JP5024109B2 - 感放射線性組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、レンズとフォトレジスト膜との間に液浸露光用液体を配置し、この液浸露光用液体を介して前記フォトレジスト膜に放射線を照射する液浸露光工程を備えるレジストパターン形成に用いられる感放射線性組成物、及びこれを用いたレジストパターン形成方法に関する。更に詳しくは、液浸露光工程において、高い屈折率を有し、良好なレジストパターンを得ることができるフォトレジスト膜の形成に用いられる感放射線性組成物、及びこれを用いたレジストパターン形成方法に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.10μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられている。しかし、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難になる傾向がある。そこで、0.20μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができる。これらのうち、特に、KrFエキシマレーザー(波長248nm)又はArFエキシマレーザー(波長193nm)が注目されている。
これらのエキシマレーザーの照射に適したレジスト膜として、酸解離性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」ともいう)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」ともいう)と、による化学増幅効果を利用したレジスト膜(以下、「化学増幅型レジスト」ともいう)が数多く提案されている。この化学増幅型レジストとしては、例えば、カルボン酸のt−ブチルエステル基、又はフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する樹脂と酸発生剤とを含有するものが提案されている。この化学増幅型レジストは、露光により発生した酸の作用により、樹脂中に存在するt−ブチルエステル基又はt−ブチルカーボナート基が解離して、上記樹脂がカルボキシル基又はフェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになる。その結果、化学増幅型レジストの露光領域がアルカリ現像液に易溶性となるものである。
このようなリソグラフィープロセスにおいては、今後は更に微細なレジストパターン形成(例えば、線幅が90nm程度の微細なレジストパターン)が要求される。そして、90nmより微細な線幅のレジストパターン形成を達成させるためには、前記のように露光装置の光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)を増大させることが考えられる。しかしながら、光源波長の短波長化には新たな高額の露光装置が必要となる。また、レンズの高NA化では、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度が低下するという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィー技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィー)法という方法が報告されている。この方法は、露光時に、レンズと基板上のレジスト膜(以下、「レジスト被膜」ともいう)との間の少なくともレジスト被膜上に所定の厚さの純水又はフッ素系不活性液体等の液状屈折率媒体(液浸液)を介在させる方法である。この方法では、従来は空気や窒素等の不活性ガスであった露光光路空間を屈折率(n)のより大きい液体、例えば、純水等で置換することにより、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様に、高解像性が達成される(高い解像度を有する)と同時に焦点深度の低下もない。このような液浸露光を用いれば、現存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、より高解像性に優れ、かつ、焦点深度にも優れるレジストパターンの形成を実現できるため、大変注目されている。
ところが、液浸露光プロセスにおいては、液状屈折率媒体(液浸液)の屈折率が、例えば、レジスト被膜の屈折率よりも高いと、スネルの法則により光が液浸液からレジスト被膜へ入射しづらくなる。そのため、感度等の基本性能が劣化してしまう可能性があった。更に屈折率が高い液浸液であると、液浸液とレジスト被膜との屈折率の差が大きくなり、光は液浸液とレジスト被膜との界面で全反射してしまう。従って、光が全くレジスト被膜へ入射しなくなってしまうため、十分な感度が得られなくなり、レジストプロセスのスループットを著しく低下させるという問題点が予想される。
そこで、特に、波長193nmにおける屈折率が1.70以上の液浸液(屈折率が高い液浸液)を使用する場合には、例えば、この液浸液よりも高い屈折率を有するレジスト被膜を用いることが提案されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
SPIE2006 61530H SPIE2006 61531L
しかしながら、非特許文献1及び2で開示された材料(感放射線性組成物)により形成されるレジスト被膜は、波長193nmにおける屈折率は高いが、レジストパターン形成ができず、レジスト膜としての機能を有するものではない。そのため、波長193nmにおける屈折率が高く(例えば、屈折率1.70以上)、レジスト膜としてパターンニング可能な感放射線性組成物が切望されている。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、波長193nmにおける屈折率が1.72以上であり、かつ、パターンニング可能なレジスト膜を形成することが可能な感放射線性組成物、及びこの感放射線性組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、所定の繰り返し単位を含有する重合体を用いることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す感放射線性組成物、及びレジストパターン形成方法が提供される。
[1]下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、を含有する感放射線性組成物。
Figure 0005024109
