JP5418144B2 - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL(electro luminescent)素子等を含む、発光装置及び電子機器に関する。
薄型で軽量な発光源として、OLED(organic light emitting diode)、つまり有機EL(electro luminescent)素子が注目を集めており、多数の有機EL素子を備える画像表示装置が開発されている。有機EL素子は、有機材料で形成された少なくとも一層の有機薄膜を画素電極と対向電極とで挟んだ構造を有する。
有機EL素子の分野において、増幅的干渉すなわち共振を利用して、発光した光のうち特定の波長の光を強める技術が知られている。この技術では、発光色の色純度を高めたり、発光に対する放出される光の効率を高めたりすることができる。
このような画像表示装置としては、例えば特許文献1及び2に開示されているようなものが知られている。
特許第2797883号公報 特開2008−218081号公報
しかしながら、これら特許文献1及び2の技術においては、次のような問題がある。
すなわち、特許文献1の技術によれば、たしかに「微小光共振器」の作用によって特定波長の光を強めることが可能であるが(特許文献1の〔0015〕〔0018〕等)、この作用をより強める手段、即ち光共振器による共振作用をより効果的に利用する手段については、半透明反射層の反射率に係る工夫についての言及(特許文献1の〔0016〕)を除き、特に言及するところがない。
また、特許文献2の技術でも、特許文献1と同様、光共振器の作用による特定波長の光を強める効果を享受可能であると考えられる(特許文献2の〔0028〕等)。しかし、この技術では、有機化合物層に接して透明電極を成膜することが前提とされており、これによると、製造プロセス上、透明電極成膜時に有機化合物層へ何らかのダメージを与えるおそれが大きいという問題がある(特許文献2の〔請求項1〕、あるいは〔図1〕等も参照)。また、特許文献2にいう透明カソード電極14と光路長調整層15との界面における光反射量は限定的であると考えられ、前記特許文献1と同様、光共振器による共振作用をより効果的に利用できるとはいえない。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決することの可能な、発光装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、上述した課題を解決するため、第1電極層、第2電極層、並びに、前記第1及び第2電極層の間に配置された発光機能層、を有する発光素子と、前記発光機能層で発せられた光を該発光機能層に向けて反射する反射層と、前記発光機能層を挟んで前記反射層の反対側に配置され、前記発光機能層で発せられた光の一部を該発光機能層に向けて反射し、他の一部を透過させる半透明半反射層と、前記半透明半反射層を中心として前記反射層が位置するのとは反対側に、かつ、当該半透明半反射層に接するように配置され、当該半透明半反射層の屈折率よりも高い屈折率をもつ第1層と、前記第1層よりも低い屈折率をもつ第2層と、前記第2層よりも高い屈折率をもつ第3層と、を含む反射増強層と、を備え、前記発光素子、前記反射層、前記半透明半反射層、及び前記反射増強層は、基板上に積層構造をなすように構築され、前記第1電極層は、前記第2電極層からみて前記基板により近く、前記半透明半反射層は、前記第2電極層を含んで、陰極として機能し、前記第1層は前記半透明半反射層に接し、前記第2層は前記第1層に接し、前記第3層は前記第2層に接するとともに、200nm以上の厚さを有し、水及び酸素の少なくとも一方の侵入を防止する封止機能を発揮させる
本発明によれば、半透明半反射層に接して、反射増強層に含まれる第1層が存在しているとともに、第1層の屈折率が半透明半反射層のそれよりも高いため、これら両層間の界面においては比較的強い光の反射が生じ得る。したがって、本発明に係る構成では、発光機能層で発生した光のうち、半透明半反射層と反射層とによって構成される光共振器の中にいわば戻っていく光の絶対量は比較的多くなるから、当該光共振器の作用をより強めること、換言すれば、光共振器による共振作用をより効果的に利用することができる。
また、この発明によれば、半透明半反射層が、第2電極層の全部又は一部を含む、即ち換言すると、半透明半反射層と第2電極層の全部又は一部とが、いわば共用ないし兼用されるかのようになっているので、装置構造の効率化・単純化が図られ、また、製造容易性が向上する。
また、この発明によれば、前記各層を前記基板上に順次積層させていく製造方法をとれば、従来技術のように、発光機能層に接して透明電極を製造する必要がないので、製造プロセス上、当該発光機能層に何らかのダメージを与えるおそれがほとんどない。
また、この発明によれば、反射増強層が、3層からなる。そして、これら各層の間では屈折率に関して、高から低へ又は低から高への変化がある。したがって、本態様によれば、半透明半反射層及び第1層間の界面をはじめ、第1層及び第2層間の界面、第2層及び第3層間の界面、において、比較的強い光の反射が生じ得る。この結果、本態様によれば、上述した本発明に係る効果がより実効的に奏される。
