JP5028755B2 - 半導体処理装置の表面処理方法 - Google Patents

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本発明は、例えば半導体装置(半導体デバイス)に対して基板処理を行うための、処理容器内に腐食性ガスが供給される半導体処理装置において、この半導体処理装置の腐食性ガスが通流する部位の表面に堆積膜を形成するための表面処理を行う技術に関する。
半導体デバイスやLCD基板の製造プロセスに用いられる半導体処理装置、例えば成膜処理装置や、酸化処理装置、エッチング処理装置等は、例えば半導体デバイスを製造するための半導体ウエハW(以下「ウエハW」という)に対して処理ガスにより成膜処理等の所定の処理を行う処理容器と、この処理容器に処理ガス供給源からの処理ガスを供給するための処理ガス供給管と、前記処理容器を排気するための真空ポンプに接続された排気管と、を備えている。
通常、これら処理容器と処理ガス供給管、排気管、真空ポンプは、メーカ側で製造された後、納入先であるユーザ側で処理容器に処理ガス供給管が接続されると共に、排気管を介して真空ポンプが接続されて装置が組み立てられる。そして処理ガス供給源はユーザ側にて用意されているので、前記メーカ側の処理容器に付設された処理ガス供給管は、例えばユーザ側の配管を介して、ユーザ側の処理ガス供給源に接続される。
ここで前記処理容器や、処理ガス供給管、排気管等の構成部材の処理ガスとの接触面は、通常ステンレスの電解研磨品やアルミニウム等の金属により構成されている。また処理容器の内部にも金属製の構成部材が含まれている。これら半導体処理装置を構成する金属製の構成部材に対しては、例えば腐食性ガスを用いた場合の耐食性を向上させるために、腐食性ガスと接触する領域の表面、つまり腐食性ガスが通流する部位の表面に所定の表面処理が施される場合がある。
前記表面処理としては、フッ化被膜形成処理や、オゾンパッシベーション処理(被膜形成処理)、SiOコーティング処理、セラミック溶射膜形成処理、陽極酸化処理、CVD(Chemical Vapor Deposition)処理等の様々な手法が用いられている。従来では、このような表面処理が行われた構成部材を個別に購入した後、半導体処理装置を組み立てており、このため前記構成部材が高コストになり、半導体処理装置トータルの製造コストが増大してしまうという問題がある。
さらに各表面処理方法では、次のような問題がある。即ち前記フッ化被膜形成処理では、表面処理が施された配管に対して装置の組み立て時に曲げ施工を行おうとすると、曲げた領域の不動態膜(表面処理膜)が破壊され、剥離してしまい、メタルコンタミネーションやパーティクル発生の要因になってしまう。酸化被膜形成処理や陽極酸化処理では、十分な厚さの酸化膜の形成が困難であり、耐食性に劣る。SiOコーティング処理では、処理対象である配管の内径が小さい場合には処理が不可能であり、またフッ素雰囲気には適さない。セラミック溶射膜形成処理は、被膜がポーラス構造であり、表面が粗いため、処理中に膜剥がれが発生し、パーティクル発生の要因となる。CVD(Chemical Vapor Deposition)処理では、緻密で良好な膜が成膜できるものの、高温になるため成膜対象が限られ、アルミニウム製の構成部材には適用しにくい。
さらに既述のように、半導体処理装置は、ユーザ側で組み立てられ、処理容器に付設された処理ガス供給管の上流側の配管については、ユーザ側の自社の配管を用いている。ここでユーザ側の配管についてはメンテナンスが十分に行われていない場合があり、このため処理容器に付設された処理ガス供給管については表面処理を行ったとしても、ユーザ側の配管の表面処理を行っていない場合には、ユーザ側の配管の内壁が腐食してしまい、これによってパーティクルが発生し、このパーティクルにより金属汚染が発生する場合がある。このようにメーカ側から、腐食性ガスが通流する部位にはパーティクルの発生要因がない状態で半導体処理装置を出荷した場合でも、ユーザ側で半導体処理装置を組み上げたときにパーティクルが発生する場合もある。また装置の組み立て時に、表面処理が行われた配管の曲げ加工を行なう場合もあり、このような外的要因で表面処理膜が破壊され、この膜がパーティクルの発生原因となる場合もある。
ところで特許文献1には、処理ガスを導入する処理ガス導入管部、及び排気系に通じる排気管部を備えた熱処理装置において、処理炉の炉内環境に晒される金属製部材の接ガス面にクロム酸化物被膜をコーティングしたり、配管の接ガス面
にフッ素樹脂被膜をコーティングする技術が記載されている。しかしながらこの文献1においては、熱処理装置をユーザ側の配管と接続したことによりパーティクルが発生する場合があることやその対策については何ら記載されておらず、特許文献1の技術を用いても本発明の課題を解決することは困難である。
特開2002−222807号公報
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、処理容器内に腐食性ガスを導入する半導体処理装置において、前記半導体処理装置を組み立てた後に、腐食性ガスが通流する部位の表面に原子層堆積膜を形成する表面処理を行う技術を提供することにある。
このため本発明は、処理ガスを金属製の処理容器内に供給することにより処理容器内の基板に対して半導体装置を製造するための処理を行い、処理ガスが腐食性ガスであるか、または前記処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする半導体処理装置について、腐食性ガスが通流する部位の表面を処理する方法において、
