施例1においては、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、および第3光路長調整層60c3として、屈折率が酸化インジウムスズ(ITO)に近い窒化珪素(SiN)を用いている。すなわち、実施例1においては、光路長調整層の屈折率と第1電極E1の屈折率との差が、保護層44の屈折率と第1電極E1の屈折率との差よりも小さくなる。これにより、屈折率界面は、保護層44−3としての酸化珪素(SiO)と、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、または、第3光路長調整層60c3としての窒化珪素(SiN)との間だけとなる。
<実施例2>
図8は実施例2の電気光学装置1の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。実施例2は、保護層44−4として酸化珪素(SiO)を用いたところは実施例1と同様である。実施例2においても保護層44−4は、反射層43と接しており、増反射層としても機能している。しかし、保護層44−4は、層厚を111nmとしたところが実施例1と異なる。保護層44−4としての酸化珪素(SiO)の層厚が薄い場合には、プロセス上のリスクがあるので、実施例2ではこのリスクを回避するために層厚を厚くしている。また、実施例2では、保護層44−4として酸化珪素(SiO)の層厚を厚くするために、副画素PE−Bには光路長調整層を設けていないところも実施例1と異なる。つまり、実施例2では、図4に示した実施形態の電気光学装置1と同様に、光路長調整層は第1光路長調整層60a4と第2光路長調整層60b4とから構成されている。実施例2において、「光路長調整層」は、第1光路長調整層60a4および第2光路長調整層60b4の総称である。
実施例2においては、副画素PE−Rでは、保護層44−4上に、第1光路長調整層60a4および第2光路長調整層60b4が積層されており、第1光路長調整層60a4および第2光路長調整層60b4により光路長調整が行われる。副画素PE−Gでは、保護層44−4上に、第2光路長調整層60b4が形成されており、第2光路長調整層60b4により光路長調整が行われる。副画素PE−Bでは、保護層44−4上に光路長調整層は形成されていない。第1光路長調整層60a4と第2光路長調整層60b4とは、窒化珪素(SiN)で形成し、それぞれの層厚は、実施例1と同様に、46nm、および35nmとした。
実施例2においても、第1光路長調整層60a4と第2光路長調整層60b4とに、屈折率が酸化インジウムスズ(ITO)に近い窒化珪素(SiN)を用いているため、光路長調整層の屈折率と第1電極E1の屈折率との差が、保護層44の屈折率と第1電極E1の屈折率との差よりも小さくなり、屈折率界面は、保護層44−4としての酸化珪素(SiO)と、第1光路長調整層60a4としての窒化珪素(SiN)との間だけとなる。
実施例2では、屈折率が酸化珪素(SiO)よりも高い窒化珪素(SiN)を第1光路長調整層60a4および第2光路長調整層60b4として用いているため、比較例2と比較すると、各層の層厚を10nm程度薄くできる。その結果、各画素間の段差を小さくすることができる。
<実施例3>
図9は実施例3の電気光学装置1の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。実施例3は、第1光路長調整層60a5と第2光路長調整層60b5とを、酸化タンタル(Ta)で形成したところが実施例2と異なる。実施例3において、「光路長調整層」は、第1光路長調整層60a5および第2光路長調整層60b5の総称である。
実施例3においては、副画素PE−Rでは、保護層44−4上に、第1光路長調整層60a5および第2光路長調整層60b5が積層されており、第1光路長調整層60a5および第2光路長調整層60b5により光路長調整が行われる。副画素PE−Gでは、保護層44−4上に、第2光路長調整層60b5が形成されており、第2光路長調整層60b5により光路長調整が行われる。第1光路長調整層60a5および第2光路長調整層60b5のそれぞれの層厚は、44nm、および34nmとした。
実施例3においても副画素PE−Bには光路長調整層を設けていない。酸化タンタル(Ta)の屈折率も酸化インジウムスズ(ITO)に近いため、屈折率界面は、保護層44としての酸化珪素(SiO)と、第1光路長調整層60a5としての酸化タンタル(Ta)との間だけとなる。また、実施例3では、屈折率が酸化珪素(SiO)よりも高い酸化タンタル(Ta)を第1光路長調整層60a5および第2光路長調整層60b5として用いているため、比較例2と比較すると、各層の層厚を10nm程度薄くできる。その結果、各画素間の段差を小さくすることができる。なお、実施例3においても保護層44−4は、反射層43と接しており、増反射層としても機能している。
<実施例4>
図10は実施例4の電気光学装置1の各層に用いた材料と層厚とを模式的に示す図である。実施例4は、保護層44−4として、各画素で共通の第3光路長調整層60c4を設けたところが実施例2と異なる。第3光路長調整層60c4は窒化珪素(SiN)で形成し、層厚は73nmとした。第1光路長調整層60a6と第2光路長調整層60b6は、実施例2と同様に窒化珪素(SiN)で形成し、層厚はそれぞれ51nm、および37nmとした。
実施例4において、「光路長調整層」は、第1光路長調整層60a6、第2光路長調整層60b6、および第3光路長調整層60c4の総称である。また、実施例4において、第3光路長調整層60c4は、「保護層」としても機能する。
