JP5029256B2 - プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものであり、特に自動車車体や家電製品の内外板に使用され得る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下「GA」と記載することがある。)は、従来から自動車ボディパネル等に広く適用されている。この用途にGAを適用する際の課題として、プレス成形時にGAとプレス金型との摺動抵抗が大きいことが挙げられる。摺動抵抗が大きいことはプレス成形性の低下を招くのでこれを改善する要望が高かった。これに対して、GA表面の摺動性を向上させて金型との摩擦を低下させるために合金化溶融亜鉛めっき層の上にさらに被覆層を設ける技術が提案されている。これには例えば、Fe系の電気めっき層を設ける技術、リン酸塩系の被覆層を設ける技術、Ni系酸化物層を設ける技術等を挙げることができる。
またこれら以外にも、合金化溶融亜鉛めっき層表面を、酸、アルカリ、酸化剤含有水溶液等に接触させ、表面に薄い酸化物層を形成させる方法も提案されている。例えば、pH緩衝作用を有する酸性溶液と接触させる技術が特許文献1〜3に、酸化剤含有水溶液と含有させる技術が特許文献4に、アルカリ及び/又は酸と接触させる技術が特許文献5に開示されている。
特開2003−306781号公報 特開2005−97741号公報 特開2005−97742号公報 特開平3−291366号公報 特開平11−131205号公報
しかし、特許文献1〜3の技術は、pH緩衝作用を得るために、酢酸塩、コハク酸塩等の有機酸の塩あるいはホウ酸塩、リン酸塩を用いている。これらは、薬剤としてのコストが例えば硫酸と比較して割高であり、また有機酸を用いる場合は、pH調整用の硫酸添加等により分解が生じる可能性があり管理が煩雑になりかねない。また特許文献4で用いる酸化剤(過酸化水素)についても同様である。
一方、特許文献2、3や特許文献5の実施例3のようにFeイオンを含有する処理液を使用する場合も、これらの処理液は酸性領域でのpH緩衝作用を有すると考えられる。(例えば、Fe3+に係る下記解離式(1)の酸解離定数pKaは、2.83と算出される。)
[Fe(HO)3+⇔[Fe(OH)(HO)2++H (1)
しかしながら、Feイオンを含有する処理液は、Fe3+濃度が高くなると、pHの変動によりFe(OH)の沈殿(スラッジ)が生じやすい。実際の連続操業では、鋼板からの溶出等によりFe3+濃度の増加は避けられない。そのため、スラッジが製品表面に付着しないように、これを系外に排出するための手段が設備上必要となり、また、目詰まりの懸念からスプレーを用いた処理が難しい。
そこで、本発明は上記問題に鑑み、コストを抑えて処理液の管理も容易であるプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
発明者らは、硫酸(塩)であれば比較的安価でもあり、またpHの調整に硫酸を用いても悪影響がなく、処理液のpHや硫酸根の含有量等を適正化することで、処理液の管理も有利である点に着目した。そして、硫酸根の解離反応に関わる次の反応式(2)の酸解離定数pKaは1.97(25℃)であり(化学便覧 基礎編II、p.338、日本化学学会編)、硫酸根を含むことによりpH=2前後でのpH緩衝作用があることを得た。
HSO ⇔ SO 2−+H (2)
一方、上記した特許文献1〜3によれば、硫酸はpH緩衝作用をもたないものの例として挙げられており(例えば、特許文献1の段落0045)、硫酸(塩)を用いることは除外されていた。
これら知見から発明者らは鋭意検討して本発明を完成させた。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項に記載の発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に硫酸根を50g/L以上含有しFeイオンの含有量が8g/L以下であるpH2.5以下で温度が30℃〜70℃の水溶液を接触させる酸処理工程(S12)と、酸処理工程後、酸処理工程により合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に付着した液膜がpH5.0未満の状態で該液膜を薄膜化する薄膜化工程(S13)と、薄膜化後3秒以上静置する静置工程(S14)とを備える表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法(S10)を提供することにより前記課題を解決する。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法(S10)の酸処理工程(S13)の水溶液の成分が硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛の一種以上を含有することを特徴とする。
