JP2005146423A - 防湿積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 古紙として再利用可能な水離解性を有する防湿積層体であって、臭気を大幅に低減させた防湿積層体を提供する。
【解決手段】 紙支持体表面に合成樹脂を含む防湿層を設けた防湿積層体であって、サイクロデキストリンを含有する防湿積層体。サイクロデキストリンが防湿層に含まれる前記防湿積層体。合成樹脂が、芳香族ビニル系重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系重合体、アモルファスポリオレフィン系重合体からなる群より選ばれた一種以上である前記防湿積層体。平板状顔料が防湿層に含まれる前記防湿積層体。
【選択図】 なし
【解決手段】 紙支持体表面に合成樹脂を含む防湿層を設けた防湿積層体であって、サイクロデキストリンを含有する防湿積層体。サイクロデキストリンが防湿層に含まれる前記防湿積層体。合成樹脂が、芳香族ビニル系重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系重合体、アモルファスポリオレフィン系重合体からなる群より選ばれた一種以上である前記防湿積層体。平板状顔料が防湿層に含まれる前記防湿積層体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、古紙として再利用可能な水離解性を有する防湿積層体であって、さらに詳しくは、臭気抑制効果を有する防湿積層体に関する。
従来、上質紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、各種塗工紙等の巻取、及び上質紙や塗工紙の平判紙の包装には、製品の吸湿を防ぐために、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系の高分子化合物を紙にラミネートして耐湿性、耐水性を付与したポリオレフィンラミネート紙(以下ポリラミ紙)を包装紙として使用していた。
しかしながら、上記ポリラミ紙は、水に離解しないため、使用後回収し、古紙として再使用できないので、省資源、環境保護の観点から問題となっている。また、廃棄する方法としては焼却や埋め立てによるしかないため、環境を汚染の原因と懸念されるという問題があった。
この問題を解決するための技術として、ブタジエン系ラテックス100質量部にワックスを5〜200重量部ブレンドした配合物を塗工し防湿紙を得る技術(特許文献1)、あるいは、アクリル系エマルジョンとワックスと特定の無機顔料を含有する被覆層紙基材表面に設ける技術が提案されている(特許文献2)。
また、ワックスを用いない防湿紙としては、紙支持体上に平板状顔料と合成樹脂ラテックスを含む防湿層を設けた防湿積層体(特許文献3、特許文献4)が存在する。
この発明においては、それ自体は水蒸気を通さないと思われる顔料、例えば白雲母のような平板状顔料を合成樹脂ラテックスなどの重合体と混合して防湿層を形成させるものである。その防湿メカニズムは、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなること、また厚み方向では平板状顔料が防湿層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこの平板状顔料を迂回しながら透過することから(曲路効果)、水蒸気の透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能が向上するものである。
上記のような平板状顔料を利用した防湿積層体は、ポリラミ紙に匹敵する防湿性と離解性を兼ね備えている。また、ワックスを使用していないため、滑りに起因する問題は発生しない。
また、ワックスを用いない防湿紙としては、紙支持体上に平板状顔料と合成樹脂ラテックスを含む防湿層を設けた防湿積層体(特許文献3、特許文献4)が存在する。
この発明においては、それ自体は水蒸気を通さないと思われる顔料、例えば白雲母のような平板状顔料を合成樹脂ラテックスなどの重合体と混合して防湿層を形成させるものである。その防湿メカニズムは、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなること、また厚み方向では平板状顔料が防湿層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこの平板状顔料を迂回しながら透過することから(曲路効果)、水蒸気の透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能が向上するものである。
上記のような平板状顔料を利用した防湿積層体は、ポリラミ紙に匹敵する防湿性と離解性を兼ね備えている。また、ワックスを使用していないため、滑りに起因する問題は発生しない。
また、ホットメルト樹脂塗工した防湿紙としては、第1成分として、アタクチックポリプロピレン及び/又はアモルファスポリアルファオレフィン、第2成分として、ワックス類、第3成分として、粘着付与剤の3成分からなり、第2成分であるワックス類の配合量が10〜60重量%で、かつ第1成分と第3成分との配合割合が同等又は、第1成分が優位量であることを特徴とするホットメルト組成物からなる防湿紙が提案されている(特許文献5)。
しかし、再離解不可能なポリエチレンラミネート紙等のポリラミ紙から発生するエチレン臭は、エチレンが自然界に多量存在し、人間にとって悪臭として感じられないためほとんど問題にされないが、上記のような再離解可能な防湿積層体からは、多くの場合、防湿層に使用したスチレン−ブタジエンラテックスやアクリル−スチレン、アモルファスポリアルファオレフィン等の合成樹脂から揮発する物質(残留モノマー類やオリゴマー成分)が異臭や悪臭として感じられる。
このような防湿積層体によって、紙、板紙製品のように臭気の移り易い製品を保管すると、製品に臭気成分が移行して製品価値が低下する。また、砂糖袋やデンプンなどを包装する重袋にこのような防湿積層体を使用すると、製品に臭気成分が移行すると製品価値がなくなってしまう。
そのため、上記のような再離解可能な防湿積層体は、防湿層が内容物に直接接しないように包装したり、防湿積層体を40℃以上で長期間エージングして臭気成分を揮発させてから使用せざるを得なかった。また、食品等、製品に臭気が移行すると製品価値がなくなってしまうような製品には使用することができず、用途が限定されていた。
このような防湿積層体によって、紙、板紙製品のように臭気の移り易い製品を保管すると、製品に臭気成分が移行して製品価値が低下する。また、砂糖袋やデンプンなどを包装する重袋にこのような防湿積層体を使用すると、製品に臭気成分が移行すると製品価値がなくなってしまう。
そのため、上記のような再離解可能な防湿積層体は、防湿層が内容物に直接接しないように包装したり、防湿積層体を40℃以上で長期間エージングして臭気成分を揮発させてから使用せざるを得なかった。また、食品等、製品に臭気が移行すると製品価値がなくなってしまうような製品には使用することができず、用途が限定されていた。
本発明の目的は、上記課題を解決するものである。即ち、古紙として再利用可能な水離解性を有し、臭気が極めて少ない防湿積層体を提供するものである。
本発明は上記課題を解決するために以下の方法をとる。
即ち、本発明の第1は、紙支持体表面に合成樹脂を含む防湿層を設けた防湿積層体であって、サイクロデキストリンを含有する防湿積層体である。
即ち、本発明の第1は、紙支持体表面に合成樹脂を含む防湿層を設けた防湿積層体であって、サイクロデキストリンを含有する防湿積層体である。
また、本発明の第2は、サイクロデキストリンが防湿層に含まれる本発明第1記載の防湿積層体である。
また、本発明の第3は、合成樹脂が、芳香族ビニル系重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系重合体、アモルファスポリオレフィン系重合体からなる群より選ばれた一種以上である本発明の第1〜2のいずれかに記載の防湿積層体である。
また、本発明の第4は、平板状顔料が防湿層に含まれる本発明の第1〜3のいずれかに記載の防湿積層体である。
本発明により、古紙として再利用可能な水離解性を有し、臭気の非常に少ない防湿積層体を提供が可能となる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明者等は、合成樹脂を防湿積層体における合成樹脂由来の臭気を低減するために、まず、一般的な脱臭剤を検討した。
合成樹脂由来の臭気の原因は、合成樹脂に含まれる残留モノマー(単量体)やダイマーやトリマーなどの低分子成分(モノマーの二量体や三量体など)であると考えられる。そのため、カーボンブラックや炭、シリカゲルなどのような多孔質物質であれば、臭気成分であるモノマーなどを空孔に吸着し、脱臭効果が発揮できると推定した。
しかし、防湿積層体にこのような多孔質物質を含ませても臭気低減効果は不十分であった。このような多孔質物質は、臭気成分以外の、オリゴマーやポリマー、ポリマーに含まれる微量成分(重合時に必要な化合物:重合開始剤、分子量調整剤、触媒、無機成分、界面活性剤、水分など)も多孔質物質に吸着してしまい、臭気成分を効率良く吸着できないためと推定される。また、このような空孔への吸着は40℃以上に加熱すると容易に臭気成分を放出するという欠点がある。
本発明者等は、合成樹脂を防湿積層体における合成樹脂由来の臭気を低減するために、まず、一般的な脱臭剤を検討した。
合成樹脂由来の臭気の原因は、合成樹脂に含まれる残留モノマー(単量体)やダイマーやトリマーなどの低分子成分(モノマーの二量体や三量体など)であると考えられる。そのため、カーボンブラックや炭、シリカゲルなどのような多孔質物質であれば、臭気成分であるモノマーなどを空孔に吸着し、脱臭効果が発揮できると推定した。
しかし、防湿積層体にこのような多孔質物質を含ませても臭気低減効果は不十分であった。このような多孔質物質は、臭気成分以外の、オリゴマーやポリマー、ポリマーに含まれる微量成分(重合時に必要な化合物:重合開始剤、分子量調整剤、触媒、無機成分、界面活性剤、水分など)も多孔質物質に吸着してしまい、臭気成分を効率良く吸着できないためと推定される。また、このような空孔への吸着は40℃以上に加熱すると容易に臭気成分を放出するという欠点がある。
しかし、本発明者らが鋭意検討したところ、サイクロデキストリン(シクロデキストリン、環状多糖類)が多大なる臭気低減効果を発揮できることを見出した。サイクロデキストリンは、空隙を有する円柱化合物であり、円柱の内部に種々の化合物を取り込むことができるため消臭剤の成分として使用されている。例えば、非生物表面で悪臭印象を減少させる組成物として、特表平10−503958号公報には、水溶性化したシクロデキストリン誘導体を0.1〜5重量%、0.01〜約1重量%の香料、約0.1〜約10重量%の金属塩などから構成される水性組成物が悪臭印象を減少させるための水性組成物として開示されており、このような組成物で処理され白帛が湿潤時に香料を放出することに基づく消臭組成物が開示されており、この組成物は、家庭用品表面、キャビネット、壁、浴室表面、あるいは白帛及び/又は白帛物品にスプレーすることを開示している。この他、シクロデキストリン を含む類似の組成物が特表平10−505257号公報、特表平10−503952号公報、特表平10−503953号公報などに開示されている。しかし、これらの方法によっても満足すべき消臭効果は得られないとされている(特開2001−314493号公報)。
