JP5024194B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー像を記録紙に形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の電子写真方式を採用する画像形成装置では、通常、感光体のような像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、該可視トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、或いは一旦中間転写ベルト等の中間転写体に1次転写し、該中間転写体から記録紙等の記録媒体に2次転写し、このように記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させる。
このような画像形成装置において、給紙トレイ又は給紙カセットといった記録紙積載部から、画像形成部(そこにおける転写部、定着部)そして排出部まで記録紙を搬送する方法としては、ゴムや金属、樹脂製の搬送ローラによりなされるものが最も一般的である。
しかし、この方法は記録紙と搬送ローラとの摩擦を利用しているため、ローラによりこすられた記録紙のローラ当接面より多量の紙粉が発生する。特に搬送速度の速い高速機になる程多量に発生する。
一方、このような画像形成装置では、転写部にこの紙粉が運ばれて、感光体に代表される静電潜像担持体等に付着してしまった場合には、形成された画像の品質を低下させたり、静電潜像担持体等にダメージを与えたりしてしまう。特に、記録紙に酸性紙を使用する場合に問題になる。
さらに、搬送ローラに付着した紙粉も使用していくにつれ蓄積されていき、ローラと記録紙間との摩擦力を不安定なものとし、搬送速度のバラツキによる給紙精度の低下や搬送不良の原因となる。
このような原因を排除するために、従来は搬送ローラの定期的な清掃や交換により対応してきたが、近年、技術進歩による装置の高速化、メンテナンスフリー化が進んできたために、対策が必要とされている。特に、記録紙に酸性紙を使用する場合には給紙ローラ部の紙粉が他の部分よりも多いために画像不良を発生させる可能性がある。また、記録紙の端部から発生する紙粉が多いために、同一サイズの記録紙を連続して使用して画像形成した後にその記録紙の紙幅(搬送方向に垂直な方向の記録紙の幅)より大きいサイズの記録紙を用いて画像形成すると、連続して使用した記録紙の端部の部分に多くの紙粉が発生して画像不良を発生させる可能性がある。
いずれにしても、単に紙粉を掻き落として紙粉を紙粉溜めに保持するだけの紙粉除去では、紙粉が紙粉溜めからすぐに溢れ出るために、紙粉を掻き落すだけではなく掻き落とした紙粉を紙粉溜めまで搬送する技術が開発されている。
特開2003−267578号公報(特許文献1)は、紙粉除去手段によって除去した紙粉を、紙粉搬送手段によって確実に搬送することのできる、画像形成装置を開示する。この画像形成装置は、画像形成手段に供給される記録媒体の紙粉を除去するための紙粉除去手段と、前記紙粉除去手段の下方に配置され、前記紙粉除去手段から落下する紙粉を搬送するための紙粉搬送手段とを備える画像形成装置であって、前記紙粉搬送手段の搬送方向途中には、規制壁が設けられていることを特徴とする。
この画像形成装置によると、画像形成手段に供給される記録媒体の紙粉は、紙粉除去手段によって除去された後、その紙粉除去手段から落下し、次いで、紙粉搬送手段により、搬送方向に沿って搬送される。そして、この紙粉搬送手段による搬送において、紙粉は、搬送方向途中に設けられる規制壁を越えると、その規制壁によって、搬送方向逆方向への移動が規制される。そのため、紙粉は、紙粉搬送手段によって、規制壁から搬送方向逆方向への移動が防止され、確実に搬送される、十分量の紙粉の除去を達成することができる。
特開2003−267578号公報
しかしながら、特許文献1に開示された画像形成装置では、紙粉除去手段(特許文献1の実施の形態における紙粉取りローラに相当)と紙粉搬送手段(特許文献1の実施の形態におけるスパイラル状に形成されたオーガ部材に相当)とを、別々にかつ離隔して設けている。このため、紙粉除去及び紙粉搬送のために大きなスペースを必要とする。それゆえ、画像形成装置において求められるフルカラー化を始めとする高機能化を実現するときに、紙粉除去及び紙粉搬送回収のために大きなスペースを必要とするのでは、装置が大型化することを回避できない。
そこで本発明は、静電潜像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を記録紙上に転写及び定着させることができる画像形成装置であって、トナー像の到達のタイミングに合わせて該トナー像を記録紙に転写させる転写位置へ記録紙を送込むためのレジストローラ対を搭載した画像形成装置であり、紙粉の除去及び搬送回収、特に、レジストローラ対へ記録紙が供給されるに際して発生して記録紙とともにレジストローラ対へ到達してくる紙粉の除去及び搬送回収を、大きなスペースを必要としない機構で行なえる画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は次の画像形成装置を提供する。
静電潜像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を記録紙上に転写及び定着させることができる画像形成装置であって、トナー像の到達のタイミングに合わせて該トナー像を記録紙に転写させる転写位置へ記録紙を送込むためのレジストローラ対を搭載した画像形成装置であり、
レジストローラ対のうちトナー像を転写する記録紙面に接触するレジストローラ表面を第1の素材を被着したローラとし、該ローラに、第2の素材から形成される螺旋状部材を回転軸に被着したスパイラルローラを該螺旋状部材で接触配置し、
前記第1の素材と前記第2の素材は、該両部材相互の摩擦帯電により、前記第2の素材に、前記レジストローラ対へ供給されてくる記録紙から発生した紙粉の帯電極性とは逆極性の電荷が帯電する素材であり、
前記スパイラルローラの螺旋状部材には、前記回転軸と平行な方向に紙粉を搬送する部分に導電性部材が設けられ、
前記導電性部材は前記導電性の回転軸に電気的に接続され、前記回転軸が接地され前記導電性部材の電位は接地電位であって、
