JP2005187017A - プラスチックキャップ - Google Patents

プラスチックキャップ Download PDF

Info

Publication number
JP2005187017A
JP2005187017A JP2003432282A JP2003432282A JP2005187017A JP 2005187017 A JP2005187017 A JP 2005187017A JP 2003432282 A JP2003432282 A JP 2003432282A JP 2003432282 A JP2003432282 A JP 2003432282A JP 2005187017 A JP2005187017 A JP 2005187017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic cap
starch
acid
coating layer
top surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003432282A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuusuke Obu
雄介 小賦
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Aki Endo
亜紀 遠藤
Hiroaki Kikuchi
裕昭 菊地
Jun Takahashi
潤 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Closures Co Ltd
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Japan Crown Cork Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd, Japan Crown Cork Co Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2003432282A priority Critical patent/JP2005187017A/ja
Publication of JP2005187017A publication Critical patent/JP2005187017A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Closures For Containers (AREA)

Abstract

【課題】 ガス遮断性、特にトリクロロアニソール(TCA)などの防カビ剤に由来する臭気成分に対する遮断性に優れたプラスチックキャップを提供する。
【解決手段】 天面と、天面周縁から降下したスカート状側壁とを備えたプラスチックキャップにおいて、少なくとも前記天面には、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分から成るコーティング層が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガス遮断性、特に防カビ剤等から発生する悪臭乃至異臭成分に対する遮断性が向上したプラスチックキャップに関する。
従来、包装容器として、軽量性や耐衝撃性、更にはコストの点からプラスチックボトルが各種の用途に使用されている。このようなプラスチックボトルでは、器壁を通しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題となっていたが、最近では、プラスチックボトルのガスバリア性も高められ、多品種の内容物にプラスチックボトルが使用されるようになり、例えば焼酎の如き飲料も、プラスチックボトルに充填されて販売されるようになってきている。
また、プラスチックボトルに締結されるプラスチックキャップについても、ガスバリア性の検討がなされ、例えば、キャップ自体がガスバリア層を含む多層構造となっているもの(特許文献1参照)、キャップ本体とライナーとの間に、バリア性のフィルム、シート或いはディスクを設けたもの(特許文献2〜5参照)、キャップの内面に設けられるライナー材が、ガスバリア材或いはガスバリア層を含む多層構造からなるもの(特許文献6,7参照)などが提案されている。
実開平5−81059号 特開平2−117349号 特許第3224170号 特開平9−77101号 実開平8−9001号 特開平11−278533号 特開2003−104406号
ところで、内容物が充填されたプラスチックボトルをプラスチックキャップで締結して密封した包装体では、ある種の内容物に関して、フレーバー性が低下してしまうという問題が認められた。例えば、焼酎などが充填されたプラスチックボトルでは、そのフレーバー性の低下が大きく、焼酎の風味等が損なわれてしまうという問題があった。
本発明者等は、このようなフレーバー性の低下は、その搬送経路で使用される防カビ剤に原因があること、及びプラスチックキャップのバリア性にあることを見出した。即ち、プラスチックキャップで密封されている包装体は、その製造から販売までの工程で、パレットなどによる搬送及び保管、ダンボール箱に詰めての搬送及び保管に賦されるが、パレットや段ボール箱には、一般にトリクロロフェノールなどの防カビ剤が使用されている。このトリクロロフェノール等の防カビ剤は、カビの原因となる微生物と反応することによりカビの発生を防止するものであるが、この反応生成物がプラスチックキャップを介してボトル内の内容物中に移行し、この結果、内容物のフレーバーが損なわれてしまうのである。例えば、トリクロロフェノールは、トリクロロアニソール(TCA)を生成し、このTCAの移行によりボトル内に充填された焼酎のフレーバーは著しく損なわれてしまう。
従って、本発明の目的は、ガス遮断性、特にトリクロロアニソール(TCA)などの防カビ剤に由来する臭気成分に対する遮断性に優れたプラスチックキャップを提供することにある。
本発明によれば、天面と、天面周縁から降下したスカート状側壁とを備えたプラスチックキャップにおいて、
