JP3629752B2 - 内燃機関の吸・排気系圧力推定装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の吸気系の圧力を推定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関の吸気系圧力の検出方式としては、圧力を直接検出する手段を設けたり、該圧力検出手段の他に吸入空気流量を検出する手段を設けて、検出された吸気系の圧力を吸入空気流量の検出値で補正するなどして検出していた (特開昭58−35255号公報等参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の吸気圧力検出方式にあっては、吸入空気流量を検出しないものでは大気圧等の環境変化に対する空燃比の最適化ができなかった。また、吸入空気流量と吸気圧力とを検出するものでは、センサの取付け数の増大によるコスト増加を招いていた。
【0004】
また過給機付機関の場合は、オイル劣化等による過給機の作動特性の変化により過渡運転時の最適化ができないという問題が判明した。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもので、吸気系の圧力を直接検出することなく、高精度に推定できるようにした内燃機関の吸気系圧力推定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明は図1に実線で示すように、
機関に吸入される空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、
機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
検出された機関の吸入空気流量と、回転速度と、体積効率相当値と、容積比 ( 吸気系の総容積に対するシリンダ容積の比 ) と、を含む要素に基づいてシリンダに吸入される空気量を演算するシリンダ吸入空気量演算手段と、前記演算されたシリンダ吸入空気量と、体積効率相当値と、前記容積比と、を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算する吸気系圧力演算手段と、前記体積効率相当値を、機関運転開始時に初期値に設定し、その後は演算された吸気系圧力と検出された機関回転速度とを含む要素に基づいて演算した値で更新していく体積効率相当値演算手段と、を含む吸気系圧力推定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る発明は図1に鎖線で示すように、
内燃機関が排気還流(EGR)装置を備えており、
前記吸気系圧力推定手段は、吸気系に吸入されるEGR流量を演算するEGR流量演算手段と、
演算されたEGR流量と、機関の回転速度と、体積効率相当値と、容積比(吸気系の総容積に対するシリンダ容積の比)と、を含む要素に基づいてシリンダに吸入されるEGR量を演算するシリンダ吸入EGR量演算手段と、
を含んでおり、
前記吸気系圧力演算手段は、演算されたシリンダ吸入EGR量を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る発明は、
前記吸気系圧力演算手段は、次式により吸気圧力を演算することを特徴とする。
Pm=R/Kvol/Kin× (Qac×Ta+Qec×Te)
Pm:吸気圧力Kvol:1シリンダ容積/吸気系容積
Qac:1シリンダ当りの吸入空気量
Qec:1シリンダ当りの還流排気量
Ta:吸気温度
Te:還流排気温度
R,Kpm,Opm:定数
なお、図2は、本願発明に係るものではないが、機関に吸入される空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、検出された機関の吸入空気流量と回転速度とを含む要素に基づいて排気系圧力を推定する排気系圧力推定手段と、を含んで構成される排気系圧力推定装置の構成を参考に付す。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、
前記排気系圧力演算手段が、次式により排気系圧力を演算することを特徴とする。
Pexh=(Qexh−Qe)×Texh×Ne×Kpexh+Opexh
Pexh:排気系圧力
Texh:排気温度
Qe:吸気系へのEGR流量
Ne:機関回転速度
Kpexh,Opexh:定数
【0011】
【作用】
請求項1に係る発明によれば、
吸入空気流量検出手段で検出された機関の吸入空気流量と回転速度検出手段で検出された機関回転速度とに基づいてシリンダ吸入空気量演算手段が、逐次シリンダ容積当りの空気量を求めつつ、体積効率相当値と容積比とに基づいてシリンダに吸入される空気量を演算する。
吸気系圧力演算手段は、シリンダ吸入空気量と、体積効率相当値と、前記容積比と、を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算する。
