以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1Aの正面図である。本実施形態においては、電子時計1Aは表示モードとして2つのモードST1、ST2を有している。図1において、ST1は第1モード、ST2は第2モードの表示モードにおける電子時計1Aの表示例を示している。
電子時計1Aは、ケース2と、EPD(電気泳動表示装置)3と、時針4A、分針4B、秒針4Cからなる指針4を有する指針時計部5を含む。
ケース2には、操作を受け付ける受付手段として、ボタン6および7が設けられている。また、図1には図示はされていないが、指針時計部5には太陽電池20が文字盤部分に埋設されている。この太陽電池20は発電手段として機能し、光を受光して発電可能なように形成されている。
電子時計1Aの動作モードは、通常において通常表示モードである。このとき、表示モードは時刻情報などの通常表示を行う第1モードである(図1のST1)。しかし、通常表示を維持できない理由が生じた場合に、その理由をユーザーに知らせるために、表示モードが第2モードに切り替わる(図1のST2)。通常表示を維持できない理由とは、例えば埋設された太陽電池が発電できない状態が続いたため、EPD3で通常表示を行わないことで消費電力を抑えるパワーセーブモードになることである。
そして、第2モードにおいて、EPD3に表示される前記理由の表示位置を、現在の位置から変更させるための条件(理由表示位置変更条件)が満たされると、その都度、前記理由を表す視覚表現のEPD3上の位置は変化する。この位置の変化により画面の焼き付きを防止することができる。理由表示位置変更条件とは、例えば前記視覚表現が現在の位置に表示されて所定時間が経過したことである。ただし、前記通常表示を維持できない理由が解消されれば、再び、時刻情報などの通常表示を行う第1モードに戻る(図1のST1)。
以下、前記表示モードST1、ST2のそれぞれについて説明を行う。なお、遷移条件TC1、TC2A、TC2B、TC3Aは、前記表示モードST1、ST2を切り替える条件である。これらの遷移条件については、後に図2を用いて説明する。
図1の第1モードST1は、電子時計1AがEPD3に通常表示を行う表示モードである。ここで、通常表示とは時刻表示を含む電子時計としての諸表示をいう。図1の第1モードST1に属する電子時計1A(図1左上)のように、時刻情報のみならず、世界時計機能で選択されたロケーション(例えばTOKYO)をEPD3に表示してもよい。他にも、アラーム時刻や現在選択されている機能を表すアイコンなどを表示してもよい。
第1モードST1では、EPD3に表示される時刻情報の表示は1分又は1時間毎に更新され、必要に応じてコントラストを保つリフレッシュ動作や、DCバランスを保つための書き換え(例えば表示の反転)等も行われる。また指針時計部5による時刻表示も行われる。
図1の第2モードST2は、電子時計1AがEPD3に前記通常表示を行わない理由を所与の視覚表現によって表示する表示モードである。ここで、前記通常表示を行わない理由は、電力消費を抑えるために、電子時計1Aが動作モードをパワーセーブモードに設定したことであるとする。このとき、図1の第2モードST2に属する電子時計1A(図1右側)のように、パワーセーブモードであるため通常表示がされない旨を示す視覚表現(例えばPOWER SAVE)をEPD3に表示する。なお、前記視覚表現はメッセージや文章に限らず、文字、アイコン、図形、特定の色や光などであってもよい。
第2モードST2において、メモリー性を有する表示パネルであるEPD3は、前記視覚表現を表示した後、駆動信号(制御信号)の入力がなくても前記視覚表現を表示し続けられる。具体的には、EPD3の駆動電極(例えば、セグメント電極や画素電極)および共通電極に電圧を印加せず、ハイインピーダンス状態のままにしておいても、前記視覚表現はEPD3に表示され続ける。よって、電子時計1Aは、電力を消費することなく、通常表示を行わない理由を所与の視覚表現(例えばPOWER SAVE)でユーザーに知らせることができる。なお、EPD3はリフレッシュ動作を行わなくても数日は表示を維持できる。なお、EPD3の動作を停止したままにすることで生じてしまうコントラスト低下などの表示品質劣化を防止するために、リフレッシュ動作を行ってもよい。また、本実施形態において、第2モードST2では指針時計部5の運針は停止される。
本実施形態では、電子時計1Aの表示モードST1、ST2の切り替え制御により、通常表示を行わない場合に、電力消費を抑えつつ、その理由をユーザーに知らせ、かつ、同理由の長時間の表示によってEPD3の焼き付きが生じないようにできる。
図2は、本実施形態の電子時計1Aの表示モードの切り替えを示す状態遷移図である。前記表示モードの切り替えは、図3に示す表示制御回路14、モーター駆動制御回路18、停止時間カウンター23などの制御手段によって行われてもよい。図2の第1モードST1、第2モードST2はそれぞれ図1のST1、ST2に対応する。
前述の通り、電子時計1Aの表示モードは、通常において時刻情報などの通常表示を行う第1モードである(図2のST1)。しかし、通常表示を維持できない理由が生じた場合に、その理由をユーザーに知らせるために、表示モードが第2モードに切り替わる(図2のST2)。第2モードにおいては、画面の焼き付きを防止するために、理由表示位置変更条件が満たされる度に、前記理由の表示位置を変更する。そして、前記通常表示を維持できない理由が解消されれば、再び、時刻情報などの通常表示を行う第1モードに戻る(図2のST1)。