前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、R、R、及びRは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。RとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよく、RとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよい。R、R、R、R、R、及びR10は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、n=0、1、又は2である。n=0の場合、RとR又はRとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよい。
[2]前記一般式(1)中、n=0又は1であり、RとRのいずれかが水素原子である前記[1]に記載の感放射線性組成物。
[3]前記一般式(1)中、n=0又は1であり、R〜R10が水素原子である前記[1]に記載の感放射線性組成物。
[4]前記重合体(A)の全体に含まれる、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の割合が、20〜80モル%である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感放射線性組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感放射線性組成物を用いて基板上にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成工程と、形成された前記フォトレジスト膜に放射線を照射する露光工程と、を備えたレジストパターン形成方法。
本発明の感放射線性組成物は、波長193nmにおける屈折率が1.72以上であり、かつ、パターンニング可能なフォトレジスト膜を形成することが可能であるといった効果を奏するものである。
本発明のレジストパターン形成方法によれば、波長193nmにおける屈折率が1.72以上であり、かつ、パターンニング可能なフォトレジスト膜を形成することができる。
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]感放射線性組成物:
本発明の感放射線性組成物は、重合体(A)と感放射線性酸発生剤(B)を含有するものである。この感放射線性組成物は、波長193nmにおける屈折率が1.72以上であり、かつ、パターンニング可能なフォトレジスト膜を形成することができるものである。
[1−1]重合体(A):
本発明の重合体(A)は、下記一般式(1)で表される構造(以下、「繰り返し単位(1)」ともいう)を含むものである。このような重合体(A)を含有させることによって、波長193nmにおける屈折率が1.72以上であり、かつ、パターンニング可能なフォトレジスト膜を形成するための感放射線性組成物とすることができる。
Figure 0005024109
前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、R、R、及びRは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。RとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよく、RとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよい。R、R、R、R、R、及びR10は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、n=0、1、又は2である。n=0の場合、RとR又はRとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよい。
なお、前記一般式(1)中、n=0又は1であることが好ましく、RとRのいずれかが水素原子であることが好ましい。また、n=0又は1であることが好ましく、R〜R10が水素原子であることが好ましい。
重合体(A)の全体に含まれる、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の割合は、20〜80モル%であることが好ましく、40〜80モル%であることが更に好ましく、50〜70モル%であることが特に好ましい。重合体(A)の全体に含まれる前記一般式(1)で表される繰り返し単位の割合が20モル%未満及び80モル%超であると、重合体(A)を含有するレジスト被膜が、所定の露光量で全て現像液に溶解してしまい、十分なコントラストを得難くなる傾向にある。
[1−2]感放射線性酸発生剤(B):
本発明の感放射線性組成物に含有される感放射線性酸発生剤(B)(以下、単に「酸発生剤(B)」ともいう)は、露光により酸を発生する成分である。即ち、重合体(A)が繰り返し単位(1)を含むものであるため、酸発生剤(B)は、露光により発生した酸の作用によって繰り返し単位(1)の酸解離性基を解離させる(保護基を脱離させる)ことができる。そして、酸解離性基が解離した結果、その部分(レジスト被膜の露光部)がアルカリ現像液に易溶性となるため、アルカリ現像処理によりポジ型のレジストパターンを形成することができる。
酸発生剤(B)は、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「酸発生剤(b)」ともいう)を含むものであることが好ましい。
Figure 0005024109
前記一般式(2)中、R11は、水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、又は炭素数2〜11の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシカルボニル基を示す。R12は、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルカンスルホニル基を示す。R13は、相互に独立に、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のナフチル基、又は2個のR13が互いに結合して形成される炭素数2〜10の2価の基を示す。なお、この2価の基は置換されていてもよい。kは0〜2の整数であり、rは0〜8の整数である。
前記一般式(2)中、Xは、一般式(X−1):R142nSO (但し、R14は、フッ素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数である)で表されるアニオン、一般式(X−2):R14SO (但し、R14は、フッ素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは1〜10の整数である)で表されるアニオン、下記一般式(3−1)で表されるアニオン、又は下記一般式(3−2)で表されるアニオンを示す。