しかし、本発明者らがサイクロデキストリンのような環状多糖類を含む防湿塗料あるいは防湿組成物から防湿層を形成させた防湿積層体は、サイクロデキストリンを含まない防湿積層体に比べ格段に臭気が極めて少ないことを見出した。防湿塗料あるいは防湿組成物中に異臭成分(合成樹脂の低分子量成分)以外の低分子化合物が多く含まれているのにも関わらず、サイクロデキストリンが特異的に異臭成分を包接し臭気を抑制することは驚くべきことである。
さらに、防湿積層体を40℃に加熱しても臭気の抑制効果を発揮することは全くの予想外である。サイクロデキストリンによる包接は一般に加熱により包接された化合物を放出したり、長期間にわたって徐々に放出する性質があるため、本発明者らが見出した長期間の臭気抑制効果は容易に類推できるものはない。
臭気抑制効果が持続する理由は、合成樹脂に含まれる臭気成分は、そのほとんどが疎水性の直線状の低分子化合物であり、サイクロデキストリンと低分子化合物が包接体を形成すると、サイクロデキストリン内部の疎水性部分と低分子化合物が強い疎水結合を形成するためと、包接された低分子化合物が折れ曲がり、サイクロデキストリンから抜け出にくくなるためだと考えられる。
さらに、防湿積層体を40℃に加熱しても臭気の抑制効果を発揮することは全くの予想外である。サイクロデキストリンによる包接は一般に加熱により包接された化合物を放出したり、長期間にわたって徐々に放出する性質があるため、本発明者らが見出した長期間の臭気抑制効果は容易に類推できるものはない。
臭気抑制効果が持続する理由は、合成樹脂に含まれる臭気成分は、そのほとんどが疎水性の直線状の低分子化合物であり、サイクロデキストリンと低分子化合物が包接体を形成すると、サイクロデキストリン内部の疎水性部分と低分子化合物が強い疎水結合を形成するためと、包接された低分子化合物が折れ曲がり、サイクロデキストリンから抜け出にくくなるためだと考えられる。
本発明で使用できる環状多糖類としてはサイクロデキストリンサイクロデキストリンとしては、α−サイクロデキストリン、βサイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンなどの天然サイクロデキストリン、グルコシルα−サイクロデキストリン、マルトシルα−サイクロデキストリン、グルコシルβ−サイクロデキストリン、マルトシルβ−サイクロデキストリン、2−ハイドロキシプロピル−β−サイクロデキストリン、2−ハイドロキシプロピル−γ−サイクロデキストリン、ハイドロキシエチル−β−サイクロデキストリン、メチル−β−サイクロデキストリンなどが挙げられる。
また、分岐サイクロデキストリン(イソエリートP、イソエリートL)やサイクロデキストリンの混合物なども本発明のサイクロデキストリンに含まれる。
サイクロデキストリンは天然生成物と天然を変性した物、人工的に合成した物があるがいずれのサイクロデキストリンも好適に用いることができる。
また、化学的に修飾されたサイクロデキストリンは、サイクロデキストリンの水酸基を種々の官能基で置換されたものである。官能基の種類や置換度によってサイクロデキストリンの種類が異なる。サイクロデキストリンの骨格はD−グルコースであるため、一つの骨格に3個の水酸基がある。Dグルコース骨格が6個のα−サイクロデキストリンは18個、β―サイクロデキストリンは21個、γ−サイクロデキストリンは24個の水酸基があることになる。置換度は一分子中の水酸基の中で置換されている水酸基の数を示している。置換度が5.0の場合は、サイクロデキストリン一分子中、平均で5個の水酸基が置換されていることを示している。しかし、置換される水酸基の数が多いため、単一の化学修飾サイクロデキストリンを得ることは不可能に近いとされている。実際に入手可能な化学修飾サイクロデキストリンは種々の化学修飾サイクロデキストリンの混合物である。
本発明に使用できるサイクロデキストリンの水に対する溶解度には特に制限はないが、23℃の水100質量gに対して、サイクロデキストリン0.1〜100質量gが好ましく、より好ましくは0.2〜75質量g、さらに好ましくは0.5〜50質量gである。水に対してある程度の溶解性を有する方が臭気抑制効果に優れていることを見出した。
この理由は、ある程度水に対する親和性があると、防湿層中の水分の移動に伴い、臭気成分が移動した場合に、サイクロデキストリンと臭気成分が接触する可能性が高まるために、臭気抑制効果が高まるためと推測される。
しかし、防湿積層体の防湿層にサイクロデキストリンを添加する場合、防湿層の防湿性を悪化させることがあるため、サイクロデキストリンの水に対する溶解度が上記範囲を越えて大きいのは好ましくない。
また、分岐サイクロデキストリン(イソエリートP、イソエリートL)やサイクロデキストリンの混合物なども本発明のサイクロデキストリンに含まれる。
サイクロデキストリンは天然生成物と天然を変性した物、人工的に合成した物があるがいずれのサイクロデキストリンも好適に用いることができる。
また、化学的に修飾されたサイクロデキストリンは、サイクロデキストリンの水酸基を種々の官能基で置換されたものである。官能基の種類や置換度によってサイクロデキストリンの種類が異なる。サイクロデキストリンの骨格はD−グルコースであるため、一つの骨格に3個の水酸基がある。Dグルコース骨格が6個のα−サイクロデキストリンは18個、β―サイクロデキストリンは21個、γ−サイクロデキストリンは24個の水酸基があることになる。置換度は一分子中の水酸基の中で置換されている水酸基の数を示している。置換度が5.0の場合は、サイクロデキストリン一分子中、平均で5個の水酸基が置換されていることを示している。しかし、置換される水酸基の数が多いため、単一の化学修飾サイクロデキストリンを得ることは不可能に近いとされている。実際に入手可能な化学修飾サイクロデキストリンは種々の化学修飾サイクロデキストリンの混合物である。
本発明に使用できるサイクロデキストリンの水に対する溶解度には特に制限はないが、23℃の水100質量gに対して、サイクロデキストリン0.1〜100質量gが好ましく、より好ましくは0.2〜75質量g、さらに好ましくは0.5〜50質量gである。水に対してある程度の溶解性を有する方が臭気抑制効果に優れていることを見出した。
この理由は、ある程度水に対する親和性があると、防湿層中の水分の移動に伴い、臭気成分が移動した場合に、サイクロデキストリンと臭気成分が接触する可能性が高まるために、臭気抑制効果が高まるためと推測される。
しかし、防湿積層体の防湿層にサイクロデキストリンを添加する場合、防湿層の防湿性を悪化させることがあるため、サイクロデキストリンの水に対する溶解度が上記範囲を越えて大きいのは好ましくない。
サイクロデキストリンは、防湿積層体のどこに含有されていてもよい。即ち、紙支持体中もしくは表面、紙支持体と防湿層の間、防湿層中もしくはその表面等のいずれの部分に含まれても臭気抑制効果を発揮する。
サイクロデキストリンを防湿層中に含有させるには、防湿塗料中あるいは防湿組成物に添加すればよい。また、サイクロデキストリンの水溶液や分散液、溶剤液を直接紙支持体に直接塗布してもよい。その場合、塗工面上にさらに防湿層を設けてもよく、サイクロデキストリン塗工面と反対面に防湿層を設けてもよい。また、サイクロデキストリンの水溶液や分散液、溶剤液を防湿層上に塗工してもよい。
この中でも、防湿層中にサイクロデキストリンを含有させるのが最も臭気抑制効果が高い。
サイクロデキストリンを防湿層中に含有させるには、防湿塗料中あるいは防湿組成物に添加すればよい。また、サイクロデキストリンの水溶液や分散液、溶剤液を直接紙支持体に直接塗布してもよい。その場合、塗工面上にさらに防湿層を設けてもよく、サイクロデキストリン塗工面と反対面に防湿層を設けてもよい。また、サイクロデキストリンの水溶液や分散液、溶剤液を防湿層上に塗工してもよい。
この中でも、防湿層中にサイクロデキストリンを含有させるのが最も臭気抑制効果が高い。
なお、防湿層中にサイクロデキストリンが含まれる場合、その配合比率は、合成樹脂100質量部に対して、サイクロデキストリンを0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜7質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。サイクロデキストリンが0.1質量未満だと臭気抑制効果が期待できない。また、10質量部を越えて大きいと効果が頭打ちとなり不経済である。
また、防湿層中のサイクロデキストリンは、なるべく小さく分散されている方が好ましい。好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。
また、防湿層中のサイクロデキストリンは、なるべく小さく分散されている方が好ましい。好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。
本発明で防湿層として使用できる合成樹脂は、それ自体で成膜性があり耐水性を示すものであれば特に制限はない。耐水性の指標としては、樹脂単独の被膜を作製し(ガラス板状に合成樹脂の溶液(水溶液あるいはアルカリ性水溶液)あるいはエマルジョンなどを、乾燥後の厚さが50〜100μmになるように塗布し、110℃、5分間乾燥後、乾燥剤の入ったデシケーター中で40℃24時間乾燥させる)、その被膜を23℃の水(サンプル質量に対して100倍以上の質量の水)の中に24時間、浸漬し(攪拌子でゆっくりとかき混ぜる)、被膜を取り出して乾燥させ(乾燥条件:110℃、5分間乾燥後、乾燥剤の入ったデシケーター中で40℃24時間乾燥させる)、その質量減が10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。
また、本発明で防湿層として使用できる合成樹脂の、合成樹脂単独被膜の防湿性は、厚さ20μm換算で透湿度が800g/m2・24hr以下、好ましくは600g/m2・24hr以下、より好ましくは400g/m2・24hr以下である。これらの具体的な測定方法は、上記耐水性の指標と同様に合成樹脂被膜を形成し、JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)で透湿度を測定し、該合成樹脂被膜の厚さを測定し、20μm換算の透湿度を求める。この時、透湿度は厚さに反比例すると仮定する。なお、、透湿度を40℃90%RH条件下で測定するのは、樹脂の透湿度は温度と湿度によって変動するものであって、包装用途の防湿積層体においては、高温、高湿度条件下における透湿度の数値が低いものがより望ましいからである。
本発明で用いる合成樹脂は、水溶性あるいは熱水可溶性(水あるいは熱水に対する溶解度が5%以上)は、単独皮膜の透湿度が上述したものよりよりはるかに大きいため好ましくない。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)は水に対する溶解度が5〜30%の範囲にあるが(溶解度は分子量あるいはケン化度に依存)、その単独被膜(20μm)の透湿度は上述した条件化で1000g/m2・24hrを越えるため本発明での使用には好ましくない。
また、本発明は、水離解性があって、かつ、低分子量の物質が揮発しやすい、水分散液塗工によって被膜を形成する合成樹脂の臭気防止に適するものであるが、溶融押出ラミネートやホットメルト塗工などが可能な熱可塑性合成樹脂であっても、水離解性であれば、本発明に使用可能である。
また、本発明は、水離解性があって、かつ、低分子量の物質が揮発しやすい、水分散液塗工によって被膜を形成する合成樹脂の臭気防止に適するものであるが、溶融押出ラミネートやホットメルト塗工などが可能な熱可塑性合成樹脂であっても、水離解性であれば、本発明に使用可能である。
本発明で防湿層として使用できる合成樹脂としては、芳香族ビニル系単量体、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体、不飽和脂肪酸系単量体、αオレフィン系単量体及びその他の共重合可能な単量体の中から1種又は2種以上を乳化重合したものが好適に用いられる。
具体的には、芳香族ビニル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるメチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体(MBR)、芳香族ビニル系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−アクリル系共重合体、αオレフィン系単量体と不飽和脂肪酸系単量体の乳化重合から得られるエチレン−アクリル酸系共重合体、1種類あるいは2種類以上のエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の乳化重合から得られるアクリルエステル系重合体などが挙げられる。これら共重合体は他の単量体と共重合させて使用してもかまわない。
また、アタクチックポリプロピレンやアモルファスポリアルファオレフィンなどのアモルファスポリオレフィン樹脂も本発明の樹脂として好適に使用することができる。本発明の防湿層で使用できるアタクチックポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレン製造時の副産物で、コストが安く、流動性及び成膜性が良く、極めて柔軟である。一般にポリプロピレンはアイソタクチックな分子配列を持つ結晶化度の高いポリマーであるが、ポリプロピレン重合工程で副生するアタクチックポリプロピレン は、アタクチックな分子配列を持つ非晶性ポリマーである。またアモルファスポリアルファオレフィンは、プロピレン単独あるいはプロピレンとエチレンやブテン−1等を共重合した非晶性のオレフィン系ポリマーである。例えば宇部レキセン社製の「UBETAC APAO」として販売されている非晶性のポリプロピレン又はプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらの分子量は1000〜100000程度のものが適当である。分子量が1000未満では防湿層に十分な被膜強度がなく、さらに再生紙化の乾燥工程において樹脂のにじみが発生する場合がある。また100000を越えると樹脂の流動性が悪く、均一な防湿層が形成できないため、良好な防湿性が得られない場合がある。また使用に際し、単独又は2種以上を混合して使用される。
具体的には、芳香族ビニル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と脂肪族共役ジエン系単量体から乳化重合によって得られるメチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体(MBR)、芳香族ビニル系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体から乳化重合によって得られるスチレン−アクリル系共重合体、αオレフィン系単量体と不飽和脂肪酸系単量体の乳化重合から得られるエチレン−アクリル酸系共重合体、1種類あるいは2種類以上のエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の乳化重合から得られるアクリルエステル系重合体などが挙げられる。これら共重合体は他の単量体と共重合させて使用してもかまわない。
また、アタクチックポリプロピレンやアモルファスポリアルファオレフィンなどのアモルファスポリオレフィン樹脂も本発明の樹脂として好適に使用することができる。本発明の防湿層で使用できるアタクチックポリプロピレンは、アイソタクチックポリプロピレン製造時の副産物で、コストが安く、流動性及び成膜性が良く、極めて柔軟である。一般にポリプロピレンはアイソタクチックな分子配列を持つ結晶化度の高いポリマーであるが、ポリプロピレン重合工程で副生するアタクチックポリプロピレン は、アタクチックな分子配列を持つ非晶性ポリマーである。またアモルファスポリアルファオレフィンは、プロピレン単独あるいはプロピレンとエチレンやブテン−1等を共重合した非晶性のオレフィン系ポリマーである。例えば宇部レキセン社製の「UBETAC APAO」として販売されている非晶性のポリプロピレン又はプロピレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらの分子量は1000〜100000程度のものが適当である。分子量が1000未満では防湿層に十分な被膜強度がなく、さらに再生紙化の乾燥工程において樹脂のにじみが発生する場合がある。また100000を越えると樹脂の流動性が悪く、均一な防湿層が形成できないため、良好な防湿性が得られない場合がある。また使用に際し、単独又は2種以上を混合して使用される。
上記単量体について詳述する。芳香族ビニル系単量体は合成樹脂に耐水性と適度な硬さを付与させるもので、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどがあり、スチレンが好適に使用される。このような芳香族ビニル系単量体単独の重合体、あるいは芳香族ビニル系単量体と他の単量体の共重合体を本発明では芳香族ビニル系重合体と呼ぶ。
脂肪族共役ジエン系単量体は合成樹脂に柔軟性を付与させるもので、具体的には、ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好適に使用される。
エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体は合成樹脂に耐水性を付与させるとともに、合成樹脂の硬さやガラス転移温度(Tg)、最低造膜温度(MFT)を調整させるもので、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体などが挙げられる。このようなエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体単独の重合体、あるいはエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と他の単量体の共重合体を本発明ではエチレン性不飽和カルボン酸エステル系重合体と呼ぶ。
不飽和脂肪酸単量体は、合成樹脂の成膜性を向上させるとともに、共重合体の水中でのコロイドとしての安定性を高めるもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステルなどの、少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステル;アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、メタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩などの不飽和スルホン酸及びその塩が挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸が好適に使用される。
αオレフィン系単量体は合成樹脂に耐水性と柔軟性を付与させるもので、具体的にはエチレン、プロピレンなどが挙げられる。
上述した単量体と共重合可能な他の単量体は、合成樹脂の耐水性を高めたり、カチオン基を導入して接着性を高めたり、架橋性の官能基を導入して強度を高めたりするもので、具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル及びメタクリル酸β−ヒドロキシエチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル; アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド及びジアセトンアクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド及びその誘導体; アクリル酸グリシジル及びメタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル; アクロレイン及びアリルアルコール等のビニル化合物などが挙げられる。
なお、合成樹脂としては、ポリエステル系樹脂、生分解性樹脂(ポリ乳酸、ポリ酪酸、ポリカプロラクタムなど、また、天然系生分解性樹脂も含まれる)、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂なども使用することができる。
本発明で用いる合成樹脂のガラス転移温度(Tg)は−10〜40℃が好ましい。Tgが−10℃より小さいと防湿面の粘着性が強くブロッキングを生じ易くなり、Tgが40℃を越えて大きくなると成膜性が低下して防湿性が悪化する。
また、最低造膜温度(MFT)は、MFTは40℃以下が好ましい。MFTが40℃より大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
また、ゲル分率(トルエンに対する不溶分)は、40〜99%が好ましい。ゲル分率が40%未満になるとブロッキングを生じ易くなり、また、99%を越えて大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
また、最低造膜温度(MFT)は、MFTは40℃以下が好ましい。MFTが40℃より大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
また、ゲル分率(トルエンに対する不溶分)は、40〜99%が好ましい。ゲル分率が40%未満になるとブロッキングを生じ易くなり、また、99%を越えて大きいと成膜性が低下して防湿性が悪くなる。
本発明においては、防湿性を向上させるため、防湿層中に平板状顔料を添加することが可能である。
