以下に、本発明による移動通信端末装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係わる移動通信端末装置の構成を示すブロック図である。この移動通信端末装置は、通信系処理部10と、UI(User Interface)系処理部20とからなる。通信系処理部10は通信制御部11を含み、UI系処理部20はUI制御部21を含む。そして、通信制御部11と、UI制御部21とは接続されている。
図2は、通信系処理部10の構成を示すブロック図である。この通信系処理部10は、通信系処理部10全体の制御を行い、UI制御部21と接続される通信制御部11と、基地局(図示せず)との間で電波の送受を行うアンテナ12aと、通信部12bと、送受信部13と、受話音声発生用のスピーカ14aと、送話音声入力用のマイクロフォン14bと、通話部14cと、間欠受信部15と、電波品質レベル決定部16と、電波品質データ記憶部17とを備える。電波品質データ記憶部17には、電波品質履歴17aと、品質レベル閾値17bと、品質レベル履歴17cとが記憶される。
更に、この通信系処理部10は、通信系CPU10−2と、電源処理部10−3とを備える。そして、通信制御部11と、間欠受信部15と、電波品質レベル決定部16と、電源処理部10−3とは、通信系CPU10−2を利用するプログラムによって構成される。これらの通信系CPU10−2を利用する各部が動作しない場合、通信系CPU10−2は、動作を停止する。そして、これらの各部が動作を開始する際、通信系CPU10−2は、起動されて動作を開始する。
電源処理部10−3は、UI系処理部20を構成する各部を含む装置の各部であって、動作している各部がある場合、動作している各部へ充電地(図示せず)に蓄えられた電力を供給する制御を行う。このため、UI系処理部20を構成する各部が動作する場合、通信系処理部10を構成する各部が動作しない場合であっても、電源処理部10−3は動作し、そのために、通信系CPU10−2は動作する。また、電源処理部10−3は、充電器(図示せず)が装置に接続された場合、充電器から供給される電力によって充電池を適切に充電する制御を行う。
図3は、UI系処理部20の構成を示すブロック図である。このUI系処理部20は、UI系処理部20全体の制御を行い、通信制御部11と接続されるUI制御部21と、表示部22と、フレームバッファ22aと、入力装置23と、LED(Light Emitting Diode)部24と、電波品質ピクト選択部25と、電波品質ピクト記憶部26と、時刻アラーム部27とを備える。電波品質ピクト記憶部26には、電波品質ピクト26aが記憶される。
更に、このUI系処理部20は、UI系CPU20−2を備え、UI制御部21と、電波品質ピクト選択部25と、時刻アラーム部27とは、UI系CPU20−2を利用するプログラムによって構成される。これらのUI系CPU20−2を利用する各部が動作しない場合、UI系CPU20−2は、動作を停止する。そして、これらの各部が動作を開始する際、UI系CPU20−2は、起動されて動作を開始する。
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る移動通信端末装置の各部の動作を図2及び図3を参照して説明する。
通信制御部11は、着信信号を受信した場合、その着信信号をUI制御部21へ送る。また、UI制御部21から送信された発呼信号及び着呼信号を、送受信部13を制御して、送信させる。また、通信系処理部10内の各部と、UI系処理部20内の各部との通信を仲介する。
通信部12bは、アンテナ12aによって受信された高周波信号を送受信部13へ出力し、また、送受信部13から出力された高周波信号をアンテナ12aより送信する。
送受信部13は、通信部12bからの高周波信号を増幅、周波数変換及び復調し、それによってデジタル信号を得て、得られた通話音声信号を通話部14cに、着信信号を含む制御信号を通信制御部11に送る。更に、通信部12bからの高周波信号によってアンテナ12aによって受信された電波の品質を測定する。
更には、送受信部13は、デジタル信号、即ち、通話部14cから出力された通話音声信号、及び通信制御部11から出力された制御信号を変調、周波数変換及び増幅し、高周波信号を得て、それを通信部12bに送って送信させる。
通話部14cは、送受信部13から出力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、それを増幅してスピーカ14aに送る。また、マイクロフォン14bから出力されたアナログ音声信号を増幅し、それをデジタル音声信号に変換して送受信部13に送信する。