なお、本発明の発光装置では、前記反射増強層は、前記第1層に加え、当該第1層の屈折率よりも低い屈折率をもつ第(2n)層と(ただし、nは正の整数)、当該第(2n)層の屈折率よりも高い屈折率をもつ第(2n+1)層と、を更に含み、前記第(2n)層のうち第2層は前記第1層に接し、かつ、前記第(2n)層は前記第(2n+1)層に接する、ように構成してもよい。
この態様によれば、反射増強層が、奇数個の層からなる。そして、これら各層の間では屈折率に関して、高から低へ又は低から高への変化がある。したがって、本態様によれば、半透明半反射層及び第1層間の界面をはじめ、第1層及び第2層間の界面、第(2n)層及び第(2n+1)層間の界面、において、比較的強い光の反射が生じ得る。この結果、本態様によれば、上述した本発明に係る効果がより実効的に奏される。
なお、上述の規定から明らかなように、本態様においては、反射増強層が奇数個の層からなる限り、具体的に何層から構成されるかについては限定しない。もっとも、層数があまりに増大すれば、光透過性能が劣り、あるいは製造容易性が損なわれる等の各種弊害が生じるおそれがある。このような観点から、反射増強層に含まれるべき層数は、ありうべき反射増強作用が奏されることを前提として、前記弊害の発生を回避するように定められると好ましい。より具体的には、前記nが1、即ち反射増強層が全部で3層からなるように構成するのが最も好ましい一例であろうということはできる。
この発明の発光装置は、第1電極層、第2電極層、並びに、前記第1及び第2電極層の間に配置された発光機能層、を有する発光素子と、前記発光機能層で発せられた光を該発光機能層に向けて反射する反射層と、前記発光機能層を挟んで前記反射層の反対側に配置され、前記発光機能層で発せられた光の一部を該発光機能層に向けて反射し、他の一部を透過させる半透明半反射層と、前記半透明半反射層を中心として前記反射層が位置するのとは反対側に、かつ、当該半透明半反射層に接するように配置され、当該半透明半反射層の屈折率よりも高い屈折率をもつ第1層と、前記第1層よりも低い屈折率をもつ第2層と、前記第2層よりも高い屈折率をもつ第3層と、を含む反射増強層と、前記反射増強層を中心として前記半透明半反射層が位置するのとは反対側に、かつ、前記反射増強層との間に空間が存在するように配置された壁面と、を備え、前記発光素子、前記反射層、前記半透明半反射層、及び前記反射増強層は、基板上に積層構造をなすように構築され、前記第1電極層は、前記第2電極層からみて前記基板により近く、前記半透明半反射層は、前記第2電極層を含んで、陰極として機能し、前記第1層は前記半透明半反射層に接し、前記第2層は前記第1層に接し、前記第3層は前記第2層に接するとともに前記空間に接し、前記空間には不活性ガスが封入されている
また、本発明の発光装置では、前記第3層は、200nm以上の厚さを有する、ように構成してもよい。
また、本発明の発光装置では、前記反射層から、前記半透明半反射層における前記反射層に対向する界面までの光学的距離が、式(i)で算出されるdに基づいて定められる、ように構成してもよい。
d=((2πm+φ+φ)/4π)・λ … (i)
ここで、λは共振対象として設定される波長であり、φは、前記発光機能層側から前記反射層に進行する波長λの光が、当該反射層で反射するときの位相変化であり、φは、前記発光機能層側から前記半透明半反射層に進行する波長λの光が、当該半透明半反射層で反射するときの位相変化であり、mは、正の整数である。
この態様によれば、発光素子、反射層及び半透明半反射層からなる共振器構造において、共振現象を好適に生じさせることができる。
なお、本態様に言う「共振対象として設定される波長」(以下、「共振対象波長」ということがある。)には、例えば、本態様に係る発光装置において、前記発光素子が複数あって、これらにより赤・緑・青(RGB)の3色表示をする場合を考えるなら、これら3色それぞれの波長が代入され得る。すなわち、これら3色の波長を、λr,λg及びλbとするなら、λは、これらλr,λg又はλbのいずれかをとり得るから、dは、これらそれぞれに応じて、例えばdr,dg又はdbという具体値をとりうる(したがって、この場合、発光素子ごとに、“d”の値が異なる場合もありうる。)。
また、本態様においては、先の述べたような3色表示等を実現するため、「前記半透明半反射層を挟んで前記発光機能層の反対側に配置され、前記半透明半反射層を透過した光を透過させるカラーフィルタ」を更に備えると好適であるが、この場合、前記共振対象波長λは、「前記カラーフィルタの透過率のピークに相当する波長」などと設定することが可能である。
また、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した各種の発光装置を備える。
本発明の電子機器は、上述した各種の発光装置を備えてなるので、光共振器の作用の発揮をよりよく享受可能な、言い換えれば、色純度向上効果等がより実効的に享受可能な電子機器が提供される。
