JP5021632B2 - アレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路、アレーアンテナの制御方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

アレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路、アレーアンテナの制御方法、プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、アレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路およびアレーアンテナの制御方法等に関する。例えば、車両などの移動体に搭載されるFM放送受信機等に関するものである。
従来より、車両などの移動体に搭載されるFM放送受信機では、時々刻々と変化する受信電波状況に対応するため、またマルチパス妨害に対処するために、所定の距離を置いた場所に複数のアンテナを設置し、受信状態のよいアンテナを選択するダイバーシティ方式が多く採用されている。また、近年の受信回路のディジタル化に伴い、CMA(CONSTANT MODULUS ALGORITHM)等の適応制御処理によって、複数のアンテナ入力を合成し、より良い受信電波を生成し、様々な受信電波状況でも良好に受信できる方式が提案されている。
そして、受信信号の品位を最適化するために、2つの隔てられた受信アンテナを用いて、ダイバーシティ信号とCMAによって合成された信号を選択的に出力する適応アンテナ受信機などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図11に、特許文献1で提案されている従来の適応アンテナ受信機の一部のブロック図を示す。
尚、特許文献1の全ての開示は、そっくりそのまま引用することにより、ここに一体化する。
2つのアンテナ1および2で受信された放送信号が、処理回路113および114のそれぞれに入力される。処理回路113は、アンテナ1および2からの受信信号をCMAを用いて合成し、その合成信号(RF信号)を検波器115および信号品位モニタ回路117に入力する。一方、処理回路114は、アンテナ1および2からの受信信号のうち、電力レベルまたは電界強度の高い方の信号を選択して、ダイバーシティ信号(RF信号)として検波器116および信号品位モニタ回路117に入力する。検波器115および116は、それぞれ入力されたRF信号を中間周波(IF)信号に変換し、選択回路118に入力する。
信号品位モニタ回路117は、入力された合成信号(RF信号)およびダイバーシティ信号(RF信号)のそれぞれについてビート周波数成分を振幅検波する。そして、各信号のビート周波数成分と平均電力値などに基づいて、選択回路118において再生されるべき信号を、合成信号にするかダイバーシティ信号にするかを判定する。信号品位モニタ回路117が、その判定結果を示す品位選択信号を選択回路118に送信すると、選択回路118は、品位選択信号に応じて合成信号またはダイバーシティ信号を選択し、出力端子119に出力する。
以上のようにして、受信信号の品位の最適化を図っている。
特開平10−209890号公報
しかしながら、従来の受信機の構成では、アンテナ間のアイソレーション(分離度)による影響によって、高品位の信号を選択できない場合があった。
アンテナ間のアイソレーションによって、あるアンテナで受信した信号が他のアンテナで受信した信号に影響を及ぼすが、従来の受信機では、このアンテナ間のアイソレーションによる受信性能への影響が考慮されていない。
以下に、アンテナ間のアイソレーションによる、適応制御された合成信号への影響について説明する。
図12(a)は、CMAによって合成する際の、アンテナ間のアイソレーションの影響によって信号品位が悪化する場合の入出力信号の波形例を示している。また、図12(b)は、アンテナ間のアイソレーションを無限大と仮定した場合のCMAによる合成出力波形を示している。
実環境においては、受信機が有する複数のアンテナ間のアイソレーションが無限大ということは無く、小型化などのためにアイソレーションによる信号品位への影響は大きくなり、マルチパス妨害などのある受信環境では、CMAによる合成出力信号は図12(b)のIQ信号64のような波形にはならない。
図12(a)では、図11のアンテナ1およびアンテナ2がそれぞれ受信した信号の波形を、IQ信号61およびIQ信号62として示している。アンテナ1およびアンテナ2の各受信信号がCMAによって合成されて、IQ信号63のような波形の合成信号が出力される。
図12(a)では、各IQ信号61〜63の波形の図に、振幅変動および位相変動の大きさを模式的に矢印の長さで表わしている。
アンテナ間のアイソレーションの影響が大きい場合、すなわちアンテナ間の干渉の度合いが大きい場合には、CMAにより出力される信号の位相変動が大きくなる。つまり、図12(a)のように、振幅変動に関しては、アンテナ1および2の受信信号の振幅振動よりも合成信号の振幅信号が小さくなるが、位相変動に関しては、アンテナ1および2の受信信号の位相変動よりも合成信号の位相信号の方が大きくなってしまう場合がある。
図12(c)は、参考として、振幅変動の大きさがIQ信号63と同等で、位相変動がIQ信号63よりも小さいIQ信号65の波形を示している。IQ信号63とIQ信号65の波形を比較すると、IQ信号65の方が波形形状が滑らかであり、位相変動が小さいことがわかる。
位相変動が大きいと、ノイズが大きいことは自明である。図12(a)を見ると、IQ信号61、IQ信号62は振幅変動がIQ信号63に比べて大きいため、この図を見ただけではIQ信号63の方が良い様に見えるが、IQ信号63の方が位相変動が大きくなっているので、IQ信号61や62の方が合成したIQ信号63よりも品質がよいということになる。
つまり、IQ信号65は、IQ信号61やIQ信号62よりも高品位の信号であるが、IQ信号63は、IQ信号61やIQ信号62よりも品質の悪い信号、すなわちノイズの多い信号である。
従来の特許文献1に開示されている受信機では、ビート周波数成分、すなわち振幅変動の大きさに基づいて信号品位の良否を判定している。つまり、CMAへの入力信号、合成信号が図12(a)のような場合には、IQ信号63の方がIQ信号61やIQ信号62よりも品質が悪いにも関わらず、IQ信号63が選択回路118によって再生されるべき信号として判定されてしまうことになる。
このように、従来の受信機では、アンテナ間のアイソレーションによる影響によって、受信電波状態によっては、振幅変動が小さいにも関わらず合成出力の方がアンテナ入力よりもノイズが多く、劣化した信号となる場合があるが、その様な場合には劣化した信号の合成出力が選択されてしまうことになる。
本発明は、上記従来の課題を考慮して、アンテナ入力信号と、適応制御により合成された信号との品質の良否を的確に選択できるアレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路およびアレーアンテナの制御方法等を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
電波を受信する複数のアンテナと、
前記アンテナが受信した各受信信号、および前記各受信信号を適応制御により合成した合成出力信号の中から、いずれか1つの信号を出力する適応制御処理ユニットと、
