JP2009004220A - 鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐酸化力に優れた長寿命のセパレータを得ることができるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂と、無機粉体と、鉱物オイルとからなる原料組成物を加熱溶融し、混練しながら、リブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤の浸漬槽に浸漬して前記オイルの一部を抽出除去し、乾燥する鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法において、前記浸漬槽は、前記溶剤中に所定濃度に前記オイルが混合された混合液が多段に構成され、前記所定オイル濃度の多段の混合液が、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率よりも低いオイル含有率となるようなオイル濃度の混合液Aと、その後段に配置される前記混合液Aよりも高いオイル濃度の混合液Bとを有し、前記リブ部のオイル抽出反応が平衡状態に達する前に前記シートを引き上げる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体を主構成とした、表面(片面または両面)にリブを有する鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法に関する。
従来、鉛蓄電池用セパレータとして、ポリオレフィン系樹脂(通常、ポリエチレン樹脂)、無機粉体(通常、シリカ)、鉱物オイルの3者(他に微量添加剤を含む場合あり)よりなる原料組成物を加熱溶融し混練しながらリブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤中に浸漬して、前記シート中のオイルを抽出除去してなるポリオレフィン微多孔質フィルムセパレータが知られている。
ポリオレフィン微多孔質フィルムセパレータは、通常、可塑剤として添加されシートを多孔質化するために抽出除去される鉱物オイルを、敢えて全量抽出除去せず一部を残留させるようにしている。これは、セパレータ中に残存した鉱物オイルが、ポリオレフィン微多孔質フィルムセパレータの内外表面を被覆保護し、鉛蓄電池の使用中酸化雰囲気に曝される本来耐酸化力の乏しいポリオレフィン微多孔質セパレータのポリオレフィン材質の酸化劣化、酸化浸蝕、酸化損耗の進行を遅らせるという機構を利用したものである。そして、この機構を十分に機能させるためには、該セパレータ中に残存させる鉱物オイル量(セパレータ中の鉱物オイル含有率)は、少なくとも5質量%以上が必要で5〜30質量%が好ましいとされている(30質量%を超えると空隙率の低下による電気抵抗の増大、電解液中へのオイル溶出による汚染のリスクが高まるため好ましくない)。
ポリオレフィン微多孔質フィルムセパレータのオイル抽出除去操作は、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体、鉱物オイルの3者の原料組成物から溶融成形したシートを、前記鉱物オイルを溶解し得る溶剤の浸漬槽(溶剤中に所定濃度に鉱物オイルが混合された混合液)に所定時間浸漬した後引き上げるという操作であり、通常、連続ライン工程で行われるため、できるだけオイル抽出除去操作にかかる時間を短くする必要があり、抽出能力の高い溶剤(n−ヘキサン、トリクロロエチレン等)を選択するとともに、混合液のオイル濃度は、オイル抽出反応(セパレータの微孔中に存在するオイルが微孔内に浸入してきた溶剤と接触し抽出除去される動作・挙動のこと)が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率よりも低いオイル含有率となるようなオイル濃度に設定し、オイル抽出反応が未だ活発に進行中の間に、予め目的のオイル含有率に合わせた浸漬時間に達した時点で引き上げるという方法で行われている。
しかし、ポリオレフィン微多孔質フィルムセパレータのリブは、通常、0.2mm程度のベース厚さに対してリブ高さが0.6〜1.4mm程度もあり、リブ幅も底幅が0.8mm程度で頂幅が0.4mm程度と太い。このため、前記のように抽出所要時間をできる限り短くするように設計した抽出操作では、セパレータのベース部とリブ部とで、オイル抽出反応の進行速度(オイル抽出速度)に大きな差が生じ、ベース部のオイル抽出速度は速く、リブ部のオイル抽出速度は遅くなる不具合が起きる。結果として、例えば、目的のオイル含有率を15質量%としたセパレータの標準的な例では、セパレータのオイル含有率が、セパレータ全体で15質量%、ベース部で7質量%、リブ部で30質量%と、ベース部とリブ部とで大きな差が生じることとなる。尚、ここで言う「ベース厚さ」「リブ高さ」「ベース部」「リブ部」「リブ幅」とは、特許文献1にて定義されるものと同義である。