間欠受信部15は、所定の間欠起床周期、例えば、5.12秒毎に行われる通信制御部11のタイマ処理に従い、通信制御部11によって起動されて間欠受信動作を開始する。そして、送受信部13を制御して、基地局から送信された電波を受信させ、着信信号が含まれている場合、その信号が受信されたことを通信制御部11に通知させる。また、基地局から送信された電波の品質が所定の値より悪い場合、基地局の再選択、または、ハンドオーバを行う。そして、電波品質レベル決定部16を起動する。
電波品質レベル決定部16は、間欠受信部15によって起動され、即ち、間欠受信の度に起動され、送受信部13によって測定された電波の品質、即ち、その電波の強度(RSSI、Received Signal Strength Indicator)から、電波の品質レベルを決定する。この決定の際、電波品質データ記憶部17に記憶された情報を参照し、また、更新する。
そして、決定された品質レベルが、UI制御部21に直近の過去に通知した品質レベルと異なる場合、電波品質レベル決定部16は、その品質レベルをUI制御部21に通知して動作を終了する。この通知の際、UI系CPU20−2が動作を停止していれば、動作を開始させる。決定された品質レベルが、UI制御部21に直近の過去に通知した品質レベルと同じ場合、電波品質レベル決定部16は、動作を終了する。
UI制御部21は、通信制御部11から着信信号を受信した場合、その信号を受信したことを着信報知に用いられる第2のスピーカ(図示せず)に着信音を出力させて報知する。また、入力装置23の所定の操作によって着呼操作と、発呼操作とがされた場合、それぞれ、着呼信号と、発呼信号とを通信制御部11に送る。
更に、着信信号が受信され、入力装置23の所定の操作によって着呼操作がされないまま所定の時間が経過した場合、UI制御部21は、LED部24を間欠点灯させて、着呼されなかった着信、即ち、不在着信があることを報知する。なお、装置が電子メール送受信部(図示せず)を有し、UI制御部21は、未読メールがあることを同様に報知する。また、不在着信と、未読メールとがある場合も同様に報知し、以後、これらの報知を、不在着信等があることの報知と称する。
この間欠的な点灯のそれぞれ、即ち、短い時間に渡る点灯を開始させるために、UI制御部21は、UI制御部21のタイマ処理を用いる。また、UI制御部21は、UI系処理部20内の各部と、通信系処理部10内の各部との通信を仲介する。
表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)であり、UI制御部21に制御されることで、フレームバッファ22aに記憶された文字・数字や映像データの表示動作を開始する。UI制御部21から表示の制御を受けた後のUI制御部21の動作に依存せず、この表示動作は継続される。また、UI制御部21に制御されることで表示動作を終了する。
入力装置23は、通信相手の電話番号などを指定するための数字キーと複数の機能キーを含むキーからなる。そして、入力装置23のキーが操作されると、そのキーの識別子がUI制御部21に通知され、UI制御部21によって、表示部22に文字として表示され、または、制御が行われる。ここで、UI制御部21は、制御信号を送信することにより、制御を通信制御部11に行わせることもある。
電波品質ピクト選択部25は、電波品質レベル決定部16から通知された品質レベルを受信すると、電波品質ピクト26aを参照して、その品質レベルに応じたピクト画像を選択し、選択されたピクト画像をフレームバッファ22aに記憶させる。このピクト画像を含むフレームバッファ22aに記憶された画像は、UI制御部21の制御によって、表示部22に表示される。
時刻アラーム部27は、入力装置23の所定のキー操作によって時刻を入力し、入力された時刻を時刻アラーム動作の属性として記憶する。そして、その時刻が到来すると、時刻アラーム部27は、起動されて動作を開始し、所定のアラーム音を第2のスピーカから出力させる。また、所定のアラーム画像をフレームバッファ22aに記憶させ、UI制御部21に通知して、所定のアラーム画像を含むフレームバッファ22aに記憶された画像を表示部22に表示させる。この所定の時刻の到来によって動作を開始する処理のため、時刻アラーム部27は、UI制御部21のタイマ処理を用いる。
以下、本発明の実施形態に係わる移動通信端末装置のCPUを起動する回数を削減する処理を説明する。
図4は、電波品質データ記憶部17に記憶される電波品質履歴17aの構成の一例を示す。この電波品質履歴17aは、履歴番号17dと、電波品質17eと、平均化電波品質17fとが関連付けられた情報からなる。