以下に、本実施形態における第1、第2モード間の遷移条件であるTC1、TC3Aと理由表示位置変更条件TC2について説明する。
電子時計1AがEPD3に通常表示を行う第1モードST1において、遷移条件TC1を満たした場合に、前記通常表示を行わない理由を所与の視覚表現によって表示する第2モードST2へと遷移する。遷移条件TC1は、例えば電子時計1Aの発電状態を検出できない非発電継続時間が予め設定された設定時間(例えば24時間)以上になることでもよいし、電子時計1Aの電源電圧が予め設定された設定電圧未満になることでもよいし、電子時計1Aの温度が予め設定された設定温度範囲外になることでもよい。
第2モードST2において、遷移条件TC3Aを満たした場合には、第1モードST1に遷移する。遷移条件TC3Aは、第2モードST2に遷移した理由が解消されることでもよい。例えば、発電状態を検出できない状態の継続、電源電圧の低下、温度の設定温度範囲外となったこと、といった第2モードST2へ遷移した理由が解消されることで、通常表示を行う第1モードST1に遷移してもよい。
第2モードST2において、理由表示位置変更条件TC2を満たした場合には、表示モードは第2モードST2のままで、前記視覚表現の表示位置を変更してもよい。理由表示位置変更条件TC2は、例えば、同一位置に前記視覚表現が継続して表示される時間が所与の時間を経過することでもよいし、ボタン6、7(図1)などの入力手段によって所定の操作が行われることでもよい。なお、理由表示位置変更条件TC2は図1のTC2A、TC2Bに対応する。
理由表示位置変更条件TC2を満たした場合には、前記視覚表現の表示位置が変更されるので、画面の焼き付きを防止することができる。この表示位置の変更は、前記視覚表現の一部が重なっている場合も含むが、特に、前回の表示とは重なりのない位置に表示位置を変更した場合には(例えば、図1のST2参照)、前回の表示はすべて消去されるために画面の焼き付き防止の効果が高い。さらに前回の表示として、直前だけでなく、直前及びそれ以前の表示も含むならば、さらに画面の焼き付き防止に効果がある。
図3は、本実施形態における電子時計1Aのブロック図を表す。前記の表示モードの切り替えは、例えば図3の構成によって実現可能である。
電子時計1Aは、図3に示すように、発振回路11、分周回路12、計時カウンター13、表示制御回路14、EPD3、ボタン6、7で入力されるスイッチ15、16、時刻修正回路17、モーター駆動制御回路18、指針4を駆動するステップモーター19、太陽電池20、発電検出回路21、タイマー22、停止時間カウンター23、充電制御回路24、二次電池25を備えている。
発振回路11は、水晶振動子やセラミック振動子等の基準発振源を高周波発振させ、基準発振信号を生成する。
分周回路12は、発振回路11で生成された基準発振信号を分周して所定の基準信号(例えば、1Hzの信号)を生成する。
計時カウンター13は、分周回路12で生成された基準信号をカウントして現時刻を計時する。また、計時カウンター13は、時刻修正回路17から入力される時刻修正信号に基づいて、カウンター値つまり現時刻情報を修正する。
表示制御回路14は、表示モードが第1モードST1であると判断した場合には、計時カウンター13で計時された現時刻の情報に基づいてEPD3の表示を制御して通常表示を行う。
また、表示制御回路14は、通常表示を維持できない事を伝える信号(例えば、パワーセーブ移行信号)に基づいて、表示モードが第2モードST2であると判断した場合には、EPD3に視覚表現を表示させてユーザーに通常表示を行わない理由を知らせる。
そして、表示制御回路14は、表示モードが第2モードST2になってから理由表示位置変更条件TC2を満たした判断した場合には(例えば、所定時間経過や外部入力操作)、EPD3の視覚表現の表示位置を変更する表示制御を行って、画面の焼き付きを防止する。
また、表示制御回路14は、電子時計1Aの状態を知らせる入力信号(例えば、通常表示モード復帰信号)に基づいて、表示モードが第2モードから第1モードへと復帰したと判断した場合にも、計時カウンター13で計時された現時刻の情報に基づいてEPD3の表示を制御して通常表示を行う。
スイッチ15、16は、ボタン6、7を押した際にそれぞれ入力される。すなわち、スイッチ15、16は、ボタン6、7の入力を検出する入力検出手段である。
時刻修正回路17は、各スイッチ15、16からの信号、つまり各ボタン6、7の入力操作に基づき、時刻修正信号を計時カウンター13、モーター駆動制御回路18に出力する。
各スイッチ15、16からの信号は、表示制御回路14にも入力される。表示制御回路14は、各ボタン6、7の所定の操作を検出し、表示モードが第2モードST2である場合に理由表示位置変更条件TC2を満たしたと判定してもよい。ボタン6、7の所定の操作とは、例えば、ボタン6を2回押した後にボタン7を1回押すといったユーザーによる操作をいうが、このような例に限らない。
