JP5023826B2 - 後処理装置及び画像形成システム - Google Patents

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Description

本発明は後処理装置及び該後処理装置を有する画像形成システムに関し、特にステープル済みのシートの排出技術に関する。
画像形成装置より排紙される画像記録済の複数枚のシートをコピー部数ごとに丁合してステイプラにより綴じ合わせる装置として後処理装置が利用される。
この後処理装置は、複写機やプリンタ等の画像形成装置と機能が接続されていて、コピーまたはプリントプロセスのシーケンス作動に対応して駆動するようになっている。
従って画像形成プロセスを高速で処理することの可能な画像形成装置に対しては、その処理速度に追従して機能を果すことの出来る高速処理の可能な後処理装置が必要とされる。
このような高速処理の可能な後処理装置に関しては、従来、大きいサイズのシートは、その先端部が排出トレイとの摩擦により曲がらないよう速い速度で排出トレイに排出し、小さいサイズのシートは、遠くに飛び出さないよう遅い速度で排出トレイに排出する後処理装置(例えば特許文献1参照。)が知られている。
また、綴じ合わされたシート束を排出ベルトに送り出すとき負荷電流値から排出ベルトに送り出すシート束の枚数を検出し、シート束の枚数に応じて排出ベルトを可変速制御するようにして、負荷電流値が予め設定された所定枚数より多い時に、排出ベルトの線速度を減速制御することを特徴とする後処理装置(例えば特許文献2参照。)が知られている。
また、画像形成装置から搬出されたシートを中間スタッカに積載して整合し、ステイプラにより綴じ合わせ処理したのち、排出手段5により排紙トレイ6に排出するシート後処理装置において、ステイプラにより綴じ合わせ処理されたシート束S2を排出手段5による排出中に減速に切り替えて排出する可変速排紙手段と、前記減速に切り替えるタイミングをシートサイズにより可変制御する制御手段とを有する後処理装置(例えば特許文献3参照。)が知られている。
特開平6−64815号公報 特開平8−73108号公報 特開2005−350269号公報
特許文献1に記載の後処理装置は、シートサイズの違いにより、シート排出時の排紙速度を変化させることで、排出トレイにおける集積異常の対策を可能としている。
しかし、本発明のシート束へのステープル位置に応じて排紙速度を変えるものではなく、例えば1箇所しかステープル処理をしない場合と2箇所ステープルをした場合ではステープルをした側の集積時の厚さが異なり、1箇所しかステープル処理をしない時に異常を起こさないように排紙速度を合わせると、2箇所ステープルをした場合、排紙時にシートが飛び出してしまい、集積状態に異常を来たしてしまうという問題点があった。
また、特許文献2に記載の後処理装置は、シート束の枚数をモータの負荷電流で検知し排出ベルトを可変速制御し、シート束の枚数違いによる排出トレイにおける集積異常の対策をすることを可能としている。
しかし、前記のように本発明のシート束へのステープル位置に応じて排紙速度を変えるものではなく、ステープル位置によっては集積状態に異常を来たしてしまうという問題点があった。
また、特許文献3に記載の後処理装置は、シート束の排出手段の排出速度をシートサイズに応じて排出中に変化させ、シート束の排出手段の排出速度をシート束の枚数に応じて変化させることによって排出時における集積異常の対策をすることを可能としている。
しかし、前記のように本発明のシート束へのステープル位置に応じて排紙速度を変えるものではなく、ステープル位置によっては集積状態に異常を来たしてしまうという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑み、ステープル処理の位置(例えば1箇所と2箇所)に関係なく排紙トレイ上に排出されたシート束が不揃えや散乱することなく積載でき、その結果、高品質な冊子を制作可能で、プリントし直し等の必要がない生産性を向上させた後処理装置、及び該後処理装置を有する画像形成システムを提供することを目的とする。
なお、以下に従来の後処理装置についてその問題点を詳細に説明する。
図1は従来の後処理装置によりステープル済みのシート束を排紙トレイ上に集積した説明図である。
図1(a)はステープル位置がシート束に1箇所の場合、図1(b)はステープル位置がシート束に2箇所の場合を示している。
なお、シート束S2の排出ローラ対20’による排出トレイ40’への排出速度V1’は、図1(a)、(b)共、ステープル位置が1箇所の場合に、排出トレイ40’上の集積状態に異常を来たさない排紙速度となっている。
図1(a)において、ステープル位置がシート束S2の1箇所(図示紙面裏側)の場合、排出トレイ40’上に排出されたシート束S2は既に積載されたシート束S2’の上を飛翔しシート束S2’の先端(図示左側)を越えた後、落下して既に積載されたシート束S2’の表面を反対方向に向けて滑り、ステープル側の先端が後処理装置の側面に当接して停止する。
この時の集積状態は、ステープルを行った側a(図示破線側)のステープル部a1がステープルSPのため積載高さが高くなり、ステープルを行わない側b(図示実線側)がステープルSPがないため積載高さが高くなることはない。
従って、ステープルを行った側aは例えば図示のように傾斜θは小さくなる。しかし、ステープルを行わない側bの傾斜θは排出トレイ40’と略同じ傾斜となる。
このため、飛翔するシート束S’2の先端が傾斜面S’2aに当たりブレーキとなりシート束S’2の先端(図示左側)を大きく越えることもなくなり、落下したシート束S’2は傾斜面S’2aがあることにより自重で落下しステープル側の先端が後処理装置の側面に当接して停止する。
図1(b)において、ステープル位置がシート束S2の2箇所(図示紙面表裏両側)の場合、1箇所の場合と同様に排出トレイ40’上に排出されたシート束S2は既に積載されたシート束S’2の上を飛翔しシート束S’2の先端(図示左側)を越えた後、落下して既に積載されたシート束S’2の表面を反対方向に向けて滑り、ステープル側の先端が後処理装置の側面に当接して停止しようとする。
