JP5310650B2 - 移動通信端末装置とそのタイマー制御方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、移動通信端末装置とタイマー制御方法に関する。
近年、携帯電話機等のバッテリ駆動による移動通信端末装置にあっては、通信以外に種々のアプリケーション機能を搭載するようになった。このため、アプリケーション処理が通信処理の妨げとならないように、モデム用とアプリケーション用に別個のCPU(演算処理装置)を搭載することがある。
上記モデム用のCPUは、通話やデータ通信の行われていない、所謂、待ち受け状態であっても、CDMA(符号分割多元接続)の通信プロトコルに従って、一定間隔(約5秒)で電波の受信処理を実行しなければならない。このため、モデム用のCPUを完全なスリープ状態にすることはできない。
一方、上記アプリケーション用のCPUは、モデム用のCPUとは異なり一定間隔での処理を必要としないため、完全にスリープ状態に移行することが可能である。
上述のとおり、アプリケーション用のCPUを完全にスリープ状態に移行させることは可能であるが、消費電流の削減を意識した場合、このスリープ状態からの復帰タイミングを最適に制御する必要がある。
実施形態によれば、少なくとも待受状態では通信プロトコルにより一定間隔で電波の受信処理を行うために間欠タイマーにより起動されるモデム用演算処理部と、アプリケーション処理を実行するアプリケーション用演算処理部とを備える移動通信端末装置であって、前記アプリケーション用演算処理部は、実行中のアプリケーションから要求されるタイマー設定要求があると、このタイマー設定要求によって指定されるタイマーの満了時間と、あらかじめ設定された閾値とを比較し、タイマーの満了時間が閾値より大きい値の場合はこのタイマーの満了時間を設定してスリープ状態へ移行し、前記タイマーの満了時間が閾値未満の場合は前記モデム用演算処理部に対して間欠受信周期のタイミングで割込みを行うよう要求してスリープ状態へ移行する。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1に示す携帯電話機1は、各通信処理部を統括的に制御する主制御部11、電源回路部12、キー入力制御部13、画像エンコーダ14、カメラインタフェース部15、表示制御部16、画像デコーダ17、多重分離部18、変復調回路部19、音声コーデック20、記録再生部25、および記憶部27がバス21を介して互いに接続されている。
なお、主制御部11は、通信系の処理を行うモデム用CPU(Central Processing Unit)(以下、M−CPU)11と、通信系以外の情報処理を行うアプリケーション用CPU(以下、A−CPU)112を含んでいる。
M−CPU111、A−CPU112は、ROM115に記憶されているプログラムまたは上記記憶部27からRAM116にロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。また、RAM116には、M−CPU111とA−CPU112が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
携帯電話機1は、音声通話が行われているときは、マイクロフォン5で集音された音声信号は、ディジタル音声信号に変換された後、音声コーデック20によってAMR(Adaptive Multi-Rate)等の符号化方式に従って符号化される。そして、この符号化ディジタル音声信号は、変復調回路部19でスペクトラム拡散処理され、さらに送受信回路部23でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理が施され、アンテナ24を介して基地局に送信される。一方、アンテナ24を介して受信した受信信号は、送受信回路部23で増幅された後、周波数変換処理およびアナログディジタル変換処理が施される。その後、変復調回路部19でスペクトラム逆拡散処理されて符号化ディジタル音声信号として復元される。この符号化ディジタル音声信号は音声コーデック20によって復号され、さらにアナログ音声信号に変換した後、スピーカ8を介して外部に出力される。
また、電子メールを送信する場合、操作キー4の操作によって入力された電子メールのテキストデータを、操作入力制御部13を介して主制御部11に送出する。主制御部11は、テキストデータを変復調回路部19でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部23でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナ24を介して基地局(図示せず)へ送信する。一方、電子メールを受信する場合、アンテナ24を介して基地局(図示せず)から受信した受信信号を変復調回路部19でスペクトラム逆拡散処理して元のテキストデータを復元した後、表示制御部16を介して表示部7に電子メールとして表示する。