少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記適応制御処理ユニットに、前記合成出力信号を出力させるか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させるかを判定する受信モード判定部と、を備えたアレーアンテナ装置である。
この構成によれば、各受信信号の合成出力とアンテナ入力のどちらが受信状態が良いかが判定でき、より良い受信状態の信号を選択することが可能となる。
また、第2の本発明は、
前記受信モード判定部は、前記各受信信号の受信電界強度の差が前記各アンテナ間のアイソレーションより小さいときには、前記適応制御処理ユニットに前記合成出力信号を出力させると判定する、第1の本発明のアレーアンテナ装置である。
また、第3の本発明は、
前記受信モード判定部は、前記各受信信号の受信電界強度の差が前記各アンテナ間のアイソレーションより大きく、且つ前記各受信信号のDU比が予め決められた閾値より大きいときには、前記適応制御処理ユニットに前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させると判定する、第1の本発明のアレーアンテナ装置である。
さらに、該閾値は、前記アンテナが受信した各受信信号のノイズ量と適応制御により前記各受信信号を合成した合成出力のノイズ量とから求めるようにしてもよい。
この構成によれば、電波を受信するのに必要な通常用いられるハードウエェアで構成することができ、信号処理の工夫により実現できる。さらに、パラメータの変更により容易に最適な条件とすることができる。
また、第4の本発明は、
前記複数の受信信号のうち最もノイズ量の少ない受信信号を選択するアンテナ選択部をさらに備え、
前記受信モード判定部が、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させると判定したときには、前記適応制御処理ユニットは、前記アンテナ選択部により選択された前記最もノイズ量の少ない受信信号を出力する、第1の本発明のアレーアンテナ装置である。
また、第5の本発明は、
前記複数の受信信号のうち最もノイズ量の少ない受信信号を選択してその受信信号のウェイトベクトルを算出するアンテナ選択部をさらに備え、
前記適応制御処理ユニットは、
CMA処理を用いて、前記各受信信号を合成するためのウェイトベクトルを算出する適応制御部と、
前記受信モード判定部の判定結果に応じて、前記適応制御部で算出されたウェイトベクトルを出力するか、前記アンテナ選択部で算出されたウェイトベクトルを出力するかを制御するウェイトベクトル制御部と、
前記ウェイトベクトル制御部から出力されるウェイトベクトルに基づき、前記各受信信号を合成するアレー合成部とを有する、第1の本発明のアレーアンテナ装置である。
また、第6の本発明は、
前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比およびノイズ量の対応関係を予め保持しているテーブルを参照することで、前記各受信信号のノイズ量を推定するノイズ推定部をさらに備え、
前記アンテナ選択部は、前記ノイズ推定部が推定したノイズ量に基づいて、前記最もノイズ量の少ない受信信号を選択する、第4または第5の本発明のアレーアンテナ装置である。
また、第7の本発明は、
前記複数のアンテナに到達する到来波数を推定する到来波数推定部と、
前記複数のアンテナに到達する到来波方向を推定する到来波方向推定部と、をさらに備え、
前記受信モード判定部は、前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比、前記各アンテナ間のアイソレーション、前記到来波数および前記到来波方向に基づいて、前記適応制御処理ユニットに、前記合成出力信号を出力させるか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させるかを判定する、第1の本発明のアレーアンテナ装置である。
また、第8の本発明は、
第1の本発明のアレーアンテナ装置と、
前記複数のアンテナからの出力をそれぞれ周波数変換する複数の周波数変換部と、
前記周波数変換部からのそれぞれの出力をそれぞれAD変換する複数のAD変換部と、
前記アレーアンテナ装置から出力された信号を復調する復調部と、
前記復調部で復調された信号をDA変換するDA変換部と、
前記DA変換部からの出力が入力されるスピーカとを備え、
前記適応制御処理ユニットは、前記AD変換部でAD変換された信号を利用して適応制御を行い、出力信号を前記復調部へ出力する、ラジオ受信機である。
また、第9の本発明は、
第8の本発明のラジオ受信機に用いられる集積回路であって、
少なくとも前記AD変換部、前記受信モード判定部、前記適応制御処理ユニット、前記復調部および前記DA変換部をワンチップ化した、集積回路である。
また、第10の本発明は、
電波を受信する複数のアンテナが受信した各受信信号、および前記各受信信号を適応制御により合成した合成出力信号の中から、いずれか1つの信号を出力するアレーアンテナの制御方法であって、
少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記合成出力信号を出力するか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力するかを判定する判定ステップを備えたアレーアンテナの制御方法である。
また、第11の本発明は、
第10の本発明のアレーアンテナの制御方法の、少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記合成出力信号を出力するか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力するかを判定する前記判定ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、第12の本発明は、
第11の本発明のプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータで利用可能な記録媒体である。
本発明により、アンテナ入力信号と、適応制御により合成された信号との品質の良否を的確に選択できるアレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路およびアレーアンテナの制御方法等を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態にかかるアレーアンテナ装置が自動車に設置され、アナログFM放送を受信する車載ダイバーシティ受信機に適用した場合を例に説明する。なお、以下の説明では簡単のために接続されるアンテナが2個の場合を例として説明することとするが、必ずしもこれに限定されるものではなく2個以上のアンテナを備えていても構わない。また、各図面において、本発明に関係のない構成要素は省略している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るラジオ受信機の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施の形態1のラジオ受信機は、アンテナ1、2、フロントエンド部(以後、FEと呼ぶ)3、4、AD変換部(以後、ADCと呼ぶ)5、6、IQ変換部7、8、適応制御部9、受信電波状況分析部10、ノイズ推定部15、16、アンテナ選択部17、受信モード判定部18、ウェイトベクトル制御部19、アレー合成部20、FM復調部21、DA変換部(以後、DACと呼ぶ)22、およびスピーカ23から構成される。本発明の適応制御処理ユニット100は、一例として適応制御部9とウェイトベクトル制御部19とアレー合成部20で構成される。