履歴番号17dは、「0」から「3」までの自然数であり、電波品質履歴17aは、4組の関連付けられた情報からなる。「0」である履歴番号17dは、その履歴番号17dに関連付けられた情報は、最新の間欠受信の際に得られた電波品質の情報であることを示し、「1」である履歴番号17dは、その履歴番号17dに関連付けられた情報は、前回の間欠受信の際に得られた電波品質の情報であることを示す。
以下、同様に、「2」は、前々回の間欠受信の際に得られた、「3」は、3回前の間欠受信の際に得られた電波品質の情報であることを示す。なお、この実施形態では、電波品質履歴17aは、4組の関連付けられた情報からなるとしたが、これに限るものではない。より少ない組の情報からなっても良く、より多い組の情報からなっても良い。
電波品質17eは、各回の間欠受信の際に得られた電波品質である。平均化電波品質17fは、各回の間欠受信の際に、その回の間欠受信の際に得られた電波品質、及び、その回より前の間欠受信の際に得られた電波品質を加重平均することによって算出された電波品質である。なお、後述するように、平均化電波品質17fは、「0」である履歴番号17dと関連付けられた情報と、「1」である履歴番号17dと関連付けられた情報のみが用いられるので、その他の履歴番号17dと関連付けられた情報は、記憶されなくとも良い。
なお、図4では、履歴番号17dと、電波品質17eと、平均化電波品質17fとが連続して記憶され、かつ、関連付けられた情報が連続して記憶されるように図示したが、これは理解を容易にするためであって、これに限るものではない。例えば、離散して記憶され、離散した部分の間をポインターで結ぶ構成としても良い。
図5は、電波品質データ記憶部17に記憶される品質レベル閾値17bの構成の一例を示す。この品質レベル閾値17bは、品質レベル17gと、電波品質基本範囲17hと、電波品質上昇時範囲17iと、電波品質下降時範囲17jとが関連付けられた情報からなる。
品質レベル17gは、電波の品質レベルであって、「0」から「4」までの5つの整数値のいずれかの値であり、品質レベル閾値17bは、5組の関連付けられた情報からなる。品質レベル17gは、より大きい整数がより良い品質であり、より小さい整数がより悪い品質であることを示す。
電波品質基本範囲17hは、2つの電波品質を示す値(値には、−∞と、+∞とを含む。)からなり、電波品質履歴17aの平均化電波品質17fがこれらの2つの電波品質を示す値の間であれば、その電波品質のレベルは、その電波品質基本範囲17hと関連付けられた品質レベル17gの値であることが基本であることを示す。
図5に例示した電波品質基本範囲17hを参照すると、平均化電波品質17fが−25dBm以上(言い換えると、−25dBmから、+∞までの間。)であれば、品質レベル17gは「4」、即ち、最高レベルと判断され、平均化電波品質17fが−50dBmから−25dBmの間であれば、品質レベル17gは「3」であると判断される。また、平均化電波品質17fが−100dBm以下(言い換えると、−∞から、−100dBmまでの間。)であれば、品質レベル17gは「0」、即ち、最低レベルであると判断される。
ここで、平均化電波品質17fの値である、例えば−25dBmは、品質レベル17gが「4」と判断されるか、「3」と判断されるかの閾値となる。そのため、平均化電波品質17fが−25dBmの前後、例えば、−24dBmと、−26dBmとの間を頻繁に変化した場合、品質レベル17gが「4」と判断され、また「3」と判断され、品質レベル17gの変化が頻繁に発生し、後述するように好ましくない。
そこで、品質レベル17gの変化が頻繁に発生しない処理のため、品質レベル閾値17bは、電波品質基本範囲17hに併せて、電波品質上昇時範囲17iと、電波品質下降時範囲17jとを品質レベル17gに関連付けられた情報とする構成である。
即ち、電波品質上昇時範囲17iは、電波品質基本範囲17hに記憶された値の全てに5dBmを加えた値であり、平均化電波品質17fの値が上昇している際に品質レベル17gを判断する際に用いられる。一方、電波品質下降時範囲17jは、電波品質基本範囲17hに記憶された値の全てから5dBmを減じた値であり、平均化電波品質17fの値が下降している際に品質レベル17gを判断する際に用いられる。
これらの電波品質上昇時範囲17iと、電波品質下降時範囲17jとを参照して品質レベル17gを判断することにより、平均化電波品質17fがわずかな変化をすることにより、品質レベル17gが頻繁に変化することを防ぐ、即ち、ヒステリシス特性を得ることができる。
なお、図5では、品質レベル17gと、電波品質基本範囲17hと、電波品質上昇時範囲17iと、電波品質下降時範囲17jとが連続して記憶され、かつ、関連付けられた情報が連続して記憶されるように図示したが、これは理解を容易にするためであって、これに限るものではない。例えば、離散して記憶され、離散した部分の間をポインターで結ぶ構成としても良い。