前記スパイラルローラの回転を阻害することなく前記スパイラルローラにおいて少なくとも摩擦帯電する部分に圧接する圧接部材を備え、
前記圧接部材にはバイアス電源が接続され、
前記バイアス電源により、前記圧接部材の電位は、紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定されることを特徴とする、画像形成装置。
本発明に係る画像形成装置は、モノクロ画像形成装置でも、2色以上のトナーを用いて画像形成できるカラー画像形成装置(代表的にはフルカラー画像形成装置)でもよい。
本発明の画像形成装置を含み、画像を記録紙に形成する画像形成装置は、トナー像の到達のタイミングに合わせて該トナー像を記録紙に転写させる転写位置へ記録紙を送込むためのレジストローラ対を搭載しているのが通常である。本発明の画像形成装置においては、このレジストローラ対のうちトナー像を転写する記録紙面に接触するレジストローラ表面を第1の素材を被着したローラとしている。この第1の素材を被着したローラには、スパイラルローラが当接される。スパイラルローラは、第2の素材から形成される螺旋状部材を回転軸に被着したローラであって、前記第1の素材と前記第2の素材との摩擦帯電により、前記第2の素材には紙粉の帯電極性(紙粉は正負のいずれかに帯電)とは逆極性の電荷が帯電される。前記スパイラルローラの螺旋状部材には、前記回転軸と平行な方向に紙粉を搬送する部分に導電性部材が設けられている。この導電性部材は導電性の回転軸に接続され、回転軸が接地されているので、導電性部材の電位は、接地電位である。
このような構成によると、第1の素材を被着したローラには記録紙の紙粉が付着することが多いが、このローラに当接するスパイラルローラの第2の素材が紙粉の帯電極性と逆極性に摩擦帯電しているので、紙粉がスパイラルローラの第2の素材の部分に吸着されて、レジストローラ対のうちトナー像を転写する記録紙面に接触するローラ(第1の素材を被着したローラ)から紙粉を除去できる。さらに、前記スパイラルローラの螺旋状部材には、前記回転軸と平行な方向に紙粉を搬送する部分に導電性部材が設けられていて、しかもこの導電性部材の電位は、接地電位である。このため、紙粉を吸着しないようにして、スパイラルローラの回転動作と螺旋形状とによって、紙粉を搬送して回収することができる。
さらに、前記スパイラルローラの回転を阻害することなく前記スパイラルローラにおいて少なくとも摩擦帯電する部分に圧接する圧接部材が設けられ、この圧接部材の電位は、紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定されている。この圧接部材により、前記スパイラルローラにおいて少なくとも摩擦帯電する部分に吸着した紙粉を、接触して機械的にはたき落とすことに加えて、電気的に反発させて引き剥がして、除去することができる。
このように本発明に係る画像処理装置は、従来のレジストローラ対に、摩擦帯電による紙粉除去機能と、導電性を備えることにより紙粉を吸着しないで搬送する紙粉搬送機能とを併せ持つ1本のスパイラルローラを当接させるように設けるだけであるので、装置が大型化することがなく、画像不良の原因となる紙粉を除去及び搬送して回収することができる。特に、紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定されるようにバイアス電圧が印加される圧接部材により、スパイラルローラに吸着された紙粉を掻き落とすことができて、所望の位置まで搬送することができる。
前記圧接部材の電位は、レジストローラ対に記録紙が存在するときには接地電位に設定され、レジストローラ対に記録紙が存在しないときには前記バイアス電源により紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定されるようにしてもよい。レジストローラ対に記録紙が存在しないときには圧接部材にバイアス電圧が印加されて、圧接部材の電位が紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定され、スパイラルローラに付着した紙粉を電気的に引き剥がすことができる。レジストローラ対に記録紙が存在するときには、バイアス電圧が印加されないで圧接部材の電位が接地電位に設定されて、記録紙を介する転写部へのバイアス電圧の影響を与えないようにできる。
前記第1の素材はポリ塩化ビニルであって、前記第2の素材はポリウレタンであってもよい。このような素材の組み合わせにより、第2の素材を適切に摩擦帯電させることができる。
前記圧接部材は、絶縁性の部材に、導電性のくし歯状部材を重ねた構成とすることもできる。このようにすると、好適に、バイアス電圧を印加して紙粉の帯電極性と同じ極性に、圧接部材を帯電させることができる。
前記スパイラルローラの螺旋状部材により前記回転軸と平行な方向に搬送された紙粉を貯留する貯留部と、前記貯留部に溜められる前の紙粉の電荷を除去する除電部とをさらに備えてもよい。帯電していない紙粉を貯留部に滞留させることができる。
以上説明したように本発明によると、静電潜像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を記録紙上に転写及び定着させることができる画像形成装置であって、トナー像の到達のタイミングに合わせて該トナー像を記録紙に転写させる転写位置へ記録紙を送込むためのレジストローラ対を搭載した画像形成装置であり、紙粉の除去及び搬送回収、特に、レジストローラ対へ記録紙が供給されるに際して発生して記録紙とともにレジストローラ対へ到達してくる紙粉の除去及び搬送回収を、大きなスペースを必要としない機構で行なえる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
以下に、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の例Aを示している。
図1にその断面を示した画像形成装置Aは、モノクロ画像形成装置(モノクロプリンタ)である。なお、本発明に係る画像形成装置Aは、このようなモノクロ画像形成装置でも、2色以上のトナーを用いて画像形成できるカラー画像形成装置(代表的にはフルカラー画像形成装置)でもよい。