本発明の表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法によれば、硫酸塩を用いてGAの摺動性を改善することができる。そして本発明の製造方法で製造されたGAは、摺動性に優れており、例えば自動車外板等の厳しいプレス加工用途に適用させることが可能である。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。以下に説明するものは本発明の実施形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り以下の説明になんら限定されるものではない。
図1は1つの実施形態に係る本発明の表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法S10の流れを説明するための図である。また図1には各工程に配置される主要な設備も模式的に示している。製造方法S10は、前処理工程S11、酸処理工程S12、薄膜化工程S13、静置工程S14、水洗・乾燥工程S15を含む。以下、各工程について説明する。
<供給されるGA>
製造方法S10には、種類の限定がされることなくGAを供給できる。一般に、Fe%が高かったり、GAのめっき相がζ相主体であったりすると摺動性が悪い傾向にあるが、本発明の製造方法S10は、このようなGAの摺動性をも向上させプレス成形用途に適用することができる。また、供給されるGAは必要に応じてあらかじめ平坦修正、調質圧延を施されていてもよい。
<前処理工程S11>
前処理工程S11は、酸処理工程S12に先立って、GA表面の活性化及び油分等の汚れの除去を目的として表面を前処理する工程である。当該目的であれば処理方法は特に限定されるものではないが、アルカリで脱脂するのが好ましい。アルカリとしては5〜10質量%程度のNaOH水溶液や市販のアルカリ脱脂剤等から適切なものを用いればよい。アルカリ脱脂後は十分に水洗する。アルカリ及び水洗処理の方法として例えば図1に示したようにアルカリスプレー11a、及び水洗スプレー11bを用いることができる。
ここで、通常、処理前のGAの表面にも酸化物層がすでに形成されているが当該酸化物層の状態では、摺動性改善効果は無く、後の工程における反応を阻害する可能性もある。そのため前処理工程S11でこのような酸化物は除去しておくのが好ましい。
<酸処理工程S12>
酸処理工程S12は、GA表面に硫酸塩を供給する工程である。具体的には硫酸根を50g/L以上含有するpH2.5未満の水溶液(以下、「処理液」と記載することがある。)に接触させる。接触の方法には、処理液中にGAを浸漬、GAに処理液をスプレー(図1の処理液スプレー12a)、又は処理液をロールコート等でGAに塗布する等の方法がある。ここで、硫酸根の含有量は目的を達することができれば特に限定されることはないが、硫酸根の含有量が少ないと摺動性の改善効果が認められない。これはpHの緩衝作用が不十分なため、後工程である静置工程S14でめっき層表面近傍のpHがすぐに上昇してめっき表面の溶解が十分に起こらないためと考えられる。従って50g/L以上とし、好ましくは80g/L以上である。硫酸根の含有量の上限に特に制限はないが、コスト面や処理液の管理面から200g/L以下が好ましく、より好ましくは150g/L以下である。
このような成分の処理液を製造するには、硫酸及び硫酸塩を適宜混合して、後述するpHとなるようにすればよい。これには、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛のうちの一種以上を含有するものを挙げることができる。また、性能が害されない限りにおいて硫酸根以外の陰イオンを含んでいてもよい。一方、陽イオンは、水素イオン以外に含まれてもよく、アルカリ金属イオンや亜鉛イオンが挙げられる。ただし例えばFeイオンを含む場合、Fe3+の生成によりスラッジが生成されやすくなるため、Feイオンをできるだけ含まないのが好ましい。しかし、連続操業中には鋼及びめっき被膜の溶解により処理液へのFeイオンの混入は避けられない。目安としては処理液中のFe3+イオン濃度が8g/L以下であれば概ねスラッジの発生を少ない状態で操業することができ、好ましくは1g/L以下である。
処理液のpHは、2.5以下とする。好ましくは2.0未満である。pHが高過ぎると摺動性が改善されない。一方、下限については、摺動性改善の点からは特に限定されないが、あまり低いとめっき層の溶解が進行しすぎて、耐食性に悪影響を及ぼしたり調質圧延で調整した表面粗さが損なわれたりする虞がある。従って処理液のpHは1以上、より好ましくは1.5以上である。
処理液の温度は、30℃〜70℃とする。好ましくは40℃〜70℃である。あまり低温では反応速度が遅く、摺動性改善効果が乏しい。また、このような温度範囲とすることにより、気温の影響を受け難くなり、温度制御も容易である。設備や環境により適切な条件に設定する。スプレーや浸漬により硫酸根の供給をする場合、処理時間があまり長すぎるとめっきの溶解が進行しすぎるため10秒以下程度がよく、好ましくは5秒以下である。
