JP5022158B2 - プラスチックキャップ - Google Patents
プラスチックキャップ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5022158B2 JP5022158B2 JP2007242706A JP2007242706A JP5022158B2 JP 5022158 B2 JP5022158 B2 JP 5022158B2 JP 2007242706 A JP2007242706 A JP 2007242706A JP 2007242706 A JP2007242706 A JP 2007242706A JP 5022158 B2 JP5022158 B2 JP 5022158B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- top plate
- resin sheet
- plate portion
- cap
- plastic cap
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
かかる問題を解決するために、本出願人はTCA等の臭気成分に対する遮断性が向上したプラスチックキャップとして、ポリエステル等の密度が1.10g/cm3以上の樹脂から成るバリア層を頂板部に形成して成るキャップを提案している(特許文献4)。
またプラスチックキャップは、一般にポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンから成るため、異なる材料から成るバリア材はキャップ本体との接着性に劣るという問題もある。
また本発明の他の目的は、キャップ本体を構成する樹脂と同種の樹脂を用いてもバリア性を向上し得るプラスチックキャップを提供することである。
1.頂板部がポリプロピレンから形成され、樹脂シートが少なくともポリプロピレン又はポリエチレンから成る層を有すること、
2.頂板部がポリエチレンから形成され、樹脂シートが少なくともポリプロピレンから成る層を有すること、
3.樹脂シートが、多層構造を有すること、
4.樹脂シートの頂板部との固着が接着であること、
が好適である。
本発明のプラスチックキャップは、焼酎等の内容物に適用した場合にも、TCA等によるフレーバー低下が有効に防止されている。
また樹脂シートとしてキャップ本体を構成する樹脂と同種の樹脂を用いてもTCAバリア性を発現でき、キャップ本体と樹脂シートの接着性を高めることが可能となり、成形性にも優れている。
一般にポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンは、本出願人による先願で用いたポリエステル等に比してTCAバリア性に劣るものであるが、本発明においてはこのようなポリオレフィンから成る樹脂シートであっても、樹脂シートとキャップ本体頂板部との間に非接着の部分を形成することにより、TCAバリア性を顕著に向上できることを見出したのである。
従って本発明においては、樹脂シートとキャップ本体の頂板部の間に非接着部分を形成し、樹脂シート及びキャップ本体頂板部を一体化していないことにより、上記吸着、拡散、透過の各工程が樹脂シート及びキャップ本体頂板部のそれぞれで行われ、非定常状態が少なくとも2回存在することになり、臭気成分のキャップ基材を介しての透過を抑制することが可能となるのである。
図1は、本発明のプラスチックキャップの一例の部分側断面図であり、図2乃至図5は、それぞれ本発明のプラスチックキャップの他の一例の部分側断面図である。
全体を1で表す本発明のプラスチックキャップは、概略的に言って、キャップ本体2と樹脂シート30からなっている。
キャップ本体2は、頂板部3及び頂板部3の周縁から垂下するスカート部4から成り、頂板部内面には、容器口部(図示せず)の内面と密着するインナーリング5、容器口部の先端と密着する小突起6、容器口部の外面に当接するアウターリング7がそれぞれ同心状に形成されている。また、スカート部4の内面には螺子8が形成され、スカート部の下端には弱化部9を介してタンパーエビデントバンド(以下、「TEバンド」という)10が一体的に成形されている。更にTEバンド10の内面には、先端が斜め上方に向くフラップ片11が複数個形成されている。
樹脂シート30は、頂板部3の環状突起14の外径を内径及びキャップ本体3頂板部の外径を外径とする環状係合突起32が下部外周部分に形成されている。この環状係合突起32は、環状突起14の外面のアンダーカットに合致する内側面32aを有しており、これにより頂板部の環状突起14と強固に係合して、樹脂シート30はキャップ本体3に固着される。またキャップ本体の環状突起14よりも内側の部分においては、キャップ本体頂板部3の外面と樹脂シート30の間には空間13が形成されている。頂板部外面及び樹脂シート30は、非接着の状態となっている。
すなわち、キャップ本体2の頂板部に凹部12及び環状突起14が形成されている点では、図2に示すプラスチックキャップと同様であるが、図3に示す態様においては、樹脂シート30の外径がキャップ本体頂板部の外径よりも小さく、樹脂シート30がキャップ本体頂板部に嵌め込まれた形態を採っている。この際樹脂シート30のキャップ本体頂板部の環状突起14よりも外側に対応する位置に環状突条34,35が形成されており、キャップ本体頂板部にはこの環状突条34,35が合致する環状溝15,16が形成され、これらが嵌合することによって、樹脂シート30がキャップ本体2の頂板部に強固に嵌合固定することが可能となる。図3の形態では、環状溝15,16が開口側より底部側が径方向に末広がりに形成され、環状突条34,35が径方向下方に向かって末広がりに形成され、強固に嵌合している。
図3に示す態様においても、キャップ本体の環状突起14の内側の部分において、キャップ本体頂板部3の外面と樹脂シート30の間には空間13が形成され、頂板部外面及び樹脂シート30は、非接着の状態となっている。
図4及び図5に示す態様においては、樹脂シート30は、その外周部においてキャップ本体頂板部3と接着される接着領域を形成し、接着領域よりも内側の部分において樹脂シート30とキャップ本体頂板部3が非接着の状態となっている。