しかし、この時の集積状態は、ステープルを行った両側(図示紙面表裏両側)がステープルSPのため積載高さが高くなる。
従って、ステープルを行った両側の傾斜θは、両側共例えば図示のように大きな傾斜とならず、傾斜面S’2aを構成することもない。
このため、飛翔するシート束S’2の先端が傾斜面S’2aに当たりブレーキとなることもなく、シート束S’2の先端(図示左側)を大きく越えてしまう可能性が高く、落下したシート束S’2は傾斜面S’2aがないため自重で落下しステープル側の先端が後処理装置の側面に当接して停止する可能性も低くなる。
結果として、従来は特にステープル位置が2箇所の場合に集積状態に異常を来たしてしまうという問題点があった。
また、排出トレイ40’上に集積されたシート束S2の数が多くなると、集積されたシート束S2の最上面の傾斜が小さくなるため、集積状態に異常を来たすことが顕著となってしまうという問題点があった。
前記目的は下記の発明により達成される。
1.複数のシートをステープル処理するステイプラとステープル処理したシート束を排紙トレイに排出する排出手段と該排出手段を駆動する駆動手段とを有する後処理装置において、
前記シート束の後端を前記排紙トレイへ放出する際の前記排出手段の排出速度を、ステープル位置に応じて可変させるよう、前記駆動手段を制御する制御手段を有し、
前記制御手段は、前記シート束に2箇所ステープルする場合の前記排出速度を1箇所ステープルする場合の前記排出速度に比べ遅くすることを特徴とする後処理装置。
2.画像を形成する画像形成装置と、該画像形成装置から給紙されたシートを後処理する前記1項に記載の後処理装置とを有することを特徴とする画像形成システム。
排紙トレイ上に排出されたシート束が不揃えや散乱することなく積載でき、その結果、高品質な冊子を制作可能で、プリントし直し等の必要がない生産性を向上させた後処理装置、及び該後処理装置を有する画像形成システムの提供が可能となる。
図示の実施の形態により本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
図2は後処理装置と、該後処理装置を有する画像形成システムを示す図である。
画像形成システムはシートに画像を記録する画像形成装置A及び画像形成装置Aで画像が記録されたシートを後処理する後処理装置Bを有する。
画像形成装置Aは電子写真方式によりシートに画像を形成するもの(例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等)であり、画像形成部A1と原稿搬送装置A2と画像読取部A3とを有する。
画像形成部A1において、ドラム状の感光体1の周囲に帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5A、分離装置5B及びクリーニング装置6が配置され、これらの電子写真プロセス装置により、帯電、露光、現像及び転写が行われて感光体1上にトナー像が形成され、シートS1に画像が形成される。
シートS1は給紙トレイ7Aに収納されており、これらの給紙トレイ7AからシートS1が1枚ずつ給紙され、転写装置5Aにより、感光体1上のトナー像がシートS1に転写される。
シートS1に転写されたトナー像が定着装置8を通過して定着処理される。定着処理されたシートS1は、排紙ローラ7Cから排紙されるか又は再給紙路7Eに搬送される。
片面プリントにおけるフェースダウン排紙、片面プリントにおけるフェースアップ排紙又は両面画像形成における表面画像形成において、切り替えゲート7DがシートS1を切り替え案内する。即ち、フェースアップ排紙においては、切り替えゲート7DはシートS1を直進させ、フェースダウン排紙及び両面画像形成においては、切り替えゲート7DはシートS1を下方に案内する。
フェースダウン排紙においては、シートS1は下方に案内された後に、スイッチバックして上方に搬送され、排紙ローラ7Cから排紙される。
両面画像形成においては、シートS1は下方に案内され、スイッチバックによる表裏反転後に再給紙路7Eを経て、転写装置5Aが配置された転写部に再給紙され、裏面画像の転写が行われる。
原稿搬送装置A2は原稿を1枚ずつ読取位置に搬送する。画像読取部A3は原稿搬送装置A2により搬送された原稿又は原稿台9に載置された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。
操作パネルPはタッチパネル等を有し、タッチパネルに各種操作スイッチや製本処理に係る情報等を表示し、各種操作スイッチの操作情報が制御手段C1に入力される。
シリアル通信を行う画像形成装置の通信手段C11は後処理装置Bの通信手段C21と各種情報を授受し合う。
制御手段C1は画像形成装置Aに係る上述した動作の制御を行う。
後処理装置Bは画像形成装置Aから送り込まれたシートS1にステープル処理等各種の後処理を行う装置である。
後処理装置BはシートS1の受け入れ部が画像形成装置Aの排紙ローラ7Cの排出方向と合致するよう位置と高さを調節して設置され、画像形成装置Aの作動に対応して駆動される。
前記受け入れ部の入口部ローラ対11のシート搬送下流に接続するシートS1の搬送路は上段の第1搬送路100と中段の第2搬送路200および下段の第3搬送路300の3系統に分岐されていて、切替ゲートG1、G2、G3の占める角度の選択によりシートS1が何れかの搬送路に給送されるようになっている。
そして、第1搬送路100を通過したシートS1は機外上部の排紙トレイ19に排出・積載される。
また、第2搬送路200を通過したシートS1は、ステープル処理したシート束を排紙トレイ40に排出する排出手段である排出ローラ対20により排紙トレイ40に排出・積載される。
また、第3搬送路300を通過したシートS1は中間スタッカ51で所定枚数スタックされた後ステイプラ50でステープル処理が行われ、排出ローラ対20により排紙トレイ40に排出・積載される。
