JP5029414B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、特に、始動時の燃料噴射量の制御に関する。
始動時など過渡運転時には、エアフローメータではシリンダ吸入空気量を正しく検出できないため、特許文献1には、気筒毎の燃料噴射量演算時に吸気行程終了時(吸気弁閉時)の吸気圧を予測する際に、現在の機関回転速度から算出した時定数と、現在の吸気圧予測値から算出した体積効率を用いた技術が開示されている。
特開2002−201998号公報
特許文献1では、例えば、4気筒機関で、排気行程で燃料噴射する際に、吸入空気量に見合った燃料噴射量とするためには、2気筒分が吸気行程を行うことによって変化する吸気圧を予測する必要があるが、燃料噴射量演算タイミングでの吸気圧に基づく体積効率を用いるため、十分な精度を得られなかった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、各気筒の吸気行程終了時の吸気圧を高精度に予測し、該吸気圧予測値を用いて燃料噴射量を高精度に設定することを目的とする。
発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置であって、スロットル弁下流の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、スロットル弁下流の吸気温度を検出する吸気温度検出手段と、前記内燃機関の冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段と、燃料噴射を実施する気筒の排気行程中の所定の燃料噴射演算タイミングt1における吸気圧P1、吸気温度、冷却水温度及び始動後経過時間に基づいて、前記気筒が排気行程時に吸気行程となる他気筒の吸気行程終了時t2における前記他気筒の気筒内吸気温度Tcylを算出する気筒内吸気温度算出手段と、前記吸気圧P1及び前記気筒内吸気温度Tcylを用いて、前記他気筒の吸気行程終了時t2の吸気圧予測値P2を算出する第1予測手段と、前記吸気圧予測P2及び前記気筒内吸気温度Tcylを用いて、前記気筒の吸気行程終了時t3の吸気圧予測値P3を算出する第2予測手段と、前記吸気圧予測値P3に基づいて、前記気筒の燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成とすれば、各気筒の吸気行程により変化する吸気行程終了時の吸気圧を、前回の吸気圧予測値を用いて予測しつつ、燃料噴射量を演算する気筒の吸気行程終了時の吸気圧を高精度に予測することができ、該吸気圧予測値を用いて燃料噴射量を高精度に演算することができる。
図1は、本発明に係る燃料噴射制御装置を備えたエンジン(内燃機関)のシステム構成を示す。
直列4気筒のエンジン1の吸気通路2は、上流側から吸気を浄化するエアクリーナ3、吸気流量を質量流量で計測するエアフローメータ4、通路断面積を変化させて吸気流量を制御する電子制御式のスロットル弁5、コレクタ部6、各気筒の吸気ポート7、吸気バルブ15を備え、吸気は、該吸気通路2を通って各気筒のシリンダに流入する。
前記各気筒の吸気ポート7には、燃料噴射弁8が設けられ、該燃料噴射弁8は、エンジンコントロールユニット(以下ECUという)20からの制御信号によって駆動される。これにより、燃料噴射量が制御され、燃焼室内で吸入空気との混合気が、点火栓9により点火され燃焼する。
前記エアフローメータ4の他、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ10、スロットル弁5の開度を検出するスロットルセンサ11、エンジン水温を検出する水温センサ12、コレクタ部6内の吸気圧Pを検出する吸気圧センサ13、コレクタ部6内の吸気温度Tを検出する吸気温センサ14等を設け、これらのセンサ類で検出された信号を、前記ECU20に入力する。
そして、前記ECU20は、始動後の通常運転時は、前記エアフローメータ4で検出した吸入空気量と、前記回転速度センサ10で検出したエンジン回転速度とに基づいて、シリンダ吸入空気量(充填効率)を算出して、該充填効率に応じた燃料噴射量を算出し、前記燃料噴射弁8を駆動して燃料噴射制御している。
一方、始動時は、コレクタ部6内の空気が吸入されて吸気負圧が増大してから上流のエアフローメータ4で吸入空気量が検出されることになり、エアフローメータ4では検出遅れによってシリンダ吸入空気量を正しく検出できない。