本発明の実施の形態に係る発光装置の概略を示す断面図である。 図1の発光装置における共振器構造内における光の軌跡を簡略的に示す模式図である。 図1の発光装置から発せられる光のスペクトルの実験結果を示す図である。 図1の発光装置による色純度向上効果及び規格化外部量子効率向上効果を具体的数値でもって表す図である。 色度図である。 図4中の色純度向上効果を、図5に示す色度図上で表現した図である。 反射増強層23の作用を説明するための図である。 図7の比較例(反射増強層23の不存在)である。 より厚い第2高屈折率層235をもつ反射増強層23’の一例を示す図である。 本発明の実施形態の変形例(その2)に係る発光装置の概略を示す断面図である。 図10の発光装置の全体を概観した場合の構成を示す断面図である。 本発明に係る発光装置を適用した電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る発光装置を適用した他の電子機器を示す斜視図である。 本発明に係る発光装置を適用したさらに他の電子機器を示す斜視図である。
以下では、本発明に係る実施の形態について図1及び図2を参照しながら説明する。なお、ここに言及した図1及び図2に加え、以下で参照する各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に異ならせてある場合がある。
<有機EL装置の断面構造>
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL装置(発光装置)1の概略を示す断面図である。有機EL装置1は、発光パネル3とカラーフィルタパネル30とを備える。
発光パネル3は、図示のように複数の発光素子(画素)2(2R,2G,2B)を有する。本実施形態の有機EL装置1は、フルカラーの画像表示装置として使用される。発光素子2Rは放出光の色が赤色である発光素子であり、発光素子2G及び2Bはそれぞれ放出光の色が緑色及び青色である発光素子である。
これら各発光素子2には、給電用のTFT(薄膜トランジスタ)及び配線等が接続されている。このTFT及び配線等は、基板10上において、例えば、適当な層間絶縁膜間に構築される。
なお、図1では、図面の見易さ等を優先するため、前記TFT及び配線等の図示はされていない(ちなみに、前記層間絶縁膜は、例えば、後述する反射層12及び第1電極層18間や反射層12及び基板10間、等々様々な場所に形成されうるが、これも不図示。)。また、図1では、3つの発光素子2しか示されていないが、実際には、図示よりも多数の発光素子が設けられている。以下、構成要素の添字のR,G,Bは、発光素子2R,2G,2Bに対応する。
図示の発光パネル3はトップエミッションタイプである。発光パネル3は、基板10を有する。基板10は、例えばガラスのような透明材料で形成してもよいし、例えばセラミック又は金属のような不透明材料で形成してもよい。
基板10上の少なくとも発光素子2と重なる位置には、一様な厚さの反射層12が形成されている。反射層12は、例えばAl(アルミニウム)、Cr(クロム)若しくはAg(銀)、又はこれらを含む合金などの反射率の高い材料から形成されており、発光素子2から進行してくる光(発光素子2での発光を含む)を図1の上方に向けて反射する。
なお、この反射層12には、上述のAl、Cr、Agのほか、例えば、Cu、Zn、Nd、Pdなどが添加されてよい。これにより、耐熱性の向上等が見込まれる。
反射層12の厚さは50〜150nm程度とされて好適である。
基板10上には、発光素子2を区分する隔壁(セパレータ)16が形成されている。隔壁16は、例えばアクリル、エポキシ又はポリイミドなどの絶縁性の樹脂材料で形成されている。
各発光素子2は、第1電極層18、第2電極層22、並びに、第1電極層18及び第2電極層22の間に配置された発光機能層20を有する。
本実施形態では、第1電極層18(18R,18G,18B)は、画素(発光素子2)にそれぞれ設けられる画素電極であり、例えば陽極である。第1電極層18は、例えばITO(indium tin oxide)又はZnO2のような透明材料から形成されている。第1電極層18の厚さは、発光色に応じて異なっている。つまり、第1電極層18R,18G、18Bは、互いに異なる厚さを有する。なお、この点については、後の<光反射及び透過モデル>の項においてより詳細に説明する。
本実施形態では、発光機能層20は、複数の発光素子2に共通に形成されており、発光素子2の発光色にかかわらず一様な厚さを有する。発光機能層20は、少なくとも有機発光層を有する。この有機発光層は電流が流れると白色で発光する。つまり赤色、緑色及び青色の光成分を有する光を発する。有機発光層は、単層でもよいし、複数の層(例えば電流が流れると主に青色で発光する青色発光層と、電流が流れると赤色と緑色を含む光を発する黄色発光層)で構成されていてもよい。
発光機能層20は、有機発光層のほかに、正孔輸送層、正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などの層を有していてもよい。このうち正孔注入層は、例えばHI−406(出光興産株式会社製)若しくはCuPc(銅フタロシアニン)等、正孔輸送層はα−NPD(N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)等、電子輸送層はアルミニウムキノリノール錯体(Alq3)等、電子注入層はLiF等、からそれぞれ作られる。
第2電極層(半透明半反射層)22は、例えばMgAl、MgCu、MgAu、MgAgのような合金又は金属材料から形成されている。第2電極層22は本実施形態では、複数の画素(発光素子)に共通に設けられる共通電極であり、例えば陰極である。
第2電極層22は、発光素子2の発光色にかかわらず一様な厚さを有する。より具体的には例えば、第2電極層22は、5〜20〔nm〕程度の厚さとされて好適である。厚さが比較的小さいため、第2電極層22は、半透明半反射性をもつ。