少なくとも前記天面には、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分から成るコーティング層が設けられていることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
本発明のプラスチックキャップにおいては、
(1)前記コーティング層は、天面外面に形成されていること、
(2)前記コーティング層形成面には、予めフレーム処理或いはコロナ処理が施されていること、
(3)前記ポリマー成分がN−メチロール系(メタ)アクリルアミドを架橋点として有するものであること、
(4)臭気発生成分含有雰囲気中に保持される容器に適用されること、
が好ましい。
本発明では、プラスチックキャップの天面に、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分から成るコーティング層を設けたことにより、防カビ剤に由来して発生する臭気成分、例えばトリクロロアニソール(TCA)などがキャップ壁を透過してボトル内容物へ移行することが有効に抑制され、ボトル内容物のフレーバー性の低下を有効に回避できる。
例えば、防カビ剤の代表例であるトリクロロフェノールは、高温多湿下でカビの原因となる微生物と反応し、トリクロロアニソール(TCA)を生じる。このような防カビ剤は、包装体の搬送に用いるパレットやダンボール紙に使用されており、微生物捕捉の結果として生じるTCAが、プラスチックキャップを透過してボトル内の内容物に移行し、この結果として、内容物のフレーバーが損なわれる。特に、焼酎などの内容物は、TCAに対して敏感であり、フレーバー性の低下が著しい。しかるに、後述する実施例及び比較例から明らかな通り、ポリエチレンテレフタレートボトル(PETボトル)の口部をプラスチックキャップで密封した包装体を、TCA濃度が200ppbで温度が40℃の雰囲気中に保存したとき、上記のコーティング層が形成されていないプラスチックキャップを用いた場合では(比較例1)、ボトル内のTCA濃度が4週間後で0.6ppb、7週間後で1.6ppbに増大しているのに対し、本発明にしたがって上記コーティング層が天面に形成されているプラスチックキャップを用いた場合では(実施例1)、ボトル内のTCA濃度は、4週間後で0.1ppbであり、7週間後でも僅か0.6ppbに過ぎず、TCAに対するバリア性が著しく高められていることが理解されよう。このようなTCAに対するバリア性向上効果は、おそらく、コーティング層中に高水素結合構造と架橋構造とが導入されていることによるものと思われる。
[架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分]
本発明において、プラスチックキャップの少なくとも天面に設けられるコーティング層は、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分により形成される。
架橋構造を導入する高水素結合ポリマー成分としては、ポリアルコール類、例えば糖類やポリビニルアルコールを挙げることができる。これらは、多数の水酸基の間で水素結合を形成し、本発明の目的に好適なものである。
糖類としては、アラビノース、キシロース、リボース、リキソース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フラクトースなどの単糖類;サッカローズ、マルトース、セロビオース、ラクトースなどのオリゴ糖類;澱粉、酸化澱粉、デキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類を例示することができる。また、ポリビニルアルコールとしては200乃至3000未満、特に200乃至2000の平均重合度及び95乃至100%、特に98乃至99.9の鹸化度を有するものが好適である。本発明において、架橋構造を導入する高水素結合ポリマー成分としては、澱粉類やデキストリンが特に好ましい。
澱粉類には、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)や、各種の加工澱粉がある。加工澱粉としては、アルファー化澱粉、分離精製アミロース、分離精製アミロペクチン、湿熱処理澱粉などの物理変性澱粉;加水分解デキストリン、酵素分解デキストリン、アミロースなどの酵素変性澱粉;酸処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉などの化学分解変性澱粉;エステル化澱粉(酢酸エステル化澱粉、コハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、キサントゲンエステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉等)、エーテル化澱粉(アリールエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉等)、カチオン化澱粉(澱粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドとの反応物、澱粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドとの反応物等)、架橋澱粉(ホルムアルデヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉等)などの化学変性澱粉;を例示することができる。本発明においては、これら澱粉類の中でも、水に易溶乃至易分散性であり、コーティング液を調製しやすいことなどから、加工澱粉が好適である。
また、上記の高水素結合ポリマー成分は、架橋剤によって架橋結合が導入されるが、架橋点となるこのような架橋剤としては、水酸基と反応して架橋結合を形成し得る官能基を有する化合物、例えばメチロール基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボジイミド化合物、グリオキザール化合物、多塩基酸乃至その無水物、アルデヒド化合物などの少なくとも1種を挙げることができる。