【0013】
また、体積効率相当値は、機関の運転開始時は大気圧により決定されるが、運転後は吸気系の圧力や機関回転速度によって変化するので、逐次演算された吸気系圧力,機関回転速度に基づいて演算更新する。
それによって新たに演算される吸気系圧力の精度も向上する。
また、請求項2に係る発明によれば、
EGR制御を行う場合に、EGR流量演算手段で吸気系へのEGR流量を演算し、シリンダ吸入EGR量演算手段が該EGR流量と機関の回転速度と、体積効率相当値と、容積比とに基づいてシリンダに吸入されるEGR量を演算する。
【0014】
そして、吸気系圧力演算手段は、該シリンダ吸入EGR量を考慮することにより、吸気系圧力を精度よく演算することができる。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図に基づいて説明する。一実施例の全体構成を示す図4において、過給機1は、エアフィルタ2でダストを除去されて吸気通路3に吸入された空気を吸気コンプレッサ1Aにより圧縮過給して下流側の吸気マニホールド4へ送り込む。
【0018】
一方、機関5の燃焼室に装着された燃料噴射ノズル6には、噴射ポンプ7から各気筒に分配して燃料が圧送供給され、該燃料噴射ノズル6から燃焼室に向けて燃料が噴射され、該噴射された燃料は圧縮行程末期に着火して燃焼される。
また、排気マニホールド8と吸気マニホールド4とを結んでEGR制御弁9を介装したEGR通路10が接続されると共に、前記吸気通路3の吸気コンプレッサ1Aの上流側にEGR制御時に吸気を絞って排気圧と吸気圧との差圧を拡大してEGRしやすくするためのスロットル弁31が介装され、主としてアイドル時や低負荷時に排気改善,騒音対策のために前記スロットル弁31を絞ると同時にEGR制御弁9の開度を制御してEGR制御を行う。具体的には、バキュームポンプ11からの負圧を電磁弁32を介してダイアフラム装置33に導いて前記絞り弁31を絞ると同時に、前記負圧をデューティ制御される電磁弁12で大気との希釈割合を制御することによって前記EGR制御弁9の圧力室に導かれる圧力を制御し、もって開度を制御することによりEGR率を制御している。これらEGR率や燃料噴射制御は、コントロールユニット13により行われる。
【0019】
前記EGR制御弁9には、弁体のリフト量を検出するリフトセンサ34が設置されている。
燃焼後の排気は、排気マニホールド8より前記過給機1の排気タービン1Bを回転駆動させた後、排気中に含まれるパーティキュレート (排気微粒子) 等がフィルタ14で捕集され、マフラー15で消音された後に大気中に放出される。
【0020】
前記過給機1の吸気コンプレッサ1A上流の吸気通路3には、吸入空気流量を検出するエアフローメータ16が設けられ、また、機関回転速度Neを検出する回転速度センサ17、前記燃料噴射ポンプ7のコントロールレバー開度を検出するレバー開度センサ18、水温を検出する水温センサ19等が設けられ、これらの検出値に基づいて吸気系圧力,排気系圧力を検出しつつシリンダ吸入空気量に見合った燃料の許容最大噴射量が後述するようにして設定される。
【0021】
以下、コントロールユニット13による各種演算について説明する。
まず、吸気系圧力 (以下吸気圧という) Pmの演算のルーチンを、図4のフローチャートに従って説明する。尚、このルーチンが吸気系圧力演算手段に相当する。
ステップ (図ではSと記す。以下同様) 1では、それぞれ後述する別ルーチンで演算された1シリンダ当りの吸入空気量Qac,1シリンダ当りの吸入EGR量Qec,吸気温度Ta,EGR温度Te,体積効率相当値Kinを入力する。
【0022】
ステップ2では、ステップ1で入力した各値と、予め分かっている容積比 (1シリンダ当りの容積/吸気系のコレクタ容積) Kvolと、に基づいて次式により吸気圧Pmを演算する。
Pm=R/Kvol/Kin× (Qac×Ta+Qec×Te)
次に、排気系圧力 (EGR取出口の圧力,以下排気圧という) Pexhの演算のルーチンを、図5のフローチャートに従って説明する。尚、このルーチンが排気系圧力演算手段に相当する。
【0023】
ステップ11では、それぞれ後述する別ルーチンで演算された1シリンダから排出される排気量Qexhと、1シリンダ当りの吸入EGR量Qec,排気温度Texh,機関回転速度Neを入力する。
ステップ12では、ステップ11で入力した各値と、定数Kpexh,Opexhと、に基づいて次式により排気圧力Pexhを演算する。
【0024】
Pexh= (Qexh−Qe) ×Texh×Ne×Kpexh+Opexh
図6は、1シリンダ当りの吸入空気量 (以下シリンダ吸入空気量という) Qacを演算するフローチャートを示す。尚、このルーチンがシリンダ吸入空気量演算手段を構成する。