処理液の供給後、後工程である薄膜化工程S13までの間は、GA表面が十分に濡れていればよい(図1の水洗スプレー12b)。また、薄膜化工程S13までにGA表面の処理液を洗い流さない程度に水をかけてもよい。当該程度に水をかける方が、GA表面の濡れ方が均等になり、製品外観のムラが抑制される。
<薄膜化工程S13>
薄膜化工程S13は、酸処理工程S12で供給され、GA表面に付着した処理液を薄膜化する工程である。薄膜化の手段は特に限定されることはなく、これには例えば絞りロールやエアワイピング等を挙げることができる。本工程なしに酸処理工程S12で供給された処理液をそのままにして長時間経過すると、摺動性が改善されなくなる。従って摺動性が改善できる範囲でGAを薄膜化工程S13に供給する必要がある。具体的には処理液の供給後、時間の経過によりGA表面の液膜のpHが上昇するが、当該液膜がpH5未満のうちに薄膜化するとよい。好ましくは、薄膜化がおこなわれるpHが、処理液そのもののpH以上、pH3.5以下であり、薄膜化が酸処理工程S12の後直ちにおこなわれてもよい。
基本的には上記のようにpHを基準として薄膜化がされるが、時間的な目安としては、30秒以下である。好ましくは10秒以下であり、酸処理後直ちに薄膜化してもよい。
また、上記酸処理工程S12自体をロールコーティングとすれば、同時に薄膜化工程S13をおこなうことができる。その他薄膜化工程S13は絞りロール13aによりおこなうことを挙げることができる。
<静置工程S14>
静置工程S14は薄膜化工程S13で薄膜化された液膜を静置して目的の酸化物形成をおこなう工程である。具体的には薄膜化工程S13の後に、薄い処理液膜をGA表面に有したまま3秒以上静置する。当該静置の間に、めっき表面のさらなる溶解と、薄膜化された液膜を通じて大気中の酸素の供給とによって、めっき表面に酸化物が形成される。これによりGAの摺動性を改善することができる。従って、静置時間が短すぎると(例えば薄膜化後直ちに水洗してしまうと)、良好な摺動性を得ることができない。静置時間の上限は制限されないが、生産性等の観点から10秒以下の範囲であることがよく、実用上は5秒程度が好ましい。
<水洗・乾燥工程S15>
水洗・乾燥工程S15は所定の静置工程S14までに得られた酸化膜を維持し、これ以上の反応を停止させるための工程である。具体的には、静置工程S14で所定時間静置したのち十分に水洗する。これには水洗スプレー15aを用いることができる。これによりGA表面の反応が停止し、これまでに得られた酸化膜を維持することができる。水洗後ドライヤ15b等で表面を乾燥させる。なお、静置工程S14の後、直ちに乾燥してもよいが、その場合には硫酸根等の処理液成分が表面に残存するため、長期保管時の耐食性等に影響を及ぼす可能性がある。よって静置工程S14の後、十分に水洗することが好ましい。
以上の製造方法S10により製造されたGAの表面には、Zn酸化物層が形成され、優れた摺動性を有するGAとなる。ここで酸化物とは水酸化物、水和物、複塩を含む。また、処理液成分として金属塩を用いた場合には酸化物中に当該金属成分を含むことがあり、また、めっき被膜に起因するFeは多くの場合含有される。
以下、実施例により本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、酸処理工程に用いられる処理液の条件を変えて処理し、摩擦係数を測定する試験をおこなった。具体的には次の通りである。
<製造条件>
・供試材:Fe含有率10%のGA(縦横:100mm×150mm)を用いた。
・前処理:70℃の7%NaOH水溶液に浸漬後、水洗いをした。
・酸処理工程:処理液(表1参照)に5秒間浸漬後、少量の水道水をかけた。
・酸処理工程から薄膜化工程までの時間:5秒間とした。
・薄膜化工程:ワイパーによる液膜の薄膜化をおこなった。
・静置工程:5秒間静置した。
・水洗・乾燥工程:イオン交換水による水洗い、ドライヤによる乾燥をおこなった。
<酸化物付着量の測定>
得られたGAの表面の酸化物層を10質量%重クロム酸アンモニウム溶液で溶解させ、ICP発光分析法により溶液中のZn含有量を測定し、単位面積当たりのZn量を算出し、これを酸化物の付着量とした。
<摩擦係数>
得られたGAの表面に市販の防錆油を塗布した後、ピンオンディスク試験機を用いて摺動試験を行った。試験条件としては、GAの温度を60℃として、鋼球半径:2.5mm、荷重:29.4N(3kgf)、回転速度:1rpmで10回転させその間の摩擦係数の平均値を求めた。
表1に条件及び結果を示す。ここで、処理液中におけるFeイオン濃度はいずれも0g/Lである(以下の実施例2、3において同じ。)。
Figure 0005029256
