JP5025864B2 - 鉛蓄電池用リブ付きセパレータ - Google Patents

鉛蓄電池用リブ付きセパレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、その片面または両面にリブを有するポリオレフィン系樹脂を主体とする鉛蓄電池用リブ付きセパレータに関するものである。
【0003】
【従来の技術】
鉛蓄電池の極板にエキスパンド方式の極板が使用される割合が増加してきたのに伴い、ポリオレフィン系樹脂を主配合としたセパレータの使用量が増加してきた。
このセパレータは、袋状に加工し、陽極板または陰極板を収納して用いられる。このセパレータを使用することの利点は、第一に、リーフ状セパレータを使用した鉛蓄電池に見られるような、陰極板からのデンドライトの成長によるショートが起こらないことが挙げられる。第二に、電池性能で、電池内部抵抗が小さく、ガラスマットを併用した電池と比較して高率放電時の電圧降下が小さいことが挙げられる。第三に、このセパレータはロール状にして、電池組立ラインにおいて連続して供給されることができるため、リーフ状セパレータと違って、電池の組立が自動化でき、生産性の向上が図ることができることが挙げられる。
【0004】
一般に、このセパレータを使用する場合は、ガラスマットと併用することは少なくなる。このため、このセパレータの最大の弱点である耐酸化性の低下を防ぐために、陽極板側に接するセパレータの面には、陽極板とセパレータの間に一定の間隔を確保するために突起状のリブを設けて対処している。このリブは、極板との接触を防ぎ、酸化による腐食をしにくくする役割を担っている。また、このリブによってセパレータと極板との間に空間を形成し、充電時に発生するガスを滞留させることなく速やかに逃がすといった特徴を有する。
【0005】
前記リブを設けたセパレータを鉛蓄電池に使用した場合における酸化劣化現象は、陽極板とセパレータのベース部が接触し、充電時に陽極板より発生する活性酸素の攻撃を受け、ポリオレフィン系の樹脂が分解され、次第に浸食されることによって生じる。実際、この種のセパレータの場合、ベース部の厚さは0.25mm程度の薄肉であるため、セパレータが原因で電池寿命に至ったほとんどのケースでは、前記酸化劣化現象によってセパレータのベース部に穴があいてしまいセパレータとして機能しなくなっている状況が見られる。一方、ロール状に巻かれて出荷されることが多いこの種のセパレータでは、巻き圧力によってリブが倒れたり変形したりすることがある。リブが倒れたりして、所定のリブ高さを確保できていないセパレータを電池に組み込んで使用すると、極板とリブを設けたセパレータのベース部が直接接触しやすくなり、酸化の進行速度がより一層速くなることから、セパレータの寿命低下を一層加速させてしまう。よって、セパレータの寿命を安定的に長く維持するためには、電池に組み込む際のセパレータはできるだけリブが倒れたり変形したりしていないようにしておくことが重要となる。これを解決する方法として、本出願人は、先に平成11年特許願第269720号において、リブ高さに対してリブ底幅を大きくする(リブを太くする)方法を提案している。
【0006】
通常、耐酸化性の低下を防ぐための手段の一つとして、セパレータには鉱物オイルを含有させている。このオイルによって、多孔性セパレータの内外表面を被覆することができ、酸化雰囲気に弱いポリオレフィン系樹脂の表面を保護でき、酸化劣化の進行を遅らせることができる。鉱物オイルの含有方法としては、押出成形の原料混合物に配合する可塑剤として予め鉱物オイルを配合しておき、有機溶剤による可塑剤(鉱物オイル)の抽出除去工程において、可塑剤のすべてを除去せず、一定量の5〜30質量%をシート中に残留させるといった方法によるのが一般的である。 鉱物オイルを5〜30質量%含有するセパレータの一般的な製法としては、主原料であるポリオレフィン系樹脂と無機粉体と鉱物オイルの三者を配合した原料混合物を押出成形機により押出し、所定の厚さの薄肉シートを得、これを有機溶剤に浸漬して、含有する鉱物オイルの一部を除去して引き上げ、加熱乾燥して有機溶剤を除去するといったものである。