また、画像信号を送信する場合、CCDカメラ10で撮像された画像信号をカメラインタフェース部15を介して画像エンコーダ14に供給する。画像エンコーダ14は、CCDカメラ10から供給された画像信号を、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)4などの所定の符号化方式によって圧縮符号化することにより符号化画像信号に変換し、変換された符号化画像信号を多重分離部18に送出する。このとき同時に携帯電話機1は、CCDカメラ10で撮像中にマイクロフォン5で集音した音声を、音声コーデック20を介してディジタルの音声信号として多重分離部18に送出する。多重分離部18は、画像エンコーダ14から供給された符号化画像信号と音声コーデック20から供給された音声信号とを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化信号を変復調回路部19でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部23でディジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナ24を介して送信する。
また、Webページなどにリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナ24を介して基地局(図示せず)から受信した受信信号を変復調回路部19でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化信号を多重分離部18に送出する。多重分離部18は、多重化信号を分離することにより符号化画像信号と音声信号とに分け、同期バス22を介して符号化画像信号を画像デコーダ17に供給すると共に音声信号を音声コーデック20に供給する。画像デコーダ17は、符号化画像信号をMPEG4などの所定の符号化方式に対応した復号化方式でデコードすることにより再生動画像信号を生成し、生成された再生動画像信号を、LCD制御部16を介して表示部7に供給する。
これにより、例えば、Webページなどにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画像データが表示される。このとき同時に音声コーデック20は、音声信号をアナログ音声信号に変換した後、これをスピーカ8に供給し、これにより、例えば、Webページなどにリンクされた動画像ファイルに含まる音声信号が再生される。
記憶部27は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなり、主制御部11のCPUにより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群を格納している。
上記構成による携帯電話機において、本実施形態では、タイマー制御部118において、アプリケーションから設定されるタイマーの種別を使い分け、これによってCPU111,112のスリープ時間を増やし、全体として消費電力を低減する。
以下、BREW(登録商標)をアプリケーションのプラットフォームとして実装した場合のタイマー機能について説明する。
図2はBREWアプリケーションで使用されるタイマー(ISHELL Set Timer)のタイマー機能モジュールの階層構造を示すブロック図であり、A−CPU112上で動作する。
まず、BREWアプリケーション層L1は、ISHELL Set Timer (BREW SHELL Interface)層L2、AEE(Application Execution Environment)層L3を介してカーネル(Kernel)層L4のタイマーへ繋がっている。このカーネル層L4のタイマーは、カーネル移植層(kernel porting layer)L5を介してデバイス依存のタイマー機能(デバイス層)L6へ繋がっている。
ここで、デバイス依存のタイマー機能は種別ごとに異なるタイマー動作を行わせることができ、下記のタイマー種別グループが用意されている。
(1)常時オングループ:常に正しいタイマー動作を実行する。
(2)間欠グループ:携帯電話機1がスリープ動作状態では間欠動作へ移行する。このため、間欠動作間隔より短いタイマーは間欠動作間隔へと遅延することになる。
(3)LCD(液晶ディスプレイ)オングループ:タイマーはメインのディスプレイ(LCD)がオン状態のときのみ動作し、オフの期間では満了しない。
(4)クロック入力(CLK)連動グループ:リアルタイムOS(Real-Time Operating System)のCPUクロック制御機能に連動するタイマーである。スリープ中はタイムアップしない。
(1)常時オングループ:常に正しいタイマー動作を実行する。
(2)間欠グループ:携帯電話機1がスリープ動作状態では間欠動作へ移行する。このため、間欠動作間隔より短いタイマーは間欠動作間隔へと遅延することになる。
(3)LCD(液晶ディスプレイ)オングループ:タイマーはメインのディスプレイ(LCD)がオン状態のときのみ動作し、オフの期間では満了しない。
(4)クロック入力(CLK)連動グループ:リアルタイムOS(Real-Time Operating System)のCPUクロック制御機能に連動するタイマーである。スリープ中はタイムアップしない。
A−CPU112上で動作するBREWアプリケーション層L1がタイマーを使用する状況によって、A−CPU112のスリープ状態への移行可否に影響が発生する。例えば、BREWアプリケーションが短い間隔でタイマーを使用する場合、A−CPU112がスリープ状態に移行することができず、消費電流の削減することが困難となる。
そこで、本実施形態では、図2に示すカーネル移植層L5において、上記(1)〜(4)のタイマー種別のうち、(1)常時オングループと(2)間欠グループを用い、アプリケーションから設定されるタイマーの種別を使い分ける。
図3に本実施形態のタイマー種別決定処理の流れを示すフローチャートである。
カーネル層L4は、自己が管理するタイマーキューを参照し、実行されているアプリケーションに基づいてBREWアプリケーション層L1から受け取ったタイマー設定要求を確認する。そして、複数のタイマー設定要求がタイマーキューに存在する場合は、要求されるタイマー満了時間が最も短いタイマーを検索する(ステップS1)。
カーネル層L4で、タイマー設定要求が1つの場合は、この要求に含まれるタイマー満了時間を、またタイマー設定要求が複数ある場合は、上述のとおり検索されたタイマー満了時間を選択すると、この選択されたタイマー満了時間がカーネル移植層L5に通知され、カーネル移植層L5にて、通知されたタイマー満了時間と閾値との比較が行われる(ステップS2)。
なお、上記閾値はC−CPU111の間欠受信周期と同じ時間、または、この間欠受信周期より長い時間が設定される。
そして、カーネル移植層L5は、ステップS2でタイマー満了時間が閾値以上(または、閾値より大きい)の場合は、常時オングループを選択し(ステップS3)、一方、ステップS2でタイマー満了時間が閾値未満(または、閾値以下)の場合は、間欠グループを選択する(ステップS4)。
常時オングループまたは間欠グループの選択が終わると、常時オングループが選択された場合は、A−CPU112は、自己が管理するタイマーにカーネル層L4が選択したタイマー設定要求に含まれるタイマー満了時間を設定してスリープ状態に移行し、一方、間欠グループが選択された場合は、A−CPU112は、C−CPU111に対してC−CPU111の間欠受信周期のタイミングで起動のための割込みを行うよう要求してスリープ状態に移行する(ステップS5)。このようにして、A−CPU112は実行中のアプリケーションからのタイマー設定要求に対し、スリープ状態への移行、およびタイマー処理を最適に実行させることが可能となる。なお、割込みを行うよう要求を受けたC−CPU111では、タイマー設定要求に含まれるタイマー満了時間と間欠受信周期のタイミングが一致していない場合は、このタイマー満了時刻の経過後、最初に訪れる間欠受信周期のタイミングでA−CPU112に対して割込みを行うよう制御する。
ここで、カーネル層L4の管理するタイマーキューに複数のタイマー設定要求が存在し、この中から1つのタイマー設定要求を選択する処理の一例を、図4を用いて説明する。
図4を参照すると、5つのタイマー設定要求A〜Eがタイマーキューに存在している。ここで、カーネル層L4は、この中から、タイマー満了までの時間がもっとも短いタイマー設定要求Eが選択される。また、この結果、タイマー満了時間がタイマー設定要求Eよりも長い値を持つタイマー設定要求については、タイマー設定要求E煮基づいて設定されたタイマー満了後に順次処理され、処理された順にタイマーキューから削除される。そして、A−CPU121が次のタイミングでスリープ状態に移行する際は、そのときにタイマーキューに存在するタイマー設定要求に基づいて上述と同様に手順に基づいてタイマー処理が行われる。
また、図5は、本実施形態におけるタイマー種別の決定とその設定、開始、満了の処理タイミングを示すタイミング図である。
図5に示すように、カーネル層L4で選択されたタイマーの設定値(満了までの時間)がT1で上述した閾値未満の場合は、間欠グループが選択され、A−CPU112はC−CPU111が間欠受信周期のタイミングT2で起動したときに割込みを受け、スリープ状態から復帰する。一方、タイマーの設定値がT3で閾値以上の場合は、常時オンタイマーグループが選択され、A−CPU112は自己のタイマーに起動タイミングT3を設定し、このタイミングで起動する。
したがって、本実施形態によれば、実行中のアプリケーションから要求されるタイマー設定要求に応じて、常に正しいタイマー動作を実行する常時オングループの処理と間欠受信動作に連動したタイマー動作を実行する間欠グループを使い分けるようにしているので、省電力化を実現した携帯電話機を提供することができる。
なお、上記の例ではBREWが実装されている場合について説明したが、これに限らず、アプリケーションのプラットフォームとしてBREW以外の場合であっても、複数のCPUを実装した装置に適用することが可能であり、さらに、携帯電話機以外にもバッテリを電源とする通信端末装置全般に適用することが可能である。
その他、上記実施形態はそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせでもよい。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…携帯電話機、4…操作キー、5…マイクロフォン、8…スピーカ、10…CCDカメラ、11…主制御部、111…モデム用CPU(C−CPU)、112…アプリケーション用CPU(A−CPU)、12…電源回路部、13…キー入力制御部、14…画像エンコーダ、15…カメラインタフェース部、16…LCD制御部、17…画像デコーダ、18…多重分離部、19…変復調回路部、20…音声コーデック、21…バス、23…送受信回路部、24…アンテナ、25…記録再生部、27…記憶部。
Claims (5)
- 少なくとも待受状態では通信プロトコルにより一定間隔で電波の受信処理を行うために間欠タイマーにより起動されるモデム用演算処理部と、アプリケーション処理を実行するアプリケーション用演算処理部とを備える移動通信端末装置であって、
前記アプリケーション用演算処理部は、実行中のアプリケーションから要求されるタイマー設定要求があると、
このタイマー設定要求によって指定されるタイマーの満了時間と、あらかじめ設定された閾値とを比較し、タイマーの満了時間が閾値より大きい値の場合はこのタイマーの満了時間を設定してスリープ状態へ移行し、前記タイマーの満了時間が閾値未満の場合は前記モデム用演算処理部に対して間欠受信周期のタイミングで割込みを行うよう要求してスリープ状態へ移行することを特徴とする移動通信端末装置。 - 前記アプリケーション用演算処理部は、複数のタイマー設定要求がある場合は、この複数のタイマー設定要求のうちからタイマー満了時間までが最も短いタイマー設定要求を選択し、この選択したタイマー設定要求に含まれるタイマー満了時刻と前記閾値とを比較することを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末装置。
- 前記アプリケーション用演算処理部は、前記モデム用演算処理部に割込みを行うよう要求するとき、前記タイマー設定要求に含まれるタイマー満了時間を通知し、
前記モデム用演算処理部は、前記アプリケーション用演算処理部から割込みの要求を受けると、前記通知された前記タイマー満了時刻を経過した後の間欠受信周期のタイミングで前記アプリケーション用演算処理部に対して割込みを行うことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末装置。 - 前記タイマー満了時間と比較される閾値は、前記モデム用演算処理部の間欠受信周期より長い任意の時間が設定されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末装置。
- 少なくとも待受状態では通信プロトコルにより一定間隔で電波の受信処理を行うために間欠タイマーにより起動されるモデム用演算処理部と、アプリケーション処理を実行するアプリケーション用演算処理部とを備える移動通信端末装置におけるタイマー制御方法であって、
実行中のアプリケーションから要求されるタイマー設定要求に基づき、このタイマー設定要求に含まれるタイマー設定時間と閾値とを比較し、
この比較の結果、前記タイマー設定時間が閾値より大きい値のときは、前記アプリケーション用演算処理部に、このタイマー設定時間を設定してスリープ状態に移行させ、
前記比較の結果、前記タイマー設定時間が閾値未満の値のときは、前記モデム用演算処理部に、間欠受信周期のタイミングで前記アプリケーション用演算処理部に割り込みを行わせるよう設定するとともに、前記アプリケーション用演算処理部をスリープ状態へ移行させる
ことを特徴とする移動通信端末装置のタイマー制御方法。
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