表示モードが第1モードである場合には指針時計部5の時刻表示更新のために、モーター駆動制御回路18は、分周回路12で生成された基準信号に基づいてステップモーター19にモーター駆動パルスを出力し、指針4をステップ運針する。
また、モーター駆動制御回路18は、時刻修正回路17からの時刻修正信号を受け取り、ステップモーター19にモーター駆動パルスを出力し、指針4の指示を修正する。
充電制御回路24は、太陽電池20で発電された電力を二次電池25に充電する制御を行う。
発電検出回路21は、太陽電池20における発電状態を検出し、太陽電池20が発電状態である際に発電検出信号をタイマー22に出力する。従って、発電検出回路21により本実施形態の発電検出手段が構成される。
タイマー22は、計時カウンター13から出力される時刻信号に基づいて経過時間を計測する。具体的には、タイマー22は、計時カウンター13から1分毎、つまり分桁上げがあった場合に出力される信号を受けてカウントアップし、24時間までの経過時間を計測できるように構成されている。
そして、タイマー22は、発電検出回路21から発電検出信号が出力されるとリセットされる。このため、タイマー22は、発電が行われていない期間をカウントすることになる。従って、タイマー22により、本発明の非発電計測時間測定手段が構成される。
また、タイマー22は、計測した時間が予め設定された時間、本実施形態では24時間になると、電子時計1Aの動作モードをパワーセーブモードに移行するためのパワーセーブ移行信号を出力し、また、発電検出回路21から発電検出信号が入力されてリセットされると動作モードを通常表示モードに復帰するための通常表示モード復帰信号を出力する。
ここで、前記パワーセーブ移行信号は、表示モードを第2モードに切り替える信号として表示制御回路14に入力される。すなわち、前記パワーセーブ移行信号により遷移条件TC1が満たされる。そして、表示制御回路14は、EPD3にパワーセーブ中であることを示す「POWER SAVE」というメッセージ(視覚表現)を表示させる。
また、前記通常表示モード復帰信号は、表示モードを第1モードST1に切り替える信号として表示制御回路14に入力される。すなわち、前記通常表示モード復帰信号により遷移条件TC3Aが満たされる。そして、表示制御回路14は、EPD3に時刻などの通常時の情報を表示させる。
なお、パワーセーブ移行信号はモーター駆動制御回路18にも入力される。そして、駆動制御回路18は、モーター駆動信号の出力を停止し、ステップモーター19の駆動、つまり指針4の運針を停止する。これにより、電力の消費を更に抑えることができる。
停止時間カウンター23は、タイマー22からパワーセーブ移行信号が出力されると、分周回路12からの基準信号をカウントして停止時間をカウントする。そして、タイマー22から通常表示モード復帰信号が入力されると、停止時間のカウントを中止する。
このカウントされた停止時間は停止時間情報として表示制御回路14に入力される。
また、表示制御回路14は、前記停止時間で10分の桁上げがあったと判断した場合には、理由表示位置変更条件TC2を満たしたとして、その都度EPD3の前記視覚表現の表示位置を変更する表示制御を行う。
また、前記通常表示モード復帰信号と停止時間情報はモーター駆動制御回路18にも入力される。前記通常表示モード復帰信号により、モーター駆動制御回路18は前記停止時間情報に基づいてステップモーター19を早送りし、運針を停止していた指針4を現時刻に修正する。
このように、本実施形態の制御手段は、表示制御回路14、モーター駆動制御回路18、停止時間カウンター23を備えて構成される。
なお、EPD3は、本実施形態では、黒色の電気泳動粒子と白色の電気泳動粒子が分散した電気泳動粒子分散液がマイクロカプセルに封入された二色の粉体流体方式の電気泳動層を用いている。よって、少なくとも、第1色として黒色を、また、第2色として白色を表示することができる。なお、EPD3の表示方式はセグメント方式でも、TFT回路などを用いたドットマトリクス方式でもよい。
図4は、本実施形態の電子時計1Aの制御のフローチャート図である。
電子時計1Aは、まず、発電検出回路21によって太陽電池20で発電が行われているかを検出する(S10)。太陽電池20で発電が行われていると充電制御回路24を介して二次電池25が充電される。
S10で発電が検出されると、発電検出回路21はタイマー22に発電検出信号を出力する。
そして、タイマー22は、タイマー22で計測している時間が24時間になっているか否かを判定する(S12)。
タイマー22が24時間になっていない場合は、電子時計1Aの動作モードは通常表示モードのままである。よって表示モードとしては、通常表示を行う第1モードST1が継続して実行される。具体的には、表示制御回路14は、計時カウンター13からの情報に基づき、EPD3で現在時刻を表示する(S14)。また、停止時間カウンター23において停止時間がカウントされていた場合、つまり動作モードがパワーセーブモードから通常表示モードに復帰した場合には、モーター駆動制御回路18は停止時間カウンター23からの情報に基づき、停止していた時間分だけステップモーター19を駆動し、運針を停止していた指針4を、現在時刻を指示する位置まで移動する(S16)。なお、停止時間カウンター23は、S16の処理が行われるとリセットされる。
また、タイマー22は、S10で発電検出があった場合は、S12で「Yes」、「No」のいずれの場合もタイマーをリセットする(S18)。
次に、計時カウンター13は、分周回路12から基準信号(例えば1Hz)の入力があったか、つまり秒カウントがあるかを判定する(S20)。
なお、S10で発電検出が無かった場合は、S12、S14、S16、S18は処理されず、秒カウントの判定処理S20が行われる。
S20で秒カウントがなかった場合は、サブルーチン外部入力処理S50が実行され、その後処理が続行される。外部入力処理S50については後に説明する。
一方、S20で秒カウントがあった場合、つまり基準信号が入力された場合、計時カウンター13はカウントアップする(S22)。
次に、タイマー22は、現在のカウント時間が24時間になっているかを確認する(S24)。
ここで、タイマー22が24時間になっている場合には、電子時計1Aの動作モードはパワーセーブモード状態にある。このとき、パワーセーブモード信号が出力されるため、停止時間カウンター23は分周回路12からの基準信号に基づいてカウントアップする(S26)。つまり、停止時間カウンター23では、パワーセーブモードになってからの継続時間がカウントされる。また、パワーセーブモード信号は、表示制御回路14へも入力されて表示モードにも影響を与える。動作モードがパワーセーブモードである場合には、表示モードは後述する処理により第2モードST2の状態となる。
一方、S24でタイマー22が24時間になっていない場合には、電子時計1Aの動作モードは通常表示モードである。よって、モーター駆動制御回路18はステップモーター19を1ステップ駆動し、指針4を運針する(S28)。従って、指針4の秒針4Cは1秒毎のステップ運針により駆動される。
次に、計時カウンター13は分桁上げが行われたか否かを判定する(S30)。すなわち、計時カウンター13の秒カウンターが60秒に達し、分カウンターをカウントアップした時点で、分桁上げが行われたと判定される。
ここで、分桁上げが行われなかった場合、S10に戻り、上記の処理を繰り返す。
一方、S30で分桁上げが行われた場合、再び、タイマー22は、現在のカウント時間が24時間になっているかを確認する(S32)。
S32でタイマー22が24時間になっていない場合には、電子時計1Aは通常表示モードである。計時カウンター13は分カウント信号をタイマー22に出力する。タイマー22は、分カウント信号に基づきカウントアップする(S34)。すなわち、タイマー22は、1分毎にカウントアップし、発電が行われていない経過時間をカウントする。
次に、タイマー22が24時間に達したかを確認する(S36)。タイマー22は、24時間に達していると、表示制御回路14にパワーセーブ移行信号を出力する。これにより、表示モードは第2モードST2に切り替えられ、表示制御回路14は、EPD3に「パワーセーブ中」であることを示す視覚表現(例えばPOWER SAVE)を表示する(S38)。そして、S10に戻り、フローチャート図に従い処理を繰り返す。
一方、S36で24時間に達していない場合、表示モードは第1モードST1であり、表示制御回路14はEPD3に現在時刻の表示を更新する(S40)。すなわち、表示制御回路14はEPD3に現在の時分を表示し、その表示を更新する。そして、S10に戻り、フローチャート図に従い処理を繰り返す。
ここで再びS32に戻る。S32でタイマー22が24時間になっている場合には、動作モードはパワーセーブモードである(S32のY)。前記の通り、タイマー22が24時間に達して(S36のY)、表示制御回路14にパワーセーブ移行信号が入力された場合に、表示モードは第2モードST2へと切り替えられる。そして、停止時間カウンター23で10分の桁上げがあった場合には(S46のY)、理由表示位置変更条件TC2を満たしたとして、表示制御回路14はEPD3における視覚表現(例えばPOWER SAVE)の表示位置を変更する(S48)。そして、S10に戻り処理を繰り返す。
また、S46において10分の桁上げがなかった場合も、S10に戻り処理を繰り返す。
図5は、本実施形態の電子時計1Aの外部入力処理についてのフローチャート図である。S20で秒カウントが無い場合には、外部入力に対する処理S50を行い、S10に戻り処理を繰り返す。
外部入力とは、本実施形態では、ボタン6又は7の一方、又は両方を用いた所定の入力操作を言い、スイッチ15、16によって検出されて内部信号として表示制御回路14に入力される。表示制御回路14は、前記外部入力があったと判断した場合には(S500のY)、タイマー22が24時間になっているならば(S502のY)、理由表示位置変更条件TC2が満たされたと判断する。具体的には、前回表示された位置と異なる位置に視覚表現(例えばPOWER SAVE)を表示する(S504)。
前記外部入力が無かった場合(S500のN)やタイマー22が24時間になっていなかった場合(S502のN)、又は前記視覚表現の表示位置の変更(S504)の終了後は、その他外部入力に割り当てられている所定の処理(S506)を行い、図4のS10に戻り、フローチャートの処理を繰り返す。ここで、所定の処理とは、例えば表示の反転処理やリフレッシュ動作などをいう。
以下に、図4および図5のステップ番号を用いて、本実施形態における各表示モードの流れを説明する。
