WO2021084877A1 - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
鉛蓄電池は、正極板と、負極板と、前記正極板および前記負極板の間に介在するセパレータとを備える。前記正極板は、繊維を含む正極電極材料を含む。前記繊維は、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積が0.25m2/g以上である。前記セパレータは、ポリオレフィンとオイルとを含み、かつ見かけ密度が、0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満である。
Description
本発明は、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池は、車載用、産業用の他、様々な用途で使用されている。鉛蓄電池は、正極板および負極板と、これらの間に介在するセパレータと、電解液と、を備えている。鉛蓄電池の構成要素には、様々な性能が要求される。
特許文献1は、ポリオレフィン系樹脂20~69質量%と、無機粉体80~40質量%と、これらの配合物に対して40~240質量%の鉱物オイルとの混合物からなる原料組成物を加熱溶融し、混練しながら、リブを有するシート状に成形した後、該オイルを溶解し得る有機溶剤の浸漬槽に浸漬して該オイルの一部を抽出除去し、加熱乾燥して得られる、該オイルを5~30質量%含有した鉛蓄電池用リブ付きセパレータにおいて、該セパレータのリブ部とベース部におけるオイル含有率の差を5質量%以下とした鉛蓄電池用リブ付きセパレータを提案している。
特許文献2は、正極板および負極板ともにエキスパンド格子体を備え、正極もしくは負極のいずれか一方の極性の極板を、微孔性ポリエチレン等のポリオレフィン合成樹脂シートからなる袋状セパレータに収納し、もう一方の極性の極板と積層した極板群を有し、前記袋状セパレータの正極板面に対向する面に上下方向の線状リブの複数を有し、かつ前記極板群を収納するセル室の前記極板面と平行な内壁に上下方向に設けた電槽リブの高さを、前記線状リブの高さ以下とした鉛蓄電池を提案している。
特許文献3は、ポリオレフィン微多孔部材を含む鉛電池用セパレータであって、ポリオレフィン微多孔部材は、ポリエチレンと、粒子様フィラーと、可塑剤とを含み、粒子様フィラーは、40重量%以上の量で存在し、ポリエチレンは、複数の伸長した鎖状結晶と、複数の折りたたまれた鎖状結晶とを含むシシケバブ構造のポリマーを含み、ケバブ構造の平均繰り返しまたは周期は1nm~150nmであるセパレータを提案している。
特許文献4には、濾水度0.1sec/g以上、1.0sec/g以下の合成パルプ30~90重量%と、該合成パルプの融点、もしくは分解温度よりも低い温度で接着できるバインダー5~30重量%、三次元捲縮型の偏芯鞘芯型、又はサイドバイサイド型複合繊維5~60重量%、補強剤40%以下を湿式抄造して得られる嵩高シートであって、200g/cm2荷重時の見掛け密度が、0.15g/cm3以下である密閉型鉛蓄電池用セパレータが記載されている。
なお、特許文献5には、鉛蓄電池であって、集電体と、前記集電体に支持された正極材料と、を有する正極板と、負極板とを備え、前記正極材料の単位質量あたりの全細孔容積は、0.167cm3/g以下であり、前記正極材料は、繊維を含有しており、クリプトンガスを吸着ガスとして用いたBET法による前記繊維の平均比表面積は、0.25m2/g以上である、鉛蓄電池が記載されている。
鉛蓄電池には、高出力かつ長寿命であることが求められる。一般に、セパレータがオイルを含む場合、セパレータの酸化劣化が抑制されるため、寿命性能の観点から有利である。しかし、セパレータがオイルを含む場合でも、高温深放電寿命試験における寿命性能が低下する場合がある。
本発明の一側面は、正極板と、負極板と、前記正極板および前記負極板の間に介在するセパレータとを備え、
前記正極板は、繊維を含む正極電極材料を含み、
前記繊維は、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積が0.25m2/g以上であり、
前記セパレータは、ポリオレフィンとオイルとを含み、かつ見かけ密度が、0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満である、鉛蓄電池に関する。
前記正極板は、繊維を含む正極電極材料を含み、
前記繊維は、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積が0.25m2/g以上であり、
前記セパレータは、ポリオレフィンとオイルとを含み、かつ見かけ密度が、0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満である、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池において、高温深放電寿命試験における優れた寿命性能を確保できる。
鉛蓄電池では、一般に、充電時に、極板群の充電反応により電槽内に存在する電解液の比重が高くなり、比重の高い電解液が下降し易い。しかし、充電末期に過充電状態になると、ガスが発生して、電解液が撹拌されるため、電解液の比重差が軽減される。
鉛蓄電池は、部分充電状態(PSOC)と呼ばれる充電不足状態で使用されることがある。例えば、アイドリングスタートストップ(ISS)車などのアイドリングストップ(IS)用途では、鉛蓄電池がPSOCで使用されることになる。PSOCで鉛蓄電池の充放電を行うと、過充電状態になりにくいため、電解液が撹拌されない。これにより、徐々に電池上部の電解液比重が低く、電池下部の電解液比重が高くなる成層化が起こり易い。電解液の成層化が起こると、負極板上部において負極電極材料が劣化し、負極電極材料における結着力が低下して、容量が低下する。これにより、寿命性能が低下する。
鉛蓄電池の正極電極材料には、正極活物質として酸化力の強い二酸化鉛が含まれる。また、鉛蓄電池には、ポリオレフィンを含むセパレータが用いられることが多い。ポリオレフィンを含むセパレータは、正極電極材料に長期間接触するとポリオレフィンが酸化されることで劣化し易い。鉛蓄電池において、セパレータが酸化劣化すると、柔軟性が低下して亀裂が生じ、短絡が起こることで寿命となる。
ポリオレフィンを含むセパレータには、造孔剤または添加剤などとしてオイルが含まれることがある。セパレータにオイルが含まれると、ポリオレフィンを含むセパレータの酸化劣化が抑制されるため、寿命性能の観点からは有利である。しかし、絶縁性のオイルがセパレータの細孔を塞ぐため、セパレータの抵抗は大きくなる傾向がある。セパレータの抵抗が大きくなると、出力を高めることが難しい。
オイルを含む状態で密度が低いセパレータを用いると、オイルにより、セパレータの耐酸化性を確保できると期待される。また、密度が低いセパレータを用いると、高出力を確保できるとともに、電解液の拡散性が向上することで、電解液の成層化が抑制され、寿命性能が向上すると期待される。
ところが、実際には、セパレータの密度を小さくすると、オイルを含むにも拘わらず、セパレータの酸化劣化が顕著になり、高温深放電寿命試験における高い寿命性能を確保することが難しくなる場合があることが明らかとなった。
高温深放電寿命試験では、ポリオレフィンを含むセパレータの見かけ密度が0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満の場合と、この範囲以外の場合とでは、鉛蓄電池の劣化モードが異なる。セパレータの見かけ密度が0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満の場合には、正極電極材料に添加される繊維の、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積によって、鉛蓄電池の劣化モードが変化し、優れた寿命性能が得られる。
このような知見に鑑み、本発明の一側面に係る鉛蓄電池は、正極板と、負極板と、正極板および負極板の間に介在するセパレータとを備える。正極板は、繊維を含む正極電極材料を含む。繊維は、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積(Kr-BET比表面積)が0.25m2/g以上である。セパレータは、ポリオレフィンとオイルとを含み、かつ見かけ密度が、0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満である。