前記処理容器に、当該処理容器に腐食性ガスを供給するための金属製の配管と排気管とを接続し、前記排気管に真空排気手段を接続する工程と、
次いで前記配管及び/または処理容器の内表面に、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、イットリウムからなる群から選択された元素を含む堆積膜を成膜する工程と、を含み、
前記堆積膜を成膜する工程は、
前記配管及び処理容器のうち前記堆積膜を成膜させない部分を迂回するバイパス路を設ける工程と、
前記配管及び処理容器のうち前記堆積膜を成膜させる部分を加熱する工程と、
前記配管の上流側から、前記元素を含む第1の原料ガスを供給して、前記堆積膜を成膜させる部分の内表面に吸着させ、次いで前記配管の上流側から、第1の原料ガスに代えて第2の原料ガスを供給して、前記内表面に吸着された第1の原料ガスと反応させ、前記内表面に前記元素の原子層あるいは前記元素を含む分子層を形成し、前記第1の原料ガスを供給する工程と第2の原料ガスを供給する工程とを交互に多数回切り換え、両工程の間に、前記原料ガスの供給を止めて、前記堆積膜を成膜させる部分の内部を真空排気する工程を介在させて、加熱した前記堆積膜を成膜させる部分の内表面に前記堆積膜を成膜する工程と、を含むことを特徴とする。
ここで前記配管の上流側から、処理容器を迂回して前記真空排気手段に接続するバイパス路を介して、前記第1の原料ガス及び第2の原料ガスを交互に多数回切り換えて供給することにより、前記配管の内表面に前記堆積膜を成膜するようにしてもよいし、前記配管を迂回して前記処理容器と前記真空排気手段とを接続するバイパス路を介して、前記処理容器に第1の原料ガス及び第2の原料ガスを交互に多数回切り換えて供給することにより、前記処理容器の内表面に前記堆積膜を成膜するようにしてもよい。ここでバイパス路は真空排気手段に接続されるが、この際、バイパス路は、真空排気手段に直接接続するようにしてもよいし、排気路の途中に接続するようにしてもよい。
また前記配管は、半導体処理装置を製造するメーカにて製造された処理容器に付設された、当該処理容器に処理ガスを供給するための金属製の配管と、この配管に接続される半導体処理装置を使用するユーザ側の金属製の配管と、を含むものであってもよい。
ここで前記配管及び/又は処理容器を構成する金属は、アルミニウム又はステンレスであり、例えば前記配管及び/又は処理容器を構成する金属と堆積膜との間には溶射膜が形成されていてもよい。前記溶射膜は、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、ガリウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、タンタル、ネオジムのいずれかを含むものである。また前記配管及び/又は処理容器を構成する金属にアルマイト処理を施し、その上に堆積膜が形成されるものであってもよい。
本発明は、処理容器内に腐食性ガスを導入する半導体処理装置において、前記処理容器に、当該処理容器に処理ガスを供給するための配管や排気管を接続して半導体処理装置を組み立ててから、当該半導体処理装置の腐食性ガスが通流する部位に、第1及び第2の原料ガスを交互に多数回切り換えて供給すると共に、第1及び第2の原料ガスの供給の間に前記部位の真空排気を行うことにより、この部位に堆積膜を形成しているので、半導体処理装置の腐食性ガスと接触する部位に満遍なく緻密な堆積膜を形成することができ、当該部位の腐食性ガスに対する耐食性を大きくすることができる。このため腐食性ガスを処理容器に導入して処理を行なっても、腐食性ガスが通流する部位に用いられる金属製の構成部材の腐食が抑えられ、この腐食が原因となるパーティクルの発生が抑制される。
また半導体処理装置を組み立てた後に表面処理を行なっているので、例えば処理容器に付設された配管の上流側に、ユーザ側の配管を接続する場合であっても、このユーザ側の配管の上流側から原料ガスを通流させることにより、当該配管に対しても表面処理を行うことができる。このためユーザ側の表面処理を行っていない配管の腐食が原因となるパーティクルの発生を抑えることができる。
また表面処理が行われていない安価な金属製部品を購入し、その後堆積膜を形成する表面処理を行うことにより当該金属製部品の耐食性を向上させることができるので、安価な金属製部品を用いて半導体処理装置を製造することができ、半導体処理装置のトータルの製造コストの低廉化を図ることができる。
本発明は、半導体処理装置を組み立てた後、腐食性ガスが通流する部位に、原子層堆積膜を形成するための第1及び第2の原料ガスを導入して原子層堆積を行い、前記腐食性ガスが通流する部位に存在する金属製の構成部材の腐食性ガスとの接触面に原子層堆積膜を形成することにより、前記構成部材の腐食性ガスに対する耐食性を向上させるものである。
前記半導体処理装置としては、例えば腐食性ガスを処理ガスとして用いるエッチング装置、基板処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする成膜装置等の、半導体デバイスに対して半導体製造プロセスの一工程を実施する半導体処理装置が対象となる。
続いて表面処理の対象となる半導体処理装置の構成部材について、図1に示す装置を用いて簡単に説明する。この装置では、処理容器10内に設けられた載置台11上に基板であるウエハWが載置され、前記載置台11と対向するように処理容器10内に設けられたガス供給部(ガスシャワーヘッド)12の多数のガス孔13aが形成された下面部材13から、載置台11上のウエハWに対して例えば腐食性の処理ガスやクリーニングガスが供給されるようになっている。