図6は、電波品質データ記憶部17に記憶される品質レベル履歴17cの構成の一例を示す。この品質レベル履歴17cは、1つの品質レベルからなり、前回の間欠受信の際に決定された品質レベル17gである。
図7は、電波品質ピクト記憶部26に記憶される電波品質ピクト26aの構成の一例を示す。この電波品質ピクト26aは、品質レベル26bと、ピクト画像26cとが関連付けられた情報からなる。
品質レベル26bは、品質レベル閾値17bの品質レベル17gと同じく、「0」から「4」までの5つの整数値のいずれかの値であり、電波品質ピクト26aは、5組の関連付けられた情報からなる。
ピクト画像26cは、「0」から「4」の品質レベル26bのそれぞれに関連付けられて、「圏外」なる文字である画像、アンテナ状の線画である画像、アンテナ状の線画及び1本の縦棒である画像、アンテナ状の線画及び2本の縦棒である画像、アンテナ状の線画及び3本の縦棒である画像である。
なお、図7では、品質レベル26bと、ピクト画像26cとが連続して記憶され、かつ、関連付けられた情報が連続して記憶されるように図示したが、これは理解を容易にするためであって、これに限るものではない。例えば、離散して記憶され、離散した部分の間をポインターで結ぶ構成としても良い。
また、ピクト画像26cは、画像情報であって、記憶するために、品質レベル26bを記憶するための記憶容量と比較して大きい記憶容量を要する。そのため、上記画像情報は画像情報を記憶する専用領域に記憶され、ピクト画像26cには、その領域のアドレスが記憶されるとしても良い。また、上記画像情報はファイルとして記憶され、ピクト画像26cには、そのファイル名が記憶されるとしても良い。
次に、電波品質レベル決定部16の動作を説明する。図8は、電波品質レベル決定部16の動作のフローチャートを示す。電波品質レベル決定部16は、間欠受信部15によって起動され、即ち、間欠受信の一環として起動されて動作を開始し(ステップS101)、送受信部13から電波の強度を受信する(ステップS102)。
次に、電波品質レベル決定部16は、一時的な電波強度の変化によって電波の品質レベルの判断を変化させることのないように、電波強度の平均化処理、即ち、新たに受信された電波強度と、過去に受信された電波強度との加重平均値を算出する(ステップS103)。
過去に受信された電波強度を受信された順序を保持して記憶させるため、まず、電波品質レベル決定部16は、電波品質履歴17aに、「2」なる履歴番号17dと関連付けられていた電波品質17eと、平均化電波品質17fとを、「3」なる履歴番号17dと関連付けられて記憶させる。
次に、電波品質レベル決定部16は、「1」なる履歴番号17dと関連付けられていた電波品質17eと、平均化電波品質17fとを、「2」なる履歴番号17dと関連付けられて記憶させる。更に、「0」なる履歴番号17dと関連付けられていた電波品質17eと、平均化電波品質17fとを、「1」なる履歴番号17dと関連付けられて記憶させる。
そして、電波品質レベル決定部16は、「0」なる履歴番号17dと関連付けられた電波品質17eに、ステップS102で受信された電波強度を記憶させる。次に、「0」〜「3」なる履歴番号17dと関連付けられた電波品質17e、即ち、新たに受信された電波強度と、直近の過去3回の間欠受信の際に受信された電波強度との加重平均値を算出して、「0」なる履歴番号17dと関連付けられた平均化電波品質17fに記憶させる。
なお、直近の過去3回の間欠受信の際に受信された電波強度が記憶されていない場合、電波品質レベル決定部16は、記憶されていない強度を用いることなく、加重平均値を算出する。過去に受信された電波強度が全く記憶されていない場合、電波品質レベル決定部16は、新たに受信された電波強度を加重平均値とみなす(図示せず)。
次に、電波品質レベル決定部16は、新たに算出された平均化電波品質17f、即ち、「0」なる履歴番号17dと関連付けられた平均化電波品質17fと、前回の間欠受信の際に算出された平均化電波品質17f、即ち、「1」なる履歴番号17dと関連付けられた平均化電波品質17fとから、品質レベル閾値17bを参照して、電波の品質レベルを決定する。この決定の際、ヒステリシス処理を伴って行い、品質レベルの無用な変化を抑制する(ステップS104)。
即ち、新たに算出された平均化電波品質17fが前回の間欠受信の際に算出された平均化電波品質17fより大きい場合、電波品質レベル決定部16は、新たに算出された平均化電波品質17fが含まれる電波品質上昇時範囲17iを検索する。そして、検索された電波品質上昇時範囲17iと関連付けられた品質レベル17gの値を品質レベルと決定する。