本発明の上記側面によれば、比較的低い見かけ密度を有するセパレータと、特定のKr-BET比表面積を有する繊維を用いた正極電極材料とを組み合わせることで、鉛蓄電池において、高出力を確保しながらも、高温深放電寿命試験における優れた寿命性能を得ることができる。つまり、鉛蓄電池において、高出力と優れた耐久性とを両立できる。
ポリオレフィンを含む密度が低いセパレータを用いるにも拘わらず、高温深放電寿命試験において優れた寿命性能が得られるのは、次のような理由によるものと考えられる。
セパレータの酸化劣化は、一般に、鉛蓄電池の充放電の繰り返しにより膨張した正極板面とセパレータのベース面(つまり、セパレータの正極板と対向する領域)とが直接接触することで進行する(特許文献2の[0013])。セパレータのベース面における酸化劣化は、セパレータがオイルを含む場合にはある程度抑制される。ところが、見かけ密度が0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満のセパレータを用いると、オイルがセパレータに含まれているにも拘わらず、セパレータの酸化劣化を抑制することが難しい場合がある。
高温深放電寿命試験では、セパレータの見かけ密度が0.40g/cm3以下の場合には、オイルが抜け易くなり、セパレータの正極板と対向する領域において、セパレータに含まれるポリオレフィンの酸化劣化が起こり易くなる。一方、見かけ密度が0.57g/cm3以上の場合には、電解液中のイオンが拡散し難くなるため、成層化が進行し易くなる。特に、鉛蓄電池がPSOCで使用されると、成層化が進行し易くなる。よって、充放電反応が電極板上部に集中し、負極板上部の負極電極材料の劣化により容量が低下することで寿命となる。これらの場合には、寿命性能は、正極電極材料に添加される繊維のKr-BET比表面積によらない。
ポリオレフィンを含むセパレータの見かけ密度が0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満の場合に、正極電極材料に含まれる繊維のKr-BET比表面積が0.25m2/g未満であると、高温深放電寿命試験においてセパレータの酸化劣化が顕著になる。このようなセパレータの酸化劣化は、セパレータの正極板と対向する領域よりもむしろセパレータの下端部付近で進行し、寿命性能が低下することが明らかとなった。セパレータの見かけ密度が特定の範囲の場合に、高温深放電寿命試験においてこのような課題が生じることは、従来知られていない。高温深放電寿命試験におけるセパレータ下端部側の酸化劣化は、脱落した正極電極材料がセパレータの下端部付近に接触することで進行すると考えられる。
本発明の上記側面では、見かけ密度が0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満のセパレータを用いる場合に、Kr-BET比表面積が0.25m2/g以上である繊維を正極電極材料に用いる。このような繊維を用いることで、正極電極材料の構成成分同士の密着性および正極集電体と正極電極材料との密着性が向上する。正極電極材料の脱落が抑制されるため、セパレータの下端部付近でのセパレータの酸化劣化が抑制されると考えられる。Kr-BET比表面積では、一般的な窒素ガスを利用するBET比表面積に比べて、低い比表面積が高精度で測定されるため、繊維の表面の皺の部分などの比較的小さな凹凸の比表面積も測定値に反映される。このようなKr-BET比表面積を利用することで、Kr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合に、セパレータの見かけ密度を特定の範囲とすることによる効果を確保することができると考えられる。従って、高出力と、高温深放電寿命試験における優れた寿命性能とを確保することができる。
セパレータの見かけ密度は、0.45g/cm3以上であってもよい。また、セパレータの見かけ密度は、0.56g/cm3以下であってもよい。見かけ密度がこのような範囲である場合、高温深放電寿命試験において、より高い寿命性能を確保することができる。
セパレータ中のオイルの含有量は、5質量%以上であってもよい。この場合、セパレータの正極板と対向する領域における酸化劣化を抑制する効果を高めることができる。
正極電極材料の全細孔容積は、0.08cm3/g以上であってもよい。この場合、鉛蓄電池のより高い出力を確保することができる。全細孔容積は、0.17cm3/g以下であってもよい。この場合、高温深放電寿命試験における寿命性能をさらに高めることができる。
正極電極材料は、α-PbO2結晶子とβ-PbO2結晶子とを含んでいてもよい。満充電状態の鉛蓄電池において、α-PbO2結晶子のβ-PbO2結晶子に対する比率(=α-PbO2結晶子/β-PbO2結晶子=α/β)は、0.55以下であってもよい。この場合、高い初期容量を確保し易い。
鉛蓄電池は、通常、液式(ベント式)鉛蓄電池である。鉛蓄電池は、特に、PSOCでの充放電が想定される鉛蓄電池(例えば、IS用鉛蓄電池)として有用である。
IS用の鉛蓄電池では、過充電状態になりにくいため、ガッシングが起こりにくく、正極電極材料の軟化および脱落が進行し易い。上記側面に係る鉛蓄電池では、このようなIS用の鉛蓄電池として用いても、高温深放電寿命試験において、正極電極材料の脱落に伴うセパレータの酸化劣化を抑制することができる。
(用語の説明)
(正極電極材料)
正極板において、正極電極材料は、通常、正極集電体に保持されている。正極電極材料とは、正極板から正極集電体を除いたものである。正極板には、マット、ペースティングペーパなどの部材が貼り付けられていることがある。このような部材(貼付部材とも称する)は正極板と一体として使用されるため、正極板に含まれるものとする。正極板が貼付部材を含む場合には、正極電極材料は、正極集電体および貼付部材を除いたものである。
(正極電極材料)
正極板において、正極電極材料は、通常、正極集電体に保持されている。正極電極材料とは、正極板から正極集電体を除いたものである。正極板には、マット、ペースティングペーパなどの部材が貼り付けられていることがある。このような部材(貼付部材とも称する)は正極板と一体として使用されるため、正極板に含まれるものとする。正極板が貼付部材を含む場合には、正極電極材料は、正極集電体および貼付部材を除いたものである。
(Kr-BET比表面積)
Kr-BET比表面積とは、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積である。このBET比表面積は、クリプトンガスを吸着ガスとするガス吸着法によりBET式を用いて求められる比表面積である。
Kr-BET比表面積とは、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積である。このBET比表面積は、クリプトンガスを吸着ガスとするガス吸着法によりBET式を用いて求められる比表面積である。
(正極電極材料中の全細孔容積)
正極電極材料の全細孔容積とは、水銀圧入法により求められる全ての細孔の容積の総和である。
正極電極材料の全細孔容積とは、水銀圧入法により求められる全ての細孔の容積の総和である。
(セパレータの見かけ密度)
セパレータの見かけ密度とは、セパレータの質量をセパレータの見かけ体積で除した値(g/cm3)である。セパレータの見かけ密度は、セパレータをカットして得られるサンプルを用いて求められる。セパレータがリブを有する場合には、サンプルは、リブが形成されていないベース部から切り出される。
セパレータの見かけ密度とは、セパレータの質量をセパレータの見かけ体積で除した値(g/cm3)である。セパレータの見かけ密度は、セパレータをカットして得られるサンプルを用いて求められる。セパレータがリブを有する場合には、サンプルは、リブが形成されていないベース部から切り出される。
(ポリオレフィン)
ポリオレフィンとは、オレフィンをモノマーとして含む重合体である。ポリオレフィンには、例えば、オレフィンの単独重合体、異なるオレフィンのモノマー単位を含む共重合体、オレフィンおよび共重合性モノマーをモノマー単位として含む共重合体が包含される。オレフィンおよび共重合性モノマーをモノマー単位として含む共重合体は、1種または2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。共重合性モノマーとは、オレフィン以外で、かつオレフィンと共重合可能な重合性モノマーである。
