JP5023688B2 - 電気泳動ディスプレイの表示方法、駆動制御装置、電気泳動ディスプレイ、および電子機器 - Google Patents
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Description
このような電気泳動ディスプレイは、例えば白黒二色の極性が異なる電気泳動粒子を有し、これらの粒子を挟んでディスプレイの表側と裏側とに対向配置された各電極に表示画像に応じた極性の電位を印加することにより、表示を行う。
ここで、電気泳動ディスプレイでは、特に長時間、白や黒などに表示が保持された部位などで、粒子の固着等による残像が出やすくなることから、表示品質改善のため、印加電界の極性を反転させて表示色を反転させる白黒反転処理や、白から黒へ、再び白へと、或いは、黒から白へ、再び黒へと表示色を反転させるリフレッシュ処理等が所定周期で行われることがある。
すなわち、アニメーション中の画像領域の各部位における粒子の移動が表示品質の改善効果を発揮することになり、従来、通常表示状態から白黒反転処理やリフレッシュ処理に移行する際に感じられた違和感を無くすことができる。つまり、本発明におけるアニメーション表示は、従来、表示品質改善のためだけに行われていたリフレッシュや白黒反転の処理を兼ねるため、これらの処理を不要にでき、信頼性確保と自然な表示画像とを両立できる。
、表示品質を確保できる。
すなわち、前記第1発明と略同様に、モード切替え中の画像領域の各部位における粒子の移動が表示品質の改善効果を発揮することになるので、信頼性確保と自然な表示画像とを両立できる。
また、画像領域の各部位の粒子移動に伴う表示書き換えそのものをアニメーションとして構成することも可能なことから、この表示書き換えを画像表現力の向上に繋げることもでき、電気泳動ディスプレイの表示画像の意匠性を向上させることができる。
なお、モード切替を所定周期で行っても良い。さらに、前記他のモードは、設定されている時差を表示する時差設定モードであってもよい。
この発明によれば、前述した電気泳動ディスプレイを備えることにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
また、前述のように、表示画像の意匠性が高い電気泳動ディスプレイを具備することから、時計の外観意匠性にも貢献できる。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態の電子機器としての電子時計1の斜視図である。この時計1は、円環状のケース2の外周部に沿って表示パネル30が設けられ、その環の中に腕などを通して装着するバングルタイプのウォッチとされている。
ケース2は、ケース本体21と、フランジ部材22とで構成される。
ケース本体21は、円筒状に形成され、その一方の開口端縁にはケース2の径方向に突出するフランジ211が設けられ、他方の開口端縁にはケース2の径方向に突出するネジ固定部212が複数箇所形成されている。
フランジ部材22は、リング状の板材で形成され、前記ネジ固定部212にねじ込まれるネジ24によってケース本体21に固定されている。これにより、フランジ部材22はフランジ211に対向して設けられ、その間に表示パネル30を収納する空間が形成されている。
カバーガラス5は、透明な円筒状の樹脂材やサファイアガラス等で構成され、表示パネル30の外周面に装着されて、各フランジ211およびフランジ部材22で保持されている。
図3は、表示モジュール3の構成を示す平面図であり、図4は、表示パネル30の断面図である。これらの図3および図4では、分かり易くするために、表示モジュール3を平面的(湾曲していない状態)に表した。
表示モジュール3は、表示パネル30と、制御回路基板40とを備え、これらは異方性導電膜(ACF;Anisotropic Conductive Film)などによる配線部材412で互いに接続されている。
そして、制御回路基板40は、配線部材412部分で折り曲げられ、図2に示した中枠25の電池ホルダ29とリング部材26,27との間に形成された溝部分に前記配線部材412を配置することで、中枠25内周面に折り返されて配置されている。
また、表示パネル30は、接着剤によってケース2に接着されている。なお、接着剤の他に両面テープなどを用いてもよい。
図3に示す制御回路基板40は、基板31,32と同様に、ポリイミドやポリエステルなどの可撓性を有する樹脂から形成されたフレキシブル基板である。制御回路基板40上には、時計1全体を制御するコントローラ425と、表示パネル30を駆動するドライバIC426と、タッチセンサ427とがそれぞれ互いに重なることなく実装されている。なお、各タッチセンサ427用の操作ボタン(図示略)がそれぞれケース2に設けられている。
また、駆動回路素子425と配線部材412とは、制御回路基板40に形成された配線(図示略)によって互いに接続されている。
なお、制御回路基板40は、電池ホルダ29(図2)に装着されるボタン型電池(電源)に電気的に接続され、この電源から供給される電力で駆動される。
表示パネル30は、ケース2の外周部に沿って帯状に設けられ、図4に示すように、表示基板31と、透明基板32と、これら基板31,32間に設けられた電気泳動層33とを有して構成されている。ここで、透明基板32および表示基板31は、ポリイミドやポリエステル等の可撓性を有する樹脂から形成されている。
このような表示パネル30は、図2に示すように、中枠25の外周面に沿って湾曲されその両端間に前記電池ホルダ29が配置されている。このため、電池ホルダ29の表面側には電池ホルダ29を覆う図示しない飾り板が取り付けられる。
セグメント電極310の表面には、接着剤(接着層)ADが設けられることにより、複数のマイクロカプセル330が接着されている。これらのマイクロカプセル330は、電気泳動層33を構成する。
図5は、表示パネル30における電気泳動層33を示す模式図である。電気泳動層33は、多数のマイクロカプセル330が密集して配置されることによって形成され、各マイクロカプセル330には、多数の帯電粒子が分散した電気泳動粒子分散液331がそれぞれ封入されている。電気泳動粒子分散液331では、黒色の電気泳動粒子(以下、黒粒子という)331Aと、白色の電気泳動粒子(以下、白粒子という)331Bとが分散され、二色の粉体流体方式の電気泳動層が構成されている。これら黒粒子331Aおよび白粒子331Bは、互いに異なる極性に帯電しており、本実施形態では、黒粒子331Aがプラス(正)に帯電し、白粒子331Bがマイナス(負)に帯電している。
なお、電界印加が停止されると、黒粒子331A,白粒子331Bの移動も止まり、そのままの表示色が保持される。
図6は、表示パネル30の画像領域を示す平面図である。このように表示パネル30の画像領域略全体に亘って数字や文字等が分散するようにレイアウトされている。これらの数字や文字1つ1つに対応して、それら数字や文字の形状に形成されたセグメント電極310がそれぞれ設けられている。これらのセグメント電極310は、時桁表示や、十分桁表示、一分桁表示など複数種類の表示要素に分けられるが、これらをセグメント電極310と総称する。
図6は、背景以外のすべてのセグメント電極310に対応する領域を黒色で表示した状態となっている。
図7は、制御回路基板40(図3)の電気的構成を示すブロック図である。制御回路基板40は、コントローラ425に実装される駆動制御部61と、ドライバIC426(図2)に実装される表示駆動部62とを有する。
駆動制御部61は、表示駆動部62に対する入出力を行う入出力部611と、計時する計時部612と、電源420から各回路素子425〜427に電力を供給する電圧制御部613と、操作ボタン(図示省略)の操作を検出する操作検出部614と、これらの各部611〜614の動作を制御する制御部615とを有する。
また、表示駆動部62は、表示パネル30の共通電極320と各セグメント電極310との間に電圧を印加する駆動信号を表示パネル30に印加する。
次に、図8のアニメーション駆動制御部615Aにより、表示パネル30の画像領域に定期的にアニメーションを表示するアニメーション表示工程について説明する。
このアニメーション表示工程では、毎正時(0時および12時)にAMPMアニメーションを表示し、1時間毎に1時間毎アニメーションを表示する。
図9〜図10は、毎正時に表示されるAMPMアニメーションを示す。このAMPMアニメーションは、図9〜図10に示した(A)〜(S)の一連の画像から構成されている。これら(A)〜(S)の各画像は、電気泳動粒子331A,331B(図5)の泳動により、連続的に表示される。
すなわち、背景表示用の駆動電極への電位印加と、略全てのセグメント電極310への電位印加とにより、表示パネル30の画像領域内の略全ての部位それぞれに電界が印加され、当該部位における表示色が変更される。
このような各数字の表示により、表示パネル30の周方向に沿って各数字が流れるように表現されている。
図11〜図13は、表示パネル30の画像領域に1時間毎に表示される1時間毎アニメーションを示す。この1時間毎アニメーションは、図11〜図13に示した(A)〜(Q)の一連の画像から構成されている。