前記鉱物オイルを5〜30質量%含有するセパレータの製法において、ある濃度に設定された有機溶剤槽(有機溶剤と鉱物オイルとの混合槽)にシートを浸漬する場合、通常は、生産効率を考慮して、目的のオイル含有率(オイル抽出量)に達するまでの比較的最短時間をシートの浸漬時間として設定しているのが一般的である。また、このような有機溶剤の槽にシートを浸漬することによりオイルを抽出除去する方法において、抽出反応は、オイルがセパレータの持つ複雑に入り組んだ微細な孔の中に染み込んできた有機溶剤と接触することによって起こるものである。しかしながら、リブ付きセパレータでは、平板上に形成される突起状のリブによってセパレータ断面が凹凸形状となるため、セパレータの部位によって抽出除去すべきオイルの位置に有機溶剤が到達するまでの時間に差が生じ、オイルの抽出反応の進行速度に変化が生じる。一般に、ベース部の厚さが0.25mm程度の薄肉セパレータの場合、リブ部においてはリブ底幅が太くなるほど、リブ部におけるオイル抽出反応の進行速度が遅くなる。したがって、上記したように生産効率を考慮して目的のオイル含有率(オイル抽出量)に達するまでの比較的最短時間をシートの浸漬時間として設定した場合には、リブ部とベース部のオイル抽出反応の進行の速度の差が一層大きくなり、結果的にリブ部とベース部のオイル含有率にも大きな差が生じることとなる。通常はシート全体のオイル含有率は一定としているので(ベース部のオイル含有率が相対的に著しく少なくなったとしてもシート全体のオイル含有率を上げればベース部のオイル含有率も目標値を確保することは可能だが、シート全体のオイル含有率はセパレータの特性値にも影響を及ぼす重要な数値であるため単純にこのような措置を取ればいいということにはならないため)、ただでさえ相対的にオイル含有率が少なくなるベース部では、リブ部のオイル含有率が高くなる分より一層オイル含有率が低くなってしまう。上記したように、セパレータ中に含有されるオイルは、多孔性セパレータの内外表面を被覆して、酸化雰囲気に弱いポリオレフィン系樹脂の表面を保護し酸化劣化の進行を遅らせる作用を有し、セパレータの耐酸化性低下を抑制するといった重要な役割を持つことから、ベース部のオイル含有率が極端に少なくなるということは、ベース部における耐酸化性低下抑制効果が損なわれることにつながる。
ただし、ここで述べたような傾向は、あくまでも、生産効率を考慮して目的のオイル含有率(オイル抽出量)に達するまでの比較的最短時間をシートの浸漬時間として設定した場合が前提となっている。つまり、生産効率をある程度考慮の範囲外に置いてもいいとするならば、多少話は違ってくる。つまり、シートを有機溶剤槽に浸漬する時間をより長く確保できるならば、シート全体のオイル含有率を所定値に確保したままで、ベース部のオイル含有率を目標値に近づけることは可能である。本出願人が先に提案した特願2000−158292も、この考え方を応用したものである。しかしながら、この考え方は、生産効率を犠牲にする考え方であり、シートを有機溶剤槽に長時間浸漬する必要があることから、生産性はより悪くなる方向へと進む。したがって、あくまでも生産性を優先する場合には、上記したような、ベース部のオイル含有率が少なくなることによるベース部の耐酸化性低下抑制効果の低下は避けられない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、セパレータの寿命を安定的に長く維持するためには、電池に組み込む際のセパレータはできるだけリブが倒れたり変形したりしていないようにして適正なリブ高さを確保できるようにしておくことが重要となり、これを解決する方法として、リブ高さに対してリブ底幅を大きくする(リブを太くする)方法が提案されているが、リブを太くして堅固なものとすればリブ倒れの不具合は解消されるが、その反面、リブ部とベース部のオイル含有率格差を増幅させ、ベース部のオイル含有率が著しく少なくなることによるベース部の耐酸化性低下抑制効果の低下を招いたり、あるいは、シートの有機溶剤槽への浸漬時間を長時間化させることによる生産性の低下を招いたりすることになる。
そこで、本発明は、ベース部の耐酸化性低下抑制効果の低下や、生産性の低下を招くことなく、リブの倒れや変形の不具合を解消することが出来る、電池特性を十分に満足する鉛蓄電池用リブ付きセパレータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記点に鑑み、種々の検討を行った結果、鉛蓄電池用リブ付きセパレータのリブ形状を検討することで、ベース部の耐酸化性低下抑制効果の低下や、生産性の低下を招くことなく、リブの倒れや変形の不具合を解消することが出来るセパレータにすることができることを見出した。