実施例4においては、副画素PE−Rでは、反射層43上に、第3光路長調整層60c4、第1光路長調整層60a6、および第2光路長調整層60b6が積層されており、第3光路長調整層60c4、第1光路長調整層60a6、および第2光路長調整層60b6により光路長調整が行われる。副画素PE−Gでは、反射層43上に、第3光路長調整層60c4および第2光路長調整層60b6が形成されており、第3光路長調整層60c4および第2光路長調整層60b6により光路長調整が行われる。副画素PE−Bでは、反射層43上に、第3光路長調整層60c4が形成されており、第3光路長調整層60c4により光路長調整が行われる。
実施例4においては、酸化珪素(SiO)から形成される保護層44を有さないため、屈折率界面は存在していない。実施例4においては、第1光路長調整層60a6、第2光路長調整層60b6、および第3光路長調整層60c4の屈折率は、第1電極E1と同等かもしくは第1電極E1よりも高い。
なお、本実施例では、各副画素で共通の第3光路長調整層60c4を反射層43上に形成したが、変形例として、各副画素で共通の第3光路長調整層60c4を、第1光路長調整層60a6および第2光路長調整層60b6の上に形成してもよい。
<光学特性の比較>
次に、各実施例および各比較例の光学特性の比較について図11ないし図14を参照しつつ説明する。図11は、各実施例および各比較例の電気光学装置において同一の輝度で白色表示を行った際の消費電力を示す図である。図11においては、消費電力を比較例1で規格化して示している。図11から分かるように、比較例1および比較例2よりも、実施例1ないし実施例3の方が、15%程度、低消費電力化が図られている。比較例1では増反射層として機能する層が存在しないのに対し、実施例1ないし実施例3は、いずれも保護層44が増反射層としても機能している。そのため、実施例1ないし実施例3の輝度が比較例1よりも増大し、低消費電力化を実現できたと考えられる。比較例2には、増反射層50が存在しているが、上述したように屈折率界面が実施例1ないし実施例3よりも多くなり、輝度が低下したと考えられる。なお、実施例4は、第3光路長調整層60c4は窒化珪素(SiN)により形成され、増反射層として機能する保護層44を有していないため、実施例1ないし実施例3に比べて輝度が低下したと考えられる。
比較例1は、反射層43はアルミニウムを含んで構成し、その上に保護層44−1を屈折率1.8の窒化珪素(SiN)で構成したので、波長550nmでの反射率は86.8%であり、反射層43の反射面での吸収がある。これに対し、実施例1では保護層44−3を屈折率1.45の酸化珪素(SiO)として構成している為、波長550nmでの反射率は89.0%となっている。また、比較例2では、増反射層50と保護層44−2との界面、第1光路長調整層60a2又は第2光路長調整層60b2と保護層44−2との界面、及び第2光路長調整層60b2と第1電極E1との界面に、それぞれ屈折率界面がある。したがって、3つの屈折率界面がある。これに対し、実施例1では屈折率界面は1つである。具体的には、第1光路長調整層60a3、第2光路長調整層60b3、および第3光路長調整層60c3のいずれかと保護層44−3との間に、屈折率界面があるだけである。以上の構成により、実施例1の消費電力が84.7%に低減したものと考えられる。
実施例2でも実施例1と同様、反射層の反射面での反射率は89.0%となっている。また、実施例2でも屈折率界面は1つとなっている。具体的には、第1光路長調整層60a4、第2光路長調整層60b4、または、第1電極E1と保護層44−4との間に、屈折率界面があるだけである。以上の構成により、第1実施例の消費電力が86.4%に低減したものと考えられる。実施例3も、実施例2と同様、消費電力が86.0%に低減したものと考えられる。
実施例4では、反射層43はアルミニウムを含んで構成し、反射層43上に、酸化珪素(SiO)から形成される保護層44−4の代わりに、屈折率1.8の窒化珪素(SiN)から形成される第3光路長調整層60c4を構成したので、波長550nmでの反射率は86.8%である。また、実施例4では、第1電極E1と反射層43との間には、光路長調整層としての、第1光路長調整層60a6、第2光路長調整層60b6、および第3光路長調整層60c4を、屈折率1.8の窒化珪素(SiN)で形成したので、屈折率界面が存在していない。したがって、実施例4の消費電力が94.5%に低減したものと考えられる。
図12は、各実施例および各比較例の電気光学装置における色安定性を示す図である。色安定性は、白色表示(256階調)と低輝度(20階調)との色度差から計算したものである。また、図13は、各実施例および各比較例の電気光学装置における各画素間の段差を示す図である。
図13から分かるように、実施例1ないし実施例4においては、各画素間の段差が、比較例1および比較例2よりも小さい。これは、実施例1ないし実施例4においては、光路長調整層を、屈折率が酸化珪素(SiO)よりも高く、酸化インジウムスズ(ITO)と同程度あるいは酸化インジウムスズ(ITO)よりも高い、窒化珪素(SiN)により形成しているためと考えられる。各画素間の段差が大きくなると、発光機能層46に局所的に薄い箇所ができるため、特に低輝度では画素外に余分な電流が流れて色安定性が低下する。しかし、実施例1ないし実施例4は、比較例1および比較例2に比べて各画素の段差が小さいため、図12から分かるように、比較例1および比較例2よりも色安定性が良い。