このような第2電極層22は、発光機能層20から進行してきた光(発光機能層20からの光を含む)の一部を図の上方に透過し、これらの光の他の一部を図の下方つまり第1電極層18に向けて反射する。
複数の隔壁16間に形成された開口(画素開口)の内部において、発光機能層20は、第1電極層18と接触しており、ある発光素子2において、第1電極層18と第2電極層22との間に電流が流されると、その発光素子2における発光機能層20には第1電極層18から正孔が供給され、第2電極層22から電子が供給される。そして、これら正孔及び電子が再結合して励起子が生成され、この励起子が基底状態に遷移するときに、エネルギ放出、即ち発光現象が生じる。従って、隔壁16間に形成された画素開口で発光素子2の発光領域がおおよそ画定される。つまり隔壁16の画素開口は発光素子2を区分する。
発光機能層20は白色発光するが、反射層12と第2電極層22との間で光が往復することにより、個々の発光素子2は特定の波長の光が増幅された光を放出する。つまり、発光素子2Rでは赤色の波長の光が増幅されて放出され、発光素子2Gでは緑色の波長の光が増幅されて放出され、発光素子2Bでは青色の波長の光が増幅されて放出される。この目的のため、発光素子2R,2G,2Bでは、反射層12と第2電極層22との間の光学的距離d(dR、dG、dB)が異なっている。なお、図中のd(dR、dG、dB)は、光学的距離を示しており、実際の距離を示しているのではない。この点については、後の<光反射及び透過モデル>の項においてより詳細に説明する。
前記の第2電極層22の図1中上方には、反射増強層23が形成されている。
この反射増強層23は、図示するように、第1高屈折率層231、低屈折率層232、及び第2高屈折率層233を含む。これら各層(231,232及び233)は、図中下方より、この順番で積層される。これら各層(231,232及び233)のネーミングに含まれる「高」「低」の意義は、以下のようである。すなわち、第1高屈折率層231は、第2電極層22に対して、相対的により高い屈折率をもつ。低屈折率層232は、第1高屈折率層231に対して、相対的により低い屈折率をもつ。第2高屈折率層233は、低屈折率層232に対して、相対的により高い屈折率をもつ。要するに、図中、より上方に位置する層の屈折率の高低は、その直下に位置する層の屈折率に対する相対的関係において定められているとみることが可能である。
より具体的に、第1高屈折率層231は、例えばAlq3、SiN、SiON等から作られうる。これらの材料は、波長555〔nm〕における屈折率が1.6以上である。第2高屈折率層233についても同様である。
また、低屈折率層232は、例えばLiF、LiO等から作られうる。これらの材料は、波長555〔nm〕における屈折率は1.5以下である。
これら各層(231,232及び233)の厚さは、具体的には例えば、50〜90〔nm〕程度とされて好適である。
発光パネル3には、透明な接着剤28によってカラーフィルタパネル30が接合されている。カラーフィルタパネル30は、例えばガラスのような透明材料で形成された基板32と、基板32に形成されたブラックマトリクス34と、ブラックマトリクス34に形成された開口に配置されたカラーフィルタ36(36R,36G,36B)を備える。
接着剤28は、カラーフィルタパネル30における基板32及びカラーフィルタ36と、発光パネル3の各層とがほぼ平行関係を維持するように両者を支持する。
カラーフィルタ36はそれぞれ、発光素子2、特に第1電極層18に重なる位置に配置されている。カラーフィルタ36は、半透明半反射性の第2電極層22を挟んで発光機能層20の反対側に配置され、重なった発光素子2の第2電極層22を透過した光を透過させる。
カラーフィルタ36Rは発光素子2Rに重なっており、一つのカラーフィルタ36Rと一つの発光素子2Rとで一つのセットを構成する。カラーフィルタ36Rは赤色の光を透過させる機能を有し、その透過率のピークは610nmの波長にある。カラーフィルタ36Rは、重なった発光素子2Rの第2電極層22を透過した赤色が増幅された光のうち、赤色の光を透過させ、赤色の純度を高める。また、カラーフィルタ36Rは、緑色及び青色の光の多くを吸収する。
残るカラーフィルタ36G及び36Bはそれぞれ、緑色光及び青色光を透過させるという相違はあるものの、基本的に、前述のカラーフィルタ36Rと同様である。なお、両者それぞれの透過率のピークは550nm及び470nmの波長にある。
<光反射及び透過モデル>
図2は、発光機能層20を発した光の軌跡を簡略的に示す模式図である。発光機能層20を発した光のうちの一部は、図中左方に示すように、第1電極層18の側に向かって進行し、反射層12の発光機能層20の側の面で反射する。この反射のときの位相変化をφとする。他方、前記光の他の部分は、図中右方に示すように、第2電極層22の側に向かって進行し、当該第2電極層22の発光機能層20の側の面(第2電極層22における反射層12に対向する界面)で反射する。この反射のときの位相変化をφとする。