図4に示す態様においては、単層の樹脂シート30が用いられており、図5に示す態様においては、二層構成の樹脂シート30が用いられている。
本発明のプラスチックキャップに用いる樹脂シートは、キャップ頂板部との間に非接着部分を有する限りキャップ本体に用いるポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂から成るものを用いることができる。
表1から明らかなように、ポリプロピレンにおいては、曲げ弾性率が大きいほどTCAバリア性に優れていることから、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンの順に優れたTCAバリア性を発現することができる。またポリエチレンにおいては、TCAバリア性は密度に関係することから、密度の高いものほど優れたTCAバリア性を発現することが可能となる。
本発明のプラスチックキャップにおいては、樹脂シートとキャップ本体頂板部の間に非接着部分が形成されている限り、上述したオレフィン系樹脂のような汎用樹脂から成る樹脂シートを用いた場合でもTCAバリア性を改善することができるが、本発明においては、ポリエステル樹脂のようなオレフィン系樹脂に比してそれ自体TCAバリア性に優れる樹脂シートを用いることを除外するものではない。但し、ポリエステルシートをキャップ本体に設ける場合の接着性或いはアンダーカット形状の成形性の観点からオレフィン系シートの方が好ましい。
特に好適な組合せは、ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンであり、これにより、材料コストを低減しつつTCAバリア性を発現することが可能となる。またこれらのシートは周縁部で接着され、容器口部内径よりも内側に位置する部分においてはシート間が非接着であることがTCAバリア性の点で優れていることは前述した通りである。
シート同士の周縁部の接着は接着剤を用いても良いが、同種の樹脂の場合には熱接着により容易に接着することが可能となる。
本発明のプラスチックキャップにおいては、樹脂シートのキャップ本体頂板部への設置によりTCAバリア性が確保されているため、キャップ本体自体がTCAバリア性を有している必要がなく、キャップ本体は、従来よりプラスチックキャップの成形に用いられているポリエチレン、ポリプロピレン等の汎用樹脂を用いて、射出成形、圧縮成形等の従来公知の成形方法により成形することができる。キャップ本体の頂板部の厚みは厚いほどTCAバリア性を改善できるが、本発明においては、樹脂シートを固着した状態で、従来公知の一般的なキャップ本体の寸法を採用することができる。
またキャップの形態は図1乃至図5に示した具体例に限定されるものではなく、従来公知の種々のキャップの形態を採用することができる。例えば、図1乃至図5においては、キャップ本体頂板部内面にはインナーリング、小突起、アウターリングが形成され、これによりキャップの密封性が確保されていたが、キャップ本体頂板部内面にライナー等の他の密封部材が別途形成されたものであってもよいし、また螺子により容器口部に固定されるもののみならず、係合により固定されるものであってもよいし、またヒンジキャップ等であってもよい。
キャップ本体及び樹脂シートの固着は、従来公知の接着剤を用いて接着することもできるし、或いは樹脂シートがキャップ本体と同種の樹脂から成る場合には熱接着によって接着することもできる。また図2及び図3に示すように、接着剤を用いることなく、係合突起或いはアンダーカット等によって樹脂シートをキャップ本体頂板部に嵌合させてもよい。
図6に示すように、120mlバイアル瓶に焼酎甲類20%を50ml入れ、瓶口部に真空グリスを塗布した。表2に示す樹脂シートを瓶口に貼り付け、リング状に打ち抜いたブチルゴムガスケットをつけた後、中央部に開口を有するアルミクリンプキャップにて封をした。次いで125Lデシケータにバイアル瓶試料を正立で設置し、25mgのTCAが入ったシャーレをデシケータ内に入れて、デシケータを閉じた。
経時保管後(3日)、デシケータからサンプルを取り出し、焼酎中のTCA濃度をTCT(Thermal Desorption Cold Trap Injector)/GC−MSにより測定した。
バイアル瓶から焼酎2mlを取り出し、20mlバイアル瓶に入れ、固相抽出攪拌子(ゲステル社製Twister)を入れ、バイアル瓶の瓶口部に真空グリスを塗布し、アルミパウチ(PE/Al/PET)を貼り付けた。PTFE/シリコンゴムセプタムとアルミキャップで封をし、マグネチックスターラにて1時間攪拌した後、攪拌子を取り出し、TCT/GC−MSにてTCAを定量分析した。
Claims (5)
- 頂板部及び該頂板部外周から垂下するスカート部から成るプラスチックキャップにおいて、
前記頂板部外面に樹脂シートが積層され、該頂板部と樹脂シート間が、少なくとも容器口部内径よりも内側に対応する部分において接着領域のない非接着の状態であり、且つ容器口部内径よりも外側に対応する部分で固着されており、前記非接着の状態である頂板部と樹脂シート間に空間が形成されていることを特徴とするプラスチックキャップ。 - 前記頂板部がポリプロピレンから形成され、樹脂シートが少なくともポリプロピレン又はポリエチレンから成る層を有する請求項1記載のプラスチックキャップ。
- 前記頂板部がポリエチレンから形成され、樹脂シートが少なくともポリプロピレンから成る層を有する請求項1記載のプラスチックキャップ。
- 前記樹脂シートが、多層構造を有する請求項1乃至3の何れかに記載のプラスチックキャップ。