画像形成装置Aは、給紙トレイ61をそれぞれ備えた用紙供給部6を二つ搭載し、給紙した用紙の先端位置と画像の書き出し位置とを合わせるためのレジストローラ部600を搭載する。この画像形成装置Aは、帯電部2で感光体1を帯電させて、半導体レーザー、各種レンズ及びポリゴンミラー等から構成される画像露光部3で感光体1に静電潜像を撮像した後に現像部4で静電潜像をトナー像に現像し、転写部5で記録媒体S(以下、記録紙Sと記載する場合がある)にトナー像を転写した後に定着部7で記録媒体Sにトナー像を固定し、排出部8で排紙する。
画像形成装置Aは、回転駆動されるドラム型の負帯電性の感光体1を備えており、感光体1表面を図示省略の帯電用電源装置から帯電電圧が印加されるコロナ放電方式の帯電部2で一様に所定電位に帯電させ、その帯電域に画像露光部3から画像露光を施して静電潜像を形成し、該潜像を現像部4の現像ローラ41を用いて負帯電性のトナーにより反転現像して可視トナー像を形成できる。
感光体1上に形成される可視トナー像は、給紙トレイ61から、上下動するピックアップローラ62、及び、給紙ローラ対63により、1枚ずつ供給される転写紙(記録紙)等の記録媒体Sに転写される。給紙ローラ対63は、給紙トレイ61内に積載された記録紙を1枚ずつ送り出す重送防止機能を備える。この重送防止機能は、例えばトルクリミッタ逆転ローラ方式がある。この方式は、給紙ローラ対63の一方のローラを駆動させ、他方のローラにトルクリミッタを連結して逆転駆動させる。トルクリミッタのスリップとローラの逆転とにより、安定して精度の高い重送防止機能を実現できる。
レジストローラ部600は、記録媒体Sを可視トナー像と同期をとって、転写部5へ送る。このレジストローラ部600の詳細については後述する。転写部5でトナー像が転写された記録媒体Sは、定着部7で加熱加圧されて記録媒体Sにトナー像が定着されてモノクロ画像となる。このようにしてトナー像が定着された記録媒体Sは排出部8の排出ローラ対81にて排出トレイ82上に排出される。感光体1上の転写残トナーはクリーニングブレードにて除去清掃される。
なお、画像形成装置Aは、以下のような現像部とすることにより、所謂4サイクルフルカラー画像形成装置とすることもできる。現像部を回転駆動されるラックにイエロー現像部、マゼンタ現像部、シアン現像部及びブラック現像部を搭載する。これらの4色の現像部は、例えばラックに着脱可能のカートリッジに構成される。感光体1には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像データに基づいて各色に対応する静電潜像が順次形成され、一つの色に対応する潜像が形成されるごとに該潜像が4色の現像部のうち該色に対応する現像部で現像される。このようにして感光体1上に順次形成される各色のトナー像は、一つのトナー像が形成されるごとに中間転写ベルト(中間転写体の1例)に1次転写され、且つ、先に転写されたトナー像の上に重ねて転写される。このようにして中間転写ベルト上に形成された多重トナー像は、給紙トレイ61から給紙ローラ対63により1枚ずつ供給され、レジストローラ部600により該多重トナー像と同期をとって送られてくる転写紙等の記録媒体Sに2次転写され、定着部7で該記録媒体に加熱加圧下に定着されてフルカラー画像となる。このようなフルカラー画像形成装置Aにおいて、四つの現像部のいずれか一つの現像部を用いてモノクロ画像を形成することもできるし、四つの現像部のうちのいずれか二つ或いは三つの現像部を用いてカラー画像を形成することもできる。
なお、これ以外にもタンデム型のフルカラー画像形成装置であっても、本実施の形態に係る画像形成装置として適用できる。すなわち、記録媒体として記録紙を用いる画像形成装置であって、静電潜像担持体が保持するトナー像を記録紙に転写させる転写位置へ記録紙を送込むためのレジストローラ部を搭載した画像形成装置であればよい。
[紙粉の発生と感光体の劣化]
このような画像形成装置における紙粉の発生と感光体1の劣化との関係について説明する。この関係を踏まえて、除去された紙粉を回収する位置が定められる。
図2は、給紙ローラ対63(図2では1本の給紙ローラしか記載していない)の幅及び位置と、感光体1の特性劣化位置10との関係を示す図である。用紙供給部6においては、記録紙Sと給紙ローラ対63との摩擦を利用して1枚ずつ記録紙を転写部5まで搬送している。例えば、給紙ローラ対63の記録紙搬送方向に垂直な方向の幅は、感光体1の幅よりも(かなり)小さい。また、給紙ローラ対63によりこすられた記録紙Sのローラ当接面より多量の紙粉が発生する。このような紙粉が感光体1に到達すると感光体1に付着して感光体1の特性を劣化させ、画像不良を発生させる可能性がある。すなわち、感光体1の特性劣化位置10の部分が、紙粉が到達しやすい位置であって、到達した紙粉により感光体1の特性が劣化する位置である。
また、図3は、記録紙Sの幅(記録紙Sの搬送方向に垂直な方向の幅)及び記録紙Sの最大の幅と、感光体の特性劣化位置との関係を示す図である。記録紙Sにおいては、その端部から発生する紙粉が多い。このため、同一サイズの記録紙12を連続して使用して画像形成した後に、その記録紙12の紙幅より大きいサイズの記録紙14を用いて画像形成すると、連続して使用した記録紙12の端部13の部分に多くの紙粉が発生していたため、これに対応する感光体1の特性劣化位置11に画像不良を発生させる可能性がある。すなわち、感光体1の特性劣化位置11の部分が、記録紙の幅を大きくしたときに記録紙14により紙粉が到達しやすい位置であって、到達した紙粉により感光体1の特性が劣化する位置である。
このような画像形成装置において、記録紙Sから発生する紙粉を完全になくすことは不可能である。このため、本実施の形態に係る画像形成装置においては、レジストローラ部600で、発生した紙粉(記録紙Sの給紙ローラ対63に対応する位置又は紙幅の小さい記録紙の端部から発生して搬送ローラに付着した紙粉)を紙幅(搬送ローラ幅)に対応する長さで除去するとともに、搬送ローラから除去した紙粉を搬送ローラ及び記録紙から離隔された位置まで搬送して回収する。このように、除去された紙粉を移動させることにより、給紙ローラ対63の幅部又は小さい記録紙の端部位置に集中して紙粉が溜まることはなく、感光体1を部分的に劣化させることを回避でき画像不良の発生も低減できる。
[レジストローラ部の構造]
本実施の形態に係る画像形成装置のレジストローラ部600について詳しく説明する。図4にレジストローラ部600の上面図、図5にレジストローラ部600の正面図、図6にレジストローラ部600の側面図を、それぞれ示す。これらの図を参照して、レジストローラ部600の構造を説明する。
