JP5387141B2 - 感放射線性樹脂組成物およびそれに用いる重合体 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物およびそれに用いる重合体 Download PDF

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Description

本発明は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種の放射線を使用する微細加工に有用な化学増幅型レジストとして好適に使用することができる感放射線性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、波長200nm以下のレーザー、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)を用いた200nm以下のレベルでの微細加工に有用で、イオンインプランテーション用に好適な感放射線性樹脂組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、リソグラフィーにおける加工サイズの微細化が進んでいる。最近では、波長200nm以下のレーザー、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)、EUV(13.5nm)、電子線等を用いた200nm程度以下のレベルにおける微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。このようなエキシマレーザーによる照射に適した感放射線性樹脂組成物としては、酸解離性官能基(以下、「酸解離性基」と記す場合がある)を有する成分と放射線などの光の照射により酸を発生する成分である光酸発生剤とを含有し、これらの成分の化学増幅効果を利用した化学増幅型の感放射線性組成物が数多く提案されている。例えば、ノルボルナン環誘導体を有する単量体に由来する繰り返し単位を含有する特定の樹脂を含むフォトレジスト用組成物が知られている(特許文献1、特許文献2)。
また、狭分散性の(メタ)アクリル酸と特定のモノシクロヘキサンまたはビシクロヘプタンカルボラクトン等とのエステルを繰り返し単位として含有する(メタ)アクリル酸共重合体を含むレジスト組成物が知られている(特許文献3)。
更に、酸解離性官能基を有する(メタ)アクリル酸系重合体と酸発生剤とからなる感放射線性樹脂組成物に、フェノール性化合物を含有させることにより、露光部分の溶解性および酸発生剤からの酸発生効率を高めることが報告されている(特許文献4)。
これらのフォトレジスト用組成物は、基板上に形成した反射防止膜上に塗布して使用されることが多い。この反射防止膜は、活性光線が基板上で乱反射することを防止したり、入射光と反射光によって発生する定在波の影響を抑えたりするためのものであるが、イオンプランテーション用途などの微細加工においては、反射防止膜を形成することができない場合がある。このような場合には、十分な加工精度で解像できないという問題があった。
一方、イオンインプランテーション工程に用いられる感放射線性樹脂組成物は、イオン注入に際して、イオン遮断性や耐破壊性に優れたレジスト膜を形成可能であるものが求められている。例えば、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂として特定の(α−低級アルキル)アクリル酸エステル共重合体を含有する組成物が報告されている(特許文献5)。
以上のように、従来、イオンプランテーション工程に用いるレジスト膜は、イオン注入においてイオン遮断性やレジストパターンの耐破壊性を有することに加え、入射光と基板面からの反射光との干渉によって生じる定在波によるパターンの形状の悪化、膜厚が変動した際のパターンの幅の大きな変動などの影響を抑えるために、例えば、厚膜に形成されている。例えば、特許文献5の組成物は、形成するレジスト膜の膜厚を0.6〜2.0μmの範囲とすることにより、反射防止膜を形成することなく、イオンインプランテーション工程を行うことを提案している。また、特許文献6では、吸収の強いベンゼン環を持つ樹脂の使用により、反射光を抑え、定在波によるパターン変動を抑えることを提案している。一方、非特許文献1では、吸収を持ち、露光時に分解する官能基及び、その官能基を側鎖に持つ樹脂をレジストへの適用例が提案されている。
しかしながら、波長200nm以下のレーザー、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)、Fエキシマレーザー(波長157nm)、EUV(13.5nm)、電子線等を用いた200nm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術においては、更に微細な加工を達成するためには、レジスト膜を薄く形成する必要があった。また、パターンサイズの微細化が進むにつれて配線幅の狭さから、現像後の残渣を極力低減させることが求められている。すなわち、上記レジストの膜の現像後の欠陥を低減することが求められているが、この要求を十分に満たすものは未だ得られていない。
特開2002−201232号公報 特開2002−145955号公報 特開2003−84436号公報 特開2003−322963号公報 特開2005−316136号公報 特開2008−197606号公報
Macromol. Rapid Commun. 26, 1412 (2005);
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、薄膜であっても、感度、解像度等のレジストとしての基本物性に優れるとともに、ラインパターンを形成する際におけるEL(露光余裕度)が優れ、また、現像後の残渣を低減させるレジスト膜を形成可能な感放射線性樹脂組成物を提供する。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ジアゾケトン基を側鎖に持つ重合体を含有することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す、感放射線性樹脂組成物およびそれに用いる重合体が提供される。
[1](A)少なくとも下記式(a−1)で表される繰り返し単位と、下記式(a−21)で表される繰り返し単位および下記式(a−22)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを有する重合体、並びに
(B)酸発生剤、(D)有機溶剤 を含有することを特徴とする、感放射線性樹脂組成物。
Figure 0005387141
(式(a−1)中、Rは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、メチレン基または炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基を示す。)
Figure 0005387141
(式(a−21)および(a−22)中、Rは水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。また、kは1〜10の整数を示す。)
[2] さらに、下記式(a−3)で表される繰り返し単位およびラクトン骨格を有する繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有することを特徴とする、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
Figure 0005387141
(式(a−3)中、Rは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Aは単結合、炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜30である2価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜30である2価の芳香族炭化水素基を示し、Xは下記一般式(i)で表される構造を有する1価の基を示す。)
Figure 0005387141
(式(i)中、R’は相互に独立に、水素原子または炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、mは1または2を示し、nは1または2を示す。)
[3] さらに(C)酸拡散抑制剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
[4] 少なくとも上記式(a−1)で表される繰り返し単位と、上記式(a−21)で表される繰り返し単位および上記式(a−22)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを有し、ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする重合体。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、薄膜であっても、感度、解像度等のレジストとしての基本物性に優れるとともに、ラインパターンを形成する際におけるEL(露光余裕度)が優れ、また、現像後の残渣を低減したレジスト膜を形成することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備える全ての実施形態を包含するものであり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。なお、以下の説明においては、同種の置換基には、同一の符号を付した上で、説明を省略する。