制御手段C2は後処理装置Bに係る制御を行う。
図3は第1及び第2搬送路によるシートS1の搬送経路を示す模式図である。
図3(a)は第1搬送路100によるシートS1の搬送経路(一点鎖線)を示し、図3(b)は第2搬送路200によるシートS1の搬送経路(一点鎖線)を示す。
(1)第1搬送路100(プリンタモード、画像面下向き排紙)
図3(a)において、画像形成装置Aから画像面上向きで排出されたシートS1は、前記入口部ローラ対11により搬送されて、上方の第1の切り替えゲートG1の下方の通路111を通過して、搬送ローラ対12に挟持されて斜め下方の第2の切り替えゲートG2の上方の通路121を通過する。
搬送ローラ対14、通路15、搬送ローラ対16を経て、一旦停止した後、逆転する搬送ローラ対12,14,16によりスイッチバックして、第1の切り替えゲートG1の上方の通路112、さらに上方の通路17(第1搬送路100)を通過して、排出ローラ対18により機外上部の排紙トレイ19上に画像面下向き(フェースダウン)で排出され、頁順に載置される。
(2)第2搬送路200(コピーモード、画像面上向き排紙、オフセット排紙を含むノンステープルモード)
図3(b)において、画像形成装置Aから画像面上向き(フェースアップ)で排出されたシートS1は、入口部ローラ対11により搬送されて、上方の第1の切り替えゲートG1の下方の通路111を通過する。
そして、搬送ローラ対12に挟持されて斜め下方の第2の切り替えゲートG2の上方の通路121を通過し、搬送ローラ対14、通路15(第2搬送路200)、搬送ローラ対16を経て、排出ローラ対20により機外の排紙トレイ40上に画像面上向きで排出、載置される。
図4は第3及び第4搬送路によるシートS1の搬送経路を示す模式図である。
図4(a)は第3搬送路300によるシートS1の搬送経路(一点鎖線)を示し、図4(b)は第4搬送路400によるシートS1の搬送経路(一点鎖線)を示す。
(3)第3搬送路300(コピーモード、画像面上向き排紙、ステープルモード)
図4(a)において、画像形成装置A内で画像形成処理された最終頁のコピーから画像面上向き(フェースアップ)で排出されて、順次、シート後処理装置に送り込まれたシートS1は、入口部ローラ対11により搬送されて、上方の第1の切り替えゲートG1の下方の通路111を通過して、搬送ローラ対12に挟持されて、斜め下方の第3の切り替えゲートG3の上方の通路122または下方の通路123を通過して、搬送ローラ対41、通路42(第3搬送路300)を経て、中間スタッカ51に送り込まれる。
通路42の下流の搬送ローラ対43に挟持されて搬送されたシートS1は、傾斜配置された中間スタッカ51の上方空間に放出され、該中間スタッカ51または該中間スタッカ51上に積載されたシートS1の上面に接し、さらに滑走上昇したのち、搬送ローラ対43からシート後端が排出されたのちに、シートS1の自重により下降に転じ、中間スタッカ51の傾斜面上を滑落し、ステイプラ50近傍のシート突き当て面(ストッパ部材)52に当接して停止する。
前記搬送ローラ対43の下ローラ43Aと同軸に回転するプーリに巻回するベルトにより回転する搬送補助回転部材(巻き込み部材)44は、前記滑落するシートS1の上面に摺接するすることにより、シートS1がスイッチバックするとき該搬送補助回転部材44の摺接作用によりストッパ部材52に確実に当接するようにする。
53は前記中間スタッカ51の両側面に移動可能に設けた一対の整合部材である。
整合部材53はシート搬送方向と直交する方向に移動可能であり、シートS1が中間スタッカ51上に放出されるシート受け入れ時には、シート幅より広く開放され、中間スタッカ51上を滑落してストッパ部材52に当接して停止するときには、シートの幅方向の側縁を軽打してシート束の幅揃え(整合)を行う。
この停止位置において、中間スタッカ51上に所定枚数のシート束S2が積載、整合されると、ステイプラ50により綴じ合わせ処理(ステープル処理)が行われ、シート束S2が綴じ合わされる。
前記中間スタッカ51のシート積載面の一部には切り欠き部が形成されていて、駆動プーリ54と従動プーリ55に巻回された複数の排出ベルト56が回動可能に駆動される。該排出ベルト56の一部には、排出爪57が一体に形成されていて、その先端部は、図示一点鎖線のように長円軌跡を描く。
ステープル処理されたシート束S2は、排出ベルト56の排出爪57によりシート束S2の後端を保持されて、排出ベルト56上に載せられ、中間スタッカ51の載置面上を滑走して斜め上方に押し上げられ、排出ローラ対20のニップ位置に進行する。
回転する排出ローラ対20に挟持されたシート束S2は、排紙トレイ40上に排出、積載される。
排紙トレイ40に積載されたシート束の上部を検出するセンサPS1とPS2とを有している。
センサPS1は後処理装置の排紙口の近傍に配設され、センサPS2はそれぞれセンサPS1から30〜40mm下流側に配設されている。
また、センサPS1に対してセンサPS2を30〜40mmずらすことにより例えば最上面の用紙束が排紙方向にずれていて、センサPS1が検出できなくともセンサPS2が検知でき安定して用紙束の上部を検出可能となる。
そしてセンサPS1とPS2とは非接触型センサが好ましく例えば光電式の透過型センサが好適に用いられ、用紙束の一方の側面側に投光器を配設し他方に受光器を配設して、用紙束の有無を透過により検知する。
(4)第4搬送路400(コピーモード、画像面上向き排紙)
図4(b)において、画像形成装置Aから画像面上向きで排出されたシートS1は、前記入口部ローラ対11により搬送され、略垂直上方に搬送されて、前記切り替えゲートG1の背面の通路(第4搬送路)400を通過して、更に上方の通路17を経て、排出ローラ対18により機外上部の排紙トレイ19上に画像面上向き(フェースアップ)で排出される。
図5はシート後処理装置の駆動系を示す構成図である。