図14は、各実施例および各比較例の電気光学装置における信頼性の評価結果を示す図である。図14の信頼性の評価結果は、それぞれの電気光学装置を、温度85℃、湿度85%という高温高湿環境下に放置し、ダークスポットと呼ばれる信頼性異常が発生するまでの時間を示している。実験では、100h(時間)おきに電気光学装置を取り出して点灯確認を行った。
ダークスポットは、封止層70に亀裂が入り、電気光学装置内に水が入り込むことにより発生すると考えられる。図14から分かるように、実施例1ないし実施例3は、いずれも比較例1および比較例2よりも信頼性異常が発生するまでの時間が長い。これは、実施例1ないし実施例3は、いずれも比較例1および比較例2よりも画素間の段差が小さいので、封止層70に亀裂が入り難いためであると考えられる。実施例4は、光路長調整層が3層であるために画素間の段差が、実施例1ないし実施例3よりも大きくなるが、光路長調整層として窒化珪素(SiN)を用いているので、光路長調整層として酸化珪素(SiO)を用いている比較例2よりは画素間の段差が小さい。その結果、実施例4は、信頼性異常が発生するまでの時間は、比較例2よりは長くなっている。
以上のように、本実施形態によれば、光路長調整層を、保護層よりも屈折率が高い材料で形成したので、共振構造内の屈折率界面を減少させることができ、低消費電力化が可能である。また、本実施形態は、光路長調整層を、保護層よりも屈折率が高い材料で形成したので、画素間の段差を小さくすることができ、色安定性および信頼性を向上させることができる。また、本実施形態は、光路長調整層を、絶縁層であって、屈折率が第1電極と同等かもしくは第1電極よりも高い材料で形成したので、画素間の段差を小さくすることができ、色安定性および信頼性を向上させることができる。
<変形例>
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各種の変形が可能である。また、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせてもよいことは勿論である。
(1)上述した実施形態では、光路長調整層を、窒化珪素(SiN)または酸化タンタル(Ta)により形成した例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、光路長調整層は、屈折率が保護層よりも高い材料、あるいは、屈折率が第1電極と同等かもしくは第1電極よりも高い材料であればよい。例えば、光路長調整層として、酸化チタン(TiOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化タングステン(WOx)、酸化ハフニウム(HfOx)のいずれかの材料を用いることができる。光路長調整層としてこれらの材料を用いる場合には、保護層として用いられる酸化珪素(SiO)よりも、これらの材料の選択比が高くなるように、エッチング方法を選べばよい。
(2)上述した実施形態では、トップエミッション構造の電気光学装置1について説明したが、本発明はボトムエミッション構造の電気光学装置にも適用可能である。ボトムエミッション構造の場合には、上層から下層に向かって、反射層、光路長調整層、第1電極、発光機能層、第2電極が配置される。
(3)上述した実施形態では、白色光の発光を行う発光機能層と、共振構造とを組み合わせた電気光学装置1について説明したが、発光機能層を各色で塗り分ける、所謂、RGB塗り分け方式の電気光学装置にも本発明は適用可能である。この場合には、本発明の光路長調整層により光路長の調整を行うことで、発光機能層の層厚を薄くすることができ、プロセス上においても、またコスト上においてもメリットがある。
(4)上述した実施形態では、各色の副画素の面積比が等しい電気光学装置1について説明したが、寿命の短い色の副画素の面積を、他の色の副画素の面積よりも大きくした電気光学装置にも本発明は適用可能である。
<応用例>
この発明は、各種の電子機器に利用され得る。図15ないし図17は、この発明の適用対象となる電子機器の具体的な形態を例示するものである。
図15は本発明の電気光学装置を採用した電子機器としてのヘッドマウントディスプレイの外観を示す斜視図である。図15に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ300は、外観的には、一般的な眼鏡と同様にテンプル310や、ブリッジ320、投射光学系301L、301Rを有する。図示を省略するが、ブリッジ320近傍であって投射光学系301L,301Rの奥側には、左眼用の電気光学装置1と、右眼用の電気光学装置1とが設けられる。
図16は、電気光学装置を採用した可搬型のパーソナルコンピューターの斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置1と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
図17は、携帯電話機の斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置1とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。本発明はこのような携帯電話機にも適用可能である。
なお、本発明が適用される電子機器としては、図15ないし図17に例示した機器のほか、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)が挙げられる。その他にも、デジタルスチルカメラ,テレビ,ビデオカメラ,カーナビゲーション装置,車載用の表示器(インパネ),電子手帳,電子ペーパー,電卓,ワードプロセッサー,ワークステーション,テレビ電話,POS端末が挙げられる。さらに、プリンター,スキャナー,複写機,ビデオプレーヤー,タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