これらの場合のうち後者の場合、即ち光が第2電極層22で反射する場合、図2に示すように、当該光は、その反射の後、発光機能層20及び第1電極層18を透過して、反射層12の発光機能層20の側の面で再び反射する。以下、光の反射は、第2電極層22及び反射層12において、原理的には、無限に繰り返される。前者の場合、即ち光が反射層12で反射する場合についても、図示はしないが、同様である。
なお、図2において各界面での光の屈折による光路変化の図示は省略して、光路は単純な直線ないし曲線で示している。
このような反射現象が生じることを前提に、本実施形態では、図2(あるいは図1)に示す光学的距離dが、以下の式(1)によって定められている。
d=((2πm+φ+φ)/4π)・λ … (1)
ここで、λは、共振対象として設定された波長〔nm〕であり、mは任意の整数である。なお、φ及びφの意義は前述したとおりである。
本実施形態では、前記のλ、ないしdは、図1に示すところからも明らかなように、発光素子2R,2G及び2Bの別に応じて定められる。より具体的には、これら発光素子2R,2G及び2Bは、上述のように、カラーフィルタ36R,36G及び36Bのそれぞれと一つのセットを構成するので、波長λとしては、これらカラーフィルタ36R,36G及び36Bの透過率のピークに相当する波長のそれぞれ(即ち、上述の通りλ=610nm,λ=550nm及びλ=470nm)が設定(ないし代入)されえ、光学的距離dとしては、これらλ,λ及びλそれぞれに対応した、d,d及びd(図1参照)が求められることになる。なお、このd,d及びdの求根の際、式(1)中のφ及びφとしては、λ,λ及びλそれぞれに対応した値(φ=φDR,φDG,φDB、あるいは、φ=φUR,φUG,φUB)が使用される。
そして、上記式(1)によって求められたd,d及びdを実際の装置上で実現するため、本実施形態では、図1に示すように、第1電極層18(18R,18G及び18B)の厚さが、各発光素子2(2R,2G及び2B)について調整されている。
一般に、ある物質についての「光学的距離」は、当該物質の物理的厚さとその屈折率の積として表現されるから、第1電極層18の物理的厚さをt、その屈折率をn18とすれば、当該第1電極層18及び前記発光機能層20全体の光学的距離Dは、
D=t・n18+D20 … (2)
である。ただし、D20は、発光機能層20についての光学的距離である。
この式(2)中、屈折率n18は基本的に動かせないので、D=d,D=d及びD=dのいずれかを成立させるためには、tを変動させる必要がある。このようにして、D=dのときのt、D=dのときのt及びD=dのときのt、がそれぞれ見つけられることになり、これらに基づき、第1電極層18の厚さが調整される。なお、このt,t及びtの求根の際、式(2)中のn18としては、λ,λ及びλそれぞれに対応した値(n18=n18R,n18G,n18B)が使用される。
このように、本実施形態においては、第1電極層18の厚さの調整を通じて、光共振器に係る光学的距離の調整を行っているが、本発明が、このような形態に限定されるわけではない。例えば、第1電極層18の厚さの調整に代えて又は加えて、発光機能層20の厚さの調整、あるいは当該層20を構成する前記正孔注入層等の各層の厚さの調整を通じて、光共振器に係る光学的距離の調整が行われてもよい。
以上のようにして、本実施形態においては、発光機能層20、反射層12及び第2電極層22によって、光共振器が構成される。すなわち、発光機能層20を発した光は、反射層12及び第2電極層22間で反射を繰り返すことによって、ある特定の波長成分をもつ光だけが増幅的干渉を受け、ないしは、共振現象にかかわることになる。
例えば、発光素子2Rにおいては、その光学的距離dが、前記式(1)により規定されることから、当該発光素子2Rでは、その波長λを持つ光についての共振現象が生じる。そして、このように増幅された波長λの光(即ち、赤色光)の一部は、第2電極層22が半透過性能をもつため、装置外部へと進行する(図中、第2電極層22を超えて上向きに延びる矢印参照。)。以上の結果、赤色が強調されることになる。
このようなことは、緑色・青色についても同様に生じる。
<有機EL装置の作用効果>
以下では、以上のような構成を備える有機EL装置1の作用効果について、既に参照した図1及び図2に加えて、図3乃至図8を参照しながら説明する。
まず、図3及び図4は、上に説明した構造をもつ有機EL装置1を実際に製造し、当該装置1において観測された光強度の観測結果等の各種実験結果を示すものである。なお、この実験においては、以下の各前提が置かれている。
(i) 実際に実験に供したのは、青色対応の発光素子2Bだけをもつ有機EL装置である。つまり、図1等において示される赤色及び緑色のそれぞれに対応する各種要素(例えば、第1電極層18R及び18G)は製造しておらず、実験に供していない。
(ii) 反射層12は、APCから作られ、その厚さは100〔nm〕である。なお、APCは、Ag、Pd及びCuからなる合金(Pdが0.9重量%、Cuが1重量%、残部がAg)である。
(iii) 第1電極層18は、ITOから作られる。厚さは、青色対応の第1電極層18Bで30〔nm〕である。なお、前記(i)から、第1電極層18も青色対応の第1電極層18Bしか存在しない。
(iv) 発光機能層20全体の厚さは、181〔nm〕である。この中には、正孔注入層の厚さ100〔nm〕、正孔輸送層の厚さ20〔nm〕、発光層の厚さ20〔nm〕、電子輸送層の厚さ40〔nm〕、及び電子注入層の厚さ1〔nm〕が含まれる。なお、前記(i)のように、青色対応の実験結果だけが示されるので、ここでいう発光層は、ホスト材料BH−215(出光興産株式会社製)に青色ドーパント材料BD−102(出光興産株式会社製)をドープしたものである。