本発明の防湿層で好適に使用できる平板状顔料としては、第1にはフィロケイ酸塩(層状珪酸塩)が挙げられる。フィロケイ酸塩の具体例としては、カオリナイト−蛇紋石族(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイトなどのカオリン鉱物、クリソタイル、リザーダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石、ペコラアイト、ネポーアイト、アメサイトなどの蛇紋石類縁鉱物が一例として挙げられる)、パイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライトが一例として挙げられる)、雲母族(白雲母、パラゴナイト、イライト、金雲母、レピドライト、セリサイト、海緑石、セラドナイト、トベライト、ベントナイト、酸性白土が一例として挙げられる)、脆雲母(マーガライト、クリントナイト、アナンダイトなどが一例として挙げられる)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイトなどが一例として挙げられる、スメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、ノントロナイトが一例として挙げられる)、バーミキュライト族(3八面型バーミキュライト、2八面型バーミキュライトなどが一例として挙げられる)などが挙げられる。
これらの中でもアスペクトの大きい平板状顔料、例えば雲母族、スメクタイト族が好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母、合成マイカ)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母、カリ四ケイ素雲母、ナトリウム四ケイ素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどが挙げられる。組成的にタルクに類似する合成タルクなどの合成品も本発明の範疇に含むものとする。
カオリンやタルクなどの粘土鉱物も一般的には平板状といわれている。しかし、結晶一個をとれば、平板状の部分はあるが全体としては粒状である。しかし、カオリンやタルクのうち、意識的に結晶層を剥離し、平板にしたデラミカオリンや薄片状タルクなどは、本発明ににおける平板状顔料として用いることができる。また、平板状顔料の粒子径は、防湿層の膜厚に対応したものを使用することが好ましい。その場合は、平板状顔料をボールミル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕分級して所望の粒子径を得た後、本発明に使用するものとする。
本発明の防湿層で好適に使用できる平板状顔料としては、第1にはフィロケイ酸塩(層状珪酸塩)が挙げられる。フィロケイ酸塩の具体例としては、カオリナイト−蛇紋石族(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイトなどのカオリン鉱物、クリソタイル、リザーダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石、ペコラアイト、ネポーアイト、アメサイトなどの蛇紋石類縁鉱物が一例として挙げられる)、パイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライトが一例として挙げられる)、雲母族(白雲母、パラゴナイト、イライト、金雲母、レピドライト、セリサイト、海緑石、セラドナイト、トベライト、ベントナイト、酸性白土が一例として挙げられる)、脆雲母(マーガライト、クリントナイト、アナンダイトなどが一例として挙げられる)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイトなどが一例として挙げられる、スメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、ノントロナイトが一例として挙げられる)、バーミキュライト族(3八面型バーミキュライト、2八面型バーミキュライトなどが一例として挙げられる)などが挙げられる。
これらの中でもアスペクトの大きい平板状顔料、例えば雲母族、スメクタイト族が好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母、合成マイカ)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母、カリ四ケイ素雲母、ナトリウム四ケイ素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライトなどが挙げられる。組成的にタルクに類似する合成タルクなどの合成品も本発明の範疇に含むものとする。
カオリンやタルクなどの粘土鉱物も一般的には平板状といわれている。しかし、結晶一個をとれば、平板状の部分はあるが全体としては粒状である。しかし、カオリンやタルクのうち、意識的に結晶層を剥離し、平板にしたデラミカオリンや薄片状タルクなどは、本発明ににおける平板状顔料として用いることができる。また、平板状顔料の粒子径は、防湿層の膜厚に対応したものを使用することが好ましい。その場合は、平板状顔料をボールミル、サンドグラインダー、コボルミル、ジェットミルなどの粉砕機で粉砕分級して所望の粒子径を得た後、本発明に使用するものとする。
スメクタイト族には、ディッカイト、ナクライト、スメクタイト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石などを挙げることができる。特にスメクタイトが好ましく、スメクタイトにはモンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイトなどを挙げることができる。合成スメクタイトとしては、式(Na及び/又はLi)0.1〜1.0Mg2.4〜2.9Li0.0〜0.6Si3.5〜4.0O9.0〜10.6(OH及び/又はF)1.5〜2.5で示されるもの、合成マイカとしては膨潤性フッ素マイカが挙げられ、特開平5−270815号公報、特開平7−187657号公報に記載の方法等により合成される。スメクタイト族は水により容易に膨潤、壁開するため、雲母族に比べるとアスペクト比の大きな平板状顔料が得易い。そのため膨潤性無機層状化合物あるいは高膨潤性粘土鉱物と呼ばれることもあるが、スメクタイト族もフィロケイ酸塩化合物の一種であり雲母族と組成的には似ている。層間のイオンがナトリウムイオンやリチウムイオンの場合は水により膨潤し易く、カリウムイオンの場合は膨潤しにくい。
スメクタイト族の市販品としては、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア、スメクトン(クニミネ工業社製)、ビーガム(バンダービルト社製)、ラポナイト(ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(トピー工業社製)、ベンゲル(豊順洋行社製)などを挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。
スメクタイト族の市販品としては、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア、スメクトン(クニミネ工業社製)、ビーガム(バンダービルト社製)、ラポナイト(ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(トピー工業社製)、ベンゲル(豊順洋行社製)などを挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明に用いられるその他の平板状顔料は、積み重なった構造やイオンで結合した平板性の高い、いわゆる無機層状化合物である。無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、酸価グラファイトリン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物)、カルコゲン化合物、ジカルコゲン化合物、層状ペロブスカイト、層状チタン酸化物、層状ニオブ酸化物、層状酸化物、層状複水酸化物などが例示される。これらはナノシートとも呼ばれる化合物で、層状の化合物を単層シート(厚さ1nm前後)に剥離して得られる化合物である。
本発明で使用する平板状顔料は、水、あるいは溶剤中で分散された状態(もしくは防湿層中)での平均粒子径が20nm〜100μmの間にあるものが好適であり、好ましくは0.1μm〜50μm、より好ましくは1μm〜30μmである。平均粒子径が20nm未満であると、アスペクト比が小さくなり防湿性向上効果が小さい。一方100μmを越えると塗工層表面から顔料が突き出し、外観不良や防湿性低下を招き好ましくない。
本発明で用いる平板状顔料の水あるいは溶剤に分散された平均粒子径は、平均粒子径が0.1μm以上のものは光散乱理論を応用したレーザー回折による粒度分布測定装置において測定した値である。また、水あるいは溶剤に分散された平均粒子径が0.1μmのものについは動的光散乱法を用いて測定した値である。
本発明で用いる平板状顔料の水あるいは溶剤に分散された平均粒子径は、平均粒子径が0.1μm以上のものは光散乱理論を応用したレーザー回折による粒度分布測定装置において測定した値である。また、水あるいは溶剤に分散された平均粒子径が0.1μmのものについは動的光散乱法を用いて測定した値である。
また、本発明で使用する平板状顔料の好ましいアスペクト比は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が10以上である。アスペクト比が5未満のものは曲路効果が小さいために防湿性が低下する。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。平板状顔料の厚みは、防湿膜の断面写真より測定する。厚みが0.1μm以上のものは電子顕微鏡写真より画像解析して求める。厚みが0.1μm未満のものは透過型電子顕微鏡写真より画像解析して求める。本発明でいうアスペクト比は、上記水、又は溶剤に分散された平均粒子径を防湿膜の断面写真より求めた厚さで除したものである。
防湿層における合成樹脂と平板状顔料の配合量は、質量換算で99/1〜30/70が好ましく、より好ましくは90/10〜35/65、特に好ましくは85/15〜40/60である。平板状顔料の配合量が1%未満になると、防湿性向上効果及び離解性向上効果が小さくなる。平板状顔料が70%を越えて大きくなると、平板状顔料の間を埋める樹脂が不足して、空隙やピンホールの増大を招き防湿性が悪化する。
防湿層における合成樹脂と平板状顔料の配合量は、質量換算で99/1〜30/70が好ましく、より好ましくは90/10〜35/65、特に好ましくは85/15〜40/60である。平板状顔料の配合量が1%未満になると、防湿性向上効果及び離解性向上効果が小さくなる。平板状顔料が70%を越えて大きくなると、平板状顔料の間を埋める樹脂が不足して、空隙やピンホールの増大を招き防湿性が悪化する。
本発明においては、防湿性を向上させるために、防湿層中にワックスを添加することができる。