そこで、始動時は、コレクタ部6内の圧力に基づいてシリンダ吸入空気量を推定し、この推定値に基づいて燃料噴射量を算出することで精度を確保する。
しかし、吸気ポートへの燃料噴射は、燃料の気化等を考慮して排気行程で開始するため、燃料噴射直前での燃料噴射量の演算タイミングとシリンダ吸入空気量が決定する吸気行程終了時(吸気弁閉時期)との間に吸気圧が大きく変化する。したがって、前記吸気圧センサ13で検出した吸気圧をそのまま用いてシリンダ吸入空気量を推定するのでは、吸気圧誤差による吸入空気量の推定誤差が大きい。
また、前記特許文献1のようにエンジン回転速度から算出した時定数を用いて吸気圧変化に応じたシリンダ吸入空気量を予測する方式としても、燃料噴射量を演算する当該気筒(自気筒)の該演算タイミングから吸気行程終了時期までの間に、4気筒機関でも他の1気筒と自気筒とで2回の吸気行程が行われるので、この間の吸気圧力変化に対して精度よくシリンダ吸入空気量を推定できない。
そこで、本実施形態では、燃料噴射量の演算タイミングから吸気行程終了までの間で、他の気筒による吸気行程終了時の吸気圧(第2の吸気圧)を、吸気圧検出値(第1の吸気圧)を用いて推定し、続く自気筒の吸気行程終了時の吸気圧(第3の吸気圧)を、前記第2の吸気圧推定値を用いて推定する構成とする。
図2は、排気行程開始時期に燃料噴射量を演算する場合の各気筒の吸気行程と、吸気圧力変化を示し、図3は、吸気行程終了毎の吸気圧推定と、吸気圧推定値に基づく燃料噴射量演算のメインフローを示す。
図3において、ステップS1では、燃料噴射量の演算タイミングtであるかを判定し、演算タイミングになったときに、ステップS2へ進む。
ステップS2では、現時点t(当該気筒の排気行程開始時期=別気筒の吸気行程開始時期)での吸気圧検出値Pを用いて、現時点tから初めに他の気筒の吸気行程が終了した時点tでの第2の吸気圧Pを推定する。
ステップS3では、前記推定した第2の吸気圧Pを用いて、燃料噴射量を演算している当該気筒の吸気行程が終了した時点tでの第3の吸気圧Pを推定する。
ステップS4では、前記推定した第3の吸気圧Pを用いて、当該気筒のシリンダ吸入空気量を算出し、該シリンダ吸入空気量に応じた燃料噴射量を算出する。
次に、前記ステップS2での第2の吸気圧Pの具体的な推定について説明する。
現時点(演算タイミング)tでのコレクタ容積Vcol(固定値)内の吸気の質量をM、吸気圧検出値をP、コレクタ内吸気温度をTcol、吸気のガス定数をR(固定値)とすると、状態方程式が、次式のように成立する。
・Vcol=M・R・Tcol・・・(1)
次に、現時点tから吸気行程が開始される気筒の吸気行程終了時tの状態方程式が、以下のように成立する。
からtまでの間に、スロットル弁5からコレクタ部6内に流入した吸気量は、単位時間当たりの質量流量dmと、現時点tでのエンジン回転速度Nから算出したtからtまでの時間τとの積dm・τとして求められる。
一方、吸気行程終了時の有効シリンダ容積は、シリンダ容積Vcyl(固定値)と、吸気圧P、エンジン回転速度N、吸気弁のバルブタイミングに基づいて算出した体積効率ηとの積Vcyl・ηとして算出される。
そして、前記現時点tでのコレクタ部6内の質量吸気量Mに、吸気行程中にコレクタ部6内に流入した質量吸気量dm・τを加算した全質量吸気量が、コレクタ部6と有効シリンダ容積とを加算した吸気系容積に均一に拡散したときの吸気圧を、前記吸気行程終了時の第2の吸気圧Pとして推定できる。
ここで、有効シリンダ容積は、シリンダ行程容積Vcylと体積効率ηとの積として求められるが、シリンダ内吸気温度Tcylがコレクタ部内温度Tcolに対して上昇するので、コレクタ部内温度Tcolに維持されたときの容積に換算するため、Tcol/Tcylを乗じて補正する。
したがって、時点tでの吸気系の状態方程式が、次式(2)のように成立する。
・(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)
=(M+dm・τ)・R・Tcol・・・(2)
(1)式と(2)式の比をとって
・(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)/(P・Vcol)=(M+dm・τ)/M・・・(3)

=P・[(M+dm・τ)/M]