(v) 第2電極層22は、MgAgから作られる。厚さは10〔nm〕である。
(vi) 反射増強層23全体の厚さは、215〔nm〕である。この中には、第1高屈折率層231の厚さ70〔nm〕、低屈折率層の厚さ75〔nm〕、第2高屈折率層の厚さ70〔nm〕が含まれる。また、第1及び第2高屈折率層231及び233はAlq3から作られ、低屈折率層232はLiFから作られる。
このような前提の下、青色対応の発光素子2Bから装置外部に出射する光のスペクトルを実測した結果が、図3である。この図3において、実線は、上述の前提をそのまま反映した結果であり、破線は、その比較例である。ここで比較例とは、本実施形態にかかる反射増強層23が存在しない(前述の(vi)参照)場合の発光素子について、同様の実験を行った結果である。なお、以下では、図3中の実線を青色曲線Bp、破線を青色・比較例曲線Bp’と呼ぶことにする。
まず、この図3においては、いずれの曲線(Bp,Bp’)においても、一定程度の色純度向上効果が達成されていることがわかる。これは、既に述べたように、本実施形態に係る有機EL装置1では、反射層12、第1電極層18、発光機能層20、及び第2電極層22からなる共振器が構成されており、かつ、当該共振器について前述した式(1)が満たされていることによる。
そして、この図3によれば、青色・比較例曲線Bp’から青色曲線Bpへの変化をみるとわかるように、ピークの鋭さが増している。つまり、半値幅が減少している。また、図4に示すように、規格化外部量子効率も、本実験例の方が、比較例に比べて増加している。
さらに、同じく図4に示すように、本実験例の「青」と比較例の「青」とでは、色度図上の座標値が相違する。
図5は、いわゆるxy色度図である。この図において、概ね砲弾型の形で囲われた領域は、人間の認識可能な色の範囲(色域)を表している。その領域の中心付近から周辺に行くほど彩度が大きくなる。また、その領域の周囲を巡る数値は色相を表している。他方、当該領域内において、三角形で囲われた領域は、RGB表色系で表現可能な色域を表している。このうち、符号Ctが付された点は、ホワイト・ポイントである。また、図中記された「赤」、「緑」等々の文字は、そのそれぞれが位置する場所の色を視認者が認識した場合に感じるであろう、概ねの色名を表している。例えば、x=0.2、y=0.1あたりの色を視認者が認識する場合、その者は、それを「青」と判断する蓋然性が高い、ということである。このような図5では、前記砲弾型の形の内部、あるいは前記三角形の内部において、いわば純粋なかたちで(言い換えると、明度の影響のない状態で)、色度ないしは色味が表現されている。
本実験例では、実験例の「青」は、比較例のそれに対して、x座標に係る値は増加する一方、y座標に係る値は減少している(図4参照)。図6は、図5中の「青」の付近を拡大した図である。図6中の矢印に示すように、本実験例では、青の色純度が改善されていることがわかる。
以上のような各種の変化は、本実験例と比較例との上述した相違点、即ち反射増強層23の存否にかかわる。
上述のように、本実施形態に係る有機EL装置1では、前記式(1)の成立を背景とする共振器が構成されるが、この共振器の機能を好適に引き出すためには、共振現象に関わる、いわば光の絶対量の増加があるとよい。この点、本実施形態においては、図7に示すように、まず、発光機能層20を発した光は、当該発光機能層20と合金等から作られる第2電極層22との界面で強く反射するのに加えて、第2電極層22と第1高屈折率層231との界面、第1高屈折率層231と低屈折率層232との界面、及び、低屈折率層232と第2高屈折率層233との界面、のそれぞれで強く反射する。つまり、共振器内へ戻される光の量は増大する。これは、これら各界面間において、屈折率が高い層から低い層へ、又はその逆、の変化が生じるからである。図3、図4及び図6の結果は、このような原因に基づいている。
これに対して、反射増強層23が存在しない場合には、図8に示すように、発光機能層20と第2電極層22との界面における強い反射はあるものの、第2電極層22上に、これと比べて相対的に高い屈折率をもつ層が存在しないから、反射が生じたとしても、それはかなり弱いものになる(図中破線矢印参照)。つまり、共振器内へ戻される光の量は、本実施形態に比べれば少ない。
このようにして、本実施形態によれば、図3、図4及び図6に示されるような各種効果が奏される。
なお、上記実験例では、前記(i)〜(vi)(特に(i))という前提を置き、青色光を発する発光素子2Bのみをもつ有機EL装置について述べているが、本発明は、当然、かかる前提に縛られない。図1に示すように、青色光のほか、赤色及び緑色に対応する発光素子2R及び2Bをもつ有機EL装置でも、上記と同様の作用効果が得られる。また、本実施形態に係る反射増強層23、ないしはこれを構成する各層(231,232及び233)(特に、その厚さ)は、そのように各色対応の発光素子2R,2G及び2Bを製造する場合であっても、それら各色に関しすべて共通にすることが可能である
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明に係る発光装置は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