メチロール基含有化合物としては、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミドなどのN−メチロール系(メタ)アクリルアミド;及びそのメチロール基エーテル化物、例えば、N−(メトキシメチル)メタクリルアミド、N−(メトキシメチル)アクリルアミド、N−(エトキシメチル)メタクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(プロポキシメチル)メタクリルアミド、N−(プロポキシメチル)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)メタクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド;等を挙げることができる。また、これら以外にも、メチロール化乃至エーテルメチロール化アミノ樹脂、分子内に多数のメチロール基を有する尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を挙げることができる。エーテル型樹脂は、上記樹脂のメチロール基をエタノールやブタノール等のアルキルアルコールでエーテル化したものが好適に使用される。また、メチロール化乃至エーテルメチロール化フェノール樹脂等を用いることもできる。尚、上記のメチロール基含有化合物としては、通常、2個以上のメチロール基(もしくはエーテル化されたメチロール基)を有するものが使用されるが、後述する共重合成分を用いる場合には、メチロール基以外の部分で共重合成分と共重合するため、1個のメチロール基を有するものも使用可能である。
イソシアネート含有化合物としては、ジイソシアネート類、例えばキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等やそれらのプレポリマーが使用される。イソシアネート基は、ラクタム等でブロックされていることが好ましいが、自己乳化型ジイソシアネートも本発明の目的に使用することができる。
エポキシ化合物としては、分子内に2個以上のオキシラン環を有するエポキシ化合物、特に液状エポキシ樹脂が使用され、中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの重縮合により得られたビスフェノール型エポキシ樹脂や、水分散可能なアクリル変性エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレート共重合体などが使用される。
カルボジイミド系化合物としては、分子中、特に主鎖中に−N=C=N−基を含む化合物が使用される。このカルボジイミド化合物は、例えばカルボキシル基と反応してカルバモイルアミドによる架橋、水酸基と反応してイソウレアによる架橋、アミノ基と反応してグアニジンによる架橋を生成する。
グリオキザール系化合物としては、ジメチロールジヒドロキシエチレンウレアやそのエーテル化物が使用され、このものも前述した官能基に対して架橋する。
多塩基酸としては、ホウ酸等の無機酸や、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、等が挙げられる。
アルデヒドとしては、グリオキサール、スクシンアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどが挙げられる。
本発明において、上述した架橋点を形成する架橋剤は、単独でも或いは2種以上の組み合わせでも使用される。最も好適には、N−メチロール系(メタ)アクリルアミド;及びそのメチロール基エーテル化物が使用できる。
また、上記の架橋剤は、その種類によっても異なるが、通常、架橋構造を導入する高水素結合ポリマー成分100重量部当り、2乃至100重量部、特に5乃至50重量部の量で使用するのが好ましい。即ち、架橋剤を必要以上に多量に使用すると、高水素結合に由来するバリア効果が損なわれてしまい、また少量であると、架橋構造に由来するバリア効果が損なわれてしまうためである。
また、本発明においては、上記のような架橋剤によって架橋構造が導入された高水素結合ポリマー成分は、架橋剤を介して共重合されていてもよく、このような共重合成分としては、不飽和二重結合を有するカルボン酸、カルボン酸アミド及びカルボン酸エステルを挙げることができる。このようなカルボン酸としては、例えばメタクリル酸、アクリル酸を例示でき、不飽和カルボン酸アミドとしては、メタクリルアミド、アクリルアミドなどを例示することができ、不飽和カルボン酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどを例示できる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する不飽和カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有の不飽和カルボン酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等の芳香族ビニルモノマーも、共重合体として使用することができる。
上記のような共重合成分は、通常、未架橋の高水素結合ポリマー成分100重量部当り、100重量部以下、特に5乃至50重量部の量で使用することができる。
尚、架橋構造の導入にあたっては、酸性触媒を用いることが好ましく、このような酸性触媒としては、酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、安息香酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等の一価の酸、硫酸、亜硫酸、燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、ピロ燐酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ポリカルボン酸等の二価以上の酸を挙げることができる。これらの酸は、酸の価数をnとしたとき、前記高水素結合ポリマーと必要により使用される共重合成分との合計量100g当り、4/n〜80/nミリモル、特に6/n〜60/nミリモル、最も好ましくは8/n〜50/nミリモルの量で使用するのがよい。