・[Vcol/(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)]・・・(4)
ここで、コレクタ部6内の質量吸気量Mは、(1)式を変形した次式(5)により、検出値PとTcolを用いて算出できる。
=P・Vcol/(R・Tcol)・・・(5)
また、前記質量流量dmは、次式(6)で算出される。
ただし、Aは、スロットル弁の開口面積で、スロットル弁開度をマップで変換して求める。また、Pは、大気圧で簡易的には固定値(760mmHg)を用いればよいが、エンジン停止時やスロットル全開運転時に吸気圧センサ12で検出した吸気圧を用いると、精度を高めることができる。κは、吸気の比熱比(略空気の比熱比=1.41)である。
また、時間τ[秒]は、現時点tのエンジン回転速度Ne[rpm]に基づいて算出できる。具体的には、4気筒機関ではtからtまでのクランク角が180度=1/2回転なので、次式(7)により算出される。
τ=60/(2・Ne)=30/Ne・・・(7)
したがって、前記(4)式に、これら算出値M、dm、τを代入することにより、第2の吸気圧Pを推定できる。
図4は、上記ステップS2で第2の吸気圧Pを推定するサブフローを示す。
ステップS11では、(5)式に基づき現時点でのコレクタ部6内の質量吸気量Mを算出する。
ステップS12では、吸気圧P、エンジン回転速度N、吸気弁のバルブタイミング、冷却水温Twに基づいて体積効率ηを算出し、直前の気筒の吸気行程終了時点tでの有効シリンダ容積Vcyl(=Vcyl・η・Tcol/Tcyl)を算出する。
ここで、シリンダ内の吸気温度Tcylは、コレクタ部6の吸気温度Tcolを、始動時からの経過時間、冷却水温Tw、吸気圧Pで補正することにより、精度良く推定した値を用いる。
ステップS13では、tからtまでの間に、スロットル弁5からコレクタ部6内に流入した吸気量は、単位時間当たりの質量流量dmを、(6)式により算出する。
ステップS14では、tからtまで時間τを、現時点tのエンジン回転速度Ne[rpm]に基づいて、(7)式により算出する。
ステップS15では、上記のように算出した各値M、dm、V、P、τを用いて、(4)式により第2の吸気圧Pを算出する。
次に、前記ステップS3での第3の吸気圧Pの具体的な推定について説明する。
時点tにおいて、第1の吸気圧P(検出値)を用いて第2の吸気圧Pを推定したのと同様に、推定したtにおける第2の吸気圧Pを用いて、tにおける第3の吸気Pを推定できる。
すなわち、(4)式同様に、次式(8)が成立する。
=P・[(M+dm・τ)/M]・
[Vcol/(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)]・・・(8)
ここで、時点tでのコレクタ部6内の質量吸気量Mは、第2の吸気圧Pを用いたコレクタ部6内の状態方程式を変形した次式(9)により算出できる。
=P・Vcol/(R・Tcol)・・・(9)
また、(8)式において、dmは、(6)式において、Pに代えてPを用いた次式(10)により算出できる。
また、体積効率ηは、時点tでの吸気圧Pを用ると共に、時点tでのエンジン回転速度N、冷却水温Tw、吸気弁のバルブタイミングに基づいて、精度よく算出できる。
以上算出した各値を用いて、(8)式により、第3の吸気圧Pを推定できる。
図5は、上記ステップS3で第3の吸気圧Pを推定するサブフローを示す。
ステップS21では、第2の吸気圧Pを用い、(9)式に基づいて、時点tでのコレクタ部6内の質量吸気量Mを算出する。
ステップS22で、吸気圧P、エンジン回転速度N、吸気弁のバルブタイミング、冷却水温Twに基づいて体積効率ηを算出し、吸気行程終了時点t直前でのスロットル弁5下流の吸気系容積V(=Vcol+Vcyl・ηTcol/Tcyl)を算出する。
ステップS23では、tからtまでの間に、スロットル弁5からコレクタ部6内に流入した単位時間当たりの質量流量dmを、(10)式により算出する。
ステップS24では、上記のように算出した各値M、dm、V、P、τを用いて、(8)式により第3の吸気圧Pを算出する。
そして、ステップS24において、第3の吸気圧Pを用いたシリンダ吸入空気量mcylを、次式(12)により算出する。
mcyl=P・Vcyl・η/(R・T)・・・(11)
燃料噴射量fcylは、燃空比F/Aを用いて、次式(12)により算出できる。
fcyl=mcyl・F/A・・・(12)