まず、図4のS12、S24、S32、S36および図5のS502の条件中にある「タイマー22で計測している時間が24時間になっているか否か」は、「電子時計1Aの動作モードがパワーセーブモードか通常表示モードか」を判定している。すなわち、タイマー22で計測している時間が24時間でない場合には、電子時計1Aの動作モードは通常表示モードである。そして、タイマー22で計測している時間が24時間である場合には、電子時計1Aの動作モードはパワーセーブモードである。
また、電子時計1Aの動作モードが通常表示モードである場合には、表示モードは通常表示を行う第1モードである。また、電子時計1Aの動作モードがパワーセーブモードに変化すると、表示モードは第1モードから第2モードへと切り替わる。以下の表示モードの流れの説明では、動作モードが変化しない場合には、タイマー22の計測値が24時間であるか否かの判定(S12、S24、S32、S36、S42、S502)については詳細な説明を省略する。
最初に、通常表示を行う第1モードの流れを説明する。太陽電池20で発電が行われている場合(S10のY)、動作モードは通常表示モードであるので(S12のN)、S14およびS16の処理を行う。ここで、S14およびS16は動作モードがパワーセーブモードから通常表示モードに変化した直後、すなわち第1モードに復帰した直後に必要な動作であり、EPD3に時刻を表示し(S14)、運針を停止していた指針4を現在時刻の位置まで移動させる(S16)。第1モードに復帰した直後でなければ、S14およびS16の処理はEPD3の表示、指針4の位置を変化させない。
その後、太陽電池20で発電が行われない時間を計測するタイマー22をリセットする(S18)。
秒桁上げ(秒カウント)は1秒に1度しか実施されないので、その間に秒カウントは行われず(S20のN)、外部処理入力を受け付けるサブルーチンを処理する(S50)。しかし、仮に外部入力があっても(S500のY)、動作モードは通常表示モードであるので(S502のN)、再びS10に戻る。
秒桁上げが行われた場合は(S20のY)、計時情報である計時カウンターを更新する(S22)。そして、指針時計部の秒針を進める(S24のN、S28)。
また、分桁上げは60秒に1度しか実施されないので、その間に分桁上げはなく(S20のN)、再びS10に戻る。
分桁上げが行われた場合は(S30のY)、タイマー22をカウントアップする(S32のN、S34)。そして、通常表示である時刻表示を更新して(S36のN、S40)、S10に戻る。
次に、表示モードが第1モードから第2モードへ変化する流れを説明する。このとき、前提として太陽電池20で発電が行われていない状態が継続しているものとする。(S10のN)すると太陽電池20で発電が行われない時間を計測するタイマー22はリセットされず(S18)、値はカウントアップされる。ここで、前記タイマー22の計測値が現在23時間59分になっているとする。
秒カウントがされない間は(S20のN)、外部処理入力を受け付けるサブルーチン(S50)を経由して(S502のN)、再びS10の「No」からS20に戻る。秒桁上げがあった場合(S20のY)、S22、S24の「No」、S28を経由して分桁上げの有無を判断する(S30)。
分桁上げがされない間は(S30のN)、S10に戻り、前記の経路で再びS30に到達する。そして、分桁上げがあると(S30のY)、タイマー22がカウントアップされて(S32のN、S34)、タイマー22の測定値は24時間になる(S36)。
このとき、電子時計1Aの動作モードは、通常表示モードからパワーセーブモードに変化する。そして、表示制御回路14は、タイマー22から出力されるパワーセーブ移行信号を受け取って、表示モードが第1モードから第2モードへと切り替わったと判断して理由表示を行う(S38)。そして、再びS10に戻る。
次に、第2モードで理由表示位置変更条件を満たした場合を説明する。このとき、前提として太陽電池20で発電が行われていない状態が継続しているものとする(S10のN)。するとタイマー22はリセットされず(S18)、計測値は24時間のままである。
秒桁上げ信号、又は分桁上げ信号がない場合(S20のN、S30のN)にS10に戻ることは、前記と同様であるため説明を省略する。秒桁上げ信号、および分桁上げ信号がある場合に、計時カウンターと停止時間カウンターをカウントアップしてS42に至る(S20のY、S22、S24のY、S26、S30のY、S32のY)。
そして、表示制御回路14は、停止時間カウンター23が10分の桁上げを行う毎に、理由表示位置変更条件を満たしたと判断して(S46のY)、EPD3の視覚表現(例えばPOWER SAVE)の表示位置を変更する。その後、S10へと戻る。なお、停止時間カウンター23が10分の桁上げを行わない場合もS10へと戻る。
次に、表示モードが第2モードであり、外部入力操作があった場合を説明する。外部入力は、1秒に1度の秒桁上げがない場合、すなわち秒カウントがされない限りは(S20のN)、図5で示した外部入力処理S50で処理される。つまり、その間は外部入力操作を受け付ける。
秒桁上げがない場合には、第2モードのまま、S10の「No」、S20の「No」、S50というループを繰り返し、外部入力操作を待つことになる。
このとき、所定の外部入力操作があれば、図5のS500の「Yes」およびS502の「Yes」の判断を行い、外部入力によって理由表示位置変更条件を満たしたと判断して、前回の表示位置とは異なる位置にパワーセーブ中を示す視覚表現を表示する(S504)。そして、必要ならばその他の処理を行い(S506)、図4のS10に戻る。
そして、表示モードが第2モードであって、太陽電池20で発電が再開された場合には、S10の「Yes」、S12の「Yes」を経て、タイマーがリセットされる(S18)。そして、タイマー22から通常表示モード復帰信号が表示制御回路14に入力されることにより、表示モードは第1モードになる。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態を図6〜図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、相違する部分について説明する。
図6は、本実施形態の電子時計1Bの図である。第1実施形態(図1)と異なり、表示モードとしてリセットモードSTRを含む。リセットモードは、第2モードST2から通常表示を行う第1モードST1に切り替える前に、リセット処理を行うモードである。
リセットモードSTRは、EPD3の全体を黒色で表示し、その後全面を白色で表示する全画面のリセット処理である。このとき、最初に白色を表示し、その後に黒色を表示してもよい。
本実施形態では、第2モードから第1モードへの復帰条件を満たした場合には、表示モードは、リセットモードSTRを経て第1モードに切り替わる(TC3B、TC3C、TC3D)。このとき、リセットモードSTRから第1モードST1への遷移条件TC3Dは、リセットモードのリセット処理が完了することであり、必然的に第1モードST1に遷移する。
第2モードST2の表示において、例えばコントラストが低下していたり、残像・焼き付きを生じ得る表示がされていたりしても、リセットモードSTRで全面を黒および白に書き換えるリセット処理を行うことにより、コントラスト低下や残像・焼き付きを生じ得る表示の影響等を受けずに第1モード復帰後の通常表示を行うことができる。
また、図6では第1実施形態(図1)と異なり、電圧低下により通常表示を行わない状況を示している。第2モードST2は、電圧低下が理由であることを示す視覚表現(例えばBATT LOW)がEPD3に表示されていることを表している。
図7は、本実施形態における電子時計1Bのブロック図を表す。第2実施形態では、図7に示すように、電池電圧検出回路31、表示停止モード制御回路32を設けている。なお、発電検出回路21、タイマー22を有していてもよいが、説明の都合上、図7では省略してある。
電池電圧検出回路31は、二次電池25の電圧を検出するものであり、二次電池25の電圧が予め設定された閾値を超えているか否かを判定し、その判定信号を出力する。従って、電池電圧検出回路31により本発明の電源電圧検出手段が構成される。
表示停止モード制御回路32は、電池電圧検出回路31から出力された判定信号に基づいて、各表示制御回路14、モーター駆動制御回路18、停止時間カウンター23に対してパワーセーブモードへの移行を指示するパワーセーブ移行信号と、通常表示モードへの復帰を指示する通常表示モード復帰信号を出力する。
従って、第2実施形態では、制御手段は、表示制御回路14、モーター駆動制御回路18、停止時間カウンター23、表示停止モード制御回路32を備えて構成される。
なお、電池電圧検出回路31、表示停止モード制御回路32はそれぞれ分周回路12からの基準信号(例えば1Hz)が入力されるごとに駆動される。従って、電池電圧の検出処理および表示モードの判定および設定処理は1秒間隔でサンプリング処理される。
次に、電子時計1Bの制御方法に関し、図8を用いて説明する。
電子時計1Bは、まず分周回路12から基準信号(例えば1Hz)の入力があったか、つまり秒カウントがあるかを判定する(S20)。S20で秒カウントがなかった場合は、S20に戻り、処理が続行される。
一方、S20で秒カウントがあった場合、つまり基準信号が入力された場合、計時カウンター13はカウントアップする(S22)。
次に、電子時計1Bは、パワーセーブモードであるか否かを判定する(S60)。
S60でパワーセーブモードではないと判定された場合(S60のN)には、モーター駆動制御回路18はステップモーター19を1ステップ駆動して指針4を1秒分動かす(S28)。
次に、計時カウンター13は計時カウンター13の秒カウンターが60秒に達し、分カウンターをカウントアップする分桁上げが行われたか否かを判定する(S30)。ここで、分桁上げが行われなかった場合、S20に戻り、上記の処理を繰り返す。
一方、S30で分桁上げが行われた場合、計時カウンター13は表示制御回路14に信号を送り、表示制御回路14はEPD3で時刻表示を更新する(S62)。すなわち、EPD3は、図6に示すように、時および分のみが表示されているため、1分毎に表示を更新すればよい。このため、EPD3は、分桁上げが行われた際に表示を更新するように制御される。
次に、電池電圧検出回路31は、二次電池25の電源電圧VDDが閾値V1未満であるかを判定する(S64)。ここで、電源電圧VDDが閾値V1以上であれば、S20に戻って処理を続行する。
一方、電源電圧VDDが閾値V1未満であれば、電池電圧検出回路31は判定信号を表示停止モード制御回路32に出力する。表示停止モード制御回路32は、電源電圧VDDが閾値V1未満である判定信号を受信するとパワーセーブ移行信号を出力する。
パワーセーブ移行信号を受信した表示制御回路14は、表示モードが第2モードに切り替わったと判断して、図6の右上の電子時計1Bに示すように、EPD3に電池電圧低下を意味する「BATT LOW」を表示する(S66)。
ここで再びS60に戻ると、電子時計1Bの動作モードがパワーセーブモード(S60のY)であった場合は、停止時間カウンター23のカウントアップが行われる(S26)。すなわち、パワーセーブモード中は、指針4の運針は行われず、その運針が停止している時間が停止時間カウンター23で計測される。
次に、電池電圧検出回路31は、二次電池25の電源電圧VDDが閾値V1以上であるかを判定してもよい。しかし、S74において閾値はS64で用いたV1ではなく、ノイズの影響を避けるためにV1にヒステリシスを持たせたV1+Aであることが好ましい(S74)。なお、Aは所与の電圧値であり、電子時計1Bを構成するシステムにより定められる。
電源電圧VDDが閾値V1+A以上であれば(S74のY)、電池電圧検出回路31は判定信号を表示停止モード制御回路32に出力する。表示停止モード制御回路32は、電源電圧VDDが閾値V1+A以上である判定信号を受信すると通常表示モード復帰信号を出力する。
そして、表示制御回路14は、前記通常表示モード復帰信号を受け取り、表示モードがリセットモードSTRであると判断し、EPD3の全面を黒色表示(S76)した後に、白色表示(S78)して、画面をリセットする。
その後、表示制御回路14は、表示モードが第1モードST1であると判断し、図6のST1に含まれる電子時計1Bが示すように、EPD3に、計時カウンター13でカウントしている現在時刻を表示する(S14)。
また、通常表示モード復帰信号を受信したモーター駆動制御回路18は、停止時間カウンター23でカウントされた停止時間分だけステップモーター19を送り駆動し、運針を停止していた指針4を、現在時刻を指示する位置まで移動する(S16)。なお、停止時間カウンター23は、S16の処理が行われるとリセットされる。
そして、電子時計1Bのパワーセーブモードは解除され(S80)、以降、電子時計1Bは、S20に戻って処理を続行する。
一方、電源電圧VDDが閾値V1+A未満であれば(S74のN)、停止時間カウンター23で10分の桁上げがあった場合には(S46のY)、理由表示位置変更条件TC2を満たしたとして、表示制御回路14はEPD3における視覚表現(例えばBATT LOW)の表示位置を変更する(S49)。画面の焼き付き防止のためである。そして、S20に戻り処理を繰り返す。なお、理由表示位置変更条件TC2は図6のTC2A、TC2Bに対応する。
また、S46において10分の桁上げがなかった場合も(S46のN)、S20に戻り処理を繰り返す。
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態を図9〜図11を参照にして説明する。なお、第1実施形態、第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、相違する部分について説明する。
図9は、本実施形態の電子時計1Cの図である。図9では第1、第2実施形態と異なり、第2モードST2における電子時計1Cは、温度が適正範囲でないことを示す視覚表現(例えばCOLD)をEPD3に表示している。なお、図9では電子時計1Cが低温で使用されている状況を想定して「COLD」と表示されているが、高温で使用されている場合には「HOT」などの視覚表現が表示されてもよい。なお、リセットモードSTR(図6)を含んでいてもよい。
図10は、本実施形態における電子時計1Cのブロック図を表す。第3実施形態では、図10に示すように、温度センサー41、温度検出回路42を設けている。なお、太陽電池20、充電制御回路24、二次電池25等を有していてもよいが、本実施形態では、電源としては図示しない一次電池を用いているものとする。なお、発電検出回路21、タイマー22、電池電圧検出回路31、表示停止モード制御回路32を有していてもよいが、説明の都合上、図10では省略してある。
温度センサー41は、電子時計1C、特にEPD3の温度を検出するセンサーである。従って、温度センサー41により本発明の温度検出手段が構成される。
温度検出回路42は温度センサー41で検出された温度が、所定の閾値を超えているか否かを判定し、表示制御回路14に対してEPD表示停止移行信号および通常表示モード復帰信号を出力する。EPD表示停止移行信号は、第1、第2実施形態におけるパワーセーブ移行信号に対応する。
従って、第3実施形態では、制御手段は、表示制御回路14、モーター駆動制御回路18、停止時間カウンター23、温度検出回路42を備えて構成される。
なお、温度検出回路42は分周回路12からの基準信号(例えば1Hz)が入力されるごとに駆動される。従って、温度検出処理は1秒間隔でサンプリング処理される。
次に、電子時計1Cの制御方法に関し、図11を用いて説明する。
電子時計1Cは、まず分周回路12から基準信号(例えば1Hz)の入力があったか、つまり秒カウントがあるかを判定する(S20)。S20で秒カウントがなかった場合は、S20に戻り、処理が続行される。