一方、新たに算出された平均化電波品質17fが前回の間欠受信の際に算出された平均化電波品質17fより小さい場合、電波品質レベル決定部16は、新たに算出された平均化電波品質17fが含まれる電波品質下降時範囲17jを検索する。そして、検索された電波品質下降時範囲17jと関連付けられた品質レベル17gの値を品質レベルと決定する。
なお、直前の過去の間欠受信の際に算出された平均化電波品質17f、即ち、「1」なる履歴番号17dと関連付けられた平均化電波品質17fが記憶されていない場合、ヒステリシス特性を得ることができないので、電波品質レベル決定部16は、新たに算出された平均化電波品質17fが含まれる電波品質基本範囲17hを検索する。そして、検索された電波品質基本範囲17hと関連付けられた品質レベル17gの値を品質レベルと決定する(図示せず)。
また、品質レベル閾値17bは、電波品質上昇時範囲17iと電波品質下降時範囲17jとを含まず、電波品質基本範囲17hのみを含むとしても良い。この場合、電波品質レベル決定部16は、電波品質上昇時範囲17iに相当する値と、電波品質下降時範囲17jに相当する値とを、電波品質基本範囲17hから間欠受信の度に算出すれば良い。
次に、電波品質レベル決定部16は、決定された品質レベルは、前回の間欠受信の際に決定された品質レベルと同じか否かを判断する(ステップS105)。前回の間欠受信の際に決定された品質レベルは、品質レベル履歴17cとして電波品質データ記憶部17に記憶されているので、この同じか否かを判断するには、品質レベル履歴17cを参照する。
なお、前回の間欠受信の際に決定された品質レベルが品質レベル履歴17cとして電波品質データ記憶部17に記憶されていない場合、電波品質レベル決定部16は、決定された品質レベルは、前回の間欠受信の際に決定された品質レベルとは異なると判断する(図示せず)。
同じである場合、電波品質レベル決定部16は、動作を終了する(ステップS106)。一方、異なる場合、決定された品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知し(ステップS107)、決定された品質レベルを品質レベル履歴17cとして記憶させ(ステップS108)、動作を終了する(ステップS106)。
なお、異なる場合で、2レベル以上の差がある場合、即ち、決定された品質レベルと、前回の間欠受信の際に決定された品質レベルとの差が2以上の場合、電波品質レベル決定部16は、その差が1となるように、決定された品質レベルを前回の間欠受信の際に決定された品質レベルに近づける変更を行い、変更された品質レベルをステップS107の通知、及びステップS107の記憶に用いても良い。この近づける処理によれば、品質レベルの急激な変化の表示を緩和して表示することになり、無用なユーザの混乱を避ける効果が得られる。
このステップS107の品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知する動作は、通信制御部11と、UI制御部21を経由する。また、UI系CPU20−2が動作していない場合、そのCPUを起動させる。そこで、消費電力削減のためには、この通知の回数は少ないことが好ましい。上記説明した電波品質レベル決定部16の動作によれば、ステップS103の平均化処理及びステップS104のヒステリシス処理によって、通知の回数が最少化される。
なお、ステップS105で、電波品質レベル決定部16は、決定された品質レベルと、前回の間欠受信の際に決定された品質レベルとが同じか否かを判断するとした。これは、決定された品質レベルと、直前に電波品質ピクト選択部25に通知した品質レベルとが同じか否かを判断することと等価である。なぜなら、直前に品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知した後、決定された品質レベルが変化したならば、その変化された品質レベルは、電波品質ピクト選択部25に通知されているからである。
次に、UI制御部21のタイマ処理の動作を説明する。図9は、UI制御部21のタイマ処理の動作のフローチャートを示す。UI制御部21は、タイマ機能使用の要求を受けてタイマ処理の動作を開始し(ステップS201)、タイマ機能の種類を判断する(ステップS202)。
タイマ機能の種類が時刻アラーム部27からの指定の時刻の到来の際のアラーム、即ち、時刻アラーム部27を起動させ、動作を開始させるものである場合、UI制御部21は、指定された時刻にタイムアウトするタイマを設定する(ステップS203)。そして、タイムアウトを待ち、タイムアウトの際、時刻アラーム部27の動作を開始させて(ステップS204)、タイマ処理の動作を終了する(ステップS205)。