なお、前述したAMPMアニメーションの表示によって、表示パネル30の表示画像が午前/午後で白黒反転するため、現在時刻が表示されている状態として、図11(A)のように黒色が背景色の場合と、これと反対に、白色が背景色の場合とがある。すなわち、1時間毎アニメーションも、図11〜図13に示した第1パターンと、図示しない第2パターンとの二通りある。これら第1、第2パターンの表示処理は略同様に行われる。
すなわち、背景表示用の駆動電極への電位印加と、略全てのセグメント電極310への電位印加とにより、表示パネル30の画像領域内の略全ての部位それぞれに電界が印加され、当該部位における表示色が変更される。
そして、(G)〜(P)にかけて、背景色が白色から黒色へと次第に変わる間、時桁の一連の数字が順次白色から黒色へと、さらに黒色から白色へと、また再び白色から黒色へと繰り返し変更される。
これらの時桁の数字の表示色は、適宜ずらしたタイミングで変更され、表示パネル30の周方向に沿って各数字が流れるように表現されている。
次に、時計1の表示モードをモード切替制御部615B(図8)によって切り換えるモード切替工程について説明する。
本実施形態の時計1が有する複数の表示モードのうち、表示パネル30に現在時刻を表示する通常モードから、時差設定モード(都市変更モード)への切替えを例にとり、説明する。
すなわち、通常モードの時刻表示画面を示す(A)から、各タイムコードが表示された時差設定モードの表示画面を示す(F)に移行する間、背景表示部とこれに同調するセグメントとによって構成される背景画像が次第に白黒反転するとともに、時桁の数字の色が順次変更され、時差設定画面(F)では、時桁の数字およびタイムコードを示す文字等がそれぞれ表示される。
なお、図14(A)とは違って表示パネル30の背景色が白色の場合にも、各セグメント電極310および背景表示用の電極が適宜選択され、これら電極に対応する表示パネル30の画像領域の各部位それぞれに電界が印加され、表示色が変更される。
つまり、これらのアニメーションおよびモード切替表示はそれぞれ、従来、表示品質改善のためだけに行われていたリフレッシュや白黒反転の処理を兼ねている。
図9〜図14にそれぞれ示した画像表示を実現する表示パネル30の駆動方法について説明する。表示パネル30は、表示駆動部62(図7)によって駆動される。
図15は、表示駆動部62により、共通電極320に印加される駆動信号COM、および3つの異なるセグメント電極310に印加される駆動信号SEG1,SEG2,SEG3の電圧波形の一例を示す。
本例では、駆動信号SEG1は、黒色から白色に変更される部位のセグメント電極310に印加され、駆動信号SEG2は、白色から黒色に、そしてまた白色に変更される部位のセグメント電極310に印加される。また、駆動信号SEG3は、図15に示した範囲では表示色が黒色に保持される部位のセグメント電極310に印加される。
そして、駆動信号SEG3は、駆動信号COMと同位相かつ同電位のパルスとされており、表示色は黒色のままとなる。
なお、背景表示部の表示色を変更する際には、その背景表示用の駆動電極にSEG1、SEG2に例示されたような駆動信号を印加すればよい。
また、各駆動信号の電位や印加パルス数等に応じて、表示色を変更する速度などが任意に設定される。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)電気泳動ディスプレイとしての表示パネル30を備える時計1は、定時アニメーション表示機能および複数のモードを有し、表示パネル30に表示されるアニメーション(図9〜図10)や、モード切替の際の表示(図11〜図13)において、表示パネル30の画像領域における略全ての部位の表示色が少なくとも一度は反転する。
これにより、電気泳動粒子331A,331Bが少なくとも共通電極320およびセグメント電極310(および背景表示用の電極)の間の距離に応じた分、移動するので、粒子331A,331Bの固着等を十分に防止できる。従って、表示パネル30の表示品質を確保できる。
すなわち、アニメーション表示やモード切替の際の表示により、従来のリフレッシュや白黒反転の処理を不要にできるので、信頼性確保と自然な表示画像とを両立できる。
以上、本発明の実施態様について具体的に示したが、前記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能である。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (11)
- 画像領域内の各部位それぞれにおいて電気泳動粒子の移動により二色の表示が可能な電気泳動ディスプレイに適用される表示方法であって、
一連の表示画像からなるアニメーションを定期的に表示するアニメーション表示工程を備え、