本発明はかかる知見に基づくものであり、本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、請求項1記載の通り、樹脂材料と可塑剤を含む材料を混合しリブを有するシートに成形後に可塑剤の一部を抽出除去して得られるリブ付き多孔性シートである鉛蓄電池用リブ付きセパレータにおいて、リブの少なくとも立ち上がり部を下側に開拡する凹面に形成したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、請求項1に記載の鉛蓄電池用セパレータにおいて、前記凹面の始端を前記リブの側壁面における前記リブの高さの10%以上の位置とすることを特徴とする。
また、請求項3に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、請求項1または2に記載の鉛蓄電池用セパレータにおいて、リブの側壁面全体を凹面で形成したことを特徴とする。
また、請求項4に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、請求項3に記載の鉛蓄電池用セパレータにおいて、前記凹面は下側に開拡する凹面であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、以下のようにして製造することができる。まず、主原料であるポリオレフィン系樹脂と無機粉体と鉱物オイルの三者を加えた混合物を押出成形機により押出し、二本の成形ロールにより加圧して、所定の厚さの薄肉シートを得る。この成形ロールの一方または双方には、リブを成形するための溝が彫刻してあり、その溝の彫刻パターンで、連続した直線状リブ・S字状リブ、非連続の破線状リブ・点状リブ・く字状リブ、またはこれらを組み合わせたものなど、様々な形状のリブを有するシートを成形する。得られた成形シートを有機溶剤に浸漬して、含有する鉱物オイルの一部を除去して引き上げ、加熱乾燥して有機溶媒を除去し、鉛蓄電池用リブ付きセパレータを得る。
【0010】
鉛蓄電池用リブ付きセパレータに使用される前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン及びこれらの共重合物或いはこれらの混合物等が使用され、その平均分子量は200万以上のものを用いることが望ましい。
【0011】
また、前記無機粉体としては、珪酸、珪酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、珪藻土、ガラス繊維粉等の一種又は二種以上が使用される。
【0012】
また、前記鉱物オイルとしては、主としてパラフィン系オイルが使用されるが、これに限定されるものではない。鉱物オイルは、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び鉱物オイルの三者の混合物に対して、30〜70質量%添加され、混合物のシート成形用の可塑剤として、或いは、有機溶剤により溶出された後の微孔形成剤として、更には、微多孔性シート中に5〜30質量%残留せしめて耐酸化性付与剤として役立つ。
【0013】
【実施例】
次に、本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータの実施例について比較例とともに説明する。
【0014】
(実施例1)
本実施例の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、高密度ポリエチレン樹脂粉末20質量部と、無機粉体として平均粒径5μmのシリカ粉末24質量部と、鉱物オイルとしてパラフィン系オイル56質量部とをヘンシェルミキサで混合し、得られた混合物を2軸押出機で押出し、成形ロールで加圧成形した。前記成形ロールの一方には、ロールの軸方向に10mm間隔で彫刻を施してあり、これによって厚さ0.25mmのセパレータの上面にリブを形成した。本実施例において、形成したリブのリブ方向に垂直の断面形状は、図1に示すように、上底(u=0.3mm)・下底(s=0.9mm)・高さ(h=1.2mm)の台形の側面底部に、前記側面底部を立ち上がり部2として曲率半径0.3mmの下側に開拡する凹面を有する略台形とした。このようにして得られたセパレータを、トリクロロエチレン中に浸漬して鉱物オイルの含有量が13質量%になるまでオイルを抽出した。
【0015】
(実施例2)
本実施例の鉛蓄電池用リブ付きセパレータは、実施例1の成形ロールとは異なるものを使用し、リブの断面形状を、図2に示すように上底(u=0.3mm)・下底(s=0.9mm)・高さ(h=1.2mm)の台形の側辺(g)全体を、曲率半径2.7mmの下側に開拡する凹部状に形成して略台形とした以外は、前記実施例と同様にして製造した。