比較例であるNo.1及びNo.2のように無処理又は低濃度の硫酸水溶液で処理したものは摩擦係数が高かった。これに対し、本発明例であるNo.3及びNo.4のように、硫酸根を50g/L以上含む場合は、摩擦係数が0.14であり、十分に低くなっていた。また、硫酸塩(硫酸亜鉛、硫酸ナトリウム)を使用した場合についても、陽イオン種によらず、pHが2.5以下で硫酸根濃度が50g/L以上の処理液で処理したもの(No.6〜11、13、16、17)は、摩擦係数が0.2以下となっていた。また、処理液温度が3.3℃ときわめて低い温度で処理したもの(No.12)は摩擦係数が高かった。これらに対し、硫酸根濃度が低い場合(No.5)、及びpHが高い場合(No.14、15)には、摩擦係数が0.2を超えてしまった。
(実施例2)
実施例2では、酸処理工程において処理液が供給されてから薄膜化工程で液膜が薄膜化されるまでの時間を変えて摩擦係数を測定した。具体的には次の通りである。
<製造条件>
・供試材:Fe含有率10%のGA(縦横:100mm×150mm)を用いた。
・前処理:70℃の7%NaOH水溶液に浸漬後、水洗いをおこなった。
・酸処理工程:処理液(硫酸亜鉛七水和物及び硫酸ナトリウムを亜鉛濃度を15g/L、硫酸イオン濃度を100g/Lで含有し、硫酸でpHを1.8に調整、液温は50℃。)に5秒間浸漬し、その後少量の水道水をかけた。
・酸処理工程から薄膜化工程までの時間:表2参照
・薄膜化工程:ワイパーによる液膜の薄膜化をおこなった。
・静置工程:5秒間静置した。
・水洗・乾燥工程:イオン交換水による水洗い、ドライヤによる乾燥をおこなった。
酸化物付着量及び摩擦係数の測定方法は実施例1に同じである。表2に条件及び結果を示す。
Figure 0005029256
処理液後直ちにないしは10秒以下で薄膜化した場合は、低い摩擦係数のGAが得られた。この場合、薄膜化時液膜pHは3.5以下であった。一方、薄膜化までの時間が60秒のものは、良好な摩擦係数を得ることができず、その程度は無処理(表1のNo.1)と同程度の高い摩擦係数であった。この場合の薄膜化時液膜pHは5.0であった。
(実施例3)
実施例3では、薄膜化工程の薄膜化完了から水洗・乾燥工程の水洗い開始までの時間を変えて摩擦係数を測定した。具体的には次の通りである。
<製造条件>
・供試材:Fe含有率10%のGA(縦横:100mm×150mm)を用いた。
・前処理:70℃の7%NaOH水溶液に浸漬後、水洗いをおこなった。
・酸処理工程:処理液(硫酸亜鉛七水和物及び硫酸ナトリウムを亜鉛濃度を15g/L、硫酸イオン濃度を100g/Lで含有し、硫酸でpHが1.8に調整、液温は50℃。)5秒間浸漬し、その後少量の水道水をかけた。
・酸処理工程から薄膜化工程までの時間:5秒間とした。
・薄膜化工程:ワイパーによる液膜の薄膜化おこなった。
・静置工程:表3参照
・水洗・乾燥工程:イオン交換水による水洗い、ドライヤによる乾燥をおこなった。
酸化物付着量及び摩擦係数の測定方法は実施例1に同じである。表3に条件及び結果を示す。
Figure 0005029256
薄膜化後5秒未満で水洗を行った場合、摩擦係数は0.2より高くなっていた。薄膜化後5秒で水洗を行った場合は摩擦係数の低いものが得られた。これは薄膜化後さらに表面pHが上昇することで鋼板表面にZn酸化物が生成することによるものと考えられる。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うプレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の製造方法S10の各工程を模式的に示した図である。
符号の説明
11a アルカリスプレー
11b 水洗スプレー
12a 処理液スプレー
12b 水洗スプレー
13a 絞りロール
15a 水洗スプレー
15b ドライヤ
S10 製造方法
S11 前処理工程
S12 酸処理工程
S13 薄膜化工程
S14 静置工程
S15 水洗・乾燥工程

Claims (2)

  1. 合金化溶融亜鉛めっき鋼板に硫酸根を50g/L以上含有しFeイオンの含有量が8g/L以下であるpH2.5以下で温度が30℃〜70℃の水溶液を接触させる酸処理工程と、
    前記酸処理工程後、前記酸処理工程により前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に付着した液膜がpH5.0未満の状態で、該液膜を薄膜化する薄膜化工程と、
    前記薄膜化後3秒以上静置する静置工程とを備える、表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記酸処理工程の前記水溶液の成分が硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸亜鉛の一種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の表面処理合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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