JP5029563B2 - 立体形状保持パウチの製造方法 - Google Patents

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本発明は、本発明は、スタンディングパウチなどの立体形状を保持した立体形状保持パウチの製造方法に関する。
従来のスタンディングパウチは、左右のサイドシール部にて熱溶着される一対の側壁フィルムと、この側壁フィルムの下端部に挟み込まれボトムシール部にて各側壁フィルムに熱溶着される二つ折りの底部フィルムと、によって平らに製袋されていた。そして、内容物の充填圧によって二つ折りの底部フィルムが開いて膨らみ、立体形状となって自立するものであった。
しかしながら、上記した従来のスタンディングパウチは、側壁フィルムに張りが無く、店頭でのディスプレイ性が悪かった。
また、内容物を使用し、減少してくると、まず、側壁フィルム上部の頭だれが生じ、さらに内容物が減少すると底部フィルムが閉じ始め、非常に不安定となり、中には転倒するものも出てくる。
本発明は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、フィルム製でありながら膨らんだ立体形状を保持し得る立体形状保持パウチの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の立体形状保持パウチの製造方法は、フィルムによってパウチ本体を製袋し、該パウチ本体に内圧を加えて膨らませて立体形状とし、その後、パウチ本体に熱を加えて軟化させ、その後冷却して硬化させることにより膨らんだパウチ本体の立体形状を保持させることを特徴とする。
軟化は熱風を外から吹きかけることによって行うことが好ましい。
また、パウチ本体に部分的に熱を加えて軟化させることが好ましい。
また、内容物の充填圧を内圧として膨らませ、内容物を充填後に熱を加えて軟化させるようにしてもよい。
さらに、フィルムは、裏面がポリエチレンで表面がナイロンの積層構造の場合、100℃の温度で軟化させることが好ましい。
本発明の立体形状保持パウチの製造方法によれば、パウチ本体に内圧を加えて膨らませて立体形状とし、パウチ本体の熱処理を行うようにしたので、立体的な保持形状を容易に形成できる。
請求項2に記載の発明によれば、パウチ本体に熱風を吹きかけることによって必要最小限の工程で熱処理を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、内容物の充填圧によってパウチ本体を膨らませ、内容物充填後に谷折れ部に沿って熱を加えて軟化させるようにすれば、内容物の充填と同時に立体処理を行うことができる。
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の製造方法によって製造される実施の形態1に係る立体形状保持パウチを示している。
この立体形状保持パウチ1は、従来のスタンディングパウチと同様の構成であり、フィルムによって袋状に製袋されたパウチ本体2に内圧を加えて膨らませた立体形状を保持するための形状保持部としての谷折れ部9,10を設けたものである。
パウチ本体2は、左右のサイドシール部4,4にて熱溶着される一対の側壁フィルム5,5と、側壁フィルム5,5の下端部に挟み込まれボトムシール部6にて各側壁フィルム5,5に熱溶着される二つ折りの底部フィルム7と、によって成形される。
側壁フィルム5,底部フィルム7の材質としては特に制限はなく、ナイロン、直鎖状−、低−、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類等の熱可塑性樹脂、バリア性フィルム(例:蒸着フイルム、アルミラミネートフィルム)を挙げることができる。また、これらのプラスチックフィルムを単層で、或いは二種以上を積層して構成することができ、内容物に応じて適宜選択される。
側壁フィルム5はほぼ平面四角形状で、その上辺と一方の側辺との角部が斜めにカットされて傾斜部51となっており、この傾斜部51に内容物を注出するための注口部8が突出形成されている。そして、その上縁は充填用の開口部となっており、内容物充填後に熱溶着され上ヒートシール部53となる。
底部フィルム7と側壁フィルム5のボトムシール部6,6は、図1(D)に示すように、二つ折りの底部フィルム7の前後下縁と各側壁フィルム5の下縁とをそれぞれ独立に熱溶着しており、前後のボトムシール部6,6の左右側縁がパンチ穴接着部61,61によって部分的に接着されている。パンチ穴接着部61,61は、底部フィルム7の側縁に半月状のパンチ穴を設け、このパンチ穴を通して側壁フィルム5,5同士を熱溶着したものである。ボトムシール部6の上辺は、直線状の下辺に対して下方に凸の円弧形状となっている。