レジストローラ部600は、ウレタンゴムローラ610と、ポリ塩化ビニル製のチューブを巻き付きけたチューブローラ620とで構成される。レジストローラ対であるウレタンゴムローラ610とチューブローラ620との間に記録紙Sが挟まれて、所定のタイミングで転写部5に記録紙Sが搬送される。ウレタンゴムローラ610は、モータで構成される駆動部612により図6に示す方向に回転駆動される。ウレタンゴムローラ610の駆動部612とは逆側には、ギア611が設けられ、このギア611がチューブローラ620のギア621に噛み合っており、ギア621によりチューブローラ620が従動回転される。なお、ウレタンゴムローラ610の周速とチューブローラ620の周速とは同じである必要があるので、ギア611のギアとギア621のギアとは同じである。
本実施の形態に係るレジストローラ部600は、このチューブローラ620に当接するスパイラルローラ630を備えることが特徴である。このスパイラルローラ630は、金属軸に、ポリウレタンフォームをスパイラル状に巻き付けたローラである。チューブローラ620のギア621がスパイラルローラ630のギア631に噛み合っており、ギア631によりスパイラルローラ630が従動回転される。なお、チューブローラ620の周速とスパイラルローラ630の周速とは、後述するように摩擦帯電する必要があるので異なる必要があり、ギア621のギアとギア631のギアとは異なる。例えば、チューブローラ620よりもスパイラルローラ630が速く回転するように、ギア621とギア631とのギア比が決定される。
このように、ウレタンゴムローラ610の駆動部612の反対側に、チューブローラ620を従動回転させるギア621があり、さらにチューブローラ620のギア621を介して、スパイラルローラ630のギア631でスパイラルローラ630が異なる周速で従動回転される。このため、スパイラルローラ630用の新たな駆動機構を設けず、簡易な構成(装置を大型化しない構成)を実現できる。
スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の最外径の端面(最も外周を形成する面)は、チューブローラ620とは異なる周速で、チューブローラ620に当たるために擦れる。これによりスパイラルローラ630が摩擦帯電される。このときのスパイラルローラ630の帯電極性は、紙粉の帯電極性と逆極性である。このスパイラルローラ630の摩擦帯電により、チューブローラ620に付着した紙粉がスパイラルローラ630に回収される。このスパイラルローラ630は、詳しくは後述するが、金属軸とスパイラル状の歯の側面を導電性とし、その導電性の部分がアースされているのでスパイラルローラ630は帯電した紙粉を吸着しないで、回転動作とスパイラル形状とによって、紙粉をギア631側(図5に紙面右側)に移動させる。
スパイラルローラ630は、上部カバー642と紙粉回収部641を備えた下部カバー640とにより覆われている。これらのカバー(スパイラルローラ630を収納するケースともいえる)の材質は、帯電して紙粉を吸着させる機能を備えないものが好ましい。これらのカバーを導電性素材で形成してアースすることも好ましい。
レジストローラ部600のスパイラルローラ630の長さに対応する位置に、下部カバー640の一部として紙粉回収部641が形成される。スパイラルローラ630が回転することにより、チューブローラ620から回収された紙粉が、紙粉回収部641まで搬送されて、紙粉回収部641に紙粉900として溜められる。この紙粉回収部641の位置は、図5及び図6に示すように、スパイラルローラ630の端部に設けられ、かつ、チューブローラ620から十分に離隔している。このため、図2又は図3に示す特性劣化位置に到達する傾向の強い紙粉を十分に離れた位置に貯留でき、かつ、回収された紙粉900がチューブローラ620に再度付着することを発生しにくくできる。すなわち、紙粉回収部641は、スパイラルローラ630の端部又は端部よりもさらに外側、かつ、記録紙Sの最大幅よりもさらに外側に設けられることになる。
なお、図4及び図6に示すバイアス印加部710は、詳しくは後述するくし歯状のPETシート650を、紙粉の帯電極性と同極性に帯電させる装置である。
[レジストローラ部の内部構造]
さらにレジストローラ部600の内部構造について詳しく説明する。図7にレジストローラ部600の正面図であって上部カバー642を取り外してPETシート650が見える正面図、図8にレジストローラ部600の正面図であって上部カバー642、下部カバー640及びPETシート650を取り外した正面図、図9にレジストローラ部600の側面図であって紙粉回収部641の断面図を、それぞれ示す。これらの図を参照して、レジストローラ部600の内部構造を説明する。
図7に示すように、このレジストローラ部600のスパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面(螺旋状に外径を形成する面であって中心軸からの距離が周期的に変わり、山部と溝部とがある)に、くし歯状のPET等の薄いシート材(以下、PETシート)650が常に当接するように、PETシート650の先端がスパイラルローラ630の回転軸の中心を臨むように設けられている。図9における3つのPETシート650の態様(PETシート650A、PETシート650B及びPETシート650C)の中の最も下方に向いている態様であるPETシート650Cのように、PETシート650は下方に向けて、常にスパイラルローラ630の歯の端面に圧接するように設けられている。このため、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面が最も大きいときには、PETシート650AのようにPETシート650がスパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面で押し上げられ、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面が最も小さいとき(スパイラルローラ630の回転軸)には、PETシート650Cのようにスパイラル状の歯の高さが低くなってもPETシート650がスパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面に接している。