(1) 上述した実施形態では、第1及び第2高屈折率層231及び233、並びに低屈折率層232の好適な厚さが50〜90〔nm〕である旨述べているが、本発明は、必ずしもかかる好適値に限定されない。
この好適値は、主に、当該有機EL装置1の製造の容易さ・製造時間の短縮化、更には透過光の強さあるいは透過特性等への配慮から定められている。しかし、好ましい透過特性を享受するための厚さは、このような好適値以外にもある。実際、そのような好ましい厚さは、前記好適値を中心に、周期的に存在することがわかっている(ごく単純にいえば、例えば、70〔nm〕を中心として、200〔nm〕,330〔nm〕,460〔nm〕,…といった、各種の好ましい厚さがあるということである。もっとも、実際上は、このような正確な周期性(いまの例では130〔nm〕間隔)をもつとは限らない。)。したがって、前記各層(231,232,233)の厚さは、このような事情に配慮が払われた上で定められてよい。
この場合特に、第2高屈折率層233の厚さが大きくなればなるほど、当該第2高屈折率層233の封止機能、即ち発光素子2への水及び酸素の少なくとも一方の進入を防止する封止機能、は高まっていく。つまり、この場合の第2高屈折率層233は、上記実施形態として説明したような反射増強の機能を持つとともに、封止機能をも持つことになる。図9においては、図7に比べて、より厚くなった第2高屈折率層235を含む反射増強層23’が図示されている。封止機能をよりよく発揮させるためには、このような第2高屈折率層235の厚さは、200〔nm〕以上あると好ましい。封止機能が発揮されれば、発光素子2への水・酸素の進入が防止されるから、当該発光素子2の素子寿命が長期化するというメリットが生じる。
このように、本発明においては、第1及び第2高屈折率層231及び233、並びに低屈折率層232の厚さが、前記好適値に限定されないというだけでなく、その厚さを適当に調整することによって当該各層(231,232及び233)に反射増強機能以外の機能を担わせてもよい。これによれば、各種の機能を担う別々の層を別々に造りこむよりも、製造容易性は増し、コスト低減も可能になる。
(2) 上述した実施形態では、発光機能層20が白色発光する場合について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
例えば、上記実施形態の第1電極層18R,18G及び18Bがカラーフィルタ36R,36G及び36Bに対応するように形成されていたのと同様に、発光機能層が、発光素子2R,2G,2Bにそれぞれ専用の発光機能層を備えてよい。この場合、これら発光機能層の各々は、赤色で発光するもの、緑色で発光するもの、青色で発光するものに区別される。このような各色発光のためには、各発光機能層に含ませる有機EL物質を適宜変更すればよい。また、かかる構造を現実に製造するには、例えば、インクジェット法(液滴吐出法)等が用いられうる。
(3) この(2)に関連して、上述した実施形態では、接着剤28を介して発光パネル3に対向するカラーフィルタパネル30が備えられているが、発光機能層が白色発光だけする場合、あるいは各色発光する場合の別に関わらず、本発明においては、このカラーフィルタパネル30を設けることは必須ではない。
このような場合に更に関連して、以下に述べるような構成を採用すれば、かかる構成においても、第2高屈折率層233を抜け出ていく光は、その抜け出る際の界面で強い反射を経験し得る。
すなわち例えば、図10及び図11に示すように、有機EL装置1’全体が、ガラス(あるいは、樹脂材料、金属)等の適当な材料から作られた壁面Cによって囲われた空間内に封止される場合においては、当該空間内に封入される不活性ガスGが、上述の実施形態における低屈折率層232に相当する役割を担う構成を採用してもよい。すなわち、この形態では、第2高屈折率層233より図中下側に位置する各層の構成は、上記実施形態と同様であるが、図10に示すように、第2高屈折率層233より上部の各層は存在せず、第2高屈折率層233の図中上面には、壁面C内部の不活性ガスGが接するようになっている。不活性ガスGとしては、具体的には例えば、Nガス、アルゴンガス、等々が該当する。この場合、不活性ガスGの屈折率は、第2高屈折率層233の屈折率よりも小さい。
このような、図10及び図11の形態によっても、上述の実施形態によって奏された作用効果と本質的に異ならない作用効果が奏されることは明白である。すなわち、この形態では、反射層12の側から入射してくる光は、不活性ガスG及び第2高屈折率層233間の界面において、反射させられる可能性が高まり、それにより、共振現象にかかわる光の増大が期待できる。
<応用>
次に、本発明に係る発光装置を適用した電子機器について説明する。
図12は、上記実施形態に係る発光装置を画像表示装置に利用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての有機EL装置1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