ステップ21では、前記エアフローメータ16による吸入空気流量の出力値 (電圧) Q0 を読み込む。
【0025】
ステップ22では、前記出力値Q0 から変換テーブルにより吸入空気流量Qasmを求める。
ステップ23では、前記吸入空気流量Qasmに対して加重平均処理を行ってQas0を求める。
ステップ24では、回転速度センサ17により検出される機関回転速度Neを読み込む。
【0026】
ステップ25では、前記吸入空気流量の加重平均値Qas0と機関回転速度Neと定数Kcとから次式により、エアフローメータ16で検出された吸入空気流量に対するシリンダ吸入空気量Qac0を演算する。
Qac0=Qas0/Ne×Kc
ステップ26では、前記シリンダ当りの吸入空気量Qac0のn回演算分のディレイ処理を行い、吸気コレクタ入口部の吸入空気量Qacnを演算する。具体的には、最新から過去n回前までのQac0を記憶しておき、n回前のQac0値をQacnとして取り出す。
【0027】
ステップ27では、定数Kvolと、体積効率相当値Kinとを用いて次式によりシリンダ当りの吸入空気量Qacを演算する。
Qac=Qacn−1 × (1−Kvol×Kin) +Qacn×Kvol×Kin
このようにして、シリンダ当りの吸入空気量Qacを精度良く求めることができる。
【0028】
次にEGR制御時にシリンダ当りの吸入EGR量を演算するルーチンを、図7のフローチャートに従って説明する。尚、このルーチンがシリンダ吸入EGR量演算手段を構成する。
ステップ31では、後述するルーチンによって演算される吸気系へのEGR流量Qeを入力する。
【0029】
ステップ32では、機関回転速度Neを読み込む。
ステップ33では、前記EGR量Qeと機関回転速度Neとから、吸気コレクタ部へ吸入されるシリンダ容積当りのEGR量Qecnを演算する。
ステップ34では、定数Kvolと、体積効率相当値Kinとを用いて次式によりシリンダに吸入されるシリンダEGR量Qecを演算する。
【0030】
Qec=Qecn−1 × (1−Kvol×Kin) +Qecn×Kvol×Kin
図8は、吸入空気 (EGRガスを含まない新気) の温度Taを演算するルーチンのフローチャートである。尚、この処理は、吸気温度を直接検出するセンサを有する場合は、不要である。
【0031】
ステップ41では、前回求められた吸気圧力Pmn−1 を入力する。
ステップ42では、次式により断熱変化の関係から吸入空気温度Taを演算する。
Ta=TA♯× (Pmn−1 /PA♯)(K−1)/K +TOFF♯
ここで、TA♯,PA♯は標準状態の温度,圧力であり、TOFF♯は大気から吸気コレクタに空気が入るまでの温度上昇分であるが、これらの値を水温等に応じて補正してもよい。
【0032】
図9は、EGRガスの吸気コレクタへの導入口における温度Teを演算するルーチンのフローチャートである。
ステップ52では、後述するルーチンで求められた排気温度Texhを入力する。
ステップ53では、次式によりEGR温度Teを演算する。
【0033】
Te=Texh×KTLOS♯
KTLOS♯は、EGR通路によるEGRの温度低下係数である。
図10は体積効率相当値Kinを演算するルーチンのフローチャートである。尚、このルーチンが体積効率相当値演算手段を構成する。
ステップ61では、前回求められた吸気圧Pmn−1 を入力する。
【0034】
ステップ62では、前記吸気圧Pmn−1 から、図11に示すようなテーブルを用いて圧力補正係数Kinpを演算する。
ステップ63では、機関回転速度Neから、図12に示すようなテーブルを用いて回転補正係数Kinnを演算する。
ステップ64では、前記圧力補正係数Kinp及び回転補正係数Kinnを用いて、体積効率Kinを次式により演算する。
【0035】
Kin=Kinp×Kinn
図13はEGR出口部の排気温度Texhを演算するルーチンのフローチャートである。尚、この処理は、排気温度を直接検出するセンサを有する場合は、不要である。
ステップ71では、吸気行程で燃料が噴射されてから排気行程までのサイクル遅れ分遡って噴射された燃料噴射量Qfoを入力する。
【0036】
ステップ72では、前記同様のサイクル遅れ分遡って演算された吸気温度Tnoを入力する。
ステップ73では、前記図5で演算された排気圧力Pexhn−1 を入力する。
ステップ74では、前記サイクル遅れ燃料噴射量Qfoから図14に示すようなテーブルから基本排気温度Texhbを検索する。
【0037】
ステップ75では、前記吸気温度Tnoから次式により吸気温度補正係数Ktehxh1を演算する。
Ktexh1= (Tno/TA♯)KN
吸気温度補正係数Ktehxh1は、上記のように標準温度に対する吸気温度の比のKN乗として求められるものであり、吸気温度上昇による排気温度の上昇割合を示すものである。
【0038】
ステップ76では、前記排気圧力Pexhn−1 から断熱変化の関係により排気圧力上昇による排気温度上昇割合である温度上昇補正係数Ktexh2を演算する。