【0016】
次に、本実施例の鉛蓄電池用リブ付きセパレータと比較するために、以下の断面形状を有するリブ付きセパレータを比較例1及び2として用意した。尚、比較例1及び2のセパレータは、リブの断面形状以外は、前記実施例のリブ付きセパレータと同様となるように製造した。
(比較例1)
比較例1の鉛蓄電池用リブ付きセパレータのリブの断面形状は、図3に示すようには、上底(u=0.3mm)・下底(s=0.6mm)・高さ(h=1.2mm)の台形とした。
【0017】
(比較例2)
比較例2の鉛蓄電池用リブ付きセパレータのリブの断面形状は、図4に示すように、上底(u=0.3mm)・下底(s=0.9mm)・高さ(h=1.2mm)の台形とした。
【0018】
各セパレータについて、リブ倒れの確認と、オイル抽出時間、オイル含有率、耐酸化時間の測定を行った結果を表1に示す。リブ倒れの確認は、各工程において目視による結果であり、また、オイル抽出時間は、セパレータの鉱物オイル含有量が13質量%になるまでに要する時間を、比較例1のリブ付きセパレータに必要な時間を100として相対評価した。尚、オイル抽出反応に影響する時間以外の条件(有機溶剤温度、有機溶剤中のオイル濃度)は同条件で評価した。また、オイル含有率及び耐酸化時間については、次のようにした。
[オイル含有率]
リブ付きセパレータを、リブ突起の各付け根に沿ってセパレータ面に垂直に切断した場合の、リブを含む部分をリブ部、リブを含まない残りの部分をベース部とし、それぞれのオイル含有率を測定した。
[耐酸化時間]
試験容器に試料(セパレータ70mm角)を19.6kPaの荷重がかかるようにセットし、比重1.300(20℃)の電解液を1000ml注入し、電解液温度を50±2℃の状態で5.0Aの直流電流を通電中は電流が一定となるように調整して流し、端子電圧が2.6V以下または電圧差が0.2V以上となった時間を耐酸化時間とした。
【0019】
【表1】
Figure 0005025864
【0020】
表1から明らかなように、リブ倒れについては、比較例1のリブでは、リブ下底(s)が0.6mmと小さいためリブ倒れが確認されたのに対し、実施例1及び2では、リブ下底(s)を比較例2(従来のリブ倒れ対策品)と同じ0.9mmと大きくしたことにより、比較例2と同様にリブ倒れは確認されなかった。また、オイル抽出時間については、リブ下底(s)が0.6mmの断面台形状を有する比較例1が100であるのに対して、従来のリブ倒れ対策品であり比較例1と同じく断面台形状のままリブ下底(s)を0.9mmと大きくした比較例2では150と1.5倍の抽出時間を要したが、実施例1及び2では、この比較例2と同じくリブ下底(s)を0.9mmと大きくしたにも拘わらず、断面形状に凹形状を採用することで比較例1に近い断面積に留めることができたことにより105と、比較例1とほぼ同等のオイル抽出時間に留めることが出来た。また、オイル含有率についても、リブ下底(s)が0.6mmの断面台形状を有する比較例1では、リブ部とベース部のオイル含有率の差が11.4質量%であるのに対して、従来のリブ倒れ対策品であり比較例1と同じく断面台形状のままリブ下底(s)を0.9mmと大きくした比較例2では差が24.0質量%と2倍以上に拡大し、ベース部のオイル含有率も比較例1の8.6質量%から6.0質量%へと約30%も低下したが、実施例1及び2では、この比較例2と同じくリブ下底(s)を0.9mmと大きくしたにも拘わらず、断面形状に凹形状を採用することで比較例1に近い断面積に留めることができたことにより差は14.0質量%と、比較例1とほぼ同等に留めることが出来、ベース部のオイル含有率も比較例1の8.6質量%に対し8.0質量%とほぼ同等に留めることが出来た。このオイル含有率の結果を反映し、耐酸化時間においても、比較例1の250hに対して、比較例2では210hと16%の低下が見られたが、実施例1及び2では比較例1とほぼ同等に留めることが出来た。
この結果から、実施例1のリブは、比較例1と比べて、ベース部からの立ち上がり部分への応力が分散することができるためリブ倒れを防止することができ、また、リブの裾部での表面積を広くして、有機溶剤がリブの内部へ浸透するのに必要な時間を短くできることが分かった。
また、実施例2のリブは、比較例2と比べて、側壁部全面を凹面としたことで、有機溶剤がリブに接触する面積を広くすることができ、有機溶剤のリブ内部へ浸透するのに必要な時間を短くでき、オイル抜け性が良かった。しかも、側壁面全体を下側に開拡する凹面としたことでリブを堅固なものとできリブ倒れを防止することができた。