ポリオレフィン微多孔質フィルムセパレータは、薄肉構造であるベース部が正極板からの発生期酸素による強い酸化力により酸化劣化、酸化浸蝕、酸化損耗を受け容易に孔が開いたりしないようにリブを設けるように設計されていることからも分かるように、該セパレータにおいては、セパレータの部位の中でも特にベース部の耐酸化力を向上させることが、セパレータの寿命を延ばす有効な手段と位置づけられている。しかしながら、前述した、セパレータ中に含有させた鉱物オイルでセパレータ表面を保護する耐酸化力向上策では、セパレータの生産性を考慮した現実的な製法上では、セパレータ全体のオイル含有率を15質量%としてもベース部のオイル含有率は7質量%でしかなく、本来耐酸化力向上が求められるベース部の耐酸化力向上策になっていない。
そこで、本出願人は、この問題点に対処するオイル抽出除去操作の方法として、引き上げ直前のシートの浸漬状態が、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合にほぼ目的のオイル含有率となるようなオイル濃度下で、オイル抽出反応がほぼ平衡状態または停止状態にあるようにすることで、セパレータのベース部とリブ部のオイル含有率の差を小さくする方法を提案した(特許文献1)。
特開2001−338631号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、確かに、セパレータのオイル含有率が、例えば、セパレータ全体で13.0質量%、ベース部で12.6質量%、リブ部で13.9質量%と、ベース部とリブ部の差を小さくすることができた結果、セパレータ全体で13.0質量%に留めているにも拘わらずベース部を12.6質量%にまで高めることができており、セパレータ中に含有させた鉱物オイルでセパレータ表面を保護するという耐酸化力向上策が、本来耐酸化力向上が求められるベース部に対する耐酸化力向上策として反映され有効に機能しており申し分ないが、オイル抽出除去操作に時間がかかり過ぎ、生産性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体、鉱物オイルの3者よりなる原料組成物を加熱溶融し混練しながらリブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤中に浸漬して前記オイルの一部を抽出除去し、前記オイルを5〜30質量%含有させるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法において、オイル抽出除去時間の長時間化による生産性の低下を抑えつつ、セパレータのオイル含有率のベース部とリブ部との差を低減しベース部のオイル含有率を高めて耐酸化力に優れた長寿命のセパレータを得ることができるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法は、前記目的を達成するべく、請求項1に記載の通り、ポリオレフィン系樹脂20〜60質量%と、無機粉体80〜40質量%と、これらの合計量に対して40〜240質量%の鉱物オイルとからなる原料組成物を加熱溶融し、混練しながら、リブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤の浸漬槽に浸漬して前記オイルの一部を抽出除去し、乾燥して、前記オイルを5〜30質量%含有させるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法において、前記浸漬槽は、前記溶剤中に所定濃度に前記オイルが混合された混合液が多段に構成され、前記混合液中に前記シートを所定時間浸漬した後引き上げる操作によって前記オイルの抽出除去を行うものであり、前記所定オイル濃度の多段の混合液が、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率よりも低いオイル含有率となるようなオイル濃度の混合液Aと、その後段に配置される前記混合液Aよりも高いオイル濃度の混合液Bとを有し、前記シートのベース部のオイル抽出反応が平衡状態または停止状態に一旦到達している一方、前記シートのリブ部のオイル抽出反応が平衡状態または停止状態に未だ一度も到達していない状態にて、前記シートを引き上げるようにすることを特徴とする。
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体、鉱物オイルの3者よりなる原料組成物を加熱溶融し混練しながらリブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤中に浸漬して前記オイルの一部を抽出除去し、前記オイルを5〜30質量%含有させるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法において、オイル抽出除去時間の長時間化による生産性の低下を抑えつつ、セパレータのオイル含有率のベース部とリブ部の差を低減しベース部のオイル含有率を高めて耐酸化力に優れた長寿命のセパレータを得ることができるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法を提供することができる。