このようにすれば、排気行程開始時に燃料噴射量を演算する気筒の吸気行程終了時の吸気圧を高精度に予測することができ、該吸気圧予測値を用いて燃料噴射量を高精度に演算することができる。
次に、燃料噴射量の演算タイミングが排気行程の途中である場合の実施形態について説明する。燃料噴射の終了時期を固定した場合、燃料噴射量が減少すると燃料噴射開始時期は、排気行程の上死点から遅角側に設定される。
図6は、排気行程の途中で燃料噴射量を演算する場合の各気筒の吸気行程と、吸気圧力変化を示す。
この場合は、演算タイミングt’で第2の吸気圧Pを推定する際に、自気筒の排気上死点からt’までの間に、他の気筒での吸気行程が開始されているので、t’でのスロットル弁下流の吸気系容積が以下のように算出される。
前記排気上死点からtまでの間の吸気行程気筒における有効シリンダ容積を、シリンダ膨張容積Vcylに、吸気圧P、エンジン回転速度N、吸気弁のバルブタイミングに基づいて算出した体積効率ηと、Tcol/Tcylとを乗じてVcyl・η・Tcol/Tcylとして算出する。なお、シリンダ膨張容積Vcylは、演算タイミングt’におけるピストン位置によって定まり、燃料噴射量に応じてt’が可変に設定される場合は、t’に応じたデータを記憶したマップからの検索などによって求めることができる。
したがって、時点t’でのスロットル弁下流の吸気系容積は、Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcylとなり、該吸気系容積内の質量吸気量をM’とすると、次式(13)が成立する。
・(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)=M’・R・Tcol・・・(13)
次に、時点t’〜tまでの時間τ’に吸気系内に流入した質量吸気量dm・τ’を加算した全質量吸気量が、時点tで全吸気系容積に均一に拡散したときの吸気圧を、前記吸気行程終了時の第2の吸気圧Pとして推定できる。
ここで、演算タイミングt1'が、排気行程開始時期(排気死点)から所定量θ遅角した時期に設定される場合、t1'からt2までの時間τ'[秒]は、次式(14)で算出できる。
τ’=τ・(180−θ)/180
[=(30/Ne)・(180−θ)/180]・・・(14)
したがって、時点tでの、吸気系の状態方程式が、次式のように成立する。
・(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)
=[M’+dm・τ・(180−θ)/180]・R・Tcol・・・(15)
(14)式と(15)式より求めた次式(16)により、第2の吸気圧Pを算出することができる。
=P・[(M’+dm・τ・(180−θ)/180)/M’]
・[(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)
/(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)]・・・(16)
なお、吸気系容積内の質量吸気量M’は、(13)式を変形した次式(17)により、算出される。
’=P・(Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl)/(R・Tcol)・・・(17)
図7は、第2の吸気圧Pを算出するフローを示す。
ステップS31では、吸気圧P、エンジン回転速度N、吸気弁のバルブタイミング、冷却水温Twに基づいて体積効率ηを算出する。
ステップS32では、自気筒の排気上死点からt’までの吸気行程開始気筒におけるシリンダ膨張容積Vcylを算出する。
ステップS33では、時点t’における有効シリンダ容積Vを、次式(18)により算出する。
=Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl・・・(18)
ステップS34では、時点tにおける吸気系容積V内の質量吸気量M’を、前記(17)式により算出する。
ステップS35では、t’からtまでの間に、スロットル弁5からコレクタ部6内に流入した単位時間当たりの質量流量dmを、前記(6)式により算出する。
ステップS36では、tからtまで時間τ’を、前記(14)式により算出する。
ステップS37では、吸気圧P、エンジン回転速度N、吸気弁のバルブタイミング、冷却水温Twに基づいて体積効率ηを算出して、直前の気筒の吸気行程終了時点tでのスロットル弁5下流の吸気系容積Vを、次式(19)により算出する。