以上から、実施例1及び2のセパレータでは、従来のリブ倒れ対策品である比較例2とほぼ同等のリブ倒れ抑制効果を有するとともに、リブ倒れ未対策品である比較例1とほぼ同等のオイル抽出性能、即ち生産性と、耐酸化性を有することが確認できた。つまり、リブの断面形状を工夫することで、比較例1のリブ形状の欠点であるリブ倒れと、比較例2のリブ形状の欠点である(リブ部のオイル抽出速度低下に伴う)生産性低下及び耐酸化性低下を、同時に解消することができた。
【0021】
尚、本実施例1では、リブの立ち上がり部の断面形状を曲率半径0.3mmの下側に開拡する凹面として形成したが、リブの立ち上がり部における表面積を広くしてオイル抜け性の向上を図るとともにリブ倒れを防止することができるような凹面の形状であれば特に限定されるものではない。また、更なるオイル抜け性及びリブ倒れ防止性の向上を図るには、前記リブの側壁面における前記リブの高さの10%以上の位置を始端とすることが好ましい。例えば、本実施例1のリブ高さ(h=1.2mm)であれば、リブの側壁面における前記リブの高さの10%以上の位置(h2=0.12mm)を始端とする凹面、例えば、曲率半径0.15mmの球面であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータによれば、鉛蓄電池に組み込んだ場合、リブの少なくとも立ち上がり部を下側に開拡する凹面を形成することにより、リブが倒れたり変形したりすることを抑制することができ適正なリブ高さを確保することができる。従って、極板とセパレータのベース部とが接触しにくくなりセパレータの寿命を延ばすことができる。しかも、この場合、リブ断面形状に凹形状を採用したことにより、従来の単なる断面台形状のままリブを太くしたリブ倒れ対策方法において問題とされた、リブ部のオイル抽出速度低下に伴う生産性の低下や耐酸化性の低下といった問題点の招来を極力抑えることができる。更に、本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータによれば、立ち上がり部における表面積を広くとることができ、製造時のオイル抽出に必要な時間を短くし、製造における生産性を低下することがない。
更に、リブの側壁面全体を凹面に形成することにより、有機溶剤がリブに接触する面積を広くすることができ、オイル抜け性を向上させることができる。
また、更に、リブの側壁面全体を下側に開拡する凹面とすることで、リブをより堅固なものとすることができリブ倒れの防止をより確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である鉛蓄電池用リブ付きセパレータの断面を説明するための説明図。
【図2】 本発明の一実施例である鉛蓄電池用リブ付きセパレータの断面を説明するための説明図。
【図3】 比較例1の鉛蓄電池用リブ付きセパレータの断面を説明するための説明図。
【図4】 比較例2の鉛蓄電池用リブ付きセパレータの断面を説明するための説明図。
【符号の説明】
1 リブ
2 リブの立ち上がり部
3 セパレータのベース部
u リブの断面形状の上底長さ
s リブの断面形状の下底長さ
h リブの断面形状の高さ
h2 リブ立ち上がり部のリブ側壁面における始端の高さ
g リブの断面形状の側辺

Claims (4)

  1. 樹脂材料と可塑剤を含む材料を混合しリブを有するシートに成形後に可塑剤の一部を抽出除去して得られるリブ付き多孔性シートである鉛蓄電池用リブ付きセパレータにおいて、リブの少なくとも立ち上がり部を下側に開拡する凹面に形成したことを特徴とする鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  2. 前記凹面の始端を前記リブの側壁面における前記リブの高さの10%以上の位置とすることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  3. リブの側壁面全体を凹面で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
  4. 前記凹面は下側に開拡する凹面であることを特徴とする請求項3に記載の鉛蓄電池用リブ付きセパレータ。
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