このようにPETシート650が設けられているので、スパイラルローラ630の歯の端面にPETシート650が当接し、スパイラルローラ630が自転するので、スパイラルローラ630における段差(山部である最外径の端面と溝部である軸との段差)により、PETシート650が揺動される。このPETシート650が揺動することにより、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面及び側面に付着した紙粉をはたき落とす。これにより、紙粉除去を促進し、スパイラル状の歯と歯との間に紙粉が詰まることを防止し、チューブローラ620への紙粉の再付着を防止することができる。なお、紙粉をはたき落とす場合も、たたき落とす場合もあると考えられるが、以下においては、これらの両方の場合を含めて「はたき落とす」と記載する。
このくし歯状のPETシート650は、その一部が導電性であって、バイアス印加部710から印加されたバイアス電圧により、紙粉の帯電極性と同極性に帯電される。このため、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面及び側面に付着した紙粉並びにスパイラルローラ630の回転軸に付着した紙粉を電気的に反発せしめ、はたき落とす効果を促進させる。
また、図8に示すように、スパイラルローラ630の両端部には、紙粉がそれ以上移動することを防止して紙粉回収部641へ紙粉を移動させるとともに、ウレタンゴムローラ610の駆動部612への紙粉の周り込みを防止するために、リング部635が設けられている。
さらに、図8に示すように、スパイラルローラ630とチューブローラ620との間には、紙粉漏れ防止用のポリウレタンフォーム660が設けられている。さらに、そのポリウレタンフォーム660の近傍には、PETシート670が設けられている。このPETシート670は、紙粉漏れ防止用のポリウレタンフォーム660と、同じ素材のスパイラルローラ630とが直接に接触しないように設けられている。PETシート670により、ポリウレタンフォームどうしが直接当接することがないので、スパイラルローラ630の回転抵抗を低減することができる。
さらに、スパイラルローラ630の紙粉搬送側端部には、帯電した紙粉の電荷を除電する除電部680が設けられている。この除電部680で紙粉の電荷を除電してから紙粉回収部641へ紙粉を落下させ、紙粉回収部641に紙粉900として溜められる。なお、この除電部680は、アースされた導電性部材等とすることができる。
図10〜図13を参照して、PETシート650の構造について詳しく説明する。図10及び図12がPETシート650の詳細な構成を示す上面図であって、図11及び図13がPETシート650の詳細な構成を示す側面図である。図10及び図12に示すように、このPETシート650は、絶縁部656(例えば、PETシート)に導電性の金属薄膜652を隙間654を空けて平行に多数並べている。この金属薄膜652がバイアス印加部710から供給されるバイアス電圧により、紙粉の帯電極性と同極性に保持される。このスパイラルローラ630が回転するので、図11に示すように、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面が最も小さいときには、PETシート650Cのようにスパイラル状の歯の高さが低くなってもPETシート650がスパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面(スパイラルローラ630の回転軸)に接している。図13に示すように、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面が最も大きいときには、PETシート650AのようにPETシート650がスパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面で押し上げられてPETシート650がスパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面に接している。
図14を参照して、スパイラルローラ630について詳しく説明する。図14に示すように、このスパイラルローラ630は、金属軸634に、ポリウレタンフォームをスパイラル状に巻き付けたローラである。スパイラルローラ630のスパイラル状の歯633の端面637(螺旋状に外径を形成する面であって中心軸からの距離が周期的に変わる)は、最外径の端面が、チューブローラ620とは異なる周速でチューブローラ620に当たるために擦れる。これによりスパイラルローラ630の歯633が摩擦帯電される。
図14の拡大図で示すように、このスパイラルローラ630のスパイラル状の歯633の側面636を導電性とし、金属軸634とともにその導電性の側面636がアースされている。スパイラルローラ630は、帯電した紙粉を吸着しないで、回転動作とスパイラル形状によって、白抜き矢印で示すように、紙粉をギア631側(図5の紙面右側)に移動させる。
なお、歯633の端面637が非導電性で摩擦帯電され(紙粉と逆極性に摩擦帯電され)、それに近接する、スパイラル状の歯633の側面636及び金属軸634が導電性でアースされている。このような、摩擦帯電状態とアース状態とを近い位置で併存させるために、図14の拡大図に示すように、スパイラル状の歯633の側面636の外周には、非導電性の外縁部638を有する。すなわち、この外縁部638が存在しないで、スパイラル状の歯633の側面636の全てが導電性であってアースされているとすると、チューブローラ620が導電性の側面636に部材に接触することが想定されて、スパイラル状の歯633の側面636が摩擦帯電できなくなる。このため、この外縁部638が設けられている。
このような導電性の側面636は、例えば、金属軸634にスパイラル状のポリウレタンフォームを巻き付けて、歯633の端面637及び外縁部638をマスキングして、導電性物質(金属粉等)を吹き付けるようにして形成することができる。このとき、側面636の最も金属軸634に近い部分において、吹き付けられた導電性物質により、金属軸634とスパイラル状の歯633の側面636とは電気的に接続された状態にされる。なお、本発明はこのような導電性の側面636の形成方法に限定されるものではない。