一方、タイマ機能の種類が不在着信等があることを報知するためのLED部24の間欠点灯である場合、UI制御部21は、次回に間欠受信部15が間欠受信する時刻にタイムアウトするタイマを設定する(ステップS206)。そして、タイムアウトを待ち、タイムアウトの際、LED部24の点灯を開始させ、短い所定時間が経過した後、LED部24を消灯させて(ステップS207)、ステップS206のタイマを設定する動作に移る。このLED部24を間欠点灯させる動作は、入力装置23の所定のキー操作がされた場合、タイマ処理の動作を終了する(図示せず)。
間欠受信部15が間欠受信する時刻は、通信制御部11がUI制御部21に通知することによって、UI制御部21が用いることができる。通信制御部11がUI制御部21に通知する動作は、例えば、電波品質レベル決定部16が品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知する際に行う。そして、UI制御部21は、その通知された時刻に間欠受信周期に正の整数を乗じた数を加えることによって、間欠受信部15が間欠受信する全ての時刻を用いることができる。この処理によれば、上記通知のために、UI系CPU20−2が起動される回数が増加することはない。
上記説明したタイマ処理において、タイムアウトする時刻を間欠受信部15が間欠受信する時刻に設定することにより、タイムアウトする際、通信系CPU10−2は動作している。そこで、タイムアウトする際に、UI系CPU20−2が動作することによって電源処理部10−3の動作が必要になり、電源処理部10−3のみを動作させるために通信系CPU10−2を起動する処理が不要となり、消費電力削減の効果が得られる。
一方、タイムアウトする時刻を任意の時刻に設定することにより、タイムアウトする際、電源処理部10−3のみを動作させるために通信系CPU10−2を起動する処理が行われる可能性がある。しかし、例えば、時刻アラーム部27は、タイムアウト後、動作を続けるので、電源処理部10−3の動作を引き続き必要とし、即ち、通信系CPU10−2の動作を引き続き必要とする。そこで、タイムアウトする時刻を任意の時刻に設定することによる消費電力の増大はない。
上記説明した例では、タイマ機能の種類は、指定の時刻の到来の際、時刻アラーム部27を起動させるものと、LED部24を間欠点灯させるものとしたが、タイマ機能の種類は、当然にこれらに限るものではない。
タイムアウトする時刻を任意の時刻に設定することが適切な例として、ニュース配信サーバ装置(図示せず)から配信されるニュースを受信する処理部(図示せず)の起動がある。このニュースの配信が行われる時刻は、ニュース配信サーバ装置から指定される。そこで、その指定された時刻の到来の際、ニュースを受信する処理部を起動させることが適切であるからである。
一方、間欠して行われる動作のためのタイマ機能においては、タイムアウトする時刻を間欠受信部15が間欠受信する時刻に設定することが有効である。間欠して行われる動作の間欠周期が、間欠受信の周期と異なる場合においても、少ないとは言え、必ず消費電力の削減効果が得られる。また、上記間欠して行われる動作の間欠周期を、間欠受信の周期の整数倍、または、整数で除した商とすることにより、消費電力の削減効果は大きい。
なお、間欠して行われる動作であって、その動作が間欠受信部15が間欠受信する時刻に行われるとすることが有効な他の例は、例えば、UI系処理部20が近距離無線通信部(図示せず)を有し、その近距離無線通信部が通信相手、例えば、ハンズフリー通話装置との間で装置の状態を示す情報を送受する例がある。ここでいう装置の状態を示す情報には、装置が待ち受け状態にある旨の情報、電波品質レベル決定部16によって決定された品質レベル、あるいは装置の充電池に蓄えられた電力の残量などがある。
次に、電波品質ピクト選択部25の動作を説明する。図10は、電波品質ピクト選択部25の動作のフローチャートを示す。電波品質ピクト選択部25は、品質レベルの通知によってUI制御部21に起動されて動作を開始し(ステップS301)、通知された品質レベルと品質レベル26bとが等しい情報を電波品質ピクト26aから検索する(ステップS302)。
電波品質ピクト選択部25は、この検索によって得られた関連付けられた情報のピクト画像26cを得て、そのピクト画像26cをフレームバッファ22aの所定のアドレスに記憶させて(ステップS303)、動作を終了する(ステップS304)。
この電波品質ピクト選択部25の動作により、表示部22が表示をする際には、装置が受信した電波強度に対応した画像が表示される。図11は、電波強度に対応した画像が表示された状況の一例を示す。図11では、表示部22の最上部であるピクト欄22bの最左部にピクト画像22cが表示されている。このピクト画像22cとして、「3」である品質レベル26bと関連付けられて電波品質ピクト26aに記憶されたピクト画像26cを例示した。