パウチ本体2に内圧が加わって膨らんだ際に、側壁フィルム5のサイドシール部4内側縁および底部フィルム7のボトムシール部6内側縁に谷折れ部9,10が、側壁フィルム5および底部フィルム7に膨らんだ面部が形成されるが、この実施の形態1では、前記谷折れ部9,10を形状保持部としている。
すなわち、形状保持部としているのは、側壁フィルム5の両サイドシール部4,4内側縁の左右2カ所ずつ計4カ所の谷折れ部9、および底部フィルム7の各ボトムシール部6,6内側縁の前後2カ所の谷折れ部10である。
この谷折れ部10は、それぞれサイドシール部4,4及びボトムシール部6に対する折れ曲がり角度がほぼ90度となっている(図2(A),(B)参照)。
さらに、注口部8については、注口部8の突出方向に沿って補強用ビード部を構成する山形部81が、さらに山形部81の付け根位置にはY字形状の溝ビード11が形成されている。このY字形状の溝ビード11の谷筋と稜線部についても、形状保持部としての谷折れ部11a、山折れ部11bとしており、注口部8の膨らみ形状を安定させるようになっている(図1(A)、図2(C),(D)参照)。
次に、上記立体形状保持パウチの製造方法について説明する。
まず、一対の側壁フィルム5,5と、側壁フィルム5,5の下端部に挟み込まれ二つ折り状態の底部フィルム7とを(図1(E)参照)、それぞれサイドシール部4,4およびボトムシール部6,6にて熱溶着してパウチ本体2を製袋する。このパウチ本体2の製袋は、従来のスタンディングパウチと同様である。
このパウチ本体2に内圧を加えて膨らませて立体形状とする。
このとき、各側壁フィルム5,5のサイドシール部4,4内側縁および底部フィルム7のボトムシール部6,6内側縁は、自然に所定の谷折れ部9,10の形状となっている。また、注口部8の補強ビード部11の谷筋および稜線はそれぞれ所定の谷折れ部11aおよび山折れ部11bとなっている(図2(C),(D)参照)。
このまま内圧を抜いてしまうと弾性復元力によって元の形状に戻ってしまう。そこで、前記谷折れ部9,10,11a及び山折れ部11bに沿って熱を加えて軟化させ、冷却して硬化させることにより谷折れ9,10,11a部,山折れ部11b形状がそのまま保持されて残ることになる。
軟化は前記谷折れ部9,10,11a及び山折れ部11bの折れ目に沿って熱風を吹きかけることによって行ってもよいし、ヒータを用いてもよい。このとき、折れ目付近にしわよりが発生するが、しわよりがあってもかまわない。しわよりによって剛性が大きくなる。
軟化温度は材料にもよるが、裏面がPE(ポリエチレン)、表面がナイロンのラミネートフィルムの場合、100℃程度の温度で軟化する。
なお、パウチ本体2に内圧を加えるに際し、パウチ本体2に内容物を充填することにより膨らませ、内容物を充填後に谷折れ部に沿って熱を加えて軟化させるようにしてもよい。この場合、充填装置側で立体処理を行うことになる。
次に、本発明の製造方法によって製造される立体形状パウチの他の実施の形態について説明する。
以下の説明では上記実施の形態と異なる点のみを説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図3には本発明の製造方法によって製造される実施の形態2に係る立体形状保持パウチを示している。
この実施の形態2は、形状保持部を、パウチ本体2に内圧が加わって膨らんだ際の側壁フィルム5および底部フィルム7の膨らんだ面部5A,7Aとしたものである。
実施の形態1のように、サイドシール部4やボトムシール部10近くの谷折れ部9,10を形状保持部とした場合は、内圧が加わった際のサイドシール部9及びボトムシール部10から急激に立ち上がった形状が保持される(図3(B),(D)参照)。そうすると、パウチの形状保持性に優れているが、内容物が充填されていないときはパウチ自体の厚みが増大する。そこで、この実施の形態2ではフィルムの面部5A,7Aのみを形状保持部としている。
このようにすれば、内圧を解放すると谷折れ部9,10の折れ曲がり角度が小さくなり(図3(C),図3(E)参照)、サイドシール部4やボトムシール部10からなだらかにフィルム面が立ち上がって、パウチの厚みがそれほど厚くならない。一方、面部5A,7Aの形状は膨らんだ形状を保持しているので、形状は保持される。
形状保持処理の方法は、実施の形態1と全く同様であり、谷折れ部9,10の代わりに、内圧を加えた膨らんだ面部5A,7Aを熱で軟化させ、その後冷却して硬化させればよい。
上記実施の形態1,2では、谷折れ部9,10および面部5A,7Aのいずれか一方のみを形状保持部としたが、たとえば、底部フィルム7側の谷折れ部10と側面フィルム5の面部5Aの組み合わせ等、谷折れ部9,10と面部5A,7Aを適宜組み合わせてもよい。
図4には、本発明の製造方法によって製造される実施の形態3に係る立体形状保持パウチが示されている。