本発明で使用できるワックスとしては、パラフィンワックス系、マイクロクリスタリン系ワックス、ポリエチレン系ワックスなどの合成ワックスや、キャンデリラワックス、カルバナワックス、セレシンワックスなどの天然ワックスが挙げられる。ワックスは融点40℃〜110℃のものが好ましくは、より好ましくは50℃〜100℃、さらに好ましくは55℃〜80℃である。ワックスの融点が低すぎると温度が高い状態での防湿性が極端に悪くなり、110℃より高いと防湿性効果が極めて小さくなる。
本発明で使用できるワックスとしては、パラフィンワックス系、マイクロクリスタリン系ワックス、ポリエチレン系ワックスなどの合成ワックスや、キャンデリラワックス、カルバナワックス、セレシンワックスなどの天然ワックスが挙げられる。ワックスは融点40℃〜110℃のものが好ましくは、より好ましくは50℃〜100℃、さらに好ましくは55℃〜80℃である。ワックスの融点が低すぎると温度が高い状態での防湿性が極端に悪くなり、110℃より高いと防湿性効果が極めて小さくなる。
本発明においては、防湿層にさらに任意の成分を添加して防湿性を向上することが可能である。例えば、合成樹脂とと反応して疎水性に変性したり、又は架橋反応して疎水性化する架橋剤を防湿性向上剤として添加することが可能である。
防湿性向上剤としては、例えば下記:尿素−ホルムアルデヒド縮合反応生成物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物、炭素原子数が1〜8個のアルデヒド化合物、1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、架橋反応性多価金属化合物、オルガノアルコキシシラン化合物、オルガノアルコキシ金属化合物、有機アミン化合物、ポリアミド化合物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミン化合物、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、及びポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記防湿性向上剤に用いられる化合物のうち、尿素−ホルムアルデヒド縮合反応生成物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物は、ホルムアルデヒドに由来するメチロール基を有し、これが、合成樹脂成分中の重合体、又は共重合体と反応し、特にそのカルボキシル基、アミド基、及びヒドロキシル基、などの親水性官能基と脱水反応して、当該重合体又は共重合体分子を架橋し、これを疎水性化、水不溶化(三次元網目構造化)することができる。
上記防湿性向上剤に用いられる炭素原子数が1〜8個のアルデヒド化合物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、プロピルアルデヒド、プロパンジアール及びヘキサンジアールなどを包含し、これは、そのアルデヒド基において、合成樹脂成分に含まれる重合体又は共重合体の前記親水性官能基と付加反応してこれを疎水性化、及び水不溶性化することができる。
上記防湿性向上剤に用いられる1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物は、例えば、ポリグリシジルエーテル化合物、及びポリアミド−エポキシ樹脂などを包含し、これは、合成樹脂成分に含まれる重合体又は共重合体の前記親水性官能基と開環付加反応して、これを疎水性化及び水不溶性化することができる。
本発明において、防湿性向上剤として使用される架橋反応性多価金属化合物は、例えば、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド及びアルミニウムアルコキシドなどを包含し、これらの化合物中の多価金属は、合成樹脂成分中の重合体又は共重合体と、特にその前記親水性官能基と配位結合し、あるいは共有結合して、これら重合体又は共重合体を疎水性化し、水不溶性化することができる。
本発明において、防湿性向上剤として用いられるオルガノアルコキシシラン化合物及びオルガノアルコキシ金属化合物は、一般にカップリング剤として称されているものであって、無機−有機複合材料系にあっては無機成分と有機成分とを化学的に架橋結合し、あるいは両者の少なくとも一方に化学的、又は物理的に結合して、両者の親和性を高め、それによって、前記無機−有機複合材料の耐熱性、耐水性、機械的強度などを向上させるものである。本発明においては、オルガノアルコキシシラン化合物及びオルガノアルコキシ金属化合物は、合成樹脂成分と、平板状顔料との親和性、接着性を向上させて両者を密着させ、間隙の形成を防止し、それによって、防湿層の防湿性能を向上させることができる。
本発明に用いられるオルガノアルコキシシラン化合物は、その親水性部にSi原子を含むものであって、例えばビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを包含する。
また本発明に用いられるオルガノアルコキシ金属化合物は、その親水性部分に多価金属原子(例えば、Ti,Alなど)を含むものであって、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタノール、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、及びイソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどのチタネート化合物、並びに、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム化合物を包含する。
オルガノアルコキシシラン化合物及びオルガノアルコキシ金属化合物(以下カップリング剤と記す)は、その分子構造において、Si、Ti、又はAl原子を含み、無機物質に対して高い反応性又は親和性を有する親水性部分と、有機化合物に対して高い反応性又は親和性を有する疎水性部分とを有する。この親水性部分は、Ti、Al、又はSi原子に結合したアルコキシ基を加水分解することにより形成される。
本発明において、防湿性向上剤として用いられる有機アミン化合物、及びポリアミド化合物は、カチオン性を有し、これがアニオン性を示す平板状顔料と接触すると、その軟凝集及び互に平行な積層配向を促進し、防湿層の防湿性能を向上させることができる。有機アミン化合物、及びポリアミド化合物は、合成樹脂(a)を架橋することがなく、あるいはイオン結合により架橋しているから、これらを用いて得られる防湿層は、その回収再生工程において、水と接触すると容易に紙支持体から離解し、紙支持体のパルプ化を容易にすることができる。また、合成樹脂の水性官能基とイオン結合を形成し、合成樹脂の防湿性を高めることができる。例えば、合成樹脂成分に含まれる共重合体がカルボン酸基を有する場合、これが有機モノアミン、有機ポリアミン、又は有機第4級アンモニウム塩と反応して、その疎水性、又は水不溶性を高めることができる。
本発明において、防湿性向上剤として用いられる有機アミン化合物は第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、及び第4級アンモニウム塩化合物のいずれであってもよく、また、有機モノアミン及び有機ポリアミンのいずれであってもよい。さらに有機アミン化合物は、アミノ基以外の異種官能基、例えばエポキシ基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、ニトリル基などを有するものを包含する。このような変性有機アミン化合物としては、モノエポキシ化合物やジエポキシ化合物などのエポキシ基を有する化合物とアミン化合物の付加物、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのヒドロキシル基を有する化合物とアミン化合物の付加物、アクリルニトリルとアミン化合物のマイケル付加物、フェノール化合物とアルデヒド化合物とアミン化合物のマンニッヒ反応で得られる付加物などが挙げられる。
本発明に用いられる有機アミン化合物を例示すれば下記の通りである。
1)脂肪族ポリアミン(ポリアルキレンポリアミン)又はモノアミンエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビス−プロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンタンジアミン−3、N−アミノエチルピペラジン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリビニルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミンなど。
2)芳香族ポリアミン又はモノアミンm−フェニレンジアミン、4,4′−メチレンジアニリン、ベンジジン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−チオジアニリン、ジアニシジン、2,4−トルエンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(o−トルイジン)、o−フェニレンジアミン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、m−アミノベンジルアミン、アニリンなど。
3)芳香族環基を有する脂肪族ポリアミン又はモノアミンメタキシリレンジアミン、テトラクロロキシレンジアミン、トリメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミンなど。
4)第2級アミンN−メチルピペラジン、ピペリジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ピロリジン、モルホリンなど。
5)第3級アミンテトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデシルグリオキサリジン、ピリジン、ピラジン、キノリンなど。
6)第4級アンモニウム塩ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2−エチルヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、1,3−ビス(トリメチルアンモニオメチル)シクロヘキサンジクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなど。
7)ベタイン化合物、グリシン化合物、アミノ酸化合物ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル酸アミドプロピルベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど。上記有機アミン化合物の中でも、脂肪族ポリアミン、芳香族環基を有する脂肪族ポリアミン、変性ポリアミンを用いることが好適である。