Ktexh2= (Pnehxn−1 /PA♯)(Ke−1)/Ke
ステップ77では、前記基本排気温度Texhb,吸気温度補正係数Ktexh1,温度上昇補正係数Ktehxh2により、次式により排気温度Texhを次式により演算する。
【0039】
Texh=Texhb×Ktexh1×Ktexh2
図15は、EGR流量Qeを演算するルーチンのフローチャートである。尚、このルーチンがEGR流量演算手段を構成する。
ステップ81では、吸気圧Pm,排気圧Pexh,EGR制御弁の実リフト量Liftsを入力する。
【0040】
ステップ82では、前記実リフト量LiftsからEGR通路の開口面積AVeを例えば図16に示したようなテーブルから検索する。
ステップ83では、次式によりEGR流量Qeを演算する。
Qe=Ave× (Pexh−Pm) 1/2 ×KR♯
ここで、KR♯は定数で、前後差圧ΔPにおける流速qの式q= (ΔP・2ρ) 1/2 から略 (2ρ) 1/2 に等しい値である (但し、ρは排気の密度) 。
【0041】
図17はシリンダ吸入空気量,燃料噴射量,シリンダ吸気温度のサイクル処理ルーチンのフローチャートを示す。
ステップ91では、シリンダ吸入空気量Qac,燃料噴射量Qsol,シリンダ吸気温度Tnを入力する。尚、シリンダ吸気温度Tnは例えば次式により演算することができる。
【0042】
(Qac×Ta+Qec×Te) / (Qac+Qec)
ステップ92では、前記Qac,Qsol,Tnにサイクル処理を施す。排気行程との位相合わせのため、吸気行程におけるQac,Tnについてはシリンダ数から1を引いた分、圧縮行程におけるQsolについてはシリンダ数から2を引いた分のディレイ処理を行い、夫々Qexh,Tno,Qfoとし処理を終了する。
【0043】
図18,図20,図21は、実際のEGR制御のフローチャートを示したものである。
図18は、EGR制御弁の指令リフト量Lifttを演算するルーチンのフローチャートである。
ステップ101 では、吸気圧Pm,排気圧Pexh,要求EGR量Tqeを入力する。
【0044】
ステップ102 では、次式によりEGR制御弁の要求流路面積Tavを演算する。ここで、KR♯は前記図15のステップ83で用いたものである。
ステップ103 では、前記Tavより例えば図19に示したような流路面積とリフト量との関係を示すテーブルから目標リフト量Mliftを演算する。
ステップ104 では、前記目標リフト量Mliftに弁の作動遅れ分の進み処理を行い、その値を指令リフト量Lifttとして出力する。
【0045】
図20は、要求EGR量Tqeを演算するフローチャートである。
ステップ111 では、機関回転速度Ne, 目標EGR率Megr, シリンダ吸入空気量Qacを入力する。
ステップ112 では、シリンダ吸入空気量Qacに目標EGR率Megrを乗じることにより吸気コレクタへの目標EGR流量Tqec0を求める。
【0046】
ステップ113 では、前記吸入EGR量Tqec0に吸気系容積分の進み処理を進み処理を行い、シリンダへの目標EGR流量Tqecを求める。
ステップ114 では、前記目標EGR流量Tqecと機関回転速度Neと定数KCON♯からシリンダ当りの要求EGR量Tqeを求める。
図21は、前記目標EGR率Megrを演算するルーチンのフローチャートである。
【0047】
ステップ121 では、機関回転速度Ne, 燃料噴射量Qsolを入力する。
ステップ122 では、機関回転速度Neと負荷の代表値である燃料噴射量Qsolとに基づいて、例えば図22に示すようなテーブルから目標EGR率Megrを検索する。
図23は、燃料噴射量Qsolを演算するルーチンのフローチャートである。
【0048】
ステップ131 では、機関回転速度Ne及びコントロールレバー開度CLを読み込む。
ステップ132 では、機関回転速度Neとコントロールレバー開度CLとから基本燃料噴射量Mqdrvを、例えば図24に示すようなテーブルから検索する。
ステップ133 では、前記基本燃料噴射量Mqdrvを水温等の各種補正係数によって補正してQsollを求める。
【0049】
ステップ134 では、最大燃料噴射量の制限を行い、Qsolとして出力する。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように請求項1に係る発明によれば、
機関の吸入空気流量と機関回転速度との関係から吸気系圧力を推定できる。また、体積効率相当値を更新しつつシリンダ吸入空気量と、体積効率相当値と、前記容積比と、を含む要素に基づいて吸気系圧力を精度良く演算できる。
【0051】
また、請求項2に係る発明によれば、