また、表示部22が表示をしていない場合であっても、常にフレームバッファ22aに適切なピクト画像26cが記憶されているので、表示部22が表示を開始した際、直ちに適切なピクト画像26cが表示される。
なお、UI系処理部20が第2のフレームバッファ(図示せず)に記憶された画像を表示する第2の表示部(図示せず)を備え、UI制御部21が第2の表示部に表示をさせるか否かを制御する場合、電波品質ピクト選択部25は、第2のフレームバッファに適切なピクト画像を記憶させることによって、第2の表示部にも適切なピクト画像が表示される。
第2の表示部に表示されるピクト画像は、表示部22に表示されるピクト画像と異なっていても良い。異なる場合、電波品質ピクト26aに、品質レベル26bと関連付けて、更に、第2の表示部に表示されるピクト画像を記憶させれば良い。
以上説明した、装置が行う消費電力を削減する処理を取りまとめる。装置が待ち受け状態にあり、間欠受信動作を行っている際、通信系CPU10−2は、間欠受信動作のために欠かせない所定の電力を消費する。しかし、その所定の消費電力以外に消費される電力を削減する動作を説明した。即ち、電波品質レベル決定部16は、決定された品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知し、その通知の結果、UI系CPU20−2を起動させることを少ない回数に止めることによって、UI系CPU20−2によって消費される電力を削減する。
また、UI系CPU20−2で、タイマ処理を使用してUI制御部21がLED部24を点灯させる動作を行う際、その動作に伴い、通信系CPU10−2が起動されていない場合、通信系CPU10−2を起動させる。そこで、LED部24を点灯させる時刻を、間欠受信動作のために通信系CPU10−2が動作している時刻に合わせることにより、LED部24の点灯に伴い、通信系CPU10−2が起動される回数を削減する。この削減によって通信系CPU10−2によって消費される電力を削減する。
なお、時刻アラーム部27を起動させる時刻は、ユーザの指定に係るものであり、間欠受信動作のために通信系CPU10−2が動作している時刻に合わせることは妥当ではなく、ユーザが指定した時刻の通りとすることによって、ユーザの利便性を損なうことがない。
なお、以上の説明では、UI制御部21の動作に伴って通信系CPU10−2が起動される理由は、装置の各部に電力を供給する制御を行う電源処理部10−3が通信系CPU10−2を利用して動作するからであるとし、その結果、UI制御部21の動作は、通信系CPU10−2が間欠受信動作を行っている際に行うことにより消費電力の削減が可能であるとした。
しかし、これに限るものではない。例えば、電源処理部10−3が通信系CPU10−2を利用せず、UI系CPU20−2を利用して動作する場合であっても、同じである。即ち、通信系処理部10が間欠受信動作することによって電源処理部10−3の動作を必要とし、その結果、UI系CPU20−2が動作している際にUI制御部21が動作すると、UI系CPU20−2を新たに起動する必要がなく、消費電力の削減が可能である。
また、例えば、電源処理部10−3は、通信系CPU10−2を利用せず、かつ、UI系CPU20−2を利用しない、言い換えると、電源処理部10−3は、通信系処理部10から独立し、かつ、UI系処理部20から独立している場合、同じ効果が得られる。
即ち、この場合、UI制御部21の動作に伴って、電源処理部10−3が起動される。そこで、UI制御部21の動作は、通信系CPU10−2が動作を行っていることによって電源処理部10−3が起動されている場合に行うことにより、電源処理部10−3によって消費される電力の削減が可能である。
次に、電波品質レベル決定部16は、決定された品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知し、または、通知しないことによって、UI系CPU20−2によって消費される電力が削減される状況を説明する。図12は、電波品質レベル決定部16が決定された品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知し、または、通知しない状況を示すタイミング図であり、図12(a)は、通知しない場合を、図12(b)は、通知する場合を示す。
通信系CPU10−2を利用する電波品質レベル決定部16は、間欠受信の度に、電波強度の受信(T401、図8に示すフローチャートのステップS102に対応する。)、平均化処理(T402、図8に示すフローチャートのステップS103に対応する。)、ヒステリシス処理(T403、図8に示すフローチャートのステップS104に対応する。)を行って、品質レベルを決定する。