一方、S20で秒カウントがあった場合、つまり基準信号が入力された場合、計時カウンター13はカウントアップする(S22)。
また、基準信号はモーター駆動制御回路18にも入力され、モーター駆動制御回路18はステップモーター19を1ステップ駆動して指針4を1秒分動かす(S28)。
次に、電子時計1Cは、EPD3がEPD表示停止モードであるか否かを判定する(S90)。EPD表示停止モードは、前記パワーセーブモードと類似しているが、指針時計部5の運針を停止しない点で異なる電子時計1Cの動作モードである。
S90でEPD表示停止モードではないと判定された場合(S90のN)には、計時カウンター13は分桁上げが行われたか否かを判定する(S30)。ここで、分桁上げが行われなかった場合、S20に戻り、上記の処理を繰り返す。
一方、S30で分桁上げが行われた場合、計時カウンター13は表示制御回路14に信号を送り、表示制御回路14はEPD3で時刻表示を更新する(S62)。すなわち、EPD3は、図9に示すように、時および分のみが表示されているため、1分毎に表示を更新すればよい。このため、EPD3は、分桁上げが行われた際に表示を更新するように制御される。
次に、温度検出回路42は、温度センサー41で測定された温度tが閾値t1未満であるか(低温判定)又は温度tが閾値t2よりも高いか(高温判定)を判定する(S92)。ここで、温度tが閾値t1以上であり、かつ閾値t2以下であれば、S20に戻って処理を続行する(S92のN)。一例ではあるが、低温判定の閾値t1は0度であり、高温判定の閾値t2は約50度である。
一方、温度tが閾値t1未満又は閾値t2より高ければ、温度検出回路42は表示制御回路14に対してEPD表示停止移行信号を出力する(S92のY)。
ここでは、低温判定で設定温度範囲外であったとする。EPD表示停止移行信号を受信した表示制御回路14は、表示モードが第2モードに切り替わったと判断し、図9のST2が示す電子時計1Cのように、EPD3に低温を意味する「COLD」を表示する(S94)。
そして、電子時計1CはEPD表示停止モードに設定される(S96)。EPD表示停止モードでは、モーター駆動制御回路18によるステップモーター19の駆動はEPD表示停止モードにおいても実行され、指針4の運針は継続される。
ここで再びS90に戻ると、S90でEPD表示停止モード(S90のY)であった場合は、温度検出回路42は、例えば、温度センサー41で測定された温度tが閾値t1以上かつt2以下であるかを判定する。ここで、前記判定において、低温側の閾値はt1ではなく、ノイズの影響を避けるためにt1にヒステリシスを持たせたt1+A1である方が好ましい。また、同様の理由から高温側の閾値はt2ではなく、ヒステリシスを持たせたt2―A2である方が好ましい(S98)。なお、A1およびA2は所与の温度であり、電子時計1Cを構成するシステムにより定められる。
温度tが閾値t1+A1以上かつt2―A2以下であれば(S98のY)、温度検出回路42は通常表示モード復帰信号を表示制御回路14に出力する。
そして、表示制御回路14は、表示モードが第1モードST1であると判断して、図9のST1の電子時計1Cが示すように、EPD3に、計時カウンター13でカウントしている現在時刻を表示する(S14)。
そして、電子時計1CのEPD表示停止モードは解除され(S100)、以降、電子時計1Cは、S20に戻って処理を続行する。
一方、温度tが閾値t1+A1未満又は閾値t2―A2より高ければ(S98のN)、停止時間カウンター23で10分の桁上げがあった場合には(S46のY)、理由表示位置変更条件TC2を満たしたとして、表示制御回路14はEPD3における視覚表現(例えばCOLD)の表示位置を変更する(S101)。画面の焼き付き防止のためである。そして、S20に戻り処理を繰り返す。なお、理由表示位置変更条件TC2は図9のTC2A、TC2Bに対応する。
また、S46において10分の桁上げがなかった場合も(S46のN)、S20に戻り処理を繰り返す。
4.その他
なお、前記各実施形態では、EPD3に通常の表示を行わない理由を文字(メッセージ)で表示しているが、前記の通り、アイコンや図形、色彩、フラグといった視覚表現で表示してもよい。すなわち、ユーザーが運針の停止等の理由を把握できる内容を表示すればよい。
また、前記各実施形態は、指針4とEPD3を備えるコンビネーション時計であったが、指針4が設けられておらず、EPD3のみを備えるデジタル時計であってもよい。
前記各実施形態では、EPD3は、黒粒子および白粒子による白黒二粒子系の電気泳動が行われるものでもよいし、青白等の一粒子系の電気泳動を行っても良く、また、白黒以外の組み合わせでも構わない。
そして、メモリー性の表示手段は、EPD3に限定されず、他のメモリー性を有するディスプレイでもよい。例えば、ECD(Electrochromic Display=エレクトロクロミックディスプレイ)、強誘電性液晶ディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ等でもよい。
さらに、本発明の電子時計は、腕時計に限らず、置き時計、掛け時計、懐中時計などの
時計機能を有する機器に広く適用できる。
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。