ポリオレフィンとは、オレフィンをモノマーとして含む重合体である。ポリオレフィンには、例えば、オレフィンの単独重合体、異なるオレフィンのモノマー単位を含む共重合体、オレフィンおよび共重合性モノマーをモノマー単位として含む共重合体が包含される。オレフィンおよび共重合性モノマーをモノマー単位として含む共重合体は、1種または2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。共重合性モノマーとは、オレフィン以外で、かつオレフィンと共重合可能な重合性モノマーである。
(オイル)
オイルとは、室温(20℃以上35℃以下の温度)で液状であり、水と分離する疎水性物質を言う。オイルには、天然由来のオイル、鉱物オイル、および合成オイルが包含される。
オイルとは、室温(20℃以上35℃以下の温度)で液状であり、水と分離する疎水性物質を言う。オイルには、天然由来のオイル、鉱物オイル、および合成オイルが包含される。
(満充電状態)
本明細書中、鉛蓄電池の満充電状態とは、JIS D 5301:2019の定義によって定められる。より具体的には、25℃±2℃の水槽中で、鉛蓄電池を、定格容量として記載の数値の1/10の電流(A)で、15分ごとに測定した充電中の端子電圧または20℃に温度換算した電解液密度が3回連続して有効数字3桁で一定値を示すまで充電した状態を満充電状態とする。定格容量として記載の数値は、単位をAhとした数値である。定格容量として記載の数値を元に設定される電流の単位はAとする。
本明細書中、鉛蓄電池の満充電状態とは、JIS D 5301:2019の定義によって定められる。より具体的には、25℃±2℃の水槽中で、鉛蓄電池を、定格容量として記載の数値の1/10の電流(A)で、15分ごとに測定した充電中の端子電圧または20℃に温度換算した電解液密度が3回連続して有効数字3桁で一定値を示すまで充電した状態を満充電状態とする。定格容量として記載の数値は、単位をAhとした数値である。定格容量として記載の数値を元に設定される電流の単位はAとする。
満充電状態の鉛蓄電池は、既化成の鉛蓄電池を満充電したものをいう。鉛蓄電池の満充電は、化成後であれば、化成直後でもよく、化成から時間が経過した後に行ってもよい(例えば、化成後で、使用中(好ましくは使用初期)の鉛蓄電池を満充電してもよい)。
本明細書中、使用初期の電池とは、使用開始後、それほど時間が経過しておらず、ほとんど劣化していない電池をいう。
なお、本明細書中、極板においては、耳部が設けられている側を上側、耳部とは反対側を下側として上下方向を定める。また、セパレータにおいては、極板の上側(つまり、耳部側)と対向する側をセパレータの上側とし、極板の下側と対向する側をセパレータの下側とする。極板の上下方向およびセパレータの上下方向は、それぞれ、鉛蓄電池の鉛直方向における上下方向と同じである。
以下、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池について、図面を参照しながらより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(セパレータ)
セパレータの見かけ密度は、0.40g/cm3より大きく、0.45g/cm3以上であってもよい。見かけ密度がこのような範囲であることで、高出力と高温深放電寿命試験における高い寿命性能とが得られる。正極電極材料のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合、セパレータの見かけ密度が0.45g/cm3以上になると、0.40g/cm3の場合に比べて高温深放電寿命試験における寿命性能が格段に向上する。つまり、正極電極材料のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合、高温深放電寿命試験の寿命性能において、セパレータの見かけ密度が0.45g/cm3で臨界性があると言える。
セパレータの見かけ密度は、0.40g/cm3より大きく、0.45g/cm3以上であってもよい。見かけ密度がこのような範囲であることで、高出力と高温深放電寿命試験における高い寿命性能とが得られる。正極電極材料のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合、セパレータの見かけ密度が0.45g/cm3以上になると、0.40g/cm3の場合に比べて高温深放電寿命試験における寿命性能が格段に向上する。つまり、正極電極材料のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合、高温深放電寿命試験の寿命性能において、セパレータの見かけ密度が0.45g/cm3で臨界性があると言える。
セパレータの見かけ密度は、0.57g/cm3未満であり、0.56g/cm3以下であってもよい。見かけ密度がこのような範囲であることで、高出力と高温深放電寿命試験における高い寿命性能とが得られる。正極電極材料のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合、セパレータの見かけ密度が0.56g/cm3以下になると、0.57g/cm3の場合に比べて高温深放電寿命試験における寿命性能が格段に向上する。つまり、正極電極材料のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合、高温深放電寿命試験の寿命性能において、セパレータの見かけ密度が0.56g/cm3で臨界性があると言える。
セパレータの見かけ密度は、0.40g/cm3より大きく0.57g/cm3未満、0.40g/cm3より大きく0.56g/cm3以下、0.45g/cm3以上0.57g/cm3未満、または0.45g/cm3以上0.56g/cm3以下であってもよい。
セパレータは、例えば、ポリマー材料(以下、ベースポリマーとも称する。)と、造孔剤と、浸透剤(界面活性剤)とを含む樹脂組成物をシート状に押し出し成形した後、造孔剤を除去することにより得られる。少なくとも一部の造孔剤を除去することで、ベースポリマーのマトリックス中に微細孔が形成される。樹脂組成物は、さらに無機粒子を含んでもよい。
セパレータの見かけ密度は、例えば、造孔剤の種類、造孔剤の量、ベースポリマーおよび造孔剤の混合比、ならびに造孔剤の除去量の少なくとも1つ(典型的には、2つ以上)を調節することにより調節できる。
ベースポリマーとしては、少なくともポリオレフィンが用いられる。ベースポリマーとして、ポリオレフィンと他のベースポリマーとを併用してもよい。他のベースポリマーとしては、鉛蓄電池のセパレータに使用されるものであれば特に制限されない。セパレータに含まれるベースポリマー全体に占めるポリオレフィンの比率は、例えば、50質量%以上であり、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。ベースポリマーをポリオレフィンのみで構成してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、少なくともC2-3オレフィンをモノマー単位として含む重合体が挙げられる。C2-3オレフィンとして、エチレンおよびプロピレンからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、C2-3オレフィンをモノマー単位として含む共重合体(例えば、エチレン-プロピレン共重合体)がより好ましい。ポリオレフィンの中では、少なくともポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンと他のポリオレフィンとを併用してもよい。
無機粒子としては、例えば、セラミックス粒子が好ましい。セラミックス粒子を構成するセラミックスとしては、例えば、シリカ、アルミナ、およびチタニアからなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
セパレータ中に占める無機粒子の含有量は、例えば、40質量%以上であり、50質量%以上であってもよい。無機粒子の含有量は、例えば、80質量%以下であり、75質量%以下または70質量%以下であってもよい。
セパレータ中に占める無機粒子の含有量は、40質量%以上(または50質量%以上)80質量%以下、40質量%以上(または50質量%以上)75質量%以下、あるいは40質量%以上(または50質量%以上)70質量%以下であってもよい。
造孔剤としては、液状造孔剤および固形造孔剤などが挙げられる。造孔剤としては、少なくともオイルが用いられる。造孔剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。オイルと他の造孔剤とを併用してもよい。液状造孔剤と、固形造孔剤とを併用してもよい。なお、室温(20℃以上35℃以下の温度)において、液状の造孔剤を液状造孔剤、固形の造孔剤を固形造孔剤と分類する。
液状造孔剤としては、鉱物オイル、合成オイルなどが好ましい。液状造孔剤としては、例えば、パラフィンオイル、シリコーンオイルが挙げられる。固形造孔剤としては、例えば、ポリマー粉末が挙げられる。
セパレータ中の造孔剤量は、種類によっては変化することがあるため、一概にはいえないが、ベースポリマー100質量部あたり、例えば30質量部以上である。また、造孔剤量は、例えば、60質量部以下である。
セパレータ中のオイルの含有量は、例えば、5質量%以上である。高温深放電寿命試験において、セパレータの正極板と対向する領域における酸化劣化を抑制する観点からは、セパレータ中のオイルの含有量は、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましい。セパレータ中のオイルの含有量は、例えば、20質量%以下であり、18質量%以下であることが好ましい。
セパレータ中のオイルの含有量は、5質量%以上20質量%以下(または18質量%以下)、10質量%以上20質量%以下(または18質量%以下)、あるいは12質量%以上20質量%以下(または18質量%以下)であってもよい。
浸透剤としての界面活性剤としては、例えば、イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。界面活性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
セパレータ中の浸透剤量は、ベースポリマー100質量部あたり、例えば、0.1質量部以上であり、0.5質量部以上であってもよい。また、浸透剤量は、例えば、10質量部以下であり、5質量部以下であってもよい。
セパレータ中の浸透剤量は、ベースポリマー100質量部あたり、0.1質量部以上(または0.5質量部以上)10質量部以下、あるいは0.1質量部以上(0.5質量部以上)5質量部以下であってもよい。
セパレータ中に占める浸透剤の含有量は、例えば、0.01質量%以上であり、0.1質量%以上であってもよい。浸透剤の含有量は、例えば、5質量%以下であり、10質量%以下であってもよい。
セパレータ中に占める浸透剤の含有量は、0.01質量%以上(0.1質量部以上)10質量%以下、あるいは0.01質量%以上(0.1質量部以上)5質量%以下であってもよい。
セパレータの厚みは、例えば、0.1mm以上である。セパレータの厚みは、0.3mm以下であってもよい。ただし、セパレータに貼付部材(マット、ペースティングペーパなど)が貼り付けられている場合には、貼付部材の厚みは、セパレータの厚みに含まれるものとする。
なお、セパレータは、リブを有するもの、およびリブを有さないもののいずれであってもよい。リブを有するセパレータは、例えば、ベース部とベース部の表面から立設されたリブとを備える。リブは、セパレータもしくは各ベース部の一方の表面のみに設けてもよく、両方の表面にそれぞれ設けてもよい。セパレータは、シート状であってもよい。また、シートを蛇腹状に折り曲げたものをセパレータとして用いてもよい。セパレータは袋状に形成してもよく、正極板または負極板のうちのいずれか一方を袋状のセパレータに包んでもよい。袋状のセパレータを用いる場合、脱落した正極電極材料との接触によりセパレータの下端部が酸化劣化し易くなる。本発明の上記側面では、このような袋状セパレータを用いる場合でも、高温深放電寿命試験において、セパレータの下端部における酸化劣化を抑制できる。
リブは、樹脂組成物を押出成形する際にシートに形成してもよい。また、リブは、樹脂組成物をシート状に成形した後または造孔剤を除去した後に、各リブに対応する溝を有するローラでシートを押圧することにより形成してもよい。
セパレータがリブを有する場合、リブの高さは、0.05mm以上であってもよい。また、リブの高さは、1.2mm以下であってもよい。リブの高さは、ベース部の主面から突出した部分の高さ(突出高さ)である。
セパレータの正極板と対向する領域に設けられるリブの高さは、0.4mm以上であってもよい。セパレータの正極板と対向する領域に設けられるリブの高さは、1.2mm以下であってもよい。
セパレータがリブを有する場合、ベース部の厚みは、例えば0.15mm以上である。この場合、セパレータの強度を確保し易い。セパレータの抵抗を低く抑える観点からは、ベース部の厚みは、例えば、0.25mm以下が有利であり、0.20mm以下であってもよい。
(セパレータの分析またはサイズの計測)
セパレータの分析またはサイズの計測には、鉛蓄電池から取り出したセパレータが用いられる。
セパレータの分析またはサイズの計測には、鉛蓄電池から取り出したセパレータが用いられる。
鉛蓄電池から取り出したセパレータは、分析または計測に先立って、洗浄および乾燥される。
鉛蓄電池から取り出したセパレータの洗浄および乾燥は、次の手順で行われる。鉛蓄電池から取り出したセパレータを純水中に1時間浸漬し、セパレータ中の硫酸を除去する。次いで浸漬していた液体からセパレータを取り出して、25℃±5℃環境下で、16時間以上静置し、乾燥させる。なお、セパレータを鉛蓄電池から取り出す場合、セパレータは、満充電状態の鉛蓄電池から取り出される。
(セパレータの見かけ密度)
セパレータの見かけ密度は、次のような手順で求められる。まず、セパレータの電極板と対向する領域において、リブを含まないように、ベース部を100mm×10mmの短冊状に加工してサンプル(以下、サンプルAと称する)を作製する。サンプルAの縦ならびに横のサイズ、および厚みを測定し、これらの測定値からサンプルAの体積を求める。サンプルAの質量を測定し、体積で除することにより、見かけ密度を算出する。複数のサンプル(例えば、20個のサンプル)について見かけ密度を求め、平均値を算出する。得られる平均値をセパレータの見かけ密度とする。
セパレータの見かけ密度は、次のような手順で求められる。まず、セパレータの電極板と対向する領域において、リブを含まないように、ベース部を100mm×10mmの短冊状に加工してサンプル(以下、サンプルAと称する)を作製する。サンプルAの縦ならびに横のサイズ、および厚みを測定し、これらの測定値からサンプルAの体積を求める。サンプルAの質量を測定し、体積で除することにより、見かけ密度を算出する。複数のサンプル(例えば、20個のサンプル)について見かけ密度を求め、平均値を算出する。得られる平均値をセパレータの見かけ密度とする。
(セパレータ中のオイル含有量)
サンプルAの約0.5gを採取し、正確に秤量し、初期のサンプルの質量(m0)を求める。秤量したサンプルAを、適当な大きさのガラス製ビーカーに入れ、n-ヘキサン50mLを加える。次いで、ビーカーごと、サンプルに約30分間、超音波を付与することにより、サンプルA中に含まれるオイル分をn-ヘキサン中に溶出させる。次いで、n-ヘキサンからサンプルを取り出し、大気中、室温(20℃以上35℃以下の温度)で乾燥させた後、秤量することにより、オイル除去後のサンプルの質量(m1)を求める。そして、下記式により、オイルの含有量を算出する。
オイルの含有量(質量%)=(m0-m1)/m0×100
サンプルAの約0.5gを採取し、正確に秤量し、初期のサンプルの質量(m0)を求める。秤量したサンプルAを、適当な大きさのガラス製ビーカーに入れ、n-ヘキサン50mLを加える。次いで、ビーカーごと、サンプルに約30分間、超音波を付与することにより、サンプルA中に含まれるオイル分をn-ヘキサン中に溶出させる。次いで、n-ヘキサンからサンプルを取り出し、大気中、室温(20℃以上35℃以下の温度)で乾燥させた後、秤量することにより、オイル除去後のサンプルの質量(m1)を求める。そして、下記式により、オイルの含有量を算出する。
オイルの含有量(質量%)=(m0-m1)/m0×100
(セパレータ中の無機粒子の含有量)
上記と同様に作製したサンプルAの一部を採取し、正確に秤量した後、白金坩堝中に入れ、ブンゼンバーナーで白煙が出なくなるまで加熱する。次に、得られるサンプルを、電気炉(酸素気流中、550℃±10℃)で、約1時間加熱して灰化し、灰化物を秤量する。サンプルAの質量に占める灰化物の質量の比率(百分率)を算出し、上記の無機粒子の含有量(質量%)とする。
上記と同様に作製したサンプルAの一部を採取し、正確に秤量した後、白金坩堝中に入れ、ブンゼンバーナーで白煙が出なくなるまで加熱する。次に、得られるサンプルを、電気炉(酸素気流中、550℃±10℃)で、約1時間加熱して灰化し、灰化物を秤量する。サンプルAの質量に占める灰化物の質量の比率(百分率)を算出し、上記の無機粒子の含有量(質量%)とする。
(セパレータ中の浸透剤の含有量)
上記と同様に作製したサンプルAの一部を採取し、正確に秤量した後、室温(20℃以上35℃以下の温度)で大気圧より低い減圧環境下で、12時間以上乾燥させる。乾燥物を白金セルに入れて、熱重量測定装置にセットし、昇温速度10K/分で、室温から800℃±1℃まで昇温する。室温から250℃±1℃まで昇温させたときの重量減少量を浸透剤の質量とし、サンプルAの質量に占める浸透剤の質量の比率(百分率)を算出し、上記の浸透剤の含有量(質量%)とする。熱重量測定装置としては、T.A.インスツルメント社製のQ5000IRが使用される。
上記と同様に作製したサンプルAの一部を採取し、正確に秤量した後、室温(20℃以上35℃以下の温度)で大気圧より低い減圧環境下で、12時間以上乾燥させる。乾燥物を白金セルに入れて、熱重量測定装置にセットし、昇温速度10K/分で、室温から800℃±1℃まで昇温する。室温から250℃±1℃まで昇温させたときの重量減少量を浸透剤の質量とし、サンプルAの質量に占める浸透剤の質量の比率(百分率)を算出し、上記の浸透剤の含有量(質量%)とする。熱重量測定装置としては、T.A.インスツルメント社製のQ5000IRが使用される。
(セパレータの厚み、ベース部の厚み、およびリブの高さ)
セパレータの厚みは、セパレータの断面写真において、任意に選択した5箇所について厚みを計測し、平均化することにより求められる。
セパレータの厚みは、セパレータの断面写真において、任意に選択した5箇所について厚みを計測し、平均化することにより求められる。
ベース部の厚みは、セパレータの断面写真において、任意に選択した5箇所についてベース部の厚みを計測し、平均化することにより求められる。
リブの高さは、セパレータの断面写真において、リブの任意に選択される10箇所において計測したリブのベース部の一方の主面からの高さを平均化することにより求められる。
(正極板)
正極板としては、ペースト式正極板が用いられる。
正極板としては、ペースト式正極板が用いられる。
正極板に含まれる正極集電体は、鉛(Pb)または鉛合金の鋳造により形成してもよく、鉛または鉛合金シートを加工して形成してもよい。加工方法としては、例えば、エキスパンド加工または打ち抜き(パンチング)加工が挙げられる。正極集電体として格子状の集電体を用いると、正極電極材料を担持させ易いため好ましい。
正極集電体に用いる鉛合金としては、耐食性および機械的強度の点で、Pb-Ca系合金、Pb-Ca-Sn系合金が好ましい。正極集電体は、組成の異なる鉛合金層を有してもよく、合金層は複数でもよい。芯金には、Pb-Ca系合金やPb-Sb系合金を用いることが好ましい。
正極電極材料は、酸化還元反応により容量を発現する正極活物質(二酸化鉛もしくは硫酸鉛)を含む。正極電極材料は、必要に応じて、他の添加剤を含んでもよい。
満充電状態の鉛蓄電池において、正極電極材料は、通常、α-PbO2結晶子とβ-PbO2結晶子とを含んでいる。このとき、α-PbO2結晶子のβ-PbO2結晶子に対する比率(=α/β)は、0.55以下であってもよく、0.5以下または0.2以下であってもよい。α/β比がこのような範囲である場合、活性なβ-PbO2結晶子の割合が相対的に多くなるため、鉛蓄電池の初期の容量低下を抑制でき、高い初期容量を確保することができる。α/β比は、0.05以上であってもよい。高温深放電寿命試験においてより高い寿命性能を確保し易い観点からは、α/β比は、0.1以上であってもよく、0.13以上であってもよい。α/β比は、例えば、化成時の温度および化成時の電解液の比重の少なくとも一方を調節することにより制御できる。
満充電状態の鉛蓄電池において、α/β比は、0.05以上(または0.1以上)0.55以下、0.05以上(または0.1以上)0.5以下、0.05以上(または0.1以上)0.2以下、0.13以上0.55以下(または0.5以下)、あるいは0.13以上0.2以下であってもよい。
正極電極材料に含まれる繊維のKr-BET比表面積は0.25m2/g以上である。このような繊維を用いることで、セパレータの見かけ密度を特定の範囲に制御することによる、高温深放電寿命試験における寿命性能の向上効果を確保することができる。それに対し、Kr-BET比表面積が、0.25m2/g未満の繊維を用いても、セパレータの見かけ密度を制御することによる上記のような効果は全く得られない。つまり、正極電極材料に用いられる繊維のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合と0.25m2/g未満の場合とでは、セパレータの見かけ密度を特定の範囲とすることによる、高温深放電寿命試験における寿命性能の挙動が全く異なると言える。
正極板の作製が容易である観点から、繊維のKr-BET比表面積は、1.0m2/g以下であることが好ましい。繊維のKr-BET比表面積は、0.6m2/g以下または0.5m2/g以下であってもよい。
繊維としては、無機繊維または有機繊維を用いてもよく、無機繊維および有機繊維の双方を用いてもよい。Kr-BET比表面積を制御し易い観点からは、有機繊維が好ましい。有機繊維を構成する樹脂(または高分子)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂など)、ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンアリーレート(ポリエチレンテレフタレートなど)を含む)、セルロース類(セルロース、セルロース誘導体(セルロースエーテル、セルロースエステルなど)など)が挙げられる。セルロース類には、レーヨンも含まれる。繊維は、これらの樹脂を一種含んでもよく、二種以上含んでもよい。また、正極電極材料は、異なる樹脂で形成された複数の繊維を含んでもよい。これらの樹脂のうち、アクリル系樹脂を用いると、繊維の表面に微細な皺が形成され易く、Kr-BET比表面積を所望の範囲に制御し易い。
正極電極材料に含まれる繊維はKr-BET比表面積が上記の範囲である限り、その製造方法は特に制限されない。繊維は、例えば、湿式紡糸により形成されるものであってもよい。湿式紡糸では、樹脂を溶剤に溶解させた溶液(紡糸源液)を、液状の凝固液中に紡糸することにより繊維を形成できる。このとき、紡糸原液に用いる溶剤と、凝固液の組成とを選択することで、凝固液中で凝固した紡糸原液の凝固物からの溶剤の拡散性を調節することができる。これにより、凝固物における体積減少の程度が調節され、繊維の表面に微細な皺を形成し易くなる。このようにして、Kr-BET比表面積を調節することができる。なお、繊維の詳細および製造方法については、特許文献5を参照できる。
正極電極材料中の繊維の量は、例えば、0.03質量%以上である。また、正極電極材料中の繊維の量は、例えば、0.5質量%以下である。
正極電極材料の全細孔容積は、例えば、0.08cm3/g以上であり、0.09cm3/g以上としてもよい。全細孔容積がこのような範囲である場合、硫酸イオンの拡散性が高まるため、より高い出力を確保し易い。正極電極材料の全細孔容積は、例えば、0.2cm3/g以下であり、0.18cm3/g以下であってもよい。正極電極材料の全細孔容積が0.17cm3/g以下である場合、充放電を繰り返しても、鉛および硫酸鉛の粒子間の接触が維持され易いため、正極電極材料の結着力の低下が抑制される。これにより、正極電極材料の脱落を抑制効果がさらに高まるため、高温深放電寿命試験において、さらに高い寿命性能を確保し易い。
正極電極材料の全細孔容積は、0.08cm3/g以上(または0.09cm3/g以上)0.2cm3/g以下、0.08cm3/g以上(または0.09cm3/g以上)0.18cm3/g以下、あるいは0.08cm3/g以上(または0.09cm3/g以上)0.17cm3/g以下であってもよい。
未化成のペースト式正極板は、正極集電体に、正極ペーストを充填し、熟成および乾燥することにより得られる。正極ペーストは、鉛粉、繊維、および必要に応じて他の添加剤に、水および硫酸を加えて混練することで調製される。
未化成の正極板を化成することにより正極板が得られる。化成は、鉛蓄電池の電槽内の硫酸を含む電解液中に、未化成の正極板を含む極板群を浸漬させた状態で、極板群を充電することにより行うことができる。ただし、化成は、鉛蓄電池または極板群の組み立て前に行ってもよい。