モータM1は、タイミングベルトB1,B2を介して第3搬送路300の搬送ローラ対41の駆動ローラ41A(左ローラ)を回転させるとともに、ギア列を経て第2搬送路200の搬送ローラ対12の駆動ローラ12A(下ローラ)、搬送ローラ対14の駆動ローラ14A(下ローラ)及び搬送ローラ対16の駆動ローラ16A(上ローラ)を回転させる。
さらにタイミングベルトB3を介して受け入れローラ対11の駆動ローラ11A(右ローラ)を回転させ、さらにタイミングベルトB4を経て排出ローラ対18の駆動ローラ18A(下ローラ)を回転させる。
そして、モータM1により駆動される、受け入れローラ対11と、搬送ローラ対41と搬送ローラ対12と搬送ローラ対14と搬送ローラ対16とを有するシート搬送手段はシートS1を搬送速度で排出ローラ対20に搬送する。
排出ローラ対20を駆動する駆動手段であるモータM2は、タイミングベルトB5,B6を介して排出ローラ対20の上駆動ローラ(以下、上ローラと称す)20Aを回転させるとともに、ギア列とタイミングベルトB7を経て排出ローラ対20の下駆動ローラ(以下、下ローラ称す)20Bを回転させる。
さらに、前記下ローラ20Bを駆動するプーリは、タイミングベルトB8を介して前記駆動プーリ54を回転させ、排出ベルト56を回動させる。
そして、モータM2により駆動される排出ベルト56と排出ローラ対20とは、シート束S2を搬送速度で搬送後に、排紙速度に切り換えて機外の排紙トレイ40に排紙する。
ここで、排紙速度とは、排出ローラ対20にニップされたシート又はシート束の後端以降が、排出ローラ対20により付勢されて排紙トレイ40に排出される時のシート又はシート束の速度(即ちモータM2の回転速度)を指す。
又、搬送速度とは、搬送ローラ対12又は搬送ローラ対14又は搬送ローラ対16にニップされたシートが搬送ローラ対12又は搬送ローラ対14又は搬送ローラ対16に付勢されて排出ローラ対20に向けて搬送される速度(即ちモータM1の回転速度)、及び、排出ベルト56上に裁置されたシート束が排出ローラ対20に向けて搬送される速度(即ちモータM1の回転速度)、及び、排出ローラ対20にニップされたシート又はシート束の後端以前が排出ローラ対20により付勢されて搬送される時(即ち前記排紙速度に切り替わる前)のシート又はシート束の速度(即ちモータM2の回転速度)を指す。
モータM4は、ギア列を介して駆動プーリ61を駆動回転させ、該駆動プーリ61と上方の従動プーリ62とを巻回するワイヤ63を回動させる。該ワイヤ63の一部には、排紙トレイ40の基部が係止部材64により固定されている。
排紙トレイ40は、その基部に回転自在に支持されたローラ65がレール部材66に摺動し、前記ワイヤ63が回動することにより、レール部材66に沿って昇降可能である。
モータM3は、タイミングベルトB9を介して搬送ローラ対43を回転させる。
図6は排出ローラ対の上下動に関する駆動系を示す構成図である。
排出ローラ対20は、前記のモータM2にそれぞれ接続して駆動回転する上ローラ20Aと下ローラ20Bとを有し、下ローラ20Bは定位置で駆動回転する。
駆動回転可能な上ローラ20Aは、保持部材21に支持され、支軸22を中心にして装置本体の側板に設けた円弧状の長溝23に沿って揺動可能である。
即ち、排出ローラ対20を上下させるモータM5の駆動軸上のピニオンギアg1は、ギアg2,g3,g4,g5から成るギア列を介して減速され、円板24を回転させる。該円板24の偏心位置に植設された偏心ピン25はクランクレバー26の一端に回転可能に接続する。該クランクレバー26の他端は前記保持部材21の上部に設けたピン27に回転可能に係合する。
モータM5のピニオンギアg1が駆動回転し、前記ギア列を経て円板24が半回転すると、クランクレバー26が移動して、前記上ローラ20Aを保持する保持部材21を、支軸22を中心にして長溝23に沿って時計方向に揺動させる。
回転する円板24が半回転して、該円板24に設けた被検出部28がフォトインタラプタ型のセンサPS6の光路を通過すると、モータM5の駆動が停止され、上ローラ20Aはシート排出通路を開放した状態で停止する。
モータM1とモータM2はシートの搬送速度と排出速度がモータの駆動パルス(周波数)で管理することがしやすいパルスモータが好ましい。
そして、制御手段C1は各モータの駆動パルスを演算することによりシートの搬送速度と排出速度の制御を行う。
図7はステイプラの説明図である。
図7は図1に示したステイプラ50を図1右側面斜め上から見た図である。
図示左側が後処理装置をオペレータが通常に操作する操作側(即ち図1における紙面表側)で、図示右側が非操作側(即ち図1における紙面裏側)となっている。
ステイプラ50のステープルユニット501は、ステープルユニットが退避するホームポジションHP(二点鎖線)と、ステープル処理を行う第1の綴じ位置SP1(実線)と第2の綴じ位置SP2(実線)と、端綴じ位置SP3(実線)と、ステープルユニット501内に収納されたステープルの屑を廃棄する廃棄位置DP(二点鎖線)との合計5箇所の停止位置を有している。
シート束S2はその搬送方向先端(図示下側)が不図示のストッパで位置決めされ、ステープルユニット501の作動によりシート束S2がステープルSPで綴られる。
ステープルユニット501はステープルユニット501を移動させる移動手段502(モータM6)により、ステープルユニット501を案内するガイド部材503に案内されて、シート搬送方向と直角方向(図示W1方向)に移動可能となっている。
移動手段502は不図示のベルト或いはボールネジ等によりモータM6の回転を直線運動に変換してステープルユニット501をW1方向に移動させる。
そして、画像形成装置Aの操作パネルPで設定された後処理の種類(例えば平綴じ)に応じて、ホームポジションHPから第1の綴じ位置SP1、第2の綴じ位置SP2、或いは端綴じ位置SP3のいずれか(例えば第1の綴じ位置SP1と第2の綴じ位置SP2)へと移動して、第1の綴じ位置SP1、第2の綴じ位置SP2、或いは端綴じ位置SP3のいずれかでシート束S2にステープル処理を行う。