Figure 0005024109
前記一般式(3−1)及び(3−2)中、R15は、相互に独立に、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状の、フッ素原子を含有するアルキル基、又は2個のR15が互いに結合して形成される炭素数2〜10の、フッ素原子を含有する2価の基を示す。なお、この2価の基は置換されていてもよい。
前記一般式(2)中、R11、R12、及びR13で表される炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。
前記一般式(2)中、R11及びR12で表される炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシル基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基が好ましい。
前記一般式(2)中、R11で表される炭素数2〜11の直鎖状又は分岐状のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基が好ましい。
前記一般式(2)中、R12で表される炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルカンスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルカンスルホニル基のうち、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基が好ましい。
前記一般式(2)中、R13で表される置換又は非置換のフェニル基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−フルオロフェニル基等の置換フェニル基;炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基で置換されたアルキル置換フェニル基;前記置換フェニル基又は前記アルキル置換フェニル基を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも一種の基で更に置換した基等を挙げることができる。
前記置換フェニル基又は前記アルキル置換フェニル基を置換可能な基のうち、アルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシル基を挙げることができる。
前記置換フェニル基又は前記アルキル置換フェニル基を置換可能な基のうち、アルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素数2〜21の直鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシアルキル基を挙げることができる。また、前記置換フェニル基又は前記アルキル置換フェニル基を置換可能な基のうち、アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数2〜21の直鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシカルボニル基を挙げることができる。
前記置換フェニル基又は前記アルキル置換フェニル基を置換可能な基のうち、アルコキシカルボニルオキシ基の具体例としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数2〜21の直鎖状、分岐状、又は環状のアルコキシカルボニルオキシ基を挙げることができる。
前記一般式(2)中、R13で表される置換又は非置換のフェニル基としては、フェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−t−ブトキシフェニル基が好ましい。
前記一般式(2)中、R13で表される置換又は非置換のナフチル基としては、例えば、1−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチル−1−ナフチル基、2,4−ジメチル−1−ナフチル基、2,5−ジメチル−1−ナフチル基、2,6−ジメチル−1−ナフチル基、2,7−ジメチル−1−ナフチル基、2,8−ジメチル−1−ナフチル基、3,4−ジメチル−1−ナフチル基、3,5−ジメチル−1−ナフチル基、3,6−ジメチル−1−ナフチル基、3,7−ジメチル−1−ナフチル基、3,8−ジメチル−1−ナフチル基、4,5−ジメチル−1−ナフチル基、5,8−ジメチル−1−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基2−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基等のナフチル基;
炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基で置換されたアルキル置換ナフチル基;前記ナフチル基又は前記アルキル置換ナフチル基を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルオキシ基からなる群より選択される少なくとも一種の基で更に置換した基等を挙げることができる。
前記ナフチル基又は前記アルキル置換ナフチル基を置換可能な基のうち、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルオキシ基の具体例としては、前記置換フェニル基又は前記アルキル置換フェニル基を置換可能な基として例示したものと同様の基を挙げることができる。
なお、前記一般式(2)中、R13で表される置換又は非置換のナフチル基のうち、1−ナフチル基、1−(4−メトキシナフチル)基、1−(4−エトキシナフチル)基、1−(4−n−プロポキシナフチル)基、1−(4−n−ブトキシナフチル)基、2−(7−メトキシナフチル)基、2−(7−エトキシナフチル)基、2−(7−n−プロポキシナフチル)基、2−(7−n−ブトキシナフチル)基が好ましい。
前記一般式(2)中、2個のR13が互いに結合して形成される炭素数2〜10の2価の基としては、例えば、前記一般式(2)中の硫黄原子とともに形成される5員環又は6員環、特に好ましくは5員環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が好ましい。また、前記2価の基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記一般式(2)中、R13としては、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基が好ましく、2個のR13が互いに結合して硫黄原子とともにテトラヒドロチオフェン環構造を形成することも好ましい。