また、本明細書において、「・・・基」というときは、「置換されていてもよい・・・基」を意味するものとする。例えば、「アルキル基」と記載されている場合には、無置換のアルキル基のみならず、水素原子が他の官能基に置換されたアルキル基も含む。更に、「・・・基」というときは、「分岐を有していてもよい・・・基」を意味するものとする。例えば、「アルキルカルボニル基」と記載されている場合には、直鎖状のアルキルカルボニル基のみならず、分岐状のアルキルカルボニル基も含む。
本発明の重合体は、重合体(A)を指し、感放射線性樹脂組成物は、重合体(A)に加えて、酸発生剤(B)、および溶剤(D)を必須成分とし、好ましくは酸拡散抑制剤(C)、目的に応じて添加剤(E)を含むものである。以下、成分ごとに説明する。
[1−1]重合体(A):
本発明における重合体(A)は、上記式(a−1)で示される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a−1)」ともいう)と、上記式(a−21)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a−21)」ともいう)および上記式(a―22)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a−22)」ともいう)のうちの少なくとも1種の繰り返し単位(以下、両者をまとめて「繰り返し単位(a−2)」ともいう)を有する。
[1−1]繰り返し単位(a−1):
繰り返し単位(a−1)は、上記式(a−1)で表される構成単位であり、重合体(A)の必須繰り返し単位である。当該繰り返し単位を有することで、得られるレジストが現像欠陥の無いものとなるという効果がある。
繰り返し単位(a−1)としては、下記一般式(a−1a)〜(a−1i)で示される繰り返し単位などを好適例として挙げることができる。なお、下記一般式(a−1a)〜(a−1i)中、Rは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基である。
Figure 0005387141
重合体(A)には、繰り返し単位(a−1)のうちの1種が単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。重合体(A)において、繰り返し単位(a−1)の含有率は、重合体(A)を構成する全繰り返し単位に対して、1〜50モル%であることが好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましく、5〜20モル%であることが最も好ましい。このような含有率とすることによって、レジストとしての現像性、欠陥性能等を向上させることができる。一方、含有率が1モル%未満であると、欠陥性能が低下するおそれがある。また、50モル%を超えると、レジストとしての解像性が低下するおそれがある。なお、本明細書における「繰り返し単位の含有率」とは、重合体合成時のモノマー仕込みのモル比率からそのまま求めることができる。
[1−2]繰り返し単位(a−2):
繰り返し単位(a−2)は、上記式(a−21)および上記式(a−22)の少なくとも1種で表される単位であり、重合体(A)の必須繰り返し単位である。当該繰り返し単位を有することで、重合体(A)は放射線照射によってアルカリ可溶性を発現する性能を有する、酸解離性樹脂となる。
式(a−21)および指揮(a−22)中、Rは水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示すが、中でも水素原子またはメチル基であることが好ましい。R4は炭素数1〜4のアルキル基を示し、メチル基、エチル基、i−プロピル基が特に好ましい。また、kは1〜10の整数を示し、好ましくは2〜4の整数を示す。
繰り返し単位(a−2)としては、下記式(a−2a)〜(a−2m)で示される繰り返し単位などを好適例として挙げることができる。なお、下記式(a−2a)〜(a−2m)中、Rは、水素原子またはメチル基である。
Figure 0005387141
重合体(A)には、繰り返し単位(a−2)のうちの1種が単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。重合体(A)において、繰り返し単位(a−2)の含有率は、重合体(A)を構成する全繰り返し単位に対して、5〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、20〜70%であることが特に好ましい。一方、繰り返し単位(a−2)の含有率が5モル%未満であると、レジストとしてのパターン倒れ性能が低下するおそれがある。繰り返し単位(a−2)の含有率が80モル%を超えると、レジスト膜の密着性が低下し、パターン倒れやパターン剥れを起こすおそれがある。
重合体(A)は、繰り返し単位(a−1)および(a−2)に加えて、環状炭酸エステル構造を含む繰り返し単位(a−3)またはラクトン構造を含む繰り返し単位(a−4)を有する重合体であることが好ましい。これらの繰り返し単位を有することにより、重合体(A)が、適度な現像液溶解性を持つという効果を有する。
[1−3]繰り返し単位(a−3):
繰り返し単位(a−3)は、上記式(a−3)で示される、環状炭酸エステル構造を含む繰り返し単位である。
前記式(a−3)中、Rは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。これらの中ではメチル基が好ましい。また、Aは単結合、炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜30である2価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜30である2価の芳香族炭化水素基を示す。Aが単結合の場合、繰り返し単位を構成する(メタ)アクリル酸の酸素原子と、構造(i)を有する1価の基を構成する炭素原子とが直接結合されることになる。
「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味するものとする。「炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサレン基等の直鎖状アルキレン基;1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の分岐状アルキレン基;等を挙げることができる。
「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては、脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「2価の脂環式炭化水素基」としては、例えば、1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等、1,4−シクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等の炭素数3〜10の単環型シクロアルキレン基;1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等の多環型シクロアルキレン基;等を挙げることができる。
「芳香族炭化水素基」とは、環構造として、芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。「2価の芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基、アントリレン基等のアリーレン基等を挙げることができる。
構造(i)は環状エステル構造であり、式(i)中、R’は、相互に独立して、水素原子又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示す。「炭素数1〜5の鎖状炭化水素基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜5の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等の炭素数3〜5の分岐状アルキル基等を挙げることができる。mは1または2を示す。また、nは1または2の整数を示す。即ち、環状炭酸エステルは、n=1の場合は5員環構造、n=2の場合は6員環構造となる。
前記式(i)で表される構造を有する1価の基は、前記式(i)で表される環状エステル構造を少なくとも一部に有する1価の基である。前記式(i)で表される構造を有する1価の基としては、直接Aに結合している基の他、上記環状エステル構造を含む多環構造などを有する基が挙げられる。
前記式(i)で表される構造を有する1価の基は、3〜30個の炭素原子を有するのが好ましく、さらに好ましくは3〜15個、特に好ましくは3〜10個である。30個より多数の炭素原子を有する場合には、レジスト膜の密着性が低下し、パターン倒れやパターン剥れを起こすおそれがある。また、重合体成分の現像液への溶解性が低下し、現像欠陥発生の原因となるおそれがある。
繰り返し単位(a−3)としては、例えば、下記式(a−3a)〜(a−3v)で示される繰り返し単位などを好適例として挙げることができる。
Figure 0005387141
上記繰り返し単位を得るための単量体は、例えば、Tetrahedron Letters,Vol.27,No.32 p.3741(1986)、Organic Letters,Vol.4,No.15 p.2561(2002)等に記載された、従来公知の方法により、合成することができる。
重合体(A)には、例示された繰り返し単位(a−3)のうち、1種が単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。重合体(A)において、繰り返し単位(a−3)の含有率は、重合体(A)を構成する全繰り返し単位に対して、0〜80モル%であることが好ましく、0〜70モル%であることが更に好ましく、0〜50モル%であることが特に好ましい。繰り返し単位(a−3)の含有率が80モル%を超えると、レジストとしての解像性、LWR、PEB温度依存性が低下するおそれがある。
[1−4]繰り返し単位(a−4):
繰り返し単位(a−4)としては、例えば、下記式(a−4a)〜(a−4p)で示される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0005387141
繰り返し単位(a−4)としては、脂環式炭化水素基に結合されたラクトン環を含む繰り返し単位であることが好ましい。繰り返し単位a−4bはシクロペンタン環に結合されたラクトン環を含む繰り返し単位の例であり、a−4e,a−4fはシクロヘキサン環に結合されたラクトン環を含む繰り返し単位の例である。
繰り返し単位(a−4)としては、多環型の脂環式炭化水素基に結合されたラクトン環を含む繰り返し単位であることが特に好ましい。繰り返し単位a−4a,a−4c,a−4g〜a−4mは、ノルボルネン環に結合されたラクトン環を含む繰り返し単位の例であり、a−4dは、ビシクロ[2.2.2]オクタン環を含む繰り返し単位の例である。
繰り返し単位(a−4)を与える単量体としては、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−10−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、
(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル等を挙げることができる。
重合体(A)には、例示された繰り返し単位(a−4)のうち、1種が単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。重合体(A)において、繰り返し単位(a−4)の含有率は、重合体(A)を構成する全繰り返し単位に対して、0〜90モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることが更に好ましく、15〜70モル%であることが特に好ましい。繰り返し単位(a−4)の含有率が90モル%を超えると、レジストとしての解像性、LWR、PEB温度依存性が低下するおそれがある。
[1−5]その他の繰り返し単位:
本発明に用いられる重合体(A)は、上述した繰り返し単位(a−1)〜(a−4)以外の、その他の繰返し単位を有していてもよい。
その他の繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[4.4.0]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルエステル等の炭素数7〜20の多環型シクロアルキル(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5−メチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3,5−ジヒドロキシ−7−メチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−5,7−ジメチルアダマンタン−1−イルメチルエステル等がのヒドロキシアダマンタン構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル等の有橋式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸カルボキシノルボルニル、(メタ)アクリル酸カルボキシトリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸カルボキシテトラシクロウンデカニル等の不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格を有するカルボキシル基含有エステル類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−メトキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−シクロペンチルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−シクロヘキシルオキシカルボニルエチル、(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル等の有橋式炭化水素骨格をもたない(メタ)アクリル酸エステル類;
α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸n−ブチル等のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル等の不飽和ニトリル化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド等の不飽和アミド化合物;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の他の含窒素ビニル化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和カルボン酸(無水物)類;(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシシクロヘキシル等の不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格をもたないカルボキシル基含有エステル類;
(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等のフッ素およびヒドロキシル基含有エステル類;
メチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンジ(メタ)アクリレート、1,2−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルジメチロールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体等の多官能性単量体の重合性不飽和結合が開裂した単位を挙げることができる。
[1−6]製造方法:
次に、重合体(A)の製造方法について説明する。
重合体(A)は、ラジカル重合等の常法に従って合成することができる。例えば、(1)単量体およびラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒または単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(2)単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒または単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;(3)各々の単量体を含有する、複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒または単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;等の方法で合成することが好ましい。
なお、単量体溶液に対して、単量体溶液を滴下して反応させる場合、滴下される単量体溶液中の単量体量は、重合に用いられる単量体総量に対して30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることが更に好ましく、70mol%以上であることが特に好ましい。
これらの方法における反応温度は開始剤種によって適宜決定すればよい。通常、30〜180℃であり、40〜160℃が好ましく、50〜140℃が更に好ましい。滴下時間は、反応温度、開始剤の種類、反応させる単量体等の条件によって異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜6時間が好ましく、1〜5時間が更に好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間も、滴下時間と同様に条件により異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜7時間が好ましく、1〜6時間が更に好ましい。
上記重合に使用されるラジカル開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1―ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス(2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル)等を挙げることができる。これらの開始剤は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
重合溶媒としては、重合を阻害する溶媒(重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等)以外の溶媒であって、その単量体を溶解可能な溶媒であれば使用することができる。例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル・ラクトン類、ニトリル類およびその混合溶媒等を挙げることができる。
「アルコール類」としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等を挙げることができる。「エーテル類」としては、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン等を挙げることができる。