この処理容器10内には、載置台11の周囲に、例えば複数のガスの排気口14aが載置台11の周囲に環状に配置されるように形成されたバッフル板14が設けられ、処理容器10内の排気が載置台11の周囲から周方向にほぼ均一に行なわれるようになっている。図中15は、ウエハWの周囲を機械的に押圧して、このウエハWを載置台11に保持させるためのメカチャックである。
またこのような処理容器10には、当該処理容器に付設された処理ガス供給管21や、この処理ガス供給管21に設けられたガス供給機器ユニット22、この処理ガス供給管21の上流側に設けられた後述するユーザ側の例えばバルブV1を備えたガス配管23を介して、処理ガスや腐食性ガスの供給源2から、ガス供給部12を介して処理ガスや腐食性ガスが供給されると共に、バルブV1を備えた排気管24を介して真空ポンプ25等の真空排気手段により当該処理容器10内が排気されるようになっている。ここでこの例では、処理ガス供給管21とガス配管23とにより、処理容器10に腐食性ガスを供給するための配管が構成されている。
前記ガス供給機器ユニット22とは、前記処理ガス供給管21やガス配管23に設けられ、処理ガスや腐食性ガス等の各種ガスの多数のガス配管26〜28や、これらガス配管26〜28に設けられたバルブVやマスフローコントローラMやフィルタFや各種の計測機器等を1つのユニットにまとめたものである。
ここで半導体処理装置を製造するメーカ側で製造され、半導体処理装置を使用するユーザ側に納入される構成部材は、処理容器10と処理容器10の内部に設けられる構成部材と、処理容器10に付設された処理ガス供給管21と、排気管24と真空ポンプ25であり、これらはユーザ側に納入された後、ユーザ側で組み立てられ、ユーザ側のガス配管23を介してユーザ側のガス供給源2と接続される。
本発明は、例えばユーザ側で半導体処理装置を組み立てた後、装置の立ち上げ時や定期的なメンテナンス時に行なわれるものであり、処理容器10に処理ガス供給管21やガス配管23を接続した状態で表面処理が行われ、この表面処理の対象となる構成部材は、例えば前記金属製の処理容器10や、処理ガス供給管21やガス配管23や、処理容器10内を排気するための排気管24、当該配管23,24に設けられるバルブV1,V2や、ガス供給機器ユニット22、ガス供給部(ガスシャワーヘッド)12の下面部材13や、バッフル板14、メカチャック15等の、腐食性ガスが通流する部位の金属製の構成部材が含まれ、この表面処理により、これらの腐食性ガスと接触する面に原子層堆積膜が形成される。
続いて本発明の実施の形態について説明する。図2は本発明の表面処理方法を実施するための表面処理装置の一例であり、以下に表面処理の対象となる金属製の構成部材の表面に、原子層堆積膜として、アルミニウム(Al)を含む化合物であるAl(T−OC膜を形成する表面処理を行う場合を例にして説明する。
図中10は既述の処理容器、21は処理ガス供給管、22はガス供給機器ユニット、23はユーザ側のガス配管、24はバルブV2を備えた排気管、25は真空ポンプであり、処理容器10と処理ガス供給管21との間には、バイパス路接続用の開閉バルブV3を備えた配管31が設けられ、処理容器10と排気管24との間にもバイパス路接続用の配管32が設けられている。
そしてガス供給機器ユニット22の上流側には、開閉バルブV4とマスフローコントローラM1とを備えた第1の原料供給路41を介して第1の原料ガスであるトリメチルアミン(TMA:Al(CH)の供給源(第1の原料ガス供給源)51と、第1の原料供給路41から分岐し、開閉バルブV5とマスフローコントローラM2とを備えた第2の原料供給路42を介して第2の原料ガスであるオゾン(O)ガスの供給源(第2の原料ガス供給源)52とが接続されている。前記第1の原料ガス供給源51は、前記TMAのガス化機構を備えている。
前記第1の原料供給路41には、第2の原料供給路42の接続部の下流側に、ガス供給機器ユニット22側への原料ガスの供給の給断を制御するための開閉バルブV6が設けられている。また前記第1の原料供給路41の第2の原料供給路42の接続部と開閉バルブV6との間には、開閉バルブV7を備えた第1のバイパス路43が接続され、この第1のバイパス路43の他端側は前記配管31の開閉バルブV3の上流側に接続されている。さらに前記第1のバイパス路43の開閉バルブV7の下流側には、開閉バルブV8を備えた第2のバイパス路44が接続され、この第2のバイパス路44の他端側は前記配管32に接続されている。
前記配管31,32、第1及び第2の原料供給路41,42、第1及び第2のバイパス路43,44は例えばステンレス製の配管により構成されている。またこのように処理容器10に配管31,32を介して処理ガス供給管21、ガス配管23、ガス供給機器ユニット22、排気管24を接続して表面処理を行う場合には、後述するように、例えば処理ガス供給管21、ガス配管23、排気管24の周囲には例えばテープヒータよりなる加熱手段が巻回され、またガス供給機器ユニット22と処理容器10の周囲には例えば抵抗発熱体よりなる加熱手段が設けられる。
続いて本発明の表面処理方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。この表面処理は、例えばメーカ側で製造した装置をユーザ側に納入し、ユーザ側で組み立てた後で行なわれる。先ず処理容器10と、処理ガス供給管21と、ガス配管23と、ガス供給機器ユニット22と、排気管24とに対して一括して表面処理を行う場合を例にして説明する。