前記一般式(2)中のカチオンの具体例としては、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−1−ナフチルスルホニウムカチオン、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムカチオン、4−フルオロフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、ジ−4−フルオロフェニル−フェニルスルホニウムカチオン、トリ−4−フルオロフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキサンスルホニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジメチルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、
1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−プロポキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−プロポキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等を挙げることができる。
前記一般式(X−1)中のC2n基は、炭素数nのパーフルオロアルキレン基であるが、この基は直鎖状又は分岐状の基であることが好ましい。ここで、nは1〜10の整数であれば特に制限はないが、1、2、4又は8であることが好ましい。
前記一般式(X−1)及び(X−2)中、R14で表される炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、有橋脂環式炭化水素基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、ノルボルニル基、ノルボニルメチル基、ヒドロキシノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
また、前記一般式(3−1)及び(3−2)中、R15で表される炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状の、フッ素原子を含有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ドデカフルオロペンチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。
更に、前記一般式(3−1)及び(3−2)中、2個のR15が互いに結合して形成される炭素数2〜10の、フッ素原子を含有する2価の基としては、例えば、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチレン基、デカフルオロペンチレン基、ウンデカフルオロヘキシレン基等を挙げることができる。
前記一般式(2)中のアニオン(X)の具体例としては、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−ブタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−オクタンスルホネートアニオン、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートアニオン、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネートアニオン、1−アダマンチルスルホネートアニオン、及び下記式(4−1)〜(4−7)で表されるアニオン等を挙げることができる。
Figure 0005024109
前記一般式(2)中のrは、0〜8の整数であれば特に制限はないが、0〜2の整数であることが好ましい。
酸発生剤(b)は上述のカチオン及びアニオンの組合せにより与えられるものであるが、その組合せは特に限定されるものではない。また、酸発生剤(b)は一種単独又は二種以上を組み合わせて使用することもできる。
酸発生剤(B)としては、酸発生剤(b)以外に、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等の感放射線性酸発生剤(以下、「他の酸発生剤」ともいう)を用いることができる。
オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。具体的には、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。具体的には、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
スルホン酸化合物として、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。具体的には、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、
N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等を挙げることができる。
上述の他の酸発生剤のなかでも、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、
シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等を好適に用いることができる。これらの他の酸発生剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸発生剤(B)の配合量(酸発生剤(b)と他の酸発生剤の合計の配合量)は、フォトレジスト膜としての感度及び現像性を確保する観点から、重合体(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることが更に好ましい。酸発生剤(B)の配合量が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下するおそれがある。一方、20質量部超であると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得ることが困難になるおそれがある。また、他の酸発生剤の配合割合は、酸発生剤(b)と他の酸発生剤の合計に対して、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