前記アニメーション表示工程では、前記画像領域の全ての部位それぞれに電界を印加し、当該部位における表示色を前記二色間で少なくとも一度は反転させることにより、前記アニメーションを表示する
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの表示方法。 - 画像領域内の各部位それぞれにおいて電気泳動粒子の移動により二色の表示が可能な電気泳動ディスプレイに適用される表示方法であって、
予め設定された複数の表示モードのうち、現在時刻を表示する一のモードから現在時刻以外の情報を表示する他のモードに切り替えるモード切替工程を備え、
前記モード切替工程では、前記画像領域の全ての部位それぞれに電界を印加し、当該部位における表示色を前記二色間で少なくとも一度は反転させる
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの表示方法。 - 請求項2に記載の電気泳動ディスプレイの表示方法において、
前記他のモードは、設定されている時差を表示する時差設定モードである
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの表示方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の電気泳動ディスプレイの表示方法において、
前記画像領域への電界印加は、当該画像領域における一の部位と、他の部位とで相対的にタイミングをずらして行う
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの表示方法。 - 画像領域内の各部位それぞれにおいて電気泳動粒子の移動により二色の表示が可能な電気泳動ディスプレイに適用される駆動制御装置であって、
一連の表示画像からなるアニメーションを前記画像領域に定期的に表示させるアニメーション駆動制御部を備え、
前記アニメーション駆動制御部は、前記画像領域の全ての部位それぞれに電界を印加させ、当該部位における表示色を前記二色間で少なくとも一度は反転させることにより、前記アニメーションを実現する
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの駆動制御装置。 - 画像領域内の各部位それぞれにおいて電気泳動粒子の移動により二色の表示が可能な電気泳動ディスプレイに適用される駆動制御装置であって、
予め設定された複数の表示モードのうち、現在時刻を表示する一のモードから現在時刻以外の情報を表示する他のモードに切り替えさせるモード切替制御部を備え、
前記モード切替制御部は、前記画像領域の全ての部位それぞれに電界を印加させ、当該部位における表示色を前記二色間で少なくとも一度は反転させる
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの駆動制御装置。 - 請求項5または6に記載の電気泳動ディスプレイの駆動制御装置において、
前記画像領域への電界印加は、当該画像領域における一の部位と、他の部位とで相対的にタイミングをずらして行わせる
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイの駆動制御装置。 - 画像領域内の各部位それぞれにおいて電気泳動粒子の移動により二色の表示が可能な電気泳動ディスプレイであって、
前記画像領域には、一連の表示画像からなるアニメーションが定期的に表示され、
前記アニメーションは、前記画像領域の全ての部位それぞれに電界が印加されて当該部位における表示色が前記二色間で少なくとも一度は反転されることにより、表示されている
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイ。 - 画像領域内の各部位それぞれにおいて電気泳動粒子の移動により二色の表示が可能な電気泳動ディスプレイであって、
予め設定された複数の表示モードのうち、現在時刻を表示する一のモードから現在時刻以外の情報を表示する他のモードに切り替えられる際に、
前記画像領域の全ての部位それぞれに電界が印加され、当該部位における表示色が前記二色間で少なくとも一度は反転される
ことを特徴とする電気泳動ディスプレイ。 - 請求項8または9に記載の電気泳動ディスプレイを備える
ことを特徴とする電子機器。 - 請求項10に記載の電子機器において、
計時を行う計時部を備えて時計として構成され、
前記画像領域には少なくとも、前記計時部による計時情報が表示される
ことを特徴とする電子機器。
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