(正極電極材料またはその構成成分の分析)
正極電極材料またはその構成成分の分析は、満充電状態の鉛蓄電池から取り出した正極板から採取した正極電極材料を用いて行われる。
正極電極材料またはその構成成分の分析は、満充電状態の鉛蓄電池から取り出した正極板から採取した正極電極材料を用いて行われる。
正極電極材料は、次の手順で正極板から回収される。まず、満充電状態の鉛蓄電池を解体し、入手した正極板を3~4時間水洗することにより、正極板中の電解液を取り除く。水洗した正極板を60℃±5℃の恒温槽で5時間以上乾燥する。乾燥後に、正極板に貼付部材が含まれる場合には、剥離により正極板から貼付部材が除去される。正極板を正面から見たときに上下および左右の中央付近から正極電極材料を採取することにより、分析用の正極電極材料(以下、サンプルBと称する)が得られる。サンプルBは必要に応じて粉砕して分析に用いられる。
(Kr-BET比表面積、および繊維の量)
粉砕されたサンプルBを採取し、正確に秤量する。次いで、サンプルBを、硝酸水溶液(濃度:25質量%)および酒石酸水溶液(濃度:500g/L)の混合溶液(硝酸水溶液と酒石酸水溶液との混合比(体積比)=7:2)に添加し、加熱下で攪拌しながら可溶分を溶解させる。得られる混合物を、メンブレンフィルター(平均孔径:0.45μm以下)を用いて濾過する。これにより、正極電極材料に含まれる繊維が、濾紙上の固形物として得られる。得られた固形物を水洗および乾燥することにより測定用の繊維のサンプル(以下、サンプルCと称する)が得られる。サンプルCの質量を測定する。
粉砕されたサンプルBを採取し、正確に秤量する。次いで、サンプルBを、硝酸水溶液(濃度:25質量%)および酒石酸水溶液(濃度:500g/L)の混合溶液(硝酸水溶液と酒石酸水溶液との混合比(体積比)=7:2)に添加し、加熱下で攪拌しながら可溶分を溶解させる。得られる混合物を、メンブレンフィルター(平均孔径:0.45μm以下)を用いて濾過する。これにより、正極電極材料に含まれる繊維が、濾紙上の固形物として得られる。得られた固形物を水洗および乾燥することにより測定用の繊維のサンプル(以下、サンプルCと称する)が得られる。サンプルCの質量を測定する。
サンプルCを用いて、下記の装置にて、下記の条件により、Kr-BET比表面積が求められる。
測定装置:(株)島津製作所製、トライスターII 3020シリーズ
吸着ガス:純度99.99%以上のクリプトンガス
吸着温度:-196℃
BET比表面積の計算方法:JIS Z 8830:2013の7.2に準拠
測定装置:(株)島津製作所製、トライスターII 3020シリーズ
吸着ガス:純度99.99%以上のクリプトンガス
吸着温度:-196℃
BET比表面積の計算方法:JIS Z 8830:2013の7.2に準拠
サンプルCの質量がサンプルBの質量に占める比率(百分率)を求める。この比率が正極電極材料中の繊維の量に相当する。
(正極電極材料の全細孔容積)
未粉砕のサンプルBを用いて、水銀ポロシメータ((株)島津製作所製、オートポアIV9510)により測定される。なお、測定の圧力範囲は、1psia(≒6.9kPa)以上60,000psia(≒414MPa)以下とする。また、細孔分布は、孔径3nm以上100μm以下の範囲を用いる。
未粉砕のサンプルBを用いて、水銀ポロシメータ((株)島津製作所製、オートポアIV9510)により測定される。なお、測定の圧力範囲は、1psia(≒6.9kPa)以上60,000psia(≒414MPa)以下とする。また、細孔分布は、孔径3nm以上100μm以下の範囲を用いる。
(α/β比)
α/β比は、粉砕したサンプルBを用いてX線回折(XRD)スペクトルを測定し、各PbO2結晶子のピークの強度比から求められる。XRDスペクトルにおいて、2θ=25.5°付近のピークおよび2θ=28.5°付近のピークが、それぞれ、β-PbO2結晶子およびα-PbO2結晶子のピークである。XRD測定は、RIGAKU社製の全自動多目的X線回折装置 Smart Lab(水平ゴニオメータθ-θ型、Cu-Kα線)を用いて行われる。
α/β比は、粉砕したサンプルBを用いてX線回折(XRD)スペクトルを測定し、各PbO2結晶子のピークの強度比から求められる。XRDスペクトルにおいて、2θ=25.5°付近のピークおよび2θ=28.5°付近のピークが、それぞれ、β-PbO2結晶子およびα-PbO2結晶子のピークである。XRD測定は、RIGAKU社製の全自動多目的X線回折装置 Smart Lab(水平ゴニオメータθ-θ型、Cu-Kα線)を用いて行われる。
(負極板)
鉛蓄電池の負極板は、負極集電体と、負極電極材料とで構成されている。負極電極材料は、負極板から負極集電体を除いたものである。なお、負極板には、上述のような貼付部材が貼り付けられている場合がある。この場合、貼付部材は、負極板に含まれるものとする。負極板が貼付部材を含む場合には、負極電極材料は、負極集電体および貼付部材を除いたものである。
鉛蓄電池の負極板は、負極集電体と、負極電極材料とで構成されている。負極電極材料は、負極板から負極集電体を除いたものである。なお、負極板には、上述のような貼付部材が貼り付けられている場合がある。この場合、貼付部材は、負極板に含まれるものとする。負極板が貼付部材を含む場合には、負極電極材料は、負極集電体および貼付部材を除いたものである。
負極集電体は、鉛(Pb)または鉛合金の鋳造により形成してもよく、鉛または鉛合金シートを加工して形成してもよい。加工方法としては、例えば、エキスパンド加工や打ち抜き(パンチング)加工が挙げられる。負極集電体として格子状の集電体を用いると、負極電極材料を担持させ易いため好ましい。
負極集電体に用いる鉛合金は、Pb-Sb系合金、Pb-Ca系合金、Pb-Ca-Sn系合金のいずれであってもよい。これらの鉛もしくは鉛合金は、更に、添加元素として、Ba、Ag、Al、Bi、As、Se、Cuなどからなる群より選択された少なくとも1種を含んでもよい。
負極電極材料は、酸化還元反応により容量を発現する負極活物質(鉛もしくは硫酸鉛)を含んでおり、防縮剤(有機防縮剤など)、炭素質材料(カーボンブラックなど)、硫酸バリウムなどを含んでもよい。負極電極材料は、必要に応じて、他の添加剤(補強材など)を含んでもよい。補強材としては、例えば、繊維(無機繊維、有機繊維(正極電極材料に含まれる繊維について記載した樹脂で構成された有機繊維など)など)が挙げられる。
充電状態の負極活物質は、海綿状鉛であるが、未化成の負極板は、通常、鉛粉を用いて作製される。
負極板は、負極集電体に、負極ペーストを充填し、熟成および乾燥することにより未化成の負極板を作製し、その後、未化成の負極板を化成することにより形成できる。負極ペーストは、鉛粉と有機防縮剤および必要に応じて各種添加剤に、水と硫酸を加えて混練することで作製する。熟成工程では、室温より高温かつ高湿度で、未化成の負極板を熟成させることが好ましい。
化成は、鉛蓄電池の電槽内の硫酸を含む電解液中に、未化成の負極板を含む極板群を浸漬させた状態で、極板群を充電することにより行うことができる。ただし、化成は、鉛蓄電池または極板群の組み立て前に行ってもよい。化成により、海綿状鉛が生成する。
(電解液)
電解液は、硫酸を含む水溶液である。電解液は、さらに、Naイオン、Liイオン、Mgイオン、およびAlイオンからなる群より選択される少なくとも一種などを含んでもよい。電解液は、必要に応じてゲル化させてもよい。
電解液は、硫酸を含む水溶液である。電解液は、さらに、Naイオン、Liイオン、Mgイオン、およびAlイオンからなる群より選択される少なくとも一種などを含んでもよい。電解液は、必要に応じてゲル化させてもよい。
電解液の20℃における比重は、例えば、1.10以上である。電解液の20℃における比重は、1.35以下であってもよい。なお、これらの比重は、既化成で満充電状態の鉛蓄電池の電解液についての値である。
図1に、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池の一例の外観を示す。
鉛蓄電池1は、極板群11と電解液(図示せず)とを収容する電槽12を具備する。電槽12内は、隔壁13により、複数のセル室14に仕切られている。各セル室14には、極板群11が1つずつ収納されている。電槽12の開口部は、負極端子16および正極端子17を具備する蓋15で閉じられる。蓋15には、セル室毎に液口栓18が設けられている。補水の際には、液口栓18を外して補水液が補給される。液口栓18は、セル室14内で発生したガスを電池外に排出する機能を有してもよい。