[1−3]窒素含有化合物:
本発明の感放射線性組成物には、重合体(A)と酸発生剤(B)以外に、窒素含有化合物を含有させることが好ましい。また、この窒素含有化合物以外にも、その他の添加剤を配合することもできる。
窒素含有化合物は、露光により酸発生剤(B)から生ずる酸がレジスト被膜中に拡散する現象(拡散現象)を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制するための酸拡散制御剤として作用する成分である。このような酸拡散制御剤(窒素含有化合物)を含有させることにより、感放射線性組成物の貯蔵安定性が向上する。また、レジスト膜を形成した場合にレジスト膜の解像度が更に向上するとともに、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動により生じるレジストパターンの線幅変化を抑えることができる。このように、窒素含有化合物を配合すると、プロセス安定性に極めて優れた感放射線性組成物とすることができる。
窒素含有化合物としては、例えば、3級アミン化合物、アミド基含有化合物、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
アミド基含有化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、
N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物等を挙げることができる。
4級アンモニウムヒドロキシド化合物としては、例えば、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等を挙げることができる。なお、これらの窒素含有化合物は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
窒素含有化合物の配合量は、レジスト膜としての高い感度を確保する観点から、重合体(A)100質量部に対して、10質量部未満であることが好ましく、5質量部未満であることが更に好ましい。窒素含有化合物の配合量が10質量部超であると、レジスト膜としての感度が著しく低下するおそれがある。なお、窒素含有化合物の配合量が0.001質量部未満であると、プロセス条件によってはレジスト膜としてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
窒素含有化合物以外のその他の添加剤としては、酸解離性基を有する脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を使用することができる。
酸解離性基を有する脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。このような脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類や、3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等を挙げることができる。なお、これらの脂環族添加剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下全て商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171、同F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社製)等を挙げることができる。なお、これらの界面活性剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示すものであり、感放射線性組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する成分である。このような増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。なお、これらの増感剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、その他の添加剤として例示したもの以外の成分として、染料又は顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和することができる。また、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。更に、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を配合することができる。
[2]感放射線性組成物の調製:
本発明の感放射線性組成物は、例えば、重合体(A)、酸発生剤(B)、必要に応じて窒素含有化合物及びその他の添加剤を混合し、この混合物を溶剤に溶解して全固形分濃度が1〜50質量%となるように調製したものを、例えば、孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって調製することができる。なお、感放射線性組成物の全固形分濃度は、1〜50質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることが更に好ましい。
溶剤としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状又は分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブタノール、t−ブチルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、
トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらのなかでも、直鎖状又は分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。なお、これらの溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
調製した感放射線性組成物(組成物溶液)によりフォトレジスト膜を形成した場合、形成されるフォトレジスト膜は、波長193nmにおける屈折率が、1.72以上となる。このような感放射線性組成物により、液浸露光工程において、波長193nmにおける屈折率が1.70以上の液浸液(屈折率が高い液浸液)を使用する場合であっても、フォトレジスト膜と液浸液との界面で露光光が全反射してしまう等の問題が生じ難く、露光光の全反射等に起因する基本性能の劣化(例えば、感度の低下)を防止することができる。