「ケトン類」としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。「アミド類」としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。「エステル・ラクトン類」としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソブチル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。「ニトリル類」としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
重合反応により得られた樹脂は、再沈殿法により回収することが好ましい。即ち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の樹脂を粉体として回収する。再沈溶媒としては、上記重合溶媒として例示した溶媒を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
なお、重合体(A)には、単量体由来の低分子量成分が含まれるが、その含有率は、重合体(A)の総量(100質量%)に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であることが更に好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。
一方、重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」と記す。)は、特に限定されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることが更に好ましく、1,000〜20,000であることが特に好ましい。重合体(A)のMwが1,000未満であると、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向がある。一方、重合体(A)のMwが100,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」と記す。)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1.0〜5.0であり、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、重合体(A)を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
なお、本発明の樹脂組成物に含有される重合体(A)は、ハロゲン、金属等の不純物が少なく、残留単量体やオリゴマー成分が既定値以下、例えば、HPLCで0.1質量%であることが好ましい。不純物などを少なくすることにより、レジストとしての感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善できることに加えて、液中異物や感度等の経時変化が少ないレジストを形成することができる。
上記重合体(A)の精製法としては、例えば、以下の方法などを挙げることができる。まず、上述した金属等の不純物を除去するための方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて樹脂溶液中の金属を吸着させる方法がある。また、しゅう酸やスルホン酸等の酸性水溶液で樹脂溶液を洗浄することにより金属をキレート状態にして除去する方法がある。
上述した残留単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去するための方法としては、水洗や適切な溶剤を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法、ろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法がある。なお、これらの方法を組み合わせることもできる。また、上記再沈澱法に用いられる貧溶媒は、精製する樹脂の物性等により適宜選定することができる。
[2]酸発生剤(B):
酸発生剤(B)は、露光により酸を発生する、感放射線性の酸発生剤である。この酸発生剤は、露光により発生した酸によって、感放射線性樹脂組成物に含有される重合体(A)中に存在する酸解離性基を解離させて(保護基を脱離させて)、重合体(A)をアルカリ可溶性とする。そして、その結果、レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、これによりポジ型のレジストパターンが形成される。
本実施形態における酸発生剤(B)としては、下記式(B−1)で示される化合物を含むものが好ましい。
Figure 0005387141
(式(B−1)中、R12は水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基を示し、R13は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数1〜10のアルカンスルホニル基を示し、R14は相互に独立して炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基を示す。但し、2個のR14が相互に結合して炭素数2〜10の2価の基を形成していてもよい。kは0〜2の整数を示し、rは0〜10の整数を示し、Xは下記式(b−1)〜(b−4)で表されるアニオンを示す。)
152ySO :(b−1)
15SO :(b−2)
(式(b−1),(b−2)中、R15は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜12の炭化水素基を示し、yは1〜10の整数を示す。)
Figure 0005387141
(式(b−3),(b−4)中、R16は相互に独立して炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基を示す。但し、2個のR16が相互に結合して炭素数2〜10の2価のフッ素置換アルキレン基を形成していてもよい。)
式(B−1)中、R12、R13およびR14で示される「炭素数1〜10のアルキル基」としては、既に述べた「炭素数1〜4のアルキル基」の他、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基;等を挙げることができる。これらの中では、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
また、R12およびR13で示される「炭素数1〜10のアルコキシル基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等の直鎖状アルコキシル基;i−プロポキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の分岐状アルコキシル基;等を挙げることができる。これらの中では、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
また、R12で示される「炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等の直鎖状アルコキシカルボニル基;i−プロポキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の分岐状アルコキシカルボニル基;等を挙げることができる。これらの中では、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
また、R13で示される「炭素数1〜10のアルカンスルホニル基」としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基等の直鎖状アルカンスルホニル基;tert−ブタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基等の分岐状アルカンスルホニル基;シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等のシクロアルカンスルホニル基;等を挙げることができる。これらの中では、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等が好ましい。
また、式(B−1)においては、rが0〜2の整数であることが好ましい。
式(B−1)中、R14で示される「フェニル基」としては、フェニル基の他;o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−フルオロフェニル基等の置換フェニル基;これらの基の水素原子を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシカルボニルオキシ基の群から選択される少なくとも一種の基で置換した基;等を挙げることができる。
フェニル基または置換フェニル基の水素原子を置換する基のうち、「アルコキシル基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシル基;i−プロポキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の分岐状アルコキシル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基等を挙げることができる。これらの基の炭素数は1〜20であることが好ましい。
「アルコキシアルキル基」としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の直鎖状アルコキシアルキル基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等の分岐状アルコキシアルキル基;その他、シクロアルカン構造を有するアルコキシアルキル基;等を挙げることができる。これらの基の炭素数は1〜20であることが好ましい。
「アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の直鎖状アルコキシカルボニル基;i−プロポキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等の分岐状アルコキシカルボニル基;シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等のシクロアルキルオキシカルボニル基;等を挙げることができる。これらの基の炭素数は2〜21であることが好ましい。
「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基等の直鎖状アルコキシカルボニルオキシ基;i−プロポキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の分岐状アルコキシカルボニルオキシ基;シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等のシクロアルキルオキシカルボニル基;等を挙げることができる。これらの基の炭素数は2〜21であることが好ましい。
14で示される「フェニル基」としては、フェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−t−ブトキシフェニル基等が好ましい。
また、R14で示される「ナフチル基」としては、例えば、1−ナフチル基の他;2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチル−1−ナフチル基、2,4−ジメチル−1−ナフチル基、2,5−ジメチル−1−ナフチル基、2,6−ジメチル−1−ナフチル基、2,7−ジメチル−1−ナフチル基、2,8−ジメチル−1−ナフチル基、3,4−ジメチル−1−ナフチル基、3,5−ジメチル−1−ナフチル基、3,6−ジメチル−1−ナフチル基、3,7−ジメチル−1−ナフチル基、3,8−ジメチル−1−ナフチル基、4,5−ジメチル−1−ナフチル基、5,8−ジメチル−1−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基2−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基等の置換ナフチル基;これらの基の水素原子を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシカルボニルオキシ基の群から選択される少なくとも一種の基で置換した基;等を挙げることができる。
ナフチル基または置換ナフチル基の水素原子を置換する、「アルコキシル基」、「アルコキシアルキル基」、「アルコキシカルボニル基」、「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、フェニル基の項で例示した基を挙げることができる。
14で示される「ナフチル基」としては、1−ナフチル基、1−(4−メトキシナフチル)基、1−(4−エトキシナフチル)基、1−(4−n−プロポキシナフチル)基、1−(4−n−ブトキシナフチル)基、2−(7−メトキシナフチル)基、2−(7−エトキシナフチル)基、2−(7−n−プロポキシナフチル)基、2−(7−n−ブトキシナフチル)基等が好ましい。
また、2個のR14が相互に結合して形成される「炭素数2〜10の2価の基」としては、2個のR14が相互に結合し、式(B−1)中の硫黄原子と共に5員または6員の環を形成した構造、中でも、5員の環(テトラヒドロチオフェン環)を形成した構造が好ましい。
この「2価の基」は、その水素原子が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシカルボニルオキシ基の群から選択される少なくとも一種の基で置換されていてもよい。水素原子の一部が置換されていてもよい。「アルコキシル基」、「アルコキシアルキル基」、「アルコキシカルボニル基」、「アルコキシカルボニルオキシ基」としては、フェニル基の項で例示した基を挙げることができる。
14としては、メチル基、エチル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2個のR14が相互に結合し、式(B−1)中の硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環を形成した構造が好ましい。
式(B−1)のカチオンとしては、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−1−ナフチルスルホニウムカチオン、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムカチオン、4−フルオロフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、ジ−4−フルオロフェニル−フェニルスルホニウムカチオン、トリ−4−フルオロフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキサンスルホニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジメチルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−プロポキシナフチル)
テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−プロポキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が好ましい。
式(b−1)中、「−C2y−」は、炭素数yのパーフルオロアルキレン基であり、直鎖状であっても分岐状であってもよい。そして、yは1、2、4または8であることが好ましい。
式(b−1),(b−2)中、R15で示される「炭素数1〜12の炭化水素基」としては、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、有橋脂環式炭化水素基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、ノルボルニル基、ノルボニルメチル基、ヒドロキシノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
式(b−3),(b−4)中、R16で示される「炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基」としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ドデカフルオロペンチル基、パーフルオロオクチル基等を挙げることができる。
2個のR16が相互に結合して形成される「炭素数2〜10の2価のフッ素置換アルキレン基」としては、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチレン基、デカフルオロペンチレン基、ウンデカフルオロヘキシレン基等を挙げることができる。
式(B−1)のアニオン部位としては、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−ブタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−オクタンスルホネートアニオン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートアニオン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネートアニオン、1−アダマンチルスルホネートアニオンの他、下記式(b−3a)〜(b−3g)で示されるアニオン等が好ましい。
Figure 0005387141
酸発生剤(B)は、既に例示したカチオンおよびアニオンの組合せで構成される。但し、その組合せは特に限定されるものでない。本発明の樹脂組成物においては、酸発生剤(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明の樹脂組成物においては、酸発生剤(B)以外の酸発生剤を併用してもよい。そのような酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。具体的には、以下のものを挙げることができる。
「オニウム塩化合物」としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。より具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)
ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
「ハロゲン含有化合物」としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。より具体的には、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体;1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン;等を挙げることができる。
「ジアゾケトン化合物」としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。より具体的には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等を挙げることができる。
「スルホン化合物」としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホンや、これらの化合物のα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。より具体的には、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を挙げることができる。