本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂20〜60質量%と、無機粉体80〜40質量%と、これらの合計量に対して40〜240質量%の鉱物オイルとからなる原料組成物を加熱溶融し、混練しながら、リブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤の浸漬槽に浸漬して前記オイルの一部を抽出除去し、乾燥して、前記オイルを5〜30質量%含有させるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法において、前記浸漬槽は、前記溶剤中に所定濃度に前記オイルが混合された混合液が多段に構成され、前記混合液中に前記シートを所定時間浸漬した後引き上げる操作によって前記オイルの抽出除去を行うものであり、前記所定オイル濃度の多段の混合液が、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率よりも低いオイル含有率となるようなオイル濃度の混合液Aと、その後段に配置される前記混合液Aよりも高いオイル濃度の混合液Bとを有し、前記シートのベース部のオイル抽出反応が平衡状態または停止状態に一旦到達している一方、前記シートのリブ部のオイル抽出反応が平衡状態または停止状態に未だ一度も到達していない状態にて、前記シートを引き上げるようにしたものであり、これにより、オイル抽出除去時間の長時間化を抑えて生産性の低下を抑えつつ、セパレータのオイル含有率のベース部とリブ部との差を低減することができ、結果としてベース部のオイル含有率を高めて、耐酸化力に優れた長寿命のセパレータを得ることができるようにしている。
尚、ここで、「オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率よりも低いオイル含有率となるようなオイル濃度の混合液」といったような規定がなされているが、素朴な疑問として、オイル抽出反応の進行中では浸漬時間の経過とともに混合液のオイル濃度は徐々に高くなりオイル濃度が変動しているのではないか、平衡状態後に引き上げられたセパレータのオイル含有率は混合液のオイル濃度変動の影響を受けるのではないかといった疑問があろうが、実際の工程では、浸漬槽の混合液の液量は相当に多いため、該混合液にとって、シートから抽出除去されてくるオイルの増量分は軽視できるレベルであること、また、常にオイル濃度は濃度計で計測され混合液の入れ替え(高濃度液の排出と低濃度液の補充)によって常に所定の一定濃度に保たれるように制御されていることから、問題はない。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンおよびこれらの共重合物、或いは、これらの混合物等が使用できるが、セパレータの機械的強度の面からは、平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンを用いることが望ましい。
前記無機粉体としては、珪酸、珪酸カルシウム、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、珪藻土、ガラス繊維粉等の1種または2種以上が使用できる。
前記鉱物オイルとしては、主としてパラフィン系オイルが使用されるが、これに限定されるものではない。鉱物オイルは、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体との配合物に対して、40〜240質量%添加され、原料混合物の押出成形用の可塑剤として、また、有機溶剤により抽出除去されることによる微孔形成剤として機能し、更には、微多孔性シート中に5〜30質量%残留せしめて耐酸化性付与剤として機能する。
本発明の鉛蓄電池用リブ付きセパレータには、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体、鉱物オイルの3者以外に、抗酸化剤、濡れ性向上のための浸透剤等の微量添加剤を含有させるようにしてもよい。
次に、本発明の実施例について従来例とともに詳細に説明する。
(実施例)
重量平均分子量200万の高密度ポリエチレン樹脂粉体20質量%と、無機粉体として平均粒径5μmのシリカ粉末24質量%と、鉱物オイルとしてパラフィン系オイル56質量%の3者をヘンシェルミキサで混合し、該混合物を先端にTダイを取り付けた二軸押出機にて加熱溶融し、混練しながらシート状に押し出し、即座に、一方のロールに所定のリブ形成用の溝を刻設した成形ロール間を通して加圧成形し、MD方向に延びる複数条の連続線状のリブを突設させたベース厚さ0.2mmの薄肉シートを得た。尚、リブ形状の詳細は、リブ高さが0.8mm、リブ底幅が0.8mm、リブ頂幅が0.4mmの略台形の断面形状であった。次いで、前記シートを、鉱物オイル濃度を1.0質量%に保った十分な量のトリクロロエチレン/鉱物オイル混合液A(25℃)と、その後段に配置される鉱物オイル濃度を6.0質量%に保った十分な量のトリクロロエチレン/鉱物オイル混合液B(25℃)とからなる浸漬槽中に通して90秒間(混合液Aに約70秒間、混合液Bに約20秒間)浸漬し前記シート中の鉱物オイルの一部を抽出除去して引き上げ、加熱乾燥して、オイル含有率が全体で15.0質量%のポリエチレン微多孔質フィルムセパレータを得た。