EGR制御を行う場合に、シリンダに吸入されるEGR量を演算し、該シリンダ吸入EGR量を考慮することにより、吸気系圧力を精度よく演算することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、前記演算式に基づいて、シリンダ内の総ガス量(空気とEGRガス)と体積効率,容積比等から吸気系圧力を、精度良く演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜請求項3に係る発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】排気系圧力推定装置の構成・機能を参考に示すブロック図
【図3】本発明の一実施例のシステム構成を示す図。
【図4】同上実施例の吸気系圧力を演算するルーチンのフローチャート。
【図5】同じく排気系圧力を演算するルーチンのフローチャート。
【図6】同じくシリンダ吸入空気量を演算するルーチンのフローチャート。
【図7】同じくシリンダ吸入EGR量を演算するルーチンのフローチャート。
【図8】同じく吸入空気温度を演算するルーチンのフローチャート。
【図9】同じくEGR温度を演算するルーチンのフローチャート。
【図10】同じく体積効率相当値を演算するルーチンのフローチャート。
【図11】前記体積効率相当値の演算に使用する圧力補正テーブル。
【図12】同じく回転補正テーブル。
【図13】同じく排気温度を演算するルーチンのフローチャート。
【図14】前記排気温度の演算に使用する基本排気温度のテーブル。
【図15】同じくEGR流量を演算するルーチンのフローチャート。
【図16】前記EGR流量演算に使用する弁リフト流路面積特性テーブル。
【図17】同じく各値のサイクル処理ルーチンを示すフローチャート。
【図18】同じく指令EGR弁リフト量を演算するルーチンのフローチャート。
【図19】前記指令EGR弁リフト量の演算に使用する流路面積リフト特性テーブル。
【図20】同じく要求EGR量を演算するルーチンのフローチャート。
【図21】同じく目標EGR率を演算するルーチンのフローチャート。
【図22】前記目標EGR率の演算に使用する目標EGR率マップテーブル。
【図23】同じく燃料噴射量を演算するルーチンのフローチャート。
【図24】前記燃料噴射量の演算に使用する燃料噴射量マップテーブル。
【符号の説明】
5 ディーゼル機関
6 燃料噴射ノズル
7 燃料噴射ポンプ
11 バキュームポンプ
13 コントロールユニット
16 エアフローメータ
17 回転速度センサ
18 レバー開度センサ
19 水温センサ
31 スロットル弁
34 リフトセンサ
Claims (3)
- 機関に吸入される空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、
機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
検出された機関の吸入空気流量と、回転速度と、体積効率相当値と、容積比 (吸気系の総容積に対するシリンダ容積の比)と、を含む要素に基づいてシリンダに吸入される空気量を演算するシリンダ吸入空気量演算手段と、前記演算されたシリンダ吸入空気量と、体積効率相当値と、前記容積比と、を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算する吸気系圧力演算手段と、前記体積効率相当値を、機関運転開始時に初期値に設定し、その後は演算された吸気系圧力と検出された機関回転速度とを含む要素に基づいて演算した値で更新していく体積効率相当値演算手段と、を含む吸気系圧力推定手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の吸気系圧力推定装置。 - 内燃機関が排気還流(EGR)装置を備えており、
前記吸気系圧力推定手段は、吸気系に吸入されるEGR流量を演算するEGR流量演算手段と、
演算されたEGR流量と、機関の回転速度と、体積効率相当値と、容積比(吸気系の総容積に対するシリンダ容積の比)と、を含む要素に基づいてシリンダに吸入されるEGR量を演算するシリンダ吸入EGR量演算手段と、
を含んでおり、
前記吸気系圧力演算手段は、演算されたシリンダ吸入EGR量を含む要素に基づいて吸気系圧力を演算することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気系圧力推定装置。 - 前記吸気系圧力演算手段は、次式により吸気圧力を演算することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気圧力推定装置。
Pm=R/Kvol/Kin× (Qac×Ta+Qec×Te)
Pm:吸気圧力Kvol:1シリンダ容積/吸気系容積
Qac:1シリンダ当りの吸入空気量
Qec:1シリンダ当りの還流排気量
Ta:吸気温度
Te:還流排気温度
R,Kpm,Opm:定数
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