ここで例えば前記処理ガス供給管21やガス配管23、排気管24がステンレスやアルミニウム等の金属製基材により構成されている場合には、表面処理によりこの金属製基材の表面に堆積膜が形成される。また例えば処理容器10が、アルミニウムや、アルミニウムの表面に溶射膜が形成されたものにより構成されている場合には、表面処理により、これらアルミニウムや、溶射膜が形成されたアルミニウムの溶射膜の表面に堆積膜が形成される。前記溶射膜としては、例えばホウ素(B),マグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),ガリウム(Ga),クロム(Cr),イットリウム(Y),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),ゲルマニウム(Ge),ネオジム(Nd)等を含むものが形成される。
またこの例では、処理容器10内に設けられるガス供給部12の下面部材13や、バッフル板14や、メカチャック15等の金属製構成部材についても同時に表面処理が行われ、この場合にはこれら構成部材は、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製基材により構成されているので、これらの表面に堆積膜が形成される。
先ずメーカ側から納入された装置を、ユーザ側にて組み立てる(ステップS1)。つまり図3に示すように、内部の金属製の構成部材が取り付けられた処理容器10に、配管31を介して処理ガス供給管21とガス供給機器ユニット22とガス配管23とを接続すると共に、処理容器10に配管32を介して排気管24と真空ポンプ25とを接続する。
そしてガス配管23の上流側に、ガス供給源2に代えて第1及び第2の原料通流路41,42を介して、第1及び第2の原料ガス供給源51,52を接続し、既述のように第1及び第2のバイパス路43,44を接続する。このように処理容器10に、ガス供給源2と処理容器10とを結ぶ配管や、この配管に設けられたガス供給機器ユニット22とを直接又は配管31を介して接続し、処理容器10に直接又は配管32を介して排気管24と真空ポンプ25を接続した状態を装置を組み立てた状態という。この際ガス供給機器ユニット22については、腐食性ガスの配管27とガス配管23、処理ガス供給管21とを接続し、当該配管27のバルブVについては開いておく。
また例えばガス配管23、処理ガス供給管21、排気管24についてはテープヒータよりなる加熱手段53,54,55を巻回し、ガス供給機器ユニット22や処理容器10については抵抗発熱体よりなる加熱手段56,57を周囲に設け、これによりこれらの原料ガスが通流する部位に設けられた構成部材の原料ガスとの接触面が例えば150℃程度になるように加熱する。
一方、バルブバルブV1,V2,V3を開き,バルブV4,V5,V6,V7,V8を閉じて、真空ポンプ25により、ガス配管23からガス供給機器ユニット22の処理ガス供給管21や処理容器10、排気管24を結ぶガス流路の内部を例えば133Pa(1Torr)程度まで真空排気する。
次いでバルブV2を閉じ、バルブV4,V6を開いて、前記ガス流路内部に、第1の原料ガスであるTMAガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給する。これによりTMAガスが、当該ガス流路(当該ガスの通流する部位)に設けられる構成部材の表面、つまり例えばガス配管23、ガス供給機器ユニット22、処理ガス供給管21や処理容器10、排気管24の内面や、処理容器10に設けられる構成部材の表面に吸着される(ステップS2)。
続いてバルブV4,V6を閉じ、バルブV2を開いて、前記ガス流路の内部を2秒程度真空排気する(ステップS3)。これにより前記ガス流路内に設けられた構成部材の表面に吸着せずに、前記ガス流路の内部に浮遊した状態で残存する第1の原料ガスが排出される。
次いでバルブV2を閉じ、バルブV5,V6を開いて、前記ガス流路内部に、第2の原料ガスであるOガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給する。これによりOガスはガス流路に設けられる構成部材の表面に吸着している液状のTMAと反応してAlの化学式にて示される反応生成物(固相)を生成し、例えば膜厚が0.1nm程度のAlよりなる極めて薄い堆積膜が形成される(ステップS4)。この薄い堆積膜はAlの酸化物層である。
続いてバルブV5,V6を閉じ、バルブV2を開いて、前記ガス流路内部を2秒程度真空排気して、当該ガス流路の内部に残存するOガスを排気する(ステップS5)。そしてこのステップS2〜ステップS5の工程を例えば数百回繰り返して行うことにより、前記ガス流路内に設けられる構成部材の表面に、例えば200Åの厚さの堆積膜を形成する(ステップS6)。
ここで本発明では、既述のように、表面処理対象であるガス流路内の雰囲気を第1の原料ガス雰囲気として、前記ガス流路内の構成部材の表面に、第1の原料ガスを吸着させ、次いで当該雰囲気を第1の原料ガスと反応する第2の原料ガスの雰囲気に切り替えることにより、例えば膜厚が0.1nm程度の前記Alの原子層あるいは前記Alを含む分子層を形成し、こうして前記ガス流路内を第1の原料ガスの雰囲気と第2の原料ガスの雰囲気との間で、交互に多数回切り替え、これらの間に原料ガスの供給を止めて真空排気する工程を介在させることにより、前記基材の表面に多層に積層して形成される堆積膜を原子層堆積膜と呼び、この形成手法を原子層堆積法と呼んでいる。