この立体形状保持パウチは、平らな側壁フィルム5,5と底部フィルム7によって製袋されたパウチ本体2内部が、一方のサイドシール部4とほぼ並行に上下に延びる区分シール部21によって、注出管部22と内容物充填部23とに区分され、区分シール部21の下端に注出管部22と内容物充填部23とを連通する連通部24が形成されている。
この立体形状保持パウチの場合、パウチ本体2が膨らんだ際に、区分シール部21側縁の注出管部22側および区分シール部21側縁の内容物充填部23側にそれぞれ谷折れ部25A,25Bが、注出管部22および内容物充填部23に膨らんだ面部22A,23Aが形成される。
このパウチ本体2の立体形状を保持するための形状保持部とするのは、図4(B)に示すように、側壁フィルム5の両サイドシール部4,4内側縁の谷折れ部9A,9B、および底部フィルム7のボトムシール部6内側縁の谷折れ部10、さらに区分シール部21の両側縁の谷折れ部25A,25Bとしてもよいし、図4(C)に示すように、内容物充填部23左右両側縁の谷折れ部9A,25Aは形状保持させずに膨らんだ内容物充填部23の面部23Aを形状保持させるようにしてもよい。
また、注出管部22については、大きく開いている方が有利で、かつそれほど嵩張らないので、その左右両側縁の谷折れ部9B,25Bを形状保持部としておくことが好ましい。また、注出管部22の面部についても谷折れ部9B,25Bと共に形状保持部としておけば、注出管部22の形状保持性を向上させることができる。もちろん、注出管部22についても、その面部22Aのみを形状保持部としてもよい。
なお、上記各実施の形態では、自立自在のスタンディングパウチについて、立体形状を保持させる構成としたが、これに限定されるものではなく、要するにフィルムによって袋状に製袋されたパウチであれば広く適用できる。また、注口部もフィルムで構成しているパウチについて説明したが、注口部を別体構成のスパウトによって構成するスパウト付きパウチについても適用できることはもちろんである。
図1は本発明の製造方法によって製造される実施の形態1に係る立体形状保持パウチを示すもので、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は上面図、同図(D)は底部フィルムの部分断面斜視図、同図(E)は胴部(D)の底部フィルムが2つ折り状態の部分断面斜視図である。 図2(A)は図1(A)のA−A線断面図、図2(B)は図1(A)のB−B線断面図、図2(C)は図1(A)のC−C線断面図、図2(D)は図1(A)のD−D線断面図である。 図3は本発明の製造方法によって製造される実施の形態2に係る立体形状保持パウチを示すもので、図3(A)は正面図、図3(B)は内圧が加わった状態の図3(A)のB−B線断面図、図3(C)は内圧を解放した状態の図3(A)のB−B線断面図、図3(D)は内圧が加わった状態の図3(A)のD−D線断面図、図3(E)は内圧を解放した状態の図3(A)のD−D線断面図である。 図4は本発明の製造方法によって製造される実施の形態3に係る立体形状保持パウチを示すもので、図4(A)は正面図、図4(B)は図4(A)のB−B線断面図、図4(C)は面部を立体形状保持部とした場合の図4(A)のB−B線断面図である。
1 立体形状保持パウチ
2 パウチ本体
4 サイドシール部
5 側壁フィルム
5A 面部
6 ボトムシール部
7 底部フィルム
7A 面部
8 注口部
9 ,10 谷折れ部、谷折れ部
11 溝ビード、11a 折れ部、
11b 折れ部
21 区分シール部
22 注出管部
22A 面部
23 内容物充填部
23A 面部
24 連通部
25A 谷折れ部(内容物充填部側)
25B 谷折れ部(注出管部側)
9A 谷折れ部(内容物充填部側)
9B 谷折れ部(注出管部側)

Claims (5)

  1. フィルムによってパウチ本体を製袋し、
    該パウチ本体に内圧を加えて膨らませて立体形状とし、
    その後、パウチ本体に熱を加えて軟化させ、その後冷却して硬化させることにより膨らんだパウチ本体の立体形状を保持させることを特徴とする立体形状保持パウチの製造方法。
  2. 軟化は熱風を外から吹きかけることによって行う請求項1に記載の立体形状保持パウチの製造方法。
  3. パウチ本体に部分的に熱を加えて軟化させる請求項1又は2に記載の立体形状保持パウチの製造方法。
  4. 内容物の充填圧を内圧として膨らませ、内容物を充填後に熱を加えて軟化させるようにした請求項1乃至3のいずれかの項に記載の立体形状保持パウチの製造方法。
  5. フィルムは、裏面がポリエチレンで表面がナイロンの積層構造であり、100℃の温度で軟化させる請求項1乃至4のいずれかの項に記載の立体形状保持パウチの製造方法。
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