1)脂肪族ポリアミン(ポリアルキレンポリアミン)又はモノアミンエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビス−プロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンタンジアミン−3、N−アミノエチルピペラジン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリビニルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミンなど。
2)芳香族ポリアミン又はモノアミンm−フェニレンジアミン、4,4′−メチレンジアニリン、ベンジジン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−チオジアニリン、ジアニシジン、2,4−トルエンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(o−トルイジン)、o−フェニレンジアミン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、m−アミノベンジルアミン、アニリンなど。
3)芳香族環基を有する脂肪族ポリアミン又はモノアミンメタキシリレンジアミン、テトラクロロキシレンジアミン、トリメチルアミノメチルフェノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミンなど。
4)第2級アミンN−メチルピペラジン、ピペリジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ピロリジン、モルホリンなど。
5)第3級アミンテトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプタデシルグリオキサリジン、ピリジン、ピラジン、キノリンなど。
6)第4級アンモニウム塩ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、シクロヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2−エチルヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、1,3−ビス(トリメチルアンモニオメチル)シクロヘキサンジクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなど。
7)ベタイン化合物、グリシン化合物、アミノ酸化合物ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル酸アミドプロピルベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど。上記有機アミン化合物の中でも、脂肪族ポリアミン、芳香族環基を有する脂肪族ポリアミン、変性ポリアミンを用いることが好適である。
本発明で使用されるポリアミド化合物(ポリアミドアミン化合物とも称せられる)は、上記アミン化合物とカルボン酸基を有する化合物の脱水縮合反応により得られるものである。例えばトール油とジエチルトリアミンの反応生成物、リノレン酸の2量体とテトラエチルペンタミンの反応生成物、トリエチレンテトラミンと飽和2塩基酸(アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸)の反応生成物、重合脂肪酸とジエチルトリアミンの反応生成物などが挙げられる。これらポリアミド化合物の分子量は1000〜5000程度であることが好ましい。
本発明において、防湿性向上剤として用いられるエポキシ化合物は、モノエポキシ化合物であってもよい。このモノエポキシ化合物は、脂肪族モノエポキシ化合物及び芳香族モノエポキシ化合物を包含し、例えばブチレンオキサイド、オクチレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、フェノールポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ラウリルアルコールポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどから選ぶことができる。
本発明において、防湿性向上剤として用いられるポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物は、i)ポリアルキレンポリアミン又はアルキレンポリアミン、ii)尿素類、iii)二塩基性カルボン酸、及び必要によりiv)アルデヒド類、エピハロヒドリン類及びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類から選ばれた化合物を反応させて得られる(特公昭59−32597、特開平4−10097など)。上記合成において、二塩基性カルボン酸(iii)を用いるとポリアミドポリ尿素化合物又はポリアミドアミンポリ尿素化合物が得られ、用いない場合はポリアミンポリ尿素系化合物が得られる。アルデヒド類やエピハロヒドリン類を用いる場合、その使用量は非常に少ないか、あるいは合成過程で自己架橋を起こして、フリーのメチロール基やエポキシ基がほとんど残存しないことが好ましい。また、上記反応において、尿素数(ii)を用いず、ポリアルキレンポリアミン又はアルキレンポリアミン(i)と、二塩基性カルボン酸とを反応させるとポリアミドアミン化合物が得られる。成分(iv)アルデヒド類、エピハロヒドリン類、及びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類の反応量は、成分(i)の100モル量に対し、5〜300モルの範囲内にあることが好ましい。
上記成分(i)として用いられるポリアルキレンポリアミン又はアルキレンポリアミンとしては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、エチレンジアミン、プロピルジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これらの中でジエチレントリアミン及び/又はトリエチレンテトラミンを用いることが好ましい。これらの化合物(i)は単独、あるいは2種類以上の混合物として用いられる。また、化合物(i)にシクロヘキシルアミンなどの脂環式アミン及び脂環式エポキシ化合物の1種以上を併用してもよい。
成分(ii)として用いられる尿素類としては尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などが挙げられる。これらの中でも尿素を用いることが好ましい。これらの尿素化合物は、単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。また、成分(iii)として用いられる二塩基性カルボン酸類は、分子内にカルボキシル基又はそれから誘導される基を2個有するものであって、遊離酸であってもよく、あるいはエステル類又は酸無水物などであってもよい。二塩基性カルボン酸は脂肪族、芳香族、脂環式二塩基性カルボン酸のいずれでもよい。その具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、及びヘキサハイドロフタル酸などが挙げられる。また、二塩基性カルボン酸とグリコール類との反応生成物であって、末端に遊離カルボン酸基を有するポリエステル類を使用してもよい。これら二塩基性カルボン酸類は単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。成分(iv)として用いられるアルデヒド類としてはホルムアルデヒド、プロピルアルデヒドなどのアルキルアルデヒド類やグリオキザール、プロパンジアール、ブタンジアール、エピハロヒドリン類としてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。さらに、成分(iv)として用いられるα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類としては1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどが挙げられる。
これらアルデヒド類、エピハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類は単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
さらに単量体成分として脂環式エポキシ化合物、アルキル化剤(一般式R−X;R=低級アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、フェノキシエチル基など、X=ハロゲン原子)、一般式R′−C(=Y)−NH2〔R′はアルキル基もしくは−NR′2基、Yは酸素原子又は硫黄原子〕で表される化合物などを反応させてもよい。
上記各成分は、任意の順序で反応させることができるが、その合成法の一例として次の方法を用いることができる。即ち、アルキレンジアミン又はポリアルキレンポリアミンと、尿素類とを脱アンモニア反応させ、次に、この反応生成物を二塩基性カルボン酸類と脱水縮合させ、さらに尿素類と脱アンモニア反応させることによりポリアミドポリ尿素化合物が得られる。このポリアミドポリ尿素化合物をアルデヒド類、エピハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類から選ばれた化合物と反応させるとポリアミドポリ尿素−アルデヒド(エピハロヒドリン)樹脂が得られる。
アルデヒド類、エピハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類は分子量の調整、水溶性の調整を目的として使用されるが、メチロール基やエポキシ環は自己架橋させほとんど残留していないことが好ましい。
本発明において、防湿性向上剤として、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、及びポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物を用いることができる。
上記縮合反応生成物は、その分子骨格中にアミノ基を含み、その側鎖にエポキシ環又はメチロール基を有するものであり、一般に下記成分:(i)ポリアルキレンポリアミン(ii)尿素類(iii)二塩基性カルボン酸類(iv)エピハロヒドリン類又はホルムアルデヒドを反応させて合成することができる(特公昭52−22982号、特公昭60−31948号、特公昭61−39435号、特開昭55−127423号)。
上記成分(i)〜(iv)を反応せしめれば、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物又はポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物が得られ、成分(i)、(ii)及び(iv)を反応させれば、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物が得られ、成分(i)、(iii)及び(iv)を反応させれば、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物が得られ、成分(i)、(iv)を反応させれば、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物が得られる。
上記成分(i)として用いられるポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、エチレンジアミン、プロピルジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、ビスヘキサメチレントリアミンやポリ(Nメチルジアリルアミン塩酸塩)、ポリビニルベンジルアミンジメチルアミン塩酸塩などのジアリルアミン類の重合物、ジシアンジアミドが挙げられる。これらの中でジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン、ジアリルアミン類の重合物が好ましい。これらが単独あるいは2種類以上の混合物として用いてもかまわない。
上記成分(ii)として用いられる尿素類としては尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などが挙げられる。これらの中でも尿素を用いることが好ましい。これらの尿素化合物は、単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。また、成分(iii)として用いられる二塩基性カルボン酸類は、分子内にカルボキシル基又はそれから誘導される基を2個有するものであって、遊離酸であってもよく、あるいはエステル類又は酸無水物などであってもよい。二塩基性カルボン酸は脂肪族、芳香族、脂環式二塩基性カルボン酸のいずれでもよい。その具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、及びヘキサハイドロフタル酸などが挙げられる。また、二塩基性カルボン酸とグリコール類との反応生成物であって、末端に遊離カルボン酸基を有するポリエステル類を使用してもよい。これら二塩基性カルボン酸類は単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
成分(iv)として用いられるエピハロヒドリン類としてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類、例えば1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどが挙げられる。エピハロヒドリン類は単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。
成分(iv)の反応量は、ポリアルキレンポリアミン成分(i)の100モル部に対し、5〜300モル部であることが好ましい。
本発明において、防湿性向上剤として用いられる上記ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物は、水性塗工液中において良好な可溶性を示すが、この塗工液から形成される防湿層の防湿性能を向上させることができる。しかし、得られる防湿性紙の防湿層は、その再生工程において、良好な離解性を示して、紙支持体から分離し、紙支持体のパルプの離解を阻害することがない。
本発明の防湿性紙に用いられる防湿性向上剤において、架橋反応剤と、カップリング剤が併用されていてもよい。この場合架橋反応剤は、尿素−ホルムアルデヒド縮合反応生成物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合反応生成物、炭素原子数が1〜8個のアルデヒド化合物、1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物、架橋反応性多価金属化合物及び有機アミン化合物、ポリアミド化合物などから選ばれた1種以上を含むことができ、また、カップリング剤は、前述のオルガノアルコキシシラン化合物及びオルガノアルコキシ金属化合物から選ばれた1種以上を含むことができる。また、合成樹脂成分(a)に含まれる重合体又は共重合体は、カルボキシル基、アミド基、ヒドロキシル基、ニトリル基、カルボニル基などの親水性官能基を有していることが好ましく、その酸変性率が5モル%以上であることがより好ましい。
さらに、本発明の防湿層には、ポリカルボン酸などの分散剤、シリコーン系などの消泡剤、界面活性剤、保水剤、色合い調成剤、平板状顔料以外の顔料(炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、有機顔料、タルク、シリカ)などを必要に応じて添加することが可能である。
本発明に用いられる基材は、機械的離解作用により水中で分散し易いパルプを主成分とするものであれば特に制限はないが、一般的に用いられている晒または未晒クラフト紙(酸性紙又は中性紙)、又は段ボール用、建材用、白ボ−ル用、チップボ−ル用などに用いられる板紙などが好適であり、さらに好ましくはヤンキ−ドライヤ−などで強制乾燥がなされた片ツヤ紙、又はカレンダ−処理が施された晒/未晒クラフト紙などであり、このように平滑な紙基材を用いた場合は、防湿層が均一に形成され、結果として防湿性が向上するため好ましい。
<実施例1>
水15質量部に25%アンモニア水溶液を0.40質量部加え撹拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学製)4.5質量部を撹拌しながら加えた。
さらに撹拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47質量部、ブタジエン単量体38質量部、メタクリル酸15質量部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン製)100質量部を加え撹拌した。
これにβシクロデキストリン(日新興業製、融点255〜265℃、有効成分95%以上、23度の水100mLに対する溶解度 1.8g/100mL)1質量部を加え撹拌し、合成マイカ(粒子径6.3μm、マイカの厚さ1〜10nm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)50質量部を撹拌しながら添加して防湿塗料とした。防湿塗料は固形分33%、pH8.2、粘度35cpsであった。
得られた防湿塗料を未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に防湿層の塗工量が固形分で12g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃1分間乾燥して防湿積層体を得た。
水15質量部に25%アンモニア水溶液を0.40質量部加え撹拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学製)4.5質量部を撹拌しながら加えた。
さらに撹拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47質量部、ブタジエン単量体38質量部、メタクリル酸15質量部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン製)100質量部を加え撹拌した。
これにβシクロデキストリン(日新興業製、融点255〜265℃、有効成分95%以上、23度の水100mLに対する溶解度 1.8g/100mL)1質量部を加え撹拌し、合成マイカ(粒子径6.3μm、マイカの厚さ1〜10nm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)50質量部を撹拌しながら添加して防湿塗料とした。防湿塗料は固形分33%、pH8.2、粘度35cpsであった。
得られた防湿塗料を未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に防湿層の塗工量が固形分で12g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃1分間乾燥して防湿積層体を得た。
<実施例2>
水22質量部にスチレン・アクリル系エマルジョン(サイデン化学(株)製:商品名サイビノールX−591−607E−17(Tg;20℃)、固形分45%)100質量部を加え攪拌後、ワックス系エマルジョン(サイデン化学(株)製:商品名サイビノールX−591−607E−18、固形分40%)を10質量部配合し、次に粒径が21μmの重質炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製:商品名BF−300、有効成分95%以上)を5質量部混合、撹拌した。
次にγサイクロデキストリン(日新興業製、融点240〜245℃、有効成分95%以上、23℃の水100mLに対する溶解度:22g/100mL)1質量部を混合、撹拌し、防湿塗料を作製した。防湿塗料の固形分は40%、pH8.5、粘度60cpsであった。
この防湿塗料を坪量70g/m2の片艶クラフト紙の艶面に、塗工量が12g/m2になるようにメイヤーバーで110℃1分間乾燥して防湿積層体を得た。
水22質量部にスチレン・アクリル系エマルジョン(サイデン化学(株)製:商品名サイビノールX−591−607E−17(Tg;20℃)、固形分45%)100質量部を加え攪拌後、ワックス系エマルジョン(サイデン化学(株)製:商品名サイビノールX−591−607E−18、固形分40%)を10質量部配合し、次に粒径が21μmの重質炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製:商品名BF−300、有効成分95%以上)を5質量部混合、撹拌した。
次にγサイクロデキストリン(日新興業製、融点240〜245℃、有効成分95%以上、23℃の水100mLに対する溶解度:22g/100mL)1質量部を混合、撹拌し、防湿塗料を作製した。防湿塗料の固形分は40%、pH8.5、粘度60cpsであった。
この防湿塗料を坪量70g/m2の片艶クラフト紙の艶面に、塗工量が12g/m2になるようにメイヤーバーで110℃1分間乾燥して防湿積層体を得た。
<実施例3>
膨潤性無機層状化合物(ナトリウム四ケイ素雲母、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)100質量部にアンモニウム水溶液(有効成分25%)を0.40質量部加えしばらく撹拌した後、含窒素化合物(テトラドデシルアンモニウムクロライド)の6%水溶液25質量部を加えて撹拌した。沈殿物を炉別して乾燥し有機化された平板状顔料を得た。
アモルファスポリオレフィンポリマー(ケミング製、商標:RT2180、ポリプロピレンホモポリマー、190℃における溶融粘度は8000mPa、軟化点159℃)100質量部をニーダー中、250℃で溶融し、そこに有機化された平板状顔料6質量部とαサイクロデキストリン2質量部(日新興業製、融点:255〜260℃、有効成分95%以上、23度の水100mLに対する溶解度:14g/100mL)を添加し30分間混練した。得られた材料の190℃における溶融粘度は30000cpsであった。