なお、端綴じ位置SP3にはステープルユニット501を回動させる回動手段504(モータM7)が配設されており、モータM7によりステープルユニット501をW2方向に回動させ、シート束S2のコーナ部近傍に斜めにステープルSPをステープルする。
なお、端綴じ位置は非操作側で説明したが、操作側に同様な端綴じ位置を設け、操作側でも同様にして端綴じをできるようにすることもできる。
ステープル処理を完了後ステープルユニット501は再びホームポジションHPに戻り退避する。
ステープルユニット501内にステープルの屑が満杯になると、後述するようにステープルユニット501は廃棄位置DP(一点鎖線)に移動して内部のステープル屑をステープル屑収納ボックス505に廃棄する。
モータM6とモータM7は、ステープルユニット501の移動と回動等をモータの駆動パルスで管理することがしやすいパルスモータが好ましい。
制御手段C1は各モータの駆動パルスをカウントすることによりステープルユニット501の移動と回転を行う。
なお、各モータにパルスエンコーダを設け各エンコーダの出力パルスをカウントして距離や角度を管理しても良い。
また、ステープルユニット501の各停止位置、例えばホームポジション、各綴じ位置、廃棄位置に対応する位置にステープルユニット501を検知するセンサを設け、センサのステープルユニット検知出力によりステープルユニット501の位置を知るようにしても良い。
図8はステープル処理が可能な後処理装置と、該後処理装置と画像形成装置を有する画像形成システムのブロック図である。
以下、図1〜7を参照してブロック図を説明する。
画像形成システムは画像形成装置Aと後処理装置Bとを有している。
画像形成装置Aを制御する制御手段C1と後処理装置Bを制御する制御手段C2は、それぞれCPU(Central・Processing・Unit)とROM(Read・Only・Memory)と不揮発の記憶手段〔例えばバッテリーバックアップされたRAM(Random・Access・Memory)〕と下記の各種機器とのインターフェースを行うIF(Interface)等を有している。
画像形成装置Aについて説明すると、通信手段C11は制御手段C1により制御され、後処理装置Bの通信手段C21とシリアル通信を行っている。
原稿搬送装置A2は制御手段C1により制御され、原稿を画像読取部A3の画像読み取り部に向けて搬送する。
なお、外部に設置されたPC(Personal Computer)等と画像情報や後処理に係る情報を授受する通信手段を設けて、受信した該画像情報に基づいて画像を形成し、該後処理に係る情報に基づいてステープル処理やステープル済みのシート束を排出トレイに排出しても良い。
画像読取部A3は制御手段C1により制御され、原稿搬送装置A2により搬送される原稿の画像を読み取り、原稿画像情報を制御手段C1に入力する。
画像形成部A1は制御手段C1により制御され、例えば、画像読取部A3により入力された原稿画像情報に基づいてシートにトナー画像を形成する。
定着装置8は制御手段C1により制御され、画像形成部A1によりシート上に形成されたトナー画像を加熱圧着することにより定着する。
操作パネルPはタッチパネル等を有し、制御手段C1により制御され、タッチパネルに各種操作スイッチや後処理に係る情報等を表示し、例えば後処理の種類(穿孔処理、シフト処理、ステープル処理、折り処理、等)やシートサイズ、等の操作情報が制御手段C1に入力される。
後処理装置Bについて説明すると、通信手段C21は制御手段C2により制御され、画像形成装置Aの通信手段C11とシリアル通信を行っている。
切替ゲートG1、G2、とG3は制御手段C2により制御され、シートS1を第1搬送路100、第2搬送路200、第3搬送路300、又は第4搬送路400のいずれかに搬送させる。
モータM1は制御手段C2により制御され、入口部ローラ対11と搬送ローラ対12と搬送ローラ対14と搬送ローラ対16とを回転駆動し、シートを搬送する。
ここで、制御手段C2はモータM1の駆動パルスの周波数を変化させることにより、搬送ローラ対12と14と16との回転速度を変化させる。
排出ローラ対20は制御手段C2により制御されるモータM2とモータM5とを有している。
モータM2は排出ローラ対20を回転駆動し、シートを排紙トレイ40に向けて排出する。
ここで、制御手段C2はモータM2の駆動パルスの周波数を変化させることにより排出ローラ対20の回転速度、即ちシート束の排出速度を変化させる。
モータM3は制御手段C2により制御され、搬送ローラ対43を回転駆動しシートS1を中間スタッカ51の上方空間に放出する。
モータM5は排出ローラ対20を上下に移動させ、下降位置でシート束をニップする。
中間スタッカ51は制御手段C2により制御され、給紙されたシートS1を所定枚数スタックし、シート束S2をステイプラ50に搬送する。
ステイプラ50は制御手段C2により制御され、中間スタッカ51で集積されたシート束をステープルで綴る。
ステイプラ50ではモータM6が正逆転され、ホームポジションHP〜廃棄位置DPのうち、通信手段C21で受信したステープル処理情報(例えば平綴じ2箇所)に応じてステープルユニット501を所定の位置(例えば第1の綴じ位置SP1、次いで第2の綴じ位置SP2)に移動させる。
ここで、制御手段C2はモータM6の駆動パルスをカウンタC22にカウントさせる。
そして、制御手段C2に入力されたカウンタC22のカウント値からステープルユニット501の移動量を演算することにより、ステープルユニット501の現在位置情報(例えば第1の綴じ位置SP1)を取得する。
また、打針機構によりステープルを受針機構に向けて打ち込み、シート束をステープルする。
センサPS1とPS2とは排紙トレイ40に積載された上部のシート束S2を検出するセンサで、シート束の検出信号が制御手段C2に入力される。
排紙トレイ40は制御手段C2により制御され、シートS1或いはステープル済みのシート束の集積量(センサPS1又はPS2の検出信号)に応じてモータM4が駆動されて、排紙トレイ40を順次下降させる。