さらにこの工程を図5により説明すると、この図5は、原料ガスであるTMAガスとOガスとの給断のタイミングを時系列に沿って示したものであり、図示するように前記ガス流路内にTMAガスとOガスとを交互に供給し、各々のガス供給の間(時刻t2〜t3及び時刻t4〜t5)にガス流路内を例えば2秒間ずつ引き切りの状態とすることで、ガス流路の内面や、ガス流路に設けられた構成部材の表面には極めて薄いAl膜が形成される。そして時刻t1〜t5の各ステップを1サイクルとしたとき、例えば数百サイクル繰り返すことで、ガス流路の内面や、ガス流路に設けられた構成部材の表面には例えば200Åの膜厚Al膜よりなる原子層堆積膜が形成される。
続いてガス供給源2と処理容器10とを結ぶ配管や、この配管に設けられたガス供給機器ユニット22に対して表面処理を行ない、処理容器10に対しては表面処理を行なわない場合について図6を用いて説明する。この場合には、例えば処理容器10を迂回する第1及び第2のバイパス路43,44を用いて第1及び第2の原料ガスを通流させたり、真空雰囲気に設定することにより、ガス配管23から処理ガス供給管21、ガス供給機器22、排気管24を結ぶガス流路に対して表面処理が行われる。
この場合においても、先ずメーカ側から納入された装置を、既述の図2に示すようにユーザ側にて組み立てる(ステップS11)。そして例えば加熱手段53、54,55,56により、ガス配管23、処理ガス供給管21、ガス供給機器22、排気管24の夫々の内面が例えば150℃程度になるように加熱する。
一方、バルブV1,V2,V8を開き,バルブV3,V4,V5,V6,V7を閉じて、真空ポンプ25により、第1及び第2のバイパス流路43,44を介して、ガス配管23と、ガス供給機器22と、処理ガス供給管21と、排気管24とを結ぶガス流路の内部を真空排気する。
次いでバルブV2,V8を閉じ、バルブV4,V6を開いて、前記ガス流路内部に、第1の原料ガスであるTMAガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給し、TMAガスを前記ガス流路の内面に吸着させる(ステップS12)。続いてバルブV4,V6を閉じ、バルブV2,V8を開いて、前記ガス流路の内部を2秒程度真空排気して(ステップS13)、前記ガス流路の内部に残存する第1の原料ガスを排出する。
次いでバルブV2,V8を閉じ、バルブV5,V6を開いて、前記ガス流路内部に、第2の原料ガスであるOガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給し、前記ガス流路の内面に吸着しているTMAと反応させて、Alよりなる極めて薄い堆積膜を形成させる(ステップS14)。続いてバルブV5,V6を閉じ、バルブV2,V8を開いて、前記ガス流路内部を2秒程度真空排気して、当該ガス流路の内部に残存するOガスを排気する(ステップS15)。そしてこのステップS12〜ステップS15の工程を例えば数百回繰り返して行うことにより、前記ガス配管23、ガス供給機器ユニット22の腐食性ガスの流路、処理ガス供給管21、排気管24の内面に堆積膜を形成する(ステップS16)。
また処理容器10のみに表面処理を行なう場合には、例えば図7に示すように、ガス配管23、処理ガス供給管21、ガス供給機器ユニット22を迂回する第1のバイパス路43を用いて第1及び第2の原料ガスを通流させたり、真空雰囲気に設定することにより、処理容器10と排気管24を結ぶガス流路に対して表面処理が行われる。
この場合においても、先ずメーカ側から納入された装置を、既述の図2に示すようにユーザ側にて組み立てる(ステップS21)。そして例えば加熱手段57により、処理容器10の内部が例えば150℃程度になるように加熱する。
一方、バルブV2を開き,バルブV1,V3,V4,V5,V6,V7,V8を閉じて、真空ポンプ25により、処理容器10の内部を真空排気する。
次いでバルブV2を閉じ、バルブV3,V4,V7を開いて、前記ガス流路内部に、第1の原料ガスであるTMAガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給し、TMAガスを前記ガス流路の内面に吸着させる(ステップS22)。続いてバルブV3,V4,V7を閉じ、バルブV2を開いて、前記ガス流路の内部を2秒程度真空排気して(ステップS23)、前記ガス流路の内部に残存する第1の原料ガスを排出する。
次いでバルブV2を閉じ、バルブV3,V5,V7を開いて、前記ガス流路内部に、第2の原料ガスであるOガスを例えば100ml/min程度の流量で1秒程度供給し、前記ガス流路の内面に吸着しているTMAと反応させて、Alよりなる極めて薄い堆積膜を形成させる(ステップS24)。続いてバルブV3,V5,V7を閉じ、バルブV2を開いて、前記ガス流路内部を2秒程度真空排気して、当該ガス流路の内部に残存するOガスを排気する(ステップS25)。そしてこのステップS22〜ステップS25の工程を例えば数百回繰り返して行うことにより、前記処理容器10の内面や処理容器10の内部に設けられた構成部材の表面、排気管24の内面に堆積膜を形成する(ステップS26)。
続いて例えばガス配管23や処理ガス供給管21やガス供給機器ユニット22の夫々のみについて表面処理を行う場合について図8〜図10を用いて簡単に説明する。この場合には、例えば図8〜図10に示すように、ガス配管23とガス供給機器ユニット22と処理ガス供給管21とを夫々バイパス路接続用の配管33,34にて接続し、第1の原料通流路41の開閉バルブV6の上流側から分岐して、他端側が前記配管34に接続される開閉バルブV9を備えた第3のバイパス路45と、この第3のバイパス路45から分岐し、他端側が配管33に接続されるバルブV10を備えた第4のバイパス路46と、配管34と第1のバイパス路43とを接続するバルブV11を備えた第5のバイパス路47と、配管33と第1のバイパス路43とを接続するバルブV12を備えた第6のバイパス路48とを備えた装置にて、表面処理を行なう対象の構成部材のみに選択的に第1及び第2の原料ガスを通流し、当該構成部材のみを選択的に真空排気することにより行なわれる。