図13に、上記実施形態に係る発光装置を適用した携帯電話機を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての有機EL装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、有機EL装置1に表示される画面がスクロールされる。
図14に、上記実施形態に係る発光装置を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての有機EL装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が有機EL装置1に表示される。
本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図12から図14に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
1,1’……有機EL装置(発光装置)、2(2R,2G,2B)……発光素子、3……発光パネル、10……基板、12……反射層、18(18R,18G、18B)……第1電極層、20……発光機能層、22……第2電極層(半透明半反射層)、23……反射増強層、231……第1高屈折率層、232……低屈折率層、233……第2高屈折率層、G……不活性ガス、30……カラーフィルタパネル、36(36R.36G,36B)……カラーフィルタ

Claims (5)

  1. 第1電極層、第2電極層、並びに、前記第1及び第2電極層の間に配置された発光機能層、を有する発光素子と、
    前記発光機能層で発せられた光を該発光機能層に向けて反射する反射層と、
    前記発光機能層を挟んで前記反射層の反対側に配置され、前記発光機能層で発せられた光の一部を該発光機能層に向けて反射し、他の一部を透過させる半透明半反射層と、
    前記半透明半反射層を中心として前記反射層が位置するのとは反対側に、かつ、当該半透明半反射層に接するように配置され、当該半透明半反射層の屈折率よりも高い屈折率をもつ第1層と、前記第1層よりも低い屈折率をもつ第2層と、前記第2層よりも高い屈折率をもつ第3層と、を含む反射増強層と、
    を備え、
    前記発光素子、前記反射層、前記半透明半反射層、及び前記反射増強層は、基板上に積層構造をなすように構築され、
    前記第1電極層は、前記第2電極層からみて前記基板により近く、
    前記半透明半反射層は、前記第2電極層を含んで、陰極として機能し、
    前記第1層は前記半透明半反射層に接し、
    前記第2層は前記第1層に接し、
    前記第3層は前記第2層に接するとともに、200nm以上の厚さを有し、水及び酸素の少なくとも一方の侵入を防止する封止機能を発揮させる、
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 第1電極層、第2電極層、並びに、前記第1及び第2電極層の間に配置された発光機能層、を有する発光素子と、
    前記発光機能層で発せられた光を該発光機能層に向けて反射する反射層と、
    前記発光機能層を挟んで前記反射層の反対側に配置され、前記発光機能層で発せられた光の一部を該発光機能層に向けて反射し、他の一部を透過させる半透明半反射層と、
    前記半透明半反射層を中心として前記反射層が位置するのとは反対側に、かつ、当該半透明半反射層に接するように配置され、当該半透明半反射層の屈折率よりも高い屈折率をもつ第1層と、前記第1層よりも低い屈折率をもつ第2層と、前記第2層よりも高い屈折率をもつ第3層と、を含む反射増強層と、
    前記反射増強層を中心として前記半透明半反射層が位置するのとは反対側に、かつ、前記反射増強層との間に空間が存在するように配置された壁面と、
    を備え、
    前記発光素子、前記反射層、前記半透明半反射層、及び前記反射増強層は、基板上に積層構造をなすように構築され、
    前記第1電極層は、前記第2電極層からみて前記基板により近く、
    前記半透明半反射層は、前記第2電極層を含んで、陰極として機能し、
    前記第1層は前記半透明半反射層に接し、
    前記第2層は前記第1層に接し、
    前記第3層は前記第2層に接するとともに前記空間に接し、
    前記空間には不活性ガスが封入されている、
    ことを特徴とする発光装置。
  3. 前記第3層は、200nm以上の厚さを有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記反射層から、前記半透明半反射層における前記反射層に対向する界面までの光学的距離が、式(i)で算出されるdに基づいて定められる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
    d=((2πm+φ+φ)/4π)・λ … (i)
    ここで、
    λは共振対象として設定される波長であり、
    φは、前記発光機能層側から前記反射層に進行する波長λの光が、当該反射層で反射するときの位相変化であり、
    φは、前記発光機能層側から前記半透明半反射層に進行する波長λの光が、当該半透明半反射層で反射するときの位相変化であり、
    mは、正の整数である。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
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