尚、ベース部のオイル含有率は12.1質量%、リブ部のオイル含有率は19.8質量%であった。尚、トリクロロエチレン/鉱物オイル混合液Aのオイル濃度1.0質量%とは、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率15.0質量%よりも低いオイル含有率2.0質量%となるレベルに設定されたオイル濃度であり、同様に、混合液Bのオイル濃度6.0質量%とは、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率15.0質量%よりもやや低いオイル含有率12.0質量%となるレベルに設定されたオイル濃度である。よって、オイル抽出反応の経緯を、ベース部とリブ部の部位別に見た場合、まず、薄肉構造のベース部ではオイル抽出反応の進行が速いため、混合液Aに浸漬中にオイル含有率(仮にその時点で引き上げて測定した場合の値、以下同じ)は混合液Bのレベルである12.0質量%よりも低いレベルにまで下がり但しオイル抽出反応は未だ進行中のまま、混合液Bに浸漬後に一時的にオイル抽出反応は停止状態になり緩やかにオイル含有率は上昇に転じていくという挙動であった。一方、リブ部は、オイル抽出反応の進行が遅いため、混合液Aに浸漬中にオイル含有率は混合液Bのレベルである12.0質量%を大きく上回るレベルにまでしか下がらずオイル抽出反応は未だ活発に進行中のまま、混合液Bに浸漬後も引き続きオイル抽出反応は進行し続けオイル含有率は混合液Bのレベルである12.0質量%を大きく上回るレベル19.8質量%にまでしか下がらずオイル抽出反応は未だ進行中のまま引き上げられるという挙動であった。尚、前記シートの浸漬直後のオイル含有率は前記配合量に示される通り56質量%である。
(従来例1)
実施例と同様に作製した成形シートを、鉱物オイル濃度を2.5質量%に保った十分な量のトリクロロエチレン/鉱物オイル混合液C(25℃)のみからなる浸漬槽中に通して90秒間浸漬し前記シート中の鉱物オイルの一部を抽出除去して引き上げ、加熱乾燥して、オイル含有率が全体で15.0質量%のポリエチレン微多孔質フィルムセパレータを得た。尚、ベース部のオイル含有率は6.9質量%、リブ部のオイル含有率は30.2質量%であった。尚、トリクロロエチレン/鉱物オイル混合液Cのオイル濃度2.5質量%とは、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率15.0質量%よりも低いオイル含有率5.0質量%となるレベルに設定されたオイル濃度である。よって、オイル抽出反応の経緯を、ベース部とリブ部の部位別に見た場合、まず、薄肉構造のベース部ではオイル抽出反応の進行が速いため、混合液Cに浸漬中にオイル含有率は混合液Cのレベルである5.0質量%をやや上回るレベル6.9質量%にまで下がりオイル抽出反応はやや緩やかとなるものの未だ進行中のまま引き上げられるという挙動であった。一方、リブ部は、オイル抽出反応の進行が遅いため、混合液Cに浸漬中にオイル含有率は混合液Cのレベルである5.0質量%を大きく上回るレベル30.2質量%にまでしか下がらずオイル抽出反応は未だ活発に進行中のまま引き上げられるという挙動であった。尚、前記シートの浸漬直後のオイル含有率は前記配合量に示される通り56質量%である。
(従来例2)
実施例と同様に作製した成形シートを、鉱物オイル濃度を7.5質量%に保った十分な量のトリクロロエチレン/鉱物オイル混合液D(25℃)のみからなる浸漬槽中に通して360秒間浸漬し前記シート中の鉱物オイルの一部を抽出除去して引き上げ、加熱乾燥して、オイル含有率が全体で15.0質量%のポリエチレン微多孔質フィルムセパレータを得た。尚、ベース部のオイル含有率は14.5質量%、リブ部のオイル含有率は16.1質量%であった。尚、トリクロロエチレン/鉱物オイル混合液Dのオイル濃度7.5質量%とは、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率15.0質量%と同じオイル含有率15.0質量%となるレベルに設定されたオイル濃度である。よって、オイル抽出反応の経緯を、ベース部とリブ部の部位別に見た場合、まず、薄肉構造のベース部ではオイル抽出反応の進行が速いため、混合液Dに浸漬中にオイル含有率は混合液Dのレベルである15.0質量%とほぼ同レベルの14.5質量%にまで下がりオイル抽出反応は既に平衡状態(停止状態)に到達しているという挙動であった。一方、リブ部は、オイル抽出反応の進行が遅いものの浸漬時間が長かったため、混合液Dに浸漬中にオイル含有率は混合液Dのレベルである15.0質量%をやや上回るレベル16.1質量%にまで下がりオイル抽出反応はほぼ平衡状態に到達しているという挙動であった。尚、前記シートの浸漬直後のオイル含有率は前記配合量に示される通り56質量%である。
次に、上記の実施例、従来例1〜2の製造方法によって得られた各セパレータについて、セパレータの耐酸化性能の指標として、以下の方法により耐酸化時間を測定、評価した。結果を表1に示す。