つまりガス配管23のみについて表面処理を行う場合については、例えば図8に示すように、第1及び第2の原料通流路41,42と、第6のバイパス路48、第1のバイパス路43、第2のバイパス路44、排気管24を介して、第1及び第2の原料ガスを選択的にガス配管23に対して供給すると共に、第6のバイパス路48、第1及び第2のバイパス路43,44、排気管24を介してガス配管23に対して選択的に真空排気が行なう。
またガス供給機器ユニット22のみについて表面処理を行う場合については、例えば図9に示すように、第1及び第2の原料通流路41,42と、第3のバイパス路45、第4のバイパス路46、第5のバイパス路47、第1及び第2のバイパス路43,44、排気管24を介して第1及び第2の原料ガスが選択的にガス供給機器ユニット22に対して供給すると共に、第5のバイパス路47、第1及び第2のバイパス路43,44、排気管24を介して選択的にガス供給機器ユニット22に対して真空排気を行なう。
さらに処理ガス供給管21のみについて表面処理を行う場合については、例えば図10に示すように、第1及び第2の原料通流路41,42と、第3のバイパス路45、第1及び第2のバイパス路43,44、排気管24を介して第1及び第2の原料ガスを選択的に処理ガス供給管21に対して供給すると共に、第1及び第2のバイパス路43,44、排気管24を介して選択的に処理ガス供給管21の真空排気を行なう。
さらにまた排気管24のみに対して表面処理を行なう場合には、例えば第1及び第2の原料通流路41,42と、第3のバイパス路45、第1及び第2のバイパス路43,44を介して第1及び第2の原料ガスを排気管24に対して供給すると共に、真空ポンプ25により排気管24の真空排気を行う。
また上述の例では、第2のバイパス路44を排気管24の上流側に接続したが、このバイパス路44を排気管24の途中に接続してもよい。さらにこのバイパス路44や別の新たなバイパス路(図示せず)を排気管24の下流側に接続して、排気管24を介さずに直接真空ポンプ25により、配管23、ガス供給機器ユニット22、処理ガス供給管21、処理容器10等の真空排気を行うようにしてもよい。


また例えば図1に示すように、処理容器10に直接処理ガス供給管21や排気管24を接続すると共に、ガス配管23の上流側に、ガス供給源2の代わりに、第1及び第2の原料ガスの供給源51,52を接続して、ガス配管23からガス供給機器ユニット22、処理ガス供給管21、処理容器10を介して排気管24に至る腐食性ガスの流路に対して一括して表面処理を行うようにしてもよい。
さらに本発明では、処理ガス供給管21とガス配管23とを合わせて処理容器10に処理ガスを供給する配管が構成されるが、必ずしもユーザ側のガス配管23を設ける必要はなく、ガス供給機器ユニット22が設けられていない構成であってもよい。
また本発明は、ユーザ側にて組み立てられた装置のみならず、メーカ側で処理容器10に処理ガス供給管21と排気管24と真空ポンプ25とを接続して装置を組み立て、処理ガス供給管21の上流側に第1及び第2の原料ガス供給源51,52を接続して、前記組み立てられた装置の腐食性ガスの流路に対して表面処理を行なうようにしてもよい。
以上において前記原子層堆積膜としては、前記の手法で形成されるAl膜の他に、第1の原料ガスとしてAlClガス、第2の原料ガスとしてOガス又はHOガスを用いて形成されるAl,第1の原料ガスとしてHfClガス、第2の原料ガスとしてOガスを用いて形成されるHfO,第1の原料ガスとしてHf(N(CH)(C))ガス、第2の原料ガスとしてO又はHOガスを用いて形成されるHfO,第1の原料ガスとしてHf(N(Cガス、第2の原料ガスとしてOガス又はHOガスを用いて形成されるHfO,第1の原料ガスとしてZrClガス、第2の原料ガスとしてOガス又はHOガスを用いて形成されるZrO,第1の原料ガスとしてZr(T−OCガス、第2の原料ガスとしてOガス又はHOガスを用いて形成されるZrO,第1の原料ガスとしてYClガス、第2の原料ガスとしてOガス又はHOガスを用いて形成されるY,第1の原料ガスとしてY(Cガス、第2の原料ガスとしてOガス又はHOガスを用いて形成されるY等の、アルミニウム(Al),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)を含む結合子分有機で囲まれる形状の化合物や、前記アルミニウム(Al),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)を含む塩化物等の化合物よりなるものが形成される。
このような実施の形態では、処理容器10に処理ガス供給管21や排気管24、真空ポンプ25等を接続して、半導体処理装置を組み立ててから、当該半導体処理装置の腐食性ガスの流路に第1及び第2の原料ガスを交互に多数回切り換えて供給すると共に、前記第1及び第2の原料ガスの供給の間に前記流路内を真空排気するという原子層堆積法により前記流路内に堆積膜を形成しているので、半導体処理装置の腐食性ガスと接触する部位に満遍なく原子層堆積膜を形成することができ、当該部位の腐食性ガスに対する耐食性を大きくすることができる。