1…電気光学装置、10…基板、12…第1領域、14…第2領域、16…表示領域、18…周辺領域、22…走査線、24…制御線、26…信号線、30…駆動回路、32…走査線駆動回路、34…信号線駆動回路、36…実装端子、38…ガードリング、41…第1電源導電体、42…第2電源導電体、43…反射層、44…保護層、45…発光素子、46…発光機能層、60a…第1光路長調整層、60b…第2光路長調整層、60c…第3光路長調整層、65…画素定義層、300…ヘッドマウントディスプレイ、2000…パーソナルコンピューター、3000…携帯電話機、C…容量素子、C1…第1電極、C2…第2電極、E1…第1電極、E2…第2電極、P…画素、PD…ダミー画素、PE…表示画素。

Claims (10)

  1. 光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置であって、
    前記第1画素と前記第2画素は、
    反射層と、
    第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた発光機能層と、
    前記第1電極及び前記反射層の間に設けられた保護層と、
    前記第1電極及び前記保護層の間に設けられ前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層と、
    を備え、
    前記光路長調整層は、絶縁層であり、前記保護層よりも屈折率が高い、
    ことを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記第1電極の屈折率と前記光路長調整層の屈折率との差は、
    前記第1電極の屈折率と前記保護層の屈折率との差よりも小さい、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記保護層は、前記反射層と接する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機EL装置。
  4. 前記保護層は、酸化珪素である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の有機EL装置。
  5. 前記光路長調整層は、窒化珪素、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ハフニウムのいずれかの材料を含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一に記載の有機EL装置。
  6. 前記第1画素と前記第2画素の他に、第3画素を含み、当該第3画素は前記光路長調整層を含まない、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一に記載の有機EL装置。
  7. 光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置であって、
    前記第1画素と前記第2画素は、
    反射層と、
    第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた発光機能層と、
    前記第1電極及び前記反射層の間に設けられ前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層と、
    前記反射層及び前記光路長調整層の間に設けられた保護層と、
    を備え、
    前記光路長調整層は、絶縁層であり、
    前記第1電極の屈折率と前記光路長調整層の屈折率の差は、前記第1電極の屈折率と前記保護層の屈折率の差よりも小さい、
    ことを特徴とする有機EL装置。
  8. 光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置の製造方法であって、
    反射層を形成する工程と、
    保護層を形成する工程と、
    前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層を絶縁材料により形成する工程と、
    第1電極を形成する工程と、
    発光機能層を形成する工程と、
    第2電極を形成する工程と、を備え、
    前記光路長調整層は、前記保護層よりも屈折率が高い、
    ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  9. 光路長が異なる第1画素と第2画素を有する有機EL装置の製造方法であって、
    反射層を形成する工程と、
    保護層を形成する工程と、
    前記第1画素と前記第2画素において膜厚が異なる光路長調整層を絶縁材料により形成する工程と、
    第1電極を形成する工程と、
    発光機能層を形成する工程と、
    第2電極を形成する工程と、を備え、
    前記第1電極の屈折率と前記光路長調整層の屈折率の差は、前記第1電極の屈折率と前記保護層の屈折率の差よりも小さい、
    ことを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  10. 請求項1から請求項7の何れかの有機EL装置を備える電子機器。
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