なお、本発明のアレーアンテナ装置は、少なくとも、上記アンテナ1、2、受信モード判定部18、および適応制御処理ユニット100で構成される。また、FE3、4が、本発明の周波数変換部の一例にあたる。
アンテナ1、2は、FM放送局からの電波を受ける空中線で、例えば、ポールアンテナや、窓などのガラスに組み込まれたガラスアンテナである。例えば、ガラスアンテナは、導電性ペーストを印刷することで形成される。
FE3、4は、アンテナ1、2が受信した高周波信号を、より周波数の低い中間周波数帯に変換し、後段のADC5、6に出力する。
ADC5、6は、FE3、4から出力される中間周波数帯のアナログ信号をディジタル信号(以後、IF信号と呼ぶ)に変換し、IQ変換部7、8に出力する。
IQ変換部7、8は、ADC5、6から出力される中間周波数帯のディジタル信号に対して、直交復調およびダウンサンプリングを行い、適応制御部9、受信電波状況分析部10およびアレー合成部20のそれぞれに出力する。
IQ変換部7、8の具体的な処理内容を図2に示す。
図2に示すように、IQ変換部7、8では、中間周波数帯のディジタル信号を2つに分岐させ、SIN信号34およびCOS信号33をそれぞれに掛け合わせダウンサンプリング35、36することによりI信号とQ信号という複素化された信号が得られる。なお、図2のFifはIF信号の中心周波数を、FsはIF信号のサンプリング周波数を、それぞれ示している。このように図2では出力が2つになっているが、以後行われる信号処理では必ずI信号とQ信号を同時に用いるので、他の図においては1つの信号(以後、IQ信号と呼ぶ)とみなして記載する。
適応制御部9は、IQ変換部7、8から出力されたIQ信号について、FM変調が振幅一定であることに着目し、振幅一定基準に基づき適応制御を行い、振幅と位相情報を持つウェイトベクトルをウェイトベクトル制御部19に出力する。具体的には、周知の適応アルゴリズムとしてCMA(CONSTANT MODULUS ALGORITHM)を用いることが望ましい。
以下、CMAの動作を説明する。
直接波のみ受信している良好な受信状況では電界が一定であるが、マルチパス妨害のように、環境中での反射などによる遅延波も同時に受信するような状況では、直接波と遅延波が干渉し強めあったり弱めあったりする。その場合、IQ信号の振幅は一定ではなくなり受信状況が悪くなるが、このときCMAはアレー合成後の出力信号が振幅一定となるようウェイトベクトルを計算する。振幅一定ではない信号を振幅一定にするということは、遅延波を排除することと同義である。このため、アンテナ1およびアンテナ2で受信する電波が時々刻々変化しても、自律的にアンテナの指向性が振幅一定基準において最適となるよう、つまり妨害波を排除するよう、各アンテナにおける受信信号の振幅と位相が制御される。
ところが、アンテナ間の干渉の度合いが大きくなると、アンテナ1またはアンテナ2の入力をそのまま復調した音声よりも、適応制御による出力を復調した音声のほうがより多くノイズが発生する場合がある。これは、FM放送を受信した際のIQ信号において、位相に放送内容の情報が存在するため、必ずしも振幅一定基準が適しているとは限らないことに起因する。その詳細な状況(適応制御に基づくアレー合成出力の悪化状態)についての説明は後述する。
したがって、本実施の形態1のラジオ受信機の適応制御部9では、ウェイトベクトルの計算のみ行い、ウェイトベクトルに基づく実際のアレー合成は、アレー合成部20で行う。
受信電波状況分析部10は、IQ変換部7、8の出力であるIQ信号から各アンテナにおける受信信号に含まれるノイズ量や適応制御に基づくアレー合成出力の悪化状態を検知するために必要な電波状況の情報を求め、その結果をノイズ推定部15、16、および受信モード判定部18に出力する。
本実施の形態1では、図1に示すように、受信電波状況分析部10は、少なくとも受信電界強度を求めるSメータ部11、13と、受信信号電界強度対マルチパス妨害信号強度比を求めるDU比メータ部12、14とを備える。
Sメータ部11、13は、IQ信号の振幅の直流成分、つまり信号レベルを計測し、DU比メータ部12、14は、IQ信号の振幅の変動成分を計測する。
これらの具体的な例を図3に示す。図3(a)に、マルチパス妨害波の無い理想的な受信信号のIF信号波形とIQ信号波形を、図3(b)に、マルチパス妨害波が存在するときの受信信号のIF信号波形とIQ信号波形をそれぞれ示している。なお、図3(a)および(b)に示す破線は振幅を示している。マルチパス妨害波が存在するときには振幅が変動する。図3(b)の2つの破線は、最大振幅および最小振幅をそれぞれ示しており、IF信号の図に示す破線とIQ信号の図に示す破線の位置が対応している。
マルチパス妨害波が無いときは、FM放送波を受信しているので、図3(a)に示すように振幅一定となる。しかし、マルチパス妨害波が存在するときは直接波と遅延波が干渉し強めあったり弱めあったりする。このとき、図3(b)に示すように受信信号は振幅一定ではなくなる。また、マルチパス妨害波の影響が大きい程、振幅の変動が大きくなる。すなわち、振幅がどの程度変動しているかを計測することにより、マルチパス妨害波の大小を知ることができる。
なお、受信電波状況分析部10は、後述するノイズ推定部15、16が保持する受信電波状況とノイズの対応関係や、受信モード判定部18が適応制御に基づくアレー合成出力の悪化状態を検知するときに利用できる項目であれば、到来波数、到来波方向、遅延時間などの上記以外の電波状況を示すパラメータを計測するものであってもよい。これらのパラメータが計測できれば、受信電波環境に関してより多くの情報を得ることができる。このため、ノイズ推定部15、16において、保持する対応関係のパラメータを増やすことができるため、あらかじめ保持すべき対応関係のデータ量は増加するものの、より高精度なノイズ推定が可能となる。また、受信モード判定部18において、判定条件により多くのパラメータが使用できるため、判定時の条件判断回数が増加するものの、より高精度な受信モード判定を実現することができる。
ノイズ推定部15、16は、受信電波状況分析部10によって分析され出力されるSメータ部11、13およびDU比メータ部12、14から得られる各値と受信信号に含まれるノイズ量との対応関係をあらかじめ保持しており、その対応関係を参照することで、実際の受信信号に対するSメータ部11、13およびDU比メータ部12、14から得られる各値からノイズ量を推定し、その推定したノイズ量の値をアンテナ選択部17に出力する。
ノイズ推定部15、16にあらかじめ保持しておく上記の対応関係は、次のようにして求める。電界強度およびDU比が既知であり変調信号が正弦波信号である放送波を、実際に復調し、その復調音声信号に対し、変調信号の正弦波と同一の周波数に急激な減衰を与えるノッチフィルタをかけ、信号エネルギーを計算することでノイズ量とする。電界強度およびDU比の異なる複数の放送波のそれぞれについて同様にしてノイズ量を求めることにより、電界強度およびDU比とノイズ量との対応関係を求める。そして、このようにして求めた対応関係を、ノイズ推定部15、16にあらかじめ保持させておく。