〈耐酸化時間〉
50mm×50mmの鉛板製の正極および負極を、70mm×70mmのセパレータを挟んで積層し、該積層した正極、セパレータ、負極からなる極群に19.6kPaの加圧をかけて電槽内に組み込んだ後、比重1.300(20℃)の希硫酸電解液を1000ml注入し、液温度50±2℃で5.0Aの直流定電流を流し、端子電圧が2.6V以下または電圧差が0.2V以上となった時点の通電時間を測定し、耐酸化時間とした。尚、表1には、従来例の耐酸化時間を100とした場合の相対値を表示した。
Figure 2009004220
表1の結果から以下のことが分かった。
(1)従来例1の製造方法では、1種類のオイル濃度の混合液からなる浸漬槽を用いて生産性を重視しできるだけ最短時間でオイル抽出操作を行うようにしたため、浸漬時間内でのオイル抽出反応の平衡または停止状態への到達状況は、オイル抽出反応速度が速いベース部、オイル抽出反応速度が遅いリブ部の何れも未到達で、ベース部もリブ部もオイル抽出反応が未だ進行中の状態で浸漬槽より引き上げられた格好になっており、その結果、ベース部とリブ部のオイル抽出反応速度の差がセパレータのベース部とリブ部のオイル含有率の差にそのまま反映される格好となり、セパレータ全体のオイル含有率が15.0質量%であるのに対してセパレータの耐酸化性能に大きな影響力を持つベース部のオイル含有率は6.9質量%(セパレータ全体のオイル含有率からの乖離54%)に留まった。
(2)従来例2の製造方法では、浸漬時間を360秒と長くしたことで、浸漬時間内でのオイル抽出反応の平衡または停止状態への到達状況は、オイル抽出反応速度が速いベース部だけでなくオイル抽出反応速度が遅いリブ部もほぼ到達しており、その結果、ベース部とリブ部のオイル含有率の差はほぼゼロとなり、セパレータの電気抵抗や電池内の汚染に悪影響を与えるセパレータ全体のオイル含有率を15.0質量%に留めつつも、セパレータの耐酸化性能に大きな影響力を持つベース部のオイル含有率を14.5質量%(セパレータ全体のオイル含有率からの乖離3%)と従来例1の約2.1倍に高めることができた。ただし、従来例1に比べオイル抽出工程時間が4倍となり、生産性が大幅に低下する弊害があった。
(3)実施例の製造方法では、前段の低オイル濃度の混合液Aと後段の高オイル濃度の混合液Bの2種類の混合液を組み合わせた浸漬槽を用いてオイル抽出操作を行うようにしたため、浸漬時間内でのオイル抽出反応の平衡または停止状態への到達状況は、オイル抽出反応速度が速いベース部では、低オイル濃度の混合液Aへの浸漬時点では従来例1の場合と同様に目的のオイル濃度を大きく下回るレベルのオイル含有率にまで下がってしまうものの(従来例1ではこの状態で引き上げているためベース部のオイル含有率がセパレータ全体のオイル含有率を大きく下回る結果になっている)、その後の高オイル濃度の混合液Bへの浸漬により一時的なオイル抽出反応の停止状態を経てオイル含有率が上昇に転じている。一方、オイル抽出反応速度が遅いリブ部では、オイル抽出反応を一度も停止させることなく進行させ続け最後も未だ進行中のまま浸漬槽から引き上げている。この結果、従来例1に比べて、オイル抽出工程時間は同じ90秒間としながら(従来例2のように生産性を犠牲にすることなく)、ベース部とリブ部のオイル含有率の差を約1/3に縮めることができ、セパレータの電気抵抗や電池内の汚染に悪影響を与えるセパレータ全体のオイル含有率を15.0質量%に留めつつも、ベース部のオイル含有率を12.1質量%(セパレータ全体のオイル含有率からの乖離19%)と約75%高めることができ、セパレータの耐酸化時間が45%良化した。

Claims (1)

  1. ポリオレフィン系樹脂20〜60質量%と、無機粉体80〜40質量%と、これらの合計量に対して40〜240質量%の鉱物オイルとからなる原料組成物を加熱溶融し、混練しながら、リブを有するシート状に成形した後、前記オイルを溶解し得る溶剤の浸漬槽に浸漬して前記オイルの一部を抽出除去し、乾燥して、前記オイルを5〜30質量%含有させるようにした鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法において、前記浸漬槽は、前記溶剤中に所定濃度に前記オイルが混合された混合液が多段に構成され、前記混合液中に前記シートを所定時間浸漬した後引き上げる操作によって前記オイルの抽出除去を行うものであり、前記所定オイル濃度の多段の混合液が、オイル抽出反応が平衡状態に達するまで浸漬し続け引き上げた場合に目的のオイル含有率よりも低いオイル含有率となるようなオイル濃度の混合液Aと、その後段に配置される前記混合液Aよりも高いオイル濃度の混合液Bとを有し、前記シートのベース部のオイル抽出反応が平衡状態または停止状態に一旦到達している一方、前記シートのリブ部のオイル抽出反応が平衡状態または停止状態に未だ一度も到達していない状態にて、前記シートを引き上げるようにすることを特徴とする鉛蓄電池用リブ付きセパレータの製造方法。
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