図9はステープルユニット停止位置/カウンタのカウント値対応テーブルTE1の説明図である。
ステープルユニット停止位置/カウンタのカウント値対応テーブルTE1は、ステープルユニット501のホームポジションHPにおけるカウンタC22のカウント値を0として、例えばホームポジションHPから第1の綴じ位置SP1まで移動する時のカウント値がCSP1であることを示している。
なお、図では代表的に、例えば第1の綴じ位置SP1のカウンタC22のカウント値をCSP1等として記したが、実際は第1の綴じ位置SP1と第2の綴じ位置SP2と端綴じ位置SP3のステープルユニットの停止位置はシートのサイズに応じて異なり、カウント値も異なる。
このため、実際は例えばA4に対する第1の綴じ位置SP1のカウンタC22のカウント値はCSP1A4、第2の綴じ位置SP2のカウンタC22のカウント値はCSP2A4、端綴じ位置SP3のカウンタC22のカウント値はCSP3A4、B4に対する第1の綴じ位置SP1のカウンタC22のカウント値はCSP1B1、・・・・、A3に対する端綴じ位置SP3のカウンタC22のカウント値はCSP3A3、というように、各シートサイズ毎にカウンタC22のカウント値を有している。
図10はステープル種類/排紙速度対応テーブルTE2の説明図である。
ステープル種類/排紙速度対応テーブルTE2は、ステープル種類情報を格納したステープル種類欄TE21と、各ステープル種類に対応するシート又はシート束の搬送速度情報を格納した搬送速度情報欄TE22と、各ステープル種類に対応するシート又はシート束の排紙速度情報を格納した排紙速度情報欄TE23とを有し、例えばROMに記憶されている。
例えば平綴じ1箇所及び端綴じの場合は搬送速度が500mm/secで、排紙速度が500mm/secであり、
平綴じ2箇所の場合は搬送速度が500mm/secで、排紙速度が300mm/secであることを示している。
即ち1箇所ステープルする場合に比べ2箇所ステープルする場合、可変速排紙手段であるモータM2によりシート束の排出速度を遅くすることを示している。
ここで、ステープル位置の1箇所とは、排紙トレイ40への排出方向に対して直角方向に1箇所ステープルすることを意味し、2箇所とは排出方向に対して直角方向に離間して2箇所ステープルすることを意味する。
以下に後処理装置でステープル処理後、排紙トレイ40にシート束S2を排出する場合について説明を行う。なお、以下に記すフローは制御手段C2により実行される。
図11は後処理装置のステープル処理を行うフロー図である。
先ず、図11を参照して後処理装置のステープル処理を行うフローについて説明する。
1.ステープル処理に係る情報の取得(ステップS101)
画像形成装置Aの通信手段C11を介して通信手段C21で、次に実行する1つのジョブのステープル処理に係る情報を取得(受信)し、ステープル処理に係る情報をRAMに記憶させて次ステップに進む。
例えばステープル処理の種類(例えば平綴じ2箇所)、ステープル処理を行うシート枚数(例えば50枚)、シートの種類(例えば普通紙)、シートのサイズ(例えばA4)、冊子制作部数(例えば1部)等のステープル処理に係る情報を受信する。
2.シートの集積(ステップS102)
前記ジョブの開始により画像形成装置Aから供給されるシートを切替ゲートG1の下側を通過させ、更に切替ゲートG2と、切替ゲートG3の間を通過させ第3搬送路300に導く。
そして、搬送ローラ対43により順次中間スタッカ51に搬送させ、ステップS101で記憶した「ステープル処理を行うシート枚数」分のシート(例えば50枚)が中間スタッカ51に集積されると(Yes)次ステップに進み、集積されるまで(No)シートを集積するためステップS102を繰り返す。
3.第1番目のステープル位置への移動開始(ステップS103)
ステープルユニット501をシート束の背に沿って移動させる移動手段502のモータM6を正転させてステープル位置への移動を開始し次ステップに進む。
ここで、カウンタC22にモータM6の正転時の駆動パルスをカウントさせる。
4.第1番目のステープル位置への到着判断(ステップS104)
ステップS101で記憶した後処理に係る情報のうちステープルの種類(例えば平綴じ2箇所)と、ROMから図8のステープルユニット停止位置/カウンタのカウント値対応テーブルTE1とを読み出して、ステープルの種類(例えば平綴じ2箇所等)に応じたステープルユニット停止位置(例えば第1の綴じ位置SP1と第2の綴じ位置SP2)と、該ステープルユニット停止位置に対応するカウンタのカウント値(例えばCSP1とCSP2)を取得する。
そして、カウンタC22のカウント値と、一番ホームポジションHPに近いステープル位置(例えば第1の綴じ位置SP1)に対応するカウンタのカウント値(例えばCSP1)とを比較して一致した時第1番目のステープル位置へステープルユニット501が到着したと判断し(Yes)、モータM6を停止させ、次ステップに進み、一致するまで(No)ステップS104を繰り返す。
5.ステープル処理(ステップS105)
ステープルユニット501の打針機構を駆動してステープルSPを受針機構に向けて打ち込み、シート束のステープル処理を行い次ステップに進む。
6.停止箇所の判断、2箇所?(ステップS106)
ステップS101で記憶した後処理に係る情報のうちステープルの種類を読み出して、読み出したステープルの種類(例えば平綴じ2箇所)に対応する停止箇所を判断し、2箇所の場合は次ステップに進み、2箇所でない場合(No)は1箇所と判断してステップS110に進む。
ここで、端綴じと平綴じ1箇所とは1箇所で、平綴じ2箇所は2箇所である。
7.第2番目のステープル位置への移動開始(ステップS107)
移動手段502のモータM6を正転させて第2のステープル位置への移動を開始し次ステップに進む。
ここで、カウンタC22にモータM6の駆動パルスを継続してカウントさせる。
8.第2番目のステープル位置への到着判断(ステップS108)