「スルホン酸化合物」としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
より具体的には、ベンゾイントシレート、ピロガロールのトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドパーフルオロ−n−オクタンスルホネート等を挙げることができる。
これらの酸発生剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、酸発生剤(B)と他の酸発生剤の総使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、重合体(A)100質量部に対して、通常、0.1〜30質量部であり、0.5〜20質量部であることが好ましい。この場合、総使用量が0.1質量部未満では、感度および現像性が低下する傾向がある。一方、30質量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンが得られ難くなる傾向がある。また、他の酸発生剤の使用割合は、酸発生剤(B)と他の酸発生剤との総量に対して、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
[3]酸拡散抑制剤(C):
本発明の感放射線性樹脂組成物は、これまでに説明した重合体(A)および酸発生剤(B)に加えて、酸拡散抑制剤(C)を更に含有することが好ましい。この酸拡散抑制剤(C)は、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制するものである。このような酸拡散抑制剤(C)を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度が更に向上するとともに、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物においては、酸拡散抑制剤(C)として、下記式(C−1)で示される窒素含有化合物(C−1)を用いる。
Figure 0005387141
〔式(C−1)中、R,Rは相互に独立して、水素原子、炭素数が1〜20である1価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜20である1価の脂環式炭化水素基または炭素数が6〜20である1価の芳香族炭化水素基を示す。2つのRが結合されて、環構造が形成されていてもよい。〕
上記式(C−1)中、Rで示される基としては、tert−ブチル基またはtert−アミル基が好ましい。
また、上記式(C−1)において、2つのRが結合されて、環構造が形成されていてもよい。例えば、C−1中の窒素原子が環状アミンの一部をなすものも窒素化合物(C−1)に含まれる(例えば、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等)。
上記式(C−1)で表される窒素含有化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N、N’−ジ−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−tert−ブチル基含有アミノ化合物;
N−t−アミロキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミロキシカルボニルピロリジン、N、N‘−ジ−t−アミロキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−アミロキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−アミロキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−アミロキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−tert−アミル基含有アミノ化合物;等を挙げることができる。
これらの化合物の中では、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−アミロキシカルボニルピロリジン、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミロキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾールが好ましく、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾールが更に好ましい。
窒素含有化合物(C−1)以外の酸拡散抑制剤(C)としては、例えば、3級アミン化合物、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、含窒素複素環化合物等の窒素含有化合物を挙げることができる。
「3級アミン化合物」としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」としては、例えば、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
「含窒素複素環化合物」としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等を挙げることができる。
酸拡散抑制剤(C)は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、酸拡散抑制剤(C)の総使用量は、レジストとしての高い感度を確保する観点から、重合体(A)100質量部に対して、10質量部未満が好ましく、5質量部未満が更に好ましい。合計使用量が10質量部を超えると、レジストとしての感度が著しく低下する傾向にある。なお、酸拡散抑制剤(C)の使用量が0.001質量部未満では、プロセス条件によってはレジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
[4]溶剤(D):
溶剤(D)としては、少なくとも重合体(A)、酸発生剤(B)および酸拡散抑制剤(C)、所望により添加剤(E)を溶解可能な溶剤であれば、特に限定されるものではない。
溶剤(D)としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類の他、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、
トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いることが好ましい。他には、ケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。これらの溶剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
[5]添加剤(E):
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、フッ素含有樹脂、脂環式骨格含有樹脂、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤(E)を配合することができる。各添加剤の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
フッ素含有樹脂は、特に液浸露光においてレジスト膜表面に撥水性を発現させる作用を示す。そして、レジスト膜から液浸液への成分の溶出を抑制したり、高速スキャンにより液浸露光を行ったとしても液滴を残すことなく、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制する効果がある成分である。
フッ素含有樹脂の構造は特に限定されるものでなく、(1)それ自身は現像液に不溶で、酸の作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂、(2)それ自身が現像液に可溶であり、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂、(3)それ自身は現像液に不溶で、アルカリの作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂、(4)それ自身が現像液に可溶であり、アルカリの作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂等を挙げることができる。
「フッ素含有樹脂」としては、繰り返し単位(a−7)およびフッ素含有繰り返し単位から選択される少なくとも一種の繰り返し単位を有する重合体からなる樹脂を挙げることができ、更に、繰り返し単位(a−1)〜(a−4),(a−6),(a−8)および(a−9)の群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位を更に有する重合体が好ましい。
「フッ素含有繰り返し単位」としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ペンチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ)ペンタ(メタ)アクリレート、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ)デシル(メタ)アクリレート、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
フッ素含有樹脂としては、例えば、下記式(D−1a)〜(D−1f)で示される重合体等が好ましい。これらのフッ素含有樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
Figure 0005387141
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等を挙げることができる。これらの脂環式骨格含有化合物は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171、同F173(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子社製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を有する。
増感剤としては、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。これらの増感剤は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
添加剤(E)としては、染料、顔料、接着助剤等を用いることもできる。例えば、染料或いは顔料を用いることによって、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和できる。また、接着助剤を配合することによって、基板との接着性を改善することができる。他の添加剤としては、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
なお、添加剤(E)は、以上説明した各種添加剤1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[6]フォトレジストパターンの形成方法:
本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジストとして有用である。化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、樹脂成分、主に、重合体(A)中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じる。その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、この露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のフォトレジストパターンが得られる。
本発明のフォトレジストパターン形成方法は、(1)上記感放射線性樹脂組成物を用いて、基板上にフォトレジスト膜を形成する工程(以下、「工程(1)」と記す場合がある。)と、(2)形成されたフォトレジスト膜に(必要に応じて液浸媒体を介し)、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、露光する工程(以下、「工程(2)」と記す場合がある。)と、(3)露光されたフォトレジスト膜を現像し、フォトレジストパターンを形成する工程(以下、「工程(3)」と記す場合がある。)と、を備えたものである。
また、液浸露光を行う場合は、工程(2)の前に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を保護するために、液浸液不溶性の液浸用保護膜をレジスト膜上に設けてもよい。液浸用保護膜としては、工程(3)の前に溶剤により剥離する、溶剤剥離型保護膜(例えば、特開2006−227632号公報参照)、工程(3)の現像と同時に剥離する、現像液剥離型保護膜(例えば、WO2005−069076号公報、WO2006−035790号公報参照)のいずれを用いてもよい。但し、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
工程(1)では、本発明の樹脂組成物を溶剤に溶解させて得られた樹脂組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、基板(シリコンウェハ、二酸化シリコンで被覆されたウェハ等)上に塗布することにより、フォトレジスト膜を形成する。具体的には、得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように樹脂組成物溶液を塗布した後、プレベーク(PB)することにより塗膜中の溶剤を揮発させ、レジスト膜を形成する。
レジスト膜の厚みは特に限定されないが、0.1〜5μmであることが好ましく、0.1〜2μmであることが更に好ましい。
また、プレベークの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって異なるが、30〜200℃であることが好ましく、50〜150℃であることが更に好ましい。
なお、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いたフォトレジストパターン形成においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、使用される基板上に有機系または無機系の反射防止膜を形成してもよい(特公平6−12452号公報参照)。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、フォトレジスト膜上に保護膜を設けてもよい(特開平5−188598号公報参照)。更に、上記液浸用保護膜をフォトレジスト膜上に設けてもよい。なお、これらの技術は併用することができる。
工程(2)では、工程(1)で形成されたフォトレジスト膜に(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)、放射線を照射し、露光させる。なお、この際には、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射する。
放射線としては、酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選択して照射する。ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましく、中でも、ArFエキシマレーザーが好ましい。
また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜設定する。本発明においては、露光後加熱処理(PEB)を行うことが好ましい。PEBにより、樹脂成分中の酸解離性基の解離反応が円滑に進行する。このPEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって異なるが、30〜200℃であることが好ましく、50〜170℃であることが更に好ましい。
工程(3)では、露光されたフォトレジスト膜を、現像液で現像することにより、所定のフォトレジストパターンを形成する。現像後は、水で洗浄し、乾燥することが一般的である。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。10質量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、現像液は、アルカリ水溶液に有機溶媒を加えたものであってもよい。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
この有機溶媒の使用量は、アルカリ水溶液100体積部に対して、100体積部以下とすることが好ましい。有機溶媒の量が100体積部を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。なお、現像液には、界面活性剤等を適量添加してもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの例に何ら制約されるものではない。ここで、部は、特記しない限り質量基準である。
合成例における各測定・評価は、下記の要領で行った。各重合体の13C−NMR分析は、日本電子(株)製「JNM−EX270」を用い、測定溶媒としてCDClを使用して実施した。また、Mwは東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
(合成例1)
下記化合物(M−1)17.52g(40モル%)、下記化合物(M−2)5.77g(10モル%)、下記化合物(M−3)26.71g(50モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)1.97gを投入した単量体溶液を調製した。窒素雰囲気下、80℃に加熱した2−ブタノン50gに上記単量体溶液を滴下漏斗から3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を3時間80℃にて加熱しながら攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾取した。ろ別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、濾別し、60℃にて15時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(38.33g、収率77%)。この重合体は分子量が5,800であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、および化合物(M−3)のピークが、それぞれ93ppm、161ppm、83ppmにあり、その積分比率から、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)に由来する繰り返し単位の含有率が39.1:10.5:50.4(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−1)とする。
Figure 0005387141
(合成例2)