[くし歯状のPETシートへのバイアス印加制御の構造]
本実施の形態に係る画像形成装置のレジストローラ部700について詳しく説明する。 上述したように本実施の形態に係る画像形成装置のレジストローラ部700は、金属軸634及び導電性の側面636がアースされているとともに、くし歯状のPETシート650にバイアス電圧(紙粉の帯電極性と同極性のバイアス電圧)を印加するためのバイアス印加部710を備える。バイアス印加部710は、くし歯状のPETシート650に紙粉の帯電極性と同極性のバイアス電圧をかけることができる。このようにすると、チューブローラ620に付着していて電気的にスパイラルローラ630側へ吸着された紙粉(スパイラル状の歯の端面及び側面に付着した紙粉並びにスパイラルローラ630の回転軸に付着した紙粉)を電気的に反発せしめ、はたき落とす効果を促進させる。
レジストローラ部700に記録紙Sがある場合には、転写部5にバイアス電圧の影響が及ばないようにするため、くし歯状のPETシート650にはバイアス電圧を印加しない。なお、このようなバイアス電圧のオンオフは、この画像形成装置Aの全体を制御する演算装置又はレジストローラ部700を制御する演算装置により、切換えスイッチ711が制御されることにより実現される。切換えスイッチ711は、くし歯状のPETシート650を、アース(接地)側及びバイアス電源側のいずれかに接続する切換器である。なお、以下においては、バイアス電圧のオンオフは、レジストローラ部700を制御する演算装置により制御されるとして説明する。また、切換えスイッチ711がアース側に切換えられているとき、バイアス印加部710への給電を停止させるようにすることもできる。
なお、レジストローラ部700には、レジストローラ部700に記録紙Sが到達したことを検出するレジストセンサ(図示しない)が設けられている。なお、このレジストセンサは、レジストローラ部700に記録紙Sが到達したときにオン信号を演算装置に出力する。
レジストローラ部700におけるバイアス印加制御について詳しく説明する。図15は、レジストローラ部700を制御する演算装置(以下、単に演算装置と記載する)で実行されるバイアス印加制御のプログラム構造を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、バイアス印加制御について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)1000にて、演算装置は、給紙が開始されたか否かを判定する。このとき、演算装置は、他の機構を制御する演算装置から受信した信号、センサ信号等に基づいて、給紙が開始されたか否かを判定する。給紙が開始されたと判定されると(S1000にてYES)、処理はS1010へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、この処理は終了する。
S1010にて、演算装置は、レジストローラを駆動させる。より詳しくは、演算装置は、レジストローラ部700の駆動部612へ作動指令信号を送信する。これにより、ウレタンゴムローラ610が回転して、チューブローラ620及びスパイラルローラ630が従動回転する。
S1020にて、演算装置は、レジストセンサがオンであるか否かを判定する。レジストローラ部700に記録紙Sが到達していてレジストセンサがオンであると(S1020にてYES)、処理はS1040へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、この処理はS1030へ移される。
S1030にて、演算装置は、切換えスイッチ711を制御して、くし歯状のPETシート650にバイアス電圧を印加する。なお、スパイラルローラ630へバイアス電圧が印加されている場合には、その状態を維持する。その後、処理はS1050へ移される。
S1040にて、演算装置は、切換えスイッチ711を制御して、くし歯状のPETシート650へのバイアス電圧の印加を停止して、くし歯状のPETシート650を接地電位とする。する。なお、くし歯状のPETシート650へバイアス電圧が印加されていない場合には、その状態を維持する。その後、処理はS1050へ移される。
S1050にて、演算装置は、レジストローラ部700が継続して駆動されるか否かを判定する。このとき、演算装置は、他の機構を制御する演算装置から受信した信号、センサ信号等に基づいて、レジストローラ部700が継続して駆動されるか否かを判定する。レジストローラ部700が継続して駆動されると判定されると(S1050にてYES)、処理はS1020へ戻される。もしそうでないと(S1050にてNO)、処理はS1060へ移される。
S1060にて、演算装置は、くし歯状のPETシート650へのバイアス電圧の印加を停止する。
[レジストローラ部の紙粉除去回収動作]
以上のような構造を備えた画像形成装置の動作について説明する。なお、以下においては、レジストローラ部600の紙粉除去回収動作を主として説明する。
画像形成装置が作動されて、レジストローラ部600に記録紙Sが到達すると、所定のタイミングまで待機する。このとき、レジストローラ対であるウレタンゴムローラ610とチューブローラ620との間に記録紙Sが挟まれている。ウレタンゴムローラ610とチューブローラ620とで、所定のタイミングで転写部5に記録紙Sが搬送される。このとき、ウレタンゴムローラ610は駆動部612により回転駆動されて、このウレタンゴムローラ610を回転させた駆動力が、ギア611、ギア621及びギア631を介して伝達されて、チューブローラ620及びスパイラルローラ630を回転させる。
ウレタンゴムローラ610とチューブローラ620とは同じ周速で回転しているが、チューブローラ620とスパイラルローラ630とは異なる周速で回転しているおり(チューブローラ620よりもスパイラルローラ630が速い)、チューブローラ620のポリ塩化ビニル製のチューブとスパイラルローラ630のスパイラル状のポリウレタンフォームとが当たるためにこれらが擦れて、スパイラルローラ630の歯633の端面637が、紙粉と逆極性に摩擦帯電される。
チューブローラ620に付着していた紙粉(図16の紙粉930)が、紙粉と逆極性に摩擦帯電されたスパイラルローラ630の歯633の端面637又は金属軸634に、図17の紙粉940として示すように、吸着される。