次に、決定された品質レベルが前回の間欠受信の際に決定されたものと同じ場合、電波品質レベル決定部16は、図12(a)に示すように、動作を終了する。一方、決定された品質レベルが前回の間欠受信の際に決定されたものと異なる場合、電波品質レベル決定部16は、図12(b)に示すように、続いて、決定された品質レベルを通知する(T404、図8に示すフローチャートのステップS107に対応する。)。
この通知の結果、UI系CPU20−2を利用する電波品質ピクト選択部25は、通知された品質レベルを受信し、その品質レベルに従ってピクト画像26cの選択を行う(T405、図10に示すフローチャートに対応する。)。即ち、UI系CPU20−2は、起動されて、動作する。
図12(a)と図12(b)とを比較すれば明らかなように、電波品質レベル決定部16が決定された品質レベルを電波品質ピクト選択部25に通知しないことによって、UI系CPU20−2は起動されず、UI系CPU20−2による電力の消費はない。
次に、UI制御部21は、LED部24を点灯させる時刻を、通信系処理部10によって間欠受信が行われている時刻に合わせることにより、通信系CPU10−2によって消費される電力が削減される状況を説明する。図13は、UI制御部21がLED部24を点灯させる時刻と、通信系処理部10による間欠受信動作が行われている時刻とを対比して示すタイミング図である。
UI系CPU20−2を利用するUI制御部21は、LED部24を点灯させる時刻を通信系処理部10による間欠受信動作が行われている時刻に合わせるために、間欠受信動作が行われている時刻にタイムアウトするようにタイマを設定する。すると、タイムアウトに応じてUI制御部21がLED部24を点灯させるために、電源処理部10−3の動作が必要である結果、通信系CPU10−2の動作が必要である。しかし、タイムアウトの際、通信系CPU10−2は、間欠受信動作を行うために動作しており、新たに起動する必要がなく、通信系CPU10−2によって消費される電力が削減される。
次に、電源処理部10−3が通信系処理部10に属さず、かつ、UI系処理部20に属さない場合、UI制御部21は、LED部24を点灯させる時刻を、通信系処理部10によって間欠受信が行われている時刻に合わせることにより、電源処理部10−3によって消費される電力が削減される状況を説明する。図14は、電源処理部10−3が動作する時刻と、UI制御部21がLED部24を点灯させる時刻と、通信系処理部10による間欠受信動作が行われている時刻とを対比して示すタイミング図である。
UI系CPU20−2を利用するUI制御部21は、LED部24を点灯させる時刻を通信系処理部10による間欠受信動作が行われている時刻に合わせるために、間欠受信動作が行われている時刻にタイムアウトするようにタイマを設定する。ここで、タイムアウトに応じてUI制御部21がLED部24を点灯させるために、電源処理部10−3の動作が必要である。
このタイムアウトの際、通信系CPU10−2は間欠受信動作を行うために動作している結果、電源処理部10−3は動作している。即ち、UI制御部21がLED部24を点灯させるために電源処理部10−3を動作させる必要はなく、電源処理部10−3によって消費される電力が削減される。
以上の説明では、電波品質履歴17aと、品質レベル閾値17bと、品質レベル履歴17cとは、電波品質データ記憶部17に記憶されるとしたが、これに限るものではない。電波品質レベル決定部16を構成するプログラムに埋め込まれていても良い。また、電波品質ピクト26aは、電波品質ピクト記憶部26に記憶されるとしたが、これに限るものではない。電波品質ピクト選択部25に埋め込まれていても良い。
以上の説明では、電波品質レベル決定部16が平均化処理及びヒステリシス処理を行なうとした(それぞれの処理は、図8に示すフローチャートのステップS103の動作と、ステップS104の動作に対応する。)が、これに限るものではない。これらの2つの処理、または、これらの処理の少なくとも1つは、電波品質レベル決定部16とは異なるプログラムとして備えられても良い。また、異なるタスクとして動作しても良い。
また、電波品質レベル決定部16によって行なわれる平均化処理及びヒステリシス処理によって、装置が備えるCPUの数に係わらず、無用なユーザの混乱を避ける効果が得られる。また、平均化処理及びヒステリシス処理の一方、または、両方は、省くことが可能である。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。