ノイズ推定部15、16が、このようにあらかじめ対応関係を保持することで、実環境における受信信号においても受信電界強度とDU比のみからノイズ量の推定が可能となる。また、受信電波状況分析部10から他のパラメータが入力されても、計測できるパラメータが既知の放送波信号を作成し、同様の手法で対応関係を作成することでノイズ量の推定が可能である。
アンテナ選択部17は、ノイズ推定部15、16の出力であるアンテナ1、2それぞれのノイズ量から、よりノイズ量が少ない方のアンテナを選択するようなウェイトベクトルをウェイトベクトル制御部19に出力する。例えば、ノイズ推定部15から入力されたノイズ量の方が、ノイズ推定部16から入力されたノイズ量よりも少ない場合には、アンテナ1を選択するようなウェイトベクトルをウェイトベクトル制御部19に出力する。
ここで、ウェイトベクトルとは、各アンテナからの入力信号を操作する際の振幅と位相の変化量を示す複素数のベクトルであり、またIQ信号も複素信号であるため、振幅と位相の操作を複素数どうしの乗算という簡潔な形で表現することができる。
なお、本実施の形態1では、アンテナ選択部17は、ウェイトベクトルを出力することとしたが、それと同義であるような制御信号を、ウェイトベクトル制御部19に出力してもよい。
受信モード判定部18は、受信電波状況分析部10から出力されるアンテナ1とアンテナ2それぞれの受信電界強度とDU比の値、および後述するアンテナ間のアイソレーションに基づいて、アンテナ選択部17により選択されたアンテナ1または2の出力を用いるか、適応制御部9による出力を用いるかを判定し、その判定情報をウェイトベクトル制御部19に出力する。
次に、図4を用いて適応制御に基づくアレー合成出力の悪化状態について説明する。
図4は、アンテナ間の干渉について説明するための図であり、図1におけるアンテナ1、2から適応制御部9までに着目したものである。
図4では、アンテナ間の干渉24をアイソレーション25、26でモデル化している。アイソレーション25、26はアンテナ間の干渉の大きさを表す。アンテナ間の干渉の度合いが小さいほど、アイソレーション25、26の値は大きくなる。アンテナ1、2が独立しており互いに全く干渉が無い場合には、アイソレーション25、26の値は無限大となる。
適応制御を行い2本のアンテナ入力を合成するという観点からは、アンテナ間の情報が完全に独立していること、すなわちアンテナ間の干渉が全く無いことが理想的である。しかし、実際の環境では、アンテナの形状や配置、ケーブル間の距離などの要因に起因してアンテナ間の干渉24が発生する。このアンテナ間の干渉24は、事前に求めておくことが可能である。本実施の形態1では、アンテナ間の干渉24の度合いを示す指標となるアイソレーション25、26が既知であるとして説明する。
ここで、説明のために、上記アイソレーションモデルにおいて適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態となる具体的な受信電波環境の一例を図5および表1を用いて説明する。
図5は、本実施の形態1のラジオ受信機において、アレー合成出力が悪化状態となったときの、受信電波状況の一例を示している。図1に示すアンテナ1、2それぞれにおいて直接波と妨害波(共に平面波とする)の2波を受信している状況を示している。
アンテナ1では直接波27と妨害波29が受信され、アンテナ2では直接波28と妨害波30が受信される。直接波27、28は、二つのアンテナ位置を結んだ線分に対し中心を通りかつ直交する直線を基準として、直接波到来角度32の方向から入射する。同様に妨害波29、30は、妨害波到来角度31の方向から入射する。
また、適応制御に基づくアレー合成出力の悪化状態の一例として、前述のパラメータとアンテナ間の干渉の影響を受けた後の電波受信状況を表1を用いて説明する。表1は、アレー合成出力の悪化状態となる受信電波状況の数値例(単位はdBμV)を示している。
(表1)
Figure 0005021632


図4のアイソレーションモデルにおいて、アイソレーション25、26がIEdB、直接波到来角度32が0度、妨害波到来角度31が90度、アンテナ1の直接波の受信電界強度がS1dBμV、アンテナ1の妨害波の受信電界強度がSJ1dBμV、アンテナ2の直接波の受信電界強度がS2dBμV、アンテナ2の妨害波の受信電界強度がSJ2dBμVとする。
このとき、もしアンテナ間の干渉が無ければ(即ちアイソレーション25、26が∞dBの時)、直接波到来角度32と妨害波到来角度31が十分離れているので、図1に示す適応制御部9は、妨害波を排除するようアンテナの指向性を制御するので、適応制御した信号としてアンテナ1、2で受信される信号よりもノイズの少ない信号が得られる。
しかし、表1に示すように直接波および妨害波の乗り移りは、アイソレーション25、26の値IEを直接波電界強度S1やS2、妨害波電界強度SJ1やSJ2から減じた値となるので、アイソレーション25、26が直接波電界強度S1とS2の差および妨害波電界強度SJ1とSJ2の差より小さい場合、アンテナ1は、アンテナ2で受信した直接波28や妨害波30の影響を大きく受けるか、もしくはアンテナ2は、アンテナ1で受信した直接波27や妨害波29の影響を大きく受ける。
この状態は、適応制御部9から見ると、似通った波形が2系統に入力されるため、擬似的に直接波と妨害波の到来方向が同じ方向となる状況(即ち直接波到来角度32と妨害波到来角度31が等しい状況)に極めて近くなる。このような状況下では、適応制御部9が妨害波を抑制しようとし、同時に直接波まで抑制してしまい、結果として、適応制御に基づくアレー合成出力がアンテナ1、2の入力信号のどちらよりもノイズが増加してしまう。
つまり、直接波および妨害波のアンテナ間での受信電界強度差とアイソレーション25、26の関係を見れば、適応制御に基づくアレー合成出力のこのような悪化状態を検出することができる。
直接波27、28と妨害波29、30の電界強度は、Sメータ部11、13とDU比メータ部12、14の情報からわかる。よって、アイソレーション25、26が既知であれば、適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態かどうかを判別することができる。つまり、適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態と判別したときに、アレー合成出力からアンテナ入力に切替えれば、少なくとも適応制御に基づくアレー合成出力よりも良い受信状態となるので、適応制御に基づくアレー合成出力の状態を受信モードの切替えのトリガーとすることができる。
次に、図6を用いて、受信モード判定部18で行う受信モード判定処理の流れを説明する。図6は、受信モード判定部18の動作を説明するためのフローチャートを示している。
Sメータ部11で求めたアンテナ1の受信電界強度をSant1(単位はdBμVとする)、Sメータ部13で求めたアンテナ2の受信電界強度をSant2(単位はdBμVとする)とする。Sメータ部11、13では、アンテナ1、2の受信信号の信号レベルを計測しているが、さらにその計測値の平均値をとるなどの適切な処理をしているので、これらの出力Sant1やSant2は、直接波の電界強度と見なすことができる。
まず、ステップS33において、Sメータ部11で求めたアンテナ1の受信電界強度Sant1と、Sメータ部13で求めたアンテナ2の受信電界強度Sant2と、アイソレーション25(単位はdBとする)を比較し、Sant1がSant2よりアイソレーション25以上大きければステップS34に進み、小さければステップS35へ進む。
ステップS34において、DU比メータ部12で求めたアンテナ1の受信信号電界強度対マルチパス妨害信号強度比DU1(単位はdBとする)とあらかじめ設定された閾値Th1(単位はdBとする)を比較し、DU1の方が大きければステップS38へ進み、ウェイトベクトル制御部19に「アンテナ1またはアンテナ2の出力を用いる」との制御信号を出力し、判定処理を終了する。
ステップS34において、DU1が閾値Th1以下であればステップS35へ進む。
ステップS35において、Sメータ部13で求めたアンテナ2の受信電界強度Sant2と、Sメータ部11で求めたアンテナ1の受信電界強度Sant1と、アイソレーション26(単位はdBとする)を比較し、Sant2がSant1よりアイソレーション26以上大きければステップS36に進み、小さければS37に進む。
ステップS36において、DU比メータ部14で求めたアンテナ2の受信信号電界強度対マルチパス妨害信号強度比DU2(単位はdBとする)とあらかじめ設定された閾値Th2(単位はdBとする)を比較し、DU2の方が大きければステップS38へ進み、ウェイトベクトル制御部19に「アンテナ1またはアンテナ2の出力を用いる」との制御信号を出力し、判定処理を終了する。
ステップS36において、DU2が閾値Th2以下であればステップS37へ進み、ウェイトベクトル制御部19に「適応制御部9の出力を用いる」との制御信号を出力し、判定処理を終了する。
つまり、ステップS33においてアンテナ1のアンテナエレメントで受信される信号がアンテナ2にも影響を及ぼしているかどうかを判断し、ステップS35においてアンテナ2のアンテナエレメントで受信される信号がアンテナ1にも影響を及ぼしているかどうかを判断している。
ステップS34およびS36の閾値Th1、Th2は、ノイズ推定部15、16での対応関係を求めるのと同様の方法で、あらかじめ既知のDU比である信号を入力しノイズ量を計算することで適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態かどうかを調べて設定する。以上の手順に従うことで、アイソレーション25、26が既知であるとき、受信モード判定部18は、適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態かどうかを判定することができる。
CMAは、2つの入力信号が同一な信号に近づけば近づくほど、妨害波を抑圧しようとして直接波まで抑圧し、結果としてノイズが大きくなる。
図7に、アンテナ1、2からの入力信号のDU比が小さい状態における入出力信号の波形例を示す。入力信号のDU比が小さい(受信状態が悪い)状態においても、CMAは直接波・妨害波双方を抑圧しようとするように動作するが、図7のように状態があまりにも悪い入力のIQ信号66やIQ信号67よりも合成出力のIQ信号68は改善する。図12(a)の波形と対比して見てわかるように、位相変動も改善する。
本実施の形態1の受信モード判定部18では、ステップS34でそれを考慮して、マルチパスの影響が大きいために状態があまりにも悪い入力信号であるかどうかを判別している。入力信号の状態が悪い場合、すなわち図7のような状態の場合には、合成出力を用いる処理(ステップS35)に進む。マルチパスの影響がひどくない場合、すなわち図12(a)のような状態の場合には、アンテナ1または2の出力を用いる処理(ステップS38)に進む。
また、受信電波状況分析部10から、Sメータ部11、13およびDU比メータ部12、14で求められる値に加えて他のパラメータが入力されても、同様に判定が可能である。他のパラメータを入力して判定する場合の構成および動作については、後述する。
ウェイトベクトル制御部19は、受信モード判定部18から「適応制御部9の出力がアレー合成出力の悪化状態かどうか」の情報を受け取り、その情報に基づいて、アレー合成出力が悪化状態でなければ適応制御部9からの入力を採用し、アレー合成出力が悪化状態であればアンテナ選択部17からの入力を採用して、そのウェイトベクトルをアレー合成部20に出力する。
アレー合成部20は、ウェイトベクトル制御部19が出力するウェイトベクトルに基づいて、2つのアンテナ入力であるIQ変換部7、8からのそれぞれのIQ信号の振幅と位相を制御することで一つの信号へ合成し、FM復調部21に出力する。
FM復調部21は、アレー合成部20から入力されるIQ信号をコンポジット信号に復調し、その後コンポジット信号を音声信号に復調し、DAC22に出力する。
DAC22は、FM復調部21からのディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ23に出力する。
そして、スピーカ23は、DAC22から入力されるアナログ信号から音声を再生する。
次に、本実施の形態1のラジオ受信機全体の動作を、図8のフローチャートを用いて説明する。
まず、図1に示すFE3、4で2本のアンテナ1、2で受信された電波情報を中間周波数帯に変換した後(ステップS701)、ADC5、6でディジタル信号に変換する(ステップS702)。次に、IQ変換部7、8が、変換されたディジタル信号を複素化する(ステップS703)。複素化されたIQ信号は、Sメータ部11、13とDU比メータ部12、14に送られ、各アンテナの受信電界強度と受信信号電界強度対マルチパス妨害信号強度比(DU比)を計算する(ステップS704)。
次に、受信モード判定部18が、各アンテナの受信電界強度とDU比に基づいて、図6を用いて説明した受信モード判定処理を行う(ステップS705)。
適応制御部9では最適なウェイトベクトルを計算し(ステップS706)、ノイズ推定部15、16では各アンテナ入力のノイズ量を計算する(ステップS711)。
ステップS705の受信モード判定処理において、受信モード判定部18が受信電界強度とDU比の値を用いてアレー合成出力が悪化状態でないと判定すれば、ステップS707において、ウェイトベクトル制御部19がアレー合成部20に各アンテナ入力を合成させる。
ステップS705の受信モード判定処理において、受信モード判定部18が受信電界強度とDU比の値を用いてアレー合成出力が悪化状態であると判定すれば、アンテナ選択部17がノイズ推定部15、16によって計算されたノイズ量を比較した結果、アンテナ1のノイズ量よりアンテナ2のノイズ量が多ければ、ステップS707において、ウェイトベクトル制御部19がアレー合成部20にアンテナ1からの入力を選択して出力させる。アンテナ選択部17がノイズ量を比較した結果、アンテナ2のノイズ量よりアンテナ1のノイズ量が多ければ、同様に、ウェイトベクトル制御部19がアレー合成部20にアンテナ2からの入力を選択して出力させる。
ステップS707では、アレー合成部20は、ウェイトベクトル制御部19が出力するウェイトベクトルに基づきアンテナ入力を合成し、FM復調部21に出力する。FM復調部21は、アレー合成部20から入力されるIQ信号をコンポジット信号に復調し、その後、コンポジット信号を音声信号に復調しDAC22に出力する(ステップS708)。
DAC22では、FM復調部21からのディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ23に出力する(ステップS709)。スピーカ23が、DAC22から入力されるアナログ信号から音声を再生し(ステップS710)、本実施の形態1のラジオ受信機全体の処理が一通り終了する。
なお、図8に示したフローチャートでは、受信モード判定部18で受信モードを判定する(ステップS705)とともに、適応制御部9による適応制御処理(ステップS706)と、ノイズ推定部15、16によるノイズ推定処理(ステップS711)を行うこととしたが、受信モード判定部18の判定結果に応じて、適応制御部9による適応制御処理を行わせるか、ノイズ推定部15、16によるノイズ推定処理を行わせるかを切り替える処理としてもよい。
このような処理により、ラジオ受信機全体としてアンテナ1からの出力、アンテナ2からの出力、アンテナ1とアンテナ2の合成出力の3つの出力信号のうち、最もノイズの少ないものが選択され、アンテナ間の干渉が大きく適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態である状況においてもそれを回避することができ、ラジオ受信機全体としてみたとき良好な受信状態を維持することができる。
したがって、本実施の形態1のラジオ受信機では、CMAへの入力信号、合成信号が図12(a)のような場合であっても、IQ信号63のよりもIQ信号61やIQ信号62よりの方が品質が良い信号であると正確に判定でき、合成信号ではなく、アンテナ1またはアンテナ2からの入力信号を出力するように動作する。
なお、IQ変換部7、8からFM復調部21までの間の構成、すなわち、IQ変換部7、8、受信電波状況分析部10、ノイズ推定部15、16、アンテナ選択部17、受信モード判定部18、適応制御処理ユニット100およびFM復調部21の構成部分については、ディジタル信号に対する処理を行うので、プログラムを用いてソフトウェアで実現することもできる。
また、ソフトウェアを工夫するだけで、低コストで車載FM受信機の動作を様々な受信電波環境の下でも、合成処理を含む手法を正常に安定して動作させることができる。
また、ADC5、6、受信モード判定部18、適応制御処理ユニット100、FM復調部21およびDAC22をワンチップ化した集積回路を作成し、その集積回路をラジオ受信機に組み込むようにしてもよい。
なお、図1に示した本実施の形態1のラジオ受信機の構成では、適応制御部9で作成されたウェイトベクトル、アンテナ選択部17で作成されたウェイトベクトル、および受信モード判定部18の判定情報がウェイトベクトル制御部19に入力される構成としたが、ウェイトベクトル制御部19を設けずに、受信モード判定部18の判定情報を適応制御部9に入力するようにして、アンテナ1またはアンテナ2からの受信信号を利用する場合のウェイトベクトルも適応制御部9に作成させるようにしてもよい。
例えば、アンテナ選択部17が、ウェイトベクトルを作成するのではなく、ノイズ推定部15、16からのノイズ量の情報に応じて、いずれのアンテナの受信信号を利用するかを示す選択信号を適応制御部9に入力させる。そして、適応制御部9が、受信モード判定部18から入力される判定情報と、アンテナ選択部17から入力される選択情報に基づいて、ウェイトベクトルを作成すればよい。つまり、受信モード判定部18からの判定情報が、アレー合成出力が悪化状態でなければ、適応制御による合成出力のウェイトベクトルを作成し、アレー合成出力が悪化状態であれば、アンテナ選択部17からの選択情報で示されたアンテナの入力信号に対応するウェイトベクトルを作成するようにする。
そして、適応制御部9が作成したウェイトベクトルをアレー合成部20に入力させる。このような構成にしても、図1に示した本実施の形態1のラジオ受信機と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した本実施の形態1の説明は、本発明の一例である。よって本発明は上述した本実施の形態1に限定されること無く、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係るラジオ受信機の、受信電波状況分析部、ノイズ推定部および受信モード判定部の構成部分のブロック図を示している。
図1に示した実施の形態1のラジオ受信機とは、これらの構成部分のみが異なっており、図9において省略されている構成部分は図1と同じ構成とする。なお、図1と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。
本実施の形態2の受信電波状況分析部50は、図1の実施の形態1の受信電波状況分析部10の構成に加えて到来波数推定部53と到来波方向推定部54を備えており、ノイズ推定部55、56と受信モード判定部58の入力信号が増えた点が実施の形態1のラジオ受信機の構成と異なる。
到来波数推定部53は、IQ変換部7、8から出力されるIQ信号について、MUSIC法を用いてアンテナ1および2に到達する到来波数を推定し、ノイズ推定部55、56に出力する。使用するアルゴリズムとしては、到来波数の情報を含むものであれば良いので、ESPRIT法でもよい。
到来波方向推定部54は、IQ変換部7、8から出力されるIQ信号について、MUSIC法を用いてアンテナ1および2に到達する到来波方向を推定し、ノイズ推定部55、56に出力する。使用するアルゴリズムとしては、到来波方向の情報を含むものであれば良いので、ESPRIT法でもよい。
ノイズ推定部55、56は、受信電波状況分析部50によって分析され出力される受信電界強度、DU比、到来波数および到来波方向の4パラメータと受信信号に含まれるノイズ量との対応関係をあらかじめ保持し、その対応関係を参照することで、実際の受信信号のSメータ部11、13およびDU比メータ部12、14の値からノイズ量を推定し、その推定したノイズ量の値をアンテナ選択部17に出力する。
ノイズ推定部55、56にあらかじめ保持しておく上記の対応関係は、次のようにして求める。電界強度、DU比、到来波数および到来波方向が既知であり変調信号が正弦波信号である放送波を、実際に復調し、その復調音声信号に対し、変調信号の正弦波と同一の周波数に急激な減衰を与えるノッチフィルタをかけ、信号エネルギーを計算することでノイズ量とする。電界強度、DU比、到来波数および到来波方向の異なる複数の放送波のそれぞれについて同様にしてノイズ量を求めることにより、電界強度、DU比、到来波数および到来波方向とノイズ量との対応関係を求める。そして、このようにして求めた対応関係を、ノイズ推定部55、56にあらかじめ保持させておく。
このように対応関係を保持することで、実環境における受信信号においても受信電界強度、DU比、到来波数および到来波方向からノイズ量の推定が可能となる。つまり、ノイズ推定部55、56の動作原理は実施の形態1と同じで、入力データの種類と内部に保持しているテーブルの形式が実施の形態1とは異なる。
実施の形態1の受信モード判定部18では、受信電波状況分析部10から出力されるアンテナ1とアンテナ2それぞれの受信電界強度とDU比の値およびアンテナ間のアイソレーションに基づいて、アンテナ選択部17により選択されたアンテナ1または2の出力を用いるか、適応制御部9による出力を用いるかを判定していたのに対し、本実施の形態2の受信モード判定部58は、これらのパラメータに加えて到来波数および到来波方向にも基づいて、アンテナ選択部17により選択されたアンテナ1または2の出力を用いるか、適応制御部9による出力を用いるかを判定する。
なお、本実施の形態2は、受信電波状況分析部50の構成とノイズ推定部55、56および受信モード判定部58の動作以外は、実施の形態1と同じであるのでその部分の説明は、省略する。
次に、図10を用いて、Sメータ部11、13とDU比メータ部12、14で求められる値に加え、もう一つのパラメータとして到来波方向の情報にも基づいて受信モードの判定をする場合の、受信モード判定部58で行う受信モード判定処理の流れを説明する。図10は、本実施の形態2の受信モード判定部58の動作を説明するためのフローチャートを示している。
なお、図6のフローチャートと同じ処理部分には、同じ符号を用いている。図6に示した実施の形態1の処理内容と異なる処理部分について、以下に説明する。
図10に示す本実施の形態2の受信モード判定部58の処理では、受信電界強度とアイソレーションの関係を確認して次にDU比を確認するという図6の手順に、到来波方向推定部54から入力された到来波方向の情報を確認するというステップS39およびS40の手順を加えている。
ステップS39およびS40において、τはアンテナ1における直接波に対する妨害波の遅延時間、θは直接波到来角度、θは妨害波到来角度、cは光速、Tは放送波中心周波数に対応する周期、dはアンテナ1とアンテナ2の間隔、をそれぞれ示している。Th3およびTh4は、あらかじめ設定された閾値であり、前述したノイズ推定部55、56での対応関係を求めるのと同様の方法で、あらかじめ既知の到来方向である信号を入力しノイズ量を計算することで適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態かどうかを調べて設定する。
直接波と妨害波の位相が180度ずれると互いに打ち消し合うため、信号が無くなり、受信できなくなってしまう。つまり、位相のずれが半波長に近いほど、各アンテナ1、2の受信状態は悪くなる。ステップS39およびS40では、到来波方向の情報θとθに基づいて、それぞれアンテナ1およびアンテナ2における位相のずれについて判定している。
このように、図6の手順にステップS39およびS40の手順を加えることで、実施の形態1よりもさらに高精度なモード判定が可能となる。
なお、図10のフローチャートでは、受信電界強度、DU比およびアンテナ間のアイソレーションに加えて到来波方向の情報を用いる例について説明したが、到来波方向の情報の代わりに、到来波数推定部53から入力される到来波数の情報を判定用のパラメータとして用いてもよいし、到来波方向と到来波数の両方の情報を用いて判定するようにしてもよい。
また、さらに判定するためのパラメータ数が多くてもよい。パラメータ数がいくつであっても、順に適応制御に基づくアレー合成出力が悪化状態かどうかをあらかじめ求めておいた閾値と順に比べることで判断できる。その際に必要となる閾値は、DU比の場合と同様に既知の放送波信号を用いることであらかじめ求めることができる。
以上に説明した本実施の形態2の構成により、ソフトウェアを工夫するだけで、低コストで車載FM受信機の動作を様々な受信電波環境の下でも合成処理を含む手法を正常に安定して動作させることができる。また、実施の形態1に比べソフトウェアの処理量が増加するものの、受信電波環境に関するより多くの情報を得ることができるので、より高精度なノイズ量の推定を実現することができ、良好な受信状態を実現できる。
以上に説明したように、本発明のアレーアンテナ装置は、アンテナ間の干渉(アイソレーション)を考慮することにより、様々な受信電波状況において良好な受信を実現できる。
本発明のアレーアンテナ装置を用いると、各受信信号の合成出力とアンテナ入力のどちらが受信状態が良いかが判定でき、より良い受信状態の信号を選択することが可能となる。
さらに、受信モード判定部が判定のために用いる閾値は、アンテナが受信した各受信信号のノイズ量と、適応制御により各受信信号を合成した合成出力のノイズ量とから求めるようにしてもよい。
また、本発明のアレーアンテナ装置は、電波を受信するのに必要な通常用いられるハードウェアで構成することができ、信号処理の工夫により実現できる。さらに、パラメータの変更により容易に最適な条件とすることができる。
また、本発明のアンテナ装置およびその制御方法は、装置全体を安定して動作させることが可能なので、適応制御による合成出力の出力状態が良くない時でも、実環境においてより良好な受信状態を実現する受信機を作成できる。
なお、本発明のプログラムは、上述した本発明のアレーアンテナの制御方法の、少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記合成出力信号を出力するか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力するかを判定する前記判定ステップを、コンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
また、本発明の記録媒体は、上述した本発明のアレーアンテナの制御方法の、少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記合成出力信号を出力するか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力するかを判定する前記判定ステップの全部または一部の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能且つ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協働して前記動作を実行する記録媒体である。
なお、本発明の上記「ステップの動作」とは、前記ステップの全部または一部を意味する。
また、本発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な、ROM等の記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
また、本発明のプログラムの一利用形態は、インターネット等の伝送媒体、光・電波等の伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
また、上述した本発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
なお、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
本発明に係るアレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路、アレーアンテナの制御方法等は、アンテナ入力信号と適応制御により合成された信号との品質の良否を的確に選択できる効果を有し、アレーアンテナ装置、ラジオ受信機、集積回路およびアレーアンテナの制御方法等や、車両などの移動体に搭載されるFM放送受信機等として有用である。
本発明の実施の形態1のラジオ受信機の全体構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1のラジオ受信機のIQ変換部におけるIQ変換処理を説明するための図 (a)マルチパス妨害波が無いときの受信信号波形を示す図、(b)マルチパス妨害波があるときの受信信号波形を示す図 アンテナ間の干渉について説明するための図 アレー合成出力が悪化状態となったときの受信電波状況の一例を示す図(上面図) 本発明の実施の形態1のラジオ受信機の受信モード判定部の動作を説明するためのフローチャート図 CMAによって合成する際の、アンテナからの入力信号のDU比が小さい状態における入出力信号の波形例を示す図 本発明の実施の形態1のラジオ受信機全体の動作を説明するためのフローチャート図 本発明の実施の形態2のラジオ受信機の、受信電波状況分析部、ノイズ推定部および受信モード判定部の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2のラジオ受信機の受信モード判定部の動作を説明するためのフローチャート図 従来の適応アンテナ受信機の一部を示すブロック図 (a)CMAによって合成する際の、アンテナ間のアイソレーションの影響によって信号品位が悪化する場合の入出力信号の波形例を示す図、(b)アンテナ間のアイソレーションを無限大と仮定した場合のCMAによる合成出力波形を示す図、(c)振幅変動の大きさがIQ信号63と同等で、位相変動がIQ信号63よりも小さいIQ信号の波形を示す図
符号の説明
1、2 アンテナ
3、4 FE
5、6 ADC
7、8 IQ変換部
9 適応制御部
10、50 受信電波状況分析部
11、13 Sメータ部
12、14 DU比メータ部
15、16、55、56 ノイズ推定部
17 アンテナ選択部
18、58 受信モード判定部
19 ウェイトベクトル制御部
20 アレー合成部
21 FM復調部
22 DAC
23 スピーカ
24 アンテナ間の干渉
25、26 アイソレーション
27 アンテナ1において受信される直接波
28 アンテナ2において受信される直接波
29 アンテナ1において受信される妨害波
30 アンテナ2において受信される妨害波
31 妨害波到来角度
32 直接波到来角度
33 COS信号
34 SIN信号
35、36 ダウンサンプリング
53 到来波数推定部
54 到来波方向推定部
100 適応制御処理ユニット

Claims (12)

  1. 電波を受信する複数のアンテナと、
    前記アンテナが受信した各受信信号、および前記各受信信号を適応制御により合成した合成出力信号の中から、いずれか1つの信号を出力する適応制御処理ユニットと、
    少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記適応制御処理ユニットに、前記合成出力信号を出力させるか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させるかを判定する受信モード判定部と、を備えたアレーアンテナ装置。
  2. 前記受信モード判定部は、前記各受信信号の受信電界強度の差が前記各アンテナ間のアイソレーションより小さいときには、前記適応制御処理ユニットに前記合成出力信号を出力させると判定する、請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  3. 前記受信モード判定部は、前記各受信信号の受信電界強度の差が前記各アンテナ間のアイソレーションより大きく、且つ前記各受信信号のDU比が予め決められた閾値より大きいときには、前記適応制御処理ユニットに前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させると判定する、請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  4. 前記複数の受信信号のうち最もノイズ量の少ない受信信号を選択するアンテナ選択部をさらに備え、
    前記受信モード判定部が、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させると判定したときには、前記適応制御処理ユニットは、前記アンテナ選択部により選択された前記最もノイズ量の少ない受信信号を出力する、請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  5. 前記複数の受信信号のうち最もノイズ量の少ない受信信号を選択してその受信信号のウェイトベクトルを算出するアンテナ選択部をさらに備え、
    前記適応制御処理ユニットは、
    CMA処理を用いて、前記各受信信号を合成するためのウェイトベクトルを算出する適応制御部と、
    前記受信モード判定部の判定結果に応じて、前記適応制御部で算出されたウェイトベクトルを出力するか、前記アンテナ選択部で算出されたウェイトベクトルを出力するかを制御するウェイトベクトル制御部と、
    前記ウェイトベクトル制御部から出力されるウェイトベクトルに基づき、前記各受信信号を合成するアレー合成部とを有する、請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  6. 前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比およびノイズ量の対応関係を予め保持しているテーブルを参照することで、前記各受信信号のノイズ量を推定するノイズ推定部をさらに備え、
    前記アンテナ選択部は、前記ノイズ推定部が推定したノイズ量に基づいて、前記最もノイズ量の少ない受信信号を選択する、請求項4または5記載のアレーアンテナ装置。
  7. 前記複数のアンテナに到達する到来波数を推定する到来波数推定部と、
    前記複数のアンテナに到達する到来波方向を推定する到来波方向推定部と、をさらに備え、
    前記受信モード判定部は、前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比、前記各アンテナ間のアイソレーション、前記到来波数および前記到来波方向に基づいて、前記適応制御処理ユニットに、前記合成出力信号を出力させるか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力させるかを判定する、請求項1記載のアレーアンテナ装置。
  8. 請求項1記載のアレーアンテナ装置と、
    前記複数のアンテナからの出力をそれぞれ周波数変換する複数の周波数変換部と、
    前記周波数変換部からのそれぞれの出力をそれぞれAD変換する複数のAD変換部と、
    前記アレーアンテナ装置から出力された信号を復調する復調部と、
    前記復調部で復調された信号をDA変換するDA変換部と、
    前記DA変換部からの出力が入力されるスピーカとを備え、
    前記適応制御処理ユニットは、前記AD変換部でAD変換された信号を利用して適応制御を行い、出力信号を前記復調部へ出力する、ラジオ受信機。
  9. 請求項8記載のラジオ受信機に用いられる集積回路であって、
    少なくとも前記AD変換部、前記受信モード判定部、前記適応制御処理ユニット、前記復調部および前記DA変換部をワンチップ化した、集積回路。
  10. 電波を受信する複数のアンテナが受信した各受信信号、および前記各受信信号を適応制御により合成した合成出力信号の中から、いずれか1つの信号を出力するアレーアンテナの制御方法であって、
    少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記合成出力信号を出力するか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力するかを判定する判定ステップを備えたアレーアンテナの制御方法。
  11. 請求項10記載のアレーアンテナの制御方法の、少なくとも前記各受信信号の受信電界強度、前記各受信信号のDU比および前記各アンテナ間のアイソレーションに基づいて、前記合成出力信号を出力するか、前記複数の受信信号のうちのいずれかの受信信号を出力するかを判定する前記判定ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項11記載のプログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータで利用可能な記録媒体。
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