スパイラルローラ630の歯633の端面637には、紙粉の帯電極性と同じ極性のバイアス電圧が印加されたPETシート650が常に当接するように設けられており、スパイラルローラ630が回転すると、スパイラルローラ630における段差(山部である最外径の端面と溝部である軸との段差)により、PETシート650が揺動されて、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の端面637又は金属軸634に付着した紙粉が、図18の紙粉950として示すように、はたき落とされる。なお、このとき、PETシート650の形状がくし歯状であるので、スパイラルローラ630の歯の側面にも当たるので、スパイラルローラ630のスパイラル状の歯の側面(導電性の側面636及び外縁部638)に付着した紙粉をはたき落とす。なお、導電性の側面636はアースされているので紙粉は付着していない傾向が強いと考えられるが付着していたとしても、紙粉ははたき落とされることになる。すなわち、スパイラルローラ630に付着している紙粉(チューブローラ620から吸着された紙粉)が、PETシート650により、機械的かつ電気的にはたき落とされることになる。これについて、さらに詳しく説明する。
画像形成装置が作動されて、給紙が開始されると(S1000にてYES)、レジストローラ部700に記録紙Sが到達していない場合にくし歯状のPETシート650に紙粉の帯電極性と同極性のバイアス電圧が印加される(S1020にてNO、S1030)。一方、レジストローラ部700に記録紙Sが到達している場合にくし歯状のPETシート650へのバイアス電圧の印加が停止されて接地電位にされる(S1020にてYES、S1040)。
レジストローラ部700に記録紙Sが到達していないときに、バイアス印加部710により、くし歯状のPETシート650が、紙粉の帯電極性と同極性に帯電される。
チューブローラ620に付着していた紙粉(図16の紙粉930)が、紙粉と逆極性に帯電されたスパイラルローラ630の金属軸634又は歯633の端面637に、図17の紙粉940として示すように吸着される。
スパイラルローラ630側に吸着された紙粉の一部は、印加したバイアス電圧により紙粉と同極性に保持された状態で揺動されるPETシート650により、スパイラルローラ630の金属軸634に付着した紙粉940が、図18の紙粉950として示すように、機械的かつ電気的に、はたき落とされる。
スパイラルローラ630は、金属軸634及びスパイラル状の歯633の側面636がアースされていて、帯電した紙粉を吸着しない状態又は吸着しにくい。このため、PETシート650によりはたき落とされた紙粉950は、図7、図8、図14及び図18の白抜き矢印で示すように、スパイラルローラ630の回転動作とスパイラル形状とによって、ギア631側に移動される。
スパイラルローラ630により移動される紙粉950は、リング部635があるので、紙粉回収部641へ紙粉950を移動させるとともに、ウレタンゴムローラ610の駆動部612への紙粉の周り込みを防止される。スパイラルローラ630により移動される紙粉950は、除電部680により、帯電した紙粉の電荷が除電されてから紙粉回収部641へ紙粉を落下されて、紙粉回収部641に紙粉900として溜められる。
なお、このような紙粉の除去及び回収時において、スパイラルローラ630とチューブローラ620との間に設けられたポリウレタンフォーム660により、紙粉が上部カバー642及び下部カバー640で形成される空間(スパイラルローラ630を収納するケースのような空間)から漏れることが防止される。さらに、そのポリウレタンフォーム660の近傍に設けられたPETシート670により、ポリウレタンフォームどうし(紙粉漏れ防止用のポリウレタンフォーム660とスパイラルローラ630)が直接に接触しないので、スパイラルローラ630の回転抵抗が低減される。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、スパイラルローラ630のチューブローラに対向する端面を紙粉と逆極性に摩擦帯電させて紙粉を吸着させて、スパイラルローラ630の搬送面及び回転軸をアースして紙粉を吸着しない又は吸着しにくいようにして、スパイラルローラ630の回転動作とスパイラル形状とによって、紙粉を回収することができる。紙粉を移動させることにより、給紙ローラ対の幅に対応する位置及び記録紙の端部に対応する位置に紙粉が集中して溜まることはなくなり、このような紙粉により、感光体を部分的に劣化させることはないため、画像不良の発生も低減できるようになる。このような効果を発現させるための構成は、従来のレジストローラ対に、帯電性と導電性とを併せ備えた1本のスパイラルローラを当接させるように設けるとともに紙粉回収部を設けるだけであるので、装置が大型化することもない。
さらに、本実施の形態に係る画像形成装置によると、レジストローラ部700に記録紙がないときに、紙粉の帯電極性と同極性のバイアス電圧をPETシートに印加させることにより、チューブローラ620からスパイラルローラ630へ吸着された紙粉をスパイラルローラ630から機械的(接触)及び電気的(同じ帯電極性による反発)に引き剥がす。引き剥がされた紙粉950はアースされたスパイラルローラ630の回転動作とスパイラル形状とによって、紙粉950を回収することができる。なお、レジストローラ部700に記録紙があるときに、PETシートへのバイアス電圧の印加を停止させるので、転写部へのバイアス電圧印加を影響を回避できる。
なお、上述した説明においては、バイアス電圧の印加を停止させていたが、転写部5に与えるバイアス電圧の印加の影響が小さく、スパイラルローラ630から紙粉を引き剥がす機能を優先させる場合には、バイアス電圧を常に印加させることもできる。
<第2の実施の形態>
以下に、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施の形態に係る画像形成装置は、前述の第1の実施の形態において説明した画像形成装置において紙粉を一方向に回収していた点が両方向に回収している点が異なり、他の構成は同じである。このあめ、異なる点以外についての説明は、ここでは繰り返さない。
図19にレジストローラ部800の正面図であって上部カバー642、下部カバー640及びPETシート650を取り外した正面図を示す。この図19を参照して、レジストローラ部800の内部構造を説明する。
図19に示すように、レジストローラ部800のスパイラルローラ830は、中央で螺旋の方向が逆転している。スパイラルローラ830が回転すると、スパイラルローラ830の略中央から両端に向けて、白抜き矢印で示すように、紙粉が移動する。すなわち、スパイラルローラ830の回転動作とスパイラル形状とによって、紙粉を回収することができる。
なお、紙粉を両端に回収するので、下部カバー840には、二つの紙粉回収部841及び紙粉回収部842が形成されている。さらに、スパイラルローラ830の紙粉搬送両端部には、帯電した紙粉の電荷を除電する除電部880及び除電部882が設けられている。この除電部880で紙粉の電荷を除電してから紙粉回収部841へ紙粉を落下させ、紙粉回収部841に紙粉900として溜められ、この除電部882で紙粉の電荷を除電してから紙粉回収部842へ紙粉を落下させ、紙粉回収部842に紙粉902として溜められる。
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、レジストローラ部800における紙粉搬送距離を略半分にできるので、より確実に紙粉回収部に紙粉を回収することができる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるモノクロプリンタの構成の概要を示す図である。 給紙ローラ対の位置と感光体の特性劣化位置との関係を示す図である。 記録紙幅及び記録紙最大幅と感光体の特性劣化位置との関係を示す図である。 図1に示した画像形成装置におけるレジストローラ部の上面図である。 図1に示した画像形成装置におけるレジストローラ部の正面図である。 図1に示した画像形成装置におけるレジストローラ部の側面図である。 図5に示したレジストローラ部の内部構造を示す図(その1)である。 図5に示したレジストローラ部の内部構造を示す図(その2)である。 図6に示したレジストローラ部の内部構造を示す図である。 PETシートの詳細な構成を示す上面図(その1)である。 PETシートの詳細な構成を示す側面図(その1)である。 PETシートの詳細な構成を示す上面図(その2)である。 PETシートの詳細な構成を示す側面図(その2)である。 スパイラルローラの斜視図である。 図1の画像形成装置におけるバイアス印加処理の制御構造を示すフローチャートである。 紙粉の動きを示すレジストローラ部の上面図である。 紙粉の動きを示すレジストローラ部の正面図(バイアスオン)である。 紙粉の動きを示すレジストローラ部の正面図(バイアスオフ)である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置のレジストローラ部の正面図である。
符号の説明
1 感光体
2 帯電部
3 画像露光部
4 現像部
5 転写部
6 用紙供給部
7 定着部
8 排出部
600、800 レジストローラ部
610 ウレタンゴムローラ
620 チューブローラ
630、830 スパイラルローラ
633 歯
634 金属軸
635 リング部
636 側面
637 端面
638 外縁部
640 下部カバー
641、841、842 紙粉回収部
642 上部カバー
650 くし歯状のPETシート
660 ポリウレタンフォーム
670 PETシート
680、880、882 除電部
710 バイアス印加部
711 切換えスイッチ

Claims (5)

  1. 静電潜像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を記録紙上に転写及び定着させることができる画像形成装置であって、トナー像の到達のタイミングに合わせて該トナー像を記録紙に転写させる転写位置へ記録紙を送込むためのレジストローラ対を搭載した画像形成装置であり、
    レジストローラ対のうちトナー像を転写する記録紙面に接触するレジストローラ表面を第1の素材を被着したローラとし、該ローラに、第2の素材から形成される螺旋状部材を回転軸に被着したスパイラルローラを該螺旋状部材で接触配置し、
    前記第1の素材と前記第2の素材は、該両部材相互の摩擦帯電により、前記第2の素材に、前記レジストローラ対へ供給されてくる記録紙から発生した紙粉の帯電極性とは逆極性の電荷が帯電する素材であり、
    前記スパイラルローラの螺旋状部材には、前記回転軸と平行な方向に紙粉を搬送する部分に導電性部材が設けられ、
    前記導電性部材は前記導電性の回転軸に電気的に接続され、前記回転軸が接地され前記導電性部材の電位は接地電位であって、
    前記スパイラルローラの回転を阻害することなく前記スパイラルローラにおいて少なくとも摩擦帯電する部分に圧接する圧接部材を備え、
    前記圧接部材にはバイアス電源が接続され、
    前記バイアス電源により、前記圧接部材の電位は、紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定されることを特徴とする、画像形成装置。
  2. 前記圧接部材の電位は、レジストローラ対に記録紙が存在するときには接地電位に設定され、レジストローラ対に記録紙が存在しないときには前記バイアス電源により紙粉の帯電極性と同じ極性の電位に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の素材はポリ塩化ビニルであって、前記第2の素材はポリウレタンであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記圧接部材は、絶縁性の部材に、導電性のくし歯状部材を重ねた構成であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記スパイラルローラの螺旋状部材により前記回転軸と平行な方向に搬送された紙粉を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に溜められる前の紙粉の電荷を除去する除電部とをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
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