[プラスチックキャップ]
本発明において、上記のような架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分からなるコーティング層を形成するプラスチックキャップの構造は、特に限定されるものではないが、一般的には、図1に示すような構造を有する。
図1において、このプラスチックキャップは、天面1と、天面1の周縁から降下したスカート状側壁2とを備えており、スカート状側壁2の内面には、螺条3が形成されている。即ち、このプラスチックキャップは、螺条3をボトルの口部の外面に設けられている螺条と螺子係合することにより、ボトル口部を密封するものである。
尚、図示されていないが、スカート状側壁2の下端には、破断可能なブリッジを介して、タンパープルーフバンド(TEバンド)が設けられていてもよい。TEバンドは、ボトル口部に形成されている顎部或いはラチェット爪と係合する係合用の片乃至突起を内面に有するものであり、ボトル口部に締結されたキャップを開栓方向に旋回した場合、TEバンドの片乃至突起がボトル口部の顎部或いはラチェット爪と係合することにより、TEバンドの開栓方向への旋回が制限され、この結果、キャップの本体のみが上昇し、TEバンドは、ブリッジの破断によりキャップ本体から切り離されるというものである。即ち、一旦開封されたキャップは、TEバンドが切り離されていることから、一般の需要者が開封の事実を認識することができ、内容物の品質保証やいたずら防止の目的に使用されるものである。
上記のようなプラスチックキャップは、例えば、低−、中−または高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂などを用いての射出成形、圧縮成形等の一体成形により製造される。勿論、このキャップは、エチレン−ビニルアルコール共重合体の如きガスバリア層との多層構造を有するものであっても構わない。
また、キャップの天面1の内面には、必要により、ライナー材を設けることもできる。ライナー材は、柔軟なプラスチックから形成され、キャップを閉栓したときに、ボトルの口部上端と密着することにより、良好なシール性を確保するものであり、例えば低密度ポリエチレン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、スチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマーなどの柔軟性の高い高分子材料で形成される。勿論、このライナー材は、エチレン−ビニルアルコール共重合体の如きガスバリア層との多層構造を有するものであっても構わない。また、キャップ本体とライナーとの間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体の如きバリア性のフィルム、シート或いはディスクを設けたものであっても構わない。このようなライナー材は、予め成形されたキャップの天面内面に、ライナー材の溶融物を滴下し、ポンチ等で天面内面に押し広げることにより形成されてもよいし、予めライナー材をシート状に成形して所定の大きさに切り抜いた後、キャップの天面内面に、はめ込んで形成されてもよい。
[コーティング層の形成]
前述した架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分からなるコーティング層は、キャップの天面1に形成されるが、一般的には、ボトル内容物との接触を回避できることから、天面1の外面に形成することが好ましい。また、天面1の内面にライナー材が設けられているときには、天面1の内面にコーティング層を形成することもできる。また、天面1にコーティング層が形成されている限り、例えばスカート状側壁2の外面にコーティング層が形成されていてもよい。
このようなコーティング層は、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分を含有する塗布液を調製し、スピンコート、タンポ印刷、スクリーン印刷、ディップコートなどにより、キャップの所定位置に塗布し、乾燥することにより、形成することができる。
塗布液は、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分を水に溶解乃至分散させることにより調製されるが、この場合、必要により、界面活性剤を使用することもできる。また、塗布液の固形分濃度は、一般に3乃至50重量%、特に5乃至30重量%の範囲にあることが好ましい。この固形分濃度が上記範囲を下廻ると、コーティング層の厚塗りが困難となり、また固形分濃度が上記範囲よりも高いと、粘度が高くなりすぎて塗布が困難となる傾向がある。
また、高水素結合ポリマー成分は、架橋された状態で水に溶解乃至分散させる必要はなく、例えば、未架橋の高水素結合ポリマーと、架橋剤、及び必要により共重合成分を水に溶解乃至分散させて塗布液を調整し、塗布後の熱処理によって架橋させることもできる。さらに、前述した共重合成分と架橋剤との共重合体を調製しておき、この共重合体と未架橋の高水素結合ポリマーとを水に溶解乃至分散させて塗布液を調整し、塗布後の熱処理によって架橋させることも可能である。尚、架橋のための熱処理は、通常、105乃至200℃の温度で行うことができる。