得られた有機化された平板状顔料配合のアモルファスポリオレフィンを220℃で300mmTダイを用いて顔料塗工白板紙(坪量540g/m2 厚さ660μm)の裏面にホットメルト塗工(塗工厚さ:20μm)し、防湿積層体を得た。
膨潤性無機層状化合物(ナトリウム四ケイ素雲母、粒子径6.3μm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)100質量部にアンモニウム水溶液(有効成分25%)を0.40質量部加えしばらく撹拌した後、含窒素化合物(テトラドデシルアンモニウムクロライド)の6%水溶液25質量部を加えて撹拌した。沈殿物を炉別して乾燥し有機化された平板状顔料を得た。
アモルファスポリオレフィンポリマー(ケミング製、商標:RT2180、ポリプロピレンホモポリマー、190℃における溶融粘度は8000mPa、軟化点159℃)100質量部をニーダー中、250℃で溶融し、そこに有機化された平板状顔料6質量部とαサイクロデキストリン2質量部(日新興業製、融点:255〜260℃、有効成分95%以上、23度の水100mLに対する溶解度:14g/100mL)を添加し30分間混練した。得られた材料の190℃における溶融粘度は30000cpsであった。
得られた有機化された平板状顔料配合のアモルファスポリオレフィンを220℃で300mmTダイを用いて顔料塗工白板紙(坪量540g/m2 厚さ660μm)の裏面にホットメルト塗工(塗工厚さ:20μm)し、防湿積層体を得た。
<実施例4>
水15質量部に25%アンモニア水溶液を0.40質量部加え撹拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学製)4.5質量部を撹拌しながら加えた。
さらに撹拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47質量部、ブタジエン単量体38質量部、メタクリル酸15質量部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン製)100質量部を加え撹拌した。これに、合成マイカ(粒子径6.3μm、マイカの厚さ1〜10nm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)50質量部を撹拌しながら添加して防湿塗料とした。防湿塗料は固形分33%、pH8.2、粘度30cpsであった。
得られた防湿塗料を未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に防湿層の塗工量が固形分で12g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃1分間乾燥して防湿層を形成した。
次に、水20質量部にイソエリートP(分岐サイクロデキストリン、日新興業製、23℃の水100mLに対する溶解度:48g/100mL)を2質量部、ポリビニルアルコール水溶液(固形分10%、クラレ製PVA105Kを水に溶解させたもの)10質量部を加えて、撹拌し、サイクロデキストリン含有水溶液を得た。
サイクロデキストリン含有水溶液を、前記クラフト紙の防湿層とは反対面に、固形分として3g/m2になるようにメイヤーバーで110℃1分間乾燥して防湿積層体を得た。
水15質量部に25%アンモニア水溶液を0.40質量部加え撹拌し、含窒素化合物(カチオン化度2.5meq/g、変性ポリアミド系樹脂、pH7.2、固形分50%、商標:SPI203(50)、住友化学製)4.5質量部を撹拌しながら加えた。
さらに撹拌しながら酸変性SBRラテックス(固形分50%、スチレン単量体47質量部、ブタジエン単量体38質量部、メタクリル酸15質量部、ガラス転移温度15℃、ゲル分率80%、粒子径80nm、pH7.0、商標HOJ4097、日本ゼオン製)100質量部を加え撹拌した。これに、合成マイカ(粒子径6.3μm、マイカの厚さ1〜10nm、陽イオン交換容量100meq/100g、6%水分散液、商標:NTO−5、トピー工業製)50質量部を撹拌しながら添加して防湿塗料とした。防湿塗料は固形分33%、pH8.2、粘度30cpsであった。
得られた防湿塗料を未晒クラフト紙(坪量70g/m2、厚さ100μm)に防湿層の塗工量が固形分で12g/m2になるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機を用いて110℃1分間乾燥して防湿層を形成した。
次に、水20質量部にイソエリートP(分岐サイクロデキストリン、日新興業製、23℃の水100mLに対する溶解度:48g/100mL)を2質量部、ポリビニルアルコール水溶液(固形分10%、クラレ製PVA105Kを水に溶解させたもの)10質量部を加えて、撹拌し、サイクロデキストリン含有水溶液を得た。
サイクロデキストリン含有水溶液を、前記クラフト紙の防湿層とは反対面に、固形分として3g/m2になるようにメイヤーバーで110℃1分間乾燥して防湿積層体を得た。
<比較例1〜3>
サイクロデキストリンを添加しない以外は実施例1〜3と同様にして防湿積層体を得た。
サイクロデキストリンを添加しない以外は実施例1〜3と同様にして防湿積層体を得た。
<比較例4>
サイクロデキストリンの替わりに活性炭(商標:クラレコールPW、粒子径100メッシュ以下、浦野(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
サイクロデキストリンの替わりに活性炭(商標:クラレコールPW、粒子径100メッシュ以下、浦野(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
<比較例5>
サイクロデキストリンの替わりにゼオライト(商標:大自然ゼオライト、粒子径3μm、桂林新竹大自然生物材料有限公司製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
以上、実施例及び比較例を後述の方法によって評価し、その結果を表1、表2に示す。
サイクロデキストリンの替わりにゼオライト(商標:大自然ゼオライト、粒子径3μm、桂林新竹大自然生物材料有限公司製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
以上、実施例及び比較例を後述の方法によって評価し、その結果を表1、表2に示す。
<試験方法>
1)透湿度
JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)で防湿塗工面を外側にして測定した。なお、50g/m2・24時間以下であれば防湿積層体として実用性がある。
2)臭気評価試験
A4サイズの防湿積層体50枚をアルミ袋(PE/アルミ箔/PEでジッパー付の袋)に入れて、40℃で一ヶ月間保管した。
得られたサンプルを、10名の評価者(A〜J)によって、その臭気を官能評価した。評価基準は下記の通りである。
5:クラフト紙の臭い以外は感じられない
4:わずかに臭気があるが不快ではない
3:臭気はあるが、不快ではない
2:臭気があり,不快である。
1:臭気及び不快さが強い。
なお、判定は1水準につき3セット行いその平均点(四捨五入)とした。
また、ブランクとして未晒クラフト紙(坪量70g/m2)についても臭気評価試験を行った。
1)透湿度
JIS−Z−0208(カップ法)B法(40℃90%RH)で防湿塗工面を外側にして測定した。なお、50g/m2・24時間以下であれば防湿積層体として実用性がある。
2)臭気評価試験
A4サイズの防湿積層体50枚をアルミ袋(PE/アルミ箔/PEでジッパー付の袋)に入れて、40℃で一ヶ月間保管した。
得られたサンプルを、10名の評価者(A〜J)によって、その臭気を官能評価した。評価基準は下記の通りである。
5:クラフト紙の臭い以外は感じられない
4:わずかに臭気があるが不快ではない
3:臭気はあるが、不快ではない
2:臭気があり,不快である。
1:臭気及び不快さが強い。
なお、判定は1水準につき3セット行いその平均点(四捨五入)とした。
また、ブランクとして未晒クラフト紙(坪量70g/m2)についても臭気評価試験を行った。
本発明の防湿性積層体は、紙製品の巻取や平判の包装紙、PPC用紙やインクジェット用紙などの小判断裁紙用の包装紙、お菓子箱や粉末洗剤箱などの各種紙器用の原紙(板紙)、段ボール用のライナ及び中芯、クラフト袋やクラフト多層袋(重袋)などの袋用原紙、液体用容器の原紙などに使用することができる。
Claims (4)
- 紙支持体表面に合成樹脂を含む防湿層を設けた防湿積層体であって、サイクロデキストリンを含有することを特徴とする防湿積層体。
- サイクロデキストリンが防湿層に含まれることを特徴とする請求項1記載の防湿積層体。
- 合成樹脂が、芳香族ビニル系重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系重合体、アモルファスポリオレフィン系重合体からなる群より選ばれた一種以上であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の防湿積層体。
- 平板状顔料が防湿層に含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防湿積層体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003380597A JP2005146423A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | 防湿積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003380597A JP2005146423A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | 防湿積層体 |
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JP (1) | JP2005146423A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022069363A1 (en) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | Unilever Ip Holdings B.V. | Packaging for perfume particles |
-
2003
- 2003-11-11 JP JP2003380597A patent/JP2005146423A/ja active Pending
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WO2022069363A1 (en) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | Unilever Ip Holdings B.V. | Packaging for perfume particles |
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