ステップS104で記憶した第2番目の綴じ位置SP2に対応するカウンタのカウント値(例えばCSP2)を読み出す。
そして、カウンタC22のカウント値と、第2のステープル位置(例えば第2の綴じ位置SP2)に対応するカウンタのカウント値(例えばCSP2)とを比較して、一致した時(Yes)第2のステープル位置へステープルユニット501が到着したと判断してモータM6を停止させ、次ステップに進み、一致するまで(No)ステップS108を繰り返す。
9.ステープル処理(ステップS109)
前記ステップS105と同様なので説明を省略する。
10.ステープル済みシート束の排出ローラ対20への搬送(ステップS110)
中間スタッカ51の排出爪57を上昇させることにより、ステープル処理が行われたシート束S2を排出ローラ対20に向けて押し上げ、次ステップに進む。
11.ジョブ完了判断(ステップS111)
ステップS101で記憶した1つのジョブのステープル処理に係る情報のうち、冊子制作部数(例えば1部)を読み出して、読み出した制作部数と制作した部数を比較して、部数が一致すれば(Yes)ジョブが完了したと判断し次ステップに進み、部数が一致するまで(No)完了していないと判断し、更にステープル処理を継続し冊子を制作するためステップS102に進む。
12.ホームポジションに移動(ステップS112)
ステープルユニット501をホームポジションに移動するためモータM6を逆転させ、カウンタC22のカウント値が0となった時ホームポジションに移動完了したと判断しモータM6を停止させ次ステップに進む。
以上により、ステープル処理の種類に応じた位置にステープルユニット501を停止させ、当該位置でのステープル処理が可能となる。
図12はステープル処理を行ったシートの束を排出するフロー図である。
次に、図12を参照してステープル処理を行ったシートの束を排出するフローについて説明する。
1.シート束S2の搬送速度と排紙速度の取得(ステップS201)
前記ステップS101で記憶したステープル処理の種類(例えば平綴じ2箇所)と、ステープル種類/排紙速度対応テーブルTE2(図9)とを読み出す。
そして、テープル種類/排紙速度対応テーブルTE2(図9)のステープル種類欄TE21から、記憶したステープル処理の種類(例えば平綴じ2箇所)と一致するステープル種類(例えば平綴じ2箇所)を検索する。
次いで、搬送速度情報欄TE22から当該ステープル種類(例えば平綴じ2箇所)に対応する搬送速度情報(例えば平綴じ2箇所の場合500mm/sec)を取得し、排紙速度情報欄TE23から当該ステープル種類(例えば平綴じ2箇所)に対応する排紙速度情報(例えば平綴じ2箇所の場合300mm/sec)を取得し、それぞれRAMに記憶させ、次ステップに進む。
2.シート束S2の搬送(ステップS202)
排出ローラ対20を上下させるモータM5を駆動して上ローラ20Aを下方に揺動し、シート束のニップを可能とする。
モータM2を、排出ローラ対20の上ローラ20Aの周速がステップS201で記憶した搬送速度情報(例えば平綴じ2箇所の場合500mm/sec)と同じ周速となるように駆動させる。
そして、前記ステップS106またはステップS111で排出爪57により押し上げられてくるステープル済みのシート束を排出ローラ対20でニップして、搬送速度情報(例えば平綴じ2箇所の場合500mm/sec)で排紙トレイ40に向けて搬送し、次ステップに進む。
なお、排出ローラ対20によるシート束S2のニップは、モータM5を駆動して上ローラ20Aを下方に揺動しシート束S2を下ローラ20Bとの間に挟持する。
3.シート束S2の搬送完了判断(ステップS203)
シート束S2の先端部が排紙センサPS5をオンしてからタイマーC23による計時を開始し、t秒後(タイムアップ)に搬送が完了したと判断して次ステップに進み、タイムアップするまでステップS203を繰り返す。
前記t秒後とは、シート束S2の後端部以前が排出ローラ対20を通過し、シート束S2の後端部がまだ排出ローラ対20にニップされておりシート束S2を加速可能な時間で、予め設定されている。
また、t秒は各種シートサイズにより可変設定される。即ち、各種シートサイズ毎に、シート束S2の先端部が排紙センサPS5をONしてから、後端付近が排出ローラ対20に到達する時間が設定される。
4.シート束S2の排出(ステップS204)
搬送の完了により排紙トレイ40への排紙を行う。
ステップS201で記憶した排紙速度情報〔(例えば平綴じ1箇所の場合は500mm/sec)、平綴じ2箇所の場合は平綴じ1箇所より遅い300mm/sec〕を読み出す。
そして、モータM2の回転を、排出ローラ対20の上ローラ20Aの周速が読み出した排紙速度情報(例えば平綴じ1箇所の場合は500mm/sec、平綴じ2箇所の場合は300mm/sec)となるように設定し、搬送されたシート束S2を排出ローラ対20でニップして排紙トレイ40に排出し、次ステップに進む。
なお、排出ローラ対20によるシート束S2の排出中は、排出ローラ対20により継続してシート束S2を挟持する。
結果的に、シート束の排出中に搬送速度から排出速度にするため、搬送速度と排出速度との組み合わせによっては排出中に加減速を行うこともあり得る。
5.シート束S2の排出完了判断(ステップS205)
シート束S2の搬送完了即ちタイマーC23のタイムアップ後、所定時間(例えば後端が確実に排紙トレイ40上に放出される時間)後モータM2の回転を停止させ、モータM5を駆動して上ローラ20Aを上方に揺動しニップを解除し、次ステップに進む。
なお、下記の排紙トレイ40上に集積した用紙束数に応じて排紙速度を変えない場合はエンドに進む。
6.排紙トレイ40上の集積部数による排紙速度の変更(ステップS205)
ステップS202からステップS205を何回繰り返したか(即ち排紙トレイ40上に集積した用紙束数)をカウントする。
そして、カウント値が、ステープル済み用紙束を集積した時シート束が不揃えや散乱することなく積載できる限界の所定束数に等しくなった時、それ以降の排紙速度を下げ次ステップに進む。
なお、限界の所定束数を複数設け、各限界の所定束数に到達毎に排紙速度を下げ次ステップに進むようにしても良い。
ここでシート束が不揃えや散乱することなく積載できる限界は、排紙トレイ40の構造、集積する用紙の種類、ステープル状態等により変化するため、予め実験等を行い決定し、ROM等に記憶させておき、必要に応じて読み出す。
7.ジョブの終了判断(ステップS207)
前記ステップS101で記憶した1つのジョブのステープル処理に係る情報のうち、冊子制作部数(例えば1部)を読み出して、読み出した制作部数と排紙トレイ40上に放出、載置した部数を比較して、部数が一致すれば(Yes)ジョブが完了したと判断しエンドに進み、部数が一致するまで(No)更にステープル済みのシート束の搬送と排出を継続するためステップS202に進む。
以上により、ステープル処理の種類(ステープル位置、1箇所/2箇所)に応じてステープル済みのシート束の排出速度を変更可能となり、排紙トレイ上に排出されたシート束が不揃えや散乱することなく積載でき、その結果、プリントし直し等の必要がなく、生産性を向上させた後処理装置の提供が可能となる。
具体的にはステープル位置が1箇所の場合に比べて2箇所の場合に遅くすることにより、排紙トレイ上に集積されたステープル済みシート束の上を排出されたステープル済みシート束が飛び出すこともなくなり、シート束が不揃えや散乱することなく積載でき、その結果、プリントし直し等の必要がなく、生産性を向上させた後処理装置の提供が可能となる。
また、ジョブの間でも排紙トレイ40上の集積部数が所定数より大きくなった時に排紙速度の変更(減速)を行うので、更に安定して排紙トレイ上に排出されたシート束が不揃えや散乱することなく積載でき、その結果、プリントし直し等の必要がなく、生産性を向上させた後処理装置の提供が可能となる。
図13は排紙トレイ40上に集積された用紙束の検出センサによる排出速度の変更を説明するフロー図である。
1.センサPS1とPS2の用紙検出信号の監視(ステップS301)
センサPS1とPS2との、上部のシート束S2を検出した用紙検出信号を監視し、センサPS1とPS2のいずれかから用紙検出信号が入力されると次ステップに進み、入力されるまでステップS301を繰り返す。
2.排紙トレイ40の下降(ステップS302)
センサPS1又はPS2からの用紙検出信号の入力により所定時間モータM4を駆動させ排紙トレイ40を下降させ、次ステップに進む。
3.ジョブの終了判断(ステップS303)
前記ステップS101で記憶した1つのジョブのステープル処理に係る情報のうち、冊子制作部数(例えば1部)を読み出して、読み出した制作部数と排紙トレイ40上に放出、載置した部数を比較して、部数が一致すれば(Yes)ジョブが完了したと判断しエンドに進み、部数が一致するまで(No)更にセンサPS1又はPS2からの用紙検出信号に応じて排紙トレイ40の下降を行うためステップS301に進む。
以上により、排紙トレイ40上に積載されたシート束の上部の高さがステープルによってシート面の各位置で異なったり、仮に不揃えや散乱してしまっても安定して排紙トレイ40の下降が可能となり、その結果排紙トレイ40上にシート束の排紙が安定して可能となり、生産性を向上させた後処理装置の提供が可能となる。
従来の後処理装置によりステープル済みのシート束を排紙トレイ上に集積した説明図である。 後処理装置と、該後処理装置を有する画像形成システムを示す図である。 第1及び第2搬送路によるシートS1の搬送経路を示す模式図である。 第3及び第4搬送路によるシートS1の搬送経路を示す模式図である。 シート後処理装置の駆動系を示す構成図である。 排出ローラ対の上下動に関する駆動系を示す構成図である。 ステイプラの説明図である。 ステープル処理が可能な後処理装置と、該後処理装置と画像形成装置を有する画像形成装置のブロック図である。 ステープルユニット停止位置/カウンタのカウント値対応テーブルTE1の説明図である。 ステープル種類/排紙速度対応テーブルTE2の説明図である。 後処理装置のステープル処理を行うフロー図である。 ステープル処理を行ったシートの束を排出するフロー図である。 排紙トレイ40上に集積された用紙束の検出センサによる排出速度の変更を説明するフロー図である。
符号の説明
11 入口部ローラ対
12 搬送ローラ対
14 搬送ローラ対
16 搬送ローラ対
20 排出ローラ対(排出手段)
40 排紙トレイ
50 ステイプラ
51 中間スタッカ51
A 画像形成装置
B 後処理装置
C1 制御手段
C2 制御手段
C11 通信手段
C21 通信手段
M1 モータ
M2 モータ
P 操作パネル
PS1 センサ
PS2 センサ
S1 シート
S2 シート束

Claims (3)

  1. 複数のシートをステープル処理するステイプラとステープル処理したシート束を排紙トレイに排出する排出手段と該排出手段を駆動する駆動手段とを有する後処理装置において、
    前記シート束の後端を前記排紙トレイへ放出する際の前記排出手段の排出速度を、ステープル位置に応じて可変させるよう、前記駆動手段を制御する制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記シート束に2箇所ステープルする場合の前記排出速度を1箇所ステープルする場合の前記排出速度に比べ遅くすることを特徴とする後処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記排紙トレイに排出されたステープル済みのシート束の数に応じて前記排出速度を可変させることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
  3. 画像を形成する画像形成装置と、該画像形成装置から給紙されたシートを後処理する請求項1又は2に記載の後処理装置とを有することを特徴とする画像形成システム。
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