さらには、上記塗布液中に、層状無機化合物を配合しておくことにより、コーティング層中に層状無機化合物を含有させ、これにより、コーティング層のガスバリア性を高めることもできる。この層状無機化合物は、例えばSiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層などからなる層状構造、或いはこれらの四面体層、八面体層が異種金属で同型置換された層状構造を基本骨格とするものであり、スメクタイト族粘土鉱物が代表的である。具体的には、モンモリロナイト(酸性白土やベントナイトなど)、バイデライト、ノントロナイトなどのジオクタヘドラル型スメクタイト;サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、フライポンタイトなどのトリオクタヘドラル型スメクタイト;スチブンサイト等を例示することができる。また、スメクタイト族粘土鉱物以外にも、カオリナイト、バーミキュライト、タルク、マイカなどもあり、このような層状無機化合物を、天然品、合成品の何れでも使用することができる。また、用いる層状粘土鉱物は、アスペクト比が30以上、特に30乃至5000の範囲にあり、且つ平均粒径が0.3乃至5.0μm程度のものが好適である。即ち、上記のようなアスペクト比を有しているものが、前述したコーティングによる配向によってガスバリア性を大きく高めることができる。このような層状無機化合物は、一般に、前記架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分100重量部当り5乃至100重量部、特に10乃至50重量部の量で使用するのがよい。
上述したコーティング液中には、必要により、それ自体の公知の配合剤、例えば酸化防止剤、耐候剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤などが少量配合されていてもよい。
上記のようなコーティング液を用いて形成されるコーティング層の厚み(乾燥厚み)は、通常、0.5乃至10μm、特に1乃至8μmの範囲にあるのがよい。この厚みが上記範囲よりも薄いと、トリクロロアニソール(TCA)などの防カビ剤に由来する臭気成分に対するバリア効果が損なわれてしまい、また、上記範囲よりも厚くしても、コストの増大等を招くに過ぎない。
上述したコーティング層を天面1(特に天面1の外面)に有する本発明のプラスチックキャップは、架橋高水素結合ポリマー成分の存在により、酸素等に対するガスバリア性に優れていると同時に、防カビ剤に由来する臭気成分に対するバリア効果が高く、例えば焼酎の如き、防カビ剤に由来する臭気成分によってフレーバーが損なわれてしまうような内容物が充填されたプラスチックボトル用のキャップとして極めて有用である。
本発明を次の実施例により更に説明するが、本発明は次の例により何らかの制限を受けるものではない。
1.(TCA移行量)
市販品の20度焼酎を容量が2.7Lのポリエステルボトルに充填し、所定の36mm径プラスチックキャップを巻締めた。本ポリエステルボトルを、TCA雰囲気濃度200ppbに調整したデシケータ内に正立状態で並べ、40℃の雰囲気温度下にて保管した。1週間及び4週間経時後に、本ポリエステルボトルを各々デシケータから取り出し、内容液の焼酎50mlに対してヘキサン20mlを加え、振とう抽出した。分液した抽出液を、島津製作所製、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS QP5000)に注入し、TCAの移行量を定量した。カラムは、SUPELCO社製、SPB−20を用いた。
2.(酸素透過量)
キャップをPETボトルに巻締めた状態でのキャップ部からの酸素透過量を、Modern Control社製、酸素透過量測定装置(OX−TRAN2/21)を用いて測定した。測定条件は、環境温度25℃及び40℃、相対湿度65%である。
[実施例1]
デキストリン(日澱化学(株)製、アミコール7H)100重量部に対して、
層状無機化合物として合成雲母(コープケミカル(株)製、ソマシフME−100)を用い、合成雲母が30重量部になるように、室温下で水中にて混合し、固形分濃度が16.6重量%になるよう調製した。その後90℃で2時間撹拌した後、撹拌を続けながら室温まで冷却した。
上記混合溶液中のデキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド/アクリルアミド共重合体(重量比50/50、数平均分子量4.8万、重量平均分子量23万)30重量部を、水/2−プロパノール混合液中(重量比50/50)に溶解させ、固形分濃度が5.3重量%になるよう調製した。
上記デキストリン/合成雲母混合分散液を撹拌しながら、上記N−メチロールアクリルアミド/アクリルアミド共重合体溶液を滴下し、滴下終了後、更に1時間撹拌した。その後超高圧型ホモジナイザー(ナノマイザー(株)製、ナノマイザー)によって、1000kgfの加圧下で10分間処理した。
上記分散液中のデキストリン、合成雲母、N−メチロールアクリルアミド/アクリルアミド共重合体の3成分の合計100重量部に対し、酸性触媒であるパラトルエンスルホン酸を5重量部添加し、更に水で総固形分濃度が7重量%になるよう希釈して、コーティング層形成用塗料を得た。
高密度ポリエチレンを用いて、圧縮成形により作製したプラスチックキャップの天面外面にフレーム処理を行った後、日本文化精工(株)製、手動タンポ印刷機を用いて上記コーティング層形成用塗料を塗布した。その後ガスオーブンにより、ピーク温度120℃、ピーク温度保持時間0秒になるよう熱処理を行い、膜厚が2.5μmのコーティング層を有するプラスチックキャップを得た。
[比較例1]
実施例1と同様の方法で作製した高密度ポリエチレンのプラスチックキャップを、未コーティングのプラスチックキャップとした。
上記実施例及び比較例で得られたプラスチックキャップの、TCA及び酸素バリア性の測定結果を表1に示す。
Figure 2005187017
コーティング層が形成される本発明のプラスチックキャップの代表的な形状を示す側断面図である。
符号の説明
1:天面
2:スカート状側壁
3:螺条

Claims (5)

  1. 天面と、天面周縁から降下したスカート状側壁とを備えたプラスチックキャップにおいて、
    少なくとも前記天面には、架橋構造を有する高水素結合ポリマー成分から成るコーティング層が設けられていることを特徴とするプラスチックキャップ。
  2. 前記コーティング層は、天面外面に形成されている請求項1に記載のプラスチックキャップ。
  3. 前記コーティング層形成面には、予めフレーム処理或いはコロナ処理が施されている請求項1または2に記載のプラスチックキャップ。