フォトレジスト膜は、例えば、「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)を使用して感放射線性組成物(組成物溶液)を基板上にスピンコートし、50〜170℃で10〜300秒間加熱処理(以下、「PB」という場合がある)を行うことにより形成することができる。このようにして形成したフォトレジスト膜は、その膜厚を30〜300nmとすることができる。
なお、フォトレジスト膜の屈折率は、分光エリプソメーター(例えば、商品名「VUV−VASE」、J.A.Woollam社製)を使用し、膜厚30〜300nmのフォトレジスト膜に波長193nmの光を照射して測定される値である。
[3]レジストパターン形成方法:
本発明の感放射線性組成物は、特に、化学増幅型レジスト膜を形成するための材料として有用である。この化学増幅型レジスト膜に対して放射線を照射(露光)すると、露光により酸発生剤(B)から発生した酸の作用によって、繰り返し単位(1)を含む重合体(A)中の酸解離性基が解離してカルボキシル基が形成される。形成されたカルボキシル基の影響により、化学増幅型レジスト膜の露光部がアルカリ現像液に対して高い溶解性を示すため、アルカリ現像液によって上記露光部が溶解して除去されポジ型のレジストパターンが形成される。
露光工程の具体的な手順を以下に説明する。前述の感放射線性組成物(組成物溶液)を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウエハ等の基板上に塗布してレジスト被膜を形成し、必要に応じてPBを行った後に、所定のレジストパターンが得られるように光(放射線)を上記レジスト被膜に照射する。
露光の際に使用される放射線としては、使用される酸発生剤(B)の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を適宜選定可能であるが、ArFエキシマレーザー(波長193nm)又はKrFエキシマレーザー(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましい。これらのなかでも、ArFエキシマレーザー(波長193nm)が好ましい。なお、露光量等の露光条件は、感放射線性組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
本発明のレジストパターン形成方法は、上述した感放射線性組成物を用いて基板上にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成工程と、形成されたフォトレジスト膜に放射線を照射する露光工程とを備えている。なお、この露光工程は、レンズとフォトレジスト膜との間に、波長193nmにおける屈折率が水の屈折率以上である液浸露光用液体を配置し、この液浸露光用液体を介してフォトレジスト膜に放射線を照射する工程(液浸露光工程)であることが好ましい。
液浸露光工程で用いる、波長193nmにおける屈折率が水の屈折率以上である液浸露光用液体は、波長193nmにおける屈折率が、水の屈折率(1.44)以上の屈折率を有するものである限り特に制限はなく、種々の液体を用いることができる。
なお、露光後には加熱処理(PB)を行うことが好ましい。このPBにより、重合体(A)中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。PBの加熱条件は、感放射線性組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
感放射線性組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば、特公平6−12452号公報等に開示されているように、基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成し、この反射防止膜上にレジスト被膜を形成することも好ましい。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を形成することも好ましい。なお、これらの技術を併用することもできる。
露光後、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像に使用する現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物から選択される少なくとも一種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。このアルカリ性水溶液の濃度は、10質量%以下であることが好ましい。アルカリ性水溶液の濃度が、10質量%超であると、非露光部も現像液に溶解するおそれがある。
現像液には、例えば、有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶媒の配合量は、アルカリ性水溶液100体積部に対して、100体積部以下とすることが好ましい。有機溶媒の配合量が、アルカリ性水溶液100体積部に対して100体積部超であると、現像性が低下して露光部の現像残りが多くなるおそれがある。また、現像液には界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、現像液で現像した後は、水で洗浄し、乾燥すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[屈折率]:
東京エレクトロン社製の商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用して感放射線性組成物をシリコン基板上にスピンコートし、100℃で60秒間PBを行って、膜厚120nmのレジスト被膜を形成した。形成したレジスト被膜の波長193nmにおける屈折率を、分光エリプソメーター(商品名「VUV−VASE」、J.A.Woollam社製)を使用して測定した。
[特性曲線測定]:
東京エレクトロン社製の商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用し、8インチシリコンウエハ上に、膜厚77nmの下層反射防止膜(商品名「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)を形成した。商品名「CLEAN TRACK ACT8」を使用し、形成した下層反射防止膜上に感放射線性組成物をスピンコートし、100℃で60秒間PBを行って、膜厚120nmのレジスト被膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(「NSR S306C」、Nikon社製、照明条件;NA0.78シグマ0.90/0.52)を使用し、形成したレジスト被膜を露光した。なお、この露光は、パターンを付していないクオーツを通して行った。その後、130℃で60秒間PBを行い、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で60秒間現像した。現像後、水洗し、乾燥して得られたものを特性曲線測定用のウエハとした。