鉛蓄電池1は、極板群11と電解液(図示せず)とを収容する電槽12を具備する。電槽12内は、隔壁13により、複数のセル室14に仕切られている。各セル室14には、極板群11が1つずつ収納されている。電槽12の開口部は、負極端子16および正極端子17を具備する蓋15で閉じられる。蓋15には、セル室毎に液口栓18が設けられている。補水の際には、液口栓18を外して補水液が補給される。液口栓18は、セル室14内で発生したガスを電池外に排出する機能を有してもよい。
極板群11は、それぞれ複数枚の負極板2および正極板3を、セパレータ4を介して積層することにより構成されている。ここでは、負極板2を収容する袋状のセパレータ4を示すが、セパレータの形態は特に限定されない。電槽12の一方の端部に位置するセル室14では、複数の負極板2を並列接続する負極棚部6が貫通接続体8に接続され、複数の正極板3を並列接続する正極棚部5が正極柱7に接続されている。正極柱7は蓋15の外部の正極端子17に接続されている。電槽12の他方の端部に位置するセル室14では、負極棚部6に負極柱9が接続され、正極棚部5に貫通接続体8が接続される。負極柱9は蓋15の外部の負極端子16と接続されている。各々の貫通接続体8は、隔壁13に設けられた貫通孔を通過して、隣接するセル室14の極板群11同士を直列に接続している。
以下、各特性の評価方法について説明する。
(高温深放電寿命試験における寿命性能)
本明細書中、高温深放電寿命試験における寿命性能は、高温深放電寿命試験において寿命となるサイクル数に基づいて評価される。
本明細書中、高温深放電寿命試験における寿命性能は、高温深放電寿命試験において寿命となるサイクル数に基づいて評価される。
高温深放電寿命試験は、満充電状態の定格電圧12Vの鉛蓄電池について、下記の条件での放電および充電を繰り返すことにより行われる。(a)~(c)は、50℃±2℃の気槽環境下で行う。
(a)放電1:ID±1Aの電流値で59秒±2秒の放電(ID:5時間率容量の1/3の電流値(A))
(b)放電2:300A±1Aの電流値で1.0秒±0.2秒の放電
(c)充電:14.2V±0.03Vで、制限電流100.0A±0.5Aにて、60.0秒±0.3秒の充電
(d)繰り返し:上記(a)~(c)を1サイクルとして、寿命まで繰り返す。このとき、3600サイクル毎に40~48時間の休止を行う。試験中の放電時電圧が7.2Vを下回ったことを確認したときを寿命とする。
(a)放電1:ID±1Aの電流値で59秒±2秒の放電(ID:5時間率容量の1/3の電流値(A))
(b)放電2:300A±1Aの電流値で1.0秒±0.2秒の放電
(c)充電:14.2V±0.03Vで、制限電流100.0A±0.5Aにて、60.0秒±0.3秒の充電
(d)繰り返し:上記(a)~(c)を1サイクルとして、寿命まで繰り返す。このとき、3600サイクル毎に40~48時間の休止を行う。試験中の放電時電圧が7.2Vを下回ったことを確認したときを寿命とする。
(出力)
鉛蓄電池の出力は、JIS D 5301:2019の10.3のコールドクランキング電流(CCA)試験に準じて測定される放電開始後30秒目の端子電圧で評価するものとする。電圧値が大きいほど、高出力である。より具体的には、鉛蓄電池の出力は、下記の手順で測定される。
鉛蓄電池の出力は、JIS D 5301:2019の10.3のコールドクランキング電流(CCA)試験に準じて測定される放電開始後30秒目の端子電圧で評価するものとする。電圧値が大きいほど、高出力である。より具体的には、鉛蓄電池の出力は、下記の手順で測定される。
満充電状態の鉛蓄電池を、満充電が完了した後、25℃±2℃の水槽中に5時間置く。次いで、中央またはその近傍にある1つのセルの電解液温度が-18℃±1℃となるまで、鉛蓄電池を-18℃±1℃の冷却室に置く。上記セルの電解液温度が-18℃±1℃となったことを確認後、2分以内に定格コールドクランキング電流(CCA)で30秒放電する。放電開始後 30秒目の端子電圧を記録する。
なお、CCAは、鉛蓄電池の性能を示す指標の1つであり、例えば、定格電圧12Vの鉛蓄電池の場合、マイナス18℃±1℃の温度で放電したときに30秒後の端子電圧が7.2Vになる放電電流をいう。
(初期容量(20時間率))
鉛蓄電池の初期容量は、JIS D 5301:2019の10.1の20時間率容量試験に準じて測定できる。より具体的には、鉛蓄電池の初期容量は、次の手順で測定される。
鉛蓄電池の初期容量は、JIS D 5301:2019の10.1の20時間率容量試験に準じて測定できる。より具体的には、鉛蓄電池の初期容量は、次の手順で測定される。
満充電状態の鉛蓄電池を、満充電が完了した後、25℃±2℃の水槽中に、約1時間置く。電解液の温度が25℃±2℃であることを確認する。鉛蓄電池を、中央またはその近傍にある1つのセルの電解液温度が25℃±2℃となるまで、さらに25℃±2℃の水槽中に置く。20時間率電流(A)で鉛蓄電池の端子電圧が10.50V±0.05Vに低下するまで放電を行い、このときの放電持続時間t(h)を求める。初期容量(Ah)は、20時間率電流(A)に放電持続時間(h)を乗ずることにより求められる。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《鉛蓄電池E1~E19およびR1~R16》
(1)負極板の作製
鉛酸化物、カーボンブラック、硫酸バリウム、リグニン、補強材(合成樹脂繊維)、水および硫酸を混合して負極ペーストを調製した。負極ペーストをアンチモンフリーのPb-Ca-Sn系合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成、乾燥し、幅100mm、高さ115mm、厚さ1.2mmの未化成の負極板を得た。カーボンブラック、硫酸バリウム、リグニンおよび合成樹脂繊維の量は、既化成の満充電の状態で測定したときに、それぞれ0.3質量%、2.1質量%、0.1質量%および0.1質量%になるように調節した。
(1)負極板の作製
鉛酸化物、カーボンブラック、硫酸バリウム、リグニン、補強材(合成樹脂繊維)、水および硫酸を混合して負極ペーストを調製した。負極ペーストをアンチモンフリーのPb-Ca-Sn系合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成、乾燥し、幅100mm、高さ115mm、厚さ1.2mmの未化成の負極板を得た。カーボンブラック、硫酸バリウム、リグニンおよび合成樹脂繊維の量は、既化成の満充電の状態で測定したときに、それぞれ0.3質量%、2.1質量%、0.1質量%および0.1質量%になるように調節した。
(2)正極板の作製
鉛酸化物、補強材、水および硫酸を混合して正極ペーストを調製した。このとき、既述の手順で測定される正極電極材料の全細孔容積が表1~表3に示す値となるように水および硫酸の量を調節した。補強材としては、既述の手順で測定されるKr-BET比表面積が表1~表3に示す値となるアクリル系樹脂繊維を用いた。アクリル系樹脂繊維は、湿式紡糸により作製したものを用いた。アクリル系繊維のKr-BET比表面積は、紡糸原液の溶剤と凝固液の組成を調節することにより調節した。既述の手順で求められる正極電極材料中の繊維の量は、0.18質量%とした。正極ペーストをアンチモンフリーのPb-Ca-Sn系合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成、乾燥し、幅100mm、高さ115mm、厚さ1.6mmの未化成の正極板を得た。
鉛酸化物、補強材、水および硫酸を混合して正極ペーストを調製した。このとき、既述の手順で測定される正極電極材料の全細孔容積が表1~表3に示す値となるように水および硫酸の量を調節した。補強材としては、既述の手順で測定されるKr-BET比表面積が表1~表3に示す値となるアクリル系樹脂繊維を用いた。アクリル系樹脂繊維は、湿式紡糸により作製したものを用いた。アクリル系繊維のKr-BET比表面積は、紡糸原液の溶剤と凝固液の組成を調節することにより調節した。既述の手順で求められる正極電極材料中の繊維の量は、0.18質量%とした。正極ペーストをアンチモンフリーのPb-Ca-Sn系合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成、乾燥し、幅100mm、高さ115mm、厚さ1.6mmの未化成の正極板を得た。
(3)セパレータの作製