  4. 前記ポリマー成分がN−メチロール系(メタ)アクリルアミドを架橋点として有するものである請求項1乃至3の何れかに記載のプラスチックキャップ。
  5. 臭気発生成分含有雰囲気中に保持される容器に適用される請求項1乃至4の何れかに記載のプラスチックキャップ。
JP2003432282A 2003-12-26 2003-12-26 プラスチックキャップ Pending JP2005187017A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003432282A JP2005187017A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 プラスチックキャップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003432282A JP2005187017A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 プラスチックキャップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005187017A true JP2005187017A (ja) 2005-07-14

Family

ID=34790028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003432282A Pending JP2005187017A (ja) 2003-12-26 2003-12-26 プラスチックキャップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005187017A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207820A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Japan Crown Cork Co Ltd ガスバリア性に優れたプラスチックキャップ
JP2009073506A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Japan Crown Cork Co Ltd プラスチックキャップ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207820A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Japan Crown Cork Co Ltd ガスバリア性に優れたプラスチックキャップ
JP2009073506A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Japan Crown Cork Co Ltd プラスチックキャップ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1263654B1 (en) Multi-layer resin/paper laminate structure containing at least a polymer/nanoclay composite layer and packaging materials made thereof
US8637126B2 (en) Biodegradable paper-based laminate with oxygen and moisture barrier properties and method for making biodegradable paper-based laminate
JP5420573B2 (ja) 包装ラミネート、包装ラミネートを製造するための方法、及びこれらから製造された包装容器
JP5571376B2 (ja) ポリマーフィルム
US5604042A (en) Cellulose material containing barrier film structures
US9982148B2 (en) Gas barrier coatings
US11110694B2 (en) Packaging material
CN115052746A (zh) 多层柔性包装材料
WO2003070459A1 (fr) Film biodegradable
JP7052202B2 (ja) 水系コーティング剤およびこれを用いたガスバリア性フィルム
JP2007039060A (ja) プルリング付き酸素バリアキャップ
CN100408438C (zh) 生产具有阻隔层的包装的方法和由该方法生产的包装
JP2005187017A (ja) プラスチックキャップ
WO2015164093A1 (en) Vermiculite-containing adhesive compositions
WO2021070096A1 (ja) 積層体
JP4957322B2 (ja) 蓋材
JP2003094574A (ja) バリア性紙積層体およびその製造方法
JPS62193959A (ja) 被覆されたプラスチツクキヤツプ
US20230167277A1 (en) Resin Composition
US20230312203A1 (en) Gas barrier laminate and packaging body using the same
JP2002138242A (ja) ハイバリアーコーティング、コーティング組成物及び包装材
WO2022220737A1 (en) A barrier layer
WO2024064894A1 (en) Biopolymer and material composite containments
KR20220025588A (ko) 친환경 공기주입식 포장재
JP2005146423A (ja) 防湿積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091208