つまりこの原子層堆積法により形成された原子層堆積膜は、原子層を一層ずつ積み上げるように極めて薄い堆積膜を積層して形成されているので、形成される膜は緻密な膜であって、耐久性や腐食性の処理ガスに対する耐食性が大きい。また原子層を一層ずつ積み上げるという手法により、表面の平坦性の高い膜が形成されるので、表面の粗さが原因となる膜剥がれ等が発生するおそれがない。
この際、本発明では、半導体処理装置を組み立てた後、この装置の腐食性ガスの流路に原料ガスを供給して、前記腐食性ガスが通流する部位に設けられる構成部材の表面処理を行っているので、当該構成部材の腐食性ガスと接触する領域に原料ガスが供給され、当該部位に原子層堆積膜を形成することができる。
また既述のように半導体処理装置を組み立てた後に表面処理を行なっているので、例えば処理容器10に付設された処理ガス供給管21の上流側にユーザ側のガス配管23を接続する場合であっても、このユーザ側のガス配管23の上流側から原料ガスを通流させることにより、当該ユーザ側のガス配管23に対しても表面処理を行うことができる。このためユーザ側で十分にメンテナンスが行われていない配管を用いる場合であっても、当該配管の腐食が原因となるパーティクルの発生が抑えられ、金属汚染を防止することができる。
さらに装置の組み立て時に、配管の曲げ加工を行ない、この際に外的要因で表面処理膜が破壊された場合であっても、配管の曲げ加工の後で表面処理を行うことにより、破壊された膜の表面に緻密な原子層堆積膜が形成されるので、破壊された膜からさらに膜剥がれが進行してパーティクルが発生するといったことも抑えられる。さらにまた処理容器10の内部に構成部材を取り付けた後に表面処理を行うことにより、処理容器10自体と、処理容器10内に設けられる構成部材とに対して一括して表面処理を行うことができるので、処理容器10と構成部材とに対して別個に処理する場合に比べて、処理容器10から構成部材を取り外して、当該構成部材に対して処理を行い、次いでこの構成部材を再び処理容器10に取り付けるという作業が不要になるので、作業が容易になると共に、処理時間が短縮できる。
さらにまた原子層堆積膜は真空プロセスにより形成されるので、これにより例えばガス供給機器ユニット22等の、複雑な形状の部位に対しても細部まで原料ガスが行き渡り、当該領域まで原子層堆積膜を形成することができる。この際、原子層堆積膜は、既述のように極めて薄い層を一層ずつ積み上げて形成されるので、既述のステップS2〜ステップS5等の繰り返し回数を制御することにより、所望の厚さの原子層堆積膜を形成することができ、このため例えば表面処理の対象に応じて、原子層堆積膜の厚さを容易に調整できる。
つまりガス供給機器ユニット22等のように、ガス流路が複雑な形状の部位には、当該ガス供給機器ユニット22に対して選択的に第1及び第2の原料ガスを通流させ、真空排気を行うことにより、当該ガス供給機器ユニット22に対しては薄い膜厚の原子層堆積膜で表面処理を行うことによって、ガスの通流を妨げずに、例えば腐食性ガスに対する耐食性を高めることができる。
また第1の原料ガスと第2の原料ガスの供給の間に真空排気を行い、第1の原料ガスが残存しない状態で第2の原料ガスを供給しているので、表面処理対象の構成部材の内部での第1の原料ガスと第2の原料ガスとの反応が抑えられ、この反応物の生成によるパーティクルの発生を抑えることができる。
このように、半導体処理装置の腐食性ガスが通流する部位の腐食性ガスとの接触面全体に緻密な膜を形成することができるので、当該部位の腐食性の処理ガスに対する耐食性を向上させることができ、これにより前記部位の腐食により生じるパーティクルの発生を抑えることができる。
この際、原子層堆積膜は例えば室温程度の温度でも形成され、CVD法に比較して低温で処理が行われるので、例えばアルミニウムや、アルミニウムの上に溶射膜が形成された処理容器10に対しても、アルミニウムの溶解を起こさずに表面処理を行うことができる。ここで溶射膜の上に原子層堆積膜を形成する場合には、ポーラスな溶射膜の多数の孔部に原子層が入り込んだ状態で原子層堆積膜が形成されるので、より強固な膜が形成されることになる。このため、元々耐食性の大きな溶射膜の上に緻密な原子層堆積膜を形成することによって、より耐食性を大きくすることができる上、ポーラス構造であって表面が粗いという溶射膜の弱点をカバーすることができ、腐食性の処理ガスを用いた場合であっても、処理中の膜剥がれが発生等を抑えることができる。
また金属製配管に対して表面処理を行う場合においても、既述のように原子層堆積膜は低温で処理が行われるので、テープヒータによる加熱で第1の原料ガスと第2の原料ガスとの反応を十分進行させることができ、簡易な加熱方法で処理を行なうことができて有効である。
このように本発明では、アルミニウム製やステンレス製の処理容器、配管や下面部材等の、表面処理が行われていない安価な構成部品に原子層堆積膜を形成する表面処理を行なうことにより、耐久性や腐食性ガスに対する耐食性を向上させることができるので、予め表面処理が行われた高価な構成部材を購入することなく、安価な構成部品を用いて半導体処理装置を製造することができ、製造コストの低廉化を図ることができる。
また構成部材に表面処理を行う装置として、図2に示す構成のものを用いれば、原料供給路の開閉バルブの切り替えにより、表面処理対象に対して選択的に第1及び第2の原料ガスを供給したり、表面処理対象に対して選択的に真空排気をを行い、こうしてある表面処理対象に対して選択的に表面処理を行なうことができる。このように1台の装置にて、処理ガス供給管21、処理容器10、ガス配管23、ガス供給機器ユニット22のいずれか又は全部に対して選択的に表面処理を行うことができ、装置の汎用性が高い。
またこのようにいずれかの構成部材に対して選択的に表面処理を行うことができるので、装置の立ち上げ時やメンテナンス時に、表面処理が必要な部材のみに表面処理を行うことができる上、既述のように夫々の構成部材に対して、適切な膜厚の原子層堆積膜を形成することができる。
以上において本発明では、配管及び/又は処理容器を構成する金属にアルマイト処理を施し、その上に堆積膜を形成するようにしてもよい。
本発明の原子層堆積膜を形成する表面処理の対象となる半導体処理装置を説明するための断面図である。 前記半導体処理装置の構成部材に対して原子層堆積膜を形成する表面処理を行うための表面処理装置の一例を示す構成図である。 前記表面処理装置において、処理容器と当該処理容器に処理ガスを供給するための配管とに対して表面処理を行う場合を示す構成図である。 前記表面処理装置において、処理容器と前記配管とに対して表面処理を行う場合を説明するための工程図である。 前記処理容器と配管とに対して原子層堆積膜を形成する場合の原料ガスの給断の様子を示す構成図である。 前記表面処理装置において、処理容器に処理ガスを供給するための配管のみに対して表面処理を行う場合を示す構成図である。 前記表面処理装置において、処理容器のみに対して表面処理を行う場合を示す構成図である。 前記表面処理装置において、処理容器に処理ガスを供給するためのガス配管のみに対して表面処理を行う場合を示す構成図である。 前記表面処理装置において、前記処理ガス供給管に設けられたガス供給機器ユニットのみに対して表面処理を行う場合を示す構成図である。 前記表面処理装置において、処理容器に処理ガスを供給するための処理ガス供給管のみに対して表面処理を行う場合を示す構成図である。
符号の説明
10 処理容器
11 載置台
12 ガス供給部
13 下面部材
14 バッフル板
15 メカチャック
2 ガス供給源
21 処理ガス供給管
22 ガス供給機器ユニット
23 ガス配管
24 排気管
25 真空ポンプ
41 第1の原料供給路
42 第2の原料供給路
43 第1のバイパス路
44 第2のバイパス路
51 第1の原料ガス供給源
52 第2の原料ガス供給源

Claims (6)

  1. 処理ガスを金属製の処理容器内に供給することにより処理容器内の基板に対して半導体装置を製造するための処理を行い、処理ガスが腐食性ガスであるか、または前記処理後に処理容器内に腐食性ガスであるクリーニングガスを供給して処理容器内をクリーニングする半導体処理装置について、腐食性ガスが通流する部位の表面を処理する方法において、
    前記処理容器に、当該処理容器に腐食性ガスを供給するための金属製の配管と排気管とを接続し、前記排気管に真空排気手段を接続する工程と、
    次いで前記配管及び/または処理容器の内表面に、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、イットリウムからなる群から選択された元素を含む堆積膜を成膜する工程と、を含み、
    前記堆積膜を成膜する工程は、
    前記配管及び処理容器のうち前記堆積膜を成膜させない部分を迂回するバイパス路を設ける工程と、
    前記配管及び処理容器のうち前記堆積膜を成膜させる部分を加熱する工程と、
    前記配管の上流側から、前記元素を含む第1の原料ガスを供給して、前記堆積膜を成膜させる部分の内表面に吸着させ、次いで前記配管の上流側から、第1の原料ガスに代えて第2の原料ガスを供給して、前記内表面に吸着された第1の原料ガスと反応させ、前記内表面に前記元素の原子層あるいは前記元素を含む分子層を形成し、前記第1の原料ガスを供給する工程と第2の原料ガスを供給する工程とを交互に多数回切り換え、両工程の間に、前記原料ガスの供給を止めて、前記堆積膜を成膜させる部分の内部を真空排気する工程を介在させて、加熱した前記堆積膜を成膜させる部分の内表面に前記堆積膜を成膜する工程と、を含むことを特徴とする半導体処理装置の表面処理方法。
  2. 前記配管は、半導体処理装置を製造するメーカにて製造された処理容器に付設された、当該処理容器に処理ガスを供給するための金属製の配管と、この配管に接続される半導体処理装置を使用するユーザ側の金属製の配管と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置の表面処理方法。
  3. 前記配管及び/又は処理容器を構成する金属は、アルミニウム又はステンレスであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体処理装置の表面処理方法。
  4. 前記配管及び/又は処理容器を構成する金属と堆積膜との間には溶射膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の半導体処理装置の表面処理方法。
  5. 前記溶射膜は、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、ガリウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ゲルマニウム、タンタル、ネオジムのいずれかを含むものであることを特徴とする請求項記載の半導体処理装置の表面処理方法。
  6. 前記配管及び/又は処理容器を構成する金属にアルマイト処理を施し、その上に堆積膜が形成されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一に記載の半導体処理装置の表面処理方法。
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