=Vcol+Vcyl・η・Tcol/Tcyl・・・(19)
ステップS38では、上記のように検出および算出した各値P、M’、dm、V、V、τを用いて、(16)式により第2の吸気圧Pを算出する。
第3の吸気圧Pは、図5同様のフローにしたがい、前記(9)式での算出値Mを用いて(8)式と同一の次式(20)式で算出できる。
=P・[(M+dm・τ)/M]・[Vcol/(Vcol+Vcyl・η)]・・・(20)
このようにすれば、各気筒の排気行程の途中で燃料噴射量を演算する場合でも、吸気行程終了時の吸気圧を高精度に予測しつつ、該吸気圧予測値を用いて燃料噴射量を高精度に演算することができる。
図8は、6気筒エンジンに適用した実施形態の各気筒の吸気行程と、吸気圧力変化を示す。
本実施形態では、排気行程上死点での燃料噴射量演算タイミングtから、自気筒の吸気行程終了までの間に、自気筒を含めて計3回の吸気行程が行われる。
6気筒エンジンでは、気筒間の行程位相差がクランク角120°であり、演算タイミングtから120°の時点tで他の第1気筒の吸気行程が終了し、tから120°の時点tで他の第2気筒の吸気行程が終了し、tから120°の時点tで自気筒の吸気行程が終了する。
そこで、図9のメインフローに示すように、初めにtでの吸気圧検出値Pを用いてtでの第2の吸気圧Pを推定した後、該第2の吸気圧Pを用いて、tでの第3の吸気圧Pを推定し、該第3の吸気圧Pを用いて、自気筒の吸気行程終了時tにおける第4の吸気圧Pを推定し、この第4の吸気圧Pを用いて、燃料噴射量を演算する。
なお、120°の間に2つの気筒の吸気行程が60°オーバーラップするが、2気筒のシリンダ吸気量を合わせると1気筒の吸気行程分のシリンダ吸気量となるので、各時点での吸気圧の推定は、4気筒の場合と同様に行うことができる。
第2及び第3の吸気圧P、Pの推定のフローは、図4,5と同様であり、第4の吸気圧Pの推定は、図10に示すとおりである。
また、6気筒エンジンで自気筒の排気行程途中に燃料噴射量演算タイミングt’がある場合は、第2の吸気圧Pを推定する際に、自気筒の排気上死点が、吸気行程途中にある他気筒の吸気行程開始から60°になっているので、そこからt’までの該他気筒におけるシリンダ膨張容積を算出すれば、第2の実施形態と同様に実施できる。
図示しないが、8気筒エンジンに適用した場合は、排気行程での燃料噴射量演算タイミングから、自気筒の吸気行程終了までの間に、自気筒を含めて計4回の吸気行程が行われる。したがって、上記度同様に、第4の吸気圧Pまでを推定した後、さらに、第4の吸気圧Pを用いて、自気筒の吸気行程終了時における第5の吸気圧Pを推定し、この第5の吸気圧Pを用いて、燃料噴射量を演算する。
このように、気筒数が増えても、同様に始動時に各気筒の吸気行程終了時の吸気圧を高精度に予測しつつ、該吸気圧予測値を用いて燃料噴射量を高精度に演算することができる。
また、以上の実施形態では、吸気ポートに燃料噴射する機関について示したが、燃焼室内に直接噴射する燃料噴射弁を備えた機関でも、始動時の均質燃焼時に吸気行程終了近傍で燃料噴射し、その燃料噴射量をその前の排気行程で演算するような場合は、同様に適用できる。
本発明の実施形態に係る燃料噴射制御装置のシステム構成を示す平面図。 第1実施形態における各気筒の吸気行程と、吸気圧力変化を示すタイムチャート。 第1実施形態における燃料噴射制御のメインフローを示すフローチャート。 第1実施形態における第2の吸気圧を予測するサブフローを示すフローチャート。 第1実施形態における第3の吸気圧を予測するサブフローを示すフローチャート。 第2実施形態における各気筒の吸気行程と、吸気圧力変化を示すタイムチャート。 第2実施形態における第2の吸気圧を予測するサブフローを示すフローチャート。 第3実施形態における各気筒の吸気行程と、吸気圧力変化を示すタイムチャート。 第3実施形態における燃料噴射制御のメインフローを示すフローチャート。 第3実施形態における第4の吸気圧を予測するサブフローを示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン、
2 吸気通路
4 エアフローメータ
5 スロットル弁
6 コレクタ部
8 燃料噴射弁
10 回転速度センサ
12 水温センサ
13 吸気圧センサ
14 吸気温センサ
20 エンジンコントロールユニット(ECU)