ポリエチレンと、シリカ粒子と、造孔剤としてのパラフィン系オイルと、浸透剤を含む樹脂組成物をシート状に押出成形した後、造孔剤の一部を除去した。ポリエチレンとシリカ粒子と造孔剤との混合比、および造孔剤の除去量から選択される少なくとも1つを調節することにより、セパレータの見かけ密度を調節した。浸透剤は、ポリエチレン100質量部に対して2質量部の割合で用いた。このようにして、既述の手順で求められる見かけ密度が表1~表3に示す値である微多孔膜を作製した。押出成形には、ストライプ状の複数のリブが形成される形状の金型を用いた。各シート状の微多孔膜を二つ折りにして袋を形成し、袋状セパレータを得た。
ポリエチレンと、シリカ粒子と、造孔剤としてのパラフィン系オイルと、浸透剤を含む樹脂組成物をシート状に押出成形した後、造孔剤の一部を除去した。ポリエチレンとシリカ粒子と造孔剤との混合比、および造孔剤の除去量から選択される少なくとも1つを調節することにより、セパレータの見かけ密度を調節した。浸透剤は、ポリエチレン100質量部に対して2質量部の割合で用いた。このようにして、既述の手順で求められる見かけ密度が表1~表3に示す値である微多孔膜を作製した。押出成形には、ストライプ状の複数のリブが形成される形状の金型を用いた。各シート状の微多孔膜を二つ折りにして袋を形成し、袋状セパレータを得た。
なお、ポリエチレン、シリカ粒子、造孔剤および浸透剤を含む樹脂組成物の組成は、例えば、セパレータの設計、製造条件、および鉛蓄電池の使われ方から選択される少なくとも1つに応じて、任意に変更され得る。また、必要に応じて、例えば、セパレータ中の浸透剤の量、および造孔剤の除去量の少なくとも一方が調節される。
袋状セパレータの外面に、袋状セパレータの幅方向の両方の縁部に突出高さ0.18mmのストライプ状の複数のミニリブを1mmのピッチで設けた。袋状セパレータの外面において、ミニリブが設けられた両方の縁部より内側の領域には、突出高さ0.6mmのストライプ状の複数の主リブを9.8mmのピッチで設けた。セパレータの総厚は0.8mmとした。セパレータ中に占めるシリカ粒子の含有量は、60質量%であった。なお、セパレータの総厚み、リブの突出高さ、リブのピッチ、およびシリカ粒子の含有量は、鉛蓄電池の作製前のセパレータについて求めた値であるが、作製後の鉛蓄電池から取り出したセパレータについて既述の手順で測定した値とほぼ同じである。
(4)鉛蓄電池の作製
未化成の各負極板を、袋状セパレータに収容し、セル当たり未化成の負極板7枚と未化成の正極板6枚とを交互に重ねて極板群を形成した。正極板の耳同士および負極板の耳同士をそれぞれキャストオンストラップ(COS)方式で正極棚部および負極棚部と溶接した。極板群をポリプロピレン製の電槽に挿入し、電解液を注液して、電槽内で化成を施して、定格電圧12Vおよび定格容量が30Ah(5時間率容量(定格容量に記載の数値の1/5の電流(A)で放電するときの容量))の液式の鉛蓄電池E1~E19およびR1~R16を組み立てた。なお、電槽内では6個の極板群が直列に接続されている。
未化成の各負極板を、袋状セパレータに収容し、セル当たり未化成の負極板7枚と未化成の正極板6枚とを交互に重ねて極板群を形成した。正極板の耳同士および負極板の耳同士をそれぞれキャストオンストラップ(COS)方式で正極棚部および負極棚部と溶接した。極板群をポリプロピレン製の電槽に挿入し、電解液を注液して、電槽内で化成を施して、定格電圧12Vおよび定格容量が30Ah(5時間率容量(定格容量に記載の数値の1/5の電流(A)で放電するときの容量))の液式の鉛蓄電池E1~E19およびR1~R16を組み立てた。なお、電槽内では6個の極板群が直列に接続されている。
電解液としては、硫酸水溶液に硫酸アルミニウムを溶解させたものを用いた。化成後の電解液のAlイオン濃度は0.2質量%であった。正極電極材料中のα/β比が表1~表3に示す値となるように、化成時の電解液の比重を1.12~1.26の範囲で調節した。
作製した鉛蓄電池を、既述の手順で満充電状態にして、以下の評価に用いた。
[評価1:出力]
既述の手順で、鉛蓄電池の出力を求めた。
既述の手順で、鉛蓄電池の出力を求めた。
[評価2:高温深放電寿命試験における寿命性能]
既述の手順で、鉛蓄電池の端子電圧7.2Vに到達するまでのサイクル数を求めた。
既述の手順で、鉛蓄電池の端子電圧7.2Vに到達するまでのサイクル数を求めた。
[評価3:初期容量]
既述の手順で、鉛蓄電池の初期容量を求めた。
既述の手順で、鉛蓄電池の初期容量を求めた。
結果を表1~表3に示す。各評価は、鉛蓄電池R7の結果を100%としたときの比(%)で示す。
表1に示されるように、セパレータの見かけ密度が0.57g/cm3の場合には、正極電極材料に用いる繊維のKr-BET比表面積を0.20m2/g、0.25m2/gおよび0.50m2/gと変化させても、高温深放電寿命試験における寿命性能は全く変わらない(R7、R9およびR11)。また、繊維のKr-BET比表面積が0.20m2/gの場合には、セパレータの見かけ密度を小さくすると、高温深放電寿命試験における寿命性能は低下する(R7とR1~R6との比較)。ところが、繊維のKr-BET比表面積が0.25m2/g以上になると、セパレータの見かけ密度を0.45g/cm3以上0.57g/cm3未満とすることで、高温深放電寿命試験における寿命性能が格段に向上する(R8およびR9とE1~E5との比較、R10およびR11とE6~E9との比較)。このように、Kr-BET比表面積が0.25m2/g以上の場合とこれより小さい場合とでは、セパレータの見かけ密度が高温深放電寿命試験における寿命性能に及ぼす影響(挙動)は大きく異なる。また、鉛蓄電池E1~E9では、100%以上の高い出力を確保できている。
表2に示されるように、より高い出力を確保する観点からは、正極電極材料の全細孔容積は、0.08cm3/g以上が好ましく、0.09cm3/g以上がより好ましい。高温深放電寿命試験においてより高い寿命性能を確保する観点からは、正極電極材料の全細孔容積は0.17cm3/g以下が好ましい。
表3に示されるように、正極電極材料中のα/β比が0.55以下の場合、より高い初期容量を確保することができる。高温深放電寿命試験において、より高い寿命性能を確保する観点からは、α/β比は、0.1以上または0.13以上であることが好ましい。
本発明の上記側面に係る鉛蓄電池は、例えば、IS用途(ISS車用の鉛蓄電池など)、様々な車両(自動車、バイクなど)の始動用電源などに適している。また、鉛蓄電池は、産業用蓄電装置(電動車両(フォークリフトなど)など)などの電源にも好適に利用できる。なお、これらの用途は単なる例示であり、本発明の上記側面に係る鉛蓄電池は、これらの用途に限定されるものではない。
1:鉛蓄電池、2:負極板、3:正極板、4:セパレータ、5:正極棚部、6:負極棚部、7:正極柱、8:貫通接続体、9:負極柱、11:極板群、12:電槽、13:隔壁、14:セル室、15:蓋、16:負極端子、17:正極端子、18:液口栓
Claims (7)
- 正極板と、負極板と、前記正極板および前記負極板の間に介在するセパレータとを備え、
前記正極板は、繊維を含む正極電極材料を含み、
前記繊維は、クリプトンガスを吸着ガスとして用いて測定されるBET比表面積が0.25m2/g以上であり、
前記セパレータは、ポリオレフィンとオイルとを含み、かつ見かけ密度が、0.40g/cm3を超え0.57g/cm3未満である、鉛蓄電池。 - 前記見かけ密度は、0.45g/cm3以上である、請求項1に記載の鉛蓄電池。
- 前記見かけ密度は、0.56g/cm3以下である、請求項1または2に記載の鉛蓄電池。
- 前記セパレータ中の前記オイルの含有量は、5質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
- 前記正極電極材料の全細孔容積は、0.08cm3/g以上0.17cm3/g以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
- 満充電状態の前記鉛蓄電池において、
前記正極電極材料は、α-PbO2結晶子とβ-PbO2結晶子とを含み、
前記α-PbO2結晶子の前記β-PbO2結晶子に対する比率は、0.55以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。 - アイドリングストップ用である、請求項1~6のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
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