各露光量におけるレジスト被膜の膜厚を、自動膜厚測定装置(商品名「VM−2010」、大日本スクリーン社製)を使用して測定し、露光量(mJ/cm)と膜厚(Å)の相関関係を確認した。
[分子量測定]:
テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を測定・算出した。なお、Mw及びMnは、標準ポリスチレンで作成した検量線により換算した値であり、検出器には示差屈折率計を使用した。
(実施例1:感放射線性組成物(i)の調製)
下記式(A−1)で表される重合体(A−1)(Mw=8600、Mw/Mn=1.67)100部、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート3.0部、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン0.27部、及びシクロヘキサノン1962部を混合して均一な溶液を得た。得られた溶液を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、感放射線性組成物(i)を調製した(総固形分濃度:約5%)。調製した感放射線性組成物(i)を用いて形成したレジスト被膜の、波長193nmにおける屈折率の測定値は1.77であった。なお、前述の「特性曲線測定」に記載の方法に従って測定した、露光量(mJ/cm)と膜厚(Å)の関係を示すグラフを図1に示す。
(実施例2:感放射線性組成物(ii)の調製)
重合体(A−1)に代えて、下記式(A−2)で表される重合体(A−2)(Mw=13600、Mw/Mn=1.50)を用いたこと以外は実施例1と同様にして感放射線性組成物(ii)を調製した(総固形分濃度:約5%)。調製した感放射線性組成物(ii)を用いて形成したレジスト被膜の、波長193nmにおける屈折率の測定値は1.77であった。なお、前述の「特性曲線測定」に記載の方法に従って測定した、露光量(mJ/cm)と膜厚(Å)の関係を示すグラフを図1に示す。
Figure 0005024109
(考察)
図1に示すグラフから明らかなように、実施例1及び2の感放射線性組成物を用いて形成したレジスト被膜は、露光余裕が良好であり、露光量を増加させることにより残膜量が減少し、所定の露光量で全てのレジスト被膜が現像液に可溶となることが確認できた。従って、本発明に係る感放射線性組成物を用いて形成した被膜は、レジスト被膜としてのパターンニングが十分に可能であり、十分なコントラストが得られるものと期待される。なお、「露光余裕」とは、露光量の変化に対する線幅の変動を意味する。
また、実施例1及び2の感放射線性組成物を用いて形成したレジスト被膜は、波長193nmにおける屈折率が、いずれも1.77であった。また、これらのレジスト被膜は、露光量を増加させることにより残膜量が減少し、所定の露光量で全てレジスト被膜が現像液により溶解し、十分なコントラストが得られるものであった。
現在、一般的に使用されているレジスト膜は、その屈折率が1.69〜1.71程度である。このため、液浸液として水(波長193nmにおける屈折率が1.44)を使用する場合には、露光光がレジスト被膜に入射し難くなる等の問題はない。しかしながら、水の屈折率以上の屈折率を有する液浸液(屈折率が1.71以上の液浸液)を使用する場合には、一般的に使用されているレジスト膜では、露光光が十分にレジスト被膜に入射し難く、所望のレジストパターンが得られなくなるという点が問題視されている。
これに対して、本発明に係る感放射線性組成物を用いれば、水(波長193nmにおける屈折率が1.44)に代わる次世代の液浸液(屈折率が1.71以上の液浸液)を用いた液浸露光工程においても、露光光が液浸液とレジスト被膜の界面で反射することはなく、十分にレジスト被膜に入射させることが可能である。このように本発明の感放射線性組成物を用いれば、高い感度を有するレジスト被膜を形成することが可能である。
本発明の感放射線性組成物は、液浸露光に用いられるレジスト被膜を形成するための塗工液として好適に使用することができる。
露光量(mJ/cm)と膜厚(Å)の関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(A)と、
    感放射線性酸発生剤(B)と、
    を含有する感放射線性組成物。
    Figure 0005024109
    (前記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、R、R、及びRは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。RとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよく、RとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよい。R、R、R、R、R、及びR10は、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分岐状アルキル基、又は炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、n=0、1、又は2である。n=0の場合、RとR又はRとRは、連結して炭素数3〜6のアルキレン基を形成してもよい)
  2. 前記一般式(1)中、n=0又は1であり、RとRのいずれかが水素原子である請求項1に記載の感放射線性組成物。
  3. 前記一般式(1)中、n=0又は1であり、R〜R10が水素原子である請求項1に記載の感放射線性組成物。
  4. 前記重合体(A)の全体に含まれる、前記一般式(1)で表される繰り返し単位の割合が、20〜80モル%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感放射線性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の感放射線性組成物を用いて基板上にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成工程と、
    形成された前記フォトレジスト膜に放射線を照射する露光工程と、
    を備えたレジストパターン形成方法。
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