化合物(M−1)17.52g(40モル%)、化合物(M−2)11.45g(20モル%)、化合物(M−3)21.18g(40モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)1.96gを投入した単量体溶液を調製した。窒素雰囲気下、80℃に加熱した2−ブタノン50gに上記単量体溶液を滴下漏斗から3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を3時間80℃にて加熱しながら攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾取した。ろ別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、60℃にて15時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(32.65g、収率65%)。この重合体は分子量が6,200であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、および化合物(M−3)に由来する繰り返し単位の含有率が36.5:20.6:42.9(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−2)とする。
(比較合成例1)
化合物(M−1)21.54g(50モル%)、化合物(M−3)28.46g(50モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)2.10gを投入した単量体溶液を調製した。窒素雰囲気下、80℃に加熱した2−ブタノン50gに上記単量体溶液を滴下漏斗から3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を3時間80℃にて加熱しながら攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、1000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾取した。ろ別された白色粉末を2度200gのメタノールにてスラリー状で洗浄した後、濾別し、60℃にて15時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(33.76g、収率68%)。この重合体は分子量が6,700であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、および化合物(M−3)に由来する繰り返し単位の含有率が39.7:50.5(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(AA−1)とする。
合成例1、合成例2および比較合成例1で得られた重合体と、以下に示す酸発生剤と、他の成分とを表1に示す割合で配合して各感放射線性樹脂組成物溶液を得た。尚、表1では「重合体」を「樹脂」と表現している。得られた感放射線性樹脂組成物溶液を表2に示す条件にて露光して各種評価を行った。評価結果を表3に示す。ここで、部は、特記しない限り質量基準である。
Figure 0005387141
(酸発生剤(B))
(B−1):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(B−2):4−n−ブトキシ−1−ナフチル テトラヒドロチオフェニウム ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(酸拡散抑制剤(C))
(C−1):(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール
(溶剤(D))
(D−1):プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
(D−2):γ−ブチロラクトン
Figure 0005387141
(評価方法)
(1)感度:
ウエハー表面に膜厚77nmのARC29(ブルワー・サイエンス(Brewer Science)社製)膜を形成したシリコンウエハー(ARC29)または、150℃60秒間HDMS処理を行った基板を用い、各組成物溶液を、先に作成した基板上にスピンコートにより塗布した。この時用いた塗布およびベーク、現像は東京エレクトロン社製ACT8を用いた。塗布後、表2に示す条件でACT8のホットプレート上にてベークを行い、冷却して形成した膜厚254nmのレジスト被膜に、ニコン製ArFエキシマレーザー露光装置(開口数0.75)を用い、マスクパターンを介して露光した。その後、表2に示す条件でPEBを行い、冷却後に、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、線幅170nmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
(2)露光余裕
上記のとおり形成されるライン・アンド・スペースパターンのラインの線幅が153nm以上187nm以下である露光量の範囲を感度で割ったものを露光余裕(%)とした。
(3)現像欠陥数(単位:個/Wafer)
現像欠陥数は、欠陥検査装置(商品名:KLA2351、ケー・エル・エー・テンコール社製)を用いる下記方法により評価した。
欠陥検査用ウエハーは、次のように作成した。下ウエハー表面に膜厚77nmのARC29(ブルワー・サイエンス(Brewer Science)社製)膜を形成したシリコンウエハー(ARC29)または、HDMS処理を行った基板をコートし、ウエハー基板を作製した。この基板上に、実施例および比較例の感放射線性樹脂組成物を膜厚0.25μmで塗布し、表2に示す温度で60秒間PB(PreBake)を行った。
フルフィールド露光装置(商品名:S306C、ニコン社製)を用い、5mm×5mmのブランク露光を行い、ウエハー全面を露光させた。露光後、表2に示す条件でPEBを行った後、2.38重量%のTMAH水溶液により、25℃で30秒間現像し、水洗し、乾燥して、欠陥検査用ウエハーを作成した。上記の塗布、焼成および現像はコータ/デベロッパ(商品名:CLEAN TRACK ACT8、東京エレクトロン社製)を用い、全てインラインで実施した。
上記欠陥検査装置を用い、上記方法により作製した欠陥検査用ウエハーの露光部における現像欠陥の欠陥総数を検査した。欠陥総数の検査は、アレイモードで観察し、比較イメージとピクセル単位の重ね合わせによって生じる差異から抽出されるクラスターおよびアンクラスターの欠陥総数を検出することにより行った。上記欠陥検査装置は、0.15μm以上の欠陥を検出できるように感度を設定した。この検査により、現像欠陥数が30個/Wafer以下の場合「良好」、30個/Waferを超える場合「不良」と評価した。
Figure 0005387141
表3に示すように、各実施例はレジスト基本性能である感度、露光余裕等に優れ、さらに現像欠陥数も良好な感放射線性組成物が得られる。

Claims (4)

  1. (A)少なくとも下記式(a−1)で表される繰り返し単位と、下記式(a−21)で表される繰り返し単位および下記式(a−22)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを有する重合体、並びに
    (B)酸発生剤、(D)有機溶剤 を含有することを特徴とする、感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005387141
    (式(a−1)中、Rは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは、メチレン基または炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4の1価の飽和炭化水素基を示す。)
    Figure 0005387141
    (式(a−21)および(a−22)中、Rは水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。また、kは1〜10の整数を示す。)
  2. さらに、下記式(a−3)で表される繰り返し単位およびラクトン骨格を有する繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有することを特徴とする、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005387141
    (式(a−3)中、Rは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Aは単結合、炭素数が1〜30である2価の鎖状炭化水素基、炭素数が3〜30である2価の脂環式炭化水素基又は炭素数が6〜30である2価の芳香族炭化水素基を示し、Xは下記一般式(i)で表される構造を有する1価の基を示す。)
    Figure 0005387141
    (式(i)中、R’は相互に独立に、水素原子または炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示し、mは1または2を示し、nは1または2を示す。)
  3. さらに(C)酸拡散抑制剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 少なくとも上記式(a−1)で表される繰り返し単位と、上記式(a−21)で表される繰り返し単位および上記式(a−22)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位とを有し、ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする重合体。
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