- 前記樹脂シートの頂板部との固着が接着である請求項1乃至4の何れかに記載のプラスチックキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007242706A JP5022158B2 (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | プラスチックキャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007242706A JP5022158B2 (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | プラスチックキャップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009073506A JP2009073506A (ja) | 2009-04-09 |
JP5022158B2 true JP5022158B2 (ja) | 2012-09-12 |
Family
ID=40608899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007242706A Expired - Fee Related JP5022158B2 (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | プラスチックキャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5022158B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4616485B2 (ja) * | 2001-01-24 | 2011-01-19 | 日本クラウンコルク株式会社 | 合成樹脂製蓋及び液体供給装置 |
JP2005187017A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | プラスチックキャップ |
JP4769430B2 (ja) * | 2004-05-27 | 2011-09-07 | 東洋製罐株式会社 | プラスチックキャップ |
-
2007
- 2007-09-19 JP JP2007242706A patent/JP5022158B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009073506A (ja) | 2009-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7185780B2 (en) | Container overcap with drying agent layer | |
US20070272650A1 (en) | Container Stopper and Manufacturing Method Therefor | |
JP6598767B2 (ja) | 陽圧飲料用の密閉容器及びその製造方法 | |
WO2015052348A1 (en) | Container and lid with improved seal | |
US10307776B2 (en) | Device with rigid receptacle and flexible cylindrical pouch for packaging fluids | |
CN103298704A (zh) | 用于关闭件的密封组件 | |
JP5022158B2 (ja) | プラスチックキャップ | |
JP2008081160A (ja) | 食品包装容器 | |
JP2007502751A (ja) | 傾斜させられたフラットウェブを備えたカバーリング | |
JP4994172B2 (ja) | 容器用のキャップ | |
JPH11292140A (ja) | 易開封性ヒートシール包装体およびその製造方法 | |
CN105745157A (zh) | 用于容器,尤其是瓶的塞盖的密封垫圈 | |
AU2012357895B2 (en) | Closure cap with a multilayer seal disk for receptacles | |
JP4277475B2 (ja) | 密封容器 | |
JP2023111045A (ja) | 複合容器及び複合容器の製造方法 | |
EP2794413A1 (en) | Sealable element for sealing a rim of receptacles | |
JP4304970B2 (ja) | 飲料用プラスチック容器 | |
JP2007039081A (ja) | ガスバリア性を有する容器 | |
JP2020138754A (ja) | インモールドラベル容器、蓋体付インモールドラベル容器およびインモールドラベル容器の製造方法 | |
JP2011057272A (ja) | ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器 | |
JP2020055576A (ja) | 射出成形容器、蓋体付容器および射出成形容器の製造方法 | |
JP2013049451A (ja) | 包装容器 | |
JPH04313438A (ja) | 金属巻締め蓋 | |
JP2020055631A (ja) | 射出成形容器、蓋体付容器および射出成形容器の製造方法 | |
JP2018172169A (ja) | 蓋付きカップ容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100525 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120228 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120425 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120605 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120615 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5022158 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |