JP2005285688A - 電池用セパレータとその製造方法並びに電池 - Google Patents

電池用セパレータとその製造方法並びに電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物をシート状に成形し、前記可塑剤を除去して得られた微多孔質膜からなる電池用セパレータにおいて、界面活性剤を用いることなく、若しくは、界面活性剤の添加量を極微量に留める一方で、良好な電解液浸透性がもたらされる電池用セパレータとその製造方法並びに電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の電池用セパレータは、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して得られた微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用する電池用セパレータにおいて、前記可塑剤の除去後に施した加湿処理により、孔内を含む前記微多孔質膜の内外表面に水蒸気を付着させたことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水溶液系電解液を使用する電池用セパレータ、特に、鉛蓄電池用セパレータに関するもので、詳しくは、界面活性剤を用いることなく、若しくは、界面活性剤の添加量を極微量とする一方で、電解液の浸透性が良好であり、電池の電槽壁の汚染を少なくする電池用セパレータとその製造方法並びに前記電池用セパレータを用いた電池に関する。
従来、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び鉱物オイル等の可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に押出成形し、前記可塑剤を除去して得られたポリオレフィン系樹脂を骨格材とした微多孔質膜が電池用セパレータとして用いられている。
前記可塑剤として用いる鉱物オイルは、成形後のシートから除去されることにより、前記シートを多孔質化する役目を持つものであるが、通常は、そのすべてを除去せず、一定量をセパレータ内に残存させている。セパレータに残存させられた鉱物オイルは、多孔質な前記セパレータの内外表面を被覆し前記セパレータの骨格材であるポリオレフィン系樹脂の電池内での酸化劣化を防止する耐酸化性付与剤としての役目を持つものとなる。
電池用セパレータは、電池の小型化、高性能化等の要求から、内部抵抗つまり電気抵抗をできるだけ低くすることが望ましいが、前記ポリオレフィン系樹脂を骨格材とした微多孔質膜にあっては、前記ポリオレフィン系樹脂が疎水性であるため、電解液浸透性(水濡れ性)が悪く、そのままでは電気抵抗が高くなって電池用セパレータとして使用できない。このため、通常は、前記微多孔質膜に、親水化剤として界面活性剤等の表面活性剤を予め配合あるいは後処理して親水性を向上させた微多孔質膜が電池用セパレータとして使用されている。
このように、前記従来の電池用セパレータにあっては、前記セパレータ内に、耐酸化性付与剤としての鉱物オイルと、親水化剤としての界面活性剤をそれぞれ含んでいる。
しかしながら、前記電池用セパレータにあっては、前記セパレータ内に保持された界面活性剤は、電池の充電末期に起こるガッシングの作用によって前記セパレータから容易に脱離(遊離)する。電池の初充電時(化成)においては、電池内部が高温かつ酸化雰囲気に曝されるため、前記セパレータから遊離した界面活性剤が、初充電時の正極及び負極の活性化(酸化−還元反応)を阻害するようになり、初充電後の所定の電池容量を得られにくくするという問題があった。
また、前記電池用セパレータにあっては、前記セパレータ内に保持された界面活性剤は、同じく前記セパレータ内に保持された前記鉱物オイルの脱離(遊離)を促し、セパレータから遊離した鉱物オイルが、電解液の液面に浮上して、強酸によって変質して暗色の粘着物となり、電槽壁に付着して電槽を汚染し、電解液の液面線を視認しづらくするという問題があった。
このように、前記電池用セパレータにあっては、前記セパレータに親水化剤としての界面活性剤を含ませていることが、上記2つの問題を発生させていると言える。ただし、後者の問題については、前記界面活性剤を含ませていることに加え、耐酸化性付与剤としての鉱物オイルを含ませていることも影響している。しかし、前述したように、このようなポリオレフィン系樹脂を骨格材としたセパレータにあっては、前記鉱物オイルの含有によるセパレータの耐酸化性向上効果は大きく、セパレータの寿命性能を大きく左右するため、前記鉱物オイルの含有は欠かせない条件の一つとなっている。したがって、前記従来の電池用セパレータにおける2つの問題を解決するには、前記セパレータに界面活性剤を極力含ませないようにすることが問題解決への道であると考えられた。
そこで、本発明は、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して得られた微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用する電池用セパレータにおいて、界面活性剤を用いることなく、若しくは、界面活性剤の添加量を極微量に留める一方で、良好な電解液浸透性がもたらされる電池用セパレータとその製造方法を提供し、また、前記電池用セパレータを用いることにより、初充電時の電池容量のバラツキを低減でき、低温高率放電性能に優れた電池を提供することを目的とする。
本発明の電池用セパレータは、前記目的を達成するべく、請求項1に記載の通り、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して得られた微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用する電池用セパレータにおいて、前記可塑剤の除去後に施した加湿処理により、孔内を含む前記微多孔質膜の内外表面に水蒸気を付着させたことを特徴とする。
また、請求項2記載の電池用セパレータは、請求項1記載の電池用セパレータにおいて、前記水蒸気は前記微多孔質膜に含まれた前記無機粉体に吸着・保持されていることを特徴とする。
また、請求項3記載の電池用セパレータは、請求項1又は2記載の電池用セパレータにおいて、前記可塑剤が鉱物オイルであり、前記可塑剤は所定量を前記微多孔質膜内に残して除去されることを特徴とする。
また、請求項4記載の電池用セパレータは、請求項1乃至3の何れかに記載の電池用セパレータにおいて、前記原料組成物中の界面活性剤の配合量が0.1質量部以下であることを特徴とする。
また、本発明の電池用セパレータの製造方法は、前記目的を達成するべく、請求項5に記載の通り、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体を主体とした微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用した電池用セパレータの製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して微多孔質膜シートを得た後、該シートを水蒸気を満たした雰囲気中に所定時間曝して加湿処理を施すことを特徴とする。
また、請求項6記載の電池用セパレータの製造方法は、請求項5記載の電池用セパレータの製造方法において、前記加湿処理を80〜120℃、相対湿度100%の雰囲気中、30〜180秒間行うことを特徴とする。
また、本発明の電池は、前記目的を達成するべく、請求項7に記載の通り、請求項1乃至4の何れかに記載の電池用セパレータを用いたことを特徴とする。
本発明の電池用セパレータによれば、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して得られたポリオレフィン系樹脂と無機粉体を主体とした微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用する電池用セパレータにおいて、前記可塑剤の除去後に施す加湿処理により、孔内を含む前記微多孔質膜の内外表面、特に、一次粒子の凝集体であり比表面積が非常に大きく水蒸気を取り込んで放出しにくい性質を持つ無機粉体に水蒸気を吸着・保持させて親水化することにより、従来親水化のために一般的に行われていた界面活性剤の添加を実質的に行うことなしに、電解液濡れ性を向上することができる。このため、界面活性剤を必要とすることなく、若しくは、界面活性剤の添加量を極微量に減らして、親水性に優れたセパレータを得ることができるようになり、該セパレータを用いた電池においては、電池内での界面活性剤の遊離の発生を実質的にゼロにすることができ、電池内で遊離した界面活性剤を起因とする還元性物質による初充電時の正極及び負極の活性化(酸化−還元反応)の阻害が防止され、初充電時の電池容量のバラツキを低減できる。更に、前記セパレータ中に界面活性剤が実質的に含まれていないことから、前記セパレータ中に耐酸化性付与剤として鉱物オイル等の前記可塑剤を所定量残存させるようにした場合であっても、電池内での鉱物オイル等の前記可塑剤の遊離が促されることがなく、電槽の汚染を大幅に低減できる。
また、本発明の電池用セパレータの製造方法によれば、ポリオレフィン系樹脂と無機粉体を主体とした微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用した電池用セパレータの製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して微多孔質膜シートを得た後、該シートを水蒸気を満たした雰囲気中に所定時間曝して加湿処理を施すようにすることにより、孔内を含む前記微多孔質膜の内外表面、特に、一次粒子の凝集体であり比表面積が非常に大きく水蒸気を取り込んで放出しにくい性質を持つ無機粉体に、短時間で効率的に、均一かつ確実に、水蒸気を吸着・保持させることができ、良好に親水化された電池用セパレータを単純かつ簡便に得ることができる。
本発明の電池用セパレータは、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を原料組成物の主成分とし、該原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に押出成形し、前記可塑剤を除去することによって得た、前記ポリオレフィン系樹脂を骨格材とする微多孔質膜の孔内を含む内外表面に水蒸気を付着させてなるものである。このため、電解液の浸透性が向上し、電池用セパレータとして好適に用いることができる。
前記水蒸気は、前記微多孔質膜に含まれた前記無機粉体に吸着・保持されていることが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、重量平均分子量150万以上のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を一種又は複数種類混合して使用することができる。
前記無機粉体としては、酸化珪素、酸化チタン、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、珪藻土、ガラス繊維粉体等を一種又は複数種類混合して使用することができる。
前記可塑剤としては、潤滑油、流動パラフィン等の鉱物オイル、亜麻仁油等の植物オイル、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類等が使用できるが、鉱物オイル、特に、パラフィン系潤滑油の使用が好ましい。
前記電池用セパレータを構成する副材料としては、親水化剤としての界面活性剤を前記原料組成物中に0.1質量部以下加えることも可能である。前記界面活性剤としては、例えば、前記可塑剤の除去に使用する溶剤(抽出溶剤)に不溶であるアニオン系、非イオン系界面活性剤等を使用することができる。他の副材料としては、前記抽出溶剤に不溶であるノボラックタイプ又はレゾールタイプのフェノール系やエポキシ系等の酸化防止剤を使用してもよい。
本発明の電池用セパレータの製造方法は、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を原料組成物の主成分とし、該原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に押出成形し、前記可塑剤を除去することによって微多孔質膜シートを得た後、該シートを水蒸気を満たした雰囲気中に所定時間曝して加湿処理を施すようにするものである。
前記加湿処理は、80〜120℃、相対湿度100%の雰囲気中、30〜180秒間行うようにすることが好ましい。
前記雰囲気の温度が80℃未満であると、加湿処理を施す処理槽内に結露を生じるので好ましくなく、120℃を超えると、微多孔質膜の表面に存在するポリオレフィン系樹脂が収縮を起こし、微多孔質膜の電解液濡れ性が低下するため好ましくない。
前記加湿雰囲気に暴露する時間(加湿処理時間)は、前記微多孔質膜の厚さによって異なるが、比較的厚さの薄いタイプである自動車用電池向けのセパレータの場合では、30〜180秒が好ましい。加湿処理の効果は、180秒以下の暴露で十分に効果が出るものであり、これ以上に長くしたからと言って効果が上がるものではない。また、比較的厚さの厚い産業用電池向けのセパレータの場合では、60〜180秒が好ましい。
次に、本発明の実施例を比較例と共に詳細に説明する。
(実施例1)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂40質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体60質量部と、可塑剤として鉱物オイル140質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。この混合物を、二軸押出機を用いて加熱溶融・混練しながらTダイから押し出し、一方のロール表面にリブ形成用の溝を刻んだ成形ロール間を通して成形し、所定厚さのシートを得た。次いで、このシートを抽出溶剤(n−ヘキサン)中に浸漬して前記可塑剤の所定量を抽出除去し、50℃の乾燥炉に通して前記抽出溶剤を蒸発させるとともに前記シートを乾燥させて、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。次いで、このシートを、温度100℃、蒸気発生量5L/hrの水蒸気を吹き込んだ加湿処理槽内を通し、前記加湿雰囲気中に60秒間暴露させて加湿処理を施して、鉛蓄電池用セパレータを得た。
(実施例2)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂40質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体60質量部と、可塑剤として鉱物オイル140質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。この混合物を用いて実施例1と同様にして、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。次いで、このシートを、温度100℃、蒸気発生量5L/hrの水蒸気を吹き込んだ加湿処理槽内を通し、前記加湿雰囲気中に90秒間暴露させて加湿処理を施して、鉛蓄電池用セパレータを得た。
(実施例3)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂40質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体60質量部と、可塑剤として鉱物オイル140質量部と、界面活性剤0.1質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。この混合物を用いて実施例1と同様にして、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。次いで、このシートを、温度100℃、蒸気発生量5L/hrの水蒸気を吹き込んだ加湿処理槽内を通し、前記加湿雰囲気中に90秒間暴露させて加湿処理を施して、鉛蓄電池用セパレータを得た。
(実施例4)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂35質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体65質量部と、可塑剤として鉱物オイル155質量部と、界面活性剤0.1質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。この混合物を用いて実施例1と同様にして、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。次いで、このシートを、温度100℃、蒸気発生量5L/hrの水蒸気を吹き込んだ加湿処理槽内を通し、前記加湿雰囲気中に90秒間暴露させて加湿処理を施して、鉛蓄電池用セパレータを得た。
(比較例1)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂40質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体60質量部と、可塑剤として鉱物オイル140質量部と、界面活性剤0.1質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。 この混合物を、二軸押出機を用いて加熱溶融・混練しながらTダイから押し出し、一方のロール表面にリブ形成用の溝を刻んだ成形ロール間を通して成形し、所定厚さのシートを得た。次いで、このシートを抽出溶剤(n−ヘキサン)中に浸漬して前記可塑剤の所定量を抽出除去し、50℃の乾燥炉に通して前記抽出溶剤を蒸発させるとともに前記シートを乾燥させて、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。このシートを鉛蓄電池用セパレータとした。
(比較例2)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂40質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体60質量部と、可塑剤として鉱物オイル140質量部と、界面活性剤2.0質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。 この混合物を用いて比較例1と同様にして、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。このシートを鉛蓄電池用セパレータとした。
(比較例3)
重量平均分子量150万のポリエチレン樹脂40質量部と、比表面積200m/gを有するシリカ粉体60質量部と、可塑剤として鉱物オイル140質量部と、界面活性剤2.5質量部とをヘンシェルミキサにて攪拌・混合した。 この混合物を用いて比較例1と同様にして、前記鉱物オイルを13質量%含んだ、ベース厚さ0.25mm、総厚さ0.90mmの微多孔質膜シートを得た。このシートを鉛蓄電池用セパレータとした。
次に、上記にて得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の各鉛蓄電池用セパレータについて、浸透性、電気抵抗を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
<浸透性>
70mm角にカットしたセパレータを試料とし、比重1.30(20℃)の希硫酸に静かに浮かべ、上面まで希硫酸が染み渡る時間(秒)を測定した。
<電気抵抗>
SBA S0402 8.4.2項に準拠した試験設備を用いて、希硫酸浸漬24時間後の電気抵抗を測定した。
次に、前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各鉛蓄電池用セパレータを用いて、以下の方法により試験用鉛蓄電池を作製し、初充電後の電槽汚れ、初充電後の電池容量、高率放電特性を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
<電槽汚れ>
極板は、定法により得たペースト式の正極板及び負極板を用いた(JIS D5301に規定の38B20相当)。
前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各鉛蓄電池用セパレータの端部をギヤシールしながら正極板を包み込み、正極板6枚と負極板7枚を交互に積層した後、極群の溶接を行った。
試験電槽は、Bサイズ電槽に、試験セルの温度が一定となるように、1セルおきに電槽側壁に直径15mmの開口部2ケ(両面で4ケ)を設けた電槽を用いて試験極群を組み込んだ。これに比重1.20の希硫酸500mLを注液した後、10.5Aの定電流で18時間通電した後、電槽壁に付着するオイル状物質の汚れ度合いを目視にて判定した。
判定は、オイル状物質の発生のないものを1、多いものを5として、5段階にて判定した。また、判定は、5人の観察者によって行い、5人の判定の平均値を表1に示した。
<試験用電池の作製>
極板は、定法により得たペースト式の正極板及び負極板を用いた(JIS D5301に規定の36B20相当)。
前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各鉛蓄電池用セパレータの端部をギヤシールしながら正極板を包み込み、正極板6枚と負極板7枚を交互に積層した後、極群の溶接を行った。
得られた極群をポリプロピレン製の電槽へ挿入して、極群間と極柱を溶接した後、電槽フタを熱圧着した。これに希硫酸電解液を注液した後、40℃の恒温水槽中で、正極既化活物質理論容量の350%の電気量で18時間の電槽化成を行い、初充電して、試験用鉛蓄電池を完成させた。
<電池容量及び高率放電特性>
前記実施例1〜4及び比較例1〜3の各鉛蓄電池用セパレータに対して、前記試験用鉛蓄電池を5個ずつ作製し、JIS D5301に準拠して、電池容量及び高率放電特性を順次測定した。
Figure 2005285688
表1に示す結果から、以下のようなことが分かった。
(1)実施例1〜4の鉛蓄電池用セパレータは、可塑剤の除去後に施した加湿処理により、孔内を含む微多孔質膜の内外表面に水蒸気を付着させたことにより、電解液濡れ性を付与するための界面活性剤を0.1質量部以下の極微量しか配合していないにも拘わらず、前記界面活性剤を2.0質量部配合した比較例2の鉛蓄電池用セパレータとほぼ同等の浸透性(電解液濡れ性)が得られ、これにより比較例2の鉛蓄電池用セパレータとほぼ同等の低電気抵抗が得られた。
(2)実施例1〜4の鉛蓄電池用セパレータを用いた鉛蓄電池では、前記微多孔質膜を得る際の原料組成物中の界面活性剤の配合量を0.1質量部以下と極微量に留めたことにより、比較例1〜3の鉛蓄電池用セパレータ同様に前記セパレータ中に耐酸化性付与剤として13.0質量%の鉱物オイルを含有させたにも拘わらず、初充電時の前記セパレータ中の鉱物オイルの遊離を抑え、初充電後の電槽汚れの発生を大幅に低減できた。また、初充電後の電池容量及び高率放電特性についても、比較例1〜3の鉛蓄電池用セパレータを用いた鉛蓄電池に比較して何ら遜色のない良好な結果が得られた。
(3)このように、本発明の鉛蓄電池用セパレータでは、微多孔質膜を得る際の可塑剤の除去後の工程において単に加湿処理を施すというごく簡易かつ単純な工程を付加するだけで、従来の界面活性剤を多量に添加して製造した鉛蓄電池用セパレータと同等の電解液濡れ性及び低電気抵抗が得られるようになるとともに、前記セパレータ中に耐酸化性付与剤としての鉱物オイルを適正量含有した場合であっても、鉛蓄電池使用時における前記セパレータ中の鉱物オイルの遊離を極力抑え該鉱物オイルによる電槽壁の汚染を極力抑えることができるようになる。
尚、実施例3の結果について考察するに、実施例3のセパレータの電気抵抗は実施例2よりも約7%低減されていることから、セパレータの親水化のためには、前記加湿処理とともに、初充電後の電槽汚れの発生に影響を与えない程度の極微量(0.1質量部以下)での界面活性剤の添加も併用した方が効果が高いと言える。
尚、実施例4の結果について考察するに、実施例4のセパレータの電気抵抗は実施例3よりも約9%低減されていることから、前記加湿処理によってセパレータに親水性を付与するには、水蒸気を吸着・保持する無機粉体をセパレータ中に多く含ませた方が効果が高いと言える。
(4)これに対し、比較例2〜3の鉛蓄電池用セパレータでは、微多孔質膜を得るための原料組成物中に界面活性剤を2.0〜2.5質量部と多量に配合したため、浸透性(電解液濡れ性)が良好で低電気抵抗が得られたものの、鉛蓄電池に適用した際の初充電時の前記セパレータ中からの鉱物オイルの遊離を多く発生させ、初充電後の電槽汚れを多く発生させてしまうとともに、初充電時の前記セパレータ中からの界面活性剤自体の遊離も多く発生し、初充電時の正極及び負極の活性化(酸化−還元反応)を阻害して電池容量を低下させてしまう結果となった。
また、比較例1の鉛蓄電池用セパレータでは、微多孔質膜を得るための原料組成物中に親水性付与のための界面活性剤を0.1質量部の極微量のみ配合するようにしたため、比較例2〜3の鉛蓄電池用セパレータを用いた場合に問題となった初充電後の鉛蓄電池における電槽汚れの発生については大幅な低減が図れたものの、前記セパレータの浸透性(電解液濡れ性)が大幅に悪化し前記セパレータの電気抵抗が大幅に悪化して、鉛蓄電池における高率放電特性を大幅に悪化(基準値を下回る)させてしまう結果となった。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して得られた微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用する電池用セパレータにおいて、前記可塑剤の除去後に施した加湿処理により、孔内を含む前記微多孔質膜の内外表面に水蒸気を付着させたことを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 前記水蒸気は前記微多孔質膜に含まれた前記無機粉体に吸着・保持されていることを特徴とする請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 前記可塑剤が鉱物オイルであり、前記可塑剤は所定量を前記微多孔質膜内に残して除去されることを特徴とする請求項1又は2記載の電池用セパレータ。
  4. 前記原料組成物中の界面活性剤の配合量が0.1質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電池用セパレータ。
  5. ポリオレフィン系樹脂と無機粉体を主体とした微多孔質膜からなる水溶液系電解液を使用した電池用セパレータの製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂、無機粉体及び可塑剤を主体とした原料組成物を加熱溶融・混練しながらシート状に成形し、前記可塑剤を除去して微多孔質膜シートを得た後、該シートを水蒸気を満たした雰囲気中に所定時間曝して加湿処理を施すことを特徴とする電池用セパレータの製造方法。
  6. 前記加湿処理を80〜120℃、相対湿度100%の雰囲気中、30〜180秒間行うことを特徴とする請求項5記載の電池用セパレータの製造方法。
  7. 請求項1乃至4の何れかに記載の電池用セパレータを用いたことを特徴とする電池。
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