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    スロットル弁下流の吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
    スロットル弁下流の吸気温度を検出する吸気温度検出手段と、
    前記内燃機関の冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    燃料噴射を実施する気筒の排気行程中の所定の燃料噴射演算タイミングt1における吸気圧P1、吸気温度、冷却水温度及び始動後経過時間に基づいて、前記気筒が排気行程時に吸気行程となる他気筒の吸気行程終了時t2における前記他気筒の気筒内吸気温度Tcylを算出する気筒内吸気温度算出手段と、
    前記吸気圧P1及び前記気筒内吸気温度Tcylを用いて、前記他気筒の吸気行程終了時t2の吸気圧予測値P2を算出する第1予測手段と、
    前記吸気圧予測P2及び前記気筒内吸気温度Tcylを用いて、前記気筒の吸気行程終了時t3の吸気圧予測値P3を算出する第2予測手段と、
    前記吸気圧予測値P3に基づいて、前記気筒の燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記第1予測手段は、
    前記吸気圧P1に基づいて、前記他気筒の吸気行程終了時t2における体積効率η1を算出し、
    前記気筒内吸気温度Tcyl及び前記体積効率η1に基づいて、前記他気筒の吸気行程終了時t2におけるスロットル弁下流の吸気系容積V2を算出し、
    前記吸気系容積V2と前記吸気圧P1とを吸気系の状態方程式に用いて、前記吸気圧予測値P2を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記第1予測手段は、
    吸気圧P1と、前記燃料噴射演算タイミングt1における回転速度、冷却水温及び吸気弁のバルブタイミングに基づいて、前記体積効率η1を算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記第1予測手段は、
    前記吸気圧予測値P2を、次式によって算出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
    2=P1・[(M1+dm1・τ)/M1]・[Vcol/ 2 ]

    但し
    2 =(Vcol+Vcyl・η1・Tcol/Tcyl):t 2 におけるスロットル弁下流の吸気系容積
    1:t1が、燃料噴射量が演算される気筒の排気死点のときは、t1でのコレクタ部内の質量吸気量、t1が排気行程途中のときは、t1でのスロットル弁下流の吸気系容積における質量吸気量
    dm1:次式で算出されるt1〜t2の間の単位時間当たりの質量吸気流量
    0:大気圧
    τ1:t1からt2までの時間
    κ:吸気の比熱比
    Vcol:コレクタ部容積
    Vcyl:筒内行程容積
    Tcol:コレクタ部内吸気温度
  5. 前記コレクタ部内の質量吸気量 1 を、次式によって算出することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
    1=P1・Vcol/(R・Tcol)
    R:吸気のガス定数
  6. 前記第2予測手段は、
    前記吸気圧予測値P2に基づいて、前記気筒の吸気行程終了時t3における体積効率η2を算出し、
    前記気筒内吸気温度Tcyl及び前記体積効率η2に基づいて、前記気筒の吸気行程終了時t3におけるスロットル弁下流の吸気系容積V3を算出し、
    前記スロットル弁下流の吸気系容積V3と前記吸気圧予測値P2とを吸気系の状態方程式に用いて、前記吸気圧予測値P3を算出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記第2予測手段は、
    前記吸気圧予測値P2と、前記燃料噴射演算タイミングt1における回転速度、冷却水温及び吸気弁のバルブタイミングと、に基づいて、前記体積効率η2を算出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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